(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2筐体には、前記液体吐出ヘッドから排出された液体を受け取る受け部と、前記受け部で受け取った液体を前記廃液タンクに移送する廃液移送部とが設けられており、
前記受け部は、前記鉛直方向において前記吐出面と前記収容トレイ装着部との間に配置され、且つ、前記吐出面と前記鉛直方向に重なることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0021】
先ず、
図1〜
図4を参照し、本発明の一実施形態に係るインクジェット式プリンタ101の概略構成について説明する。
【0022】
プリンタ101は、共に直方体形状で且つサイズが略等しい上筐体(第1筐体)1a及び下筐体(第2筐体)1bからなる装置筐体1を有している。装置筐体1は、6つの面を有する直方体形状である。装置筐体1は、鉛直方向に沿って延びる4つの側面を有している。装置筐体1の4つの側面のうち、
図1における紙面奥側の側面は背面111(第1側面(
図3参照))、
図1における紙面手前側の側面は正面112(第2側面)である。また、背面111と正面とをつなぐ面であって、
図1における紙面奥側の側面を左面113、
図1における紙面手前側の側面を右面114と定義する。また、背面111と正面112とを繋ぐ面であって、鉛直方向上側の面は、上面115である。背面111及び正面112は、鉛直方向及び主走査方向に延びる面である。右面114及び左面113は、鉛直方向及び副走査方向に延びる面である。上面115は、主走査方向及び副走査方向に延びる面である。上筐体1aは下面が開口し、下筐体1bは上面が開口している。上筐体1aが下筐体1b上に重なり、互いの開口面を封止することで、プリンタ101内部の空間が画定される(
図3参照)。ここで、主走査方向は、後述のヘッド10の吐出面10aの延在方向である。副走査方向は、主走査方向及び鉛直方向と直交する方向であって、吐出面10aと対向する位置を搬送される用紙Pの搬送方向である。
【0023】
装置筐体1の上面115には、排紙部(第1排出部)31が設けられている。上及び下筐体1a,1bにより画定される空間(装置筐体1の内部空間)には、
図3に破線の太矢印で示すように、第1給紙部1c及び第2給紙部1dから排紙部31に向けて、用紙Pが搬送される搬送経路が形成されている。
【0024】
上筐体1aは、フレーム1a1(
図4参照)と、このフレーム1a1の外側に配置された化粧板1a2とから構成されている。フレーム1a1は、主走査方向に対向する強度の高い一対の剛体フレームと、これら剛体フレームを連結する連結フレーム(不図示)とで構成されている。下筐体1bも、フレーム1b1(
図2、
図4参照)とこのフレーム1b1の外側に配置された化粧板1b2とから構成されている。フレーム1b1も、主走査方向に対向する強度の高い一対の剛体フレームと、これら剛体フレームを連結する連結フレームとで構成されている。フレーム1b1の一対の剛体フレームは、
図5(a)に示すように、主走査方向から見てL字形状を有する。一対の剛体フレームは、副走査方向において背面111側から上方に突出した一対の突出部1b3を有している。フレーム1b1は、後述の搬送機構40を支持しており、フレームの中で最も剛性が高い。
【0025】
装置筐体1は、主走査方向に延在する軸1xを有している。軸1xは、
図3に示すように、上筐体1aにおける副走査方向の一端部(
図3中右端部)鉛直方向略中央に位置する。すなわち、軸1xは、装置筐体1の正面112よりも背面111に近い位置に配置されている。上筐体1aは、軸1xを介して下筐体1bに連結されている。そして、上筐体1aは、当該軸1xの軸線1zを中心として、下筐体1bに対して回動可能となっている。上筐体1aは、回動することで、下筐体1bに近接した近接位置(第1位置:
図1及び
図3に示す位置)と、近接位置のときよりも下筐体1bから離隔した離隔位置(第2位置:
図2に示す位置)とを取り得る。離隔位置では、後述のヘッド10の吐出面10aとプラテン44,45との離隔距離が近接位置のときよりも大きい。上筐体1aが離隔位置にあるとき、近接位置にある上筐体1a及び下筐体1bによって形成されている用紙搬送経路の一部が外部に露出され、用紙搬送経路上にユーザーの作業空間が確保される。すなわち、上筐体1aが離隔位置にあるとき、後述するプラテン44,45及び吐出面10aが外部に露出される。ユーザーは、当該作業空間を利用して、手動で装置筐体1の正面112からジャム処理(搬送経路における用紙Pの詰まりを解消する作業)を行うことができる。つまり、ジャム処理が正面112側からアクセス可能となる。即ち、フロントアクセス可能となる。
【0026】
軸1xは、下筐体1bのフレーム1b1における上方に突出した一対の突出部1b3(
図4、
図5参照)のそれぞれにおいて、主走査方向外側に突出して形成されている。また、軸1xは、主走査方向に延在し、その軸線方向も主走査方向と平行となる。そして、上筐体1aのフレーム1a1には、
図4に示すように、軸1xを回転可能に支持する軸受1yが設けられている。これら軸1xと軸受1yによって上筐体1aと下筐体1bとが回動可能に連結されている。
【0027】
また、軸1xには、上筐体1aを開放する方向に(近接位置から離隔位置に向けて)上筐体1aを付勢するバネ(不図示)が設けられている。本実施形態において、上筐体1aは、水平面に対して所定の角度まで開くことができる。即ち、上筐体1aと下筐体1bとのなす角度θが所定の角度となるまで開くことができる。所定の角度は、上筐体1aと下筐体1bとの間にユーザーが手を入れてジャム処理できる程度の角度であり、本実施形態においては29°である。
【0028】
上筐体1aの正面には、
図2に示すように、近接位置にある上筐体1aの移動を規制するロック機構65が設けられている。装置筐体1の正面112には、上及び下筐体1a,1bに跨って配置される開閉可能な扉22が設けられている。扉22は、閉止された状態で、装置筐体1の正面112を部分的に覆うように構成されている。扉22を開放することによってロック機構65が露出される。そして、このロック機構65による規制を解除することで、上筐体1aが下筐体1bに対して回動可能となる。また、ロック機構65は、離隔位置にある上筐体1aを近接位置に戻すと、自動的に上筐体1aの移動を規制する。なお、扉22は、後述するように第2給紙部1dの手差トレイ(載置トレイ)22を兼ねている。
【0029】
次いで、
図3〜
図5等を参照し、プリンタ101の内部空間に配置された各構成要素について説明する。
【0030】
装置筐体1の内部空間には、
図3に示すように、プリンタ101各部を制御する制御部100、用紙Pの搬送経路を規定する搬送機構40、ヘッドユニット9、ヘッド昇降機構35(
図7参照)、2つのサブタンク(第2タンク)80(
図2参照)、2つのカートリッジ(第1タンク)4、2つのカートリッジ装着部70、第1給紙部1c、第2給紙部1d、液体受け部90、廃液タンク99、廃液タンク装着部98、廃液移送部97、及び、ワイパユニット36(
図8参照)が配置されている。このうち、上筐体1aには、制御部100、ヘッドユニット9、ヘッド昇降機構35、2つのサブタンク80、2つのカートリッジ4及びカートリッジ装着部70が設けられる。下筐体1bには、搬送機構40、第1給紙部1c、第2給紙部1d、液体受け部90、廃液タンク99、廃液タンク装着部98、廃液移送部97、及び、ワイパユニット36が設けられる。
【0031】
搬送機構40が規定する搬送経路は、通常搬送に係る経路R1,R2,R3と、第2給紙部1dと経路R1とを接続する経路R4と、プリンタ101に後述の排紙トレイ200(
図10参照)が増設されたときに、当該排紙トレイ200と接続される経路R5とを含む。搬送機構40は、経路R1〜R5を規定する下記の構成要素、及び、搬送モータ(図示略)を有し、フレーム1b1に保持されている。経路R3,R5を規定する構成要素は、フレーム1b1における一対の突出部1b3に保持されている。
【0032】
経路R1は、第1給紙部1cから記録位置に至る、主走査方向から見てU字状に湾曲した経路であり、ガイド41〜43、ローラ対51〜53によって規定されている。ここで、記録位置は、吐出面10aに対向する位置であって、各吐出面10aのそれぞれと各プラテン44、45との間の位置である。経路R1は、給紙トレイ20に収容された用紙Pを背面111側から正面112側に搬送した後に、装置筐体1の正面112側において、当該用紙Pを背面111側へUターン搬送する経路である。
【0033】
経路R2は、2つのヘッド10それぞれの記録位置を通る経路であり、各ヘッド10の吐出面10aとそれぞれ対向するプラテン(支持部)44,45、ローラ対54によって規定されている。経路R2は、用紙Pを正面112側から背面111側に向けて搬送する経路である。各プラテン44,45は、支持機構48に含まれている。支持機構48は、記録に際して、搬送される用紙Pを下から支える。プラテン44は、2つに分割された分割プラテン44a,44bを有する。同様に、プラテン45は、2つに分割された分割プラテン45a,45bを有する。支持機構48は、分割プラテン44a,44b,45a,45bのそれぞれを回動させる駆動モータ(不図示)を有する。分割プラテン44a,44b,45a,45bのそれぞれは、主走査方向に延在した回動軸を持つ。搬送方向上流側の分割プラテン44a,45aのそれぞれは、搬送方向上流端に回動中心がある。搬送方向下流側の分割プラテン44b,45bのそれぞれは、搬送方向下流端に回動中心がある。ここで、搬送方向とは、経路R2を搬送される用紙の進む方向である。各プラテン44,45は、制御部100の制御により、駆動モータが駆動されることで、支持面形成位置と開放位置との間で回動する。支持面形成位置では、
図3及び
図6(a)に示すように、分割プラテン44a,44bの自由端同士が突き合わされて、分割プラテン44a、44bにより平面形状の支持面が構成される。同様に、支持面形成位置では、分割プラテン45a,45bの自由端同士が突き合わされて、分割プラテン45a、45bにより平面形状の支持面が構成される。開放位置では、
図6(b)に示すように、各分割プラテン44a,44b,45a,45bが、90°回動されて各自由端が下方に垂れ下がる。そして、分割プラテン44a,44bの上面同士、及び、分割プラテン45a,45bの上面同士が対向する。これにより、各吐出面10aが、対向部材91、92と直接対向する。プラテン44、45が開放位置にあるとき、対向部材91,92は、昇降可能となる。なお、2つのプラテン44,45は、記録動作時は、支持面形成位置に配置され、メンテナンス時に開放位置に配置される。
【0034】
経路R3は、記録位置から排紙部31に至る、主走査方向から見てU字状に湾曲した経路であり、ガイド46,47、ローラ対55〜57によって規定されている。経路R3は、経路R2を経た用紙Pを正面112側から背面111側に搬送した後に、装置筐体1の背面111側において、用紙Pを正面112側へUターン搬送する経路である。経路R3は、記録位置に対して上側にあると共に、経路R1とは逆向きに湾曲している。即ち、
図3において、経路R1は正面112近傍において正面112(左)側に膨らむように湾曲しているのに対し、経路R3は背面111近傍において背面111(右)側に膨らむように湾曲している。これにより、
図3において紙面奥行き方向に見たときに、経路R1〜R3は全体として逆S字状となっている。
【0035】
経路(搬送路)R4は、第2給紙部1dから経路R1の途中部位に至る経路であり、ガイド43から分岐した分岐ガイド43aによって規定されている。経路R5は、経路R3の途中部位から鉛直方向上方に延びる経路であり、ガイド47から分岐した分岐ガイド47aによって規定されている。ローラ対51〜57は、それぞれ、搬送モータに接続された駆動ローラと、駆動ローラの回転に伴って回転する従動ローラとから構成されている。
【0036】
なお、経路R3と経路R5との接続部分には、用紙Pの搬送経路を切り換える切換機構69が設けられている。この切換機構69は、揺動部材69aと、揺動部材69aを駆動する駆動部(不図示)とを有する。揺動部材69aは、経路R5を塞ぐ第1位置(
図3に示す位置)と、経路R3と経路R5とを連通させる第2位置(
図10に示す位置)との間において、揺動する。そして、切換機構69は、制御部100によって駆動部が制御され、用紙Pを排紙部31に排出する際に揺動部材69aが第1位置に配置され、用紙Pを排紙トレイ200に排出する際に揺動部材69aが第2位置に配置される。
【0037】
排紙部31は、
図3に示すように、上筐体1aの上面115に形成されている。排紙部31は、排出された用紙Pを支持する支持面31aを有している。支持面31aは、副走査方向において、軸1xに近づくに連れて下降するように、傾斜している。排紙部31に排出された用紙Pは、支持面31aの傾斜に沿って下降し、用紙Pの搬送方向上流側の端部が、排紙部31の搬送方向上流側の壁面に当接する。これにより、排紙部31に排出された用紙Pが整列される。また、排紙部31に排出された用紙Pは、正面112側の端部が背面111側よりも高くなる。このため、正面112側から用紙Pを最も取り出しやすくなる。この結果、用紙Pの取り出し作業が正面112側からアクセス可能となる。即ち、フロントアクセス可能となる。また、支持面31aを傾斜させたことにより、排紙部31の副走査方向に関する平面サイズを小さくすることが可能となる。
【0038】
支持面31aの背面111側の端部は、鉛直方向において、カートリッジ装着部70と吐出面10aとの間に配置されている。さらに、支持面31aの正面112側の一部とカートリッジ装着部70の背面111側の一部とが鉛直方向に重なっている。これにより、鉛直方向において、上筐体1aの支持面31aとヘッド10との間のデットスペースにカートリッジ装着部70を配置させることが可能となる。このため、プリンタ101の小型化に寄与する。仮に、支持面31aを逆に傾斜(支持面31aの搬送方向上流側の端部を搬送方向下流側の端部よりも高い位置になるように傾斜)させると、鉛直方向において、カートリッジ装着部70が支持面31aの下流端よりも下に配置させることになる。すると、プリンタ101の高さが大きくなる。また、カートリッジ装着部70を鉛直方向において支持面31aと重ねない場合は、プリンタ101の平面サイズが大きくなる。
【0039】
ヘッドユニット9は、2つのヘッド10と、ヘッド10を支持するキャリッジ3とを含む。2つのヘッド10は、用紙Pの搬送方向上流側から順に、前処理液を吐出するプレコートヘッド、及び、ブラックインクを吐出するインクジェットヘッドである。
【0040】
ヘッド10は、互いに同じ構造であって、主走査方向に長尺なライン型であり、略直方体の外形形状を有する。ヘッド10は、副走査方向に互いに離隔し、キャリッジ3に固定されている。キャリッジ3は、上筐体1aのフレーム1a1に昇降可能に支持されている。
【0041】
ヘッド10の下面は、多数の吐出口が開口した吐出面10aである。ヘッド10の内部には、カートリッジ4から供給された前処理液又はブラックインク(以下、これらを「液体」と総称する。)が吐出口に至るまでの流路が形成されている。前処理液は、インクの滲みや裏抜けを防止する機能、インクの発色性や速乾性を向上させる機能等を有する液体である。吐出面10aは
図3において、水平面に平行な面である。
【0042】
サブタンク80は、カートリッジ4から供給された液体を一時的に貯留するタンクである。サブタンク80は、
図4に示すように、主走査方向に関して、ヘッド10と並んで配置されており、ヘッド10よりも左面113に近い位置に配置されている。サブタンク80と、ヘッド10は、主走査方向において、一部が重なって配置されている。また、サブタンク80は、主走査方向に関して上筐体1aの中央よりも一端部側(
図4中上側)に配置され、フレーム1a1と化粧板1a2との間においてフレーム1a1に支持されている。各サブタンク80は、配管81によってヘッド10と接続されている。サブタンク80は、
図5(a)に示すように、ヘッド10よりも鉛直方向下側に配置されている。これにより、サブタンク80に貯留された液体の液面が、所定の範囲内において吐出面10aよりも下方に位置する。これにより、ヘッド10内の圧力が所定の負圧範囲に維持されるため、吐出口から液体が漏れるのを防止できる。また、上筐体1aが離隔位置にあるときも、サブタンク80は、吐出面10aに対して所定の負圧範囲に維持されるように、上筐体1aに支持されている。そのため、上筐体1aが離隔位置と近接位置との間を移動しても、吐出面10aから液体が漏れるのを抑制することができる。
【0043】
各サブタンク80には、ポンプ82(
図7参照)が設けられている。各ポンプ82は、制御部100の制御により、サブタンク80内の液体をヘッド10側に強制的に送液する。
【0044】
カートリッジ装着部(第1タンク装着部)70は、
図3及び
図4に示すように、主走査方向において、上筐体1aの2つのフレーム1a1間に設けられている。また、カートリッジ装着部70は、鉛直方向に関して、ヘッド10及びサブタンク80よりも上方に配置されている(
図5参照)。これにより、装着されたカートリッジ4からサブタンク80への液体の補給が自然に行われる。なお、装着されたカートリッジ4からサブタンク80への液体の補給は、ポンプによって行っても良い。
【0045】
カートリッジ装着部70は、各カートリッジ4が装着される空間を画定するものである。カートリッジ装着部70は、
図4に示すように、ヘッド10と同様に、主走査方向に沿って長尺に延在する。また、カートリッジ装着部70は、副走査方向に関してヘッド10と並んで配置されており、ヘッド10よりも正面112に近い側に配置されている。このようにカートリッジ装着部70を配置することで、主走査方向に長尺なヘッド10を採用した場合でも、上筐体1a内のスペースを有効利用することが可能となる。このため、主走査方向に関して、上筐体1aの小型化を図ることができ、プリンタ101の平面サイズが大きくなるのを抑制することができる。
【0046】
各カートリッジ装着部70の装着口(第2開口)71は、上筐体1aの正面112に形成されている。装着口71は、
図9に示すとおり、正面112における上面115及び右面114に近い位置に形成されている。装着口71は、主走査方向に長尺な概ね長方形の形状である。カートリッジ装着部70は、正面112から背面111に向かって、装着口71から延びる概ね直方体形状の空間を有している。当該空間は、カートリッジ4を収容可能な大きさ及び形状を有している。上筐体1aには、装着口71を開閉可能な扉1e(
図1参照)が設けられている。なお、
図9では、説明を分かりやすくするため、扉1eを省略している。扉1eは、上筐体1aに回動可能に支持された板状部材である。
図3中2点鎖線で示すように、扉1eを回動させることで、装着口71が露出される。そして、この装着口71を通して、カートリッジ4がカートリッジ装着部70に挿抜される。カートリッジ4は装着口71に挿入されることによりカートリッジ装着部70に装着される。また、カートリッジ4の挿抜によりカートリッジ4の交換が可能となる。カートリッジ4の挿抜方向は、副走査方向に平行であって、正面112から背面111に向かう方向である。
【0047】
また、カートリッジ装着部70の主走査方向の一端部側(
図4中上方)には、
図4に示すように、液体移送部73が設けられている。液体移送部73は、中空針74と、中空針74を移動させる移動機構75と、配管76とを有している。液体移送部73は、カートリッジ装着部70毎に設けられている。配管76は、中空針74とサブタンク80とを接続している。上側の液体移送部73は、搬送方向上流側にあるプレコートヘッド10に対応するサブタンク80と接続されている。一方、下側の液体移送部73は、インクジェットヘッド10に対応するサブタンク80と接続されている。
【0048】
移動機構75は、制御部100の制御により、接続位置と離隔位置との間において、中空針74を主走査方向に移動させる。接続位置では、中空針74がカートリッジ装着部70内に突出し、カートリッジ装着部70に装着されたカートリッジ4と液体移送部73とを接続する。離隔位置では、中空針74がカートリッジ装着部70内に突出せず、カートリッジ装着部70に装着されたカートリッジ4と離隔する。中空針74が離隔位置にある状態において、カートリッジ4の挿抜が行われる。また、移動機構75は、カートリッジ装着部70と主走査方向に並んで配置されており、カートリッジ装着部70よりも左面113に近い位置に配置されている。移動機構75とカートリッジ装着部70とは主走査方向において一部が重なった状態で配置されている。
【0049】
カートリッジ4は、
図4に示すように、カートリッジ装着部70に装着された状態において、主走査方向に沿って長尺な略直方体形状を有する。カートリッジ4の内部には、液体が充填されている。カートリッジ4の主走査方向の一端部(
図4中上方)には、主走査方向に突出した液体供給部4aが形成されている。この液体供給部4aの先端面には、ゴムからなるスパウトが設けられている。そして、カートリッジ4がカートリッジ装着部70に装着された後、制御部100の制御により、中空針74が離隔位置から接続位置に移動されることで、スパウトに中空針74が突き刺さる。これにより、カートリッジ4内の液体が中空針74、配管76を通ってサブタンク80に供給される。また、液体供給部4aが、主走査方向に関して、サブタンク80側に配置されている。これにより、液体移送部73の配管76の長さを短くする(液体移送距離を短くする)ことが可能となる。配管76の長さが短いと、配管76を通して液体内に空気が侵入する可能性が低くなる。液体内に空気が侵入すると、吐出不良を招く虞がある。
【0050】
ヘッド昇降機構35は、キャリッジ3の昇降により、ヘッド10を印刷位置と退避位置の間で移動させる。印刷位置(
図3、
図8(a)参照)では、吐出面10aと支持面形成位置にあるプラテン44,45とが印刷に適した間隔で対向する。印刷位置は、ヘッド10が移動範囲の下端に位置する。退避位置(
図8(c)参照)では、吐出面10aと支持面形成位置にあるプラテン44,45とが、印刷位置よりも離隔する。すなわち、退避位置では、ヘッド10が印刷位置よりも上方に位置する。退避位置は、ヘッド10が移動範囲の上端に位置する。ワイピング位置(
図8(b)参照)は、印刷位置と退避位置との間にある。ワイピング位置及び退避位置では、ヘッド10と対向部材91,92(後述する)との間の空間を、後述するワイパ36a,36bが移動可能である。
【0051】
ワイパユニット36は、ヘッド10毎に設けられている。ワイパユニット36は、2つのワイパ36a、36bと、ワイパ36a、36bを支持する基部36c及びワイパ移動機構27を含む。ワイパ36aは、基部36cの上面側に立設され、吐出面10aを払拭する(第1ワイピング動作)。ワイパ36bは、基部36cの下面側に立設され、対向部材91,92の表面を払拭する(第2ワイピング動作)。ワイパ移動機構27は、一対のガイド28と駆動モータ(図示せず)とから構成される。駆動モータが駆動されると、基部36cがガイド28に沿って往復移動する。
図8(a)に示すように、基部36cの待機位置は、ヘッド10の左側端部近傍である。いずれのワイピング動作でも、ワイパ36a、36bは、図中右方に移動しつつ面を払拭する。基部36cの待機位置への帰還は、ヘッド10が退避位置に、対向部材91,92が第3位置(後述)にある状態において行われる。
【0052】
図3に戻って、液体受け部90は、2つの対向部材91,92と、対向部材昇降機構93(
図7参照)と、廃液トレイ94とを含む。対向部材91,92は、平面視において、吐出面10aよりも一回り大きく、矩形平面形状を有するガラス板である。対向部材91,92は、鉛直方向において、吐出面10aと給紙トレイ装着部19との間に配置されている。また、対向部材91,92は、吐出面10aと鉛直方向に重なるように配置されている。
【0053】
対向部材昇降機構93は、対向部材91,92を昇降させる。対向部材昇降機構93による昇降によって、対向部材91,92が第1位置から第3位置の間で移動する。第1位置は、
図6(b)に示すように、対向部材91,92が最も吐出面10aに近づく位置である。対向部材91、92が第1位置にあるとき、かつ、ヘッド10が印刷位置にあるとき、パージ動作が行われる。対向部材91、92が第1位置にあるとき、かつ、ヘッド10が印刷位置にあるとき、対向部材91,92の表面と吐出面10aとの離隔距離は、印刷中のプラテン44,45の表面と吐出面10aとの離隔距離と同じである。第2位置では、
図6(c)に示すように、対向部材91,92の表面と吐出面10aとの離隔距離が第1位置よりも大きい。対向部材91、92が第2位置にあるとき、ワイパ36bによって対向部材91、92が払拭される。第3位置では、
図6(a)に示すように、対向部材91,92の表面と吐出面10aとの離隔距離が第2位置よりも大きい。対向部材91、92が第3位置にあるとき、対向部材91、92とワイパ36bとは接触しない。なお、第3位置は、印刷中における対向部材91,92の配置位置でもある。
【0054】
廃液トレイ94は、凹部94aを有している。廃液トレイ94は、鉛直方向において、対向部材91,92と給紙トレイ装着部19との間に配置されている。廃液トレイ94は、鉛直方向において、対向部材91、92及び給紙トレイ装着部19と重なるように配置されている。また、廃液トレイ94は、吐出面10aと鉛直方向に重なるように配置されている。これにより、廃液トレイ94は、パージ動作において、対向部材91,92から下方に垂れ落ちた液体、及び、第2ワイピング動作において、ワイパ36bによって対向部材91,92上から払拭された液体を受け取る。このように対向部材91,92及び廃液トレイ94を、ヘッド10と給紙トレイ装着部19間のデットスペースに配置することが可能となる。さらに、これら対向部材91,92及び廃液トレイ94が吐出面10aと重なっているので、プリンタ101の平面サイズが大きくなるのを抑制することが可能となる。
【0055】
廃液移送部97は、ポンプ97aと、ポンプ97aと廃液タンク99とを接続する配管97bとを有している。ポンプ97aは、廃液トレイ94の底部に設けられ、制御部100の制御により、配管97bを介して凹部94aに貯まった液体を廃液タンク装着部98に装着された廃液タンク99に排出する。なお、廃液移送部97は、ポンプ97aを有さずに、自重の作用によって、配管97bを介して凹部94aに溜まった液体を廃液タンク装着部98に装着された廃液タンク99に排出しても良い。
【0056】
廃液タンク装着部98は、
図3、
図4及び
図5(b)に示すように、液体移送部73及びサブタンク80の下方に設けられており、廃液タンク99が装着される空間を画定するものである。廃液タンク装着部98の装着口(第3開口)98cは、下筐体1bの正面112に形成されている。装着口98cは、
図9に示すとおり、正面112における左面113に近い位置であって、正面112の下方に形成されている。装着口98cは、鉛直方向に長尺な概ね長方形の形状である。廃液タンク装着部98は、正面112から背面111に向かって、装着口98cから延びる空間を有している。当該空間は、廃液タンク99を収容可能な大きさ及び形状を有している。下筐体1bには、装着口98cを開閉可能な扉1g(
図1参照)が設けられている。なお、
図9では、説明を分かりやすくするため、扉1gを省略している。扉1gは、下筐体1bに回動可能に支持された板状部材であり、
図1中矢印方向に回動させることで、装着口98cが露出される。そして、この装着口98cを通して、廃液タンク99が廃液タンク装着部98に挿抜される。廃液タンク99は装着口98cに挿入されることにより廃液タンク装着部98に装着される、また、廃液タンク99の挿抜により、廃液タンク99の交換が可能となる。廃液タンク99の挿抜方向は、カートリッジ4の挿抜方向と同じである。
【0057】
廃液タンク装着部98は、水平部98aと垂直部98bとを有し、主走査方向から見てL字形状を有している。水平部98aは、副走査方向に延在した長尺部である。垂直部98bは、水平部98aの正面112側から上方に突出して形成されている。鉛直方向において、垂直部98bが液体移送部73と重なり、水平部98aがサブタンク80と重なっている。また、副走査方向において、垂直部98bがサブタンク80と重なっている。このように廃液タンク装着部98と重なる位置にサブタンク80が配置されている。これにより、サブタンク80を廃液タンク装着部98の上方のあるデットスペースに配置することが可能となる。また、廃液タンク装着部98とサブタンク80とを鉛直方向及び副走査方向に重ならない位置に配置する場合と比較して、プリンタ101の平面サイズが大きくなるのを抑制することが可能となる。また、廃液タンク装着部98は、
図3及び
図5(a)に示すように、後述の給紙トレイ装着部19と主走査方向に重なっており、給紙トレイ装着部19よりも左面113に近い位置に配置されている。これにより、プリンタ101の高さが大きくなるのを抑制することが可能となる。
【0058】
廃液タンク99は、水平部99aと垂直部99bとを有し、廃液タンク装着部98と同様に、主走査方向から見てL字形状を有している。水平部99aは、廃液タンク99が廃液タンク装着部98に装着されたときに、水平部98aに配置される部位であって副走査方向に長尺である。垂直部99bは、水平部99aの正面112側の端部から上方に突出して形成され、装着時に垂直部98bに配置される部位である。廃液タンク99は、廃液タンク装着部98に装着されたときに、接続機構(不図示)によって廃液移送部97の配管97bと接続される。
【0059】
変形例として、廃液トレイ94、廃液移送部97、及び、廃液タンク99をヘッド10毎に別体として設けてもよい。また、内部だけを分割して設けていてもよい。こうすることで、前処理液とインクとが混ざりにくくなり、凝集するのを抑制することが可能となる。
【0060】
第1給紙部1cは、
図3に示すように、排紙部31、ヘッドユニット9、プラテン44,45の下方に配置され、これらと鉛直方向に互いに重なっている。このため、経路R1〜R3が上述のように逆S字状となり、プリンタ101の平面サイズが小さくなる。この結果、プリンタ101の設置面積を小さくすることが可能となる。第1給紙部1cは、給紙トレイ20、給紙ローラ21、及び、給紙トレイ20を装着する給紙トレイ装着部19を有する。
【0061】
給紙トレイ装着部19は、
図3及び
図5に示すように、給紙トレイ20が装着される空間を画定するものであって、副走査方向に沿って延在している。給紙トレイ装着部19の装着口(第1開口)19aは、下筐体1bの正面112に形成されている。装着口19aは、
図9に示すとおり、正面112における下方に形成されている。装着口19aは、主走査方向に長尺な概ね長方形の形状である。給紙トレイ装着部19は、正面112から背面111に向かって、装着口19aから延びる概ね直方体形状の空間を有している。当該空間は、給紙トレイ20を収容可能な大きさ及び形状を有している。給紙トレイ20は、
図3に示すように、装着口19aを介して、給紙トレイ装着部19に挿抜される。給紙トレイ20は装着口19aに挿入されることにより給紙トレイ装着部19に装着される。なお、給紙トレイ20が給紙トレイ装着部19に装着された状態において、給紙トレイ20の正面112側の面が、装置筐体1の正面112と同一平面状に並ぶ。給紙トレイ20の挿抜方向は、廃液タンク99及びカートリッジ4の挿抜方向と同じである。また、給紙トレイ20は、上方に開口する箱であり、用紙Pを収容可能である。給紙ローラ21は、制御部100の制御により回転し、給紙トレイ20の最も上方にある用紙Pを送り出す。
【0062】
第2給紙部1dは、手差トレイ22(扉22)及び給紙ローラ(送り機構)23を有し、経路R1の途中部位に用紙を供給可能に構成されている。装置筐体1の正面112には、開閉可能な手差トレイ22が設けられている。手差トレイ22は、装置筐体1の正面112に形成された開口1abを覆う封止位置(
図1に示す位置)と、開口1abを開放する開放位置(
図2に示す位置)との間において、下筐体1bに回動可能に支持された板状部材である。手差トレイ22は、通常(第2給紙部1dを使用しない場合)、封止位置に配置され、開口1abを覆っている。つまり、手差トレイ22は、開口1abを封止している場合、装置筐体1の正面112の一部を構成している。そして、開口1abを封止した状態の手差トレイ22が、
図2に示すように回動されて開放位置に移動されることで第2給紙部1dが使用可能となる。手差トレイ22が開放位置にあるとき、手差トレイ22に所定サイズの用紙Pが載置され、制御部100の制御により給紙ローラ23が駆動される。これにより、手差トレイ22上の用紙Pが経路R4から経路R1を通って、経路R2へと搬送される。このように手差トレイ22も装置筐体1の正面112に設けられることで、手差トレイ22に用紙Pを載置する作業も正面112からアクセス可能となる。即ち、フロントアクセス可能となる。
【0063】
次に、制御部100について説明する。制御部100は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)に加え、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory:不揮発性RAMを含む)、I/F(Interface)、I/O(Input/Output Port)等を有する。ROMには、CPUが実行するプログラム、各種固定データ等が記憶さ
れている。RAMには、プログラム実行時に必要なデータ(画像データ等)が一時的に記憶される。ASICでは、画像データの書き換え、並び替え等(例えば、信号処理や画像処理)が行われる。I/Fは、外部装置とのデータ送受信を行う。I/Oは、各種センサの検出信号の入力/出力を行う。
【0064】
制御部100は、プリンタ各部の動作を制御して、プリンタ101全体の動作を司る。制御部100は、外部装置(プリンタ101と接続されたPC等)から供給された記録指令(画像データなど)に基づいて、記録動作を制御する。記録指令を受けると、制御部100は、第1給紙部1c(又は第2給紙部1d)、ローラ対51〜57を駆動する。第1給紙部1cから送り出された用紙Pは、経路R1〜R2に沿って搬送される。第2給紙部1dから送り出された用紙Pは、経路R4から経路R1を通って経路R2へと搬送される。用紙Pがプラテン44,45上に支持されつつヘッド10の真下(記録位置)を順次通過する際に、制御部100の制御により各ヘッド10が駆動され、吐出面10aの吐出口から用紙Pに向けて液体が吐出される。こうして、用紙P上に画像が記録される。その後、用紙Pは、経路R3に沿って搬送されて排紙部31に排出される。
【0065】
制御部100は、ヘッド10の液体吐出特性の回復などメンテナンス動作を制御する。メンテナンス動作には、パージ、吐出面10aに対する第1ワイピング動作、対向部材91,92に対する第2ワイピング動作等が含まれる。
【0066】
ここで、メンテナンス動作の一例について、
図8を参照しつつ、以下に説明する。
【0067】
制御部100は、メンテナンス信号を受信すると、パージ動作を制御する。制御部100は、プラテン44,45(分割プラテン44a,44b,45a,45b)が開放位置をとるように支持機構48を制御した後、
図8(a)に示すように、対向部材91,92が第1位置をとるように対向部材昇降機構93を制御する。この後、制御部100は、ポンプ82を制御し、ヘッド10へ液体が圧送される(パージ動作)。本実施形態におけるパージ動作は、カートリッジ4内の所定量の液体が、ヘッド10に強制的に送液されて、吐出口から液体が排出される。
【0068】
次に、第1ワイピング動作を実行する。このとき、制御部100は、ヘッド10がワイピング位置をとるようにヘッド昇降機構35を制御し、対向部材91,92が第3位置をとるように対向部材昇降機構93を制御する。この後、制御部100は、ワイパユニット36(ワイパ移動機構27)を制御して、
図8(b)に示すように、吐出面10aをワイパ36aで払拭する(第1ワイピング動作)。この第1ワイピング動作の後に、制御部100は、ヘッド10が退避位置をとるようにヘッド昇降機構35を制御した後、基部36c(ワイパ36a,36b)を待機位置に戻すようにワイパユニット36を制御する。
【0069】
次に、第2ワイピング動作を実行する。制御部100は、対向部材91,92が第2位置をとるように対向部材昇降機構93を制御する。この後、制御部100は、ワイパユニット36(ワイパ移動機構27)を制御して、
図8(c)に示すように、対向部材91,92の表面をワイパ36bで払拭する(第2ワイピング動作)。この第2ワイピング動作の後に、制御部100は、対向部材91,92が第3位置をとるように対向部材昇降機構93を制御した後、基部36c(ワイパ36a,36b)を待機位置に戻すようにワイパユニット36を制御する。また、このとき、制御部100は、廃液移送部97のポンプ97aを駆動して、パージ、第1及び第2ワイピング動作によって廃液トレイ94に貯まった液体を廃液タンク99に排出する。
【0070】
次に、制御部100は、ヘッド10が印刷位置をとるようにヘッド昇降機構35を制御する。この後、図示しないキャップ機構により、吐出面10aと対向する空間を外部空間から封止して、待機状態とする。こうして、メンテナンス動作が終了する。
【0071】
続いて、
図10を参照しつつ、排紙トレイ200の構造、及び、プリンタ101に排紙トレイ200を増設したときの動作状況について以下に説明する。
【0072】
排紙トレイ200は、排出された用紙Pを支持する排紙部(第2排出部)201と、経路R6を規定する下記の構成要素及び搬送モータを有する搬送機構240と、搬送機構240の搬送モータと制御部100とを電気的に接続する接続端子(不図示)と、これらを支持する筐体200aを有している。経路R6は、経路R5から排紙部201に至る経路であり、ガイド202,203、ローラ対204,205によって規定されている。
【0073】
また、排紙トレイ200の筐体200aには、下方に突出した突出部210が形成されている。突出部210には、4つのL字状の係合部211が形成されている。下筐体1bのフレーム1b1の各突出部1b3のそれぞれには、2つの取り付け孔1b5が形成されている。そして、係合部211を取り付け孔1b5にそれぞれ挿入することで、排紙トレイ200がプリンタ101の下筐体1bに取り付けられる。このとき、接続端子は、プリンタ101の制御部100と接続された端子と電気的に接続される。これにより、制御部100によって、搬送機構240の搬送モータが制御可能となる。また、このとき、経路R5と経路R6とが接続される。排紙部201は、排紙部31よりも上方において、排紙部31と鉛直方向に重なっている。この構成により、排紙部201は、背面111側から正面112側に向けて張り出した構成となる。これにより、排紙部31上に排紙部201が配置されていても、排紙部31からの用紙Pの取り出し作業が、正面112側からアクセス可能となる。即ち、フロントアクセス可能となる。また、排紙部201の排出された用紙Pを支持する支持面201aも、支持面31aと同様に、正面112側の端部が背面111側の端部よりも上方に位置するように傾斜している。これにより、排紙部201に排出された用紙Pが正面112側から最も取り出しやすくなる。このため、排紙部201からの用紙Pの取り出し作業が、正面112側からアクセス可能となる。即ち、フロントアクセス可能となる。
【0074】
制御部100による制御の下、用紙Pを排紙トレイ200の排紙部201に排出する場合は、搬送機構240の搬送モータが駆動されてローラ対204、205が制御される。このとき、揺動部材69aが第2位置に配置されるように、切換機構69も制御される。こうして、経路R3から経路R5に搬送されてきた用紙Pが、経路R6を通って排紙部201に排出される。
【0075】
また、排紙トレイ200の排紙部201は、
図10中2点鎖線で示すように、上筐体1aを離隔位置に回動させたときに、上筐体1aの左上角部と当接する。これにより、排紙部201が上筐体1aを離隔位置に移動させたときの回動を規制するストッパとなる。このため、上筐体1aが開きすぎるのを防止することが可能となる。上筐体1aの開きすぎが防止されることによって、排紙部31に残った用紙Pが落ちにくくなる。
【0076】
以上のように、本実施形態によるプリンタ101によると、ジャム処理などを行うアクセス部が、装置筐体1の正面112側となる。そして、装置筐体1の正面112には、給紙トレイ20、カートリッジ4、廃液タンク99の装着口19a,71,98cが形成されている。このため、給紙トレイ20、カートリッジ4、廃液タンク99の挿抜作業およびジャム処理などのメンテナンス作業を、正面112からアクセス可能となる。この結果、多くの作業が正面112からアクセス可能となる。即ち、フロントアクセス可能となる。つまり、多くの作業について、アクセスされる箇所が正面112に集約されている。
【0077】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、排紙部31,201の支持面31a,201aは傾斜していなくてもよい。また、カートリッジ装着部70は、排紙部31と鉛直方向に重なっていなくてもよい。また、給紙カセット装着部19と廃液タンク装着部98とが、主走査方向に重ならず鉛直方向に重なっていてもよい。また、廃液タンク装着部98は、サブタンク80と鉛直方向に重ならなくてもよい。また、排紙トレイ200が増設不可能であってもよい。また、手差トレイも、装置筐体1の正面112以外の側面に設けられていてもよい。また、液体移送部73は、カートリッジ4からサブタンク80に液体を移送することが可能であれば、どのような構成であってもよい。廃液移送部97も、液体受け部90から廃液タンク99に液体を移送することが可能であれば、どのような構成であってもよい。経路R1〜R3は、S字状でなくてもよく、例えば、略水平方向に延びる直線状の経路であっても良い。なお、本実施形態において、給紙トレイ20、カートリッジ4、廃液タンク99の装着口19a,71,98cが設けられた面を正面として定義したが、各装着口19a,71,98cが設けられる面は正面でなくてもよい。例えば、装置筐体1の背面であってもよく、右面もしくは左面であってもよい。
【0078】
本発明は、モノクロプリンタのみならず、カラープリンタにも適用可能である。さらに本発明は、プリンタに限定されず、ファクシミリやコピー機等にも適用可能である。ヘッドは、インク以外の任意の液体を吐出してよい。また、液体吐出装置に含まれるヘッドの数は1つであってもよい。記録媒体は、用紙Pに限定されず、記録可能な任意の媒体であってよい。
【0079】
プラテン44、45に代えて、ヘッド10に対向して配置される表面を有し、当該表面が用紙Pを支持しつつ周方向に移動することにより用紙Pを搬送する無端状の搬送部材を含む搬送機構を有してもよい。当該搬送機構は、例えば、ベルト搬送機構であってよい。ベルト搬送機構は、下筐体1bに取り付けられている。ベルト搬送機構は、無端状のベルトと、搬送方向において互いに離隔して配置され無端状のベルトが架け渡される少なくとも2つのローラとを含んでいる。ベルト搬送機構は、ベルトの上面がヘッド10と対向するように配置される。ベルトの上面は、ローラの回転に伴うベルトの走行に伴って搬送方向に移動する。ベルトは、当該上面が用紙Pを支持しつつ移動することによって、用紙Pを搬送方向に搬送する。ベルトは、搬送機構40の一部を構成しており、ヘッド10と対向して用紙を支持する支持部を構成する。