(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
潜像保持体、前記潜像保持体表面を帯電する帯電手段、及び、前記潜像保持体表面に残存するトナーを除去するためのクリーニング手段、からなる群より選択される少なくとも一種と、
請求項3に記載の静電荷像現像剤を収納すると共に潜像保持体表面に形成された静電荷像を前記静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、
を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の静電荷像現像用キャリア、静電荷像現像剤、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法の実施形態について詳細に説明する。
【0020】
<静電荷像現像用キャリア>
本実施形態の静電荷像現像用キャリア(以下、単に「キャリア」と称することがある)は、BET比表面積が0.15m
2/g以上0.30m
2/g以下の芯材粒子と、ポリメタクリル酸シクロヘキシル樹脂を含み空隙率が2%以上10%以下であり前記芯材粒子を被覆する被覆層と、を有し、揮発性有機化合物の含有量が500ppm以下とされたものである。
【0021】
近年のように電子写真法の使用状況が多様化する中では、大量画像枚数を連続して出力することを要求される場合もある。電子写真法における連続出力では、使用するキャリアに対して大きなストレスがかかることになり、樹脂による被覆層を有するキャリアでは被覆層を形成する樹脂の脱離が発生することがある。その結果、この脱離した樹脂が部材へ付着し画像劣化を引き起こすことになる。脱離抑制のためには、芯材粒子の表面性を粗くすることでアンカー効果を利用して被覆膜強度を向上させる手段が試みられているが、乾式製法では、その性格上、被覆層中に空隙が発生しやすく、被覆膜強度が向上させられないことがある。
一方、乾式製法で製造される静電荷像現像用キャリアについては、製造過程でトルエンなどの溶剤を使用しないため、製造される静電荷像現像用キャリアにトルエンなどの溶剤を含まない。そのため、環境安全性などに優れ、現在、要求が高く、乾式製法による製造は重要である。
【0022】
本発明者等は、鋭意検討の結果、上述の本実施形態のキャリアによれば、被覆層の剥がれによる画像欠損の発生が抑制されることを見出した。その理由は明確ではないが、以下のように推察される。
芯材粒子表面が樹脂で被覆された樹脂被覆型キャリアを製造する方法としては、湿式製法と乾式製法とが挙げられる。湿式製法によると、被覆層の空隙率が乾式製法に比較して小さくなる。そのため、乾式製法により製造された樹脂被覆型キャリアの被覆層に比較して、湿式製法により製造された樹脂被覆型キャリアの被覆層の強度は高いと推察される。しかし、被覆層の空隙率が小さいと、被覆層の脱離は起こりにくいものの、一端脱離が起こるとその規模が大きく(即ち、個々の脱離片が大きく)、脱離した被覆層に起因する画像欠陥が生ずる場合がある。一方、被覆層の空隙率が大きいと、被覆層の脱離は起こりやすいもののその規模は小さく(即ち、個々の脱離片が小さく)、脱離した被覆層に起因する画像欠陥が生じにくい。上記理由から、本実施形態のキャリアによれば、被覆層の剥がれによる画像欠損の発生が抑制されると推察される。
【0023】
本実施形態のキャリアは、芯材粒子がポリメタクリル酸シクロヘキシル樹脂を含む被覆層で被覆される。ポリメタクリル酸シクロヘキシル樹脂は低吸湿性であることから、環境差の大きな使用状況下でも、安定した画像出力が確保される。
本実施形態で用いられるポリメタクリル酸クロヘキシル樹脂は、メタクリル酸シクロヘキシルを単独で重合させて得られたものであってもよいし、メタクリル酸シクロヘキシルとメタクリル酸シクロヘキシル以外のその他の単量体との共重合体であってもよい。ポリメタクリル酸シクロヘキシル樹脂が共重合体である場合の、ポリメタクリル酸シクロヘキシル樹脂に占めるメタクリル酸シクロヘキシル由来の繰り返し単位の割合は、50モル%以上100モル%以下が望ましく、70モル%以上100モル%以下がさらに望ましく、80モル%以上100モル%以下が特に望ましい。
また、メタクリル酸シクロヘキシル以外のその他の単量体としては、例えば、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。これらの中でも、メタクリル酸メチルが望ましい。
【0024】
ポリメタクリル酸シクロヘキシル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による分子量測定(ポリスチレン換算)で、1万以上10万以下が望ましく、3万以上9万以下がさらに望ましく、4万以上8万以下が特に望ましい。
【0025】
本実施形態のキャリアの被覆層には、必要に応じて、ポリメタクリル酸シクロヘキシル樹脂以外のその他の樹脂を併用してもよい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等ポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン等のポリビニル系又はポリビニリデン系樹脂;塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、スチレン・アクリル酸共重合体;オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコン樹脂又はその変性品;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;尿素・ホルムアルデヒド樹脂等のアミノ樹脂;エポキシ樹脂などが挙げられる。
ポリメタクリル酸シクロヘキシル樹脂以外のその他の樹脂を併用する場合、被覆層に占めるポリメタクリル酸シクロヘキシル樹脂の割合は、50質量%以上100質量%以下が望ましく、70質量%以上100質量%以下がさらに望ましく、80質量%以上100質量%以下が特に望ましい。なお、ポリメタクリル酸シクロヘキシル樹脂以外のその他の樹脂を併用する場合には、ポリメタクリル酸シクロヘキシル樹脂としては、メタクリル酸シクロヘキシルを単独で重合させて得られたものであってもよい。
【0026】
本実施形態のキャリアは、芯材粒子と、この芯材粒子を被覆する被覆層と、を有する樹脂コート型キャリアである。ここで使用する芯材粒子としては、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられる。
【0027】
本実施形態における芯材粒子のBET比表面積は、0.15m
2/g以上0.30m
2/g以下とされる。芯材粒子のBET比表面積が0.15m
2/g未満であると、被覆層が脱離する問題を生ずることがある。一方、芯材粒子のBET比表面積が0.30m
2/gを超えると、被覆層は脱離しにくいものの、一端脱離すると大きな脱離になる問題を生ずることがある。
上記範囲のBET比表面積の芯材粒子を用いることで、アンカー効果を利用した芯材粒子への被覆樹脂の密着をもっとも確保することができ、被覆膜強度の低下が抑制される。
【0028】
本実施形態において、芯材粒子のBET比表面積の測定条件は以下の通りである。
BET比表面積は、窒素置換法によって測定された値をいう。具体的には、SA3100比表面積測定装置(ベックマンコールター(株)製)を用いて、3点法にて測定した。芯材粒子として5gをセルに入れ、60℃120分の脱気処理を行い、窒素とヘリウムの混合ガス(30:70 体積比)を用いて測定した。
【0029】
本実施形態に係る被覆層の空隙率は、2%以上10%以下とされるが、2%以上9以下が望ましく、2%以上8%以下がさらに望ましい。
被覆層の空隙率が2%未満であると、被覆層の脱離は問題ないものの、一端脱離すると大きな脱離になる問題を生ずることがある。一方、被覆層の空隙率が10%を超えると、被覆層が脱離する問題を生ずることがある。
【0030】
本実施形態において、被覆層の空隙率の測定方法及び測定条件は以下の通りである。
キャリア粒子について、クロスセクションポリッシャー(日立社製 E-3500)を用いて、キャリア断面について平滑面を形成し、更にFE−SEM(S4100:日立社製)を用いて1000倍で撮影し、この撮影によって得られた画像を、LuzexIII(ニレコ社製)にて画像解析し、AREA−H(穴の面積)、AREA(画像面積)を測定し、以下の式より内部空隙率を求めた。
内部空隙率(%)=100×AREA−H(穴の面積)/AREA(画像面積)
【0031】
被覆層を芯材粒子表面に形成する方法としては、溶剤を用いて、後に溶剤を除去する方法ではなく、溶剤を用いない方法、例えば、芯材粒子を被覆樹脂とともに溶融混練して被覆する溶融混練法、ニーダーコーター中で芯材粒子と被覆樹脂を混合するニーダーコーター法などが挙げられる。
本実施形態では、これらの溶剤を用いない方法を溶剤製法(湿式製法)に対して乾式製法と総称する。
本実施形態の乾式製法では、あらかじめ、芯材粒子と樹脂材料を20℃以上30℃以下の環境下で複数回に分けて予備撹拌を実施してから溶融混練させてもよい。これにより、被覆層中の空穴が少なくなり、被覆膜強度が向上する。
【0032】
乾式製法を採用することで、本実施形態のキャリアの揮発性有機化合物の含有量が、容易に500ppm以下とされる。本実施形態においては、揮発性有機化合物の含有量は、300ppm以下が望ましく、100ppm以下がさらに望ましい。また、吸水性の抑制の理由から揮発性有機化合物の含有量は10ppm以上が望ましい。
【0033】
本実施形態において、キャリアの揮発性有機化合物の含有量の測定方法及び測定条件は以下の通りである。
揮発性有機化合物濃度(含有量)は、キャリアサンプル2gを用いてGC−2010(島津製作所製ガスクロマトグラフ質量分析装置)で測定した。
【0034】
本実施形態のキャリアにおける被覆層の膜厚は、0.1μm以上10μm以下が望ましく、さらに望ましくは0.3μm以上5μm以下の範囲である。本実施形態のキャリアの芯材粒子の平均粒子径は、10μm以上500μm以下が望ましく、さらに望ましくは30μm以上150μm以下の範囲である。
【0035】
本実施形態のキャリアの体積平均粒子径としては、15μm以上510μm以下が望ましい。
【0036】
また、本実施形態のキャリアの被覆層には、帯電を制御する目的などで樹脂粒子などを併用してもかまわない。樹脂粒子は特に限定されるものではないが、帯電制御付与性のあるものが好ましく、例えば、メラミン樹脂粒子、尿素樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子、ポリエステル樹脂粒子、アクリル樹脂粒子などが挙げられる。
【0037】
また、本実施形態のキャリアの被覆層には、抵抗を制御する目的などでカーボンブラックなどの導電材料を併用してもかまわない。カーボンブラック以外には、例えば、金、銀、銅といった金属や、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、アンチモンをドープされた酸化錫、錫をドープされた酸化インジウム、アルミニウムをドープされた酸化亜鉛、金属で被覆した樹脂粒子等が例示される。
【0038】
<静電荷像現像剤>
本実施形態の静電荷像現像剤(以下、単に「現像剤」と称することがある)は、本実施形態のキャリアと静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」と称することがある)とを含有する。本実施形態の現像剤は、本実施形態のキャリアおよびトナーを適当な配合割合で混合することにより調製される。キャリアの含有量((キャリア)/(キャリア+トナー)×100)としては、85質量%以上99質量%以下の範囲が望ましく、より望ましくは87質量%以上98質量%の範囲、さらに望ましくは89質量%以上97質量%以下の範囲である。
【0039】
以下、本実施形態の現像剤に用いられるトナーについて説明する。
本実施形態のトナーは、結着樹脂と着色剤を主成分として構成される。使用される結着樹脂としては、スチレン、クロルスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酢酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類等の単独重合体又は共重合体が挙げられる。
【0040】
特に、代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン・アクリル酸アルキル共重合体、スチレン・メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン・アクリロニトリル共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンが挙げられる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィン、ワックス類が挙げられる。
【0041】
上記結着樹脂は、軟化温度が70℃以上150℃以下、ガラス転移温度が40℃以上70℃以下、数平均分子量が2000以上50000以下、重量平均分子量が8000以上150000以下、酸価が5以上30以下、水酸基価が5以上40以下の範囲にあることが望ましい。
【0042】
トナーの代表的な着色剤としては、カーボンブラック、ニグロシン、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーン・オキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド122 、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:3などが挙げられる。
【0043】
トナー粒子の製造は、例えば、結着樹脂と、着色剤、及び必要に応じて離型剤、帯電制御剤等とを混練、粉砕、分級する混練粉砕法;混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力又は熱エネルギーにて形状を変化させる方法;結着樹脂を乳化して分散した分散液と、着色剤、及び必要に応じて離型剤、帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化凝集法;結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、及び必要に応じて離型剤、帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法;結着樹脂を得るための重合性単量体と、着色剤、及び必要に応じて離型剤、帯電制御剤等の溶液とを水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法;結着樹脂と着色剤、及び必要に応じて離型剤、帯電制御剤等の溶液とを水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法;等が使用される。
また上記方法で得られたトナー粒子をコアにして、さらに樹脂粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造を持たせる製造方法を行ってもよい。これらの中でも、本実施形態のトナーは、乳化凝集法、又は、乳化重合凝集法により得られたトナー(乳化凝集トナー)であることが望ましい。
【0044】
これらのトナー粒子には、シリカ、チタニア、アルミナ等の流動化剤や、ポリスチレン粒子、ポリメチルメタクリレート粒子、ポリフッ化ビニリデン粒子等のクリーニング助剤若しくは転写助剤等の外添剤を添加してもよい。トナー粒子に外添剤が添加されることでトナーが得られる。特に、一次平均粒子径が5nm以上30nm以下の疎水性シリカが好ましく用いられる。
【0045】
また、添加剤としては、サリチル酸金属塩、含金属アゾ化合物、ニグロシンや四級アンモニウム塩等の電荷制御剤や、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、高分子アルコール等のオフセット防止剤などの成分を添加してもよい。特に、重量平均分子量が500以上5000以下の低分子量ポリプロピレンが望ましい。本実施形態のトナーの平均粒子径は、30μmより小さく、望ましくは4μm以上20μm以下の範囲が適している。
【0046】
本実施形態のトナーは、形状係数SF1が110以上145以下であることが望ましく、より望ましくは115以上140以下であり、更に望ましくは120以上135以下である。形状係数SF1が110以上145以下であれば、解像性に優れる画像が形成される。
形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査電子顕微鏡画像を画像解析装置によって解析することによって数値化され、例えば、次のようにして求められる。形状係数SF1の測定は、まず、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像を、ビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個以上の粒子について下記式のSF1を計算し、平均値を求めることにより得られる。
【0047】
SF1=(ML
2/A)×(π/4)×100
ここでMLは粒子の絶対最大長、Aは粒子の投影面積である。
【0048】
<画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ>
本実施形態の画像形成装置は、潜像保持体と、前記潜像保持体表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記潜像保持体表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、前記静電荷像を本実施形態の静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に前記トナー像を定着する定着手段と、を備えるものである。本実施形態の画像形成装置は、必要に応じて潜像保持体表面に残存するトナーを除去するためのクリーニング手段等を含むものであってもよい。
【0049】
なお、この画像形成装置において、例えば前記現像手段を含む部分が、画像形成装置本体に対して脱着可能なカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよく、該プロセスカートリッジとしては、潜像保持体、前記潜像保持体表面を帯電する帯電手段、及び、前記潜像保持体表面に残存するトナーを除去するためのクリーニング手段、からなる群より選択される少なくとも一種と、本実施形態の静電荷像現像剤を収納すると共に潜像保持体表面に形成された静電荷像を前記静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、を備え、画像形成装置に着脱される、本実施形態のプロセスカートリッジが好適に用いられる。
【0050】
本実施形態の画像形成装置により、潜像保持体表面を帯電する帯電工程と、帯電された前記潜像保持体表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、前記静電荷像を本実施形態の静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に前記トナー像を定着する定着工程と、を含む本実施形態の画像形成方法が実施される。
【0051】
以下、本実施形態の画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。
図1は、第一実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。画像形成装置301は、帯電部310と、露光部312と、潜像保持体である電子写真感光体314と、現像部316と、転写部318と、クリーニング部320と、定着部322とを備える。
【0052】
画像形成装置301において、電子写真感光体314の周囲には、電子写真感光体314の表面を帯電する帯電手段である帯電部310と、帯電された電子写真感光体314を露光し画像情報に応じて静電荷像を形成する静電荷像形成手段である露光部312と、静電荷像を現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段である現像部316と、電子写真感光体314の表面に形成されたトナー像を記録媒体324の表面に転写する転写手段である転写部318と、転写後の電子写真感光体314表面上に残存したトナー等の異物を除去して電子写真感光体314の表面を清掃するクリーニング手段であるクリーニング部320とがこの順で配置されている。また、記録媒体324に転写されたトナー像を定着する定着手段である定着部322が転写部318の側方に配置されている。
【0053】
本実施形態の画像形成装置301の動作について説明する。まず、帯電部310により電子写真感光体314の表面が帯電される(帯電工程)。次に、露光部312により電子写真感光体314の表面に光が当てられ、光の当てられた部分の帯電電荷が除去され、画像情報に応じて静電荷像が形成される(静電荷像形成工程)。その後、静電荷像が現像部316により現像され、電子写真感光体314の表面にトナー像が形成される(現像工程)。例えば、電子写真感光体314として有機感光体を用い、露光部312としてレーザビーム光を用いたデジタル式電子写真複写機の場合、電子写真感光体314の表面は、帯電部310により負電荷を付与され、レーザビーム光によりドット状にデジタル潜像が形成され、レーザビーム光の当たった部分に現像部316でトナーを付与され可視像化される。この場合、現像部316にはマイナスのバイアスが印加されている。次に転写部318で、用紙等の記録媒体324がこのトナー像に重ねられ、記録媒体324の裏側からトナーとは逆極性の電荷が記録媒体324に与えられ、静電気力によりトナー像が記録媒体324に転写される(転写工程)。転写されたトナー像は、定着部322において定着部材により熱および圧力が加えられ、記録媒体324に融着されて定着される(定着工程)。一方、転写されずに電子写真感光体314の表面に残存したトナー等の異物はクリーニング部320で除去される(クリーニング工程)。この帯電からクリーニングに至る一連のプロセスで一回のサイクルが終了する。なお、
図1において、転写部318で用紙等の記録媒体324に直接トナー像が転写されているが、中間転写体等の転写体を介して転写されてもよい。
【0054】
以下、
図1の画像形成装置301における帯電手段、潜像保持体、静電荷像形成手段(露光手段)、現像手段、転写手段、クリーニング手段、定着手段について説明する。
【0055】
(帯電手段)
帯電手段である帯電部310としては、例えば、
図1に示すようなコロトロンなどの帯電器が用いられるが、導電性または半導電性の帯電ロールを用いてもよい。導電性または半導電性の帯電ロールを用いた接触型帯電器は、電子写真感光体314に対し、直流電流を印加するか、交流電流を重畳させて印加してもよい。例えばこのような帯電部310により、電子写真感光体314との接触部近傍の微小空間で放電を発生させることにより電子写真感光体314表面を帯電させる。なお、通常は、−300V以上−1000V以下に帯電される。また前記の導電性または半導電性の帯電ロールは単層構造あるいは多重構造でもよい。また、帯電ロールの表面をクリーニングする機構を設けてもよい。
【0056】
(潜像保持体)
潜像保持体は、少なくとも潜像(静電荷像)が形成される機能を有する。潜像保持体としては、電子写真感光体が好適に挙げられる。電子写真感光体314は、円筒状の導電性の基体外周面に有機感光体等を含む塗膜を有する。塗膜は、基体上に、必要に応じて下引き層、および、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とを含む感光層がこの順序で形成されたものである。電荷発生層と電荷輸送層の積層順序は逆であってもよい。これらは、電荷発生物質と電荷輸送物質とを別個の層(電荷発生層、電荷輸送層)に含有させて積層した積層型感光体であるが、電荷発生物質と電荷輸送物質との双方を同一の層に含む単層型感光体であってもよく、望ましくは積層型感光体である。また、下引き層と感光層との間に中間層を有していてもよい。また、有機感光体に限らずアモルファスシリコン感光膜等他の種類の感光層を使用してもよい。
【0057】
(静電荷像形成手段)
静電荷像形成手段(露光手段)である露光部312としては、特に制限はなく、例えば、潜像保持体表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光源を、所望の像様に露光する光学系機器等が挙げられる。
【0058】
(現像手段)
現像手段である現像部316は、潜像保持体上に形成された潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する機能を有する。そのような現像装置としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択すればよいが、例えば、静電荷像現像用トナーをブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体314に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。電子写真感光体314には、通常直流電圧が使用されるが、さらに交流電圧を重畳させて使用してもよい。
【0059】
(転写手段)
転写手段である転写部318としては、例えば、
図1に示すように記録媒体324の裏側からトナーとは逆極性の電荷を記録媒体324に与え、静電気力によりトナー像を記録媒体324に転写するもの、あるいは記録媒体324に直接接触して転写する導電性または半導電性のロール等を用いた転写ロールおよび転写ロール押圧装置を用いればよい。転写ロールには、潜像保持体に付与する転写電流として、直流電流を印加してもよいし、交流電流を重畳させて印加してもよい。転写ロールは、帯電すべき画像領域幅、転写帯電器の形状、開口幅、プロセススピード(周速)等に基づいて設定すればよい。また、低コスト化のため、転写ロールとして単層の発泡ロール等が好適に用いられる。転写方式としては、紙等の記録媒体324に直接転写する方式でも、中間転写体を介して記録媒体324に転写する方式でもよい。
【0060】
中間転写体としては、公知の中間転写体を用いればよい。中間転写体に用いられる材料としては、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアルキレンフタレート、PC/ポリアルキレンテレフタレート(PAT)のブレンド材料、エチレンテトラフロロエチレン共重合体(ETFE)/PC、ETFE/PAT、PC/PATのブレンド材料等が挙げられるが、機械的強度の観点から熱硬化ポリイミド樹脂を用いた中間転写ベルトが望ましい。
【0061】
(クリーニング手段)
クリーニング手段であるクリーニング部320については、潜像保持体上の残留トナー等の異物を清掃するものであれば、ブレードクリーニング方式、ブラシクリーニング方式、ロールクリーニング方式を採用したもの等、選定して差し支えない。
【0062】
(定着手段)
定着手段(画像定着装置)である定着部322としては、記録媒体324に転写されたトナー像を加熱、加圧あるいは加熱加圧により定着するものであり、定着部材を具備する。
【0063】
(記録媒体)
トナー像を転写する記録媒体324としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録媒体の表面も平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等を使用してもよい。
【0064】
また特公平2−21591で提案されているトリクル現像と組み合わせることにより、更に長期に安定した画像形成がなされる。
【0065】
図2は、第二実施形態に係る画像形成装置である4連タンデム方式のカラー画像形成装置を示す概略構成図である。
図2に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置本体に対して脱着可能なプロセスカートリッジであってもよい。
【0066】
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ローラ22および中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24に巻きつけて設けられ、第1のユニット10Yから第4のユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。尚、支持ローラ24は、図示しないバネ等により駆動ローラ22から離れる方向に力が加えられており、両者に巻きつけられた中間転写ベルト20に張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ローラ22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが供給される。
【0067】
上述した第1乃至第4のユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1のユニット10Yについて代表して説明する。尚、第1のユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
【0068】
第1のユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ローラ2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yよって露光して静電荷像を形成する露光装置(静電荷像形成手段)3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段)4Y、現像したトナー像を中間転写ベルト20上に転写する1次転写ローラ5Y(1次転写手段)、および1次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段)6Yが順に配置されている。
尚、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
【0069】
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。まず、動作に先立って、帯電ローラ2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800V程度の電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10
−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
【0070】
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
このようにして感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
【0071】
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロートナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤が収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。
現像効率、画像粒状性、階調再現性等の観点から、直流成分に交流成分を重畳させたバイアス電位(現像バイアス)を現像剤保持体に付与してもよい。具体的には、現像剤保持体直流印加電圧Vdcを−300乃至−700Vとしたとき、現像剤保持体交流電圧ピーク幅Vp−pを0.5乃至2.0kVの範囲としてもよい。
イエローのトナー像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー像が予め定められた1次転写位置へ搬送される。
【0072】
感光体1Y上のイエロートナー像が1次転写位置へ搬送されると、1次転写ローラ5Yに1次転写バイアスが印加され、感光体1Yから1次転写ローラ5Yに向う静電気力がトナー像に作用され、感光体1Y上のトナー像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μA程度に制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
【0073】
また、第2のユニット10M以降の1次転写ローラ5M、5C、5Kに印加される1次転写バイアスも、第1のユニットに準じて制御されている。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
【0074】
第1乃至第4のユニットを通して4色のトナー像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト内面に接する支持ローラ24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された2次転写ローラ(2次転写手段)26とから構成された2次転写部へと至る。一方、記録紙(記録媒体)Pが供給機構を介して2次転写ローラ26と中間転写ベルト20とが圧接されている隙間に予め定められたタイミングで給紙され、2次転写バイアスが支持ローラ24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー像が記録紙P上に転写される。尚、この際の2次転写バイアスは2次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
【0075】
この後、記録紙Pは定着装置(ロール状定着手段)28における一対の定着ロールの圧接部(ニップ部)へと送り込まれトナー像が加熱され、色重ねしたトナー像が溶融されて、記録紙P上へ定着される。
【0076】
トナー像を転写する記録媒体としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。
【0077】
カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介してトナー像を記録紙Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー像が記録紙に転写される構造であってもよい。
【0078】
図3は、本実施形態の静電荷像現像剤を収容するプロセスカートリッジの好適な一例の実施形態を示す概略構成図である。プロセスカートリッジ200は、現像装置111とともに、感光体107、帯電ローラ108、感光体クリーニング装置113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を取り付けレール116を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。なお、
図2において符号300は記録媒体を示す。
そして、このプロセスカートリッジ200は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。
【0079】
図3で示すプロセスカートリッジ200では、感光体107、帯電装置108、現像装置111、クリーニング装置113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を備えているが、これら装置は選択的に組み合わせてもよい。本実施形態のプロセスカートリッジでは、現像装置111のほかには、感光体107、帯電装置108、クリーニング装置(クリーニング手段)113から構成される群から選択される少なくとも1種を備えてもよい。
【0080】
次に、トナーカートリッジについて説明する。トナーカートリッジは、画像形成装置に着脱可能に装着され、少なくとも、前記画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するためのトナーを収容するものである。なお、トナーカートリッジには少なくともトナーが収容されればよく、画像形成装置の機構によっては、例えば現像剤が収められてもよい。
【0081】
なお、
図2に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kの着脱が可能な構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収納されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジが交換される。
【実施例】
【0082】
以下、実施例および比較例を挙げ、本実施形態をより具体的に詳細に説明するが、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
【0083】
(キャリア1の製造)
フェライト粒子(パウダーテック社製、BET比表面積0.20m
2/g、平均粒子径50μm): 100部
ポリメタクリル酸シクロヘキシル樹脂(積水化成品工業社製、重量平均分子量6万、メタクリル酸シクロヘキシル由来の繰り返し単位の割合100モル%): 0.8部
樹脂粒子(メラミン樹脂粒子、体積平均粒子径100nm): 0.3部
【0084】
上記成分をヘンシェルミキサーに投入し、1200rpm、22℃で10分間撹拌混合し、樹脂付着粒子1Aを作製した。次に、得られた樹脂付着粒子1Aにさらに以下の材料を加えて、ヘンシェルミキサーに投入し、1200rpmで10分間撹拌混合し、樹脂付着粒子1Bを作製した。
【0085】
ポリメタクリル酸シクロヘキシル樹脂(積水化成品工業社製、重量平均分子量6万、メタクリル酸シクロヘキシル由来の繰り返し単位の割合100モル%): 1部
樹脂粒子(メラミン樹脂粒子、平均粒子径100nm): 0.3部
【0086】
次に、得られた樹脂付着粒子1Bにさらに以下の材料を加えて、ヘンシェルミキサーに投入し、1200rpmで10分間撹拌混合し、樹脂付着粒子1Cを作製した。なお、撹拌混合では温度は上昇を続け、撹拌混合終了時の温度は26℃であった。
【0087】
ポリメタクリル酸シクロヘキシル樹脂(積水化成品工業社製、重量平均分子量6万、メタクリル酸シクロヘキシル由来の繰り返し単位の割合100モル%): 1部
樹脂粒子(メラミン樹脂粒子、平均粒子径100nm): 0.3部
【0088】
次に、得られた樹脂付着粒子1Cを200℃に維持されたニーダーで30分間攪拌した後、25℃まで冷却して、被覆層を形成してキャリア1を得た。得られたキャリア1に係る被覆層の空隙率は3.5%であった。また、キャリア1の揮発性有機化合物の含有量は250ppmであった。
【0089】
(キャリア2の製造)
キャリア1の製造に用いたポリメタクリル酸シクロヘキシル樹脂をポリメタクリル酸シクロヘキシル樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂(綜研化学社製、重量平均分子量7万)重量比率を82:18とした以外はキャリア1の製造と同様の方法でキャリア2を製造した。なお、ポリメタクリル酸シクロヘキシル樹脂の使用量は2.30部、ポリメタクリル酸メチルは0.50部であった。なお、撹拌時の温度は開始時が22℃、終了時が28℃であった。
キャリア2に係る被覆層の空隙率は3.7%であった。また、キャリア2の揮発性有機化合物の含有量は260ppmであった。
【0090】
(キャリア3の製造)
キャリア2の製造に用いたポリメタクリル酸シクロヘキシル樹脂とポリメタクリル酸メチル樹脂の重量比率を78:22とした以外はキャリア2の製造と同様の方法でキャリア3を製造した。なお、ポリメタクリル酸シクロヘキシル樹脂の使用量は2.18部、ポリメタクリル酸メチルは0.62部であった。なお、撹拌時の温度は開始時が23℃、終了時が29℃であった。
キャリア3に係る被覆層の空隙率は3.6%であった。また、キャリア3の揮発性有機化合物の含有量は270ppmであった。
【0091】
(キャリア4の製造)
キャリア2の製造に用いたポリメタクリル酸シクロヘキシル樹脂とポリメタクリル酸メチル樹脂の重量比率を72:28とした以外はキャリア2の製造と同様の方法でキャリア4を製造した。なお、ポリメタクリル酸シクロヘキシル樹脂の使用量は2.02部、ポリメタクリル酸メチルは0.78部であった。なお、撹拌時の温度は開始時が22℃、終了時が28℃であった。
キャリア4に係る被覆層の空隙率は3.5%であった。また、キャリア4の揮発性有機化合物の含有量は260ppmであった。
【0092】
(キャリア5の製造)
キャリア2の製造に用いたポリメタクリル酸シクロヘキシル樹脂とポリメタクリル酸メチル樹脂の重量比率を67:33とした以外はキャリア2の製造と同様の方法でキャリア5を製造した。なお、ポリメタクリル酸シクロヘキシル樹脂の使用量は1.88部、ポリメタクリル酸メチルは0.92部であった。なお、撹拌時の温度は開始時が21℃、終了時が26℃であった。
キャリア5に係る被覆層の空隙率は3.2%であった。また、キャリア5の揮発性有機化合物の含有量は270ppmであった。
【0093】
(キャリア6の製造)
キャリア2の製造に用いたポリメタクリル酸シクロヘキシル樹脂とポリメタクリル酸メチル樹脂の重量比率を52:48とした以外はキャリア2の製造と同様の方法でキャリア6を製造した。なお、ポリメタクリル酸シクロヘキシル樹脂の使用量は1.46部、ポリメタクリル酸メチルは1.34部であった。なお、撹拌時の温度は開始時が22℃、終了時が27℃であった。
キャリア6に係る被覆層の空隙率は3.1%であった。また、キャリア6の揮発性有機化合物の含有量は240ppmであった。
【0094】
(キャリア7の製造)
キャリア2の製造に用いたポリメタクリル酸シクロヘキシル樹脂とポリメタクリル酸メチル樹脂の重量比率を47:53とした以外はキャリア2の製造と同様の方法でキャリア7を製造した。なお、ポリメタクリル酸シクロヘキシル樹脂の使用量は1.32部、ポリメタクリル酸メチルは1.48部であった。なお、撹拌時の温度は開始時が23℃、終了時が27℃であった。
キャリア7に係る被覆層の空隙率は3.0%であった。また、キャリア7の揮発性有機化合物の含有量は230ppmであった。
【0095】
(キャリア8の製造)
フェライト粒子(パウダーテック社製、BET比表面積0.28m
2/g、平均粒子径35μm): 100部
ポリメタクリル酸シクロヘキシル樹脂(積水化成品工業社製、重量平均分子量4万、メタクリル酸シクロヘキシル由来の繰り返し単位の割合90モル%、メタクリル酸メチル由来の繰り返し単位の割合10モル%): 1.4部
樹脂粒子(メラミン樹脂粒子、平均粒子径100nm): 0.3部
【0096】
上記成分をヘンシェルミキサーに投入し、500rpm、22℃で20分間撹拌混合し、樹脂付着粒子2Aを作製した。次に、得られた樹脂付着粒子2Aにさらに以下の材料を加えて、ヘンシェルミキサーに投入し、500rpmで20分間撹拌混合し、樹脂付着粒子2Bを作製した。
【0097】
ポリメタクリル酸シクロヘキシル樹脂(積水化成品工業社製、重量平均分子量4万、メタクリル酸シクロヘキシル由来の繰り返し単位の割合90モル%、メタクリル酸メチル由来の繰り返し単位の割合10モル%): 1.4部
樹脂粒子(メラミン樹脂粒子、平均粒子径100nm): 0.3部
【0098】
次に、得られた樹脂付着粒子2Bにさらに以下の材料を加えて、ヘンシェルミキサーに投入し、500rpmで20分間撹拌混合し、樹脂付着粒子2Cを作製した。なお、撹拌混合では温度は上昇を続け、撹拌混合終了時の温度は24℃であった。
【0099】
ポリメタクリル酸シクロヘキシル樹脂(積水化成品工業社製、重量平均分子量4万、メタクリル酸シクロヘキシル由来の繰り返し単位の割合90モル%、メタクリル酸メチル由来の繰り返し単位の割合10モル%): 1.4部
樹脂粒子(メラミン樹脂粒子、平均粒子径100nm): 0.3部
【0100】
次に、得られた樹脂付着粒子2Cを150℃に維持されたニーダーで30分間攪拌した後、25℃まで冷却して、被覆層を形成してキャリア8を得た。得られたキャリア8に係る被覆層の空隙率は5.0%であった。また、キャリア8の揮発性有機化合物の含有量は300ppmであった。
【0101】
(キャリア9の製造)
メラミン樹脂粒子を使用しない以外はキャリア1の製造と同様の方法でキャリア9を製造した。
キャリア9に係る被覆層の空隙率は3.5%であった。また、キャリア9の揮発性有機化合物の含有量は250ppmであった。なお、撹拌時の温度は開始時が22℃、終了時が28℃であった。
【0102】
(キャリア10の製造)
フェライト粒子(パウダーテック社製、BET比表面積0.20m
2/g、平均粒子径50μm): 100部
ポリメタクリル酸シクロヘキシル樹脂(積水化成品工業社製、重量平均分子量6万、メタクリル酸シクロヘキシル由来の繰り返し単位の割合100モル%): 2.4部
樹脂粒子(メラミン樹脂粒子、平均粒子径100nm): 0.9部
【0103】
上記成分をヘンシェルミキサーに投入し、1200rpm、22℃で10分間撹拌混合し、樹脂付着粒子3Aを作製した。なお、撹拌時の温度は、終了時が28℃であった。次に、得られた樹脂付着粒子3Aを200℃に維持されたニーダーで30分間攪拌した後、25℃まで冷却して、被覆層を形成してキャリア10を得た。得られたキャリア10に係る被覆層の空隙率は15%であった。また、キャリア10の揮発性有機化合物の含有量は260ppmであった。
【0104】
(キャリア11の製造)
フェライト粒子(パウダーテック社製、BET比表面積0.20m
2/g、平均粒子径50μm): 100部
トルエン: 10部
ポリメタクリル酸シクロヘキシル樹脂(積水化成品工業社製、重量平均分子量4万、メタクリル酸シクロヘキシル由来の繰り返し単位の割合90モル%、メタクリル酸メチル由来の繰り返し単位の割合10モル%): 2.4部
樹脂粒子(メラミン樹脂粒子、平均粒子径100nm): 0.9部
【0105】
フェライト粒子を除く上記成分をホモミキサーで10分間分散し、被覆層形成用トルエン溶液を調製し、このトルエン溶液とフェライト粒子とを60℃に維持された真空脱気型ニーダーで30分間攪拌した後、60分間5kPaで減圧し、トルエンを留去して被覆層を形成してキャリア11を得た。得られたキャリア11に係る被覆層の空隙率は1.2%であった。また、キャリア11の揮発性有機化合物の含有量は520ppmであった。
【0106】
(キャリア12の製造)
フェライト粒子(パウダーテック社製、BET比表面積0.11m
2/g、平均粒子径50μm): 100部を用いた以外はキャリア1と同様の方法でキャリア12を製造した。なお、撹拌時の温度は開始時が22℃、終了時が28℃であった。
得られたキャリア12に係る被覆層の空隙率は11%であった。また、キャリア14の揮発性有機化合物の含有量は280ppmであった。
【0107】
(キャリア13の製造)
フェライト粒子(パウダーテック社製、BET比表面積0.17m
2/g、平均粒子径50μm): 100部を用いた以外はキャリア1と同様の方法でキャリア13を製造した。なお、撹拌時の温度は開始時が23℃、終了時が29℃であった。得られたキャリア13に係る被覆層の空隙率は9%であった。また、キャリア13の揮発性有機化合物の含有量は280ppmであった。
【0108】
(キャリア14の製造)
フェライト粒子(パウダーテック社製、BET比表面積0.28m
2/g、平均粒子径50μm): 100部を用いた以外はキャリア1と同様の方法でキャリア14を製造した。なお、撹拌時の温度は開始時が22℃、終了時が28℃であった。得られたキャリア14に係る被覆層の空隙率は3%であった。また、キャリア14の揮発性有機化合物の含有量は310ppmであった。
【0109】
(キャリア15の製造)
フェライト粒子(パウダーテック社製、BET比表面積0.38m
2/g、平均粒子径50μm): 100部を用いた以外はキャリア1と同様の方法でキャリア15を製造した。なお、撹拌時の温度は開始時が22℃、終了時が28℃であった。得られたキャリア15に係る被覆層の空隙率は1.5%であった。また、キャリア15の揮発性有機化合物の含有量は330ppmであった。
【0110】
(トナー1の製造)
−着色剤粒子分散液1の調製−
・シアン顔料:C.I.ピグメントブルー15:3(大日精化工業(株)製): 50部
・アニオン性界面活性剤:ネオゲンSC(第一工業製薬(株)製): 5部
・イオン交換水: 200部
【0111】
上記成分を混合し、IKA社製ウルトラタラックスにより5分間、更に超音波バスにより10分間分散し、固形分21%の着色剤粒子分散液1を得た。(株)堀場製作所製粒度測定器LA−700にて体積平均粒子径を測定したところ、160nmであった。
【0112】
−離型剤粒子分散液1の調製−
・パラフィンワックス:HNP−9(日本精蝋(株)製): 19部
・アニオン性界面活性剤:ネオゲンSC(第一工業製薬(株)製): 1部
・イオン交換水: 80部
【0113】
上記成分を耐熱容器中で混合し、90℃に昇温して30分、撹拌を行った。次いで、容器底部より溶融液をゴーリンホモジナイザーへと流通し、5MPaの圧力条件のもと、3パス相当の循環運転を行った後、圧力を35MPaに昇圧し、更に3パス相当の循環運転を行った。こうして出来た乳化液を前記耐熱溶液中で40℃以下になるまで冷却し、離型剤粒子分散液1を得た。(株)堀場製作所製粒度測定器LA−700にて体積平均粒子径を測定したところ240nmであった。
【0114】
−樹脂粒子分散液1の調製−
<油層>
・スチレン(和光純薬工業(株)製): 30部
・アクリル酸n−ブチル(和光純薬工業(株)製): 10部
・β−カルボキシエチルアクリレート(ローディア日華(株)製): 1.3部
・ドデカンチオール(和光純薬工業(株)製): 0.4部
<水層1>
・イオン交換水: 17部
・アニオン性界面活性剤(DAWFAX2A1、ダウケミカル社製): 0.4部
<水層2>
・イオン交換水: 40部
・アニオン性界面活性剤(DAWFAX2A1、ダウケミカル社製): 0.05部
・ペルオキソ二硫酸アンモニウム(和光純薬工業(株)製): 0.4部
【0115】
上記の油層成分と水層1の成分をフラスコに入れて撹拌混合し単量体乳化分散液とした。反応容器に上記水層2の成分を投入し、容器内を窒素で置換し、撹拌をしながらオイルバスで反応系内が75℃になるまで加熱した。反応容器内に上記の単量体乳化分散液を3時間かけて徐々に滴下し、乳化重合を行った。滴下終了後更に75℃で重合を継続し、3時間後に重合を終了させ、樹脂粒子分散液1を得た。
【0116】
(トナー1の作製)
・樹脂粒子分散液1: 150部
・着色剤粒子分散液1: 30部
・離型剤粒子分散液1: 40部
・ポリ塩化アルミニウム: 0.4部
【0117】
上記の成分をステンレス製フラスコ中でIKA社製のウルトラタラックスを用い混合、分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら48℃まで加熱した。48℃で80分保持した後、ここに樹脂粒子分散液1を70部追加した。
その後、濃度0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いて系内のpHを6.0に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、撹拌軸のシールを磁力シールして撹拌を継続しながら97℃まで加熱して3時間保持した。反応終了後、降温速度を1℃/分で冷却し、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を行った。これをさらに40℃のイオン交換水3,000部を用いて再分散し、15分間300rpmで撹拌、洗浄した。この洗浄操作をさらに5回繰り返し、ヌッチェ式吸引濾過によりNo.5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続してトナー粒子を得た。
【0118】
このトナー粒子に、ヘキサメチルジシラザン(以下、「HMDS」と称する場合がある)で表面疎水化処理した一次粒子平均粒子径40nmのシリカ(SiO
2)粒子と、メタチタン酸とイソブチルトリメトキシシランとの反応生成物である一次粒子平均粒子径20nmのメタチタン酸化合物粒子とを、トナー粒子の表面に対する被覆率が40%となるように添加し、ヘンシェルミキサーで混合し、トナー1を作製した。
【0119】
(トナー2の製造)
イソフタル酸101部とビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物180部及びジブチル錫オキサイド5.4部をフラスコに投入し、窒素雰囲気下において温度230℃で脱水縮合反応を行い、16時間継続した。得られたポリエステル樹脂の重量平均分子量は4,800であった。
このポリエステル樹脂174部、前記C.I.ピグメントブルー15:3を16部、パラフィンワックス(日本精蝋社製:HNP−9)10部をバンバリーミキサー(神戸製鋼社製)に入れ、内部の温度が110±5℃になるように圧力を加え、80rpmで混練を10分間行った。得られた混練物を冷却後、ハンマーミルにて粗粉砕し、これをジェットミルにて約6.8μmに微粉砕した後、エルボージェット分級機(松坂貿易社製)にて分級し、トナー粒子を得、さらにトナー1と同様の方法で外添剤を添加し、トナー2を作製した。
【0120】
(現像剤の調製、及びその評価)
上記キャリア1乃至15それぞれ100部と、上記トナー6部を混合し、実施例1乃至14の現像剤、及び、比較例1乃至4の現像剤を調製した。これらの現像剤を用いて、DocuCentre Color400(富士ゼロックス株式会社製)の改造機により出力テストを行い、高温高湿(30℃、85%RH)の環境下において、1万枚画像出力後の画質評価を行った。また、その後さらに低温低湿(10℃、12%RH)の環境下で1万枚画像出力後の画質評価も行った。評価画像は、人物チャート(テストパターン)を用いた。また、トナー載り量は5.0g/cm
2とした。
10000枚目の出力画像に対して、画像濃度の評価を実施した。具体的には、画像濃度の低下が明らかに目視確認される場合は×、かろうじて目視確認される場合は△、目視確認できない場合は○で評価した。得られた結果を表1に示す。
また、10000枚目の出力画像に対して、スジの有無を評価した。具体的には、画像中にスジ状の欠損があるかどうかを目視で確認した。スジ状の欠損が明らかに目視確認される場合は×、かろうじて目視確認される場合は△、目視確認できない場合は○で評価した。得られた結果を表1に示す。
なお、高温高湿条件下で×評価になった場合は、その後の低温低湿評価を実施しなかった。
【0121】
【表1】