(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
炉壁に設けられたスロートの中心軸心上に設けられ、補助燃焼用空気が流通する内筒ノズル及び該内筒ノズルと同心で外側に設けられ搬送媒体と微粉炭が混合された微粉炭混合流が流通する外筒ノズルからなるノズル本体と、該ノズル本体を収納するウインドボックスと、該ウインドボックスに収納されると共に前記ノズル本体の先端部に設けられる2次空気調整装置と、前記ウインドボックスから前記内筒ノズル内に補助燃焼用空気として燃焼用空気を導入する補助燃焼用空気導入管と、前記外筒ノズル内に微粉炭混合流を導入する微粉炭流供給管と、前記微粉炭混合流に酸素含有ガスを供給し前記微粉炭混合流中の酸素濃度を上昇させる酸素含有ガス供給管と、前記外筒ノズルの内周面に該外筒ノズルの軸心方向に沿って延在する複数のディフレクタアングルとを具備し、該ディフレクタアングルは内部に酸素含有ガスの流路が形成され、前記外筒ノズルの内周面に沿って設けられたリング管が前記ディフレクタアングルの基端に掛渡って接続されると共に前記流路に連通され、前記リング管に前記外筒ノズルの周壁を貫通する前記酸素含有ガス供給管が接続されたことを特徴とするバーナ。
前記内筒ノズルを囲繞する中空の濃度調整リングを更に具備し、該濃度調整リングの先端面に複数の酸素含有ガス噴出孔が穿設され、前記濃度調整リングに前記内筒ノズルの内部に挿通され該内筒ノズルの周壁を貫通する前記酸素含有ガス供給管が接続された請求項1のバーナ。
前記内筒ノズルを囲繞する第1濃度調整リングと、該第1濃度調整リングよりも基部側で、前記外筒ノズルの内周面に全周に亘って設けられた第2濃度調整リングとを更に具備し、前記第1濃度調整リング又は前記第2濃度調整リングの少なくとも何れか一方の濃度調整リングが中空で先端面に複数の酸素含有ガス噴出孔が穿設され、前記一方の濃度調整リングに酸素含有ガス供給管が接続された請求項1のバーナ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は斯かる実情に鑑み、搬送媒体を低酸素状態に保ちつつ微粉炭の着火安定性の向上を図るバーナを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、炉壁に設けられたスロートの中心軸心上に設けられ、補助燃焼用空気が流通する内筒ノズル及び該内筒ノズルと同心で外側に設けられ搬送媒体と微粉炭が混合された微粉炭混合流が流通する外筒ノズルからなるノズル本体と、該ノズル本体を収納するウインドボックスと、該ウインドボックスに収納されると共に前記ノズル本体の先端部に設けられる2次空気調整装置と、前記ウインドボックスから前記内筒ノズル内に補助燃焼用空気として燃焼用空気を導入する補助燃焼用空気導入管と、前記外筒ノズル内に微粉炭混合流を導入する微粉炭流供給管と、前記
微粉炭混合流に酸素含有ガスを供給し前記微粉炭混合流中の酸素濃度を上昇させる酸素含有ガス供給管とを具備するバーナに係るものである。
【0009】
又本発明は、前記酸素含有ガス供給管が前記外筒ノズルの基部に連通し、前記酸素含有ガスを前記外筒ノズルの基部から供給するバーナに係るものである。
【0010】
又本発明は、前記外筒ノズルの内周面に該外筒ノズルの軸心方向に沿って延在する複数のディフレクタアングルを更に具備し、該ディフレクタアングルは内部に酸素含有ガスの流路が形成されると共に基端に掛渡り前記流路に連通するリング管が接続され、該リング管に前記外筒ノズルの周壁を貫通する前記酸素含有ガス供給管が接続されたバーナに係るものである。
【0011】
又本発明は、前記内筒ノズルを囲繞する中空の濃度調整リングを更に具備し、該濃度調整リングの先端面に複数の酸素含有ガス噴出孔が穿設され、前記濃度調整リングに前記内筒ノズルの内部に挿通され該内筒ノズルの周壁を貫通する前記酸素含有ガス供給管が接続されたバーナに係るものである。
【0012】
更に又本発明は、前記内筒ノズルを囲繞する第1濃度調整リングと、該第1濃度調整リングよりも基部側で、前記外筒ノズルの内周面に全周に亘って設けられた第2濃度調整リングとを更に具備し、前記第1濃度調整リング又は前記第2濃度調整リングの少なくとも何れか一方の濃度調整リングが中空で先端面に複数の酸素含有ガス噴出孔が穿設され、前記一方の濃度調整リングに酸素含有ガス供給管が接続されたバーナに係るものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、炉壁に設けられたスロートの中心軸心上に設けられ、補助燃焼用空気が流通する内筒ノズル及び該内筒ノズルと同心で外側に設けられ搬送媒体と微粉炭が混合された微粉炭混合流が流通する外筒ノズルからなるノズル本体と、該ノズル本体を収納するウインドボックスと、該ウインドボックスに収納されると共に前記ノズル本体の先端部に設けられる2次空気調整装置と、前記ウインドボックスから前記内筒ノズル内に補助燃焼用空気として燃焼用空気を導入する補助燃焼用空気導入管と、前記外筒ノズル内に微粉炭混合流を導入する微粉炭流供給管と、前記
微粉炭混合流に酸素含有ガスを供給し前記微粉炭混合流中の酸素濃度を上昇させる酸素含有ガス供給管とを具備するので、前
記微粉炭混合流中の酸素濃度が低い場合であっても着火を安定させ、着火を促進させることができると共に、酸素濃度を上昇させた前記微粉炭混合流が流動する経路を短くすることで安全性の向上を図ることができるという優れた効果を発揮する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
【0016】
先ず、
図1に於いて、本発明の第1の実施例に係るバーナ1について説明する。
【0017】
図1中、2は火炉、3は該火炉2の炉壁を示している。該炉壁3にスロート4が設けられ、前記炉壁3の反火炉2側にウインドボックス5が取付けられ、該ウインドボックス5の内部に前記バーナ1が前記スロート4と同心に設けられている。
【0018】
前記バーナ1は、ノズル本体7と該ノズル本体7の先端部(炉内側の端部)を囲む様に設けられた2次空気調整装置8とを具備している。
【0019】
前記ノズル本体7は、同心に設けられた外筒ノズル9、内筒ノズル11、該内筒ノズル11の中心線上に配設されたオイルバーナ12を具備しており、前記外筒ノズル9と前記内筒ノズル11とは、それぞれ径が漸次減少する縮径構造となっている。又、前記外筒ノズル9、前記内筒ノズル11の断面形状はそれぞれ円形であり、前記外筒ノズル9と前記内筒ノズル11間には中空筒状の空間で前記火炉2側端が開放された燃料導通空間13が形成される。
【0020】
前記外筒ノズル9の内周面には、周方向に所定の角度ピッチで所要数、例えば45°間隔で断面が三角形状のディフレクタアングル14が配設され、前記内筒ノズル11には、該内筒ノズル11を囲繞する濃度調整リング15が設けられている。
【0021】
前記外筒ノズル9の基部(前記反火炉2側の端部)には微粉炭流供給管16と酸素含有ガス供給管17とが、それぞれ前記外筒ノズル9に接線方向から連通されている。前記微粉炭流供給管16は微粉炭ミル(図示せず)に接続され、該微粉炭流供給管16を介して搬送媒体(以下1次空気と称す)と微粉炭とが混合された微粉炭混合流18が前記燃料導通空間13に接線方向から流入する。
【0022】
尚、前記微粉炭混合流18中の1次空気は、前記火炉2にて燃焼された微粉炭の燃焼排ガスを酸素濃度21%の空気と混合させるか、又は燃焼排ガスがそのまま使用されることで、酸素濃度が例えば3%〜5%程度迄低下しており、前記微粉炭ミルに粉砕されてから前記燃料導通空間13に流入する迄の搬送工程に於いて、前記微粉炭混合流18が高温となった場合でも、微粉炭が発火しない様になっている。
【0023】
又、前記酸素含有ガス供給管17は酸素含有ガス供給源(図示せず)に接続され、該酸素含有ガス供給管17を介して純酸素や酸素と二酸化炭素の混合ガス等である酸素含有ガス19が、前記燃料導通空間13に接線方向から流入する。
【0024】
該燃料導通空間13に流入した前記微粉炭混合流18、及び前記酸素含有ガス19は、前記燃料導通空間13内部を旋回しつつ混合され、所定酸素濃度、例えば16%〜21%の酸素濃度の酸素含有微粉炭流20として前記燃料導通空間13の先端より噴出される様になっている。
【0025】
尚、前記酸素含有ガス供給管17は前記外筒ノズル9の基部に軸心方向から連通させ、前記酸素含有ガス供給管17を介して前記酸素含有ガス19が前記燃料導通空間13に軸心方向から流入する様にしてもよい。
【0026】
又、前記ウインドボックス5には2次空気送風ダクト21が連通しており、該2次空気送風ダクト21を介して燃焼用空気として2次空気22が流入する。尚、該2次空気22には、前記火炉2にて微粉炭を燃焼させた際の燃焼排ガスに酸素を混合させた混合ガス、例えば酸素を約30%、二酸化炭素を約70%とした混合ガスが使用される。
【0027】
又、前記内筒ノズル11の基部には前記ウインドボックス5の内部に開口する補助燃焼用空気導入管としての3次空気導入管23が連通し、前記ウインドボックス5に送給される前記2次空気22を取入れ、燃焼用補助空気即ち3次空気24として前記内筒ノズル11内に導いている。
【0028】
前記2次空気調整装置8は、前記ノズル本体7の先端部を収納する補助空気調整機構25と、該補助空気調整機構25の外側に同心多重に設けられた主空気調整機構26から構成されている。
【0029】
前記補助空気調整機構25は、先端に向って縮径する第1空気ガイドダクト27と、回転自在に多数設けられたインナ空気ベーン28とを有し、該インナ空気ベーン28はリンク機構(図示せず)を介して同期回動可能であり、空気流れに対する傾斜角を変更可能となっている。又、前記主空気調整機構26は先端に向って縮径する第2空気ガイドダクト29と、円周等間隔で回転可能に多数設けられたアウタ空気ベーン31とを有し、該アウタ空気ベーン31は、前記インナ空気ベーン28と同様にリンク機構(図示せず)を介して同期回動可能であり、空気流れに対する傾斜角を変更可能となっている。
【0030】
尚、前記第2空気ガイドダクト29の先端は、前記スロート4に連続し、前記第1空気ガイドダクト27の先端は前記炉壁3の内壁面から後退した位置にあり、前記外筒ノズル9、前記内筒ノズル11の先端も前記炉壁3の内壁面から後退した位置となっている。
【0031】
次に、前記バーナ1での燃焼について説明する。
【0032】
微粉炭ミル(図示せず)により粉砕された微粉炭が1次空気により搬送され、前記微粉炭流供給管16より前記微粉炭混合流18として前記燃料導通空間13の基部に供給されると共に、酸素含有ガス供給源(図示せず)からの前記酸素含有ガス19が前記酸素含有ガス供給管17より前記燃料導通空間13の基部に供給される。
【0033】
該燃料導通空間13の基部に供給された前記微粉炭混合流18及び前記酸素含有ガス19は、前記燃料導通空間13を旋回しながら前記火炉2に向って流動する。前記微粉炭混合流18と前記酸素含有ガス19とは前記燃料導通空間13を旋回する過程で混ざり合い、酸素濃度が上昇した前記酸素含有微粉炭流20となると共に、旋回により該酸素含有微粉炭流20中の微粉炭濃度及び酸素濃度が均一化される。
【0034】
又、該酸素含有微粉炭流20は前記外筒ノズル9内を通過する過程で縮流されて増速され、整流される。この時、前記濃度調整リング15により前記酸素含有微粉炭流20が偏向されて微粉炭濃度が調整され、又前記ディフレクタアングル14により前記酸素含有微粉炭流20内の微粉炭がより均一化されると共に、旋回が抑制され軸心方向への速度を与えられ、前記外筒ノズル9の先端より噴出される。
【0035】
前記酸素含有微粉炭流20は、前記火炉2に噴出される過程で、前記2次空気22により昇温され、更に前記火炉2内からの輻射熱を受けて加熱される。加熱により、微粉炭から揮発分が放出され、該揮発分に着火して火炎が連続的に維持される。
【0036】
前記ウインドボックス5には燃焼用空気である前記2次空気22が所定温度に昇温されて供給される。該2次空気22は前記アウタ空気ベーン31により旋回が与えられ、前記第2空気ガイドダクト29を介して前記酸素含有微粉炭流20と共に前記火炉2に噴出される。
【0037】
尚、前記第2空気ガイドダクト29に取込まれた前記2次空気22の一部は前記インナ空気ベーン28を介して前記第1空気ガイドダクト27内部に取込まれ、2次補助空気として噴出される。又、前記インナ空気ベーン28は、空気流れに対して傾斜しており、取込んだ一部の2次空気22に旋回流を与える様になっている。
【0038】
前記アウタ空気ベーン31の風量調整、前記インナ空気ベーン28による旋回流の強さの調整、風量調整で前記2次空気22の供給量及び流れの状態が変化し、微粉炭の燃焼状態が調整される。
【0039】
又、前記2次空気22の一部は前記3次空気24として前記3次空気導入管23を介して前記内筒ノズル11に導かれ、該内筒ノズル11より噴出される。前記3次空気24が噴出されることで、微粉炭の燃焼状態が調整される。従って、前記2次空気22の調整、前記3次空気24の調整等により微粉炭の燃焼状態が最適となる様に調整される。
【0040】
上述の様に、第1の実施例では、前記外筒ノズル9の基部より前記酸素含有ガス供給管17を介して前記酸素含有ガス19を供給し、該酸素含有ガス19を前記微粉炭混合流18が前記燃料導通空間13を流動する過程で混合させ、着火に充分な酸素濃度を有する前記酸素含有微粉炭流20としているので、該酸素含有微粉炭流20が前記外筒ノズル9から噴出される段階で充分に酸素濃度を上昇させることができ、前記燃料導通空間13に供給される前記微粉炭混合流18中の酸素濃度が低い場合であっても、着火を安定させ、着火を促進させることができる。
【0041】
又、前記酸素含有ガス19を前記外筒ノズル9の基部より供給し、着火に充分な酸素濃度を有する前記酸素含有微粉炭流20が前記燃焼導通空間13のみを流動する様にしているので、微粉炭ミル(図示せず)に粉砕され、前記燃料導通空間13に供給される前記微粉炭混合流18を低酸素状態とすることができ、又前記酸素含有微粉炭流20が流動する経路を短くでき、微粉炭が発火するのを防止し、安全性を向上させることができる。
【0042】
又、前記酸素含有ガス供給管17は、前記外筒ノズル9に接続され、前記燃料導通空間13内に延出しない構造となっているので、前記酸素含有ガス供給管17が前記燃料導通空間13内に露出せず、微粉炭により前記酸素含有ガス供給管17が摩耗するのを防止することができる。
【0043】
又、前記3次空気導入管23を介して前記ウインドボックス5の前記2次空気22を前記内筒ノズル11に供給しているので、前記酸素含有微粉炭流20が噴出される前記外筒ノズル9の内側と外側から燃焼用空気を供給し、微粉炭と酸素の混合を促進することができ、微粉炭の着火の安定性をより高めることができる。
【0044】
更に、前記燃料導通空間13内に前記酸素含有ガス供給管17を介して前記酸素含有ガス19を供給し、又前記火炉2にて微粉炭を燃焼した際の燃焼排ガスを酸素濃度21%の空気と混合させて1次空気とするか、又は燃焼排ガスをそのまま1次空気として使用しているので、前記火炉2にて微粉炭の燃焼に供される空気は二酸化炭素の割合が高くなり、燃焼後の排ガスの殆どが二酸化炭素となり、燃焼後の工程にて二酸化炭素の回収を容易に行うことができる。
【0045】
次に、
図2、
図3に於いて、本発明の第2の実施例について説明する。尚、
図2、
図3中、
図1中と同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。
【0046】
第2の実施例のバーナ1では、各ディフレクタアングル14内に酸素含有ガス19の流路を形成する酸素含有ガス導入パイプ33が挿通され、又前記ディフレクタアングル14の基端には、各ディフレクタアングル14に掛渡るリング管34が接続されており、各酸素含有ガス導入パイプ33と前記リング管34とが連通している。
【0047】
又、該リング管34には、外筒ノズル9を貫通する酸素含有ガス供給管35が接続され、該酸素含有ガス供給管35は酸素含有ガス供給源(図示せず)に接続されており、該酸素含有ガス供給源より前記酸素含有ガス供給管35を介して、純酸素や酸素と二酸化炭素の混合ガス等である前記酸素含有ガス19が前記リング管34に供給される様になっている。
【0048】
第2の実施例に於いては、微粉炭ミル(図示せず)で粉砕された微粉炭が、1次空気と共に微粉炭混合流18として微粉炭流供給管16を介して燃料導通空間13内に供給され、又前記酸素含有ガス19が前記酸素含有ガス供給管35を介して前記リング管34に供給される。
【0049】
前記燃料導通空間13内に接線方向から供給された前記微粉炭混合流18は、前記燃料導通空間13を旋回する過程で均一化され、又外筒ノズル9内を通過する過程で縮流されて増速され、整流される。更に、濃度調整リング15により前記微粉炭混合流18中の微粉炭濃度が調整されると共に、前記ディフレクタアングル14により前記微粉炭混合流18中の微粉炭がより均一化され、旋回を抑制して軸心方向への速度を与えられ、前記外筒ノズル9の先端より前記微粉炭混合流18が噴出される。
【0050】
又、前記リング管34に供給された前記酸素含有ガス19は、前記リング管34内を流通し、各酸素含有ガス導入パイプ33に導入されて該各酸素含有ガス導入パイプ33の先端、即ち各ディフレクタアングル14の先端より噴出される。
【0051】
従って、第2の実施例では、前記微粉炭混合流18に対し、各ディフレクタアングル14の先端より前記酸素含有ガス19が供給される様になっているので、該酸素含有ガス19と前記微粉炭混合流18とを容易に混合させることができ、該微粉炭混合流18中の酸素濃度が低い場合であっても微粉炭の着火を安定させ、着火を促進させることができる。
【0052】
又、第1の実施例と同様、3次空気導入管23を介して2次空気22を前記内筒ノズル11に供給しているので、前記外筒ノズル9から噴出される前記微粉炭混合流18の内側と外側から燃焼用空気を供給することができ、微粉炭と酸素の混合を促進させ、微粉炭の着火の安定性をより高めることができる。
【0053】
更に、前記酸素含有ガス供給管35が前記外筒ノズル9を貫通し、前記リング管34に接続されているので、前記酸素含有ガス供給管35が前記燃料導通空間13内に露出せず、前記酸素含有ガス供給管35が微粉炭により摩耗するのを防止することができる。
【0054】
尚、第2の実施例に於いて、前記ディフレクタアングル14内に前記酸素含有ガス導入パイプ33を挿通し、該酸素含有ガス導入パイプ33を前記酸素含有ガス19の流路としているが、前記ディフレクタアングル14を中空構造とし、該ディフレクタアングル14そのものを前記酸素含有ガス19の流路としてもよい。
【0055】
次に、
図4に於いて、本発明の第3の実施例について説明する。尚、
図4中、
図1中と同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。
【0056】
第3の実施例では、濃度調整リング15を中空構造とし、該濃度調整リング15の先端面に等角度ピッチで複数の酸素含有ガス噴出孔37を穿設している。
【0057】
又、前記濃度調整リング15は、内筒ノズル11内に挿通され、該内筒ノズル11の周壁を貫通する酸素含有ガス供給管38と接続されている。
【0058】
該酸素含有ガス供給管38は、図示しない酸素含有ガス供給源に接続されており、前記酸素含有ガス供給管38を介して純酸素や酸素と二酸化炭素の混合ガス等の酸素含有ガス19が前記濃度調整リング15内に供給され、前記酸素含有ガス噴出孔37から前記燃料導通空間13内に噴出される様になっている。
【0059】
第3の実施例に於いては、微粉炭流供給管16を介して供給された微粉炭混合流18に前記濃度調整リング15を介して前記酸素含有ガス19を供給することで、前記微粉炭混合流18と前記酸素含有ガス19とを混合させ、外筒ノズル9の先端より噴出する段階で、微粉炭を着火させるのに充分な酸素濃度を有する酸素含有微粉炭流20とすることができる。
【0060】
従って、前記燃料導通空間13に供給される前記微粉炭混合流18中の酸素濃度が低い場合であっても、微粉炭の着火を安定させ、着火を促進させることができる。
【0061】
又、前記濃度調整リング15より前記酸素含有ガス19を供給することで、前記酸素含有微粉炭流20が流動する経路をより短くすることができるので、微粉炭の発火を防止し、より安全性を向上させることができる。
【0062】
更に、前記酸素含有ガス供給管38が前記内筒ノズル11の内部に挿通され、又該内筒ノズル11の周壁を貫通して前記濃度調整リング15に接続されているので、前記酸素含有ガス供給管38が前記燃料導通空間13内に露出することがなく、微粉炭による前記酸素含有ガス供給管38の摩耗を防止することができる。
【0063】
尚、第3の実施例のバーナ1に、第2の実施例の構成、即ちディフレクタアングル14内に挿通された酸素含有ガス導入パイプ33(
図3参照)と、前記ディフレクタアングル14の基端に掛渡って接続されたリング管34(
図2参照)と、前記外筒ノズル9の周壁を貫通し前記リング管34に接続された酸素含有ガス供給管35(
図2参照)を加えてもよい。
【0064】
次に、
図5に於いて、本発明の第4の実施例について説明する。尚、
図5中、
図1中と同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。
【0065】
第4の実施例のバーナ1では、燃料導通空間13内に内筒ノズル11を囲繞する中空の第1濃度調整リング41が設けられる。該第1濃度調整リング41は基部及び先端部がそれぞれテーパ状となっており、側断面が台形形状となっている。該第1濃度調整リング41の先端側の斜面には、等角度ピッチで複数の第1酸素含有ガス噴出孔42が穿設されている。
【0066】
又、前記第1濃度調整リング41には、第1酸素含有ガス供給管43が接続されている。該第1酸素含有ガス供給管43は、前記内筒ノズル11の内部に挿通され、該内筒ノズル11の周壁を貫通し、前記第1酸素含有ガス供給管43が前記燃料導通空間13内に露出しない様になっている。
【0067】
前記第1酸素含有ガス供給管43は酸素含有ガス供給源(図示せず)と接続されており、純酸素や酸素と二酸化炭素の混合ガス等の酸素含有ガス19は、前記第1酸素含有ガス供給管43を介して前記第1濃度調整リング41内に供給され、前記第1酸素含有ガス噴出孔42を介して前記燃料導通空間13内に噴出される。
【0068】
又、前記第1濃度調整リング41よりも基部側の外筒ノズル9の内周面には、全周に亘って中空の第2濃度調整リング44が設けられる。該第2濃度調整リング44は基部及び先端部がそれぞれテーパ状となっており、側断面が台形形状となっている。該第2濃度調整リング44の先端側の斜面には、等角度ピッチで複数の第2酸素含有ガス噴出孔45が穿設されている。
【0069】
前記第2濃度調整リング44には、前記外筒ノズル9の周壁を貫通する第2酸素含有ガス供給管46が接続され、該第2酸素含有ガス供給管46が前記燃料導通空間13内に露出しない様になっている。
【0070】
前記第2酸素含有ガス供給管46は酸素含有ガス供給源(図示せず)に接続されており、前記酸素含有ガス19は、前記第2酸素含有ガス供給管46を介して前記第2濃度調整リング44内に供給され、前記第2酸素含有ガス噴出孔45を介して前記燃料導通空間13内に噴出される。
【0071】
第4の実施例に於いては、微粉炭流供給管16を介して供給された微粉炭混合流18に、前記第1濃度調整リング41及び前記第2濃度調整リング44を介して前記酸素含有ガス19を供給することで、前記微粉炭混合流18と前記酸素含有ガス19とを混合させ、前記外筒ノズル9の先端より噴出する段階で、微粉炭を着火させるのに充分な酸素濃度を有する酸素含有微粉炭流20とすることができる。
【0072】
従って、前記燃料導通空間13内に供給される微粉炭混合流18中の酸素濃度が低い場合であっても、微粉炭の燃焼に充分な酸素を得ることができ、微粉炭の着火を安定させ、着火を促進させることができる。
【0073】
又、前記第1濃度調整リング41及び前記第2濃度調整リング44により前記酸素含有微粉炭流20中の微粉炭の濃度を均一化でき、生成される火炎を安定させることができる。
【0074】
更に、前記第1酸素含有ガス供給管43と前記第2酸素含有ガス供給管46とが、それぞれ前記燃料導通空間13内に露出しない様になっているので、微粉炭による前記第1酸素含有ガス供給管43と前記第2酸素含有ガス供給管46の摩耗を防止することができる。
【0075】
尚、第4の実施例では、前記第1濃度調整リング41と前記第2濃度調整リング44の両方に前記酸素含有ガス供給管43,46を接続し、前記酸素含有ガス噴出孔42,45を介して前記酸素含有ガス19を噴出させているが、前記第1濃度調整リング41と前記第2濃度調整リング44の何れか一方からのみ前記酸素含有ガス19を噴出させる様にしてもよい。