特許第6011087号(P6011087)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6011087
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】医療情報管理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20120101AFI20161006BHJP
【FI】
   G06Q50/22
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-155274(P2012-155274)
(22)【出願日】2012年7月11日
(65)【公開番号】特開2014-16923(P2014-16923A)
(43)【公開日】2014年1月30日
【審査請求日】2015年3月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000039
【氏名又は名称】特許業務法人アイ・ピー・ウィン
(72)【発明者】
【氏名】安部 雅規
【審査官】 青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−237833(JP,A)
【文献】 特開平11−312200(JP,A)
【文献】 特開2004−126865(JP,A)
【文献】 特開2010−237830(JP,A)
【文献】 特開2002−279062(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
診察を行っている患者の診療情報を含み、当該診療情報を他の医療情報管理システムに対して公開するか否か、どの医療機関に対して閲覧を許可するか、どの診療科を公開対象とするか、いつまでを閲覧可能期間とするかが設定された医療情報データを管理する医療情報管理手段と、
他の医療機関における医療情報管理システムから送信されてきた医療明細書データを格納する格納手段と、
他の医療機関における装置からある患者の診療情報の閲覧要求が送信されてきた場合、当該患者の診療情報に対する閲覧を許可するか否かを判定する閲覧判定手段とを備え、
前記閲覧判定手段は、他の医療機関における装置から閲覧要求を受信すると、当該閲覧要求を送信してきた医療機関が閲覧を許可した医療機関であり、当該閲覧要求により診療情報の閲覧を要求されている患者が診療情報を公開している患者である場合、当該患者が閲覧要求を送信してきた医療機関で受診した際の医療明細書データを前記格納手段から取得し、取得した医療明細書データにおける診療日が、当該患者の診療情報に対して設定されている閲覧可能期間内であり、当該医療明細書データにおける診療科が公開対象としている診療科である場合、閲覧要求を受けた診療情報に対する閲覧を許可すると判定し、
前記医療情報管理手段は、前記閲覧判定手段が閲覧要求を受けた診療情報に対する閲覧を許可すると判定した場合、当該患者の診療情報に対して設定されている閲覧可能期間を所定期間だけ延長することを特徴とする医療情報管理システム。
【請求項2】
前記格納手段に格納されている医療明細書データが有効か否かを判定する有効性判定手段をさらに備え、
前記閲覧判定手段は、前記格納手段から医療明細書データを取得する際に、前記有効性判定手段による判定結果において当該医療明細書データが有効であると判定されている場合にのみ、閲覧要求を受けた診療情報に対する閲覧許可を行う請求項1記載の医療情報管理システム。
【請求項3】
前記有効性判定手段は、当該患者に対して発行されている電子証明書により医療明細書データが電子署名されていることを確認して当該医療明細書データが有効であると判定する請求項記載の医療情報管理システム。
【請求項4】
他の医療機関における医療情報管理システムから送信されてきた医療明細書データを格納するステップと、
他の医療機関における装置からある患者の診療情報の閲覧要求が送信されてきた場合、当該閲覧要求を送信してきた医療機関が閲覧を許可した医療機関であり、当該閲覧要求により診療情報の閲覧を要求されている患者が診療情報を公開している患者である場合、当該患者が閲覧要求を送信してきた医療機関で受診した際の医療明細書データを格納されていた医療明細書データの中から取得するステップと、
取得した医療明細書データにおける診療日が、当該患者の診療情報に対して設定されている閲覧可能期間内であり、当該医療明細書データにおける診療科が公開対象としている診療科である場合、当該患者の診療情報に対して設定されている閲覧可能期間を所定期間だけ延長し、閲覧要求を受けた診療情報に対する閲覧を許可すると判定するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療情報管理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、患者を他の医療施設に紹介した場合のように紹介先の他の医療施設に対して医療情報の利用を許可する際に、医療情報を利用する利用範囲や利用期間に制限を付すことができるようにした医療情報管理システムが開示されている。
【0003】
特許文献2には、転院先の医療施設から医療情報を管理するデータベースへのアクセスを許可する場合、医療情報を公開する側の医事会計システムにより、転院する患者についての診療情報のアクセス権限を転院先の医療施設に対して付与するようにした医療連携システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−269243号公報
【特許文献2】特開2010−237833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、患者が転院先の医療機関において診療を受けている間は、転院先の医療機関における医療情報システムに対する診療情報の閲覧可能期間を延長することが可能な医療情報管理システムおよびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[医療情報管理システム]
請求項1に係る本発明は、診察を行っている患者の診療情報を含み、当該診療情報を他の医療情報管理システムに対して公開するか否か、どの医療機関に対して閲覧を許可するか、どの診療科を公開対象とするか、いつまでを閲覧可能期間とするかが設定された医療情報データを管理する医療情報管理手段と、
他の医療機関における医療情報管理システムから送信されてきた医療明細書データを格納する格納手段と、
他の医療機関における装置からある患者の診療情報の閲覧要求が送信されてきた場合、当該患者の診療情報に対する閲覧を許可するか否かを判定する閲覧判定手段とを備え、
前記閲覧判定手段は、他の医療機関における装置から閲覧要求を受信すると、当該閲覧要求を送信してきた医療機関が閲覧を許可した医療機関であり、当該閲覧要求により診療情報の閲覧を要求されている患者が診療情報を公開している患者である場合、当該患者が閲覧要求を送信してきた医療機関で受診した際の医療明細書データを前記格納手段から取得し、取得した医療明細書データにおける診療日が、当該患者の診療情報に対して設定されている閲覧可能期間内であり、当該医療明細書データにおける診療科が公開対象としている診療科である場合、閲覧要求を受けた診療情報に対する閲覧を許可すると判定し、
前記医療情報管理手段は、前記閲覧判定手段が閲覧要求を受けた診療情報に対する閲覧を許可すると判定した場合、当該患者の診療情報に対して設定されている閲覧可能期間を所定期間だけ延長することを特徴とする医療情報管理システムである。
【0007】
請求項2に係る本発明は、前記格納手段に格納されている医療明細書データが有効か否かを判定する有効性判定手段をさらに備え、
前記閲覧判定手段は、前記格納手段から医療明細書データを取得する際に、前記有効性判定手段による判定結果において当該医療明細書データが有効であると判定されている場合にのみ、閲覧要求を受けた診療情報に対する閲覧許可を行う請求項1記載の医療情報管理システムである。
【0008】
請求項3に係る本発明は、前記有効性判定手段が、当該患者に対して発行されている電子証明書により医療明細書データが電子署名されていることを確認して当該医療明細書データが有効であると判定する請求項記載の医療情報管理システムである。
【0010】
[プログラム]
請求項に係る本発明は、他の医療機関における医療情報管理システムから送信されてきた医療明細書データを格納するステップと、
他の医療機関における装置からある患者の診療情報の閲覧要求が送信されてきた場合、当該閲覧要求を送信してきた医療機関が閲覧を許可した医療機関であり、当該閲覧要求により診療情報の閲覧を要求されている患者が診療情報を公開している患者である場合、当該患者が閲覧要求を送信してきた医療機関で受診した際の医療明細書データを格納されていた医療明細書データの中から取得するステップと、
取得した医療明細書データにおける診療日が、当該患者の診療情報に対して設定されている閲覧可能期間内であり、当該医療明細書データにおける診療科が公開対象としている診療科である場合、当該患者の診療情報に対して設定されている閲覧可能期間を所定期間だけ延長し、閲覧要求を受けた診療情報に対する閲覧を許可すると判定するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る本発明によれば、患者が転院先の医療機関において診療を受けている間は、転院先の医療機関における医療情報システムに対する診療情報の閲覧可能期間を転院先の医療明細書の情報に基づいて延長することが可能な医療情報管理システムを提供することができる。
【0012】
請求項2に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明により得られる効果に加えて、転院先の医療機関の医療情報管理システムからの医療明細書データの信頼性を高めることが可能な医療情報管理システムを提供することができる。
【0013】
請求項3に係る本発明によれば、請求項に係る本発明により得られる効果に加えて、転院先の医療機関の医療情報管理システムからの医療明細書データが当該患者のものであるという信頼性を高めることが可能な医療情報管理システムを提供することができる。
【0015】
請求項に係る本発明によれば、患者が転院先の医療機関において診療を受けている間は、転院先の医療機関における医療情報システムに対する診療情報の閲覧可能期間を転院先の医療明細書の情報に基づいて延長することが可能なプログラムを提供することができる。





【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態の複数の医療情報管理システムがネットワークにより相互に接続された様子を説明するためのシステム図である。
図2】本発明の一実施形態における医療情報管理システム10Aのハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態における医療情報管理システム10Aの機能構成を示すブロック図である。
図4】医療情報データベース31に格納されている医療情報管理テーブルの一例を示す図である。
図5】医療情報データベース31に格納されている患者情報管理テーブルの一例を示す図である。
図6】医療情報データベース31に格納されている診療科対応管理テーブルの一例を示す図である。
図7】医療情報データベース31に格納されている提携医療機関管理テーブルの一例を示す図である。
図8】医療情報データベース31に格納されている提携医師情報管理テーブルの一例を示す図である。
図9】医療情報データベース31に格納されている患者情報対応管理テーブルの一例を示す図である。
図10】医療費明細書データのフォーマットの一例を示す図である。
図11】転院元の病院において患者の他の病院での転院治療を決定した際に、自病院の医療情報管理システムに対して行う設定登録動作を説明するためのフローチャートである。
図12】転院元の病院Aの医療情報管理システム10Aが、転院先の病院Bの医療情報管理システム10Bから患者の診療情報の閲覧要求を受けた場合の動作を説明するためのフローチャートである。
図13図12のフローチャートにおける医療費明細書の有効性を確認する処理(ステップS204)の詳細を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明の一実施形態の複数の医療情報管理システムがネットワークにより相互に接続された様子を説明するためのシステム図である。
【0019】
図1では、3つの病院(医療機関)A、B、Cにそれぞれ、医療情報管理システム10A、10B、10Cおよび端末装置20A、20B、20Cがそれぞれ設けられ、それらがインターネット等のネットワーク30により相互に接続されている。
【0020】
ここで、医療情報管理システム10A、10B、10Cはそれぞれ同様な構成となっているため、以下の説明においては病院Aに設置されている医療情報管理システム10Aを用いて説明を行うものとする。
【0021】
次に、病院Aに設置されている医療情報管理システム10Aのハードウェア構成を図2に示す。
【0022】
医療情報管理システム10Aは、図2に示されるように、CPU11、メモリ12、ネットワーク30を介して外部の装置等との間でデータの送信及び受信を行う通信インタフェース(IF)13、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置14を有する。これらの構成要素は、制御バス15を介して互いに接続されている。
【0023】
CPU11は、メモリ12または記憶装置14に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、医療情報管理システム10Aの動作を制御する。なお、本実施形態では、CPU11は、メモリ12または記憶装置14内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明したが、当該プログラムをCD−ROM等の記憶媒体に格納してCPU11に提供することも可能である。
【0024】
図3は、上記の制御プログラムが実行されることにより実現される医療情報管理システム10Aの機能構成を示すブロック図である。
【0025】
本実施形態の医療情報管理システム10Aは、図3に示されるように、医療情報データベース31と、医療情報管理部32と、医療費明細書格納部33と、医療費明細書有効性判定部34と、アクセス権判定部35と、通信部36と、医療費明細書作成部37とを備えている。
【0026】
通信部36は、病院A内のネットワークを介して端末装置20Aと接続されたり、ネットワーク30を介して他の病院B、Cの医療情報管理システム10B、10Cや端末装置20B、20C等と接続されることによりデータの送受信を行っている。具体的には、通信部36は、他の病院B、Cの端末装置20B、20Cからの診療情報の閲覧要求を受信したり、閲覧を許可した診療情報の送信を行っている。また、通信部36は、他の病院B、Cの医療情報管理システム10B、10Cとの間で医療費明細書データの送受信も行っている。
【0027】
医療情報データベース31は、診察を行っている患者の診療情報を含み、その診療情報を他の医療情報管理システムに対して公開するか否か、どの病院(医療機関)に対して閲覧を許可するか、どの診療科を公開対象とするか、いつまでを閲覧可能期間とするかが設定された医療情報データを格納している。
【0028】
具体的には、医療情報データベース31には、図4に示すような医療情報管理テーブル、図5に示すような患者情報管理テーブル、図6に示すような診療科対応管理テーブル、図7に示すような提携医療機関管理テーブル、図8に示すような提携医師情報管理テーブル、図9に示すような患者情報対応管理テーブルが格納されている。
【0029】
医療情報管理テーブルは、図4に示されるように、患者IDと、文書IDと、文書名と、作成者IDと、公開フラグとが対応付けられて構成されている。
【0030】
ここで、患者IDとは、転院元の病院において管理している患者に割り当てられた患者固有の識別情報である。また、文書IDとは、転院元の病院において管理している患者のカルテ、問診票、レントゲン写真、検査記録、投薬履歴等の診療情報の文書に割り当てられた固有の識別情報である。また、文書名とは、この文書IDにより特定される診療情報等の文書の名称を示している。また、作成者IDとは、転院元の病院において管理している文書を作成した人物を特定するための識別情報である。さらに、公開フラグとは、この文書を公開対象とするのか公開対象としないのかを示すフラグである。
【0031】
また、患者情報管理テーブルは、図5に示されるように、患者IDと、患者名と、主治医IDと、提携病院IDと、提携医師IDと、受診科と、公開診療科と、閲覧可能期間とが対応付けられて構成されている。
【0032】
ここで、主治医IDは、転院元の病院で患者の主治医である医師を特定するための識別情報である。また、提携病院IDとは、転院先として提携している病院を特定するための識別情報である。また、提携医師IDとは、転院先の病院で患者の主治医となる医師を特定するための識別情報である。
【0033】
また、診療科対応管理テーブルは、図6に示されるように、診療科と、診療科IDと、提携病院IDと、提携診療科IDとが対応付けられて構成されている。
【0034】
ここで、診療科IDとは、転院元の病院の診療科を特定する識別情報である。また、提携診療科IDとは、転院先の病院の診療科を特定する識別情報である。
【0035】
また、提携医療機関管理テーブルは、図7に示されるように、提携病院IDと、提携診療科IDとが対応付けられて構成されている
【0036】
また、提携医師情報管理テーブルは、図8に示されるように、提携病院IDと、提携診療科IDと、提携医師IDと、提携医師名とが対応付けられて構成されている。
【0037】
そして、患者情報対応管理テーブルは、図9に示されるように、患者IDと、提携病院IDと、提携先患者IDとが対応付けられて構成されている。
【0038】
ここで、提携先患者IDとは、転院先の病院において管理している患者を特定するための識別情報である。つまり、この図9を参照することにより、転院先の病院である提携先病院における患者IDと、転院元の病院における患者IDとの対応関係がわかるようになっている。
【0039】
また、図3に示した医療情報管理部32は、医療情報データベース31に格納されている医療情報の管理を行っている。医療情報管理部32は、通信部36を介して他の病院等の医療機関から患者の診療情報に対する閲覧要求を受診した場合、アクセス権判定部35における、その閲覧要求を許可するか否かの判定結果を確認する。そして、アクセス権判定部35にいて閲覧を許可する旨の判定があった場合、医療情報管理部32は、その閲覧要求のあった診療情報を、閲覧要求を送信してきた医療情報管理システムに対して転送する。
【0040】
医療費明細書格納部33は、他の病院における医療情報管理システムから送信されてきた医療費明細書データを格納する。
【0041】
医療費明細書有効性判定部34は、医療費明細書格納部33に格納されている医療費明細書データが有効か否かを判定する。具体的には、医療費明細書有効性判定部34は、診療情報の閲覧要求があった患者に対して発行されている電子証明書により医療費明細書データが電子署名されていることを確認して、その医療費明細書データが有効であると判定する。
【0042】
アクセス権判定部35は、他の病院B、Cにおける端末装置20B、20Cからある患者の診療情報の閲覧要求が送信されてきた場合、その患者の診療情報に対する閲覧を許可するか否かを判定する閲覧判定手段として機能する。
【0043】
具体的には、アクセス権判定部35は、他の病院B、Cにおける端末装置20B、20Cから閲覧要求を受信すると、その閲覧要求を送信してきた病院が閲覧を許可した医療機関であり、その閲覧要求により診療情報の閲覧を要求されている患者が診療情報を公開している患者である場合、その患者が閲覧要求を送信してきた病院で受診した際の医療費明細書データを医療費明細書格納部33から取得する。そして、アクセス権判定部35は、取得した医療費明細書データにおける診療日が、その患者の診療情報に対して設定されている閲覧可能期間内であり、その医療費明細書データにおける診療科が公開対象としている診療科である場合、閲覧要求を受けた診療情報に対する閲覧を許可すると判定する。
【0044】
そして、医療情報管理部32は、アクセス権判定部35において、閲覧要求を受けた診療情報に対する閲覧を許可すると判定された場合、その患者の診療情報に対して設定されている閲覧可能期間を所定期間だけ延長する。
【0045】
なお、医療情報管理部32が閲覧可能期間を延長する期間の長さは、その患者が治療を受けている病気の種類、受診している治療内容等に応じて変えるようにすることができる。例えば、人工透析治療のように受診間隔が短いことが予測されるような治療を受けている場合には、延長する期間は短くてもかまわないが、受診間隔が長くなることが予測されるような治療を受けている場合には、延長する期間を長くする必要がある。
【0046】
なお、アクセス権判定部35は、医療費明細書格納部33から医療費明細書データを取得する際に、医療費明細書有効性判定部34による判定結果において受診状況データが有効であると判定されている場合にのみ、その患者の診療情報に対して設定されている閲覧可能期間の延長や、閲覧要求を受けた診療情報に対する閲覧許可を行う。
【0047】
医療費明細書作成部37は、他の病院から転院してきた患者の医療費明細書データを作成して、転院元の医療情報管理システムに対して通信部36を介して送信する。ここで、医療費明細書作成部37は、その患者に対して発行されている電子証明書、例えば、患者の診察券に格納されている電子証明書により医療費明細書データに対して電子署名を行って、電子署名がされた医療費明細書データを転院元の医療情報管理システムに送信する。
【0048】
この医療費明細書データのフォーマットは、転院元の病院と転院先の病院とで共通となっており、例えば、図10に示すように、患者ID、病院ID、医師ID、診療科、診療内容、診療日等の情報から構成されている。なお、ここで転院元の病院に送付される医療費明細書データには、医療費、保険診療点数等の情報は含まれずに省略されている。
【0049】
なお、本実施形態の医療情報管理システムでは、他の医療情報管理システムからの診療情報の閲覧を許可するか否かの判定および閲覧可能期間の延長に、転院先の病院において患者が受診した際の医療費明細書データを用いるものとして説明しているが、本発明はこのような構成に限定されない。
【0050】
転院先の病院において患者が受診している状況を示すような受診状況データであれば、この受診状況データを転院先の病院の医療情報管理システムから転院元の病院の医療情報管理システムに送信することにより閲覧要求の許可、不許可の判定、および閲覧可能期間の延長を行うようにしても良い。
【0051】
次に、本実施形態の医療情報管理システムの動作を図面を参照して詳細に説明する。
【0052】
先ず、最初に転院元の病院において患者の他の病院での転院治療を決定した際に、自病院の医療情報管理システムに対して行う設定登録動作を図11のフローチャートを参照して説明する。
【0053】
以下の説明では、図1に示した病院Aにおいて治療を受けていた患者(患者ID=“A0001”、患者名=“富士太郎”)を、病院B(提携病院ID=“H1100”)に転院してもらって治療を受けるようにする場合を例に用いて説明を行う。
【0054】
先ず、転院元の病院Aにおいて患者の病院Bへの転院を決定すると(ステップS101)、病院Aでは、転院先の病院Bが図7に示した提携医療機関テーブルに登録されているか否かが確認される(ステップS102)。
【0055】
ステップS102において、転院先の病院Bが、病院Aにおける提携医療機関管理テーブルに登録されていない場合、所定の審査を経て、転院予定の病院Bを提携医療機関管理テーブルにおいて提携病院として登録する(ステップS103)。
【0056】
そして、病院Aでは、転院先の病院Bにおいて患者が受診する予定の診療科が、図7に示した提携医療機関テーブルに登録されているか否かが確認される(ステップS104)。
【0057】
ステップS104において、転院先の病院Bにおいて患者が受診する予定の診療科が、病院Aにおける提携医療機関管理テーブルに登録されていない場合、所定の審査を経て、転院予定の病院Bにおいて患者が受診する予定の診療科を提携医療機関管理テーブルに提携診療科として登録する(ステップS105)。
【0058】
さらに、病院Aでは、転院先の病院Bにおいて患者が受診する予定の診療科の医師が、図8に示した提携医師情報管理テーブルに登録されているか否かが確認される(ステップS106)。
【0059】
ステップS106において、転院先の病院Bにおいて患者が受診する予定の診療科の医師が、病院Aにおける提携医師情報管理テーブルに登録されていない場合、所定の審査を経て、転院予定の病院Bにおいて患者が受診する予定の診療かの医師を提携医師情報管理テーブルにおいて提携医師として登録する(ステップS107)。
【0060】
そして、転院元の病院Aの医療情報管理システムでは、転院先の病院Bの医療情報管理システムから、転院元も病院Aの医療情報管理システムが閲覧可能とする患者の診療情報データにアクセスするために必要な情報を発行する。ここで、患者の診療情報データにアクセスするために必要な情報とは、アクセス先URL、ログインアカウント、パスワード、転院元の患者の患者ID等の情報である。
【0061】
そして、転院元の病院Aでは、医療情報管理システム10Aにおける患者情報管理テーブルに対して、例えば、図5に示すように、診療情報を閲覧可能とする提携病院、提携医師、公開診療科、閲覧可能期間の設定が行われる。図5に示した例では、患者IDが“A001”という患者に対して、提携病院IDが“H1100”である病院、提携医師IDが“PD0800”である医師、転院先での診療科が“外科”の場合に、2012年4月12日までを閲覧可能期間として設定された場合が示されている。
【0062】
次に、転院元の病院Aの医療情報管理システム10Aが、転院先の病院Bの端末装置20Bから患者の診療情報の閲覧要求を受けた場合の動作を図12のフローチャートを参照して説明する。
【0063】
先ず、医療情報管理システム10Aが転院先の病院Bの端末装置20Bから患者の診療情報の閲覧要求を受け付けると(ステップS201)、アクセス権判定部35は、閲覧要求を受けた患者が他の病院に診療情報を閲覧可能としている患者か否かを、患者情報管理テーブルに基づいて判定する(ステップS202)。
【0064】
そして、ステップS202において、閲覧要求を受けた患者が他の病院に診療情報を閲覧可能としている患者であると判定された場合、さらにアクセス権判定部35は、閲覧を要求してきた医師が、閲覧を許可した病院の医師であるか否かを、患者情報管理テーブルに基づいて判定する(ステップS203)。
【0065】
そして、ステップS203において、閲覧を要求してきた医師が、閲覧を許可した病院の医師であると判定された場合、アクセス権判定部35は、医療費明細書有効性判定部34にアクセスして、閲覧要求を行ってきた病院Bの医療情報管理システム10Bから送信されてきたその患者の医療費明細書データに対する有効性についての判定結果を取得する(ステップS204)。
【0066】
そして、ステップS204において、その患者の医療費明細書データが有効であると判定されている場合(ステップS205においてYes)、アクセス権判定部35は、有効であると判定された医療費明細書データの診療日が、患者情報管理テーブルに設定されている閲覧可能期間内である否かを判定する(ステップS206)。
【0067】
そして、ステップS206において、医療費明細書データの診療日が、患者情報管理テーブルに設定されている閲覧可能期間内であると判定された場合、アクセス権判定部35は、有効であると判定された医療費明細書データから、転院先の病院Bにおいて患者が受診した診療科の情報を取得し、診療科対応管理テーブルに基づいて転院元の病院において公開診療科として登録されているか否かを判定する(ステップS207)。
【0068】
例えば、図10に示すような医療費明細書データでは、診療科IDは“R0002”となっているため、図6に示す診療科対応管理テーブルからこの診療科ID“R0002”に対応する病院Aにおける診療科は“内科”であり、図5の患者情報管理テーブルにおいて患者IDが“A0001”の患者の公開診療科として登録されていることが確認できる(ステップS207においてYes)。
【0069】
そのため、医療情報管理部32では、図5の患者情報管理テーブルにおける閲覧可能期間を、例えば“2012年4月12日”から“2012年6月12日”というように2月間延長する(ステップS208)。
【0070】
そして、アクセス権判定部35は、図4の医療情報管理テーブルを参照して、閲覧要求のあった文書(診療情報)の公開フラグが非公開となっていないことを確認して(ステップS209)、閲覧の要求を受けた診療情報の閲覧を許可する(ステップS210)。
【0071】
なお、ステップS202、S203、S205、S206、S207、S209のいずれかにおいてnoと判定された場合、アクセス権判定部35は、閲覧の要求を受けた診療情報の閲覧を不許可とする(ステップS211)。
【0072】
最後に、図12のフローチャートにおける医療費明細書の有効性を確認する処理の詳細を図13のフローチャートを参照して説明する。
【0073】
他の医療情報管理システムから医療費明細書データを受け付けて医療費明細書格納部33に格納された場合(ステップS301)、医療費明細書有効性判定部34は、その医療費明細書データが患者IDに対応した電子証明書により電子署名がされているか否かを判定する(ステップS302)。そして、その医療費明細書データが患者IDに対応した電子証明書により電子署名がされている場合(ステップS302においてYes)、医療費明細書有効性判定部34は、その医療費明細書データに必要な情報が記載されているか否かを判定する(ステップS303)。ここで、必要な情報とは、病院ID、医師ID、患者ID、診療科、診療日の情報である。
【0074】
ステップS303において、その医療費明細書データに必要な情報が記載されていると判定された場合、医療費明細書有効性判定部34は、その医療費明細書データは有効であると判定する(ステップS304)。
【0075】
なお、ステップS302において、その医療費明細書データが患者IDに対応した電子証明書により電子署名がされていないと判定された場合、または、ステップS303において、その医療費明細書データに必要な情報が記載されていないと判定された場合、医療費明細書有効性判定部34は、その医療費明細書データは無効であると判定する(ステップS305)。
【符号の説明】
【0076】
10A、10B、10C 医療情報管理システム
11 CPU
12 メモリ
13 通信インタフェース(IF)
14 記憶装置
15 制御バス
20A、20B、20C 端末装置
30 ネットワーク
31 医療情報データベース
32 医療情報管理部
33 医療費明細書格納部
34 医療費明細書有効性判定部
35 アクセス権判定部
36 通信部
37 医療費明細書作成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11
図12
図13