特許第6011040号(P6011040)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6011040
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】光電センサ
(51)【国際特許分類】
   H01H 35/00 20060101AFI20161006BHJP
【FI】
   H01H35/00 C
【請求項の数】9
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-130044(P2012-130044)
(22)【出願日】2012年6月7日
(65)【公開番号】特開2013-254661(P2013-254661A)
(43)【公開日】2013年12月19日
【審査請求日】2015年5月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥濃 基晴
(72)【発明者】
【氏名】小峰 晋一郎
【審査官】 出野 智之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−289739(JP,A)
【文献】 特開平02−288121(JP,A)
【文献】 特開昭61−243385(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出光を発する投光部と、
検出光が外部で反射されて戻ってきた戻り光を受ける受光部と、
前記投光部からの検出光を外部に出射するとともに、外部からの戻り光が入射するレンズと、
前記レンズと前記投光部および前記受光部との間の光路上に設けられ、前記投光部から前記レンズに向かう検出光の光路と、前記レンズから前記受光部に向かう戻り光の光路とを分離する光路分離部と、
前記レンズと前記投光部および前記受光部との間の光路上のいずれかの位置に、検出光または戻り光の光軸と重なるように設けられ、検出光または戻り光を部分的に遮る遮光部材とを備え
前記遮光部材は、前記レンズと前記光路分離部との間の光路上に設けられ、
前記遮光部材は、前記光路分離部と距離を設けて配置され、前記光路分離部から前記レンズに向かう検出光を反射する反射面を有し、
前記反射面は、前記光路分離部から前記レンズに向かう検出光の光軸に対して斜め方向に延在する、光電センサ。
【請求項2】
前記遮光部材は、前記レンズの近傍に設けられている、請求項に記載の光電センサ。
【請求項3】
前記遮光部材による検出光の遮光領域の中心と、前記レンズの中心軸とが一致するように、前記遮光部材が配置されている、請求項1または2に記載の光電センサ。
【請求項4】
前記遮光部材が、黒色に着色されている、請求項1からのいずれか1項に記載の光電センサ。
【請求項5】
前記レンズと前記投光部および前記受光部との間の光路上で前記光路分離部を支持する支持部材をさらに備え、
前記遮光部材は、前記支持部材に一体に成形されている、請求項1からのいずれか1項に記載の光電センサ。
【請求項6】
前記支持部材には、前記投光部と向かい合って配置され、前記投光部から前記光路分離部に向かう検出光が通過するスリットが形成される、請求項に記載の光電センサ。
【請求項7】
前記遮光部材は、前記レンズに一体に成形されている、請求項1からのいずれか1項に記載の光電センサ。
【請求項8】
検出光を発する投光部と、
検出光が外部で反射されて戻ってきた戻り光を受ける受光部と、
前記投光部からの検出光を外部に出射するとともに、外部からの戻り光が入射するレンズと、
前記レンズと前記投光部および前記受光部との間の光路上に設けられ、前記投光部から前記レンズに向かう検出光の光路と、前記レンズから前記受光部に向かう戻り光の光路とを分離する光路分離部と、
前記レンズと前記投光部および前記受光部との間の光路上のいずれかの位置に、検出光または戻り光の光軸と重なるように設けられ、検出光または戻り光を部分的に遮る遮光部材と、
前記レンズと前記投光部および前記受光部との間の光路上で前記光路分離部を支持する支持部材とを備え、
前記遮光部材は、前記支持部材に一体に成形されている、光電センサ。
【請求項9】
前記支持部材には、前記投光部と向かい合って配置され、前記投光部から前記光路分離部に向かう検出光が通過するスリットが形成される、請求項8に記載の光電センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般的には、光電センサに関し、より特定的には、同軸式回帰反射型の光電センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の光電センサに関して、たとえば、特開2009−289739号公報には、検出精度を高めることを目的とした、同軸回帰反射型の光電センサが開示されている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に開示された光電センサは、検出光を発する発光ダイオードと、検出光を平行光に変換して、その平行光を外部への検出光として外部に投射するレンズと、検出光の光路と回帰反射板からの戻り光とを分離するハーフミラーと、ハーフミラーからの戻り光を受けるフォトダイオードとを有する。レンズは、凸面と、発光ダイオードと凸面の中心部とを結ぶ軸に対して垂直方向より傾けられた平面とを含む。
【0004】
また、特開2008−112629号公報には、PETボトルの複屈折性を光の減衰に変換し、検出の安定性を高めるとともに、PETボトルからの反射光の問題を回避することを目的とした、回帰反射型光電センサが開示されている(特許文献2)。
【0005】
特許文献2に開示された回帰反射型光電センサは、円偏光を投光する投光系と、逆円偏光と円偏光とが混在する光が入射された場合に逆円偏光を選択的に受光する受光系とが形成されたセンサ本体と、円偏光を、逆円偏光を含む光に変換して反射する回帰反射部とを有する。センサ本体は、投光素子と、受光素子と、垂直偏光を円偏光に変換し、逆円偏光を垂直偏光に変換する1/4波長板と、偏光フィルタとを含む。偏光フィルタは、回帰反射部から受光素子に至る受光経路上において受光素子と1/4波長板との間に配置され、垂直偏光を選択的に透過させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−289739号公報
【特許文献2】特開2008−112629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の特許文献に開示されるように、物体の有無の検出に用いられる光電センサとして、光の反射を利用した反射型光電センサが利用されている。この反射型光電センサには、回帰反射型光電センサと呼ばれるものがある。
【0008】
一般的に、回帰反射型光電センサは、発光素子および受光素子を内蔵した投受光器を備える。このセンサの使用に際しては、投受光器から発せられた光を反射して投受光器に戻すための回帰反射板が投受光器と対向して配置される。発光素子から出た光の光路上に物体が存在しない場合、その光は回帰反射板で反射して受光素子に入射する。一方、光路上に物体が存在する場合、発光素子から出た光はその物体によって遮られるため受光素子に入射しない。すなわち、光路上に物体が存在するか否かによって受光素子の受光量が異なるため、回帰反射型センサは受光量の違いに基づいて物体の有無を検出する。
【0009】
さらに回帰反射型の光電センサには、2眼式のものと同軸式のものとがある。2眼式の場合、投光路と受光路とが物理的に分離される。一方、同軸式の場合、投光路と受光路とが略一致しており、偏光ビームスプリッタやハーフミラーなどの光学素子によってこれらの光路が分離される。
【0010】
しかしながら、同軸式回帰反射型の光電センサの場合、投光路と受光路とが物理的に分離されていないため、投光素子から発せられた光の一部が迷光として受光素子に入射することが起こり得る。結果、光電センサの検出精度が低下する懸念が生じる。
【0011】
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、検出精度に優れた光電センサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明に従った光電センサは、検出光を発する投光部と、検出光が外部で反射されて戻ってきた戻り光を受ける受光部と、投光部からの検出光を外部に出射するとともに、外部からの戻り光が入射するレンズと、レンズと投光部および受光部との間の光路上に設けられ、投光部からレンズに向かう検出光の光路と、レンズから受光部に向かう戻り光の光路とを分離する光路分離部と、レンズと投光部および受光部との間の光路上のいずれかの位置に、検出光または戻り光の光軸と重なるように設けられ、検出光または戻り光を部分的に遮る遮光部材とを備える。遮光部材は、レンズと光路分離部との間の光路上に設けられる。遮光部材は、光路分離部と距離を設けて配置され、光路分離部からレンズに向かう検出光を反射する反射面を有する。反射面は、光路分離部からレンズに向かう検出光の光軸に対して斜め方向に延在する。
この発明の別の局面に従った光電センサは、投光部からの検出光を外部に出射するとともに、外部からの戻り光が入射するレンズと、レンズと投光部および受光部との間の光路上に設けられ、投光部からレンズに向かう検出光の光路と、レンズから受光部に向かう戻り光の光路とを分離する光路分離部と、レンズと投光部および受光部との間の光路上のいずれかの位置に、検出光または戻り光の光軸と重なるように設けられ、検出光または戻り光を部分的に遮る遮光部材と、レンズと投光部および受光部との間の光路上で光路分離部を支持する支持部材とを備える。遮光部材は、支持部材に一体に成形されている。
この発明のさらに別の局面に従った光電センサは、検出光を発する投光部と、検出光が外部で反射されて戻ってきた戻り光を受ける受光部と、投光部からの検出光を外部に出射するとともに、外部からの戻り光が入射するレンズと、レンズと投光部および受光部との間の光路上に設けられ、投光部からレンズに向かう検出光の光路と、レンズから受光部に向かう戻り光の光路とを分離する光路分離部と、レンズと投光部および受光部との間の光路上のいずれかの位置に、検出光または戻り光の光軸と重なるように設けられ、検出光または戻り光を部分的に遮る遮光部材とを備える。
【0013】
このように構成された光電センサによれば、遮光部材によって、投光部から発せられた検出光の一部が迷光として受光部に入射することを防止できる。これにより、センサの検出精度を向上させることができる。
【0014】
また好ましくは、遮光部材は、レンズと光路分離部との間の光路上に設けられる。このように構成された光電センサによれば、遮光部材が光路分離部と投光部または受光部との間の光路上に設けられる場合と比較して、遮光部材が投光部および受光部からより離れた位置に設けられる。このため、遮光部材を検出光または戻り光の光軸と重なるように設ける際に、高い位置決め精度が求められることを回避できる。
【0015】
また好ましくは、遮光部材は、レンズの近傍に設けられている。このように構成された光電センサによれば、レンズで反射された検出光が迷光となって受光部に向かうことをより確実に防止できる。
【0016】
また好ましくは、遮光部材は、光路分離部と距離を設けて配置され、光路分離部からレンズに向かう検出光を反射する反射面を有する。反射面は、光路分離部からレンズに向かう検出光の光軸に対して斜め方向に延在する。
【0017】
このように構成された光電センサによれば、遮光部材の反射面で反射された検出光が迷光となって受光部に向かうことを防止できる。
【0018】
また好ましくは、遮光部材による検出光の遮光領域の中心と、レンズの中心軸とが一致するように、遮光部材が配置されている。このように構成された光電センサによれば、遮光部材が光路分離部からレンズに向かう検出光の光軸に対して斜め方向に延在する反射面を有するにもかかわらず、遮光部材によって遮られることなくレンズに入射する検出光の光軸を、レンズの中心軸に一致させることができる。
【0019】
また好ましくは、遮光部材が、黒色に着色されている。このように構成された光電センサによれば、検出光または戻り光が遮光部材によって反射されて迷光となることを抑制できる。
【0020】
また好ましくは、光電センサは、レンズと投光部および受光部との間の光路上で光路分離部を支持する支持部材をさらに備える。遮光部材は、支持部材に一体に成形されている。このように構成された光電センサによれば、部品点数の増大を抑えて、光電センサを簡易な構成にできる。
【0021】
また好ましくは、支持部材には、投光部と向かい合って配置され、投光部から光路分離部に向かう検出光が通過するスリットが形成される。このように構成された光電センサによれば、光電センサをさらに簡易な構成にできる。
【0022】
また好ましくは、遮光部材は、レンズに一体に成形されている。このように構成された光電センサによれば、部品点数の増大を抑えて、光電センサを簡易な構成にできる。
【発明の効果】
【0023】
以上に説明したように、この発明に従えば、検出精度に優れた光電センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】この発明の実施の形態1における光電センサの全体構成図である。
図2図1中の光電センサのセンサヘッドを示す断面図である。
図3】比較例における光電センサにおいて、フォトダイオードに入射する迷光が生じる様子を示す断面図である。
図4図2中のハーフミラーと投受光レンズとの間の検出光の光路を拡大して示す図である。
図5図2中の光電センサのセンサヘッドの内部構造を示す斜視図である。
図6図2中の光電センサのセンサヘッドが有する支持ケースを示す斜視図である。
図7図2中の投受光レンズの変形例を示す側面図である。
図8図2中の遮光部材の第1変形例を示す断面図である。
図9図2中の遮光部材の第2変形例を示す断面図である。
図10図2中の遮光部材の第3変形例を示す断面図である。
図11図2中の遮光部材の第4変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0026】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1における光電センサの全体構成図である。図1を参照して、まず光電センサ10の全体構成について説明すると、光電センサ10は、センサヘッド12および回帰反射板14を有する。
【0027】
センサヘッド12は、検出光Aを発する。回帰反射板14は、センサヘッド12と対向して配置されている。センサヘッド12から出射された検出光Aは、回帰反射板14で反射されて戻り光Bとなる。なお、検出光Aは、たとえば、可視光であるが、回帰反射板14によって回帰反射される光であればよく、その波長領域は特に限定されるものではない。
【0028】
回帰反射板14には、多数のコーナキューブが配置されている。検出光Aは、回帰反射板14の3面で反射し、最終的には戻り光Bとなる。戻り光Bは、検出光Aと同じ軸方向の光であり、検出光Aの経路と平行な経路を検出光Aの進む向きと逆向きに進む。
【0029】
センサヘッド12は、戻り光Bを受けて、戻り光Bの受光量に応じた強度を有する電気信号を生成する。センサヘッド12は、電源ラインや信号ライン等が一体化されたケーブル13を介してアンプユニット15に接続され、その生成した電気信号を、ケーブル13を介してアンプユニット15に出力する。
【0030】
なお、図1中に示す光電センサでは、センサヘッド12とアンプユニット15とが互いに分離して設けられているが、センサヘッド12にアンプが内蔵されてもよい。
【0031】
アンプユニット15は、ケーブル13を介してセンサヘッド12に駆動電圧を供給する。センサヘッド12は、この駆動電圧を受けて、検出光Aを発するとともに、戻り光Bの受光量を示す電気信号を生成する。さらにアンプユニット15は、ケーブル13を介してセンサヘッド12からの信号を受ける。アンプユニット15は、その信号に基づいて物体の有無を検出したり、センサヘッド12での受光量を示す信号を出力したりする。
【0032】
光電センサ10は、センサヘッド12の受光量に基づいて物体の有無を検出する。測定対象物体18が検出光Aの光路上の領域16に位置しない場合、センサヘッド12から出た検出光Aは、回帰反射板14で反射されて戻り光Bとなりセンサヘッド12に入射する。一方、測定対象物体18が領域16に位置する場合には、センサヘッド12からの検出光Aが測定対象物体18によって遮られるため、センサヘッド12が受ける戻り光Bの光量が減少する。
【0033】
このように光電センサ10においては、測定対象物体18が領域16に位置するか否かによってセンサヘッド12の受光量が異なるため、その受光量に基づいて物体の有無を検出する。アンプユニット15は、センサヘッド12から受光量を示す電気信号を受けて、たとえば、その受光量を所定の閾値と比較することによって領域16における測定対象物体18の有無を検出する。
【0034】
本実施の形態における光電センサ10は、投光路と受光路とが、センサヘッド12の内部に設けられた光学素子によって分離される同軸式回帰反射型の光電センサである。続いて、光電センサ10のより具体的な構造について説明する。
【0035】
図2は、図1中の光電センサのセンサヘッドを示す断面図である。図2を参照して、光電センサ10のセンサヘッド12は、発光ダイオード61およびフォトダイオード51と、投受光レンズ21と、ハーフミラー41と、ケース20と、ホルダー19とを有する。
【0036】
ケース20は、センサヘッド12の外観をなす筐体である。ホルダー19は、ケース20内に収容されている。発光ダイオード61、フォトダイオード51、投受光レンズ21およびハーフミラー41は、ホルダー19内に収容されている。
【0037】
発光ダイオード61は、検出光を発する投光部として設けられている。図2中では、発光ダイオード61からの検出光の経路が実線の矢印によって示されている。発光ダイオード61は、検出光を発する発光ダイオードチップ62と、発光ダイオードチップ62を封止する透光性樹脂層64とを含む。
【0038】
フォトダイオード51は、戻り光を受光する受光部として設けられている。図2中では、回帰反射板14(図1を参照)に反射され、フォトダイオード51に向かう戻り光の経路が点線の矢印によって示されている。フォトダイオード51は、基材53と、基材53の主表面に実装され、戻り光を受光するフォトダイオードチップ52と、基材53の主表面上でフォトダイオードチップ52を封止する透光性樹脂層54とを含む。
【0039】
投受光レンズ21は、レンズの光軸となる中心軸102を有する。投受光レンズ21は、レンズ面22と、レンズ面22の裏側に配置されるレンズ面23とを有する。本実施の形態では、レンズ面22およびレンズ面23はともに、凸面である。発光ダイオード61からの検出光は、レンズ面22を通じて投受光レンズ21に入射し、レンズ面23を通じて投受光レンズ21から出射する。回帰反射板14で反射された戻り光は、レンズ面23を通じて投受光レンズ21に入射し、レンズ面22を通じて投受光レンズ21から出射する。中心軸102が貫く位置におけるレンズ面22およびレンズ面23の接平面は、中心軸102に直交する平面となる。
【0040】
フォトダイオード51は、投受光レンズ21と距離を隔てて向かい合っている。フォトダイオード51と投受光レンズ21とは、対向して配置されている。レンズ面22は、フォトダイオード51に面している。
【0041】
発光ダイオード61は、投受光レンズ21の中心軸102の延長線に直交する直線上に配置されている。中心軸102の軸方向において、発光ダイオード61は、投受光レンズ21とフォトダイオード51との間に配置されている。
【0042】
ハーフミラー41は、発光ダイオード61と投受光レンズ21との間の検出光の光路(投光路)上であって、投受光レンズ21とフォトダイオード51との間の戻り光の光路(受光路)上に配置されている。ハーフミラー41は、発光ダイオード61から投受光レンズ21に向かう検出光の光路と、投受光レンズ21からフォトダイオード51に向かう戻り光の光路とを分離する光路分離部として設けられている。
【0043】
ハーフミラー41は、ミラー面42と、ミラー面42の裏側に配置されるミラー面43とを有する。ハーフミラー41は、ミラー面42およびミラー面43が投受光レンズ21の中心軸102に対して斜め方向に延在するように傾斜して設けられている。発光ダイオード61および投受光レンズ21は、ミラー面42およびミラー面43のうちミラー面42の側に配置され、フォトダイオード51は、ミラー面42およびミラー面43のうちミラー面43の側に配置されている。
【0044】
発光ダイオード61からの検出光は、ハーフミラー41のミラー面42により反射されてその光軸を略90°変更され、投受光レンズ21に向けて進行する。投受光レンズ21から出射された戻り光は、検出光とは逆方向に進行してハーフミラー41に向けて進行する。戻り光は、ミラー面42およびミラー面43を順に通過してハーフミラー41を透過する。この際、ハーフミラー41が有する厚みによって、戻り光の光軸は、ハーフミラー41を透過する前後で一定量だけ平行移動(図2中では、右側から左側に移動)する。ハーフミラー41を透過した戻り光は、フォトダイオード51に向けて進行する。
【0045】
本実施の形態では、発光ダイオード61から出射し、ハーフミラー41に向かう検出光の光軸と、ハーフミラー41から投受光レンズ21に向かう検出光の光軸101とが、直交する。また、ハーフミラー41から投受光レンズ21に向かう検出光の光軸101と、投受光レンズ21の中心軸102と、投受光レンズ21から出射し、ハーフミラー41に向かう戻り光の光軸とが、同一直線上に配置される。また、投受光レンズ21から出射し、ハーフミラー41に向かう戻り光の光軸と、ハーフミラー41からフォトダイオード51に向かう戻り光の光軸とが、平行となる。
【0046】
ハーフミラー41と発光ダイオード61との間であって、発光ダイオードチップ62の直上の位置には、スリット72が形成されている。スリット72は、円形状の開口部として設けられており、その開口中心は、発光ダイオード61からハーフミラー41に向けて進行する検出光の光軸と重なる。発光ダイオード61からの検出光は、スリット72を通ってハーフミラー41に向かう。
【0047】
ハーフミラー41とフォトダイオード51との間であって、フォトダイオードチップ52の直上の位置には、スリット82が形成されている。スリット82は、円形状の開口部として設けられており、その開口中心は、ハーフミラー41からフォトダイオード51に向けて進行する戻り光の光軸と重なる。ハーフミラー41を透過した戻り光は、スリット82を通ってフォトダイオード51に向かう。フォトダイオード51に照射される戻り光の領域は、スリット82によって規定されている。
【0048】
本実施の形態における光電センサ10のセンサヘッド12は、ケース20の内部で検出光または戻り光の部分的に遮る遮光部材31をさらに有する。遮光部材31は、検出光および戻り光の進行を遮ることが可能な部材から形成されている。好ましくは、遮光部材31は、黒色に着色されている。遮光部材31は、投受光レンズ21と発光ダイオード61との間の検出光の光路上および投受光レンズ21とフォトダイオード51との間の戻り光の光路上のいずれかの位置であって、検出光または戻り光の光軸と重なるように設けられている。
【0049】
本実施の形態では、遮光部材31が、投受光レンズ21と発光ダイオード61との間の検出光の光路上に設けられている。遮光部材31は、投受光レンズ21とハーフミラー41との間の検出光の光路上に設けられている。
【0050】
遮光部材31は、投受光レンズ21の近傍に設けられている。遮光部材31は、投受光レンズ21とハーフミラー41との間の検出光の光路上であって、ハーフミラー41よりも投受光レンズ21に近い位置に設けられている。遮光部材31は、投受光レンズ21(レンズ面22)に接触して設けられている。遮光部材31は、投受光レンズ21とは別部品として設けられている。
【0051】
遮光部材31は、発光ダイオード61から投受光レンズ21に向かう検出光の光軸と重なるように設けられている。遮光部材31は、ハーフミラー41から投受光レンズ21に向かう検出光の光軸101と重なるように設けられている。遮光部材31は、ハーフミラー41から投受光レンズ21に向かう検出光の光軸101が遮光部材31を貫くように設けられている。
【0052】
遮光部材31は、発光ダイオード61から投受光レンズ21に向かう検出光を部分的に遮るように設けられている。すなわち、遮光部材31が設けられた位置で検出光の光軸に直交する平面により切断された場合の検出光の断面積が、同じ平面により切断された場合の遮光部材31の断面積よりも大きくなる。遮光部材31により部分的に遮られた検出光は、リング状となって投受光レンズ21に入射する。
【0053】
図3は、比較例における光電センサにおいて、フォトダイオードに入射する迷光が生じる様子を示す断面図である。図3を参照して、本比較例では、図2中の本実施の形態における光電センサ10と比較して、投受光レンズ21とハーフミラー41との間の検出光の光路上に遮光部材31が設けられていない。
【0054】
発光ダイオード61から出射され、ハーフミラー41により反射された検出光は、投受光レンズ21に入射する。この際、検出光の一部が投受光レンズ21のレンズ面22で反射されることによって、反射光が生じる。反射光は、レンズ面22に対する入射角と等しい反射角を有して投受光レンズ21から遠ざかる方向に進行するため、ハーフミラー41から投受光レンズ21に向かう検出光のうちその光軸101上を進行する部分が、投受光レンズ21により反射されて再び光軸101上を進むことになる。本比較例においては、このように光軸101上を逆行して進む反射光(図3中の矢印212に示す反射光)が、フォトダイオード51に入射する迷光となる。
【0055】
図2を参照して、これに対して、本実施の形態における光電センサ10においては、投受光レンズ21とハーフミラー41との間の検出光の光路上であって、その検出光の光軸101と重なるように、検出光を部分的に遮る遮光部材31が設けられている。
【0056】
このような構成によれば、ハーフミラー41から投受光レンズ21に向かう検出光のうちの光軸101に重なる部分が、遮光部材31によってその進行を遮られるため、光軸101上を逆行してフォトダイオード51に向かう反射光が発生することを防止できる。これにより、投受光レンズ21による反射光がフォトダイオード51に入射する迷光となることを防止できる。一方、光軸101から見て遮光部材31の外周に当たる位置には、ハーフミラー41および投受光レンズ21間の検出光および戻り光の経路が確保されるため、かかる経路を進行する検出光および戻り光によって、測定対象物体の有無を検出することができる。
【0057】
なお、上記では、投受光レンズ21のレンズ面22で反射される反射光について説明したが、反射光は、投受光レンズ21の内部でレンズ面23により反射されることによっても生じる。遮光部材31は、このように投受光レンズ21の内部で生じた反射光がフォトダイオード51に進行することも防止する。
【0058】
遮光部材31の構造について引き続き説明する。図4は、図2中のハーフミラーと投受光レンズとの間の検出光の光路を拡大して示す図である。
【0059】
図2および図4を参照して、遮光部材31は、ハーフミラー41から投受光レンズ21に向かう検出光の光軸101の軸方向に沿った円柱形状を有する。遮光部材31は、投受光レンズ21のレンズ面22から、投受光レンズ21の中心軸102の軸方向に沿って円柱状に延伸する形状を有する。遮光部材31は、発光ダイオード61から投受光レンズ21に向かう検出光の光軸に直交する平面により切断された場合に、円形状の断面を有する。
【0060】
遮光部材31は、反射面32を有する。反射面32は、ハーフミラー41と距離を隔てて配置されている。反射面32は、ハーフミラー41から投受光レンズ21に向かう検出光を反射する。
【0061】
反射面32は、ハーフミラー41から投受光レンズ21に向かう検出光の光軸101(投受光レンズ21の中心軸102)に対して斜め方向に延在する。反射面32は、投受光レンズ21から出射し、ハーフミラー41を透過してフォトダイオード51に向かう戻り光の光軸に対して斜め方向に延在する。反射面32は、検出光の光軸101に直交する平面を基準に発光ダイオード61とは反対側に傾くように形成されている。反射面32は、鏡面状に仕上げられていることが好ましい。
【0062】
遮光部材31によって投受光レンズ21への進行が遮られた検出光の一部が、反射面32により反射される場合が想定される。このような場合であっても、反射面32を検出光の光軸101に対して斜め方向に延在する傾斜面とすることにより、反射面32により反射された検出光は、矢印201に示すように、検出光の光軸101の軸方向からずれた方向に進行する。これにより、反射面32により反射された検出光がフォトダイオード51に向かって迷光となることを防止できる。
【0063】
図4中の投受光レンズ21のレンズ面22上には、遮光部材31による遮光によって検出光が照射されない遮光領域26と、投受光レンズ21の中心軸102から見て遮光領域26の外周上に位置し、検出光が照射される照射領域27とが示されている。反射面32を検出光の光軸101に対して斜め方向に延在する傾斜面としたことによって、遮光領域26は、円柱形状を有する遮光部材31の中心軸103の両側で非対称な領域となる。本実施の形態では、遮光部材31の中心軸103を投受光レンズ21の中心軸102に対して微小に芯ずれして配置することによって、遮光部材31による検出光の遮光領域26の中心を、投受光レンズ21の中心軸102に一致させる。
【0064】
なお、本実施の形態では、投受光レンズ21の反射面32を検出光の光軸101に対して斜め方向に延在する傾斜面としたが、これに限られず、反射面32を検出光の光軸101に直交する平面として設けてもよい。この場合、反射面32に凹凸形状を形成することによって、検出光が反射面32により反射されて生じた反射光がフォトダイオード51に向かうことを抑制できる。
【0065】
図5は、図2中の光電センサのセンサヘッドの内部構造を示す斜視図である。図6は、図2中の光電センサのセンサヘッドが有する支持ケースを示す斜視図である。
【0066】
図2図5および図6を参照して、光電センサ10のセンサヘッド12は、支持ケース71をさらに有する。支持ケース71は、ケース20の内部でハーフミラー41を検出光および戻り光の光路上に支持するための支持部材として設けられている。本実施の形態では、遮光部材31が、支持ケース71に一体に成形されるとともに、スリット72が支持ケース71に形成されている。
【0067】
具体的には、支持ケース71は、その構成部位として、ハーフミラー支持部76pおよびハーフミラー支持部76q(以下、特に区別しない場合は、ハーフミラー支持部76という)と、スリット形成部73と、遮光部材31とを有する。支持ケース71は、黒色の樹脂材料(たとえば、ABS樹脂)により形成されている。
【0068】
スリット形成部73は、平板形状を有する。スリット形成部73は、発光ダイオード61と対向して配置されている。スリット形成部73は、発光ダイオード61とハーフミラー41との間に配置されている。スリット形成部73には、既に説明したスリット72が貫通孔の形態により設けられている。
【0069】
ハーフミラー支持部76は、スリット形成部73から、発光ダイオード61より遠ざかる方向に二股状に延出して形成されている。その延出するハーフミラー支持部76の先端には、ハーフミラー41が載置される複数の突出部77が互いに間隔を隔てて形成されている。ハーフミラー支持部76pには、ハーフミラー支持部76qに向けてリブ状に延びるリブ部34pが形成され、ハーフミラー支持部76qには、ハーフミラー支持部76pに向けてリブ状に延びるリブ部34qが形成されている。遮光部材31は、リブ部34pおよびリブ部34qに支持される形態により、ハーフミラー支持部76pとハーフミラー支持部76qとの間の空間に支持されている。
【0070】
このような構成によれば、ハーフミラー41を支持するための支持ケース71に、遮光部材31が一体に成形されるとともに、スリット72が形成されるため、センサヘッド12の部品点数を抑えて、光電センサ10の製造コストを削減することができる。なお、このような一体構造に限られず、遮光部材31は、支持ケース71とは別に単独で設けられてもよい。
【0071】
以上に説明した、この発明の実施の形態1における光電センサ10の構造についてまとめて説明すると、本実施の形態における光電センサ10は、検出光を発する投光部としての発光ダイオード61と、検出光が外部で反射されて戻ってきた戻り光を受ける受光部としてのフォトダイオード51と、発光ダイオード61からの検出光を外部に出射するとともに、外部からの戻り光が入射するレンズとしての投受光レンズ21と、投受光レンズ21と、発光ダイオード61およびフォトダイオード51との間の光路上に設けられ、発光ダイオード61から投受光レンズ21に向かう検出光の光路と、投受光レンズ21からフォトダイオード51に向かう戻り光の光路とを分離する光路分離部としてのハーフミラー41と、投受光レンズ21と、発光ダイオード61およびフォトダイオード51との間の光路上のいずれかの位置に、検出光または戻り光の光軸と重なるように設けられ、検出光または戻り光を部分的に遮る遮光部材31とを備える。
【0072】
このように構成された、この発明の実施の形態1における光電センサ10によれば、遮光部材31によって、発光ダイオード61で発せられた検出光の一部が迷光としてフォトダイオード51に入射することを防止できる。これにより、光電センサ10による測定対象物体の有無の検出精度を向上させることができる。
【0073】
なお、本実施の形態では、発光ダイオード61から投受光レンズ21に向かう検出光の光路と、投受光レンズ21からフォトダイオード51に向かう戻り光の光路とを分離する光路分離部としてハーフミラー41を用いたが、ハーフミラー41に替えて、入射した光の一部を反射し、一部を透過させるビームスプリッタが設けられてもよい。
【0074】
また、図2中の発光ダイオード61とフォトダイオード51とを互いに入れ替えて配置して、光電センサを構成してもよい。この場合、発光ダイオード61からの検出光がハーフミラー41を透過して投受光レンズ21に向かい、投受光レンズ21からの戻り光がハーフミラー41により反射されてフォトダイオード51に向かうように、ハーフミラー41が構成される。
【0075】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1における光電センサ10の各種変形例について説明する。
【0076】
図7は、図2中の投受光レンズの変形例を示す側面図である。図7を参照して、投受光レンズ21のレンズ面22およびレンズ面23は、凸面に限られない。
【0077】
図7(A)中に示すように、レンズ面22が凸面であり、レンズ面23が中心軸102に直交する平面であってもよいし、図7(B)中に示すように、レンズ面22が中心軸102に直交する平面であり、レンズ面23が凸面であってもよい。また、投受光レンズ21として、レンズ面がのこぎり状の断面を有するフレネルレンズが用いられてもよい。
【0078】
図8から図11は、図2中の遮光部材の変形例を示す断面図である。図8を参照して、本変形例では、図2中の遮光部材31に替えて、遮光部材81が設けられている。遮光部材81は、投受光レンズ21と発光ダイオード61との間の検出光の光路上に設けられている。遮光部材81は、ハーフミラー41と投受光レンズ21との間の検出光の光路上に設けられている。
【0079】
遮光部材81は、発光ダイオード61から投受光レンズ21に向かう検出光の光軸と重なるように設けられている。遮光部材81は、発光ダイオード61からハーフミラー41に向かう検出光の光軸106と重なるように設けられている。遮光部材81は、発光ダイオード61から投受光レンズ21に向かう検出光を部分的に遮るように設けられている。
【0080】
図2中における実施の形態1と比較した場合に、図8中に示す変形例では、遮光部材81が発光ダイオードチップ62により近い位置に設けられている。この場合、遮光部材81が設けられる位置の検出光の断面積がより小さくなるため、光軸106に重なるように遮光部材81を位置決めする際により高い位置決め精度が求められることになる。このような観点からいえば、遮光部材81は、ハーフミラー41と投受光レンズ21との間の検出光の光路上に設けられることが好ましく、また、投受光レンズ21の近傍に設けられることがさらに好ましい。
【0081】
図9を参照して、本変形例では、図2中の遮光部材31に替えて、遮光部材82が設けられている。遮光部材82は、投受光レンズ21と発光ダイオード61との間の検出光の光路上に設けられている。遮光部材82は、ハーフミラー41のミラー面42上に設けられている。遮光部材82は、塗装材を用いてミラー面42の表面が黒色に着色されることによって構成されている。
【0082】
遮光部材82は、発光ダイオード61から投受光レンズ21に向かう検出光の光軸と重なるように設けられている。遮光部材82は、発光ダイオード61からハーフミラー41に向かう検出光の光軸106と、ハーフミラー41のミラー面42とが交わる位置に設けられている。遮光部材81は、発光ダイオード61から投受光レンズ21に向かう検出光を部分的に遮るように設けられている。
【0083】
図8および図9中の変形例によれば、発光ダイオード61からハーフミラー41に向かう検出光のうちの光軸106に重なる部分が、遮光部材31によってその進行を遮られるため、投受光レンズ21においてフォトダイオード51に向かう反射光が発生することを防止できる。これにより、投受光レンズ21による反射光がフォトダイオード51に入射する迷光となることを防止できる。
【0084】
図10を参照して、本変形例では、図2中の遮光部材31に替えて、遮光部材83が設けられている。遮光部材83は、投受光レンズ21とフォトダイオード51との間の戻り光の光路上に設けられている。遮光部材83は、ハーフミラー41とフォトダイオード51との間の戻り光の光路上に設けられている。
【0085】
遮光部材83は、投受光レンズ21からフォトダイオード51に向かう戻り光の光軸と重なるように設けられている。遮光部材83は、ハーフミラー41からフォトダイオード51に向かう戻り光の光軸107と重なるように設けられている。遮光部材83は、ハーフミラー41からフォトダイオード51に向かう戻り光を部分的に遮るように設けられている。
【0086】
本変形例においては、発光ダイオード61から投受光レンズ21に向かう検出光の一部が投受光レンズ21のレンズ面22で反射されることによって、反射光が生じる。本実施の形態では、その反射光のうち光軸107上を進行する部分が、遮光部材83によって遮られるため、投受光レンズ21による反射光がフォトダイオード51に入射する迷光となることを防止できる。
【0087】
図11を参照して、本変形例では、図2中の遮光部材31に替えて、遮光部材91が設けられている。遮光部材91は、投受光レンズ21に一体に成形されている。遮光部材91によって検出光の進行を遮ることが可能なように、遮光部材91の先端部92が塗装材を用いて黒色に着色されている。
【0088】
このような変形例によれば、センサヘッド12の部品点数を抑えて、光電センサ10の製造コストを削減することができる。
【0089】
このように構成された、この発明の実施の形態2における光電センサによれば、実施の形態1に記載の効果を同様に奏することができる。
【0090】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0091】
この発明は、主に、同軸式回帰反射型の光電センサに適用される。
【符号の説明】
【0092】
10 光電センサ、12 センサヘッド、13 ケーブル、14 回帰反射板、15 アンプユニット、16 領域、18 測定対象物体、20 ケース、21 投受光レンズ、22,23 レンズ面、26 遮光領域、27 照射領域、31,81,82,83,91 遮光部材、32 反射面、34p,34q リブ部、41 ハーフミラー、42,43 ミラー面、51 フォトダイオード、52 フォトダイオードチップ、53 基材、54,64 透光性樹脂層、61 発光ダイオード、62 発光ダイオードチップ、71 支持ケース、72,82 スリット、73 スリット形成部、76,76p,76q ハーフミラー支持部、77 突出部、92 先端部、101,106,107 光軸、102,103 中心軸。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11