(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6011060
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】詰替え用包装袋
(51)【国際特許分類】
B65D 33/38 20060101AFI20161006BHJP
B65D 33/02 20060101ALI20161006BHJP
B65D 30/16 20060101ALI20161006BHJP
【FI】
B65D33/38
B65D33/02
B65D30/16 C
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-140749(P2012-140749)
(22)【出願日】2012年6月22日
(65)【公開番号】特開2014-5010(P2014-5010A)
(43)【公開日】2014年1月16日
【審査請求日】2015年5月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 慶太
【審査官】
西堀 宏之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−103439(JP,A)
【文献】
特開2005−343492(JP,A)
【文献】
特表2004−520240(JP,A)
【文献】
特開2009−184690(JP,A)
【文献】
特開2009−012800(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 30/00−33/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表裏一対の積層フィルムの上辺、左右の側辺および底辺を巡る周辺部にシール部を形成してなる詰替え用包装袋において、該包装袋の上部には、口部が形成され、該口部に設けられた切断線を切断することにより口部を開封し、該包装袋内の内容物を詰替えるべく、該口部を別の容器の注入口に挿入可能な詰替え用包装袋であって、前記口部が、幅方向中央部に上方へ突出形成され、該口部の両側には、前記別の容器の注入口に係合する連続状の凹凸部が形成されているU字状の間隙辺にシール部を形成されてなる間隙を挟んでエアバックされた前記側辺、前記上辺、前記間隙辺および仕切り辺のそれぞれのシール部に囲まれた非シール部からなり、該非シール部内に空気が圧入されて膨張状態になっている肩部がそれぞれ設けられ、前記切断線の位置が、前記肩部よりも突出する位置に設けられていることを特徴とする詰替え用包装袋。
【請求項2】
前記表裏一対の積層フィルムの間に底テープが挟まれ、端部に底シール部を形成されて自立性を備えたことを特徴とする請求項1記載の詰替え用包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体洗剤、柔軟仕上げ剤などのトイレタリー用品や、食用油、インスタントコーヒーなどの食品を収納する詰替え用包装袋に関する。さらに詳しくは、包装袋の口部を開封して内容物を別の容器に詰替える際に、該口部が、別の容器の注入口に係止できる詰替え用包装袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体洗剤、柔軟仕上げ剤などのトイレタリー商品やインスタントコーヒーなどの食品に用いられる詰替え用包装袋は、可撓性を有する積層フィルムからなる包装袋が一般的に使用されている。
【0003】
例えば、
図6に示すような、表裏一対の積層フィルムの端部をシールすることにより包装袋が形成され、該包装袋の上部の中央部に、非シール部からなる首状の口部15が形成され、該口部15の上部に形成された切断線21を切断することにより、口部を開封し、該口部から包装袋内の内容物を別の容器に詰替える詰替え用包装袋50がある(従来例1)。
【0004】
また
図7に示すような、非シール部からなる口部15の位置が、包装袋の上隅部に斜め上方に向くように形成された包装袋がある。これも従来例1と同様に、該口部15の上部に形成された切断線21を切断することにより、口部を開封し、該口部から包装袋内の内容物を別の容器に詰替える詰替え用包装袋60がある(従来例2)。
【0005】
また
図8に示すような、包装袋の上隅部に、別体のパイプからなる注出具25をシール部に装着し、該注出具25の先端を切断することにより開口し、包装袋内の内容物を別の容器に詰替える注出具付詰替え用包装袋70がある(従来例3)。
【0006】
前記従来例1の包装袋50は、口部15が上辺中央部に形成されている。しかし、詰替え時、包装袋が柔らかいことから口部15が撓み、内容物がこぼれてしまい、安定して注入できない問題がある。
【0007】
前記従来例2の包装袋60では、包装袋の上隅部に斜め上方に向いた口部15を形成し注ぎ易くしているが、従来例1と同様に、包装袋が柔らかいことから口部15が撓み、内容物がこぼれてしまい、安定して詰替えできない問題がある。
【0008】
また従来例3の包装袋70は、包装袋から注出具25が突出しているため、内容物を容易に詰替えできる利点はあるが、専用の注出具25をシール部に装着させるために、製造面での品質管理を十分に行う必要があり、また樹脂性のパイプを使用するため、製造コストが高くなる問題がある。また輸送中での振動などで、突出した注出具が他の包装袋の表面を傷つける問題がある。
【0009】
これらの問題を改善するために、口部を別の容器の注入口に挿入して、安定して内容物を詰替えることができる詰替え用包装袋の提案がある(特許文献1)。
【0010】
これは、包装袋の上辺中央部に口部が形成され、該口部の両側には、該口部と間隙を有してガイド部がそれぞれ設けられ、口部の切断位置がガイド部よりも突出する位置に設けられた包装袋である。
【0011】
これは、包装袋の上部の幅方向中央部に口部が上方へ突出形成され、該口部の両側には、U字状の間隙を挟んでガイド部がそれぞれ形成されている。口部を切断して開封した後、開封した口部を別の容器の注入口に挿入する。この際、注入口は、間隙に嵌入され係止することで、口部のズレを防止する提案である。
【0012】
しかし、包装袋が柔らかいために、ガイド部も柔らかく、注入口を間隙に安定して係止できない問題がある。
【0013】
口部を別の容器の注入口に挿入され、安定して内容物を詰替えることができ、かつ製造コストが高くならない詰替え用包装袋の要望がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2000−103439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、このような背景技術に鑑みなされたものであり、口部が別の容器の注入口に挿入され、安定して内容物を詰替えることができ、かつ製造コストが高くならない詰替え用包装袋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の課題を解決するために、発明者らは鋭意検討を行い、本発明を完成した。
【0017】
本発明の請求項1に係る発明は、表裏一対の積層フィルムの上辺、左右の側辺および底辺を巡る周辺部
にシール部を形成してなる詰替え用包装袋において、該包装袋の上部には、口部が形成され、該口部に設けられた切断線を切断することにより口部を開封し、該包装袋内の内容物を詰替えるべく、該口部を別の容器の注入口に挿入可能な詰替え用包装袋であって、前記口部が、幅方向中央部に上方へ突出形成され、該口部の両側には、
前記別の容器の注入口に係合する連続状の凹凸部が形成されているU字状の間隙辺
にシール部を形成
されてなる間隙を挟んでエアバックされた
前記側辺、前記上辺、前記間隙辺および仕切り辺のそれぞれのシール部に囲まれた非シール部からなり、該非シール部内に空気が圧入されて膨張状態になっている肩部がそれぞれ設けられ、前記切断線の位置が、前記肩部よりも突出する位置に設けられていることを特徴とする詰替え用包装袋である。
【0020】
本発明の請求項
2に係る発明は、前記表裏一対の積層フィルムの間に底テープ
が挟まれ、端部
に底シール部を形成
されて自立性を
備えたことを特徴とする請求項
1記載の詰替え用包装袋である。
【発明の効果】
【0021】
本発明の詰替え用包装袋は、口部を別の容器の注入口に挿入し、かつ注入口を、口部とエアバックされた肩部の間の間隙に嵌入し係止することで、口部がズレがなく、包装袋内
の内容物を安定して詰め替えることができる。また製袋機上で製造でき、製造コストが高くならない包装袋である。
【0022】
本発明の請求項1によれば、口部が、幅方向中央部に上方へ突出形成され、該口部の両側には、U字状の間隙辺をシールしシール部を形成してなる間隙を挟んでエアバックされた肩部がそれぞれ設けられ、かつ切断線位置が、肩部よりも突出する位置に設けられていることにより、口部を別な容器(以下、詰替え容器という)の注入口に挿入することができ、かつ注入口が、口部とエアバックされた肩部の間の間隙に嵌入されて係止されることにより、口部のズレがなく安定して内容物を詰替えることができる。エアバックされた肩部を備えることで、肩部の剛性を向上させ、かつ注入口との密着を向上させることができる。
【0023】
また、肩部が、側辺、上辺、間隙辺および仕切り辺のそれぞれのシール部に囲まれた非シール部からなり、該非シール部内に空気が圧入されて形成されていることにより、該肩部の剛性を向上させることができる。また注入口との密着性を向上させることができる。注入口が安定して間隙に係止されることにより、口部のズレを防止することができる。また包装袋の店頭陳列での見栄えも向上させることができる。
【0024】
また、間隙辺に、詰替え容器の注入口に係合する連続状の凹凸部が形成されていることにより、さらに注入口を安定して係止することができる。注入口は、通常、キャップとの螺合や嵌合をするためにねじ切りが形成されている。このねじ切りにフックするように嵌入することで、さらに口部のずれを防止することができる。
【0025】
本発明の請求項
2によれば、表裏一対の積層フィルムの間に底テープを挿入して端部をシールし底シール部を形成して自立性を付与したことにより、包装袋内の内容物の容量を増やすことができる。また自立性およびエアバックされた肩部を有することで展示陳列での見栄えを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の詰替え用包装袋の一例を正面図である。
【
図3】本発明の詰替え用包装袋から内容物を詰替え容器に詰め替えている状態の一例を示す説明図である。
【
図4】本発明の詰替え用包装袋の内容物充填前の状態の一例を示す説明図である。
【
図5】本発明の詰替え用包装袋の積層フィルムの構成の一例を示す説明図である。
【
図6】従来の詰替え用包装袋(従来例1)の上部の一例を示す説明図である。
【
図7】従来の詰替え用包装袋(従来例2)の上部の一例を示す説明図である。
【
図8】従来の詰替え用包装袋(従来例3)の上部の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を実施するための形態につき説明する。
【0028】
図1は、本発明の詰替え用包装袋の一例を正面図である。
図2は、
図1に示す詰替え用包装袋の斜視図である。包装袋80は、表積層フィルム1、裏積層フィルム2、底テープ(底積層フィルム)3からなっている。該表裏積層フィルム1,2の間に底テープ3を折り畳みながら挟んで底辺12をシールし底シール部12aを形成し、表裏積層フィルムの左右の側辺11をシールし側シール部11aが形成されている。また上部の幅方向中央部には、口部15が上方へ突出形成され、該口部15の両側には、U字状の間隙17を挟んでエアバックされた肩部16がそれぞれ形成されている。該間隙17は、U字状であるために上端が開口されている。またそれぞれの間隙辺14には、詰替え容器の注入口のねじ
切りにフックされるように、連続した凹凸部20が形成されている。
【0029】
また口部15は、肩部16より突出されて形成され、かつ該口部15の先端には、口部を切断して開口するための切断線21と該切断線の延長線上に開封用ノッチ21がシール部端縁に形成されている。また口部の切断線21の位置が、肩部16よりも突出する位置に設けられている。
【0030】
図3は、本発明の詰替え用包装袋から内容物を詰替え容器に詰め替えている状態の一例を示す説明図である。包装袋の口部の切断線を切断して開口させ、該口部15を、詰替え容器30の注入口31に挿入して詰替えている状態を示している。詰替え容器の注入口31は、包装袋の間隙17に嵌入され係止されている状態である。肩部16は、エアバック19されているために剛性を有し、かつ肩部16が圧入空気により膨張しているために、注入口31を確実に係止することができる。また間隙辺14には、詰替え容器30の注入口31のねじ切り32にフックされるように、連続した凹凸部20が形成されている。包装袋内の内容物24を安定した状態で詰替え容器30に詰替えることができる。Aは、内容物の流れを示している。
【0031】
また間隙辺14には、連続状の凹凸部20が形成されており、該凹凸部20が、注入口31の外側に形成されたキャップと螺合または嵌合するためのねじ切り32とフックされた状態になることにより、さらに注入口が係止された状態になる。さらに安定した状態で詰め替えができる。
【0032】
さらに、本発明を実施するための形態について説明する。
【0033】
本発明の詰替え用包装袋に使用する積層フィルム40としては、少なくとも、基材層41とシーラント層45が積層された構成からなる。また積層フィルムの剛性や突き刺し強度、ガスバリア性などを向上させる必要があれば、基材層41とシーラント層45の間に中間層43を設けることで対応が可能である。
【0034】
図5に本発明の詰替え用包装袋の積層フィルムの構成の一例を示す説明図である。積層フィルム40は、外側より、基材層41/印刷層46/接着剤層42/中間層43/接着剤層44/シーラント層45が順に積層されている一例である。
【0035】
基材層41としては、プラスチックフィルムや紙などが使用できる。プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムなどのポリエステルフィルム、ポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、6−ナイロンなどのポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルムなどが挙げられる。機械的強度や寸法安定性を有するものであれば、特に限定されない。特に二軸延伸されたフィルムが好ましい。
【0036】
また紙としては、上質紙、片アート紙、コート紙、キャストコート紙、模造紙などを用いることができる。特に包装袋の容量、サイズなどから紙の坪量を適宜決めればよい。
【0037】
基材層には、必要に応じて適宜印刷層46を設けることができる。印刷層46としては、溶剤と、ウレタン系、アクリル系、ニトロセルロース系、ゴム系などのバインダー樹脂と、各種顔料、体質顔料および可塑剤、乾燥剤、安定剤などを添加してなるインキにより形成される層である。この印刷層により、文字、絵柄などを形成することができる。印刷方法としては、例えば、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、インクジェット印刷などの公知の印刷方法を用いることができる。また基材層の表面を、予め前処理としてコロナ処理またはオゾン処理を施すことにより、印刷層の密着性を向上させることができる。
【0038】
シーラント層45としては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EAA)、アイオノマー、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂が使用できる。これらの樹脂を押出し機により製膜して使用することができる。上記の樹脂の単層または複層にて使用できる。フィルム厚みとしては10〜100μmの範囲がよく、特に15〜60μmの範囲が好ましい。
【0039】
また基材層41とシーラント層45を積層させるには、接着層46を介してドライラミネート法にて貼り合わせることができる。接着剤としては、ドライラミネート用接着剤が用いられる。二液硬化型ウレタン系接着剤、ポリエステルウレタン系接着剤、ポリエーテルウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、エポキシ系接着剤などを使用することができる。またシーラント層を押出し機により押出しながら、アンカー剤(接着剤)を介して貼り合せることもできる。
【0040】
また積層フィルムの剛性、落下強度や突き刺し強度などの向上、また内容物が食品の場合は、酸素ガスバリア、水蒸気ガスバリアを向上させるために中間層43を積層することができる。中間層43としては、例えば、落下強度や突き刺し強度などを向上させるには、延伸ポリアミド樹脂フィルムなどを使用することができ、また酸素ガスバリア、水蒸気バリアを向上させるには、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着ポリエステルフィルム、無機酸化物蒸着ポリエステルフィルムなどが使用できる。また中間層43を積層するには、接着層42,44を介してドライラミネート法にて貼り合わせることができる。
【0041】
無機酸化物としては、酸化珪藻、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、カルシュウム、カリウム、錫、ナトリウム、ホウ素、チタン、鉛、ジルコニウム、イットリウムなどの金属の酸化物が使用できる。中でも生産性、価格面から酸化珪素、酸化マグネシウムが好ましい。
【0042】
積層フィルム40の具体的な構成例としては、例えば、ポリエステルフィルム/印刷層/接着剤層/直鎖状低密度ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム/印刷層/接着剤層/延伸ポリアミド樹脂フィルム/接着剤層/直鎖状低密度ポリエチレンフィルム、延伸ポリアミド樹脂フィルム/接着剤層/直鎖状低密度ポリエチレンフィルム、延伸ポリアミド樹脂フィルム/接着剤層/延伸ポリアミド樹脂フィルム/接着剤層/直鎖状低密度ポリエチレンフィルム、紙/低密度ポリエチレンフィルム/接着剤層/アルミニウム箔/接着剤層/低密度ポリエチレンフィルム、紙/低密度ポリエチレンフィルムなどが挙げられる。
【0043】
次に肩部を形成する製造方法について説明する。
【0044】
例えば、一方の肩部、即ち、
図4で示すような口部の左側の肩部16を形成するには、側辺11と間隙辺14と仕切り辺13をそれぞれシールしシール部11a、14a、13aを形成する。次に上辺10をシールしシール部10aを形成する。この際に、上辺10の一部に空気を圧入する空気導入口(図には示していない)を設け、該空気導入口から空気を圧入し、所定の空気を挿入した後、空気導入口をシールしてシール部を形成することにより、エアバック19が形成される。エアバックされた肩部16を形成することができる。
【0045】
また他方の肩部、即ち口部の右側の肩部16を形成するには、
図4に示すように、まず
内容物を充填する開口口23を設ける。側辺11と間隙辺14をそれぞれシールしシール部11a、14aを形成して開口口23を設ける。該開口口23から内容物を充填し、その後、
図1に示すように、仕切り辺13をシールしシール部13aを形成して、内容物を収納し密封する。次に上辺10をシールしシール部10aを形成する。この際に、上辺10の一部に空気を圧入する空気導入口(図には示していない)を設け、該空気導入口から空気を圧入し、所定の空気を挿入した後、空気導入口をシールしてシール部を形成することにより、エアバックが形成される。エアバックされた肩部を形成することができる。
【0046】
このようにして、内容物が充填され、エアバックされた肩部を設けた包装袋を形成することができる。
【0047】
また口部に設ける切断線21は、表裏積層フィルムに連続して設けたハーフカット線であることが好ましい。ハーフカット線の深さは、基材層側からシーラント層に向けて加工され、基材層までカットすることで可能である。手で切断線を切断することにより口部を容易に形成することができる。切断線21は、金属刃によって形成する方法と、レーザー加工によって形成する方法が一般に用いられているが、レーザー加工による方法は、均一で安定した切断線を形成できるので好ましい。レーザーの種類としては、炭酸ガスレーザーがより好ましい。
【0048】
本発明の包装袋80は、自立性を備えた包装袋であることが好ましい。包装袋の底部には、底テープが挿入されたスタンディングタイプの包装袋であることが好ましい。
図1、
図2で示す本発明の実施形態の一例では、いずれもスタンディングタイプ包装袋を示している。また包装袋の両側に側テープが挿入されたガゼットタイプの包装袋でもよい。
【0049】
以下、本発明の詰替え用包装袋の具体的製造方法について説明する。
【0050】
ポリエステルフィルム12μmの片面にウレタン系樹脂をバインダーとしたグラビアインキを用いてグラビア印刷を行う。次に該ポリエステルフィルムの印刷面と延伸ポリアミド樹脂フィルム(ONy)15μmを、二液硬化型ウレタン系接着剤を介してドライラミネート法にて貼り合わせを行う。
【0051】
次に該延伸ポリアミド樹脂フィルム(ONy)面と直鎖状低密度ポリエチレンフィルム60μmを、二液硬化型ウレタン系接着剤を介してドライラミネート法にて貼り合わせ、積層フィルムを形成する。形成した積層フィルムは、ポリエステルフィルム12μm/印刷層/接着剤層/延伸ポリアミド樹脂フィルム(ONy)15μm/接着剤層/直鎖状低密度ポリエチレンフィルム60μmの積層フィルムになる。
【0052】
一例としてスタンディングタイプの包装袋を形成するために、上記積層フィルムを用い、表裏積層フィルム、底テープを形成すべく所定の幅にてスリットする。底テープを表裏積層フィルムの下部、即ち底部の間に折り畳みながら挟んで端部をそれぞれシールし底シール部を形成し、それぞれの端部をシールし側シール部をそれぞれ形成し、スタンディングタイプの包装袋を形成する。
【0053】
次に、上記包装袋の上部に、幅方向中央部に上方へ突出するように口部を形成し、一方の上隅部にU字状の間隙を挟んでエアバックされた肩部を形成する。また間隙辺には、連続状の凹凸部を形成する。
【0054】
また他方の肩部には、内容物を充填する開口口を形成し、該開口口から内容物を充填後、所定の位置の仕切り辺をシールしシール部を形成し内容物を密封する。その後上辺をシールしシール部を形成する。このシールする際に、空気を圧入する空気導入口を設け、空気を圧入した後、空気導入口をシールしてシール部を形成することで、内容物が充填された詰替え用包装袋を作成する。
【0055】
口部を形成する際には、口部が、肩部より突出するように形成する。口部の先端には、口部を開封するための切断線が形成し、該切断線の延長線上の端縁に易開封用ノッチを形成する。
【0056】
U字状の間隙は、詰替え容器の注入口を嵌入し係止させるものである。間隙辺には、注入口のねじ切りにフックされるように連続状の凹凸部を形成する。またU字状の間隙の大きさは、間隙幅が、詰替え容器の注入口の厚さとほぼ同等であればよく、深さは、注入口を係止することができれば特に限定はしない。
【0057】
包装袋に収納される内容物24としては、ポンプノズルを有するプラスチック容器を使用する内容物、即ちシャンプー、リンス、液体洗剤、柔軟仕上げ剤などのトイレタリー商品、またスプレーノズルを有するプラスチック容器を使用する内容物、即ち芳香剤、殺菌剤、防虫剤、殺虫剤などがある。その他、ガラス容器を使用する詰替え用内容物がある。また液体状の内容物だけでなく、コーヒーの粉などの固形食品もある。
【符号の説明】
【0058】
1・・・・表積層フィルム
2・・・・裏積層フィルム
3・・・・底テープ(底積層フィルム)
10・・・上辺
10a・・上シール部
11・・・側辺
11a・・側シール部
12・・・底辺
12a・・底シール部
13・・・仕切り辺
13a・・仕切りシール部
14・・・間隙辺
14a・・間隙シール部
15・・・口部
16・・・肩部
17・・・間隙
18・・・非シール部
19・・・エアバック
20・・・連続した凹凸部
21・・・切断線
22・・・開封用ノッチ
23・・・開口口
24・・・内容物
25・・・注出具
30・・・詰替え容器
31・・・注入口
32・・・ねじ切り
40・・・積層フィルム
41・・・基材層
42・・・接着層
43・・・中間層
44・・・接着層
45・・・シーラント層
46・・・印刷層
50・・・従来例1の詰替え用包装袋
60・・・従来例2の詰替え用包装袋
70・・・従来例3の詰替え用包装袋
80・・・本発明の詰替え用包装袋(スタンディングタイプの包装袋)
A・・・・内容物の流れ