(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0032】
<1.第1実施形態>
<1−1.構成概要>
図1は、実施形態に係る認証システム1を示す図である。
図1に示すように、この認証システム1は、画像形成装置10と外部のサーバコンピュータ(単に外部サーバとも称する)50と携帯端末70とを備える。外部サーバ50としては、各種のサービス(たとえば文書の保存管理等を行う文書管理サービス)を提供するクラウドサーバ等が例示される。なお、外部サーバ50は、画像形成装置10の外部に設けられるサーバであればよく、クラウドサーバに限定されず、社内に設けられるサーバコンピュータ等であってもよい。
【0033】
この認証システム1は、画像形成装置10への認証動作と外部サーバ50に対する認証動作とを実行するシステムである。後述するように、認証システム1は、チケット情報TK(後述)を利用して、画像形成装置10と外部サーバ50との双方に対する認証動作を簡略化した手続きで実行することが可能である。
【0034】
本システム1における各要素10,50,70は、それぞれ、ネットワークNWを介して互いに通信可能に接続される。ネットワークNWは、LAN(Local Area Network)およびインターネットなどによって構成される。また、ネットワークNWに対する接続態様は、有線接続であってもよく、或いは無線接続であってもよい。たとえば、画像形成装置10と外部サーバ50とはそれぞれネットワークNWに対して有線接続され、携帯端末70はネットワークNWに対して無線接続される。
【0035】
この実施形態においては、上記のようなシステム1によって次述するような概略動作が行われる。
【0036】
(1)まず、画像形成装置10は、ユーザ操作に基づいてチケット情報TK(
図8)を生成する。このチケット情報TKは、或るユーザに関する画像形成装置10へのログイン情報LM1と当該ユーザに関する外部サーバ50へのログイン情報LM2とを有する情報として生成される。生成されたチケット情報TKは、後述するように、複数の装置10,50へのログイン操作で利用される。チケット情報TKの利用により、複数の装置10,50へのログイン操作が簡略化される。
【0037】
また、画像形成装置10は、ログインを実行する特定アプリケーションソフトウエアプログラム(自動ログイン実行プログラムとも称する)PG7に、生成したチケット情報TKを埋め込み、当該プログラムPG7を特定ユーザ向けにカスタマイズする。そして、生成されたチケット情報TKは、当該特定プログラムPG7に内蔵された状態で、ユーザに向けて電子メールで送信される。
【0038】
その後、ユーザは携帯端末70で電子メールを受信するとともに、当該電子メールに添付された自動ログイン実行プログラムPG7を携帯端末70にインストールする。
【0039】
(2)つぎに、ユーザは、チケット情報TKを利用したログイン動作を実行する。具体的には、携帯端末70にてプログラムPG7を起動することによって、プログラムPG7による自動ログイン動作が実行される。詳細には、自動ログイン実行プログラムPG7の起動指示に伴って、チケット情報TKを利用したログイン動作を行うべき旨のユーザからのチケットログイン指示が付与されたものとみなされ、画像形成装置10への自動ログイン動作と外部サーバ50への自動ログイン動作とが実行される。画像形成装置10への自動ログイン動作においてはチケット情報TK内のログイン情報LM1が用いられ、外部サーバ50への自動ログイン動作においてはチケット情報TK内のログイン情報LM2が用いられる。
【0040】
以下、各装置の構成について、より詳細に説明する。
【0041】
<1−2.画像形成装置10の構成>
この実施形態では、画像形成装置10として、MFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル(Multi-Functional Peripheral))を例示する。
【0042】
図2は、MFP10の概略構成を示す機能ブロック図である。
【0043】
MFP10は、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能およびボックス格納機能などを備える装置(複合機とも称する)である。具体的には、MFP10は、
図2の機能ブロック図に示すように、画像読取部2、印刷出力部3、通信部4、格納部5、入出力部6およびコントローラ9等を備えており、これらの各部を複合的に動作させることによって、各種の機能を実現する。
【0044】
画像読取部2は、MFP10の所定の位置に載置された原稿を光学的に読み取って(すなわちスキャンして)、当該原稿の画像データ(原稿画像なしいスキャン画像とも称する)を生成する処理部である。この画像読取部2は、スキャン部であるとも称される。
【0045】
印刷出力部3は、印刷対象に関するデータに基づいて紙などの各種の媒体に画像を印刷出力する出力部である。
【0046】
通信部4は、公衆回線等を介したファクシミリ通信を行うことが可能な処理部である。さらに、通信部4は、ネットワークNWを介したネットワーク通信を行うことも可能である。このネットワーク通信では、たとえば、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)等の各種のプロトコルが利用される。当該ネットワーク通信を利用することによって、MFP10は、所望の相手先との間で各種のデータを授受することが可能である。
【0047】
格納部5は、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置で構成される。
【0048】
入出力部6は、MFP10に対する入力を受け付ける操作入力部6aと、各種情報の表示出力を行う表示部6bとを備えている。このMFP10においては、液晶表示パネルに圧電センサ等が埋め込まれて構成されたタッチパネル(タッチスクリーンとも称する)(
図1参照)を有する操作パネル部6cが設けられている。この操作パネル部6cは、操作入力部6aの一部としても機能するとともに、表示部6bの一部としても機能する。
【0049】
コントローラ9は、MFP10に内蔵され、MFP10を統括的に制御する制御装置である。コントローラ9は、CPUおよび各種の半導体メモリ(RAMおよびROM)等を備えるコンピュータシステムとして構成される。コントローラ9は、CPUにおいて、ROM(例えば、EEPROM)内に格納されている所定のソフトウエアプログラム(以下、単にプログラムとも称する)PG0,PG1,PG3,BW1等を実行することによって、各種の処理部を実現する。なお、当該プログラムPG0,PG1,PG3,BW1は、USBメモリなどの可搬性の記録媒体に記録され、当該記録媒体を介してMFP10にインストールされるようにしてもよい。あるいは当該プログラムPG0,PG1,PG3,BW1は、ネットワークNW等を介してダウンロードされてMFP10にインストールされるようにしてもよい。
【0050】
ここにおいて、プログラムPG0は、MFP10の各種の基本動作(コピー動作、スキャン動作、印刷出力動作等)等を制御するプログラムである。また、プログラムPG1は、チケット情報TK(後述)を生成するアプリケーションソフトウエアプログラム(以下、チケット生成プログラムとも称する)である。さらに、プログラムPG3は、携帯端末70との連携動作を制御するアプリケーションソフトウエアプログラム(以下、リモート操作連携プログラムとも称する)である。また、プログラムBW1は、ウエブページを閲覧する機能等を有するアプリケーションソフトウエアプログラム(以下、ウエブブラウザとも称する)である。
【0051】
図2に示すように、コントローラ9は、チケット生成プログラムPG1を実行することによって、第1ログイン情報取得部11と第2ログイン情報取得部12と履歴情報取得部13とチケット情報生成部14とチケット情報送信部15とを含む各種の処理部を実現する。
【0052】
第1ログイン情報取得部11は、ユーザのMFP10へのログイン情報LM1を取得する処理部である。
【0053】
第2ログイン情報取得部12は、ユーザの外部サーバ50へのログイン情報LM2を取得する処理部である。
【0054】
履歴情報取得部13は、格納部5に記憶された履歴情報(MFP10の使用履歴、およびMFP10のウエブブラウザBW1のアクセス履歴等)を取得する処理部である。
【0055】
チケット情報生成部14は、ログイン情報LM1とログイン情報LM2とを有するチケット情報TKを生成する処理部である。チケット情報生成部14は、ユーザの許可の下にチケット情報TKを生成する。
【0056】
チケット情報送信部15は、チケット情報TKを電子メール等を用いてユーザに向けて送信する処理部である。
【0057】
また、
図2に示すように、コントローラ9は、リモート操作連携プログラムPG3を実行することによって、チケット情報受信部17とログイン動作実行部18とを含む各種の処理部を実現する。チケット情報受信部17は、携帯端末70からチケット情報TKを受信する処理部である。また、ログイン動作実行部18は、携帯端末70(詳細にはログイン動作実行部85(
図3)等)と連携して、チケット情報TKに基づきMFP10へのログイン動作および外部サーバ50へのログイン動作を実行する処理部である。
【0058】
<1−3.携帯端末70の構成>
次に携帯端末70の構成について説明する。
【0059】
携帯端末70は、他の装置との間でのネットワーク通信が可能な装置である。携帯端末70としては、スマートフォンおよびタブレット型端末などの携帯式の情報入出力端末装置が例示される。
【0060】
図3は、携帯端末70の概略構成を示す機能ブロック図である。
【0061】
携帯端末70は、
図3の機能ブロック図に示すように、通信部74、入出力部76およびコントローラ79等を備えており、これらの各部を複合的に動作させることによって、各種の機能を実現する。
【0062】
通信部74は、ネットワークNWを介したネットワーク通信を行うことが可能である。このネットワーク通信では、たとえば、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)等の各種のプロトコルが利用される。当該ネットワーク通信を利用することによって、携帯端末70は、所望の相手先との間で各種のデータを授受することが可能である。
【0063】
入出力部76は、携帯端末70に対する入力を受け付ける操作入力部76aと、各種情報の表示出力を行う表示部76bとを備えている。この携帯端末70においては、液晶表示パネルに圧電センサ等が埋め込まれて構成されたタッチパネル(タッチスクリーン)75(
図1参照)が設けられている。このタッチパネル75は、操作入力部76aの一部としても機能するとともに、表示部76bの一部としても機能する。
【0064】
コントローラ79は、携帯端末70に内蔵され、携帯端末70を統括的に制御する制御装置である。コントローラ79は、CPUおよび各種の半導体メモリ(RAMおよびROM)等を備えるコンピュータシステムとして構成される。コントローラ79は、CPUにおいて、プログラムPG7,BW7を実行することによって、各種の処理部を実現する。なお、当該プログラムPG7,BW7は、SDカードなどの可搬性の記録媒体、あるいはネットワークNW等を介して携帯端末70にインストールされるようにしてもよい。
【0065】
ここにおいて、プログラムBW1は、ウエブページを閲覧する機能等を有するアプリケーションソフトウエアプログラム(ウエブブラウザ)である。
【0066】
また、プログラムPG7は、MFP10との連携動作を制御するアプリケーションソフトウエアプログラムである。プログラムPG7は、MFP10へのログイン動作と外部サーバ50へのログイン動作とを実行するプログラムであることから、自動ログイン実行プログラムとも称される。
【0067】
図3に示すように、コントローラ79は、プログラムPG7を実行することによって、チケット情報取得部81と負荷状況判定部83とログイン動作実行部85とを含む各種の処理部を実現する。
【0068】
チケット情報取得部81は、MFP10において生成されたチケット情報TKを取得する処理部である。
【0069】
負荷状況判定部83は、MFP10の負荷状況に関する情報をMFP10から取得してMFP10の負荷状況を判定する処理部である。
【0070】
ログイン動作実行部85は、受信したチケット情報TKに基づいて、MFP10へのログイン動作と外部サーバ50へのログイン動作とを実行する処理部である。
【0071】
ログイン動作実行部85は、MFP10の負荷状況に応じて、2種類のログイン動作(後述)を使い分ける。
【0072】
具体的には、MFP10が所定の基準より低負荷状態であると判定されるときには、第1のログイン動作(自動ログイン動作)LG1が実行される。一方、MFP10が所定の基準より高負荷状態であると判定されるときには、第2のログイン動作(自動ログイン動作)LG2が実行される。
【0073】
ここにおいて、第1のログイン動作LG1は、「MFP10のウエブブラウザBW1」を用いてMFP10から外部サーバ50へログイン情報LM2を送信することによって、外部サーバ50へログインする動作である。また、第2のログイン動作LG2は、「携帯端末70のウエブブラウザBW7」を用いて携帯端末70から外部サーバ50へログイン情報LM2を送信することによって、外部サーバ50へログインする動作である。
【0074】
<1−4.チケット生成動作>
まず、本システムにおけるチケット情報TKの生成動作を
図4のタイミングチャートを参照しながら説明する。ここでは、ユーザがMFP10を直接操作することに応じて、チケット情報TKが生成される態様について説明する。
【0075】
図4のステップS11において、MFP用のログイン情報LM1(換言すれば、MFP10にログインするためのログインデータ)がMFPの操作パネル部6cを用いてユーザUAにより入力される。より詳細には、ユーザUAは、操作パネル部6cに表示されているログイン待機画面内の所定の欄に当該ユーザUAのログイン情報(たとえばログインIDおよびパスワード)を適宜入力する。
【0076】
MFP10は、入力されたログイン情報LM1とMFP10内に格納された正規のログイン情報とを比較して認証動作を行う(ステップS13)。入力されたログイン情報LM1が正規のログイン情報であると認識されると、MFP10は操作パネル部6cにメニュー画面GM1(
図6参照)を表示する(ステップS14)。
【0077】
つぎに、メニュー画面GM1内の複数の項目BN1〜BN3の中から、項目「チケット作成処理」がユーザUAにより選択(当該項目に対応する表示部分BN2が押下)され、チケット生成プログラムPG1の起動指示が付与される(ステップS15)と、MFP10は、チケット生成プログラムPG1を起動する(ステップS17)。なお、MFP10は、チケット生成プログラムPG1の起動指示がユーザUAによって付与されたことを、チケット情報TKの生成に対する当該ユーザUAによる許可がなされたこととみなして、以後の処理を継続する。
【0078】
チケット生成プログラムPG1は、ログイン中のユーザUAに関するMFP10用のログイン情報LM1を取得してMFP10の格納部5内に記憶する(ステップS19)。
【0079】
また、チケット生成プログラムPG1は、MFP10内のウエブブラウザBW1を呼び出して起動する(ステップS22)。
【0080】
ユーザUAは、当該ウエブブラウザBW1を用いて、アクセス対象の外部サーバ50のURLを指定してアクセス指示を付与する(ステップS23)。MFP10は、当該アクセス指示に応答して、指定されたURL(外部サーバ50のURL)にアクセスするとともに(ステップS24)、外部サーバ50のURLを記憶する(ステップS25)。外部サーバ50は、MFP10からのアクセスを受け付けると、ログイン情報入力画面GM2(
図7)の表示用データをMFP10に送信する(ステップS26)。
【0081】
MFP10は、ログイン情報入力画面(単にログイン画面とも称する)GM2の表示用データを受信すると、当該表示用データに基づいて当該ログイン情報入力画面GM2(
図7)を操作パネル部6cに表示する(ステップS27)。
【0082】
次のステップS28においては、外部サーバ50用のログイン情報LM2(換言すれば、外部サーバ50にログインするためのログインデータ)がMFPの操作パネル部6cを用いてユーザUAにより入力される(ステップS28)。より詳細には、ユーザUAは、操作パネル部6cに表示されているログイン情報入力画面GM2(
図7)内の入力欄TM1,TM2に当該ユーザUAのログイン情報LM2(たとえばログインIDおよびパスワード)を適宜入力する。そして、ログインボタンBN5が押下される。
【0083】
MFP10は、ログインボタンBN5の押下に応答して、ログイン情報LM2を外部サーバ50に送信し、外部サーバ50に対するアクセス要求(ログイン要求)を実行する(ステップS30)。また、MFP10は、入力されていたログイン情報LM2を取得し、当該自装置の格納部5内に格納する(ステップS31)。このとき、MFP10は、ログイン情報LM2の入力欄の位置情報をも記憶する。詳細には、外部サーバ50用のログインIDの入力欄TM1の位置情報PM1(たとえば、矩形状の入力欄TM1の左上の座標および右下の座標)が、当該ログインIDに関連付けられて記憶される。同様に、外部サーバ50用のパスワードの入力欄TM2の位置情報PM2(たとえば、矩形状の入力欄TM2の左上の座標および右下の座標)が、当該パスワードに関連付けられて記憶される。
【0084】
外部サーバ50は、当該ログイン要求に応答して、受信したログイン情報LM2と外部サーバ50内に格納された正規のログイン情報とを比較して認証動作を行う。受信したログイン情報LM2が正規のログイン情報であると認識されると、外部サーバ50は、トップ画面の表示用データをMFP10に送信する(ステップS32)。
【0085】
MFP10は、当該表示用データを外部サーバ50から受信すると、当該表示用データに基づくトップ画面(不図示)を操作パネル部6cに表示する(ステップS33)。
【0086】
その後、ユーザUAがブラウザ終了を指示する(ステップS34)と、MFP10は、当該指示に応答してブラウザを終了するとともに、ステップS36の処理を実行する。
【0087】
ステップS36においては、MFP10は、チケット情報TKの生成処理等を実行する。具体的には、MFP10は、ステップS19で記憶したログイン情報LM1およびステップS31で記憶したログイン情報LM2等に基づいて、チケット情報TKを生成する。
【0088】
図8は、チケット情報TKのデータ構成を示す図である。
【0089】
図8に示すように、チケット情報TKは、MFPに関するログイン情報LM1(具体的には、MFP10用のログインIDおよびMFP10用のパスワード)を有している。
【0090】
また、チケット情報TKは、外部サーバ50に関する情報をも有している。具体的には、チケット情報TKは、外部サーバ50のURLを有している。また、チケット情報TKは、外部サーバ50に関するログイン情報LM2(具体的には、外部サーバ50用のログインIDおよび外部サーバ50用のパスワード)をも有している。当該チケット情報TKは、外部サーバ50用のログインIDの入力欄TM1の位置情報PM1、および外部サーバ50用のパスワードの入力欄TM2の位置情報PM2をも有している。
【0091】
さらに、チケット情報TKは、このユーザUAのメールアドレスをも有している。当該メールアドレスは、たとえばステップS36においてMFP10内のアドレス帳データから抽出されて取得される。より詳細には、チケット情報TK内のMFP用のログインID(ステップS19で取得されたログインID)に対応するユーザUA(ログイン中のユーザ)のメールアドレスが、検索されて取得される。
【0092】
図8に示すようなチケット情報TKがこのようにして生成された後、MFP10は、生成したチケット情報TKを自動ログイン実行プログラムPG7に埋め込み、当該プログラムPG7をユーザUA向けにカスタマイズする。
【0093】
そして、生成されたチケット情報TKは、当該特定プログラムPG7に内蔵された状態で、ユーザUAに向けて電子メールで送信される(
図5のステップS37)。当該チケット情報TKは、チケット情報TK内に含まれるメールアドレス(当該ユーザUAのメールアドレス)宛に送信される(ステップS37)。
【0094】
その後、ユーザUAは携帯端末70で電子メールを受信する(ステップS38)とともに、当該電子メールに添付された自動ログイン実行プログラムPG7を携帯端末70にインストールする(ステップS39)。換言すれば、ユーザUAは、当該電子メールの添付ファイルを用いて、自動ログイン実行プログラムPG7をセットアップ(インストール)する。自動ログイン実行プログラムPG7が携帯端末70にインストールされると、当該プログラムPG7の起動用のアイコンが携帯端末70のタッチパネル75に表示される(
図14参照)。プログラムPG7は、チケット情報TKを利用して自動ログインを実行するプログラムであることから、プログラムPG7の起動用アイコンは、「チケットアイコン」などとも表現される。
【0095】
なお、ここでは、実際に外部サーバ50に対してログイン情報を送信してログインできることを確認した後にチケット情報TKが生成されているが、これに限定されない。たとえば、外部サーバ50に対するログイン情報の送信を行うことなく、チケット情報TKが生成されるようにしてもよい。
【0096】
<1−5.チケット利用動作>
<MFP10へのログイン動作>
つぎに、チケット情報TKを利用したログイン動作を
図9〜
図11のタイミングチャートを参照しながら説明する。
【0097】
図9に示すように、まず、ユーザUAは、携帯端末70のタッチパネル75に表示された各種のプログラム起動用アイコンCNiの中から、チケットアイコンCN11(
図14参照)を押下することによって、携帯端末70にプログラムPG7の起動指示を付与する。当該起動指示に応答して、携帯端末70は自動ログイン実行プログラムPG7を起動する(ステップS51)。そして、携帯端末70は、自動ログイン実行プログラムPG7に埋め込まれたチケット情報TKを抽出して取得する。
【0098】
ここにおいて、自動ログイン実行プログラムPG7の起動指示の付与に伴って、チケット情報TKを利用したログイン動作を行うべき旨のユーザからのチケットログイン指示が付与されたものとみなされる。そして、当該チケットログイン指示に応答して、次述するようなMFP10への自動ログイン動作(ステップS52〜S54(
図9)参照)と外部サーバ50への自動ログイン動作(ステップS66〜S70(
図10)、ステップS84〜S86(
図11)参照)とが実行される。
【0099】
まず、ステップS52において、自動ログイン実行プログラムPG7は、MFP10に対してリモートログインの許可(詳細には、ログインの許可およびリモート接続の許可)を要求する。具体的には、携帯端末70は、チケット情報TK内のログイン情報LM1(MFP10用のログインIDおよびパスワード)をMFP10に送信してリモートログインの許可を要求する。
【0100】
MFP10は、送信されてきたログイン情報LM1とMFP10内に格納されている正規のログイン情報とを比較して認証動作を行う(ステップS54)。MFP10は、送信されてきたログイン情報LM1が正規のログイン情報と同一であると認識すると、携帯端末70によるリモートログインを許可する。
【0101】
その後、MFP10のログイン後のトップ画面(たとえば、メニュー画面GM1(
図6))がMFP10から携帯端末70に転送され(ステップS55)、携帯端末70のタッチパネル75内のリモートパネルウインドウWD1(
図15および
図16参照)に表示される(ステップS56)。
【0102】
このようにして、チケット情報TKを利用したログイン動作を行うべき旨のユーザからのチケットログイン指示に基づいて、ログイン情報LM1を用いたMFP10へのログイン動作が実行される。
【0103】
つぎに、チケット情報TKを利用したログイン動作を行うべき旨のユーザからのチケットログイン指示に基づいて、ログイン情報LM2を用いた外部サーバ50へのログイン動作が実行される。
【0104】
ただし、この実施形態においては、MFP10の稼働状況(負荷状況)に応じて、外部サーバ50へのアクセスを行うためのブラウザを、MFP10のブラウザと外部サーバ50のブラウザとの間で切り換える態様を例示する。たとえば、MFPにおける現在のCPU使用率が基準値(たとえば70%)より大きいか否かが判定され、その判定結果に応じて、MFP10のブラウザと外部サーバ50のブラウザとの間で利用対象ブラウザが変更される。
【0105】
そのため、まず、携帯端末70(自動ログイン実行プログラムPG7)は、MFP10の稼働状況(負荷状況)を返信すべき旨の要求をMFP10に送信する(ステップS57)。当該要求に応答して、MFP10は、MFP10の稼働状況(たとえばCPU使用率の現在値)を携帯端末70に返信する(ステップS58)。
【0106】
そして、MFPのCPU使用率が基準値よりも小さいとき(換言すれば、MFP10が所定の基準より低負荷の状態であると判定されるとき)には、第1の自動ログイン動作LG1が実行される(
図10参照)。ここで、第1の自動ログイン動作LG1は、「MFP10のウエブブラウザBW1」を用いてMFP10から外部サーバ50へログイン情報LM2を送信することによって、外部サーバ50へログインする動作である(
図12参照)。
【0107】
一方、MFPのCPU使用率が基準値よりも大きいとき(換言すれば、MFP10が所定の基準より高負荷の状態であると判定されるとき)には、第2の自動ログイン動作LG2が実行される(
図11参照)。ここで、第2の自動ログイン動作LG2は、「携帯端末70のウエブブラウザBW7」を用いて携帯端末70から外部サーバ50へログイン情報LM2を送信することによって、外部サーバ50へログインする動作である(
図13参照)。
【0108】
このような動作によれば、MFP10の負荷状態に応じて、2種類のログイン動作を適宜に使い分けることが可能である。特に、MFP10が所定の基準より高負荷状態であると判定されるときには、第2のログイン動作LG2が実行されるので、MFP10の負担を軽減することが可能である。一方、MFP10が所定の基準より低負荷状態であると判定されるときには、第1のログイン動作LG1が実行され、外部サーバ50にログインする操作とMFP10にログイン(リモートログイン)する操作とのいずれもがMFP10を利用して実行される。したがって、携帯端末70の操作ユーザにとって、動作内容および操作体系が判り易い。
【0109】
<外部サーバ50への第1のログイン動作>
まず、第1の自動ログイン動作LG1について
図10を参照しながら説明する。
【0110】
ステップS58の後のステップS61において、MFP10のCPU使用率が所定値よりも小さいことが判定されることを条件として、MFP10のウエブブラウザBW1を利用した自動ログイン動作(MFP10および外部サーバ50の双方への自動ログイン動作)が開始される。
【0111】
具体的には、携帯端末70(ログイン動作実行部85)は、「ログイン情報LM2を利用した自動ログイン動作(外部サーバ50への自動ログイン動作)をMFP10のウエブブラウザBW1を用いて実行すべき」旨の指示SR1をMFP10に対して送信する(ステップS62)。
【0112】
この指示SR1には、2つの送信指示SR11,SR12が含まれる。具体的には、当該指示SR1には、「MFP10のウエブブラウザBW1を用いてログイン情報入力画面GM2の返信要求RQ11を外部サーバ50宛に送信すべき」旨の送信指示SR11が含まれる。送信指示SR11においては、チケット情報TKに含まれるログイン先情報(外部サーバ50のURL)に基づいて、ログイン先の外部サーバ50のURLが返信要求RQ11の送信先として指定されている。さらに、当該指示SR1には、「(送信指示SR11に従って外部サーバ50に送信された返信要求RQ11に応答して外部サーバ50から返信されてきた)ログイン情報入力画面GM2に対して、ログイン情報LM2を入力して外部サーバ50に送信すべき」旨の送信指示SR12も含まれる。
【0113】
MFP10は、受信した指示SR1に含まれる送信指示SR11に従って、ログイン先の外部サーバ50のURLを指定し、MFP10のウエブブラウザBW1を用いて、返信要求RQ11(詳細には、HTTPリクエスト)を外部サーバ50宛に送信する(ステップS63)。
【0114】
外部サーバ50は、返信要求RQ11を受信すると、当該返信要求RQ11に応答して、ログイン情報入力画面の表示用データ(詳細には、HTTPレスポンス)をMFP10に返信する(ステップS64)。
【0115】
MFP10は、外部サーバ50から返信されてきたデータに基づいてログイン情報入力画面GM2をウエブブラウザBW1を用いて操作パネル部6c上に、実際にあるいは仮想的に表示する。
【0116】
さらに、MFP10は、今度は送信指示SR12に従って、当該ログイン情報入力画面GM2において外部サーバ50用のログイン情報LM2を自動的に入力した後にログインボタンBN5を自動的に押下して、当該ログイン情報LM2をMFP10から外部サーバ50に送信する(ステップS66)。より詳細には、ログイン情報入力画面GM2内の入力欄TM1,TM2の各位置情報に基づいて、入力欄TM1に外部サーバ50用のログインIDが入力され、入力欄TM2に外部サーバ50用のパスワードが入力される。そして、このような入力情報(ログイン情報LM2)が、ウエブブラウザBW1を用いてMFP10から外部サーバ50へと送信される。
【0117】
外部サーバ50は、MFP10から送信されてきたログイン情報LM2と外部サーバ50内に格納された正規のログイン情報とを比較して認証動作を行う。受信したログイン情報LM2が正規のログイン情報であると認識されると、外部サーバ50は、トップ画面の表示用データをMFP10に送信する(ステップS69)。
【0118】
MFP10は、当該表示用データを外部サーバ50から受信すると、当該表示用データに基づくトップ画面(不図示)の画像データを生成し、当該画像データを携帯端末70へと送信する(ステップS70)。
【0119】
携帯端末70は、受信した画像データをタッチパネル75(リモートパネルとも称される)内に表示する(ステップS71)。
図15は、ログイン後のトップ画面がタッチパネル75に表示された様子を示す図である。
図15では、タッチパネル75内にリモートパネルウインドウWD1が表示され、当該リモートパネルウインドウWD1内にウエブブラウザウインドウWD21が表示されている。リモートパネルウインドウ(リモートパネル画面)WD1には、操作パネル部6cの表示内容と同じ内容を有する遠隔操作用画面が表示される。リモートパネルウインドウWD1内のウエブブラウザウインドウWD21には、MFP10のウエブブラウザBW1での表示画像がそのまま表示される。
【0120】
以上のようにして、外部サーバ50への自動ログイン動作等が実行される。
【0121】
このようにして、MFP10へのログインと外部サーバ50へのログインとの双方が行われた後、さらに各種の画面を用いて、各種の操作が行われる。たとえば、外部サーバ50とMFP10とを連携させる操作が行われる(ステップS72)。より詳細には、携帯端末70を用いて外部サーバ50内の格納領域とMFP10内のボックスとの相互間でのファイル操作等が行われる。
【0122】
以上のような動作によれば、チケット情報TKを利用したログイン動作を行うべき旨のユーザからのチケットログイン指示に基づいて、MFP10への自動ログイン動作と外部サーバ50への第1の自動ログイン動作との双方が実行される。より詳細には、チケット情報TK内のログイン情報LM1に基づいてMFP10へのログイン動作が自動的に実行され、チケット情報TK内のログイン情報LM2に基づいて外部サーバ50へのログイン動作が自動的に実行される。したがって、MFP10と外部サーバ50との双方にログインするに際して、ログイン情報の入力に係るユーザの負担を軽減することが可能である。また、外部サーバ50に対してログイン情報を用いた認証動作が行われる(ステップS66〜S70等参照)ので、上記特許文献1に記載の技術に比べて、セキュリティの低下を回避することも可能である。
【0123】
さらに、上記の動作においては、外部サーバ50側の動作を変更することを要しないので、種々の外部サーバ50に対応することが可能であり、汎用性が高い。
【0124】
<外部サーバ50への第2のログイン動作>
つぎに、第2の自動ログイン動作LG2について
図11を参照しながら説明する。
【0125】
ステップS58の後のステップS81において、MFP10のCPU使用率が所定値よりも大きいことが判定されることを条件として、携帯端末70のウエブブラウザBW7を利用した(MFP10および外部サーバ50の双方への)自動ログイン動作が開始される。
【0126】
具体的には、携帯端末70(ログイン動作実行部85)は、「ログイン情報LM2を利用した自動ログイン動作(外部サーバ50への自動ログイン動作)を携帯端末70のウエブブラウザBW7を用いて実行すべき」旨の指示SR2を自装置に対して付与する(ステップS82)。
【0127】
この指示SR2には、2つの送信指示SR21,SR22が含まれる。具体的には、当該指示SR2には、「携帯端末70のウエブブラウザBW7を用いてログイン情報入力画面GM2の返信要求RQ11を外部サーバ50宛に送信すべき」旨の送信指示SR21が含まれる。送信指示SR21においては、チケット情報TKに含まれるログイン先情報(外部サーバ50のURL)に基づいて、ログイン先の外部サーバ50のURLが返信要求RQ11の送信先として指定されている。さらに、当該指示SR1には、「(送信指示SR21に従って外部サーバ50に送信された返信要求RQ11に応答して外部サーバ50から返信されてきた)ログイン情報入力画面GM2に対して、ログイン情報LM2を入力して外部サーバ50に送信すべき」旨の送信指示SR22も含まれる。
【0128】
携帯端末70は、指示SR2に含まれる送信指示SR21に基づいて、ログイン先の外部サーバ50のURLを指定し、携帯端末70のウエブブラウザBW7を用いて、ログイン情報入力画面GM2の返信要求RQ11(詳細には、HTTPリクエスト)を外部サーバ50宛に送信する(ステップS82)。
【0129】
外部サーバ50は、返信要求RQ11を受信すると、当該返信要求RQ11に応答して、ログイン情報入力画面の表示用データ(詳細には、HTTPレスポンス)を携帯端末70に返信する(ステップS83)。
【0130】
携帯端末70は、外部サーバ50から返信されてきたデータに基づいてログイン情報入力画面GM2を、携帯端末70のウエブブラウザBW7を用いてタッチパネル75上に実際にあるいは仮想的に表示する。
【0131】
さらに、携帯端末70は、今度は送信指示SR22に従って、当該ログイン情報入力画面GM2において外部サーバ50用のログイン情報LM2を自動的に入力した後にログインボタンBN5を自動的に押下して、当該ログイン情報LM2を携帯端末70から外部サーバ50に送信する(ステップS84)。より詳細には、ログイン情報入力画面GM2内の入力欄TM1,TM2の各位置情報に基づいて、入力欄TM1に外部サーバ50用のログインIDが入力され、入力欄TM2に外部サーバ50用のパスワードが入力される。そして、このような入力情報(ログイン情報LM2)が、携帯端末70のウエブブラウザBW7を用いて携帯端末70から外部サーバ50へと送信される。
【0132】
このとき、携帯端末70のタッチパネル75の画面サイズとMFP10の操作パネル部6cの画面サイズとが異なる場合には、両画面サイズの相互間の比率(画素数比率)等に基づいて、入力欄TM1,TM2の位置(座標値)を調整すればよい。
【0133】
たとえば、携帯端末70のタッチパネル75の画面サイズ(画素数サイズ)が320画素×240画素であり、MFP10の操作パネル部6cの画面サイズ(画素数サイズ)が640画素×480画素である場合を想定する。この場合には、タッチパネル75における(携帯端末70の)ウエブブラウザBW7内での入力欄TM1の位置(各座標値X,Y)は、操作パネル部6cにおける(MFP10の)ウエブブラウザBW1内での入力欄TM1の位置(各座標値X,Y)の1/2の値であるとして算出(調整)されればよい。入力欄TM2についても同様である。
【0134】
外部サーバ50は、携帯端末70から送信されてきたログイン情報LM2と外部サーバ50内に格納された正規のログイン情報とを比較して認証動作を行う。受信したログイン情報LM2が正規のログイン情報であると認識されると、外部サーバ50は、トップ画面の表示用データを携帯端末70に送信する(ステップS86)。
【0135】
携帯端末70は、受信した表示用データに基づいてトップ画面の画像データを生成し、当該画像データに基づく画像(トップ画面画像)をタッチパネル75(携帯端末70のウエブブラウザウインドウWD22)内に表示する(ステップS87)。
図16は、ログイン後のトップ画面がタッチパネル75に表示された様子を示す図である。詳細には、当該トップ画面は、タッチパネル75のウエブブラウザウインドウWD22内に表示されている。
【0136】
なお、ウエブブラウザウインドウWD22は、携帯端末70のウエブブラウザプロセスによる表示内容を表示するウインドウである。また、リモートパネルウインドウWD1は、MFP10の操作パネル部6cの表示内容をMFP10の遠隔操作用画面として携帯端末70(タッチパネル75)に表示する遠隔操作プロセスに関するウインドウである。携帯端末70において、当該ウエブブラウザプロセスと当該遠隔操作プロセスとは別プロセスとして動作しており、ウエブブラウザプロセス(ウエブブラウザBW7のプロセス)のウエブブラウザウインドウWD22は、プログラムPG7内の遠隔操作プロセスのリモートパネルウインドウWD1とは独立して表示される。
【0137】
以上のようにして、外部サーバ50への自動ログイン動作等が実行される。
【0138】
このようにして、MFP10へのログインと外部サーバ50へのログインとの双方が行われた後、さらに各種の画面を用いて、各種の操作が行われる(ステップS88)。たとえば、外部サーバ50とMFP10とを連携させる操作が行われる。より詳細には、携帯端末70を用いて外部サーバ50内の格納領域とMFP10内のボックスとの相互間でのファイル操作等が行われる。
【0139】
以上のような動作によれば、チケット情報TKを利用したログイン動作を行うべき旨のユーザからのチケットログイン指示に基づいて、MFP10への自動ログイン動作と外部サーバ50への第2の自動ログイン動作LG2との双方が実行される。より詳細には、チケット情報TK内のログイン情報LM1に基づいてMFP10へのログイン動作が自動的に実行され、チケット情報TK内のログイン情報LM2に基づいて外部サーバ50へのログイン動作が自動的に実行される。したがって、MFP10と外部サーバ50との双方にログインするに際して、ログイン情報の入力に係るユーザの負担を軽減することが可能である。また、外部サーバ50に対してログイン情報を用いた認証動作が行われる(ステップS84〜S86等参照)ので、上記特許文献1に記載の技術に比べて、セキュリティの低下を回避することも可能である。
【0140】
また、上記の動作においては、外部サーバ50側の動作を変更することを要しないので、種々の外部サーバ50に対応することが可能であり、汎用性が高い。
【0141】
さらに、第2の自動ログイン動作LG2によれば、MFP10を介さずに携帯端末70と外部サーバ50との通信が行われ、外部サーバ50へのログイン動作が行われる。そのため、MFP10の負担を軽減することが可能である。
【0142】
<2.第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態の変形例である。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0143】
この第2実施形態では、チケット情報TKの生成時において、MFP10の利用履歴およびウエブアクセス履歴が取得され、これらの両履歴を反映した情報(MFPにおける最多利用機能および外部サーバにおける最多アクセスフォルダ等)がチケット情報TKに埋め込まれる(記録される)。そして、チケット情報TKの利用時においては、当該チケット情報TK内の上記両履歴を反映した情報に基づいて、ウエブブラウザ(BW1あるいはBW7)のトップ画面の表示内容と、当該遠隔操作プロセスにおけるトップ画面(リモートパネルのトップ画面)の表示内容とが決定される。
【0144】
図17は、第2実施形態に係るチケット情報TKを示す図である。
図8と比較すると判るように、ログイン情報LM1として、MFPの最多利用機能も登録されている。また、ログイン情報LM2として、外部サーバにおける最多アクセスフォルダも登録されている。
【0145】
これらの情報は、ステップS36のチケット情報TKの生成の際にMFP10によって取得されチケット情報TKに埋め込まれる。
【0146】
具体的には、MFPにおける最多利用機能は、MFP10の利用履歴情報に基づいて決定される。詳細には、MFP10は、格納部5に記憶されているMFP10の利用履歴情報を参照して、MFP10の複数の基本機能(たとえば、「コピー」、「スキャン」、「FAX」、「ボックス」等)のそれぞれの利用回数をカウントし、これらの複数の基本機能のうち最も多く利用された「機能」を「MFPにおける最多利用機能」として決定する。そして、MFP10は、当該最多利用機能(たとえば「ボックス」)をチケット情報TK内に埋め込む。
【0147】
同様に、外部サーバにおける最多アクセスフォルダは、MFP10のウエブブラウザBW1のアクセス履歴情報に基づいて決定される。詳細には、MFP10は、格納部5に記憶されている(ウエブブラウザBW1の)アクセス履歴情報を参照して、外部サーバ50内の複数のフォルダのそれぞれに対するアクセス回数をカウントし、これら複数のフォルダのうち最も多く利用されたフォルダを「外部サーバにおける最多アクセスフォルダ」として決定する。そして、MFP10は、当該最多アクセスフォルダ(たとえば「トップページに対して特定階層下位のフォルダである「ABC」フォルダ)をチケット情報TK内に埋め込む。
【0148】
また、これらの情報は、ステップS52,S62,S82等において利用される。
【0149】
ステップS52(
図9)のリモートログイン要求においては、チケット情報TK内の「MFPにおける最多利用機能」に基づき、ログイン後のMFP10に関するリモート操作画面のトップ画面も指定される。具体的には、「MFPにおける最多利用機能」(たとえば「ボックス」)に対応するメニュー画面「ボックスメニュー」をログイン後のトップ画面として表示すべき旨の表示指令が携帯端末70からMFP10に転送される。そして、ログイン後にMFP10から転送されてきたメニュー画面「ボックスメニュー」が、MFP10のリモート操作画面に関するログイン後のトップ画面(初期画面)として携帯端末70のタッチパネル75(詳細にはリモートパネルウインドウWD1)に表示される(ステップS56)。
【0150】
また、ステップS62(
図10)あるいはステップS82においては、チケット情報TK内の「外部サーバにおける最多アクセスフォルダ」に基づき、外部サーバ50に関するログイン後のトップ画面も指定される。具体的には、「外部サーバにおける最多アクセスフォルダ」のURLを指定して、外部サーバ50に対するログイン要求が送信される。
【0151】
そして、外部サーバ50は、認証動作が成功した後においては、「外部サーバにおける最多アクセスフォルダ」(たとえば「ABC」フォルダ)内のファイルのリストを表示する画面(ファイルリスト表示画面)を、要求元の装置(MFP10あるいは携帯端末70)へと送信する。これにより、当該ファイルリスト画面が携帯端末70にてログイン後の表示画面として表示される。たとえば画像形成装置10のウエブブラウザBW1を用いて画像形成装置10の表示部6bに表示された当該ファイルリスト画面と同じ内容がタッチパネル75(詳細にはウエブブラウザウインドウWD21)に自動的に表示される(ステップS71)。あるいは、携帯端末70のウエブブラウザBW7を用いて生成された当該ファイルリスト画面が携帯端末70のタッチパネル75(詳細にはウエブブラウザウインドウWD22)に自動的に表示される(ステップS87)。
【0152】
以上のように、第2実施形態によれば、MFPにおける最多利用機能に基づいて、遠隔操作プロセスにおけるトップ画面(リモートパネルのトップ画面)の表示内容を適宜変更することが可能である。また、外部サーバにおける最多アクセスフォルダに基づいて、ログイン後のウエブブラウザ(BW1あるいはBW7)のトップ画面の表示内容を適宜変更することも可能である。
【0153】
<3.第3実施形態>
第3実施形態は、第2実施形態の変形例である。以下では、第2実施形態との相違点を中心に説明する。
【0154】
上記第1および第2実施形態では、単一の外部サーバ50へのログイン動作等が実行される態様について例示されている。
【0155】
この第3実施形態では、複数の外部サーバ50(50a,50b,...)へのログイン動作が自動的に実行される態様について例示する(
図19および
図20参照)。
【0156】
具体的には、まず、チケット情報TK生成時において、複数の外部サーバ50(50a,50b,...)への各ログイン情報LM2(LM2a,LM2b,...)がチケット情報TKに埋め込まれる(
図18参照)。
【0157】
図18は、第3実施形態に係るチケット情報TKを示す図である。
図17と比較すると判るように、このチケット情報TKは、複数の外部サーバ50(50a,50b,...)に関する各ログイン情報LM2(LM2a,LM2b,...)を有している。
【0158】
第3実施形態においても、
図4および
図5と同様のチケット情報TK生成動作が実行される。ただし、ステップS23〜ステップS33(
図4)の動作が複数の外部サーバ50に関して繰り返して実行されることによって、
図18のようなチケット情報TKがMFP10により生成される。
【0159】
その後、チケット情報TK(
図18)を利用してMFP10への自動ログイン動作(
図9参照)が実行される。
【0160】
さらに、
図10あるいは
図11に示すように、チケット情報TKを利用して複数の外部サーバ50へのログイン動作が実行される。詳細には、たとえば
図19に示すように、チケット情報TK内の複数の外部サーバ50への各ログイン情報LM2(LM2a,LM2b,...)に基づいて、
図10のステップS61〜S71の動作(ログイン動作LG1)が複数の外部サーバ50のそれぞれについて順次に実行される。あるいは、
図20に示すように、チケット情報TK内の複数の外部サーバ50への各ログイン情報LM2(LM2a,LM2b,...)に基づいて、
図11のステップS81〜S87の動作(ログイン動作LG2)が、複数の外部サーバ50のそれぞれについて順次に実行される。
【0161】
このような動作によっても、上記各実施形態と同様の効果を得ることが可能である。また特に、複数の外部サーバ50への自動ログイン動作が順次に行われるため、ログイン情報の入力に係るユーザの負担をさらに軽減することが可能である。
【0162】
<4.変形例等>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0163】
たとえば、上記各実施形態では、MFP10に対する直接操作に基づいてチケット情報TKが生成される態様(
図4参照)が例示されるが、これに限定されず、携帯端末70を用いてMFP10にリモートログインしチケット情報TKが生成されるようにしてもよい。
【0164】
また、上記各実施形態においては、MFP10の負荷状況に応じて、外部サーバ50へのアクセスを行うためのブラウザを、MFP10のブラウザと外部サーバ50のブラウザとの間で切り換える態様が例示されているが、これに限定されない。たとえば、常にMFP10のウエブブラウザBW1を用いて外部サーバ50へのアクセスが行われるようにしてもよい。あるいは、常に携帯端末70のウエブブラウザBW7を用いて外部サーバ50へのアクセスが行われるようにしてもよい。
【0165】
また、上記各実施形態では、チケット情報TKが自動ログイン実行プログラムPG7に埋め込まれた状態でMFP10から携帯端末70へと送信される態様が例示されているが、これに限定されない。たとえば、チケット情報TKのみが電子メールでユーザ(詳細には携帯端末70)に向けて送信され、受信されたチケット情報TKが当該ユーザの携帯端末70に予めインストールされていた自動ログイン実行プログラムPG7に埋め込まれるようにしてもよい。換言すれば、チケット情報TKは、MFP10から携帯端末70へと送信された後、携帯端末70によって自動ログイン実行プログラムPG7に埋め込まれるようにしてもよい。
【0166】
また、チケット情報TKは、電子メールを用いることなく、MFP10から携帯端末70(たとえば、ユーザに関連付けられた携帯端末(ユーザ等によって指定された携帯端末))宛に直接送信されるようにしてもよい。