特許第6011257号(P6011257)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6011257
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】位置決め保持機構
(51)【国際特許分類】
   F16B 5/10 20060101AFI20161006BHJP
【FI】
   F16B5/10 H
【請求項の数】16
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-248034(P2012-248034)
(22)【出願日】2012年11月12日
(65)【公開番号】特開2014-95450(P2014-95450A)
(43)【公開日】2014年5月22日
【審査請求日】2015年3月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100085501
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 静夫
(74)【代理人】
【識別番号】100128842
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 温
(72)【発明者】
【氏名】村上 賢一
(72)【発明者】
【氏名】原田 晋治
【審査官】 塚原 一久
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−006342(JP,A)
【文献】 実開平02−114205(JP,U)
【文献】 実開昭61−186815(JP,U)
【文献】 特開2008−116619(JP,A)
【文献】 実開昭61−066206(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 5/00−5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
縁から内部に向かって突出した凸部が形成された穴を有する第1板金部品と、
前記第1板金部品の凸部と係合可能な大きさの係合穴又は係合溝が形成された突起部を有する第2板金部品と、を備え、
前記突起部を前記穴の輪郭に沿わせながら前記穴に対する篏合状態へと誘導し、前記凸部が前記係合穴又は合溝に入って係止されるように、
前記第1板金部品の前記穴の縁において、前記凸部が形成されている側の辺に対して対向する側の辺の片側又は両側に形成された第1誘導部
前記第2板金部品の前記突起部の片側又は両側に、前記突起部を前記穴に対する嵌合状態へと誘導する際に前記第1誘導部と接触するよう形成された第2誘導部と、
前記第2板金部品の前記突起部の前記係合穴又は係合溝の前方に、前記突起部を前記穴に対する嵌合状態へと誘導する際に前記凸部と接触するよう形成された、前記突起部の先端が凹形状となる凹部からなる第3誘導部と、
を有することを特徴とする位置決め保持機構。
【請求項2】
前記第2板金部品の突起部の先端には2つの凸部が形成されており、その2つの凸部の中間位置に前記凹部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の位置決め保持機構。
【請求項3】
前記第1板金部品に形成されている穴が長方形に内接する形状を有し、
前記第1誘導部がR部又は斜面部で形成されており、
前記第2誘導部がR部又は斜面部で形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の位置決め保持機構。
【請求項4】
前記係合穴又は係合溝に対する係止によって前記凸部が嵌合状態となるように、前記凸部の両端面が前記穴の中心軸に対して平行な平面を含んだ構成になっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の位置決め保持機構。
【請求項5】
前記第1板金部品に形成されている穴が長方形に内接する形状を有し、その長方形の2辺の長辺のうち、一方の長辺側に前記凸部が1つ以上設けられており、他方の長辺側には穴の縁から内部に向かって突出したR部又は斜面部が2つ以上設けられており、
前記穴が内接する長方形の長辺よりも前記突起部の根元の幅が短くなっており、
前記凸部が前記係合穴又は係合溝に入って係止されたときに前記係合穴又は係合溝の全体に嵌合する長さを有ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の位置決め保持機構。
【請求項6】
前記第1板金部品の凸部の輪郭が円弧状であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の位置決め保持機構。
【請求項7】
前記第1板金部品の凸部の輪郭が三角形状であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の位置決め保持機構。
【請求項8】
前記第1板金部品の凸部の輪郭が先端Rの長方形状であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の位置決め保持機構。
【請求項9】
前記第1板金部品の凸部の輪郭が長方形の先端に三角形を有する形状であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の位置決め保持機構。
【請求項10】
前記第1板金部品の凸部の輪郭が長方形の先端に円弧を有する形状であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の位置決め保持機構。
【請求項11】
前記第2板金部品の突起部先端に輪郭が円弧状の凸部が形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の位置決め保持機構。
【請求項12】
前記第2板金部品の突起部先端に輪郭が三角形状の凸部が形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の位置決め保持機構。
【請求項13】
前記第2板金部品の突起部先端の凹部の輪郭が円弧状であることを特徴とする請求項2又は5記載の位置決め保持機構。
【請求項14】
前記第2板金部品の突起部先端の凹部の輪郭が三角形状であることを特徴とする請求項2又は5記載の位置決め保持機構。
【請求項15】
前記R部又は斜面部全てに接するように前記穴に内接する長方形の短辺と、前記第2板金部品の厚さと、が略同一であることを特徴とする請求項3又は5記載の位置決め保持機構。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1項に記載の位置決め保持機構を用いて組み立てられたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は位置決め保持機構に関するものであり、例えば、プリンタやMFP(Multifunction Peripheral)等の画像形成装置を組み立てる際に用いられる位置決め保持機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
板金で構成される部品(例えば、プリンタやMFPの筺体フレーム)を組み付ける際には、ダボとダボ穴(サイズは直径3〜5mm程度)による位置決め、あるいはスリットと突起による位置決めが通常行われる。これらの位置決め作業を人が行うと、組付け対象の板金部品とそれに組み付ける板金部品との位置が通常ずれてしまう。このため、両者の位置を目視で確認し、その後、部品の保持及び位置確認を行いながら、例えばダボとダボ穴による位置決めの後、ネジ締結等が行われる。また位置決めの完了についても、人が目視で判断するか、あるいは篏合時の感触を手指で認識することにより行われる。
【0003】
上記位置決め・保持作業を改善するため、一方の板金部品の穴に他方の板金部品の突出部を圧入し、穴側に設けられている弾性片で突出部を基準面に押し付けて、その歪み弾性力により保持する構造が、特許文献1で提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−6342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、部品の組立てを自動化する場合、上述したいずれの位置決め構成を採用しても、位置決めの自動化は困難である。つまり、従来の位置決め作業を自動化しようとすれば、位置決めに必要な画像処理等を行うためにセンサーで位置を検出し、部品の位置を補正してから組付けを行わなければならず、結果として、装置コストの大幅な増大を招くことになる。また、ダボとダボ穴が干渉したり、スリットと突起が干渉したりすることで、位置決めが正常に完了しなくなるおそれもある。
【0006】
さらに、従来より知られている位置決め機構では、部品に対して所定の位置決めを行ってもその位置は維持されないため、例えばネジ締めを完了するまで位置決め後の部品を保持し続ける必要がある。また、特許文献1で提案されている位置決め保持機構では、位置決め後の部品保持が可能であるが、板金部品の弾性変形を利用しているため、繰り返し着脱を行うと板金部品に変形を与えてしまうおそれがある。
【0007】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、画像処理等が必要になる検出機能を用いなくても、部品の位置決め及びその位置の保持を確実かつ容易に行うことを可能とする位置決め保持機構、及びそれを用いて組み立てられた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1の発明の位置決め保持機構は、縁から内部に向かって突出した凸部が形成された穴を有する第1板金部品と、
前記第1板金部品の凸部と係合可能な大きさの係合穴又は係合溝が形成された突起部を有する第2板金部品と、を備え、
前記突起部を前記穴の輪郭に沿わせながら前記穴に対する篏合状態へと誘導し、前記凸部が前記係合穴又は合溝に入って係止されるように、
前記第1板金部品の前記穴の縁において、前記凸部が形成されている側の辺に対して対向する側の辺の片側又は両側に形成された第1誘導部
前記第2板金部品の前記突起部の片側又は両側に、前記突起部を前記穴に対する嵌合状態へと誘導する際に前記第1誘導部と接触するよう形成された第2誘導部と、
前記第2板金部品の前記突起部の前記係合穴又は係合溝の前方に、前記突起部を前記穴に対する嵌合状態へと誘導する際に前記凸部と接触するよう形成された、前記突起部の先端が凹形状となる凹部からなる第3誘導部と、
を有することを特徴とする。
【0009】
第2の発明の位置決め保持機構は、上記第1の発明において、前記第2板金部品の突起部の先端には2つの凸部が形成されており、その2つの凸部の中間位置に前記凹部が形成されていることを特徴とする。
【0010】
第3の発明の位置決め保持機構は、上記第1又は第2の発明において、前記第1板金部品に形成されている穴が長方形に内接する形状を有し、
前記第1誘導部がR部又は斜面部形成されており、
前記第2誘導部がR部又は斜面部形成されてることを特徴とする。
【0011】
第4の発明の位置決め保持機構は、上記第1〜第3のいずれか1つの発明において、前記係合穴又は係合溝に対する係止によって前記凸部が嵌合状態となるように、前記凸部の両端面が前記穴の中心軸に対して平行な平面を含んだ構成になっていることを特徴とする。
【0012】
第5の発明の位置決め保持機構は、上記第1〜第4のいずれか1つの発明において、前記第1板金部品に形成されている穴が長方形に内接する形状を有し、その長方形の2辺の長辺のうち、一方の長辺側に前記凸部が1つ以上設けられており、他方の長辺側には穴の縁から内部に向かって突出したR部又は斜面部が2つ以上設けられており、
前記穴が内接する長方形の長辺よりも前記突起部の根元の幅が短くなっており、
前記凸部が前記係合穴又は係合溝に入って係止されたときに前記係合穴又は係合溝の全体に嵌合する長さを有ることを特徴とする。
【0013】
第6の発明の位置決め保持機構は、上記第1〜第5のいずれか1つの発明において、前記第1板金部品の凸部の輪郭が円弧状であることを特徴とする。
【0014】
第7の発明の位置決め保持機構は、上記第1〜第5のいずれか1つの発明において、前記第1板金部品の凸部の輪郭が三角形状であることを特徴とする。
【0015】
第8の発明の位置決め保持機構は、上記第1〜第5のいずれか1つの発明において、前記第1板金部品の凸部の輪郭が先端Rの長方形状であることを特徴とする。
【0016】
第9の発明の位置決め保持機構は、上記第1〜第5のいずれか1つの発明において、前記第1板金部品の凸部の輪郭が長方形の先端に三角形を有する形状であることを特徴とする。
【0017】
第10の発明の位置決め保持機構は、上記第1〜第5のいずれか1つの発明において、前記第1板金部品の凸部の輪郭が長方形の先端に円弧を有する形状であることを特徴とする。
【0018】
第11の発明の位置決め保持機構は、上記第1〜第10のいずれか1つの発明において、前記第2板金部品の突起部先端に輪郭が円弧状の凸部が形成されていることを特徴とする。
【0019】
第12の発明の位置決め保持機構は、上記第1〜第10のいずれか1つの発明において、前記第2板金部品の突起部先端に輪郭が三角形状の凸部が形成されていることを特徴とする。
【0020】
第13の発明の位置決め保持機構は、上記第2又は第5の発明において、前記第2板金部品の突起部先端の凹部の輪郭が円弧状であることを特徴とする。
【0021】
第14の発明の位置決め保持機構は、上記第2又は第5の発明において、前記第2板金部品の突起部先端の凹部の輪郭が三角形状であることを特徴とする。
【0022】
第15の発明の位置決め保持機構は、上記第3又は第5の発明において、前記R部又は斜面部全てに接するように前記穴に内接する長方形の短辺と、前記第2板金部品の厚さと、が略同一であることを特徴とする。
【0023】
第16の発明の画像形成装置は、上記第1〜第15のいずれか1つの発明に係る位置決め保持機構を用いて組み立てられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明の位置決め保持機構によれば、第1板金部品の穴に第2板金部品の突起部が挿入され、その突起部が穴の輪郭に沿いながら穴に対する篏合状態へと誘導され、穴の凸部が突起部の係合穴又は係合溝に入って係止されることにより、第1板金部品と第2板金部品とが所定位置で保持状態となる。したがって、画像処理等が必要になる検出機能を用いなくても、部品の位置決め及びその位置の保持を確実かつ容易に行うことが可能である。しかも、部品の変形を利用していないため、繰り返し着脱しても部品に変形を与えることがない。結果として、部品を歪ませることなく高精度の位置決め及び組付けが可能となる。そして、板金部品の自動機械による位置決めが容易になるため、画像形成装置等の自動組立を低コストで実現することができる。また、組み立て作業を人が行う場合でも、コストを増加させることなく作業性を向上させて組立て時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】位置決め保持機構の一実施の形態を示す斜視図。
図2図1の実施の形態を構成する第1,第2板金部品の第1具体例を示す平面図。
図3図1の実施の形態における第1板金部品に対する第2板金部品の組み付け作業を示す斜視図。
図4】第1板金部品の第2具体例を示す平面図。
図5】第1板金部品の第3〜第6具体例を示す平面図。
図6】第2板金部品の第2〜第4具体例を示す平面図。
図7】第1板金部品の第5具体例と第2板金部品の第3具体例との組み合わせを説明するための平面図。
図8】第1板金部品の第7具体例と第2板金部品の第1具体例との組み合わせを説明するための平面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施した位置決め保持機構等を、図面を参照しつつ説明する。なお、具体例等の相互で同一の部分や相当する部分には同一の符号を付して重複説明を適宜省略する。
【0027】
図1に、位置決め保持機構の一実施の形態を示し、図2に、それを構成する第1,第2板金部品1A,1B(第1具体例)を示す。また図3に、複数の板金部品が結合してなる構造体301(製品:例えば、プリンタ,複写機,MFP等の画像形成装置)において、第1板金部品1Aに第2板金部品1Bを組み付ける様子を示す。この位置決め保持機構は、第1板金部品1Aに形成されている穴101に、第2板金部品1Bの一部から成る突起部201を挿入することにより、第1板金部品1Aと第2板金部品1Bとの位置決め及びその位置の保持を行うものである。その一例として、図1(A)〜(E)では、第1板金部品1Aに対して第2板金部品1Bが右側から左側へ移動することにより位置決めされ、嵌合状態で結合保持される様子を順に示している。
【0028】
第1板金部品1Aには、前述したように位置決め用の穴101が形成されている。この穴101は、長方形に内接する形状を有している。つまり、図2(A)に示すように、長方形P1が外接する形状を穴101が有しており、その外接長方形P1の中心である穴101の中心、又は穴101の基準となる位置(例えば、穴101の辺,コーナー等である。設計上、第1板金部品1Aの基準位置から寸法が規定されている部位を指す。)は、第1板金部品1Aの基準位置(第1板金部品1Aの設計上の寸法基準又は加工される際の寸法基準となる点である。例えば、ダボ中心,ピン穴中心,突き当ての角等である。)に対して位置精度が確保されるように加工されている。
【0029】
穴101の外接長方形P1の長辺に対応する2辺のうち、一方の辺側には、穴101の縁から内部に向かって突出するように凸部102(図2(A))が設けられている。凸部102は、その先端部が外接長方形P1の中央部に位置するように形成されており、その輪郭に沿いながら突起部201を穴101に対する篏合状態へと誘導する機能と、係合穴207(図2(B))に入って係止されることにより第1,第2板金部品1A,1Bを所定位置で保持状態とするロック機能と、を有している。なお、本実施の形態では凸部102が半円状(輪郭が円弧状)となっているが、これに限らない。例えば、小判形状,三角形状,台形状等、いずれの形状でもよい。
【0030】
穴101の外接長方形P1の四隅には、穴101の縁から内部に向かって突出するように4つのR部103,104,105,106が設けられている。R部103〜106は、その輪郭に沿いながら突起部201を穴101に対する篏合状態へと誘導する機能と、突起部201の上下方向(厚み方向)の位置を規制する機能と、を有している。また、R部103とR部105との間には左右嵌合端面110aが形成されており、R部104とR部106との間には左右嵌合端面110bが形成されている。左右嵌合端面110a,110bは、穴101の内壁から成っており、穴101に挿入された突起部201の左右方向の位置を規制する機能を有している。なお、R部103〜106は、その輪郭がほぼ円弧状となっているが、これに限らない。例えば、小判形状,斜面状,三角形状,台形状等、いずれの形状でもよい。
【0031】
第2板金部品1Bには、前述したように位置決め・保持用の突起部201が形成されている。この突起部201の先端には、図2(B)に示すように、2つの凸部202,203が形成されており、凸部202と凸部203との中間位置には凹部204が形成されている。凹部204は、前述したように、凸部102との組み合わせにより、互いの輪郭に沿いながら突起部201を穴101に対する篏合状態へと誘導する機能を有している。本実施の形態では凸部202,203が半円状(輪郭が円弧状)となっているが、これに限らない。例えば、小判形状,三角形状,台形状等、いずれの形状でもよい。また、本実施の形態では凹部204が半円状(輪郭が円弧状)となっているが、これに限らない。例えば、小判形状,三角形状等、いずれの形状でもよい。
【0032】
突起部201の根元には左右方向の位置を規制するための左右嵌合端面210a,210bが形成されており、凸部202と左右嵌合端面210aとの間にはR部205が形成されており、凸部203と左右嵌合端面210bとの間にはR部206が形成されている。R部205,206は、前述したように、R部103〜106との組み合わせにより、互いの輪郭に沿いながら突起部201を穴101に対する篏合状態へと誘導する機能を有している。
【0033】
突起部201の中央根元側には、第1板金部品1Aの凸部102と係合可能な大きさを有する前記ロック用の係合穴207が形成されている。この係合穴207は、前述したように凸部102が入って係止されることにより、第1,第2板金部品1A,1Bを所定位置で保持状態とするロック機能を有している。
【0034】
第2板金部品1Bの切欠き408,409(図2(B))は、第1板金部品1Aと第2板金部品1Bとが篏合状態(図2)となった際に、部品同士が確実に接触するための逃げ部である。また、穴101に突起部201を確実かつ円滑に篏合させるために、第2板金部品1Bの突起部201根元の左右嵌合端面210a,210bには(図2(B))、第1板金部品1Aの板厚以上の直線領域が形成されている。
【0035】
R部103〜106全てに接するように穴101に内接する長方形P2(図2(A))の長辺は、突起部201の根元幅よりも長くなっている。つまり、第2板金部品1Bの突起部201の根元幅は、第1板金部品1Aの穴101の内接長方形P2の長辺の幅より少しだけ短くなっており、この寸法差により篏合精度が決まるようになっている。また、R部103〜106全てに接するように穴101に内接する長方形P2(図2(A))の短辺は、第2板金部品1Bの厚さよりも長くなっている。つまり、第1板金部品1Aの穴101の内接長方形P2の短辺寸法は、第2板金部品1Bの板厚より少しだけ大きくなっており、この寸法差により篏合精度が決まるようになっている。したがって、篏合精度を考慮すれば、長方形P2の長辺の幅と突起部201の根元幅とは略同一であり、長方形P2の短辺と第2板金部品1Bの厚さとは略同一である。
【0036】
次に、第1板金部品1Aと第2板金部品1Bとの位置決め及び篏合保持動作を説明する。まず、構造体301(図3)を構成している第1板金部品1Aの穴101に対して、ほぼ垂直方向から第2板金部品1Bの突起部201の挿入を開始する(図1(A))。このとき、穴101の高さが広い部分(R部103〜106で突起部201の厚み方向の位置が規制されていない部分)に、突起部201の各凸部202,203の先端が挿入されるようにすれば、第2板金部品1Bの位置が第1板金部品1Aの穴101の空間範囲内でずれても、位置決め及び篏合が可能な状態にすることができる。
【0037】
図1(A)の状態から、第2板金部品1Bを弱い力で保持しながら移動させることにより突起部201の挿入を続けると、凸部102に凹部204が接触する(図1(B))。突起部201はその先端中央の凹部204が凸部102と干渉するため、凸部102と凹部204との接触状態を保ちながら突起部201の挿入を続けると、突起部201は求心される。つまり、凹部204が凸部102の頂点方向へ移動するように、凸部102と凹部204の互いの輪郭に沿いながら突起部201は移動して、凸部102に乗り上げた状態となる(図1(C))。この輪郭に沿った突起部201の移動をより円滑に行うには、穴101の凸部102の曲率半径を、突起部201の凹部204の曲率半径よりも大きくすることが好ましい。
【0038】
さらに、突起部201はその両端のR部205,206が穴101の上側のR部103,104に干渉することにより再び求心される。つまり、突起部201の根元が穴101の内接長方形P2に向けて移動するように、R部103,104とR部205,206の互いの輪郭に沿いながら突起部201が移動する。この輪郭に沿った突起部201の移動をより円滑に行うには、突起部201のR部205,206の曲率半径を、穴101のR部103,104の曲率半径よりも大きくすることが好ましい。
【0039】
突起部201の挿入を更に続けると、凸部102が係合穴207に到達し(図1(D))、最終的には凸部102と係合穴207とが係合した状態となる(図1(E),図2)。凸部102と係合穴207とが係合すると同時に、図2(A)に示すように、第1板金部品1AのR部103〜106と第2板金部品1Bの板厚とで上下方向の位置決めが完了し、第1板金部品1Aの左右嵌合端面110a,110bと第2板金部品1Bの左右嵌合端面210a,210bとで左右方向の位置決めが完了する。つまり、穴101の内接長方形P2と第2板金部品1Bの突起部201の断面とが、図2(A)に示すように一致する状態となって篏合することにより、第1板金部品1Aに対して第2板金部品1Bを位置決めすることができる。
【0040】
ところで、板金部品で構成される装置においては、例えば、図3に示すように複数の板金部品を組み合わせて構造体301を形成することが多い。その場合、加工誤差や取付け誤差等により累積的に部品の位置ズレが増加する。したがって、組み付けられる側の部品位置には、正規の位置に対して上下左右方向にズレが発生する可能性がある。このような位置ズレを考慮しながら部品の組付け作業を人が行う場合には、目視により穴位置を確認し、組み付ける部品をずれた穴位置付近に移動させ、篏合位置を決定して取付けを行う必要がある。この動作を自動化しようとすれば、組み付けられる側の部品の穴位置を画像処理等で確認し、ロボット等で保持されている組み付ける側の部品の位置を補正して篏合させる、という動作を行う必要がある。
【0041】
本実施の形態の位置決め保持機構によれば、上記バラツキがあっても嵌合を行うことができる。つまり、本実施の形態に係る位置決め保持機構によれば、第1板金部品1Aの位置がずれても、第1板金部品1Aの穴101に構成された遊び空間と第2板金部品1Bの突起部201の形状とにより、画像センサー等により第1板金部品1Aの位置を確認することなしに篏合及び位置決めを行うことができる。
【0042】
また、本実施の形態の位置決め保持機構によれば、前述したように、第1板金部品1Aの穴101に第2板金部品1Bの突起部201が挿入され、その突起部201が穴101の輪郭に沿いながら穴101に対する篏合状態へと誘導され、穴101の凸部102が突起部201の係合穴(後述するように係合溝でもよい。)に入って係止されることにより、第1板金部品1Aと第2板金部品1Bとが所定位置で保持状態となる。したがって、画像処理等が必要になる検出機能を用いなくても、穴101に対し突起部201をほぼ垂直方向に挿入するだけで、部品の位置決め及びその位置の保持を確実かつ容易に行うことが可能である。しかも、部品の変形を利用していないため、繰り返し着脱しても部品に変形を与えることがない。結果として、部品を歪ませることなく高精度の位置決め及び組付けが可能となる。そして、板金部品の自動機械による位置決めが容易になるため、画像形成装置等の自動組立を低コストで実現することができる。また、組み立て作業を人が行う場合でも、コストを増加させることなく作業性を向上させて組立て時間を短縮することができる。
【0043】
さらに、組付け時の自己保持が可能となるため、従来の部品組付け時の作業完了までの3工程(すなわち、位置決めと、部品保持と、ビス締め等の締結と、の3工程)を、位置決め保持と締結との2工程として分離できることになる。したがって、部品のまとめ組付けや部品のネジ止めを2台のロボットで行う場合、第1のロボットが部品を組み付けた後に第2のロボットがネジ止めするとき、第1のロボットが部品を保持し続ける必要はない。したがって、次の部品の組み付け作業が可能となり、工程の効率化や工数削減が可能となるため、組立工程におけるコストダウンが期待できる。
【0044】
第1,第2板金部品1A,1Bが所定位置で保持状態となるように位置決めされた後、凸部102が係合穴207(係合溝でもよい。)に入って係止されるようにするには、穴101に挿入された突起部201が穴101の輪郭に沿いながら穴101に対する篏合状態へと誘導されるようにする必要がある。本実施の形態では、突起部201を穴101に対する篏合状態へと誘導するために、穴101に突起部201が挿入される過程において、凸部102に凹部204を接触させて互いの輪郭に沿わせながら求心させており、穴101のR部103,104(曲面に限らず平面でもよい。)に突起部201のR部205206を接触させて互いの輪郭に沿わせながら求心させている。
【0045】
つまり、第1板金部品1Aには、1つ以上の凸部102と、2つ以上のR部103,104が穴101の縁に必要である。また、第2板金部品1Bの突起部201には、1つ以上の凹部204が必要であり、そのためには2つ以上の凸部202,203が必要である。そこで、上述した第1,第2板金部品1A,1Bとは異なったタイプの凸部102,202,203,凹部204,R部103〜106,205,206等を有する第1,第2板金部品の具体例を以下に説明する。
【0046】
図4に、本実施の形態に適用可能な第1板金部品2A(第2具体例)を示す。この第1板金部品2Aは、係止外れ防止機構を構成するために、第1板金部品1Aの凸部102の輪郭を長方形の先端に円弧を有する形状としたタイプである。つまり、係合穴207に対する係止によって凸部102が嵌合状態となるように、凸部102の両端面102sが穴101の中心軸AXに対して平行な平面を含んだ構成になっており、その凸部102の先端が円弧状となっている。また、凸部102が係合穴207に入ると、凸部102の先端が寸法規制範囲である内接長方形P2の上端に達するように、凸部102の長さが設定されている。
【0047】
凸部102が係合穴207に入ると、凸部102と係合穴207との接触面(係合穴207の内壁面と凸部102の両端面102s)は垂直に位置する(つまり、中心軸AXに対して平行に位置する)ので、凸部102と係合穴207との係止による結合保持が完了した後に、結合方向とは逆方向(図1では右方向である。)の力を受けても係止が外れず、保持状態を維持することができる。さらに、凸部102の先端が内接長方形P2の上端に達する長さ(すなわち、係合穴207全体に嵌合する長さ)を有するので、その係止は更に外れにくくなり、保持状態を確実に維持することができる。
【0048】
図5に、本実施の形態に適用可能な第1板金部品3A〜6A(第3〜第6具体例)を示す。図5(A),(B)に示す第1板金部品3A,4Aでは、穴101の縁に構成される凸部102の輪郭が三角形状になっている。このように凸部102の輪郭を三角形状にすると、凸部102が係合穴207に入りやすくなるというメリットがある。また、第1板金部品3A,4Aでは、R部103,104(図2等)と同様の機能を有する斜面部103a,104aが、穴101の上両側に形成されている。
【0049】
図5(A)に示す第1板金部品3Aでは、穴101の下両側にR部105,106が形成されているが、図5(B)に示す第1板金部品4Aでは、穴101の下両側にR部105,106は形成されていない。R部105,106が設けられていれば、最初に突起部201を穴101に挿入する際のレンジが広くなり、その輪郭に沿いながら突起部201を穴101に対する篏合状態へと誘導することが容易になるが、R部105,106が無くても、斜面部103a,104aにより突起部201を求心することは可能である。
【0050】
図5(C)に示す第1板金部品5Aでは、係止外れ防止機構を構成するために、第1板金部品1Aの凸部102の輪郭を長方形の先端に三角形を有する形状としたタイプになっている。つまり、係合穴207に対する係止によって凸部102が嵌合状態となるように、凸部102の両端面102sが穴101の中心軸AXに対して平行な平面を含んだ構成になっており、その凸部102の先端が三角形状となっている。また、凸部102が係合穴207に入ると、凸部102の先端が寸法規制範囲である内接長方形P2の上端に達するように、凸部102の長さが設定されている。
【0051】
凸部102が係合穴207に入ると、凸部102と係合穴207との接触面(係合穴207の内壁面と凸部102の両端面102s)は垂直に位置する(つまり、中心軸AXに対して平行に位置する)ので、凸部102と係合穴207との係止による結合保持が完了した後に、結合方向とは逆方向(図1では右方向である。)の力を受けても係止が外れず、保持状態を維持することができる。さらに、凸部102の先端が内接長方形P2の上端に達する長さ(すなわち、係合穴207全体に嵌合する長さ)を有するので、その係止は更に外れにくくなり、保持状態を確実に維持することができる。
【0052】
図5(D)に示す第1板金部品6Aでは、第1板金部品6Aの穴101の縁には、凸部102のみが構成されており、第2板金部品1B(図2(B)等)の突起部201を第1板金部品6Aの好ましい位置に誘導する機能は設けられていない。ただし、係止外れ防止機構を構成するために、第1板金部品1Aの凸部102の輪郭を先端Rの長方形状としたタイプになっている。つまり、係合穴207に対する係止によって凸部102が嵌合状態となるように、凸部102の両端面102sが穴101の中心軸AXに対して平行な平面を含んだ構成になっており、その凸部102の先端がR付きの長方形状となっている。また、凸部102が係合穴207に入ると、凸部102の先端が寸法規制範囲の上端に達するように、凸部102の長さが設定されている。
【0053】
凸部102が係合穴207に入ると、凸部102と係合穴207との接触面(係合穴207の内壁面と凸部102の両端面102s)は垂直に位置する(つまり、中心軸AXに対して平行に位置する)ので、凸部102と係合穴207との係止による結合保持が完了した後に、結合方向とは逆方向(図1では右方向である。)の力を受けても係止が外れず、保持状態を維持することができる。さらに、凸部102の先端が寸法規制範囲の上端に達する長さ(すなわち、係合穴207全体に嵌合する長さ)を有するので、その係止は更に外れにくくなり、保持状態を確実に維持することができる。
【0054】
図6に、本実施の形態に適用可能な第2板金部品2B〜4B(第2〜第4具体例)を示す。図6(A),(B)に示す第2板金部品2Bでは、穴101に対する突起部201の挿入位置ズレに対応するために、突起部201先端の凸部202,203と凹部204の輪郭をいずれも三角形状としたタイプになっている。さらに図6(B)に示す第2板金部品3Bでは、係止外れ防止機構を構成するために、係合穴207の輪郭を長方形の先端に三角形を有する形状(五角形のホームベース型)としたタイプになっている。
【0055】
図6(C)に示す第2板金部品4Bでは、係合穴207の代わりに係合溝207aが設けられている。第2板金部品4Bでは、曲げ部分408a,409aが形成されているため、係合穴207を形成するだけの寸法を確保することは困難である。係合溝207aであれば狭いスペースでも形成可能であり、しかも係合穴207と同様の機能が得られる。
【0056】
図7に、図5(C)に示す第1板金部品5A(第5具体例)と、図6(B)に示す第2板金部品3B(第3具体例)と、を組み合わせた場合の結合保持状態を示す。図7(B)に示すように、係合穴207の長方形部分に凸部102が嵌合するようになっており、係合穴207の長方形部分の短辺寸法は第1板金部品5Aの厚みと略同一になっている。凸部102の左右幅と係合穴207の長辺とは略同一になっている。凸部102の先端から上の穴101の高さは第2板金部品3Bの厚みより広くなっている。凹部204の成す角度は凸部102先端の三角形の角度と略同一であり、斜面部103a,104aの成す角度は斜面部205a,206aの成す角度とそれぞれ略同一である。
【0057】
穴101に突起部201が挿入されると、凸部102と凹部204との干渉、斜面部205a,206aと斜面部103a,104a又はR部105,106との干渉が発生し、求心が開始される。突起部201が穴101の略中央に到達すると、凸部102と凹部204との干渉により突起部201が上昇し、凸部102の先端から上の穴101の範囲に移動する。突起部201の挿入を更に進めると、斜面部103a,104aと斜面部205a,206aの傾斜に倣って突起部201が求心され、突起部201が下降する。凸部102の頂点が係合穴207の三角形部分から見え始め、斜面部103a,104aと斜面部205a,206aの倣いが終わると、係合穴207の長方形部分に凸部102が丁度嵌り込み、位置が決まると同時に係止される。
【0058】
組込み又は部品加工性を考慮すると、係合穴207の長方形部分と三角形部分301との境界の角には若干Rを施す必要があり、その場合の長方形部分の短辺寸法は第1板金部品5Aの厚みより若干長い寸法となる。係合穴207の形成位置は、第2板金部品3Bが斜面部103a,104aと斜面部205a,206aの傾斜で下降を始める時に、凸部102の頂点が係合穴207に入り始めるように設定する必要がある。凹部204の成す角度よりも凸部102先端の三角形の角度を大きめにすると、突起部201を滑らかに上昇させることが可能となる。
【0059】
凸部102と凹部204の輪郭が接触しない範囲で、穴101に突起部201が挿入された場合、斜面部103a,104aと斜面部205a,206aでの輪郭で求心させるために、穴101の左右下側にはR部105,106(その輪郭は斜面部103a,104aのような平面状でもよく円弧状でもよい。)を有している。第1板金部品5Aと第2板金部品3Bがど真ん中の位置に挿入された際の組込不可を回避するために、凸部102に両端面102sを形成する場合、少なくとも凸部102と凹部204の一部輪郭が接触するように第1板金部品5Aと第2板金部品3Bの設計をするのが好ましい。
【0060】
図8に、第1板金部品7A(第7具体例)と、図2(B)に示す第2板金部品1B(第1具体例)と、を組み合わせた場合の結合保持状態を示す。図8(B)に示すように、凸部102は係合穴207に内接するように嵌合する寸法が設定されている。凸部102の左右幅と係合穴207の直径とは略同一になっている。凸部102の先端から上の穴101の高さは第2板金部品1Bの厚みより広くなっている。凹部204の曲率は凸部102先端の半円状の曲率と略同一であり、R部103,104の曲率はR部205,206の曲率とそれぞれ略同一である。
【0061】
図8(A)に示す第1板金部品7Aでは、係止外れ防止機構を構成するために、第1板金部品1Aの凸部102の輪郭を長方形の先端に円弧を有する形状としたタイプになっている。つまり、係合穴207に対する係止によって凸部102が嵌合状態となるように、凸部102の両端面102sが穴101の中心軸AXに対して平行な平面を含んだ構成になっており、その凸部102の先端が円弧形状となっている。また、凸部102が係合穴207に入ると、凸部102の先端が寸法規制範囲のほぼ上端に達するように、凸部102の長さが設定されている。
【0062】
穴101に突起部201が挿入されると、凸部102と凹部204との干渉、R部205,206とR部103,104又はR部105,106との干渉が発生し、求心が開始される。突起部201が穴101の略中央に到達すると、凸部102と凹部204との干渉により突起部201が上昇し、凸部102の先端から上の穴101の範囲に移動する。突起部201の挿入を更に進めると、R部103,104とR部205,206の傾斜に倣って突起部201が求心され、突起部201が下降する。凸部102の頂点が係合穴207の三角形部分から見え始め、R部103,104とR部205,206の倣いが終わると、係合穴207の長方形部分に凸部102が丁度嵌り込み、位置が決まると同時に係止される。
【0063】
組込み又は部品加工性を考慮すると、可能な限り角には若干のRを施す必要があり、係合穴207の形成位置は、第2板金部品3BがR部103,104とR部205,206の傾斜で下降を始める時に、凸部102の頂点が係合穴207に入り始めるように設定する必要がある。凹部204の曲率半径よりも凸部102先端の曲率半径を大きめにすると、突起部201を滑らかに上昇させることが可能となる。
【0064】
凸部102と凹部204の輪郭が接触しない範囲で、穴101に突起部201が挿入された場合、R部103,104とR部205,206での輪郭で求心させるために、穴101の左右下側にはR部105,106(その輪郭は平面状でもよく円弧状でもよい。)を有している。第1板金部品5と第2板金部品3Bがど真ん中の位置に挿入された際の組込不可を回避するために、凸部102に両端面102sを形成する場合、少なくとも凸部102と凹部204の一部輪郭が接触するように第1板金部品5と第2板金部品3Bの設計をするのが好ましい。
【符号の説明】
【0065】
1A〜7A 第1板金部品
101 穴
102 凸部
102s 端面
103〜106 R部
103a,104a 斜面部
1B〜4B 第2板金部品
201 突起部
202,203 凸部
204 凹部
205,206 R部
205a,206a 斜面部
207 係合穴
207a 係合溝
501 構造体(画像形成装置)
P1 外接長方形
P2 内接長方形
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8