(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態および変形例は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0021】
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。本実施形態の熱交換器は、空気調和機(10)に設けられた室外熱交換器(23)である。
【0022】
−空気調和機−
空気調和機(10)について、
図1を参照しながら説明する。
【0023】
〈空気調和機の構成〉
空気調和機(10)は、室外ユニット(11)および室内ユニット(12)を備えている。室外ユニット(11)と室内ユニット(12)は、液側連絡配管(13)およびガス側連絡配管(14)を介して互いに接続されている。空気調和機(10)では、室外ユニット(11)、室内ユニット(12)、液側連絡配管(13)およびガス側連絡配管(14)によって、冷媒回路(20)が形成されている。
【0024】
冷媒回路(20)には、圧縮機(21)と、四方切換弁(22)と、室外熱交換器(23)と、膨張弁(24)と、室内熱交換器(25)とが設けられている。圧縮機(21)、四方切換弁(22)、室外熱交換器(23)、および膨張弁(24)は、室外ユニット(11)に収容されている。室外ユニット(11)には、室外熱交換器(23)へ室外空気を供給するための室外ファン(15)が設けられている。一方、室内熱交換器(25)は、室内ユニット(12)に収容されている。室内ユニット(12)には、室内熱交換器(25)へ室内空気を供給するための室内ファン(16)が設けられている。
【0025】
冷媒回路(20)は、冷媒が充填された閉回路である。冷媒回路(20)において、圧縮機(21)は、その吐出側が四方切換弁(22)の第1のポートに、その吸入側が四方切換弁(22)の第2のポートに、それぞれ接続されている。また、冷媒回路(20)では、四方切換弁(22)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、室外熱交換器(23)と、膨張弁(24)と、室内熱交換器(25)とが配置されている。
【0026】
圧縮機(21)は、スクロール型またはロータリ型の全密閉型圧縮機である。四方切換弁(22)は、第1のポートが第3のポートと連通し且つ第2のポートが第4のポートと連通する第1状態(
図1に破線で示す状態)と、第1のポートが第4のポートと連通し且つ第2のポートが第3のポートと連通する第2状態(
図1に実線で示す状態)とに切り換わる。膨張弁(24)は、いわゆる電子膨張弁である。
【0027】
室外熱交換器(23)は、室外空気を冷媒と熱交換させる。室外熱交換器(23)については後述する。一方、室内熱交換器(25)は、室内空気を冷媒と熱交換させる。室内熱交換器(25)は、円管である伝熱管を備えたいわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器によって構成されている。
【0028】
〈空気調和機の運転動作〉
空気調和機(10)は、冷房運転と暖房運転を選択的に行う。
【0029】
冷房運転中の冷媒回路(20)では、四方切換弁(22)を第1状態に設定した状態で、冷凍サイクルが行われる。この状態では、室外熱交換器(23)、膨張弁(24)、室内熱交換器(25)の順に冷媒が循環し、室外熱交換器(23)が凝縮器として機能し、室内熱交換器(25)が蒸発器として機能する。室外熱交換器(23)では、圧縮機(21)から流入したガス冷媒が室外空気へ放熱して凝縮し、凝縮後の冷媒が膨張弁(24)へ向けて流出してゆく。
【0030】
暖房運転中の冷媒回路(20)では、四方切換弁(22)を第2状態に設定した状態で、冷凍サイクルが行われる。この状態では、室内熱交換器(25)、膨張弁(24)、室外熱交換器(23)の順に冷媒が循環し、室内熱交換器(25)が凝縮器として機能し、室外熱交換器(23)が蒸発器として機能する。室外熱交換器(23)には、膨張弁(24)を通過する際に膨張して気液二相状態となった冷媒が流入する。室外熱交換器(23)へ流入した冷媒は、室外空気から吸熱して蒸発し、その後に圧縮機(21)へ向けて流出してゆく。
【0031】
−室外熱交換器−
室外熱交換器(23)について、
図2〜4を適宜参照しながら説明する。なお、以下の説明に示す扁平管(33)の本数は、何れも単なる一例である。
【0032】
〈室外熱交換器の構成〉
図2および
図3に示すように、室外熱交換器(23)は、一つの第1ヘッダ集合管(60)と、一つの第2ヘッダ集合管(70)と、多数の扁平管(33)と、多数のフィン(36)とを備えている。第1ヘッダ集合管(60)、第2ヘッダ集合管(70)、扁平管(33)およびフィン(35)は、何れもアルミニウム合金製の部材であって、互いにロウ付けによって接合されている。
【0033】
第1ヘッダ集合管(60)と第2ヘッダ集合管(70)は、何れも両端が閉塞された細長い中空円筒状に形成されている。
図2および
図3では、室外熱交換器(23)の左端に第1ヘッダ集合管(60)が立設され、室外熱交換器(23)の右端に第2ヘッダ集合管(70)が立設されている。つまり、第1ヘッダ集合管(60)と第2ヘッダ集合管(70)は、それぞれの軸方向が上下方向となる状態で設置されている。
【0034】
図4にも示すように、扁平管(33)は、その断面形状が扁平な長円形あるいは角の丸い矩形となった伝熱管である。室外熱交換器(23)において、複数の扁平管(33)は、その伸長方向が左右方向となり、それぞれの平坦な側面が対向する状態で配置されている。また、複数の扁平管(33)は、互いに一定の間隔をおいて上下に並んで配置され、それぞれの伸長方向が実質的に平行になっている。
図3に示すように、各扁平管(33)は、その一端が第1ヘッダ集合管(60)に挿入され、その他端が第2ヘッダ集合管(70)に挿入されている。
【0035】
図4に示すように、各扁平管(33)には、複数の流体通路(34)が形成されている。各流体通路(34)は、扁平管(33)の伸長方向に延びる通路である。各扁平管(33)において、複数の流体通路(34)は、扁平管(33)の伸長方向と直交する幅方向に一列に並んでいる。各扁平管(33)に形成された複数の流体通路(34)は、それぞれの一端が第1ヘッダ集合管(60)の内部空間に連通し、それぞれの他端が第2ヘッダ集合管(70)の内部空間に連通している。室外熱交換器(23)へ供給された冷媒は、扁平管(33)の流体通路(34)を流れる間に空気と熱交換する。
【0036】
図4に示すように、フィン(36)は、金属板をプレス加工することによって形成された縦長の板状フィンである。フィン(36)には、フィン(36)の前縁(即ち、風上側の縁部)からフィン(36)の幅方向に延びる細長い切欠き部(45)が、多数形成されている。フィン(36)では、多数の切欠き部(45)が、フィン(36)の長手方向(上下方向)に一定の間隔で形成されている。切欠き部(45)の風下寄りの部分は、管挿入部(46)を構成している。管挿入部(46)は、上下方向の幅が扁平管(33)の厚さと実質的に等しく、長さが扁平管(33)の幅と実質的に等しい。扁平管(33)は、フィン(36)の管挿入部(46)に挿入され、管挿入部(46)の周縁部とロウ付けによって接合される。また、フィン(36)には、伝熱を促進するためのルーバー(40)が形成されている。そして、複数のフィン(36)は、扁平管(33)の伸長方向に配列されることで、隣り合う扁平管(33)の間を空気が流れる複数の通風路(38)に区画している。
【0037】
図2に示すように、室外熱交換器(23)の扁平管(33)は、上下に二つの熱交換領域(51,52)に区分されている。つまり、室外熱交換器(23)は、上側熱交換領域(51)と下側熱交換領域(52)が形成されている。そして、各熱交換領域(51,52)は、上下に三つずつの熱交換部(51a〜51c,52a〜52c)に区分されている。具体的に、上側熱交換領域(51)には、下から上に向かって順に、第1主熱交換部(51a)と、第2主熱交換部(51b)と、第3主熱交換部(51c)とが形成されている。下側熱交換領域(52)には、下から上に向かって順に、第1補助熱交換部(52a)と、第2補助熱交換部(52b)と、第3補助熱交換部(52c)とが形成されている。このように、本実施形態の室外熱交換器(23)では、上側熱交換領域(51)および下側熱交換領域(52)において互いに複数且つ同数の熱交換部(51a〜51c,52a〜52c)に区分されている。
図3に示すように、各主熱交換部(51a〜51c)は十一本の扁平管(33)を有しており、各補助熱交換部(52a〜52c)は三本の扁平管(33)を有している。なお、各熱交換領域(51,52)に形成される熱交換部(51a〜51c,52a〜52c)の数は、二つであってもよいし、四つ以上であってもよい。
【0038】
第1ヘッダ集合管(60)および第2ヘッダ集合管(70)の内部空間は、複数の仕切板(39)によって上下に仕切られている。
【0039】
具体的に、第1ヘッダ集合管(60)の内部空間は、上側熱交換領域(51)に対応したガス冷媒の上側空間(61)と、下側熱交換領域(52)に対応した液冷媒の下側空間(62)とに仕切られている。なお、ここで言う液冷媒とは、液単相状態の冷媒または気液二相状態の冷媒を意味する。上側空間(61)は、全ての主熱交換部(51a〜51c)に共通に対応した単一の空間である。つまり、上側空間(61)は、全ての主熱交換部(51a〜51c)の扁平管(33)と連通している。下側空間(62)は、更に仕切板(39)によって、各補助熱交換部(52a〜52c)に対応した該補助熱交換部(52a〜52c)と同数(三つ)の連通空間(62a
〜62c)に上下に仕切られている。つまり、下側空間(62)では、第1補助熱交換部(52a)の扁平管(33)と連通する第1連通空間(62a)と、第2補助熱交換部(52b)の扁平管(33)と連通する第2連通空間(62b)と、第3補助熱交換部(52c)の扁平管(33)と連通する第3連通空間(62c)とが形成されている。
【0040】
第2ヘッダ集合管(70)の内部空間は、上下に五つの連通空間(71a〜71e)に仕切られている。具体的に、第2ヘッダ集合管(70)の内部空間は、上側熱交換領域(51)において最下に位置する第1主熱交換部(51a)と下側熱交換領域(52)において最上に位置する第3補助熱交換部(52c)を除く各主熱交換部(51b,51c)および各補助熱交換部(52a,52b)に対応した四つの連通空間(71a,71b,71d,71e)と、第1主熱交換部(51a)および第3補助熱交換部(52c)に共通に対応した単一の連通空間(71c)とに仕切られている。つまり、第2ヘッダ集合管(70)の内部空間では、第1補助熱交換部(52a)の扁平管
(33)と連通する第1連通空間(71a)と、第2補助熱交換部(52b)の扁平管(33)と連通する第2連通空間(71b)と、第3補助熱交換部(52c)および第1主熱交換部(51a)の双方の扁平管(33)と連通する第3連通空間(71c)と、第2主熱交換部(51b)の扁平管(33)と連通する第4連通空間(71d)と、第3主熱交換部(51c)の扁平管(33)と連通する第5連通空間(71e)とが形成されている。
【0041】
第2ヘッダ集合管(70)では、第4連通空間(71d)および第5連通空間(71e)と、第1連通空間(71a)および第2連通空間(71b)とが、各一で対となっている。具体的に、第1連通空間(71a)と第4連通空間(71d)が対となり、第2連通空間(71b)と第5連通空間(71e)が対となっている。そして、第2ヘッダ集合管(70)には、第1連通空間(71a)と第4連通空間(71d)とを接続する第1連通管(72)と、第2連通空間(71b)と第5連通空間(71e)とを接続する第2連通管(73)とが設けられている。つまり、本実施形態の室外熱交換器(23)では、第1主熱交換部(51a)と第3補助熱交換部(52c)が対となり、第2主熱交換部(51b)と第1補助熱交換部(52a)が対となり、第3主熱交換部(51c)と第2補助熱交換部(52b)が対となっている。
【0042】
このように、第2ヘッダ集合管(70)の内部空間では、上側熱交換領域(51)の各主熱交換部(51a〜51c)に対応した該主熱交換部(51a〜51c)と同数(三つ)の連通空間(71c,71d,71e)が形成され、且つ、下側熱交換領域(52)の各補助熱交換部(52a〜52c)に対応した該補助熱交換部(52a〜52c)と同数(三つ)の連通空間(71a,71b,71c)が形成されている。そして、上側熱交換領域(51)に対応した連通空間(71c,71d,71e)と下側熱交換領域(52)に対応した連通空間(71a,71b,71c)とが連通している。
【0043】
そして、
図3に示すように、室外熱交換器(23)では、第2ヘッダ集合管(70)における上側二つの仕切板(39)のそれぞれの側方に位置する部分が、主熱交換部(51a〜51c)同士の境界部(53)となっている。また、室外熱交換器(23)では、第1ヘッダ集合管(60)における下側二つの仕切板(39)と第2ヘッダ集合管(70)における下側二つの仕切板(39)との間の部分が、補助熱交換部(52a〜52c)同士の境界部(54)となっている。また、室外熱交換器(23)では、第1ヘッダ集合管(60)における最上の仕切板(39)の側方に位置する部分が、第1主熱交換部(51a)と第3補助熱交換部(52c)の境界部(55)、即ち上側熱交換領域(51)の熱交換部(51a)と下側熱交換領域(52)の補助熱交換部(52c)の境界部(55)となっている。
【0044】
図2に示すように、室外熱交換器(23)には、液側接続部材(80)とガス側接続部材(85)とが設けられている。液側接続部材(80)およびガス側接続部材(85)は、第1ヘッダ集合管(60)に取り付けられている。
【0045】
液側接続部材(80)は、一つの分流器(81)と、三本の細径管(82a〜82c)とを備えている。液側接続部材(80)を構成する分流器(81)および細径管(82a〜82c)の材質は、ヘッダ集合管(60,70)や扁平管(33)と同様のアルミニウム合金である。分流器(81)の下端部には、室外熱交換器(23)と膨張弁(24)を繋ぐ銅製の配管(17)が、図外の継手を介して接続されている。分流器(81)の上端部には、各細径管(82a〜82c)の一端が接続されている。分流器(81)の内部では、その下端部に接続された配管と、各細径管(82a〜82c)とが連通している。各細径管(82a〜82c)の他端は、第1ヘッダ集合管(60)の下側空間(62)に接続され、対応する連通空間(62a〜62c)に連通している。各細径管(82a〜82c)は、ロウ付けによって第1ヘッダ集合管(60)と接合されている。
【0046】
図3にも示すように、各細径管(82a〜82c)は、対応する連通空間(62a〜62c)の下端寄りの部分に開口している。つまり、第1細径管(82a)は第1連通空間(62a)の下端寄りの部分に開口し、第2細径管(82b)は第2連通空間(62b)の下端寄りの部分に開口し、第3細径管(82c)は第3連通空間(62c)の下端寄りの部分に開口している。なお、各細径管(82a〜82c)の長さは、各補助熱交換部(52a〜52c)へ流入する冷媒の流量の差がなるべく小さくなるように、個別に設定されている。
【0047】
ガス側接続部材(85)は、比較的大径の一つの配管で構成されている。ガス側接続部材(85)の材質は、ヘッダ集合管(60,70)や扁平管(33)と同様のアルミニウム合金である。ガス側接続部材(85)の一端は、室外熱交換器(23)と四方切換弁(22)の第3のポートを繋ぐ銅製の配管(18)が、図外の継手を介して接続されている。ガス側接続部材(85)の他端は、第1ヘッダ集合管(60)における上側空間(61)の上端寄りの部分に開口している。ガス側接続部材(85)は、ロウ付けによって第1ヘッダ集合管(60)と接合されている。
【0048】
〈室外熱交換器における冷媒の流れ〉
空気調和機(10)の冷房運転中には、室外熱交換器(23)が凝縮器として機能する。冷房運転中における室外熱交換器(23)での冷媒の流れを説明する。
【0049】
室外熱交換器(23)には、圧縮機(21)から吐出されたガス冷媒が供給される。圧縮機(21)から送られたガス冷媒は、ガス側接続部材(85)を介して第1ヘッダ集合管(60)の上側空間(61)へ流入した後、各主熱交換部(51a〜51c)の各扁平管(33)へ分配される。各扁平管(33)の流体通路(34)へ流入した冷媒は、流体通路(34)を流れる間に室外空気へ放熱して凝縮し、その後に第2ヘッダ集合管(70)の対応する各連通空間(71c,71d,71e)へ流入する。
【0050】
第2ヘッダ集合管(70)において、第3連通空間(71c)へ流入した冷媒はそのまま第3補助熱交換部(52c)の各扁平管(33)へ分配され、第4連通空間(71d)へ流入した冷媒は第1連通管(72)を介して第1連通空間(71a)へ流入し第1補助熱交換部(52a)の各扁平管(33)へ分配され、第5連通空間(71e)へ流入した冷媒は第2連通管(73)を介して第2連通空間(71b)へ流入し第2補助熱交換部(52b)の各扁平管(33)へ分配される。各補助熱交換部(52a〜52c)における各扁平管(33)の流体通路(34)へ流入した冷媒は、流体通路(34)を流れる間に室外空気へ放熱し、過冷却液状態となって第1ヘッダ集合管(60)における下側空間(62)の対応する連通空間(62a〜62c)へ流入する。
【0051】
第1ヘッダ集合管(60)における下側空間(62)の各連通空間(62a〜62c)へ流入した冷媒は、液側接続部材(80)の細径管(82a〜82c)を通って分流器(81)へ流入する。分流器(81)では、各細径管(82a〜82c)から流入した冷媒が合流する。分流器(81)において合流した冷媒は、室外熱交換器(23)から膨張弁(24)へ向かって流出してゆく。このように、冷房運転時の室外熱交換器(23)では、冷媒が上側熱交換領域(51)の各主熱交換部(51a〜51c)へ流入して放熱した後、下側熱交換領域(52)の各補助熱交換部(52a〜52c)へ流入して更に放熱する。
【0052】
空気調和機(10)の暖房運転中には、室外熱交換器(23)が蒸発器として機能する。暖房運転中における室外熱交換器(23)での冷媒の流れを説明する。
【0053】
室外熱交換器(23)には、膨張弁(24)を通過する際に膨張して気液二相状態となった冷媒が供給される。膨張弁(24)から送られた冷媒は、液側接続部材(80)の分流器(81)へ流入した後に三本の細径管(82a〜82c)へ分かれて流入し、第1ヘッダ集合管(60)における下側空間(62)の各連通空間(62a〜62c)へ分配される。
【0054】
第1ヘッダ集合管(60)における下側空間(62)の連通空間(62a〜62c)へ流入した冷媒は、対応する各補助熱交換部(52a〜52c)の各扁平管(33)へ分配される。各扁平管(33)の流体通路(34)へ流入した冷媒は、流体通路(34)を流れて第2ヘッダ集合管(70)の対応する連通空間(71a,71b,71c)へ流入する。この連通空間(71a,71b,71c)へ流入した冷媒は、依然として気液二相状態のままである。
【0055】
第2ヘッダ集合管(70)において、第1連通空間(71a)へ流入した冷媒は第1連通管(72)を介して第4連通空間(71d)へ流入し第2主熱交換部(51b)の各扁平管(33)へ分配され、第2連通空間(71b)へ流入した冷媒は第2連通管(73)を介して第5連通空間(71e)へ流入し第3主熱交換部(51c)の各扁平管(33)へ分配され、第3連通空間(71c)へ流入した冷媒はそのまま第1主熱交換部(51a)の各扁平管(33)へ分配される。各主熱交換部(51a〜51c)における各扁平管(33)の流体通路(34)へ流入した冷媒は、流体通路(34)を流れる間に室外空気から吸熱して蒸発し、ほぼガス単相状態となって第1ヘッダ集合管(60)の上側空間(61)で合流する。第1ヘッダ集合管(60)の上側空間(61)で合流した冷媒は、ガス側接続部材(85)から圧縮機(21)へ向かって流出してゆく。このように、暖房運転時の室外熱交換器(23)では、冷媒が下側熱交換領域(52)の各補助熱交換部(52a〜52c)へ流入した後、上側熱交換領域(51)の各主熱交換部(51a〜51c)へ流入して吸熱する。
【0056】
−実施形態1の効果−
本実施形態の室外熱交換器(23)は、順に冷媒が流通する主熱交換部(51a〜51c)および補助熱交換部(52a〜52c)の対を複数有し、複数の主熱交換部(51a〜51c)が上下に並ぶ上側熱交換領域(51)と、複数の補助熱交換部(52a〜52c)が上下に並ぶ下側熱交換領域(52)とに区分されている。つまり、本実施形態の室外熱交換器(23)では、複数の主熱交換部(51a〜51c)が上下方向における片側(上側)へ集合して配列され、複数の補助熱交換部(52a〜52c)が反対側の片側(下側)へ集合して配列されている。これにより、主熱交換部と補助熱交換部が互いに隣接する箇所を最少の1箇所に抑えることができる。つまり、本実施形態の室外熱交換器(23)において、主熱交換部(51a〜51c)と補助熱交換部(52a〜52c)とが隣接する箇所は、上側熱交換領域(51)において最下に位置する第1主熱交換部(51a)と下側熱交換領域(52)において最上に位置する第3補助熱交換部(52c)とが隣接する箇所のみである。
【0057】
主熱交換部(51a〜51c)を流通する冷媒の温度と、補助熱交換部(52a〜52c)を流通する冷媒の温度とは異なる。具体的に、主熱交換部(51a〜51c)を流通する冷媒の温度は、補助熱交換部(52a〜52c)を流通する冷媒の温度よりも高い。そのため、互いに隣接する主熱交換部の扁平管(33)と補助熱交換部の扁平管(33)との間では、その隣接間のフィン(36)を通じて互いの冷媒同士が熱交換してしまい、その分冷媒と空気との間で交換する熱量が減少する。いわゆる熱ロスが生じる。その結果、室外熱交換器(23)の熱交換効率が低下してしまう。このような冷媒の熱ロスは、主熱交換部と補助熱交換部が互いに隣接する箇所が多いほど増大する。そのため、主熱交換部と補助熱交換部が互いに隣接する箇所が少ないほど、熱交換効率の低下を抑制することができる。ここで、例えば、互いに複数且つ同数の主熱交換部および補助熱交換部を有する熱交換器において、一つの主熱交換部および一つの補助熱交換部を対として互いに隣接させ、その隣接した対を上下に複数連ねた場合、主熱交換部と補助熱交換部が互いに隣接する箇所は、主熱交換部および補助熱交換部の合計数の一つだけ少ない数の箇所となる。これに対し、本実施形態の室外熱交換器(23)によれば、主熱交換部(51a〜51c)と補助熱交換部(52a〜52c)との隣接箇所が最少の1箇所になるため、冷媒の熱ロスを最大限に抑制でき熱交換効率の低下を大幅に抑制することができる。
【0058】
一般に、本実施形態の熱交換器(23,25)のような空気熱交換器では、中央ほど風速が高い。ここで、上述したような互いに隣接した主熱交換部と補助熱交換部の対を上下に複数連ねた熱交換器の場合、風速の高い範囲に補助熱交換部も配置されることになり、その分、風速の高い範囲に配置される主熱交換部の面積が少なくなる。これにより、主熱交換部は補助熱交換部よりも空気の熱量を多く必要とするところ、主熱交換部の能力が充分に発揮されなくなる。これに対し、本実施形態の室外熱交換器(23)によれば、上述したように複数の主熱交換部(51a〜51c)および補助熱交換部(52a〜52c)をそれぞれ片側に集合させることで、風速の低い範囲に補助熱交換部(52a〜52c)を配置し風速の高い範囲に主熱交換部(51a〜51c)を配置することができる。よって、主熱交換部(51a〜51c)における熱交換能力を充分に発揮させることができる。
【0059】
また、本実施形態の室外熱交換器(23)では、液側接続部材(80)とガス側接続部材(85)の両方が第1ヘッダ集合管(60)に取り付けられる。つまり、本実施形態の室外熱交換器(23)では、複数の熱交換部(51a〜51c,52a〜52c)に対して冷媒を流入出させるための部材が、第1ヘッダ集合管(60)に取り付けられる。したがって、本実施形態によれば、膨張弁(24)や四方切換弁(22)から延びる配管(17,18)の室外熱交換器(23)に対する接続位置を近接させることができ、室外熱交換器(23)の設置作業を簡素化することができる。
【0060】
また、本実施形態の室外熱交換器(23)の第1ヘッダ集合管(60)では、下側空間(62)における各連通空間(62a〜62c)の下端寄りの位置に液側接続部材(80)の細径管(82a〜82c)が連通している。したがって、本実施形態の室外熱交換器(23)が凝縮器として機能する場合は、密度の大きい液冷媒を連通空間(62a〜62c)から液側接続部材(80)の細径管(82a〜82c)へ確実に送り込むことができる。更に、本実施形態の室外熱交換器(23)の第1ヘッダ集合管(60)では、上側空間(61)の上端寄りの位置にガス側接続部材(85)が連通している。したがって、本実施形態の室外熱交換器(23)が蒸発器として機能する場合は、密度の小さいガス冷媒を上側空間(61)からガス側接続部材(85)へ確実に送り込むことができる。
【0061】
−実施形態1の変形例1−
実施形態1の室外熱交換器(23)では、
図5に破線で示す位置に扁平管(33)を設けないようにしてもよい。具体的に、
図5に示す本変形例1の室外熱交換器(23)では、互いに隣接する第1主熱交換部(51a)および第3補助熱交換部(52c)において第1主熱交換部(51a)の最下に位置する扁平管(33)が省略されている。つまり、第1主熱交換部(51a)において第3補助熱交換部(52c)の扁平管(33)に最も近い扁平管(33)が省略されている。
【0062】
本変形例の室外熱交換器(23)では、第1主熱交換部(51a)と第3補助熱交換部(52c)の境界部(55)を挟んで上下に隣り合う扁平管(33)の間に形成された扁平管(33)の設けられない部分が、伝熱抑制構造(57)を構成している。
【0063】
この構成によれば、第1主熱交換部(51a)の最下に位置する扁平管(33)と第3補助熱交換部(52c)の最上に位置する扁平管(33)との間隔D2が、他の扁平管(33)同士の間隔D1よりも広くなる。これにより、互いに隣り合う第1主熱交換部(51a)の扁平管(33)と第3補助熱交換部(52c)の扁平管(33)との間における熱の移動を抑制することができる。つまり、隣り合う扁平管(33)同士の間で行われる冷媒同士の熱交換の量(熱ロス)を一層削減することができる。その結果、室外熱交換器(23)の熱交換効率の低下をより一層抑制することができる。
【0064】
なお、本変形例では、第1主熱交換部(51a)の最下に位置する扁平管(33)に代えて、第3補助熱交換部(52c)の最上に位置する扁平管(33)を省略するようにしてもよいし、第1主熱交換部(51a)の最下に位置する扁平管(33)と第3補助熱交換部(52c)の最上に位置する扁平管(33)の両方を省略するようにしてもよい。
【0065】
−実施形態1の変形例2−
実施形態1の室外熱交換器(23)では、
図6に示すように、黒く塗りつぶされた扁平管(33a)に冷媒を実質的に流通させないようにしてもよい。具体的に、本変形例2の室外熱交換器(23)における第1ヘッダ集合管(60)では、第1主熱交換部(51a)の最下に位置する扁平管(33a)の上下に仕切板(39)が設置されている。このため、本変形例の室外熱交換器(23)において、上記の扁平管(33a)は実質的に冷媒が通過しない封止された状態となる。
【0066】
つまり、本変形例の室外熱交換器(23)では、上記扁平管(33a)の上下に設置された仕切板(39)の間に位置する部分が、上側熱交換領域(51)の第1主熱交換部(51a)と下側熱交換領域(52)の第3補助熱交換部(52c)との境界部(55)となっている。この境界部(55)には、実質的に封止された上記扁平管(33a)が存在している。そして、本変形例の室外熱交換器(23)では、実質的に封止された扁平管(33a)が伝熱抑制構造(57)を構成している。
【0067】
この構成によれば、第1主熱交換部(51a)において冷媒が実質的に流通する扁平管(33)のうち最下に位置する扁平管(33)と第3補助熱交換部(52c)の最上に位置する扁平管(33)との間隔D2が、他の扁平管(33)同士の間隔D1よりも広くなる。これにより、互いに隣接する第1主熱交換部(51a)の扁平管(33)と第3補助熱交換部(52c)の扁平管(33)との間における熱の移動を抑制することができる。つまり、隣り合う扁平管(33)同士の間で行われる冷媒同士の熱交換の量(熱ロス)を一層削減することができる。その結果、室外熱交換器(23)の熱交換効率の低下をより一層抑制することができる。
【0068】
なお、本変形例の第1ヘッダ集合管(60)では、第1主熱交換部(51a)の最下に位置する扁平管(33a)に代えて、第3補助熱交換部(52c)の最上に位置する扁平管(33)のすぐ上とすぐ下の両方に仕切板(39)を設置するようにしてもよいし、第1主熱交換部(51a)の最下に位置する扁平管(33a)と第3補助熱交換部(52c)の最上に位置する扁平管(33)のそれぞれのすぐ上とすぐ下の両方に仕切板(39)を設置するようにしてもよい。
【0069】
《
参考技術》
参考技術について説明する。本
参考技術は、上記実施形態1の室外熱交換器(23)の構成を変更したものである。ここでは、本
参考技術の室外熱交換器(23)について、
図7および
図8を適宜参照しながら、上記実施形態1と異なる点を説明する。
【0070】
図7に示すように、室外熱交換器(23)の扁平管(33)は、上記実施形態1と同様、上下に上側熱交換領域(51)と下側熱交換領域(52)とに区分されている。そして、上側熱交換領域(51)は上下に並ぶ三つの主熱交換部(51a〜51c)に区分され、下側熱交換領域(52)は一つの補助熱交換部(52a)で構成されている。つまり、上側熱交換領域(51)には、下から上に向かって順に、第1主熱交換部(51a)と、第2主熱交換部(51b)と、第3主熱交換部(51c)とが形成されている。
図8に示すように、各主熱交換部(51a〜51c)は十一本の扁平管(33)を有しており、補助熱交換部(52a)は九本の扁平管(33)を有している。なお、上側熱交換領域(51)に形成される主熱交換部(51a〜51c)の数は、二つであってもよいし、四つ以上であってもよい。
【0071】
第1ヘッダ集合管(60)および第2ヘッダ集合管(70)の内部空間は、仕切板(39)によって上下に仕切られている。
【0072】
具体的に、第1ヘッダ集合管(60)の内部空間は、上側熱交換領域(51)に対応したガス冷媒の上側空間(61)と、下側熱交換領域(52)に対応した液冷媒の下側空間(62)(連通空間(62a))とに仕切られている。なお、ここで言う液冷媒とは、上記実施形態1と同様、液単相状態の冷媒または気液二相状態の冷媒を意味する。上側空間(61)は、全ての主熱交換部(51a〜51c)に共通に対応した単一の空間である。つまり、上側空間(61)は、全ての主熱交換部(51a〜51c)の扁平管(33)と連通している。下側空間(62)(連通空間(62a))は、一つの補助熱交換部(52a)に対応した単一の空間であり、補助熱交換部(52a)の扁平管(33)と連通している。
【0073】
第2ヘッダ集合管(70)の内部空間は、上下に四つの連通空間(71a〜71d)に仕切られている。具体的に、第2ヘッダ集合管(70)の内部空間は、上側熱交換領域(51)の各主熱交換部(51a〜51c)に対応した三つの連通空間(71b,71c,71d)と、下側熱交換領域(52)の補助熱交換部(52a)に対応した一つの連通空間(71a)とに仕切られている。つまり、第2ヘッダ集合管(70)の内部空間では、補助熱交換部(52a)の扁平管(33)と連通する第1連通空間(71a)と、第1主熱交換部(51a)の扁平管(33)と連通する第2連通空間(71b)と、第2主熱交換部(51b)の扁平管(33)と連通する第3連通空間(71c)と、第3主熱交換部(51c)の扁平管(33)と連通する第4連通空間(71d)とが形成されている。
【0074】
第2ヘッダ集合管(70)には、連通部材(75)が設けられている。連通部材(75)は、一つの分流器(76)と、一本の主管(77)と、三本の細径管(78a〜78c)とを備えている。主管(77)の一端は分流器(76)の下端部に接続され、他端は第2ヘッダ集合管(70)の第1連通空間(71a)に接続されている。分流器(76)の上端部には、各細径管(78a〜78c)の一端が接続されている。分流器(81)の内部では、主管(77)と各細径管(78a〜78c)とが連通している。各細径管(78a〜78c)の他端は、第2ヘッダ集合管(70)の対応する第2〜第4連通空間(71b〜71d)に連通している。
【0075】
図8にも示すように、各細径管(78a〜78c)は、対応する第2〜第4連通空間(71b〜71d)の下端寄りの部分に開口している。つまり、第1細径管(78a)は第2連通空間(71b)の下端寄りの部分に開口し、第2細径管(78b)は第3連通空間(71c)の下端寄りの部分に開口し、第3細径管(78c)は第4連通空間(71d)の下端寄りの部分に開口している。なお、各細径管(78a〜78c)の長さは、各主熱交換部(51a〜51c)へ流入する冷媒の流量の差がなるべく小さくなるように、個別に設定されている。このように、第2ヘッダ集合管(70)の連通部材(75)は、第1連通空間(71a)から、各主熱交換部(51a〜51c)に対応した第2〜第4連通空間(71b〜71d)へ分岐して接続されるものである。つまり、第2ヘッダ集合管(70)では、下側熱交換領域(52)に対応した連通空間(71a)と上側熱交換領域(51)に対応した各連通空間(71b,71c,71d)とが連通している。
【0076】
そして、
図8に示すように、室外熱交換器(23)では、第2ヘッダ集合管(70)における上側二つの仕切板(39)のそれぞれの側方に位置する部分が、主熱交換部(51a〜51c)同士の境界部(53)となっている。また、室外熱交換器(23)では、第1ヘッダ集合管(60)における仕切板(39)と第2ヘッダ集合管(70)における最下の仕切板(39)との間に位置する部分が、第1主熱交換部(51a)と補助熱交換部(52a)の境界部(55)、即ち上側熱交換領域(51)の熱交換部(51a)と下側熱交換領域(52)の補助熱交換部(52c)の境界部(55)となっている。
【0077】
図7に示すように、室外熱交換器(23)には、液側接続部材(86)とガス側接続部材(85)とが設けられている。液側接続部材(86)およびガス側接続部材(85)は、第1ヘッダ集合管(60)に取り付けられている。液側接続部材(86)は、比較的大径の一つの配管で構成されている。液側接続部材(86)の一端は、室外熱交換器(23)と膨張弁(24)を繋ぐ配管が接続されている。液側接続部材(86)の他端は、第1ヘッダ集合管(60)における下側空間(62)(連通空間(62a))の下端寄りの部分に開口している。ガス側接続部材(85)は、比較的大径の一つの配管で構成されている。ガス側接続部材(85)の一端は、室外熱交換器(23)と四方切換弁(22)の第3のポートを繋ぐ配管と接続されている。ガス側接続部材(85)の他端は、第1ヘッダ集合管(60)における上側空間(61)の上端寄りの部分に開口している。
【0078】
空気調和機(10)の冷房運転中には、室外熱交換器(23)が凝縮器として機能する。冷房運転中における室外熱交換器(23)での冷媒の流れを説明する。
【0079】
圧縮機(21)から送られたガス冷媒は、ガス側接続部材(85)を介して第1ヘッダ集合管(60)の上側空間(61)へ流入した後、各主熱交換部(51a〜51c)の各扁平管(33)へ分配される。各扁平管(33)の流体通路(34)へ流入した冷媒は、流体通路(34)を流れる間に室外空気へ放熱して凝縮し、その後に第2ヘッダ集合管(70)の対応する第2〜第4連通空間(71b〜71d)へ流入する。この各連通空間(71b〜71d)へ流入した冷媒は、連通部材(75)の細径管(78a〜78c)を通って分流器(76)で合流する。分流器(76)で合流した冷媒は、主管(77)を介して第1連通空間(71a)へ流入し、補助熱交換部(52a)の各扁平管(33)へ分配される。補助熱交換部(52a)における各扁平管(33)の流体通路(34)へ流入した冷媒は、流体通路(34)を流れる間に室外空気へ放熱し、過冷却液状態となって第1ヘッダ集合管(60)における下側空間(62)(連通空間(62a))へ流入する。第1ヘッダ集合管(60)における下側空間(62)へ流入した冷媒は、液側接続部材(86)から膨張弁(24)へ向かって流出してゆく。このように、冷房運転時の室外熱交換器(23)では、冷媒が上側熱交換領域(51)の各主熱交換部(51a〜51c)へ流入して放熱した後、下側熱交換領域(52)の補助熱交換部(52a)へ流入して更に放熱する。
【0080】
空気調和機(10)の暖房運転中には、室外熱交換器(23)が蒸発器として機能する。暖房運転中における室外熱交換器(23)での冷媒の流れを説明する。
【0081】
膨張弁(24)から送られた冷媒は、液側接続部材(86)を介して第1ヘッダ集合管(60)における下側空間(62)へ流入し、補助熱交換部(52a)の各扁平管(33)へ分配される。各扁平管(33)の流体通路(34)へ流入した冷媒は、流体通路(34)を流れて第2ヘッダ集合管(70)の第1連通空間(71a)へ流入する。この第1連通空間(71a)へ流入した冷媒は、依然として気液二相状態のままである。第2ヘッダ集合管(70)において、第1連通空間(71a)へ流入した冷媒は、連通部材(75)の分流器(76)へ流入した後に三本の細径管(78a〜78c)へ分かれて流入し、第2〜第4連通空間(71b〜71d)へ分配される。各第2〜第4連通空間(71b〜71d)へ流入した冷媒は、対応する主熱交換部(51a〜51c)の各扁平管(33)へ分配される。各主熱交換部(51a〜51c)における各扁平管(33)の流体通路(34)へ流入した冷媒は、流体通路(34)を流れる間に室外空気から吸熱して蒸発し、ほぼガス単相状態となって第1ヘッダ集合管(60)の上側空間(61)で合流する。第1ヘッダ集合管(60)の上側空間(61)で合流した冷媒は、ガス側接続部材(85)から圧縮機(21)へ向かって流出してゆく。このように、暖房運転時の室外熱交換器(23)では、冷媒が下側熱交換領域(52)の補助熱交換部(52a)へ流入した後、上側熱交換領域(51)の各主熱交換部(51a〜51c)へ流入して吸熱する。
【0082】
本
参考技術の室外熱交換器(23)では、複数の主熱交換部(51a〜51c)が上下方向における片側(上側)へ集合して配列され、一つの補助熱交換部(52a)が反対側の片側(下側)へ配列されている。これにより、実施形態1と同様、主熱交換部と補助熱交換部が互いに隣接する箇所を最少の1箇所に抑えることができる。つまり、本
参考技術の室外熱交換器(23)において、主熱交換部(51a〜51c)と補助熱交換部(52a)とが隣接する箇所は、上側熱交換領域(51)において最下に位置する第1主熱交換部(51a)と補助熱交換部(52a)とが隣接する箇所のみである。したがって、本
参考技術においても、冷媒の熱ロスを最大限に抑制することができ、熱交換効率の低下を大幅に抑制することが可能である。
【0083】
また、本
参考技術の室外熱交換器(23)においても、液側接続部材(86)とガス側接続部材(85)の両方が第1ヘッダ集合管(60)に取り付けられているため、実施形態1と同様、膨張弁(24)や四方切換弁(22)から延びる配管の室外熱交換器(23)に対する接続位置を近接させることができ、室外熱交換器(23)の設置作業を簡素化することができる。
【0084】
また、本
参考技術の室外熱交換器(23)の第1ヘッダ集合管(60)において、下側空間(62)の下端寄りの位置に液側接続部材(86)が連通しているため、実施形態1と同様、室外熱交換器(23)が凝縮器として機能する場合は、密度の大きい液冷媒を下側空間(62)から液側接続部材(86)へ確実に送り込むことができる。更に、本
参考技術の室外熱交換器(23)の第1ヘッダ集合管(60)において、上側空間(61)の上端寄りの位置にガス側接続部材(85)が連通しているため、実施形態1と同様、室外熱交換器(23)が蒸発器として機能する場合は、密度の小さいガス冷媒を上側空間(61)からガス側接続部材(85)へ確実に送り込むことができる。また、本
参考技術の第2ヘッダ集合管(70)においては、第2〜第4連通空間(71b〜71d)の下端寄りの位置に連通部材(75)の細径管(78a〜78c)が連通しているため、室外熱交換器(23)が凝縮器として機能する場合は、密度の大きい液冷媒を第2〜第4連通空間(71b〜71d)から細径管(78a〜78c)へ確実に送り込むことができる。
【0085】
また、本
参考技術の室外熱交換器(23)では、室外熱交換器(23)が蒸発器として機能する場合(即ち、暖房運転の場合)、第1連通空間(71a)の冷媒が細径管(78a〜78c)を通る際に比較的大きな圧力損失が生じる。この圧力損失によって、冷媒の温度は高くなる。具体的には、細径管(78a〜78c)の長さや管径を調節することによって、細径管(78a〜78c)を通った冷媒の温度を0℃以上とすることができる。これにより、冷媒と熱交換した室外空気が0℃未満となって霜が発生するのを抑制することができる。つまり、室外熱交換器(23)における着霜を抑制できる。
【0086】
−
参考技術の変形例−
参考技術の室外熱交換器(23)についても実施形態1の変形例のように変形してもよい。
【0087】
具体的に、本変形例の室外熱交換器(23)では、
図9に破線で示す位置に扁平管(33)を設けないようにしてもよい。つまり、互いに隣接する第1主熱交換部(51a)および補助熱交換部(52a)において第1主熱交換部(51a)の最下に位置する扁平管(33)が省略されている。本変形例の室外熱交換器(23)では、第1主熱交換部(51a)と補助熱交換部(52a)の境界部(55)を挟んで上下に隣り合う扁平管(33)の間に形成された扁平管(33)の設けられない部分が、伝熱抑制構造(57)を構成している。これにより、第1主熱交換部(51a)の最下に位置する扁平管(33)と補助熱交換部(52a)の最上に位置する扁平管(33)との間隔D2が、他の扁平管(33)同士の間隔D1よりも広くなる。そのため、互いに隣接する第1主熱交換部(51a)の扁平管(33)と補助熱交換部(52a)の扁平管(33)との間における熱の移動を抑制することができる。つまり、隣り合う扁平管(33)同士の間で行われる冷媒同士の熱交換の量(熱ロス)を一層削減することができる。その結果、室外熱交換器(23)の熱交換効率の低下をより一層抑制することができる。
【0088】
また、本変形例の室外熱交換器(23)では、
図10に示すように、黒く塗りつぶされた扁平管(33a)に冷媒を実質的に流通させないようにしてもよい。つまり、本変形例の室外熱交換器(23)における第1ヘッダ集合管(60)では、第1主熱交換部(51a)の最下に位置する扁平管(33a)の上下に仕切板(39)が設置されている。このため、上記の扁平管(33a)は実質的に冷媒が通過しない封止された状態となる。つまり、本変形例の室外熱交換器(23)では、上記扁平管(33a)の上下に設置された仕切板(39)の間に位置する部分が、上側熱交換領域(51)の第1主熱交換部(51a)と下側熱交換領域(52)の補助熱交換部(52a)との境界部(55)となっている。この境界部(55)には、実質的に封止された上記扁平管(33a)が存在している。そして、本変形例の室外熱交換器(23)では、実質的に封止された扁平管(33a)が伝熱抑制構造(57)を構成している。これにより、第1主熱交換部(51a)において冷媒が実質的に流通する扁平管(33)のうち最下に位置する扁平管(33)と補助熱交換部(52a)の最上に位置する扁平管(33)との間隔D2が、他の扁平管(33)同士の間隔D1よりも広くなる。そのため、互いに隣接する第1主熱交換部(51a)の扁平管(33)と補助熱交換部(52a)の扁平管(33)との間における熱の移動を抑制することができる。つまり、隣り合う扁平管(33)同士の間で行われる冷媒同士の熱交換の量(熱ロス)を一層削減することができる。その結果、室外熱交換器(23)の熱交換効率の低下をより一層抑制することができる。
【0089】
《発明の実施形態
2》
本発明の実施形態
2について説明する。本実施形態は、上記実施形態1の室外熱交換器(23)における第2ヘッダ集合管(70)の構成を変更したものであり、それ以外の構成は実施形態1と同様である。本実施形態では、
図11および
図12を適宜参照しながら、室外熱交換器(23)の第2ヘッダ集合管(70)の構成についてのみ説明する。
【0090】
図12に示すように、室外熱交換器(23)の第2ヘッダ集合管(70)の内部空間は、二つの仕切板(39)によって左右に三つの連通空間(71a〜71c)に仕切られている。具体的に、第2ヘッダ集合管(70)の内部空間では、
図12において右側から順に、第1連通空間(71a)、第2連通空間(71b)および第3連通空間(71c)が形成されている。第1連通空間(71a)は、第3主熱交換部(51c)の扁平管(33)と第1補助熱交換部(52a)の扁平管(33)の端部に連通している。第2連通空間(71b)は、第2主熱交換部(51b)の扁平管(33)と第2補助熱交換部(52b)の扁平管(33)の端部に連通している。第3連通空間(71c)は、第1主熱交換部(51a)の扁平管(33)と第3補助熱交換部(52c)の扁平管(33)の端部に連通している。室外熱交換器(23)では、第3主熱交換部(51c)と第1補助熱交換部(52a)が対となり、第2主熱交換部(51b)と第2補助熱交換部(52b)が対となり、第1主熱交換部(51a)と第3補助熱交換部(52c)が対となる。
【0091】
つまり、本実施形態の室外熱交換器(23)における第2ヘッダ集合管(70)には、上側熱交換領域(51)における各主熱交換部(51a〜51c)と下側熱交換領域(52)における各補助熱交換部(52a〜52c)とが各一で対となり、該対となる二つの熱交換部(51a〜51c,52a〜52c)に共通に対応した単一の連通空間(71a〜71c)が上記対の数と同数(三つ)形成されている。このように、第2ヘッダ集合管(70)では、対となる各主熱交換部(51a〜51c)および各補助熱交換部(52a)の扁平管(33)同士が第2ヘッダ集合管(70)の内部空間内で直接連通している。
【0092】
冷房運転中における室外熱交換器(23)では、各主熱交換部(51a〜51c)において各扁平管(33)の流体通路(34)へ流入した冷媒は流体通路(34)を流れる間に室外空気へ放熱して凝縮し、その後に第2ヘッダ集合管(70)の対応する第1〜第3連通空間(71a〜71c)へ流入する。この各連通空間(71a〜71c)へ流入した冷媒は、そのまま対応する補助熱交換部(52a〜52c)の各扁平管(33)へ分配される。各補助熱交換部(52a)における各扁平管(33)の流体通路(34)へ流入した冷媒は、流体通路(34)を流れる間に室外空気へ放熱し、過冷却液状態となる。このように、冷房運転時の室外熱交換器(23)では、冷媒が上側熱交換領域(51)の各主熱交換部(51a〜51c)へ流入して放熱した後、下側熱交換領域(52)の各補助熱交換部(52a〜52c)へ流入して更に放熱する。
【0093】
暖房運転中における室外熱交換器(23)では、各補助熱交換部(52a〜52c)において各扁平管(33)の流体通路(34)へ流入した冷媒は、流体通路(34)を流れて第2ヘッダ集合管(70)の対応する第1〜第3連通空間(71a〜71c)へ流入する。この各連通空間(71a〜71c)へ流入した冷媒は、そのまま対応する主熱交換部(51a〜51c)の各扁平管(33)へ分配される。各主熱交換部(51a〜51c)における各扁平管(33)の流体通路(34)へ流入した冷媒は、流体通路(34)を流れる間に室外空気から吸熱して蒸発し、ほぼガス単相状態となって第1ヘッダ集合管(60)の上側空間(61)で合流する。このように、暖房運転時の室外熱交換器(23)では、冷媒が下側熱交換領域(52)の各補助熱交換部(52a〜52c)へ流入した後、上側熱交換領域(51)の各主熱交換部(51a〜51c)へ流入して吸熱する。
【0094】
本実施形態の室外熱交換器(23)においても、複数の主熱交換部(51a〜51c)が上下方向における片側(上側)へ集合して配列され、複数の補助熱交換部(52a〜52c)が反対側の片側(下側)へ配列されている。これにより、実施形態1と同様、主熱交換部と補助熱交換部が互いに隣接する箇所を最少の1箇所に抑えることができる。つまり、本実施形態の室外熱交換器(23)において、主熱交換部(51a〜51c)と補助熱交換部(52a)とが隣接する箇所は、上側熱交換領域(51)において最下に位置する第1主熱交換部(51a)と下側熱交換領域(52)において最上に位置する第3補助熱交換部(52c)とが隣接する箇所のみである。したがって、冷媒の熱ロスを最大限に抑制することができ、熱交換効率の低下を大幅に抑制することが可能である。
【0095】
なお、第2ヘッダ集合管(70)において三つの連通空間(71a〜71c)の仕切り態様は上述したものに限らない。
【0096】
また、本実施形態の室外熱交換器(23)においても、上記実施形態1の各変形例に示すように、上側熱交換領域(51)の第1主熱交換部(51a)と下側熱交換領域(52)の第3補助熱交換部(52c)との境界部(55)を挟んで上下に隣り合う扁平管(33)の間に伝熱抑制構造(57)を設けるようにしてもよい。
【0097】
《発明の実施形態
3》
本発明の実施形態
3について説明する。本実施形態は、上記実施形態1の室外熱交換器(23)の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態の室外熱交換器(23)について、
図13および
図14を適宜参照しながら、上記実施形態1と異なる点を説明する。
【0098】
本実施形態の第2ヘッダ集合管(70)の内部空間は、上記実施形態1と同様、上下に五つの連通空間(71a〜71e)に仕切られている。そして、本実施形態の第2ヘッダ集合管(70)では、第1連通空間(71a)と第5連通空間(71e)が対となり、第2連通空間(71b)と第4連通空間(71d)が対となっている。そして、第2ヘッダ集合管(70)には、第2連通空間(71b)と第4連通空間(71d)とを接続する第1連通管(72)と、第1連通空間(71a)と第5連通空間(71e)とを接続する第2連通管(73)とが設けられている。つまり、本実施形態の室外熱交換器(23)では、第1主熱交換部(51a)と第3補助熱交換部(52c)が対となり、第2主熱交換部(51b)と第2補助熱交換部(52b)が対となり、第3主熱交換部(51c)と第1補助熱交換部(52a)が対となっている。
【0099】
また、本実施形態の室外熱交換器(23)では、第1ヘッダ集合管(60)におけるガス側接続部材(85)の接続位置が変更されている。具体的に、ガス側接続部材(85)は、第1ヘッダ集合管(60)における上側空間(61)の中央部分(上下方向における中央)に開口している。さらに、
図14に示すように、本実施形態の室外熱交換器(23)では、第1ヘッダ集合管(60)の内径B1が第2ヘッダ集合管(70)の内径B2よりも大きい。このような構成にすることで、ガス側接続部材(85)から第1ヘッダ集合管(60)の上側空間(61)に流入したガス冷媒を三つの主熱交換部(51a〜51c)へ均等に分流させることができる。
【0100】
なお、本実施形態の室外熱交換器(23)では、上記実施形態1と同様、二つのヘッダ集合管(60,70)の内径を互いに同じにしてもよいし、ガス側接続部材(85)を第1ヘッダ集合管(60)における上側空間(61)の上端寄りの部分に開口させるようにしてもよい。
【0101】
また、本実施形態の室外熱交換器(23)においても、上記実施形態1の各変形例に示すように、上側熱交換領域(51)の第1主熱交換部(51a)と下側熱交換領域(52)の第3補助熱交換部(52c)との境界部(55)を挟んで上下に隣り合う扁平管(33)の間に伝熱抑制構造(57)を設けるようにしてもよい。
【0102】
《発明の実施形態
4》
本発明の実施形態
4について説明する。本実施形態は、上記実施形態1の室外熱交換器(23)の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態の室外熱交換器(23)について、
図15〜17を適宜参照しながら、上記実施形態1と異なる点を説明する。
【0103】
図15に示すように、本実施形態の室外熱交換器(23)では、上記実施形態1の板状のフィン(36)に代えて、コルゲートフィンからなるフィン(35)が設けられている。
図16にも示すように、本実施形態のフィン(35)は、上下に蛇行する形状となっている。このフィン(35)は、上下に隣り合う扁平管(33)の間に配置され、扁平管(33)の平坦な側面にロウ付けで接合されている。
図17に示すように、フィン(35)では、上下に延びる平板状の部分に、伝熱を促進するためのルーバー(40)が形成されている。
【0104】
図16および
図17に示すように、フィン(35)には、扁平管(33)よりも風下側に突出する突出板部(42)が形成されている。突出板部(42)は、フィン(35)の上側と下側にも突き出ている。
図17に示すように、室外熱交換器(23)では、扁平管(33)を挟んで上下に隣り合うフィン(35)の突出板部(42)が、互いに接触する。なお、
図16では、ルーバー(40)が省略されている。
【0105】
また、本実施形態の室外熱交換器(23)においても、上記実施形態1の各変形例に示すように、上側熱交換領域(51)の第1主熱交換部(51a)と下側熱交換領域(52)の第3補助熱交換部(52c)との境界部(55)を挟んで上下に隣り合う扁平管(33)の間に伝熱抑制構造(57)を設けるようにしてもよい。