(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記オフセット磁場検出判定手段は、前記複数の磁気センサによる計測磁場の違いに基づいて、オフセット磁場が前記着磁性を有する部品の何れかの着磁によるものであるか否かを判別し、
前記報知制御手段は、この判別結果に応じた報知動作を前記報知手段に行わせる
ことを特徴とする請求項2又は3記載の電子方位計。
前記オフセット磁場検出判定手段は、前記報知動作が行われてから所定の時間内には、前記複数の磁気センサによる計測磁場の比較判定を行わないことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の電子方位計。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態の電子時計の内部構成を示すブロック図である。
この電子時計1は、デジタル表示式の電子腕時計であって、定期的に標準電波を受信して時刻情報を修正する機能を備える電波時計である。
【0013】
電子時計1は、CPU(Central Processing Unit)41(補正手段、オフセット磁場検出判定手段、報知制御手段)と、ROM(Read Only Memory)42と、RAM(Random Access Memory)43と、発振回路44と、分周回路45と、操作部46と、表示部47(報知手段)及び表示ドライバ48と、ピエゾ素子49及びそのドライバ50と、LED(発光ダイオード)51及びそのドライバ52と、アンテナ53と、電波受信部54と、電源部55と、第1磁気センサ56と、第2磁気センサ57などを備える。
【0014】
CPU41は、電子時計1の全体動作を統括制御し、種々の演算処理を行う。CPU41は、時刻表示動作の制御や、電波受信部54が受信、復調した信号から時刻情報を解読して現在時刻データを修正する動作の制御に加えて、第1磁気センサ56及び第2磁気センサ57を用いた電子方位計としての機能動作の制御を行う。
【0015】
ROM42には、CPU41が実行する各種制御プログラムや、制御プログラムで用いられる初期設定データなどが格納されている。制御プログラムには、電子時計1を電子方位計として動作させる場合に実行される方位計測・表示プログラムが含まれる。また、初期設定データには、第1磁気センサ56及び第2磁気センサ57による磁場計測に係る出力値の出力感度やオフセット値の初期値が含まれる。
RAM43は、CPU41に作業用のメモリ空間を提供し、一時データや各種設定データを記憶する。RAM43に記憶される設定データには、第1磁気センサ56及び第2磁気センサ57の計測磁場におけるオフセット磁場の補正パラメータを同定する動作処理により得られたオフセット磁場の補正設定値が含まれ、補正量記憶部43aとして磁気センサごとに記憶されている。この補正設定値は、同定される度に上書き更新される。
【0016】
発振回路44は、所定の周波数信号を生成して出力する。この発振回路44には、例えば、水晶発振回路が用いられる。
分周回路45は、発振回路44から出力された周波数信号を電子時計1が使用する各種周波数の信号に分周してCPU41に出力する。例えば、CPU41は、分周回路45の所定の周波数信号をカウントすることで現在時刻を計数し、保持する。
【0017】
操作部46は、例えば、押しボタンスイッチを備え、ユーザの操作を受け付けて、電気信号に変換して入力信号としてCPU41に出力する。
表示部47は、例えば、液晶表示部を備えたデジタル表示画面である。表示部47は、CPU41から出力された制御信号に基づいて表示ドライバ48が出力する液晶駆動電圧信号に応じ、所望のパターンで各画素の表示状態が変更されて現在時刻といった各種情報を表示する。表示部47は、或いは、有機ELディスプレイなどの他の方式の表示画面であっても良い。表示ドライバ48は、表示部47の表示方式に応じて選択される。
【0018】
ピエゾ素子49(PZT)及びLED51は、それぞれ、ブザー音の発生及び発光によりユーザに報知動作を行うためのものである。CPU41からドライバ50、52に動作制御信号が送られると、ドライバ50、52は、ピエゾ素子49及びLED51を動作させるのに必要な電圧信号を出力する。
【0019】
アンテナ53は、長波長帯の電波を受信するためのものであり、例えば、フェライトコアに導線をコイル状に巻きつけたバーアンテナである。電波受信部54は、このアンテナ53を用いて受信された長波長帯の電波から所望の周波数の標準電波に係る信号を復調し、復調された時刻情報を示す符号列(タイムコード)信号をCPU41に出力する。
【0020】
電源部55は、小型のバッテリ電池であり、CPU41及び各部に所定の電力を供給する。
【0021】
第1磁気センサ56及び第2磁気センサ57は、例えば、磁気抵抗素子(MR素子)を用いた小型の半導体センサである。即ち、第1磁気センサ56及び第2磁気センサ57は、磁場に応じて変化する電気抵抗に基づく電圧値を出力し、この電圧値が磁場強度に変換されることで磁場が計測される。第1磁気センサ56及び第2磁気センサ57は、電圧値をそれぞれ磁場強度に変換する処理部を備えたチップであっても良いし、単純に電圧値を出力してCPU41が磁場強度に変換する構成であっても良い。ここでは、第1磁気センサ56及び第2磁気センサ57による出力電圧値がCPU41により取得されると、ROM42に記憶された初期値に基づいて所定の単位系における磁場に変換され、更に、補正量記憶部43aの補正設定値に基づいて正確な磁場強度や方位角度が算出される。
【0022】
第1磁気センサ56及び第2磁気センサ57としては、必要に応じて二軸センサ又は三軸センサが選択されて用いられる。本実施形態の電子時計1では、第1磁気センサ56及び第2磁気センサ57は、何れも表示部47の表示画面に平行な面内で直交する二軸(X軸、Y軸)方向の磁場を計測可能な二軸センサである。電子時計1の内部における軸の配置設定は、予めROM42に格納されて、所定の座標系における方位角度への変換に用いられる。この二軸の方向は、表示面に平行な面内で任意に配置可能であるが、本実施形態の電子時計1では、第1磁気センサ56と第2磁気センサ57とでこの二軸の方向が一致するように配置されている。
第1磁気センサ56及び第2磁気センサ57は、CPU41、ROM42及びRAM43などと共に、同一のチップ上に配置して形成することが可能である。
【0023】
図2は、電子時計1における磁気センサの配置を説明する図である。
【0024】
この電子時計1では、第1磁気センサ56と第2磁気センサ57とは、互いに離隔されて配置される。第1磁気センサ56及び第2磁気センサ57の何れも、又は、少なくとも一方は、電子時計1の内部に配置可能な範囲で着磁しやすい他の部品(着磁性を有する部品)から可能な限り離れた位置であって電子時計1の外縁付近に配置されることが好ましい。本実施形態の電子時計1で着磁しやすい部品としては、例えば、アンテナ53や電源部55が挙げられる。
【0025】
また、第1磁気センサ56及び第2磁気センサ57は、上述の着磁しやすい部品群に対して非対称の位置、且つ、着磁しやすい個々の部品に対して非対称の位置に配置されることが好ましい。第1磁気センサ56と第2磁気センサ57とが着磁しやすい部品に対して非対称に配置されることで、これらの部品の少なくとも何れかが着磁した場合に、第1磁気センサ56と第2磁気センサ57には地磁場に対して異なるオフセット磁場が重畳され、両磁気センサ56、57は、異なる強度及び方向の磁場を計測することになる。
【0026】
次に、本実施形態の電子時計1における補正アナウンス動作について説明する。
【0027】
電子時計1では、計測された磁場を補正するための補正設定値を同定する場合には、従来公知の同定方法の何れかが利用される。即ち、ユーザは、補正設定値の同定に必要な状態に電子時計1を移動保持して磁場の測定を行う必要がある。本実施形態の電子時計1では、この補正設定値を同定するための動作を行うべきタイミングであることを示す補正アナウンスが行われる。
【0028】
図3は、本実施形態の電子時計1における方位測定処理のCPU41による制御手順を示すフローチャートである。
【0029】
この方位測定処理は、ユーザによる操作部46の操作に基づきCPU41が方位測定命令を検出することで開始される。
方位測定処理が開始されると、先ず、CPU41は、第1磁気センサ56の出力データを取得し(ステップS11)、次いで、CPU41は、第2磁気センサ57の出力データを取得する(ステップS12)。CPU41は、ROM42及び補正量記憶部43aを参照し、予め設定記憶された感度、オフセット磁場、及び、補正設定値に基づき、第1磁気センサ56及び第2磁気センサ57の出力値を各計測軸方向の磁場強度の値に変換補正する(ステップS13)。
【0030】
CPU41は、補正された第1磁気センサ56のX軸方向の磁場強度(計測値)と、補正された第2磁気センサ57のX軸方向の磁場強度との差を算出する(ステップS14)。そして、CPU41は、この差の値が予め設定された値以上であるか否かを判別する(ステップS15)。この予め設定された値は、電子時計1に要求される計測精度に基づいて設定される値である。設定された値以上であると判別された場合には、CPU41の処理は、ステップS16に移行する。設定された値以上ではないと判別された場合には、CPU41の処理は、ステップS21に移行する。
【0031】
両磁気センサ56、57により計測されたX軸方向の磁場強度の差が設定された値以上であると判別された場合には(ステップS15で“YES”)、CPU41は、一時的なエラーである可能性を考慮して再度同様の処理を行う。即ち、CPU41は、第1磁気センサ56の出力データを取得し(ステップS16)、第2磁気センサ57の出力データを取得し(ステップS17)、両磁気センサ56、57の出力値を各軸方向の磁場強度の値に変換補正して(ステップS18)、X軸方向磁場強度の差分を算出する(ステップS19)。CPU41は、ステップS19の処理で算出された差分値が再び予め設定された値以上であるか否かを判別し(ステップS20)、設定値以上であると判別された場合には、処理をステップS26に移行させ、設定値以上ではないと判別された場合には、処理をステップS21に移行させる。
【0032】
ステップS15又はステップS20の判別処理において、X軸方向磁場強度の差分が設定値以上ではないと判別された場合(“NO”)には、CPU41は、再度、第1磁気センサ56の出力データを取得し(ステップS21)、また、第2磁気センサ57の出力データを取得する(ステップS22)。そして、CPU41は、両磁気センサ56、57から取得された出力値をROM42及び補正量記憶部43aに記憶された感度、オフセット値、及び、補正設定値に基づいてX軸、Y軸方向の磁場強度の値に変換補正し(ステップS23)、変換されたY軸方向磁場の強度の値の差分を算出する(ステップS24)。
【0033】
CPU41は、両磁気センサ56、57により計測されたY軸方向の磁場強度の差が予め設定された値以上であるか否かを判別する(ステップS25)。予め設定された値以上であると判別された場合には、CPU41の処理は、ステップS26に移行する。
【0034】
両磁気センサ56、57により計測されたX軸方向の磁場強度の差が予め設定された値以上であると判別された場合(ステップS20の判別処理で“YES”)、又は、両磁気センサ56、57により計測されたY軸方向の磁場強度の差が予め設定された値以上であると判別された場合(ステップS25の判別処理で“YES”)には、CPU41は、第1磁気センサ56及び第2磁気センサ57の各計測磁場の値に基づいてそれぞれ磁場方向の角度(方位角度)の値を算出する(ステップS26)。
【0035】
CPU41は、算出された方位角度の差が予め設定された値以上であるか否かを判別する(ステップS27)。角度差が予め設定された値以上であると判別された場合には、CPU41は、表示部47の表示画面に補正設定値の設定更新処理を行うようユーザに促す表示を行わせる制御信号を表示ドライバ48に出力する(ステップS28)。そして、CPU41は、方位測定処理を終了する。一方、算出された角度差が予め設定された値以上ではないと判別された場合には(ステップS27の判別処理で“NO”)、CPU41は、電子時計1が現在正確な磁場を計測可能な環境に無いことを示す表示を表示画面に表示させる制御信号を表示ドライバ48に出力する(ステップS29)。そして、CPU41は、方位測定処理を終了する。
【0036】
ステップS27の判別処理で基準とされる予め設定された角度差の値は、第1磁気センサ56及び第2磁気センサ57に磁場の異常検出を行わせる磁性体が電子時計1の内部にあるか否かを判定するために用いられる値である。即ち、第1磁気センサ56と第2磁気センサ57の計測した磁場方向が大きく異なる場合には、電子時計1の内部の磁化した部品により計測磁場の異常が生じていると判断され、第1磁気センサ56と第2磁気センサ57の計測した磁場方向が所定の角度範囲内にある場合には、電子時計1の外部磁場により異常な計測磁場が計測されていると判断される。この設定値は、電子時計1の内部に設けられた磁化しやすい部品の配置と当該各部品に想定される着磁の大きさに基づいて数値シミュレーションなどにより算出される。
【0037】
両磁気センサ56、57により計測されたY軸方向の磁場強度の差が予め設定された値以上ではないと判別された場合(ステップS25の判別処理で“NO”)には、CPU41は、両磁気センサ56、57又は予め設定された何れかのセンサの計測磁場の2軸方向の強度に基づいて所定の方向の方位角度を算出し(ステップS30)、算出された角度の値を表示部47に表示させる制御信号を表示ドライバ48に出力する(ステップS31)。即ち、計測された磁場は、許容される測定誤差範囲内であると判断されて、計測磁場に基づく通常の角度表示が行われる。そして、方位測定処理を終了する。
【0038】
なお、測定誤差範囲内での磁場計測が行われた場合には、一度の磁場測定及び表示に係る処理で終了せず、所定の時間間隔(サンプリング周波数)で方位角度の計測及び表示を繰り返して行わせることとしても良い。この場合には、上記の計測異常に係る検出処理を毎回実行する必要は無い。
【0039】
以上のように、本実施形態の電子時計1は、互いに離隔されて配置された第1磁気センサ56及び第2磁気センサ57を備え、第1磁気センサ56と第2磁気センサ57とにより計測された磁場の各軸方向の強度の差の何れかが設定値以上である場合(計測磁場の差が基準レベル以上の場合)には、計測値に補正されていないオフセット磁場が含まれているものと判断して、オフセット磁場の補正設定値を同定する動作を行うように促す表示を表示部47に行わせる。従って、ユーザに容易かつ適切に補正設定値の同定を行うタイミングを知得させることが出来る。
【0040】
また、適切なタイミングでユーザに補正設定値の同定を行わせることで、誤った方向の測定表示をユーザが正しい方向として信じてしまう問題を回避することができる。
【0041】
また、第1磁気センサ56と第2磁気センサ57をアンテナ53といった着磁しやすい部品に対して異なる方向に配置することで、この着磁しやすい部品が実際に着磁した場合に第1磁気センサ56と第2磁気センサ57とで異なる向きの磁場を計測することになるので、外部のオフセット磁場による略同一向きの計測磁場と識別することができる。
【0042】
また、更に、第1磁気センサ56と第2磁気センサ57をこれら着磁しやすい部品に対し、それぞれ、且つ、全体として非対称な位置に配置することで、複数の着磁しやすい部品が含まれる場合に、これらのうち何れが着磁した場合でも、第1磁気センサ56と第2磁気センサ57とで異なる向きの磁場を計測して、部品の着磁有無を判断することができる。
【0043】
また、第1磁気センサ56と第2磁気センサ57によりそれぞれ計測された磁場の向きの違いから、着磁によるオフセット磁場と外部起源のオフセット磁場とを判別し、判別の結果に応じて異なる報知を行うことができるので、補正設定値の同定タイミングを報知するだけではなく、磁場計測を行う場所やユーザの所持する磁性品についての注意を促すことも出来る。
【0044】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の電子時計1について説明する。
第2実施形態の電子時計1は、方位測定処理の内容が一部異なる点を除き第1実施形態の電子時計1と同一である。同一の構成及び制御内容については、同一の符号を用いることとして、詳しい説明を省略する。
【0045】
図4は、第2実施形態の電子時計1における方位測定処理のCPU41による制御手順を示すフローチャートである。
この第2実施形態の電子時計1における方位測定処理は、ステップS13とステップS14の処理の間にステップS33の判別処理が追加されている点を除いて第1実施形態の電子時計1における方位測定処理と同一であり、同一の符号を付して説明を省略する。
【0046】
ステップS11〜S13の処理で、両磁気センサ56、57による計測値から磁場の値が取得されると、CPU41は、前回の報知動作が行われてから所定時間内であるか否かを判別する(ステップS33)。所定の時間内ではないと判別された場合には、CPU41の処理は、ステップS14に移行する。所定の時間内であると判別された場合には、CPU41の処理は、ステップS30に移行する。即ち、前回の報知動作から所定の時間内には、再度の判定及び報知動作を行わないで、測定された磁場に基づいてそのまま所定の方角に係る表示が行われる。
ここで、第2実施形態の電子時計1では、報知動作が行われた場合には、CPU41は、この報知動作を行わせた時刻をRAM43に記憶させておき、ステップS33の処理においてこの時刻データと現在時刻データとを取得して経過時間を計数すればよい。
【0047】
このように、第2実施形態の電子時計1では、一度補正設定値の同定を促すアナウンスを行った後に、同日中などの所定期間には再度のオフセット磁場の検出処理を行わないことで、不要な処理に係る負荷を軽減させることができる。また、ユーザが意図的に補正設定値の同定を行わない場合に繰り返し報知する手間を省くことができる。
【0048】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の電子時計1について説明する。
第3実施形態の電子時計1は、方位測定処理の内容が一部異なる点を除き第1実施形態の電子時計1と同一である。同一の構成及び制御内容については、同一の符号を用いることとして、詳しい説明を省略する。
【0049】
図5は、第3実施形態の電子時計1における方位測定処理のCPU41による制御手順を示すフローチャートである。
この第3実施形態の電子時計1における方位測定処理は、ステップS27の処理がステップS27aの処理に変更されている点を除いて第1実施形態の電子時計1における方位測定処理と同一であり、同一の符号を付して説明を省略する。
【0050】
ステップS26の処理に続いて、CPU41は、両磁気センサ56、57で計測された方角の角度差が設定値以上であり、且つ、前回ユーザにより補正設定値の取得動作が行われてから所定時間が経過しているか否かを判別する(ステップS27a)。そして、何れの条件も満たされていると判別された場合にのみ、CPU41の処理は、ステップS28に移行する。一方、角度差が設定値以上ではないか、又は、補正設定値の取得動作が行われてから所定時間が経過していないと判別された場合には、CPU41の処理は、ステップS29に移行する。即ち、補正設定値の同定に係る動作が行われてからあまり時間が経っていないにも関わらず、再度オフセット磁場が検出された場合には、両磁気センサ56、57により計測された角度の差によらず、CPU41は、電子時計1が方角の測定を行うことができない環境にあることを示す報知を行う。
ここで、CPU41は、補正設定値の同定に係る動作が行われて求められた補正設定値を補正量記憶部43aに記憶させる際、この動作が行われた時刻を合わせて記憶させておくことができる。
【0051】
このように、第3実施形態の電子時計1によれば、一度オフセット磁場に係る補正設定値が更新された後に再びオフセット磁場の存在を検出した場合に、当該オフセット磁場が外部起源のオフセット磁場であると判断することで、着磁によるオフセット磁場と外部起源のオフセット磁場の両者が存在する場合や、何れのオフセット磁場であるかの判別が難しい場合などでも、着磁の影響がありうる場合の補正設定値の同定を確実に行わせつつ、補正設定値の同定に係る動作でオフセット磁場の影響が解消されない場合の不要な繰り返し動作を避けることができる。
【0052】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、二軸センサを例に挙げて説明したが、三軸センサを備える電子時計1の場合には、両磁気センサ56、57のZ軸方向の計測磁場についても同様に磁場強度への換算及び差分の算出を行い、設定値以上のずれが検出された場合には、両磁気センサ56、57による三次元方向の計測角度を求めて処理方法を判別することとしても良い。
【0053】
また、上記実施の形態では、MR素子を用いた磁気センサについて説明したが、ホール素子などの他の素子を用いた磁気センサであっても良い。また、磁気センサには、計測精度を向上させるために付加される周知の構成、例えば、温度センサと温度補償回路などが含まれていても良い。
【0054】
また、上記実施の形態では、2個の磁気センサ56、57を用いた例を挙げて説明したが、電子時計1の内部における着磁状態をより正確に検出する必要がある場合には、電子時計1のサイズ、消費電力や、CPU41の負荷とのバランスが取れる範囲内で3個以上の磁気センサを用いることとしても良い。
【0055】
また、上記実施の形態では、デジタル表示画面に時刻や方位角度情報を表示させるデジタル電子時計を例に挙げて説明したが、指針を用いて時刻や方角を表示するアナログ電子時計でもよい。この場合には、指針を回転動作させるステッピングモータのステータ等も着磁性部品として考慮する必要があるとともに、指針動作時に発生する磁場の影響を受けないように第1磁気センサ56及び第2磁気センサ57の出力データの取得タイミングを適切に制御する必要がある。
【0056】
また、本発明の電子方位計の実施形態としては、電子時計に限られず、他の携帯型電子機器でも良い。例えば、加速度センサなどの他の計測機器と組み合わされた電子歩数計測器やナビゲーション機器であっても良い。
【0057】
また、内部部品の着磁と外部磁場の影響との間での判別を行わず、より簡便に、何れの場合であっても補正設定値の同定に係る動作の実行を促す表示を行わせる構成であっても良い。
【0058】
また、ピエゾ素子49やLED51を報知手段に含み、補正設定値の同定に係る動作の実行を促す表示部47への表示と共にこれらを同時に動作させて、よりユーザに分かりやすく補正設定値の同定タイミングを報知させることとしても良い。
【0059】
また、上記の第2実施形態では、一度オフセット磁場が検出されたことを示す報知がなされると、所定時間の間、報知を一切行わない構成としたが、報知済みの標識と共に通常の方角表示を行わせることとしても良い。
【0060】
また、上記実施の形態では、2つの磁気センサ56、57の計測値について、X軸方向又はY軸方向の磁場強度に違いを検出した後に磁場方向の違いを検出する手順としたが、これに限られない。はじめから磁場強度及び磁場の方向を算出し、両者、又は、何れかの違いに基づいてオフセット磁場の検出を行うこととしても良い。
【0061】
また、上記実施の形態では、X軸方向の磁場強度差が設定値より大きい場合には、再度の確認を行うこととしたが、同様に、Y軸方向の磁場強度差が設定値よりも大きい場合にも同様の確認を行う制御手順とすることができる。また、外部の交流磁場がオフセット値として計測されている場合には、磁場強度差が計測タイミングごとに変化してオフセット磁場の存在が不連続に検出される場合がある。このような場合に対応するために、例えば、複数回計測された磁場強度差の二乗平均を比較することとしてもよい。
その他、上記実施の形態で示した具体的な構成、配置や動作手順などの細部は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能である。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0063】
[付記]
<請求項1>
互いに離隔されて配置された複数の磁気センサと、
これらの磁気センサによる計測磁場を、前記磁気センサのオフセット磁場に応じて予め同定された補正設定値に基づいてそれぞれ補正する補正手段と、
所定の報知動作を行う報知手段と、
前記補正手段により補正された前記複数の磁気センサによる計測磁場に基準レベル以上の差があるか否かを判定するオフセット磁場検出判定手段と、
前記基準レベル以上の差があると判定された場合に、前記複数の磁気センサに係る前記補正設定値を同定するための所定の動作の実行を促す報知動作を前記報知手段に行わせる報知制御手段と
を備えることを特徴とする電子方位計。
<請求項2>
前記複数の磁気センサは、着磁性を有する部品に対して異なる方向に配置されることを特徴とする請求項1記載の電子方位計。
<請求項3>
前記複数の磁気センサは、着磁性を有する部品に対して非対称の位置に配置されることを特徴とする請求項1又は2記載の電子方位計。
<請求項4>
前記オフセット磁場検出判定手段は、前記複数の磁気センサによる計測磁場の違いに基づいて、オフセット磁場が前記着磁性を有する部品の何れかの着磁によるものであるか否かを判別し、
前記報知制御手段は、この判別結果に応じた報知動作を前記報知手段に行わせる
ことを特徴とする請求項2又は3記載の電子方位計。
<請求項5>
前記所定の動作が実行されてから所定の時間内に、前記基準レベル以上の差があると判定された場合には、
前記報知制御手段は、前記判別の結果にかかわらず、前記着磁性を有する部品の着磁によるものではないオフセット磁場が含まれることを示す報知動作を行わせる
ことを特徴とする請求項4記載の電子方位計。
<請求項6>
前記オフセット磁場検出判定手段は、前記報知動作が行われてから所定の時間内には、前記複数の磁気センサによる計測磁場の比較判定を行わないことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の電子方位計。