(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
LED素子を取り囲むとともに凹部を有する外側樹脂部を更に備え、封止樹脂部は、この外側樹脂部の凹部内に充填されていることを特徴とする請求項4乃至7のいずれか一項記載の半導体装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述のようにリードフレーム上には反射特性を有するAgめっき層(反射用金属層)が施されているが、このような半導体装置に熱を加えた場合、基板(本体部)に含まれる銅がAgめっき層表面へ拡散し、その結果半田濡れ性やボンディング性を劣化させるおそれがあり、また、リードフレーム表面のAgめっき層が変色してAgめっき層の反射率を著しく低下させてしまう。
【0006】
この場合、Agめっき層の下方に銅の拡散を抑えるバリア層を設けたり、Agめっき層の膜厚を大きくすることが検討されているが、いずれも製造コストが増加してしまう問題がある。
【0007】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、基板本体に含まれる銅が反射用金属層に拡散することを防止することが可能で、かつ製造コスト低減を図ることができる、LED用リードフレームまたは基板およびその製造方法、ならびに半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、LED素子を載置するLED用リードフレームまたは基板において、LED素子を載置する載置面を有する本体部と、本体部の載置面に設けられ、LED素子からの光を反射するための反射層として機能する反射用金属層とを備え、反射用金属層は、銀または銀の合金を含み、本体部は、銅または銅合金
からなり、反射用金属層と本体部との間に、銅または銅合金からなる中間介在層を設け、反射用金属層と中間介在層との間の界面における断面視において、反射用金属層の金属粒子の平均結晶粒径は、中間介在層の金属粒子の平均結晶粒径より大きくなっており
、これにより
本体部および中間介在層からの銅が反射用金属層の表面に拡散することを防止することを特徴とするLED用リードフレームまたは基板である。
【0009】
本発明は、LED素子を載置するLED用リードフレームまたは基板において、LED素子を載置する載置面を有する本体部と、本体部の載置面に設けられ、LED素子からの光を反射するための反射層として機能する反射用金属層とを備え、反射用金属層は、銀または銀の合金を含み、本体部は、銅または銅合金
からなり、反射用金属層と本体部との間の界面における断面視において
、反射用金属層の金属粒子の平均結晶粒径は、本体部の金属粒子の平均結晶粒径より大きくなっており、これにより本体部からの銅が反射用金属層の表面へ拡散することを防止することを特徴とするLED用リードフレームまたは基板である。
【0010】
本発明は、反射用金属層は、銀めっき層を含むことを特徴とするLED用リードフレームまたは基板である。
【0011】
本発明は、LED素子を載置する載置面を含む本体部を有するLED用リードフレームまたは基板と、リードフレームまたは基板の本体部の載置面上に載置されたLED素子と、リードフレームまたは基板とLED素子とを電気的に接続する導電部と、LED素子と導電部とを封止する封止樹脂部とを備え、LED用リードフレームまたは基板の本体部の載置面に、LED素子からの光を反射するための反射層として機能する反射用金属層を設け、反射用金属層は、銀または銀の合金を含み、本体部は、銅または銅合金
からなり、反射用金属層と本体部との間に、銅または銅合金からなる中間介在層を設け、反射用金属層と中間介在層との間の界面
における断面視において、
反射用金属層の金属粒子の平均結晶粒径は、中間介在層の金属粒子の平均結晶粒径より大きくなっており、これにより
本体部および中間介在層からの銅が反射用金属層の表面に拡散することを防止することを特徴とする半導体装置である。
【0012】
本発明は、LED素子を載置する載置面を含む本体部を有するLED用リードフレームまたは基板と、リードフレームまたは基板の本体部の載置面上に載置されたLED素子と、リードフレームまたは基板とLED素子とを電気的に接続する導電部と、LED素子と導電部とを封止する封止樹脂部とを備え、LED用リードフレームまたは基板の本体部の載置面に、LED素子からの光を反射するための反射層として機能する反射用金属層を設け、反射用金属層は、銀または銀の合金を含み、本体部は、銅または銅合金
からなり、反射用金属層と本体部との間の界面
における断面視において、
反射用金属層の金属粒子の平均結晶粒径は、本体部の金属粒子の平均結晶粒径より大きくなっており、これにより本体部からの銅が反射用金属層の表面へ拡散することを防止することを特徴とする半導体装置である。
【0013】
本発明は、反射用金属層は、銀めっき層を含むことを特徴とする半導体装置である。
【0014】
本発明は、封止樹脂部はシリコーン樹脂からなることを特徴とする半導体装置である。
【0015】
本発明は、LED素子を取り囲むとともに凹部を有する外側樹脂部を更に備え、封止樹脂部は、この外側樹脂部の凹部内に充填されていることを特徴とする半導体装置である。
【0016】
本発明は、LED素子を載置するLED用リードフレームまたは基板を製造するLED用リードフレームまたは基板の製造方法において、LED素子を載置する載置面を有する本体部を準備する工程と、本体部上に、中間介在層を形成する工程と、中間介在層上に、反射層として機能する反射用金属層を形成する工程とを備え、反射用金属層は、銀または銀の合金を含み、本体部は、銅または銅合金
からなり、中間介在層は、銅または銅合金を含み、本体部と、中間介在層と、反射用金属層を熱処理することにより、反射用金属層と中間介在層との間の界面
における断面視において、反射用金属層の金属粒子の平均結晶粒径は、中間介在層の金属粒子の平均結晶粒径より大きくなっており、これにより
本体部および中間介在層からの銅が反射用金属層の表面に拡散することを防止することを特徴とするLED用リードフレームまたは基板の製造方法である。
【0017】
本発明は、LED素子を載置するLED用リードフレームまたは基板を製造するLED用リードフレームまたは基板の製造方法において、LED素子を載置する載置面を有する本体部を準備する工程と、本体部上に、反射層として機能する反射用金属層を形成する工程とを備え、反射用金属層は、銀または銀の合金を含み、本体部は、銅または銅合金
からなり、本体部と、反射用金属層を熱処理することにより、
反射用金属層と本体部との間の界面における断面視において、反射用金属層の金属粒子の平均結晶粒径は、本体部の金属粒子の平均結晶粒径より大きくなっており、これにより本体部からの銅が反射用金属層の表面に拡散することを防止することを特徴とするLED用リードフレームまたは基板の製造方法である。
【0018】
本発明は、半導体装置の製造方法において、LED素子を載置する載置面を有する本体部を準備する工程と、本体部上に、中間介在層を形成する工程と、中間介在層上に、反射層として機能する反射用金属層を形成する工程と、本体部の載置面上にLED素子を載置し、LED素子と本体部とを導電部によって接続する工程と、LED素子と導電部とを透光性の封止樹脂部で封止する工程とを備え、反射用金属層は、銀または銀の合金を含み、本体部は、銅または銅合金
からなり、中間介在層は、銅または銅合金を含み、本体部の載置面上にLED素子を載置する前に、本体部と、中間介在層と、反射用金属層を熱処理することにより、
反射用金属層と中間介在層との間の界面における断面視において、反射用金属層の金属粒子の平均結晶粒径は、中間介在層の金属粒子の平均結晶粒径より大きくなっており、これにより
本体部および中間介在層からの銅が反射用金属層の表面に拡散することを防止することを特徴とする半導体装置の製造方法である。
【0019】
本発明は、半導体装置の製造方法において、LED素子を載置する載置面を有する本体部を準備する工程と、本体部上に、反射層として機能する反射用金属層を形成する工程と、本体部の載置面上にLED素子を載置し、LED素子と本体部とを導電部によって接続する工程と、LED素子と導電部とを透光性の封止樹脂部で封止する工程とを備え、反射用金属層は、銀または銀の合金を含み、本体部は、銅または銅合金
からなり、本体部の載置面上にLED素子を載置する前に、本体部と、反射用金属層を熱処理することにより、反射用金属層と本体部との界面
における断面視において、反射用金属層の金属粒子の平均結晶粒径は、本体部の金属粒子の平均結晶粒径より大きくなっており、これにより本体部からの銅が反射用金属層の表面に拡散することを防止することを特徴とする半導体装置の製造方法である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、反射用金属層と中間介在層との間の界面において、反射用金属層を構成するひとつの金属粒子は、中間介在層を構成する複数の金属の粒子と接触している。換言すれば、反射用金属層の平均結晶粒径は、中間介在層の平均結晶粒径より大きくなっている。このため中間介在層からの銅が反射用金属層表面へ拡散することが防止される。また反射用金属層と本体部との間の界面において、反射用金属層を構成するひとつの金属粒子は、本体部を構成する複数の金属の粒子と接触している。換言すれば、反射用金属層の平均結晶粒径は本体部の平均結晶粒径より大きくなっている。このため本体部からの銅が反射用金属層表面へ拡散することが防止される。これにより、反射特性をもつ反射用金属層の反射率が低下することはなく、反射用金属層の濡れ性あるいはボンディング特性が低下することもない。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、
図1乃至
図16を参照して説明する。
【0023】
LED用リードフレームまたは基板の構成
まず、
図1および
図2により、LED用リードフレームまたは基板の概略について説明する。なお
図1および
図2においては、LED用リードフレームまたは基板の層構成を説明するため、便宜上、LED用リードフレームまたは基板の断面を矩形形状として表示している。
【0024】
図1に示すように、LED用リードフレームまたは基板10(以下、リードフレーム10、あるいは基板10ともいう)は、LED素子21(後述)を載置するために用いられるものであり、LED素子21を載置する載置面11aを有する本体部11と、本体部11の載置面11aに後述する中間介在層15を介して設けられた反射用金属層12とを備えている。
【0025】
このうち本体部11は金属板からなっており、その材料は銅または銅合金からなっている。この本体部11の厚みは、半導体装置の構成にもよるが、リードフレーム10の場合で0.05mm〜0.5mm、基板10の場合で0.005mm〜0.03mmとすることが好ましい。
【0026】
反射用金属層12は、LED素子21からの光を反射するための反射層として機能するものであり、LED用リードフレームまたは基板10の最表面側に位置している。この反射用金属層12は銀または銀の合金、例えば銀めっき層(Agめっき層)からなり、可視光の反射率が高く、かつ酸素および硫化水素ガスに対する高い耐腐食性を有している。
【0027】
また反射用金属層12として、銀と金との合金、銀と白金との合金、銀とインジウムとの合金、銀とパラジウムとの合金、銀とすずとの合金を用いることもできる。
【0028】
反射用金属層(以下、銀めっき層ともいう)12は、その厚みは0.5μm〜4μmとなっている。
【0029】
また、本体部11と反射用金属層12との間には、上述のように中間介在層15が設けられている。中間介在層15は、銅または銅合金、例えば銅めっき層(Cuめっき層)からなっている。
【0030】
中間介在層(以下、銅めっき層ともいう)15は、銀層12のための下地層として用いられるものであり、この銅めっき層15は、例えば電解めっきにより形成することができる。この銅めっき層15の厚みは、0.005μm〜2.0μmとすることが好ましい。
【0031】
また、
図2に示すように、銅めっき層15を設けない構成も可能である。この場合、リードフレーム10は、銅または銅の合金からなる本体部11と、本体部11上に設けられた銀または銀の合金、例えば銀めっき層からなる反射用金属層12とを有している。
【0032】
半導体装置の構成
次に、
図3および
図4により、
図1に示すLED用リードフレームまたは基板を用いた半導体装置の一実施の形態について説明する。
図3は、本発明の一実施の形態による半導体装置(SONタイプ)を示す断面図であり、
図4は、本発明の一実施の形態による半導体装置を示す平面図である。
【0033】
図3および
図4に示すように、半導体装置20は、LED用リードフレーム10と、リードフレーム10の本体部11の載置面11a上に載置されたLED素子21と、リードフレーム10とLED素子21とを電気的に接続するボンディングワイヤ(導電部)22とを備えている。
【0034】
また、LED素子21を取り囲むように、凹部23aを有する外側樹脂部23が設けられている。この外側樹脂部23は、リードフレーム10と一体化されている。さらに、LED素子21とボンディングワイヤ22とは、透光性の封止樹脂部24によって封止されている。封止樹脂部24は、外側樹脂部23の凹部23a内に充填されている。以下、このような半導体装置20を構成する各構成部材について、順次説明する。
【0035】
リードフレーム10は、載置面11aを有する本体部11と、本体部11の載置面11aを含む表面および裏面に設けられた中間介在層15と、中間介在層15上に設けられ、LED素子21からの光を反射するための反射層として機能する銀または銀の合金、例えば銀めっき層からなる反射用金属層12とを有している。中間介在層15は、銅めっき層からなり、また、リードフレーム10の表面(上面)には、リードフレーム10と外側樹脂部23との密着性を高めるための溝19が形成されている。
【0036】
このリードフレーム10の層構成については、
図1を用いて既に説明した構成と同様であるので、ここでは詳細な説明を省略するが、この場合、リードフレーム10の本体部11の表面のみに中間介在層15および反射用金属層12を設けてもよく(
図1参照)、リードフレーム10の本体部11の表面および裏面に中間介在層15および反射用金属層12を設けても良い(
図3参照)。また、リードフレーム10の層構成としては、
図2に示すものを用いても良い。この場合、リードフレーム10の本体部11の表面のみに反射用金属層12を設けても良く(
図2参照)、リードフレーム10の本体部11の表面および裏面に反射用金属層12を設けても良い。
【0037】
本実施の形態において、リードフレーム10の本体部11は、LED素子21側の第1の部分25(ダイパッド)と、第1の部分25から離間した第2の部分26(リード部)とを有している。これら第1の部分25と第2の部分26との間には、外側樹脂部23が充填されており、第1の部分25と第2の部分26とは互いに電気的に絶縁されている。
【0038】
また第1の部分25の底面に第1のアウターリード部27が形成され、第2の部分26の底面に第2のアウターリード部28が形成されている。第1のアウターリード部27および第2のアウターリード部28は、それぞれ外側樹脂部23から外方に露出している。
【0039】
LED素子21は、発光層として例えばGaP、GaAs、GaAlAs、GaAsP、AlInGaP、またはInGaN等の化合物半導体単結晶からなる材料を適宜選ぶことにより、紫外光から赤外光に渡る発光波長を選択することができる。このようなLED素子21としては、従来一般に用いられているものを使用することができる。
【0040】
またLED素子21は、はんだまたはダイボンディングペーストにより、外側樹脂部23の凹部23a内において本体部11の載置面11a上(厳密には反射用金属層12上)に固定されている。なお、ダイボンディングペーストを用いる場合、耐光性のあるエポキシ樹脂やシリコーン樹脂からなるダイボンディングペーストを選択することが可能である。
【0041】
ボンディングワイヤ22は、例えば金等の導電性の良い材料からなり、その一端がLED素子21の端子部21aに接続されるとともに、その他端がリードフレーム10の本体部11の第2の部分26表面上に接続されている。
【0042】
外側樹脂部23は、例えばリードフレーム10上に熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を射出成形またはトランスファ成形することにより形成されたものである。外側樹脂部23の形状は、射出成形またはトランスファ成形に使用する金型の設計により、様々に実現することが可能である。例えば、外側樹脂部23の全体形状を直方体、円筒形および錐形等の形状とすることが可能である。凹部23aの底面は、円形、楕円形または多角形等とすることができる。凹部23aの側壁の断面形状は、
図3のように直線から構成されていても良いし、あるいは曲線から構成されていてもよい。
【0043】
外側樹脂部23に使用される熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂については、特に耐熱性、耐光性および機械的強度の優れたものを選ぶことが望ましい。熱可塑性樹脂の種類としては、ポリアミド、ポリフタルアミド、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマー、ポリエーテルサルホン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド等、熱硬化性樹脂の種類としてはシリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、およびポリウレタン等、を使用することができる。さらにまた、これらの樹脂中に光反射剤として、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、窒化アルミニウムおよび窒化ホウ素のうちいずれかを添加することによって、凹部23aの底面及び側面において、LED素子21からの光の反射率を増大させ、半導体装置20全体の光取り出し効率を増大させることが可能となる。
【0044】
封止樹脂部24としては、光の取り出し効率を向上させるために、半導体装置20の発光波長において光透過率が高く、また屈折率が高い材料を選択するのが望ましい。したがって耐熱性、耐候性、及び機械的強度が高い特性を満たす樹脂として、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂を選択することが可能である。特に、LED素子21として高輝度LEDを用いる場合、封止樹脂部24が強い光にさらされるため、封止樹脂部24は高い耐光性を有するシリコーン樹脂からなることが好ましい。
【0045】
ところで、リードフレーム10は
図1に示すように、LED素子21を載置する載置面11aを有する銅または銅合金からなる本体部11と、本体部11の載置面11aを含む表面および裏面に設けられた銀または銀の合金、例えば銀めっき層からなる反射用金属層12とを有し、本体部11と反射用金属層12との間に、銅めっき層からなる中間介在層15が介在されている。
【0046】
この場合、反射用金属層12と中間介在層15との間の界面Lにおいて、反射用金属層12を構成するひとつの金属粒子は、中間介在層15を構成する複数の金属の粒子と接触している。換言すれば、リードフレーム断面における反射用金属層12の銀めっき層の平均結晶粒径は中間介在層15の銅めっき層の平均結晶粒径より大きくなっている(
図7参照)。
【0047】
このように銀めっき層12の平均結晶粒径が銅めっき層15の平均結晶粒径より大きくなっているため、リードフレーム10が加熱されても銅めっき層15からの銅原子が銀めっき層12側へ拡散することが防止される。
【0048】
すなわち、後述のように、リードフレーム10に対して後工程において、ダイボンディング工程、あるいはワイヤボンディング工程が施され、このようなダイボンディング工程あるいはワイヤボンディング工程においてリードフレーム10は加熱される。
【0049】
このような場合、リードフレーム10の加熱時に、銅めっき層15中の銅原子が銀めっき層12側へ拡散して銀めっき層12表面に現われることも考えられる。
【0050】
ここで
図8および
図9により、銅めっき層15中の銅原子の加熱時の挙動を示す。
図8に示す比較例のように、銀めっき層12と銅めっき層15との界面Lにおいて、銀めっき層12の平均結晶粒径が銅めっき層15の平均結晶粒径と同一、あるいはより小さい場合、加熱時において銅めっき層15中の銅原子は結晶粒界を伝って界面Lに達する。その後銅原子は、銀めっき層12の結晶粒界を通って拡散し、銀めっき層12の表面に現れる(
図9)。
【0051】
ここで、銀めっき層12の厚みは2.5μm、銅めっき層15の厚みは1.0μmであり、平均結晶粒径は銀めっき層12、銅めっき層15ともに0.6μm以下となっている。また、銀めっき層12と銅めっき層15の界面近傍における断面横方向の結晶粒子の長さも、ともに0.5μm以下となっている。
【0052】
これに対して本発明によれば、銀めっき層12の平均結晶粒径は銅めっき層15の平均結晶粒径よりかなり大きくなっている(
図7参照)。
図7において、銀めっき層12の厚みは2.5μm、銀めっき層12の平均結晶粒径は0.7〜1.5μmとなっている。また銅めっき層15の厚みは1.0μm、銅めっき層15の平均結晶粒径は0.2〜0.5μmとなっている。また、銀めっき層12と銅めっき層15の界面近傍における断面横方向の結晶粒子の長さは、銀めっき層12で0.5μm〜2.0μmであり、銅めっき層15は0.5μm以下となっている。
【0053】
このため銀めっき層12と銅めっき層15との界面Lにおいて、平均結晶粒径の大きな銀めっき層12の結晶が、平均結晶粒径の小さい銅めっき層15の結晶間における結晶粒界を覆うキャップとして機能する。このためリードフレーム10の加熱時に、銅めっき層15中の銅原子は結晶粒界を伝って界面Lに達するが、界面Lにおいて銀めっき層12の結晶が銅めっき層15の結晶粒界を覆うキャップとして機能するため、その後銅原子が銀めっき層12中へ拡散することが防止される。
【0054】
このように、本発明によれば、使用環境化下での結晶状態変化や半導体装置組立およびLED発光時のリードフレーム10の加熱時に、銅めっき層15中の銅原子が銀めっき層12中へ拡散して銀めっき層12表面に現われることはない。このように銀めっき層12表面に銅が折出することはないので、銀めっき層12の反射特性(反射率)が低下することはなく、また銀めっき層12表面のはんだ濡れ性の低下およびボンディングワイヤ性の低下を防止することができる。
【0055】
なお、リードフレーム10が
図2に示すように、銅または銅合金からなる本体部11と、本体部11上の銀または銀の合金、例えば銀めっき層からなる反射用金属層12とを有する場合も、本体部11と反射用金属層12との界面において、反射用金属層12の銀めっき層の平均結晶粒径は、本体部11の銅または銅合金の平均結晶粒径より大きくなっている。
【0056】
このため上述と同様に、リードフレーム10が加熱されても本体部11の銅または銅合金中の銅原子が銀めっき層12側へ拡散することはない。
【0057】
ここで本明細書における「平均結晶粒径」とは、粒子を擬似的に球とみなした場合の平均結晶粒径であり、以下のように算出した。
【0058】
まず、ミクロトーム(Leica EM UC6)により切り出されたリードフレームの切断面をSEM(日本電子社製,製品名:JSM−7001F)を用いて観察し、また、EBSP検出器(TSL社製,条件:傾斜70度,加速電圧15kV,印加電流10nA)を用いて結晶方位を判別し、粒子の境界を判別した。
【0059】
次に、SEM像によって観察された粒子の断面に結晶粒子の中心が現れているものとみなし、当該断面を画像処理することにより、擬似的な球を定義した。そしてこの擬似的な球の大きさを基に、平均結晶粒径を測定した。
【0060】
LED用リードフレームの製造方法
次に、
図3および
図4に示す半導体装置20に用いられるLED用リードフレーム10の製造方法について、
図5(a)−(g)により説明する。
【0061】
まず
図5(a)に示すように、金属基板からなる本体部11を準備する。この本体部11としては、上述のように銅または銅合金からなる金属基板を使用することができる。なお本体部11は、その両面に対して脱脂等を行い洗浄処理を施したものを使用することが好ましい。
【0062】
次に、本体部11の表裏に感光性レジストを塗布、乾燥し、これを所望のフォトマスクを介して露光した後、現像してエッチング用レジスト層32、33を形成する(
図5(b))。なお感光性レジストとしては、従来公知のものを使用することができる。
【0063】
次に、エッチング用レジスト層32、33を耐腐蝕膜として本体部11に腐蝕液でエッチングを施す(
図5(c))。腐蝕液は、使用する本体部11の材質に応じて適宜選択することができ、例えば、本体部11として銅を用いる場合、通常、塩化第二鉄水溶液を使用し、本体部11の両面からスプレーエッチングにて行うことができる。
【0064】
次いで、エッチング用レジスト層32、33を剥離して除去する。このようにして、第1の部分(ダイパッド)25と、第1の部分25から離間した第2の部分(リード部)26とを有する本体部11が得られる(
図5(d))。またこの際、ハーフエッチングにより本体部11の表面(上面)に溝19が形成される。
【0065】
次に、本体部11の表面側、裏面側および側面を含む表面全域に、中間介在層15および反射用金属層12を順次形成する(
図5(e))。
【0066】
この際、本体部11の表面側、裏面側および側面を含む表面全域に電解めっきを施す。これにより本体部11上に金属(銅)を析出させて、本体部11上に銅めっき層15を形成する。銅めっき層15を形成する電解めっき用めっき液としては、シアン化銅およびシアン化カリウムを主成分とした銅めっき液を用いることができる。
【0067】
この銅めっき層15により、中間介在層が構成される。
【0068】
さらに中間介在層15上に銀めっき層12を形成することにより、反射用金属層12を得る(
図5(e))。
【0069】
次に本体部11と、中間介在層15と、反射用金属層12とからなるリードフレーム10に熱して熱処理を施す。
【0070】
この熱処理において、まずリードフレーム10を急速に加熱する。銅が再結晶しにくく銀が再結晶しやすい温度であれば良く、例えばリードフレーム10を炉内のホットプレート(図示せず)上で30秒〜10分程度加熱し、リードフレーム10の温度を室温から300℃〜500℃まで上昇させる。
【0071】
その後、リードフレーム10を炉内で焼鈍する。このことにより反射用金属層12の銀めっき層中の銀を再結晶させ、このことにより銀めっき層中の平均結晶粒径を大きくする。この結果、反射用金属層12の銀めっき層中の平均結晶粒径は、中間介在層15の銅めっき層中の平均結晶粒径よりかなり大きくなる(
図7参照)。
【0072】
上述したように、反射用金属層12は、銀または銀の合金、例えば銀めっき層からなるが、反射用金属層12をスパッタ、イオンプレーティングまたは蒸着などにより形成することができる。また反射用金属層12として、銀と金との合金、銀と白金との合金、銀とインジウムとの合金、銀とパラジウムとの合金、銀とすずとの合金との合金を用いても良い。
【0073】
なお、
図5(a)−(e)において、エッチングを施すことにより本体部11を所定形状とした後(
図5(a)−(d))、本体部11上に中間介在層15、および反射用金属層12を形成している(
図5(e))。しかしながら、これに限らず、まず本体部11上に中間介在層15、および反射用金属層12を形成し、その後、エッチングにより本体部11を所定の形状に加工してもよい。
【0074】
半導体装置の製造方法
次に、
図3および
図4に示す半導体装置20の製造方法について、
図6(a)−(g)により説明する。
【0075】
まず、上述した工程により(
図5(a)−(g))、載置面11aを有する本体部11と、LED素子21からの光を反射するための反射層として機能する反射用金属層12と、反射用金属層12と本体部11との間に設けられた中間介在層15とを備えたリードフレーム10を作製する(
図6(a))。
【0076】
次に、このリードフレーム10に対して熱可塑性樹脂を射出成形またはトランスファ成形することにより、外側樹脂部23を形成する(
図6(b))。これにより、外側樹脂部23とリードフレーム10とが一体に形成される。またこのとき、射出成形またはトランスファ成形に使用する金型を適宜設計することにより、外側樹脂部23に凹部23aを形成するとともに、この凹部23a底面において反射用金属層12が外方に露出するようにする。
【0077】
次に、リードフレーム10の本体部11の載置面11a上に、LED素子21を搭載する。この場合、はんだまたはダイボンディングペーストを用いて、LED素子21を本体部11の載置面11a上(反射用金属層12上)に載置して固定する(ダイアタッチ工程)(
図6(c))。
【0078】
次に、LED素子21の端子部21aと、本体部11の第2の部分26表面とを、ボンディングワイヤ22によって互いに電気的に接続する(ワイヤボンディング工程)(
図6(d))。
【0079】
その後、外側樹脂部23の凹部23a内に封止樹脂部24を充填し、封止樹脂部24によりLED素子21とボンディングワイヤ22とを封止する(
図6(e))。
【0080】
次に、各LED素子21間の外側樹脂部23をダイシングすることにより、リードフレーム10を各LED素子21毎に分離する(
図6(f))。この際、まずリードフレーム10をダイシングテープ37上に載置して固定し、その後、例えばダイヤモンド砥石等からなるブレード38によって、各LED素子21間の外側樹脂部23を垂直方向に切断する。
【0081】
このようにして、
図3および
図4に示す半導体装置20を得ることができる(
図6(g))。
【0082】
本実施の形態の作用効果
次に、本実施の形態による作用効果について説明する。本実施の形態による半導体装置20においては、上述したように、銀めっき層からなる反射用金属層12と銅または銅合金からなる本体部11との間に銅めっき層からなる中間介在層15を設けている。そして反射用金属層12と中間介在層15との間の界面Lにおいて、反射用金属層12を構成するひとつの金属粒子は、中間介在層15を構成する複数の金属の粒子と接触している。換言すれば、反射用金属層12の平均結晶粒径は、中間介在層15の平均結晶粒径より大きくなっている。このことにより、以下のような作用効果が得られる。
【0083】
半導体装置20を製造する際、例えばダイボンディング時(
図6(c))、あるいはワイヤボンディング時(
図6(d))に、リードフレーム10に対して熱が加えられる場合がある。具体的には、ダイボンディング時には、例えばはんだ接合の場合に300℃〜400℃程度の熱が加えられる場合があり、例えばペースト接続の場合に150℃〜200℃程度の熱が加えられる場合があり、ワイヤボンディング時には、例えば150℃〜250℃程度の熱が加えられる場合がある。
【0084】
このようにリードフレーム10に対して加熱されても、上述のように銀めっき層からなる反射用金属層12と銅めっき層からなる中間介在層15との間の界面Lにおいて、反射用金属層12を構成するひとつの金属粒子は、中間介在層15を構成する複数の金属の粒子と接触している。換言すれば、反射用金属層12の平均結晶粒径は、中間介在層15の平均結晶粒径よりかなり大きくなっている。このため、反射用金属層12の結晶が中間介在層15の粒界に対してキャップとして機能するので、中間介在層15からの銅原子が反射用金属層12中へ拡散してその表面に現われることはない。
【0085】
このため銀めっき層からなる反射用金属層12の反射特性(反射率)が低下することはない。
【0086】
次に、使用環境化下での結晶状態変化を加速させるあるいは、LEDを長時間発光させた場合の環境を加速させた例として、リードフレーム10の反射率について、
図10(a)(b)により説明する。ここで
図10(a)は本発明によるリードフレーム10に対して、加熱前の初期状態における反射率と、150℃で1000hr時間加熱した場合におけるリードフレーム10の反射率の変化を示す図である。
図10(a)に示すように、本発明によるリードフレーム10に関し、400nm〜700nmの光の波長域において、初期の状態の反射率は加熱しても大きく低下することはない。
【0087】
例えば波長450nmの光に対して、リードフレーム10の反射率の低下は23%となっている。
【0088】
次に
図10(b)により、比較例としてのリードフレーム10に対する加熱前の初期状態の反射率と、加熱後の反射率の変化を示す。ここで比較例としてのリードフレーム10は、
図8に示すように本体部11と、反射用金属層12と、本体部11と反射用金属層12との間に介在された中間介在層15とを有し、反射用金属層12の平均結晶粒径は、中間介在層15の平均結晶粒径と同一又は小さくなっている。
【0089】
図10(b)に示すように、比較例におけるリードフレーム10を150℃、1000hrで加熱した場合、その反射率は大きく低下し、例えば波長450nmの光に対して、リードフレーム10の反射率の低下は35%となっている。
【0090】
ところで、上述のように中間介在層15からの銅(Cu)が、反射用金属層12の表面へ拡散することが防止されるので、銅(Cu)の拡散によって反射用金属層12の表面のはんだ濡れ性やボンディング性が低下することを防止することができる。
【0091】
変形例
以下、本実施の形態による半導体装置の各変形例について、
図11乃至
図16を参照して説明する。
図11乃至
図16において、
図3および
図4に示す実施の形態と同一部分には同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0092】
(変形例1)
図11は、半導体装置の変形例1(SONタイプ)を示す断面図である。
図11に示す実施の形態は、導電部としてはんだボールまたは金バンプ41a、41bを用いる点が異なるものであり、他の構成は上述した
図3および
図4に示す実施の形態と略同一である。
【0093】
図11に示す半導体装置40(変形例1)において、リードフレーム10の本体部11の載置面11a(反射用金属層12)上に、LED素子21が載置されている。この場合、LED素子21は、本体部11の第1の部分25(ダイパッド)と第2の部分26(リード部)とに跨って載置されている。
【0094】
またLED素子21は、ボンディングワイヤ22に代えて、はんだボールまたは金バンプ(導電部)41a、41bによってリードフレーム10の反射用金属層12に接続されている(フリップチップ方式)。なお、
図11に示すように、はんだボールまたは金バンプ41a、41bのうち、一方のはんだボールまたは金バンプ41aは第1の部分25に接続され、他方のはんだボールまたは金バンプ41bは第2の部分26に接続されている。
【0095】
(変形例2)
図12は、半導体装置の変形例2(LGAタイプ)を示す断面図である。
図12に示す実施の形態は、基板10の構成等が
図3および
図4に示す実施の形態と異なるものである。
【0096】
図12に示す半導体装置50(変形例2)において、基板10は、LED素子21を載置する載置面11aを有する本体部11と、本体部11の載置面11aを含む全面に設けられLED素子21からの光を反射するための反射層として機能する反射用金属層12とを有している。
【0097】
反射用金属層12と本体部11との間には、中間介在層15が設けられている。
【0098】
本体部11は、LED素子21が載置される第1の部分(ダイパッド)51と、第1の部分51から離間した第2の部分(端子部)52とを有している。これら第1の部分51と第2の部分52との間には封止樹脂部24が充填されており、第1の部分51と第2の部分52とは互いに電気的に絶縁されている。
【0099】
また第1の部分51の底面に第1の外部端子53が設けられ、第2の部分52の底面に第2の外部端子54が設けられている。第1の外部端子53および第2の外部端子54は、それぞれ封止樹脂部24から外方に露出している。なお
図12において、本体部11は、1つのめっき層または複数のめっき層を積層した構成からなっていても良い。
【0100】
この場合、LED素子21は、第1の部分51において本体部11の載置面11a上に載置されている。また基板10の第2の部分52とLED素子21とは、ボンディングワイヤ(導電部)22によって電気的に接続されている。すなわちボンディングワイヤ22の一端がLED素子21の端子部21aに接続され、ボンディングワイヤ22の他端が第2の部分52の表面上に接続されている。
【0101】
他方、透光性の封止樹脂部24は、基板10の上側部分、LED素子21、およびボンディングワイヤ22を封止している。
【0102】
なお
図12において外側樹脂部23は設けられていないが、これに限られるものではなく、
図3および
図4と同様にLED素子21を取り囲むように外側樹脂部23を設けても良い。
【0103】
(変形例3)
図13は、半導体装置の変形例3(PLCCタイプ)を示す断面図である。
図13に示す実施の形態は、リードフレーム10の構成が
図3および
図4に示す実施の形態と異なるものである。
【0104】
図13に示す半導体装置60(変形例3)において、リードフレーム10は、LED素子21を載置する載置面11aを有する本体部11と、本体部11の載置面11aを含む全面に設けられ、LED素子21からの光を反射するための反射層として機能する反射用金属層12とを有している。
【0105】
反射用金属層12と本体部11との間には、中間介在層15が設けられている。
【0106】
本体部11は、LED素子21が載置される第1の部分(ダイパッド)61と、第1の部分61から離間した第2の部分(端子部)62および第3の部分(端子部)63とを有している。これら第1の部分61と第2の部分62の間、および第1の部分61と第3の部分63の間には、それぞれ外側樹脂部23が充填されている。これにより、第1の部分61と第2の部分62とは互いに電気的に絶縁され、かつ第1の部分61と第3の部分63とは互いに電気的に絶縁されている。
【0107】
また第2の部分62および第3の部分63は、それぞれ断面略J字状に湾曲されている。さらに第2の部分62の端部には第1のアウターリード部64が形成され、第3の部分63の端部には第2のアウターリード部65が形成されている。これら第1のアウターリード部64および第2のアウターリード部65は、それぞれ外側樹脂部23から外方に露出している。
【0108】
この場合、LED素子21は、第1の部分61において本体部11の載置面11a上に載置されている。またLED素子21は、リードフレーム10の本体部11の第2の部分62および第3の部分63に、それぞれボンディングワイヤ(導電部)22を介して電気的に接続されている。
【0109】
(変形例4)
図14は、半導体装置の変形例4(基板タイプ)を示す断面図である。
図14に示す実施の形態は、基板10が非導電性基板74上に配置されている点等が
図3および
図4に示す実施の形態と異なるものである。
【0110】
図14に示す半導体装置70(変形例4)において、基板10は、LED素子21を載置する載置面11aを有する本体部11と、本体部11の載置面11aを含む全面に設けられ、LED素子21からの光を反射するための反射層として機能する反射用金属層12とを有している。
【0111】
反射用金属層12と本体部11との間には、中間介在層15が設けられている。
【0112】
本体部11は、第1の部分71と、この第1の部分71から離間した第2の部分72とを有している。これら第1の部分71と第2の部分72との間には封止樹脂部24が充填されており、第1の部分71と第2の部分72とは互いに電気的に絶縁されている。
【0113】
この場合、LED素子21は、第1の部分71と第2の部分72とに跨って載置されている。またLED素子21は、ボンディングワイヤ22に代えて、はんだボール(導電部)73a、73bによって基板10の反射用金属層12に接続されている(フリップチップ方式)。
【0114】
なお
図14に示すように、はんだボール73a、73bのうち、はんだボール73aは第1の部分71に接続され、はんだボール73bは第2の部分72に接続されている。
【0115】
ところで
図14において、基板10は非導電性基板74上に配置されている。非導電性基板74は、有機基板であっても無機基板であってもよい。有機基板としては、例えば、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー、フッ素樹脂、ポリカーボネート、ポリノルボルネン系樹脂、ポリサルホン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、又は熱可塑性ポリイミド等からなる有機基板、又はそれらの複合基板を挙げることができる。また、無機基板としては、例えば、ガラス基板、シリコン基板、セラミックス基板等を挙げることができる。
【0116】
非導電性基板74には複数のスルーホール75が形成されている。また各スルーホール75内にはそれぞれ導電性物質76が充填されている。そして本体部11の第1の部分71および第2の部分72は、それぞれ各スルーホール75内の導電性物質76を介して、第1の外部端子77および第2の外部端子78に電気的に接続されている。なお、導電性物質76としては、めっきによりスルーホール75内に形成された銅等の導電性金属、あるいは銅粒子、銀粒子等の導電性粒子を含有した導電性ペースト等が挙げられる。
【0117】
なお
図14において外側樹脂部23は設けられていないが、これに限られるものではなく、
図3および
図4に示す実施の形態と同様に、LED素子21を取り囲むように外側樹脂部23を設けても良い。
【0118】
(変形例5)
図15は、半導体装置の変形例5(モジュールタイプ)を示す断面図である。
図15に示す実施の形態は、1つの非導電性基板74上に複数の基板10を配置した点が異なるものであり、他の構成は上述した
図15に示す実施の形態(変形例4)と略同一である。
【0119】
図15に示す半導体装置80(変形例5)において、1つの非導電性基板74上に複数の基板10が配置されている。各基板10は、LED素子21を載置する載置面11aを有する本体部11と、本体部11の載置面11aを含む全面に設けられ、LED素子21からの光を反射するための反射層として機能する反射用金属層12とを有している。
【0120】
このほか、
図15において、
図14に示す実施の形態(変形例4)と同一部分には同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0121】
(変形例6)
図16は、半導体装置の変形例6(SONタイプ)を示す断面図である。
図16に示す実施の形態は、本体部11の第1の部分(ダイパッド)91の周囲に、2つのリード部(第2の部分92および第3の部分93)が設けられている点が異なるものであり、他の構成は上述した
図3および
図4に示す実施の形態と略同一である。
【0122】
すなわち
図16に示す半導体装置90(変形例6)において、本体部11は、LED素子21を載置する第1の部分(ダイパッド)91と、第1の部分(ダイパッド)91の周囲であって、第1の部分91を挟んで互いに対向する位置に設けられた、一対のリード部(第2の部分92および第3の部分93)とを有している。
【0123】
図16において、LED素子21は一対の端子部21aを有しており、この一対の端子部21aは、それぞれボンディングワイヤ22を介して、第2の部分92および第3の部分93に接続されている。
【0124】
以上説明した変形例1乃至6による半導体装置40、50、60、70、80、90(
図11乃至
図16)においても、
図3および
図4に示す半導体装置20と略同一の作用効果を得ることができる。