特許第6011184号(P6011184)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6011184
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】飲料供給装置
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/08 20060101AFI20161006BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20161006BHJP
   G07F 13/00 20060101ALN20161006BHJP
【FI】
   B67D1/08 A
   F25D11/00 102A
   !G07F13/00 G
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-203106(P2012-203106)
(22)【出願日】2012年9月14日
(65)【公開番号】特開2014-58323(P2014-58323A)
(43)【公開日】2014年4月3日
【審査請求日】2015年3月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161562
【弁理士】
【氏名又は名称】阪本 朗
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 伸之
(72)【発明者】
【氏名】松本 雅弘
【審査官】 加藤 一彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−086883(JP,A)
【文献】 特開平08−058892(JP,A)
【文献】 特表2011−509222(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/08
F25D 11/00
G07F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却水槽に貯留している冷却水には、冷却装置の蒸発器と、濃縮飲料および希釈液を冷却水と熱交換させて冷却する冷却コイルとを浸漬するとともに、冷却水攪拌用のアジテータを配設し、冷却装置の運転により前記蒸発器の周囲に形成した氷塊の蓄熱を利用して冷却水を低温に維持し、前記アジテータの回転により冷却水を攪拌して前記冷却コイルを通流する濃縮飲料および希釈液を冷却する飲料供給装置において、
飲料販売、飲料販売停止の設定を切り替える販売切り替え手段と、前記販売切り替え手段の設定により前記アジテータの回転速度を制御する制御手段と、前記冷却水の温度を検知する温度センサと、を備え、
前記制御手段は、前記販売切り替え手段が飲料販売設定時において前記温度センサが検知している冷却水温度が所定温度以上の場合には前記アジテータを中速回転から高速回転に変更し、その後、所定時間無販売状態が続き、かつ前記温度センサが検知している冷却水温度が低下しない場合には前記アジテータを高速回転から中速回転に変更することを特徴とする飲料供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料ディスペンサ、カップ式自動販売機などに備えられ、冷却水槽に貯留されている冷却水で冷却された濃縮飲料や希釈液を注出して飲料を調製する飲料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料ディスペンサやカップ式自動販売機などの飲料供給装置では、コールド飲料を供給するため、冷却水槽に貯留されている冷却水で冷却された濃縮飲料や希釈液を注出して飲料を調製している。冷却水槽に貯留されている冷却水にはエバポレ−タ(蒸発器)、冷却水槽の下方にはコンプレッサ(圧縮機)およびコンデンサー(凝縮器)などから構成される冷却装置が設けられている。そして、冷却水には、飲料ノズルに連通され、通流する濃縮飲料や希釈液を冷却する冷却コイルが浸漬されている。また、冷却水を攪拌するためのアジテータファンが配設され、このアジテータファンは、冷却水槽の上部に配設したアジテータモーターに駆動されて回転して冷却水の攪拌を行う。
【0003】
冷却水槽は、エバポレ−タの周囲にアイスバンク(氷塊)を形成して、冷却装置の運転停止中にもアイスバンクの蓄熱量を利用して冷却水槽内の冷却水を常に低温(略0℃)に維持するようにしている。そして、アジテータモーターを駆動してアジテータファンを回転させることで冷却水をアイスバンクと冷却コイルの間を循環させ、冷却コイルを通流する濃縮飲料や希釈液を効率よく冷却するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−58892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、アジテータモーターを一定の速度で回転させていると消費電力の増大を招く要因となる。さらに、アジテータモーターの回転速度を下げると、飲料の連続販売時などでは、冷却水の温度が早く上昇してしまうため、飲料販売の性能が落ちてしまうこととなる。
【0006】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、省エネや飲料品質の確保が可能な飲料供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係る飲料供給装置は、冷却水槽に貯留している冷却水には、冷却装置の蒸発器と、濃縮飲料および希釈液を冷却水と熱交換させて冷却する冷却コイルとを浸漬するとともに、冷却水攪拌用のアジテータを配設し、冷却装置の運転により前記蒸発器の周囲に形成した氷塊の蓄熱を利用して冷却水を低温に維持し、前記アジテータの回転により冷却水を攪拌して前記冷却コイルを通流する濃縮飲料および希釈液を冷却する飲料供給装置において、
飲料販売、飲料販売停止の設定を切り替える販売切り替え手段と、前記販売切り替え手段の設定により前記アジテータの回転速度を制御する制御手段と、前記冷却水の温度を検知する温度センサと、を備え、

前記制御手段は、前記販売切り替え手段が飲料販売設定時において前記温度センサが検知している冷却水温度が所定温度以上の場合には前記アジテータを中速回転から高速回転に変更し、その後、所定時間無販売状態が続き、かつ前記温度センサが検知している冷却水温度が低下しない場合には前記アジテータを高速回転から中速回転に変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、冷却水槽に貯留している冷却水には、冷却装置の蒸発器と、濃縮飲料および希釈液を冷却水と熱交換させて冷却する冷却コイルとを浸漬するとともに、冷却水攪拌用のアジテータを配設し、冷却装置の運転により前記蒸発器の周囲に形成した氷塊の蓄熱を利用して冷却水を低温に維持し、前記アジテータの回転により冷却水を攪拌して前記冷却コイルを通流する濃縮飲料および希釈液を冷却する飲料供給装置において、飲料販売、飲料販売停止の設定を切り替える販売切り替え手段と、前記販売切り替え手段の設定により前記アジテータの回転速度を制御する制御手段と、前記冷却水の温度を検知する温度センサと、を備え、前記制御手段は、前記販売切り替え手段が飲料販売設定時において前記温度センサが検知している冷却水温度が所定温度以上の場合には前記アジテータを中速回転から高速回転に変更し、その後、所定時間無販売状態が続き、かつ前記温度センサが検知している冷却水温度が低下しない場合には前記アジテータを高速回転から中速回転に変更することにより、省エネや飲料品質の確保が可能な飲料供給装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施の形態である飲料供給装置を示す外観斜視図である。
図2図1に示した飲料供給装置の操作パネルを取り外した状態を示す正面図である。
図3図1に示した飲料供給装置を示す側断面図である。
図4図1に示した飲料供給装置の制御構成を示す制御ブロック図である。
図5図1に示した飲料供給装置の実施の形態1の制御を示すフローチャート図である。
図6図1に示した飲料供給装置の実施の形態2の制御を示すフローチャート図である。
図7図1に示した飲料供給装置の実施の形態3の制御を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る飲料供給装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0017】
この実施の形態の飲料ディスペンサ(飲料供給装置)は、シロップなどの濃縮飲料と希釈液(冷水や炭酸水)とを供給して飲料を調製するものである。ここでは、飲料ディスペンサを例に説明するが、飲料ディスペンサに限られるものではなく、カップ式自動販売機などに適用することも可能である。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1である飲料ディスペンサを示す外観斜視図であり、図2は、図1に示した飲料ディスペンサの操作パネルを取り外した状態を示す正面図である。
【0018】
図1に示すように、飲料ディスペンサ1は、ディスペンサ本体2と操作パネル(扉)3とを備えている。図2に示すように、ディスペンサ本体2は、前面が開口した箱体であり、その底部には、高さ調整をするための調整脚21が設けてある。また、ディスペンサ本体2の内部には濃縮飲料容器(バッグインボックス)B(以下「BIB」という)を保冷して収容する保冷庫22が設けてある。BIBは、濃縮飲料を封入した袋状の容器をさらに箱状の容器に収容したもので、例えば、濃縮飲料を封入したプラスチック製の袋容器をさらに段ボール製の箱容器に収容することにより構成してある。そして、BIBに封入された濃縮飲料を注出した場合に、箱容器の内部で袋容器が収縮することにより、袋容器の内部に空気が入る事態を回避し、濃縮飲料の酸化を防止している。
【0019】
ディスペンサ本体2の内部で保冷庫22の下方域となる部位には、チューブポンプ4が設けてある。チューブポンプ4は、BIBに封入された濃縮飲料を汲み出すためのもので、BIBごとに設けてある。たとえば、図2に示すように、保冷庫22には、二つのBIBが収容可能であり、保冷庫22の下方域となる部位には、二つのチューブポンプ4が設けてある。
【0020】
チューブポンプ4は、BIBに設けられたチューブ41の一点を押し潰したローラを移動させることにより、チューブ41内部の濃縮飲料を押し出すもので、チューブ41の開放端41aは保持されて、濃縮飲料の吐出口を構成する。そして、ローラが移動すると、ローラによって押し潰されたチューブ41は、その復元力により元の形状に戻り、その際にチューブ41の内部が真空となり、チューブ41の内部に濃縮飲料を吸引する。
【0021】
また、チューブ41の開放端41aの左側方域には、冷却コイル15(図3参照)に連通する冷水(希釈液)の吐出口42が設けてある。吐出口42は、濃縮飲料を希釈する冷水を吐出するための吐出口であり、吐出口42から吐出された冷水は濃縮飲料と混合され、濃縮飲料を希釈した飲料が調製される。
【0022】
また、チューブポンプ4の右側方域には、飲料ノズル5が設けてある。飲料ノズル5は、シロップなどの濃縮飲料を吐出する液体原料ノズルと、冷水、炭酸水などの希釈液を吐出する希釈液ノズルとを有しており、液体原料ノズルから吐出した濃縮飲料と希釈液ノズルから吐出した希釈液とを混合することにより、濃縮飲料を希釈液で希釈して飲料を調製する。
【0023】
図1に示すように、チューブポンプ4および飲料ノズル5の下方域となるディスペンサ本体2の下端部には、ドリップトレイ23を備えている。ドリップトレイ23は、飛び散った飲料や飲料カップからあふれた飲料を受け止めるためのもので、その上には、飲料カップを置くためのカップレスト24が載置してある。カップレスト24は、鋼線などの線材を桟状に構成したもので、飛び散った飲料や飲料カップからあふれた飲料はカップレスト24を通り、ドリップトレイ23に受け止められる。
【0024】
操作パネル3は、ディスペンサ本体2の前面開口を覆うとともに保冷庫22の前面開口を閉塞して断熱および冷気の漏れを防止するための扉で、ディスペンサ本体2の一側縁部(図1に示す飲料ディスペンサ1は左側縁部)に開閉可能に支承されている。操作パネル3の前面には、飲料選択ボタン31を備えている。
【0025】
飲料選択ボタン31は、チューブポンプ4および飲料ノズル5に対応して配置されている。具体的には、飲料選択ボタン31の配置位置とチューブポンプ4および飲料ノズル5の配置位置とが対応するように配置され、飲料選択ボタン31で選択された飲料を当該飲料選択ボタン31の下方域に置かれた飲料カップに注出する。
【0026】
たとえば、チューブポンプ4から吐出する濃縮飲料を原料とする飲料は通常一種類に限られるので、図1に示すように、一つのチューブポンプ4に対して一つの飲料選択ボタン31が配置されている。一方、飲料ノズル5からは通常複数種類の飲料が注出されるので、図1に示すように、一つの飲料ノズル5に対して複数の飲料選択ボタン31が配置されている。
【0027】
図3は、図1および図2に示した飲料ディスペンサ1を示す側断面図である。図3に示すように、飲料ディスペンサ1は、ディスペンサ本体2、ディスペンサ本体2内に設けられた冷却水槽6、保冷庫22、保冷庫22の前面開口を閉塞して断熱および冷気の漏れを防止する操作パネル3などが設けられている。
【0028】
冷却水槽6には、冷却水7を攪拌するためのアジテータファン10が配設され、このアジテータファン10は、冷却水槽6の上部に配設されているアジテータモーター11に駆動されて回転し、冷却水7の攪拌を行う。さらに、冷却水槽6内には、コンプレッサ(圧縮機)12およびコンデンサー(凝縮器)13などに冷媒配管(図示せず)で連通されるエバポレ−タ(蒸発器)14、飲料ノズル5の液体原料ノズルおよび希釈液ノズルそれぞれに連通している複数の冷却コイル15、冷却水7の温度を検知する温度センサ16が配設されている。そして、冷却水槽6は、エバポレ−タ14の周囲にアイスバンク(氷塊)14aを形成し、アイスバンク14aの蓄熱を利用して冷却水槽6に貯留されている冷却水7を低温に維持するようにしている。
【0029】
保冷庫22庫内には冷却水槽6に貯留されている冷却水7を導入し、導入した冷却水7により保冷庫22庫内を冷却する熱交換器25、保冷庫22庫内の空気を循環させて熱交換器25で冷却水7と熱交換させる庫内ファン26、庫内ファン26を回転駆動する庫内ファンモーター27、保冷庫22の庫内温度を検知する温度センサ28が配設されている。
【0030】
熱交換器25は、冷却水循環ポンプ9が介挿される冷却水循環管路8に連通され、冷却水循環ポンプ9が運転されると、冷却水槽6に貯留されている冷却水7が送出されて冷却水循環管路8を流れて熱交換器25で保冷庫22庫内の空気と熱交換を行って冷却水槽6に戻る。そして、保冷庫22庫内は、熱交換器25で冷却水7と熱交換が行われて冷やされた空気(冷気)が庫内ファン26の回転によって保冷庫22庫内と熱交換器25とを循環することで保冷庫22庫内は常に低温に冷やされるようになっている。
【0031】
図4は、飲料ディスペンサ1の制御ブロック図を示し、飲料ディスペンサ1での飲料の調製などを制御する制御部(制御手段)90は、中央処理装置としてのCPU91、CPU91の制御プログラムを格納するROM(リード・オンリー・メモリ)92、CPU91の制御に必要な各種のプログラムやデータを随時記憶するRAM(ランダム・アクセス・メモリ:記憶手段、例えば冷却水7の所定温度を記憶する)93、基準クロック発生部(図示せず)で発生するクロックをカウントして各種時刻を計時するタイマー94、飲料ディスペンサ1に備えられている各機器に通電する電力回路を有する通電部95から構成されている。
【0032】
また、制御部90には、飲料ディスペンサ1の各種設定データ(例えば、冷却水7の所定温度を設定)を入力するリモコン96、販売可スイッチ(販売切り替え手段)97、冷却水7の温度を検知して制御部90に出力する温度センサ16、保冷庫22の庫内温度を検知して制御部90に出力する温度センサ28、所望の飲料を選択するための飲料選択ボタン31などが接続されている。
【0033】
制御部90は、温度センサ16、28が出力する温度信号などに基づいて、冷却水循環ポンプ9、アジテータモーター11、コンプレッサ12、冷却ファン13a、庫内ファンモーター27などへの通電制御を行う。
【0034】
次に、制御部90によるアジテータモーター11の回転制御に関する手順を図5のフローチャート図を用いて説明する。制御部90は、アジテータモーター11が回転しているか(ONしているか)確認し(ステップS11)、回転していない(ONしていない)と確認した場合(ステップS11:No)、アジテータモーター11の回転を停止する(ステップS12)。回転している(ONしている)と確認した場合(ステップS11:Yes)、販売可スイッチ97が飲料販売停止設定か(OFF設定か)確認し(ステップS13)、飲料販売停止設定ではない(OFF設定ではない:飲料販売設定)と確認した場合(ステップS13:No)、アジテータモーター11を中速で回転動作させる(ステップS14)。飲料販売停止設定である(OFF設定)と確認した場合(ステップS13:Yes)、アジテータモーター11を低速で回転動作させる(ステップS15)。
【0035】
このように、制御部90がアジテータモーター11の回転速度を変更する制御を行い、販売可スイッチ97が飲料販売設定の場合にはアジテータモーター11を中速で回転動作させ、販売可スイッチ97が飲料販売停止設定の場合にはアジテータモーター11を低速で回転動作させることで、飲料販売停止時のコンプレッサ12の運転を抑制し、省エネや飲料品質の確保が可能な飲料供給装置を提供することができる。なお、アジテータモーター11の回転速度の変更は、アジテータモーター11に通電する電圧値、または電流値などを通電部95で変化させるようにしている。
(実施の形態2)
図6は、本発明に係る飲料ディスペンサ1の実施の形態2のフローチャート図を示し、制御部90によるアジテータモーター11の回転制御に関する手順を説明する。
【0036】
実施の形態1の飲料ディスペンサ1では、販売可スイッチ97が飲料販売設定の場合にはアジテータモーター11を中速で回転動作させ、販売可スイッチ97が飲料販売停止設定の場合にはアジテータモーター11を低速で回転動作させることで、省エネや飲料品質の確保をするようにしているが、実施の形態2の飲料ディスペンサ1では、温度センサ16が検知している冷却水7の温度に基づいてアジテータモーター11の回転速度を変更する制御を行うことで、省エネや飲料品質の確保をするようにしている。
【0037】
制御部90は、アジテータモーター11が回転し(ステップS21)、温度センサ16が検知している冷却水7の温度が所定の設定温度(例えば、5℃)以上か確認し(ステップS22)、設定温度以上と確認した場合(ステップS22:Yes)、アジテータモーター11を高速で回転動作させ(ステップS23)、アジテータファン10を高速回転させることで冷却水7をアイスバンク14aと冷却コイル15の間を高速で循環させて短時間で冷却し、冷却コイル15を通流する濃縮飲料や希釈液を効率よく冷却する。そして、その後、所定時間(例えば、60秒間)無販売状態が続き、かつ温度センサ16が検知している冷却水7の温度が所定の設定温度(例えば、5℃)以上かを再度確認し(ステップS22)、設定温度以上ではないと確認した場合(ステップS22:No)、アジテータモーター11を中速で回転動作させる(ステップS24)。
【0038】
このように、温度センサ16が検知している冷却水7の温度が所定の設定温度以上かを制御部90が確認し、設定温度以上と確認した場合にはアジテータモーター11を高速で回転動作させて冷却水を短時間で冷却し、冷却水7の温度が所定の設定温度以上ではないと確認するとアジテータモーター11を中速で回転動作させることで、省エネや飲料品質の確保が可能な飲料供給装置を提供することができる。
(実施の形態3)
図7は、本発明に係る飲料ディスペンサ1の実施の形態3のフローチャート図を示し、制御部90によるアジテータモーター11の回転制御に関する手順を説明する。
【0039】
実施の形態2の飲料ディスペンサ1では、温度センサ16が検知している冷却水7の温度が所定の設定温度以上かを制御部90が確認し、設定温度以上と確認した場合にはアジテータモーター11を高速で回転動作させて冷却水を短時間で冷却し、冷却水7の温度が所定の設定温度以上ではないと確認するとアジテータモーター11を中速で回転動作させることで、省エネや飲料品質の確保するようにしているが、実施の形態3の飲料ディスペンサ1では、販売可スイッチ97が飲料販売設定の場合にはアジテータモーター11を中速で回転動作させ、所定時間(例えば、8時間)が経過すると制御部90が飲料販売停止時間帯に切り替えてアジテータモーター11を低速で回転動作させることで、省エネや飲料品質の確保をするようにしている。
【0040】
制御部90は、アジテータモーター11が回転しているか(ONしているか)確認し(ステップS31)、回転していない(ONしていない)と確認した場合(ステップS31:No)、アジテータモーター11の回転を停止する(ステップS32)。回転している(ONしている)と確認した場合(ステップS31:Yes)、販売可スイッチ97が飲料販売停止設定か(OFF設定か)確認し(ステップS33)、飲料販売停止設定である(OFF設定)と確認した場合(ステップS33:Yes)、アジテータモーター11を低速で回転動作させる(ステップS34)。
【0041】
販売可スイッチ97が飲料販売停止設定ではない(OFF設定ではない:飲料販売設定)と確認した場合(ステップS33:No)、飲料販売停止時間帯か確認し(ステップS35)、飲料販売停止時間帯と確認した場合(ステップS35:Yes)、アジテータモーター11を低速で回転動作させる(ステップS34)。飲料販売停止時間帯ではないと確認した場合(ステップS35:No)、アジテータモーター11を中速で回転動作させる(ステップS36)。
【0042】
このように、販売可スイッチ97が飲料販売設定の場合にはアジテータモーター11を中速で回転動作させ、所定時間(例えば、8時間)が経過すると制御部90が飲料販売停止時間帯に切り替えてアジテータモーター11を低速で回転動作させることで、省エネや飲料品質の確保が可能な飲料供給装置を提供することができる。
【0043】
以上説明したように本発明によれば、冷却水槽6に貯留している冷却水7には、冷却装置の蒸発器14と、濃縮飲料および希釈液を冷却水7と熱交換させて冷却する冷却コイル15を浸漬するとともに、冷却水7攪拌用のアジテータファン10、アジテータモーター11を配設し、冷却装置の運転により蒸発器14の周囲に形成した氷塊14aの蓄熱を利用して冷却水7を低温に維持し、アジテータファン10、アジテータモーター11の回転により冷却水7を攪拌して冷却コイル15を通流する濃縮飲料および希釈液を冷却する飲料ディスペンサ1において、飲料販売、飲料販売停止の設定を切り替える販売可スイッチ97と、販売可スイッチ97の設定によりアジテータファン10、アジテータモーター11の回転速度を制御する制御部90と、を備えたことにより、省エネや飲料品質の確保が可能な飲料ディスペンサ1を提供することが可能となる。
【0044】
また、制御部90は、販売可スイッチ97が飲料販売設定時にはアジテータファン10、アジテータモーター11を中速で回転させ、販売可スイッチ97が飲料販売停止設定時にはアジテータファン10、アジテータモーター11を低速で回転させることにより、省エネや飲料品質の確保が可能な飲料ディスペンサ1を提供することが可能となる。
【0045】
また、冷却水7の温度を検知する温度センサ16を設け、制御部90は、販売可スイッチ97が飲料販売設定時において温度センサ16が検知している冷却水7の温度が所定温度以上の場合にはアジテータファン10、アジテータモーター11を中速回転から高速回転に変更し、その後、所定時間無販売状態が続き、かつ温度センサ16が検知している冷却水7の温度が低下しない場合にはアジテータファン10、アジテータモーター11を高速回転から中速回転に変更することにより、省エネや飲料品質の確保が可能な飲料ディスペンサ1を提供することが可能となる。
【0046】
また、制御部90は、所定時間が経過すると飲料販売停止時間帯に切り替えることにより、省エネや飲料品質の確保が可能な飲料ディスペンサ1を提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0047】
1 飲料ディスペンサ(飲料供給装置)
2 ディスペンサ本体
3 操作パネル
4 チューブポンプ
5 飲料ノズル
6 冷却水槽
7 冷却水
10 アジテータファン(アジテータ)
11 アジテータモーター(アジテータ)
12 コンプレッサ(圧縮機)
13 コンデンサー(凝縮器)
14 エバポレータ(蒸発器)
14a アイスバンク(氷塊)
15 冷却コイル
16 温度センサ
22 保冷庫
90 制御部(制御手段)
97 販売可スイッチ(販売切り替え手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7