(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、実施形態に係る点灯装置、照明装置及び調光方法を説明する。
【0014】
以下の各実施形態に係る点灯装置120において、点灯回路140a〜140cは、複数の光源150a〜150cに対応して設けられ、それぞれ光源150a〜150cの点灯を制御する。調光信号分配部130は、複数の光源150a〜150cの調光に関する調光情報を含む調光信号が入力されるとともに、当該調光信号を複製して複数の点灯回路140a〜140cの数と同数の複製調光信号を生成し、生成された複製調光信号それぞれを増幅して複数の点灯回路140a〜140cに分配する。
【0015】
また、上記の点灯装置120において、調光信号分配部130は、調光信号が入力される一次コイルと、複数の点灯回路140a〜140cと同数の二次コイルとを備えた変圧器203a〜203cを含み、二次コイルそれぞれにおいて複製調光信号を生成する。
【0016】
また、上記の点灯装置120において、調光信号分配部130は、調光信号に含まれる調光情報に基づいて複製調光信号を生成するマイコン503を有する。
【0017】
また、上記の点灯装置120において、調光信号分配部130は、調光信号に含まれる調光情報を複数の光源150a〜150cごとの調光情報に分解し、得られた光源150a〜150cごとの調光情報を含む複製調光信号を生成する。
【0018】
また、上記の点灯装置120において、調光信号分配部130は、生成された複製調光信号の電圧を調光信号の電圧と略同一の電圧にまで増幅して分配する。
【0019】
また、各実施形態に係る照明装置は、複数の光源150a〜150cと上記の点灯装置120を備える。
【0020】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る照明装置の構成を示す図である。
図1に示す照明装置は、交流電源110、点灯装置120及び光源150a〜150cを有する。
【0021】
交流電源110は、例えば電圧が100〜240∨(ボルト)の範囲の電源であり、点灯装置120に交流電力を供給する。
【0022】
点灯装置120は、交流電源110から供給される交流電力を用いて、図示しない調光器から入力される調光信号に応じて例えばLEDなどの発光素子を備えた光源150a〜150cの点灯を制御する。このとき、点灯装置120は、光源が1つの場合と同じ電流値(例えば4mA)の調光信号の入力を受け付け、この調光信号によって3つの光源150a〜150cの点灯を制御する。具体的には、点灯装置120は、調光信号分配部130と、光源150a〜150cに対応する点灯回路140a〜140cとを備える。
【0023】
調光信号分配部130は、図示しない調光器から入力される調光信号を複製し、得られた複製調光信号を3つの点灯回路140a〜140cに分配する。このとき、調光信号分配部130に入力される調光信号は、例えばPWM方式の調光信号であり、デューティ比によって光源150a〜150cを調光するための調光情報を含んでいる。また、調光信号分配部130に入力される調光信号の電流値は、点灯回路及び光源を1つずつ備えた照明装置へ入力される調光信号の電流値(例えば4mA)に等しい。
【0024】
そして、調光信号分配部130は、入力された調光信号を単に分配するのみではなく、点灯回路の数だけ得られる複製調光信号をそれぞれ増幅した上で、点灯回路140a〜140cへ出力する。このとき、調光信号分配部130は、入力された調光信号の電圧と略同一の電圧にまで複製調光信号を増幅する。これにより、調光信号分配部130に入力される調光信号が光源を1つのみ備える照明装置に入力される調光信号と同じ電流値であっても、各点灯回路140a〜140cに入力される複製調光信号の電圧不足が生じることがない。なお、調光信号分配部130の内部構成については、後に詳述する。
【0025】
点灯回路140aは、光源150aの点灯を制御する点灯回路であり、全波整流器141a、電解コンデンサ142a、ダイオード143a、FET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)144a、インダクタ145a及びコンデンサ146aを有する。また、点灯回路140aは、調光信号受信部147a及び制御部148aを有する。なお、点灯回路140b、140cは、点灯回路140aと同様の構成を有するため、その説明を省略する。
【0026】
全波整流器141aは、交流電源110から供給される交流電力を整流して直流電力に変換する。電解コンデンサ142aは、全波整流器141aの正負極に接続され、全波整流器141aによって得られた直流電力を平滑化する。本実施形態において、全波整流器141a及び電解コンデンサ142aは、整流回路として動作する。
【0027】
ダイオード143aは、インダクタ145a及びコンデンサ146aと共に閉回路を形成しており、FET144aが非導通状態のときに、インダクタ145aからの電流によりコンデンサ146aを充電する。
【0028】
FET144aは、制御部148aの制御によって駆動されるスイッチング素子であり、全波整流器141a、インダクタ145a及びコンデンサ146aと直列に接続されている。そして、FET144aは、制御部148aの制御に従って導通状態及び非導通状態を切り替える。FET144aは、導通状態のときには、電解コンデンサ142aによって平滑化された直流電力によりインダクタ145aを充電する。
【0029】
インダクタ145aは、FET144aが導通状態のときに充電され、FET144aが非導通状態のときに放電する。このように、FET144aが非導通状態のときにインダクタ145aが放電することにより、ダイオード143aを介してコンデンサ146aが充電される。
【0030】
コンデンサ146aは、FET144aが非導通状態のときに充電されることにより直流電力を平滑化し、充電電圧によって光源150aを点灯させる。すなわち、コンデンサ146aの両端には光源150aが接続されており、コンデンサ146aからの電流によって光源150aが点灯する。
【0031】
調光信号受信部147aは、調光信号分配部130から出力された複製調光信号を受信し、複製調光信号が示す調光のための調光情報を制御部148aに出力する。すなわち、調光信号受信部147aは、複製調光信号が例えばPWM方式の調光信号の場合、この複製調光信号のパルスと同様のパルスを制御部148aに出力する。
【0032】
制御部148aは、例えばマイコン(マイクロコントローラ又はマイクロコンピュータ)やプロセッサなどの制御用部品を備え、調光信号受信部147aから出力された調光情報に従ってFET144aを駆動する。すなわち、制御部148aは、例えばPWM方式の複製調光信号が調光信号受信部147aによって受信された場合、複製調光信号のデューティ比に従ってFET144aの導通状態及び非導通状態を切り替える。これにより、光源150aの点灯時間と消灯時間の時間比が調整され、結果として、光源150aの光量が調整される。
【0033】
図2は、本実施形態に係る調光信号分配部130の構成を示す図である。
図2に示す調光信号分配部130は、抵抗201、全波整流器202、変圧器203a〜203c、ダイオード204a〜204c、抵抗205a〜205c、抵抗206a〜206c及びFET207a〜207cを有する。
【0034】
抵抗201は、図示しない調光器と調光信号線によって接続されており、調光信号の電流値を点灯回路及び光源を1つずつ備えた照明装置へ入力される調光信号の電流値(例えば4mA)に調整する。したがって、本実施形態に係る照明装置は3つの点灯回路140a〜140cを備えているが、調光信号線に流れる電流は、照明装置が1つの点灯回路を備えている場合と同じになる。
【0035】
全波整流器202は、調光信号を整流して変圧器203a〜203cへ出力する。変圧器203a〜203cは、入力側に1つの一次コイル、出力側に3つの二次コイルを備え、調光信号から所定の電圧値の複製調光信号を生成する。本実施形態においては、点灯装置120が3つの点灯回路140a〜140cを備えているため、変圧器203a〜203cは、3つの二次コイルそれぞれにおいて複製調光信号を生成する。複製調光信号には、調光信号分配部130に入力された調光信号と同一の調光情報が含まれている。したがって、調光信号分配部130に入力された調光信号が例えばPWM方式の調光信号である場合には、この調光信号と各複製調光信号におけるデューティ比は互いに対応している。
【0036】
なお、変圧器203a〜203cには、説明の便宜上、それぞれの二次コイルに対応して異なる符号が付されているが、全体として一体に形成されていて良い。そして、変圧器203a〜203cの各二次コイルの一端はグランドに接続されており、他端はそれぞれダイオード204a〜204cのアノード端子に接続されている。
【0037】
ダイオード204a〜204cは、変圧器203a〜204cにおいて生成された複製調光信号に応じた電流を抵抗205a〜205cへ供給する。具体的には、ダイオード204a〜204cは、複製調光信号が例えばPWM方式の調光信号の場合、信号レベルがハイの期間において電流を抵抗205a〜205cへ供給する。
【0038】
抵抗205a〜205cは、ダイオード204a〜204cのカソード端子とFET207a〜207cのゲート端子との間に接続される。そして、抵抗205a〜205cは、ダイオード204a〜204cから供給される電流によって、FET207a〜207cのゲート端子に印加されるゲート電圧を調整する。すなわち、抵抗205a〜205cは、複製調光信号が例えばPWM方式の調光信号の場合、信号レベルがハイの期間において、ゲート閾値電圧を超える適正なゲート電圧をFET207a〜207cのゲート端子に印加する。
【0039】
抵抗206a〜206cは、グランドに接続されており、不要な電荷をグランドに放出する。具体的には、抵抗206a〜206cは、複製調光信号が例えばPWM方式の調光信号の場合、信号レベルがローの期間において、FET207a〜207cのゲート閾値電圧に満たない電圧に対応する電荷をグランドに放出する。
【0040】
FET207a〜207cは、抵抗205a〜205cから印加されるゲート電圧によって、導通状態及び非導通状態を切り替える。具体的には、FET207a〜207cは、複製調光信号の信号レベルがハイの場合には抵抗205a〜205cから印加されるゲート電圧がゲート閾値電圧を超え、導通状態となる。この結果、各FET207a〜207cのドレイン端子においては、電位がグランド電位に等しくなり、例えば12∨の電源電圧∨
CCに接続された正極の出力端子との間で電位差が生じ、それぞれ増幅された複製調光信号が出力される。すなわち、調光信号分配部130に入力された調光信号の電圧と略同一の電圧にまで増幅された複製調光信号が出力される。
【0041】
図3は、本実施形態に係る調光信号受信部147aの構成を示す図である。
図3に示す調光信号受信部147aは、抵抗301、全波整流器302、フォトカプラ303及び抵抗304を有する。
【0042】
抵抗301は、調光信号分配部130から出力された複製調光信号の電流値を調整する。なお、本実施形態においては、調光信号分配部130によって複製調光信号が増幅されているため、抵抗301に印加される電圧は、調光信号分配部130に入力される調光信号の電圧と略同一であり、電圧不足が生じることはない。換言すれば、調光信号分配部130に入力される調光信号の電流値が光源を1つのみ備えた照明装置に入力される調光信号の電流値に等しくても、3つの点灯回路140a〜140cには、調光をするのに十分な電圧の複製調光信号が入力される。
【0043】
全波整流器302は、複製調光信号を整流してフォトカプラ303へ出力する。フォトカプラ303は、調光信号受信部147aの入力と出力を絶縁しつつ、複製調光信号を制御部148aへ出力する。すなわち、フォトカプラ303においては、例えばPWM方式の複製調光信号の信号レベルがハイの期間には、内部のトランジスタが導通状態となり、複製調光信号の信号レベルがローの期間には、内部のトランジスタが非導通状態となる。
【0044】
抵抗304は、例えば5∨の電源電圧∨
DDとフォトカプラ303の間に設けられ、フォトカプラ303内部のトランジスタが導通状態のときに電流を流す。ここで、フォトカプラ303内部のトランジスタが導通状態のときには、電流がこのトランジスタを流れることにより、制御部148aへの出力端子の電位がグランド電位と等しくなる。一方、フォトカプラ303内部のトランジスタが非導通状態のときには、制御部148aへの出力端子の電位がグランド電位よりも高くなる。結果として、制御部148aには、調光信号受信部147aによって受信された複製調光信号のパルスに関する情報が伝達される。
【0045】
ただし、調光信号受信部147aに入力された複製調光信号の信号レベルがハイとなる場合に、フォトカプラ303内部のトランジスタが導通状態となり、制御部148aへの出力端子の電位がローとなる。このため、調光信号受信部147aによって受信された調光信号と制御部148aへ出力される信号とは、パルスのハイとローが反転していることになる。
【0046】
そして、制御部148aは、調光信号受信部147aから出力された信号に基づいてFET144aを駆動するため、複製調光信号において信号レベルがハイの期間が相対的に長くなると、FET144aが非導通状態となる時間が相対的に長くなる。この結果、光源150aの消灯時間が相対的に長くなり、複製調光信号において信号レベルがハイの期間が相対的に長くなると、光源150aの光量が低下することになる。
【0047】
次いで、本実施形態に係る点灯装置120の動作について、
図4に示すフロー図を参照しながら説明する。
【0048】
図示しない調光器から出力される調光信号は、調光信号分配部130に入力される(ステップS101)。このとき、調光信号分配部130内の抵抗201によって、調光信号の電流値が、1つの点灯回路に対する調光信号の電流値と等しい値に調整される。すなわち、図示しない調光器は、3つの点灯回路140a〜140cを備えた点灯装置120に対して、1つの点灯回路分の電流を供給する。したがって、照明装置が複数の点灯回路を搭載していても、調光器がこの照明装置に供給する電流値は増加せず、調光器に接続可能な照明装置の数が減少することはない。
【0049】
調光信号分配部130に入力された調光信号は、調光信号分配部130内の変圧器203a〜203cによって複製され、調光信号と同一の調光情報を含む3つの複製調光信号が生成される(ステップS102)。すなわち、調光信号分配部130によって、1つの調光信号から3つの点灯回路140a〜140cに対応する3つの複製調光信号が生成される。ここでは、複製調光信号の電圧値が調光信号分配部130に入力される調光信号の電圧値より低下していても良い。
【0050】
3つの複製調光信号は、それぞれ調光信号分配部130から出力される際に増幅される(ステップS103)。具体的には、複製調光信号の電圧が調光信号分配部130における電源電圧∨
CC(例えば12∨)によって増幅され、調光信号分配部130に入力された調光信号と略同一のパルス幅及び電圧を有する複製調光信号が得られる。そして、これらの複製調光信号は、それぞれ点灯回路140a〜140cの調光信号受信部147a〜147cへ出力される。
【0051】
複製調光信号が調光信号受信部147a〜147cによって受信されると、複製調光信号によって示される調光情報がそれぞれ制御部148a〜148cへ伝達される。そして、制御部148a〜148cによって、伝達された調光情報に従ったFET144a〜1434cの駆動が行われる(ステップS104)。すなわち、複製調光信号がPWM形式のパルス信号である場合には、このパルス信号のデューティ比に応じてFET144aの導通状態及び非導通状態が切り替えられる。結果として、光源150aの点灯時間及び消灯時間の比率が調整されて光量が変化し、複製調光信号に従った光源150aの調光が行われる。
【0052】
このように、調光信号分配部130へ入力される調光信号の電流値は、1つの点灯回路に対する調光信号の電流値と等しいが、調光信号分配部130によって複製調光信号の生成及び増幅が行われ、増幅後の複製調光信号がそれぞれ点灯回路140a〜140cに出力される。このため、各点灯回路140a〜140cにおいては、図示しない調光器から調光信号分配部130へ入力された調光信号とパルス幅及び電圧が略同一の複製調光信号が入力されることになる。結果として、各点灯回路140a〜140cにおいて複製調光信号の電圧不足などが生じることがなく、確実な調光が行われる。同時に、図示しない調光器から本実施形態に係る照明装置へ供給される電流は、点灯回路を1つ備えた照明装置へ供給される電流に等しいため、調光器に接続可能な照明装置の数が減少することはない。
【0053】
以上のように、第1の実施形態によれば、複数の点灯回路を備えた照明装置において、調光信号を複製して点灯回路の数に等しい数の複製調光信号を生成及び増幅し、各点灯回路へ出力する。このため、調光器から出力される調光信号の電流値が1つの点灯回路分の電流値であっても、各点灯回路には十分な電流値の調光信号が入力される。そして、照明装置内の点灯回路数が増加しても、調光器から照明装置へ供給される電流値が増加することはないため、調光器に接続可能な照明装置の数は変化しない。すなわち、本実施形態によれば、1つの調光器に接続可能な照明装置の数の減少を防止することができる。
【0054】
(第2の実施形態)
第2の実施形態の特徴は、マイコンを利用して調光信号から複製調光信号を生成する点である。本実施形態に係る照明装置の構成は、第1の実施形態に係る照明装置(
図1)と同様であるため、その説明を省略する。ただし、本実施形態においては、調光信号分配部130の構成が第1の実施形態とは異なる。
【0055】
図5は、本実施形態に係る調光信号分配部130の構成を示す図である。
図5において、
図2と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。
図5に示す調光信号分配部130は、抵抗201、全波整流器202、フォトカプラ501、抵抗502、マイコン503、抵抗504a〜504c及びFET505a〜505cを有する。
【0056】
フォトカプラ501は、調光信号分配部130の入力と出力を絶縁しつつ、調光信号をマイコン503へ出力する。すなわち、フォトカプラ501においては、例えばPWM方式の調光信号の信号レベルがハイの期間には、内部のトランジスタが導通状態となり、調光信号の信号レベルがローの期間には、内部のトランジスタが非導通状態となる。
【0057】
抵抗502は、例えば5∨の電源電圧∨
DDとフォトカプラ501の間に設けられ、フォトカプラ501内部のトランジスタが導通状態のときに電流を流す。ここで、フォトカプラ501内部のトランジスタが導通状態のときには、電流がこのトランジスタを流れることにより、マイコン503への出力端子の電位がグランド電位と等しくなる。一方、フォトカプラ501内部のトランジスタが非導通状態のときには、マイコン503への出力端子の電位がグランド電位よりも高くなる。結果として、マイコン503には、調光信号分配部130に入力された調光信号のパルスに関する情報が伝達される。
【0058】
マイコン503は、調光信号分配部130に入力された調光信号を複製して、調光信号と同一の調光情報を含む3つの複製調光信号を生成する。ただし、マイコン503が生成する複製調光信号の電圧は、調光信号分配部130に入力された調光信号の電圧と同一でなくても良い。すなわち、マイコン503は、供給される電源電圧(例えば5∨)の範囲内で、調光信号に含まれる調光情報と同一の調光情報を含む複製調光信号を生成する。したがって、マイコン503は、通常、調光信号分配部130に入力される調光信号よりも電圧が小さい複製調光信号を生成する。そして、マイコン503は、生成された3つの複製調光信号をそれぞれ抵抗504a〜504cへ出力する。
【0059】
抵抗504a〜504cは、マイコン503によって生成された複製調光信号に応じてFET505a〜505cにゲート電圧を印加する。FET505a〜505cは、マイコン503によって生成された複製調光信号に応じた電圧によって、導通状態及び非導通状態を切り替える。具体的には、FET505a〜505cは、複製調光信号の信号レベルがハイの場合には抵抗504a〜504cから印加されるゲート電圧がハイとなり、導通状態となる。この結果、FET505a〜505cのドレイン端子においては、電位がグランド電位に等しくなり、例えば12∨の電源電圧∨
CCに接続された正極の出力端子との間で電位差が生じ、増幅された複製調光信号が出力される。
【0060】
本実施の形態においては、調光信号分配部130に入力される調光信号をマイコン503によって複製し、得られた複製調光信号を増幅して各点灯回路140a〜140cへ出力する。このため、調光信号分配部130に入力される調光信号の電流値が点灯回路1つ分の調光信号の電流値に等しくても、それぞれの点灯回路140a〜140cには、電圧が十分に増幅された複製調光信号が入力される。結果として、3つの点灯回路140a〜140cには、調光をするのに十分な電圧の複製調光信号が入力され、光源150a〜150cの調光が確実に制御される。
【0061】
また、本実施の形態においては、マイコン503が複製調光信号を生成するため、調光信号分配部130の入出力において、調光信号と複製調光信号の方式を変更することなども可能である。すなわち、調光信号分配部130に入力される調光信号が例えばDMX512などの通信プロトコルに準拠した信号である場合に、この調光信号に含まれる調光情報を損なわずにマイコン503がPWM方式の複製調光信号を生成することなども可能である。
【0062】
より具体的には、例えば点灯回路140a〜140c及び光源150a〜150cがそれぞれRGBの三色のLEDに対応している場合、DMX512などの通信プロトコルによれば、それぞれの色のLEDの調光を個別に制御することが可能である。すなわち、DMX512などの通信プロトコルに準拠した調光信号には、光源150a〜150cそれぞれについて異なる調光をするための調光情報が含まれている。そこで、マイコン503は、この調光情報をそれぞれの光源ごとの調光情報に分解し、光源ごとの調光情報を含むPWM方式の複製調光信号を生成する。そして、光源ごとの複製調光信号が点灯回路140a〜140cへ出力されることにより、各光源150a〜150cの調光を個別に制御することが可能となる。この場合、点灯回路140a〜140cの回路構成は、PWM方式の調光信号に対応した比較的簡易な回路構成で良く、DMX512などに対応する複雑な点灯回路を設ける必要がない。
【0063】
以上のように、第2の実施形態によれば、複数の点灯回路を備えた照明装置において、マイコンを利用して調光信号を複製し、点灯回路の数に等しい数の複製調光信号をそれぞれ各点灯回路へ出力する。このため、調光器から出力される調光信号の電流値が1つの点灯回路分の電流値であっても、各点灯回路には十分な電流値の調光信号が入力される。そして、照明装置内の点灯回路数が増加しても、調光器から照明装置へ供給される電流値が増加することはないため、調光器に接続可能な照明装置の数は変化しない。すなわち、本実施形態によれば、1つの調光器に接続可能な照明装置の数の減少を防止することができる。
【0064】
また、第2の実施形態によれば、調光器から出力された調光信号の方式を変換して、調光器の出力とは異なる方式の複製調光信号を生成し、各点灯回路へ出力することもできる。
【0065】
以上説明したとおり、第1及び第2の実施形態によれば、1つの調光器に接続可能な照明装置の数の減少を防止することができる。
【0066】
なお、上述した実施形態においては、照明装置に3つの点灯回路140a〜140cが備えられるものとしたが、照明装置に備えられる点灯回路の数は3つに限定されない。また、調光信号及び複製調光信号はPWM方式又はDMX512に準拠した調光信号である必要はなく、様々な方式の調光信号に対して本発明を適用することが可能である。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。