(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の燃焼室が車幅方向に並列に形成されるとともに、カムチェーン室が車幅方向のいずれか一側に形成されるエンジンユニットと、を有する自動二輪車の吸気系であって、
前記エンジンユニットの上方に配設され、燃焼用の空気を取り入れて浄化するエアクリーナーと、
前記エアクリーナーが浄化した燃焼用の空気の流量を制御する1個のスロットルボディと、
前記エアクリーナーと前記スロットルボディとを燃焼用の空気が流通可能に接続するインテークパイプと、
前記1個のスロットルボディにより流量が制御された燃焼用の空気を前記複数の燃焼室に分配するインテークマニホールドと、
を有し、
前記1個のスロットルボディおよび前記インテークマニホールドは、前記エンジンユニットのクランクケースアセンブリの上方であって、かつ、前記エンジンユニットのシリンダアセンブリの後方に配設されるとともに、
前記スロットルボディは、車幅方向に関して前記カムチェーン室が設けられる側に偏倚した位置であって、かつ、前記カムチェーン室に最も近い燃焼室のインテークポートの後方斜め下に配設されることを特徴とする自動二輪車の吸気系。
前記スロットルボディは、スロットルボアの中心軸が車幅方向に略平行になるように配設され、燃焼用の空気の下流側の端部が前記インテークマニホールドに結合され、燃焼用の空気の上流側の端部が前記インテークパイプに接続されることを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車の吸気系。
前記インテークマニホールドは、有底の筒状に形成される1つの集合部と、前記1つの集合部から前記複数の燃焼室のインテークポートに至る互いに独立した複数の吸気管部と、を有し、
前記集合部は、前記スロットルボディの燃焼用空気の下流側に、前記スロットルボディのスロットルボアの中心軸に同軸に配置されるとともに、車幅方向に関して前記シリンダアセンブリのシリンダヘッドの幅の内側に配設されることを特徴とする請求項1または2に記載の自動二輪車の吸気系。
前記複数の吸気管部は、側面視においては円弧状に湾曲するとともに、上面視においては前後方向に対して傾斜して延伸することを特徴とする請求項3に記載の自動二輪車の吸気系。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明において、自動二輪車1の向きは、この自動二輪車1に搭乗する運転者の向きを基準とする。各図においては、自動二輪車1の上側を矢印Uで、下側を矢印Dで、前側を矢印Frで、後側を矢印Rrで、右側を矢印Rで、左側を矢印Lで示す。本実施形態の説明においては、左右方向が車幅方向となる。また、自動二輪車1の車幅中心を中心線C
Bで示す。
【0017】
まず、本発明の実施形態にかかる吸気系5を有する自動二輪車1(以下、単に自動二輪車1と称する)の全体的な構成について、
図1と
図2を参照して説明する。
図1は、自動二輪車1の構成を模式的に示す右側面図である。
図2は、自動二輪車1の構成を模式的に示す左側面図である。
図1と
図2に示すように、自動二輪車1は、車体フレームと、操舵装置12と、内燃機関としてのエンジンユニット3と、後輪懸架装置13とを含む。そして、エンジンユニット3には、本発明の実施形態にかかる吸気系5が適用される。
【0018】
車体フレームには、ツインスパーフレーム11が適用される。ツインスパーフレーム11は、ステアリングヘッドパイプ111と、左右一対のサイドフレーム112と、ボディフレーム113とを含む。ツインスパーフレーム11の各部は、たとえば鉄系の材用やアルミニウム合金系の材料によって形成され、溶接などによって一体に接合される。
ステアリングヘッドパイプ111は、後傾する管状に形成される。左右一対のサイドフレーム112は、ステアリングヘッドパイプ111から、それぞれ後方斜め外側に向かって延伸する。ボディフレーム113は、左右一対のサイドフレーム112の後側に設けられ、側面視において、左右一対のサイドフレーム112の後端部から略下方に向かって延伸するように形成される。そして、上面視において、左右一対のサイドフレーム112の間に、エンジンユニット3を収容するためのスペースが形成される。
さらに、ツインスパーフレーム11の後側には、左右一対のシートレール114が設けられる。左右一対のシートレール114は、それぞれボディフレーム113から後方に向かって延伸するように形成される。また、左右一対のシートレール114は、左右方向(車幅方向)に所定の距離をおいて離間している。
【0019】
操舵装置12は、ツインスパーフレーム11(車体フレーム)の前部に、ツインスパーフレーム11に対して回転可能に設けられる。操舵装置12は、前輪121と、ステアリングシャフト122と、左右一対のフロントフォーク123と、ハンドルユニット124とを含んで構成される。
ステアリングシャフト122は、ステアリングヘッドパイプ111に回転可能に支持される。左右一対のフロントフォーク123は、ステアリングシャフト122の左右に配置される。前輪121は、左右一対のフロントフォーク123の下端部に回転可能に支持される。前輪121には、ブレーキディスクが一体に回転するように設けられる。そして左右一対のフロントフォーク123には、ブレーキディスクに作用するブレーキリムが設けられる。ハンドルユニット124は、ステアリングシャフト122および左右一対のフロントフォーク123の上端部に設けられる。ハンドルユニット124は、左右のハンドルグリップ125を有する。右側のハンドルグリップ125には、スロットルグリップと、前輪121のブレーキリムを操作するブレーキレバーが設けられる。スロットルグリップは、右側のハンドルグリップ125に回転可能に設けられる。また、スロットルグリップの操作量(回転角度)を検出するためのアクセルポジションセンサ(図略)が、たとえばツインスパーフレーム11に設けられる。アクセルポジションセンサは、検出したスロットルグリップの操作量を、ECU(後述)に送信する。左側のハンドルグリップ125には、クラッチを操作するクラッチレバーが設けられる。さらに、ハンドルユニット124には、計器類がユニット化されたメータユニットや、灯火類を操作するためのスイッチ類(いずれも図略)が設けられる。
【0020】
内燃機関としてのエンジンユニット3には、サイドカムチェーン式の並列多気筒エンジン(ここでは4気筒エンジンを例に示す)が適用される。エンジンユニット3は、シリンダアセンブリ31と、クランクケースアセンブリ32とを含む。シリンダアセンブリ31には、複数の(ここでは4つの)燃焼室301(気筒)が、互いに平行で左右方向に並ぶように形成される。クランクケースアセンブリ32は、クランクシャフトと、カウンターシャフトと、ドリブンシャフトがそれぞれ回転可能に設けられる。そして、ドリブンシャフトの左側端部には、後輪133に回転動力を伝達するドライブチェーンスプロケットが設けられる。
エンジンユニット3は、ツインスパーフレーム11に取り付けられる。そして、エンジンユニット3の一部(ここでは、シリンダアセンブリ31の一部)が、ツインスパーフレーム11の左右一対のサイドフレーム112の間に位置する。
さらに、エンジンユニット3には、燃焼用の空気を外部から取り入れて各燃焼室301に分配する吸気系5が設けられる。吸気系5は、エアクリーナー51と、インテークパイプ52と、スロットルボディ53と、インテークマニホールド54とを含む。エアクリーナー51は、外部から燃焼用の空気を取り入れて浄化する。スロットルボディ53は、燃焼用の空気の流量を制御する。インテークマニホールド54は、燃焼用の空気を各燃焼室301に分配する。インテークパイプ52は、燃焼用の空気の流路であり、エアクリーナー51とスロットルボディ53およびインテークマニホールド54とを接続する。
なお、エンジンユニット3と吸気系5の詳細な構成については後述する。
【0021】
自動二輪車1には、図略のECU(Engine Control Unit)が設けられる。ECUは、運転者による各部の操作を検出し、検出した操作に応じてエンジンユニット3を制御する。なお、ECUは、CPUとROMとRAMとを有するコンピュータである。そして、CPUがROMに格納されるコンピュータプログラムを読み出して実行することにより、エンジンユニット3の制御が実現する。
【0022】
後輪懸架装置13は、左右一対のスイングアーム131と、ショックアブソーバー(図においては隠れて見えない)と、後輪133とを含む。後輪懸架装置13は、ツインスパーフレーム11の後側に設けられ、ボディフレーム113に対して上下方向に搖動可能に連結される。
ショックアブソーバーは、スイングアーム131とボディフレーム113またはシートレール114との間に設けられ、スイングアーム131からボディフレーム113またはシートレール114に伝達する振動や衝撃などを吸収や緩和する。
後輪133は、スイングアーム131の後端部に回転可能に支持される。後輪133の左側には、ドリブンスプロケットが一体に回転するように設けられる。エンジンユニット3のドライブスプロケットと、後輪133のドリブンスプロケットとにはドライブチェーンが巻き掛けられている。そして、エンジンユニット3の回転動力は、ドライブチェーンにより後輪133に伝達される。
【0023】
排気装置14は、消音器141と排気管142とを含む。消音器141は、エンジンユニット3の後方であって、後輪133の側方に配置される。排気管142の一方の端部(前端部)は、エンジンユニット3のシリンダアセンブリ31のエグゾーストポート303に接続される。排気管142の他方の端部(後端部)は、消音器141の前側に接続される。そして、排気管142は、エンジンユニット3の前側から前方に向かい、エンジンユニット3の前方において後方に向かって湾曲し、エンジンユニット3の側方または下方を通過し、消音器141の前側に到達する。
【0024】
シートレール114の上側には、運転者が着座するシート201(運転者シート)および同乗者が着座するシート202(タンデムシート)が、着脱可能に取付けられる。シート201,202およびシートレール114には、シート201,202をシートレール114に固定するためのロック機構が設けられる。左右一対のサイドフレーム112の上側であってシート201,202の前側には、燃料タンク203が設けられる。
さらに、自動二輪車1には、外側を覆うカバー部材が設けられる。カバー部材には、自動二輪車1の前部を覆うフロントカバー204と、側部を覆うサイドカバー205と、後部を覆うリヤカバー206とが含まれる。これらのカバー部材は、ツインスパーフレーム11やフロントフォーク123などに着脱可能に取付けられる。これらのカバー部材は、殻状の部材であり、たとえば合成樹脂材料などにより形成される。そしてこれらのカバー部材は、自動二輪車1の外側を覆うことによって、自動二輪車1の外観の意匠を形成する。
このほか、自動二輪車1には、前輪121の上側を覆うフロントフェンダー207、後輪133の上側を覆うリヤフェンダー208、ヘッドライト209、テールライト210、ウィンカー211、バックミラー212などが設けられる。
【0025】
次に、エンジンユニット3の構成について、
図3〜
図6を参照して説明する。
図3〜
図5は、エンジンユニット3およびその吸気系5の全体的な構成を模式的に示す図である。なお、
図3は右側面図であり、
図4は左側面図であり、
図5は後面図である。
図6は、
図4のVI−VI線断面矢視図であり、エンジンユニット3の内部構造を模式的に示す図である。
前記のとおり、エンジンユニット3には、サイドカムチェーン方式の並列多気筒エンジンが適用される。なお、本実施形態においては、4つの燃焼室301を有する並列4気筒エンジンを例に示すが、エンジンユニット3に形成される燃焼室301の数は限定されるものではない。エンジンユニット3は、複数の燃焼室301を有する並列多気筒エンジンであればよい。
【0026】
図3〜
図5に示すように、シリンダアセンブリ31は、シリンダブロック311と、シリンダヘッド312と、シリンダヘッドカバー313とを有する。
シリンダブロック311には、複数(4つ)の燃焼室301が形成される。複数の燃焼室301は、それらの軸線が互いに略平行であり、左右方向(車幅方向)に並ぶように形成される。そして、各燃焼室301の内部には、ピストンが往復動可能に配設される。なお、複数の燃焼室301の軸線は、前傾している。
シリンダヘッド312は、シリンダヘッド312の上側に設けられる。
図6に示すように、シリンダヘッド312には、各燃焼室301に燃料と燃焼用の空気の混合気を供給するインテークポート302と、各燃焼室301から排気ガスを導出するエグゾーストポート303とが、燃焼室301ごとに形成される。各インテークポート302は、シリンダヘッド312の後側に形成され、シリンダヘッド312の後方から混合気を取り入れることができる。各エグゾーストポート303は、シリンダヘッド312の前側に形成され、シリンダヘッド312の前方に排気ガスを導出することができる。さらに、シリンダヘッド312の上部には、各燃焼室301と各インテークポート302および各エグゾーストポート303とを開閉する動弁装置が設けられる。
シリンダヘッドカバー313は、シリンダヘッド312の上側に設けられる。そして、シリンダヘッドカバー313は、動弁装置などを上側から覆う。
【0027】
ここで、シリンダヘッド312に設けられる動弁装置とその駆動機構について、簡単に説明する。
動弁装置およびその駆動機構は、吸気バルブと、排気バルブと、吸気側カムシャフトと、排気側カムシャフトと、カムチェーンとを有する。
吸気バルブは、各燃焼室301と各インテークポート302との間を開閉する。排気バルブは、各燃焼室301と各エグゾーストポート303との間を開閉する。吸気側カムシャフトは、各吸気バルブを駆動するカムを有する。排気側カムシャフトは、各排気バルブを駆動するカムを有する。そして、吸気側カムシャフトと排気側カムシャフトとは、それらの軸線が左右方向に平行になるように、シリンダヘッド312に回転可能に設けられる。なお、吸気バルブ、排気バルブ、吸気側カムシャフト、排気側カムシャフトは、いずれも従来公知の構成が適用できる。
吸気側カムシャフトと排気側カムシャフトのそれぞれの一端部(本実施形態においては右側端部)には、ドリブンスプロケットが設けられる。また、クランクシャフト(後述)には、ドライブスプロケットが設けられる。そして、ドリブンスプロケットとドライブスプロケットには、カムチェーンが巻き掛けられる。これにより、吸気側カムシャフトと排気側カムシャフトとは、クランクシャフトに同期して回転し、各吸気バルブおよび各排気バルブは、クランクシャフトの回転に同期して動作する。
そして、
図6に示すように、シリンダアセンブリ31の左右方向のいずれか一側(本実施形態においては右側)には、カムチェーン室304が形成される。カムチェーンは、このカムチェーン室304に収容される。
このように、シリンダアセンブリ31の一側にはカムチェーン室304が形成されるため、インテークポート302の中心C
Iは、車幅中心C
Bからカムチェーン室304が形成される側とは反対側(左側)に偏倚している。
【0028】
図3〜
図5に示すように、クランクケースアセンブリ32は、シリンダアセンブリ31の下側に設けられる。クランクケースアセンブリ32には、クランクシャフトと、カウンターシャフトと、ドリブンシャフトと、クラッチと、変速機とが設けられる。クランクシャフトと、カウンターシャフトと、ドリブンシャフトとは、クランクケースの内部に、回転可能でかつ互いに略平行に配設される。
クランクシャフトは、コンロッドによって、各燃焼室301に配設される各ピストンと連結している。クランクシャフトとカウンターシャフトとは、クラッチによって回転動力を断続可能に接続している。クラッチは、クランクケースアセンブリ32の右側に設けられる。カウンターシャフトとドリブンシャフトとの間には、変速機が構成される。
ドリブンシャフトの左側端部はクランクケースアセンブリ32の外側に突出しており、この左側端部にはドライブチェーンスプロケットが設けられる。そして、このドライブチェーンスプロケットと後輪133のドリブンチェーンスプロケットとには、ドライブチェーンが巻き掛けられている。
【0029】
クランクシャフトと、カウンターシャフトと、ドリブンシャフトとは、左右方向に略平行に配設される。そして、クランクシャフトの後方にカウンターシャフトが配設され、さらにカウンターシャフトの後方にドリブンシャフトが配設される。このため、クランクケースアセンブリ32は、シリンダアセンブリ31の下側から後方に向かって張り出す。したがって、エンジンユニット3は、全体として、側面視において略「L」字形状の構成を有する。
【0030】
吸気系5は、エアクリーナー51と、インテークパイプ52と、1個のスロットルボディ53と、インテークマニホールド54とを有する。エアクリーナー51は、外部から燃焼用の空気を取り入れて浄化する。インテークパイプ52は、インテークマニホールド54に燃焼用の空気を送給するための経路である。スロットルボディ53は、燃焼用の空気の流量を制御する。インテークマニホールド54は、燃焼用の空気を各燃焼室301に分配する。
【0031】
エアクリーナー51は、エンジンユニット3の上方に設けられる。特に、エアクリーナー51の前部は、シリンダヘッドカバー313の上方(直上)に位置する。一方、エアクリーナー51の後部は、シリンダヘッドカバー313よりも後方に位置する。
エアクリーナー51の前部には、燃焼用の空気を外部から取り入れるための吸入部511が設けられる。吸入部511は、エアクリーナー51の前部から前方斜め外側に向かって突起する管状の構成を有する。
エアクリーナー51の内部には、取り入れた空気を濾過することによって浄化するフィルタエレメント513が設けられる。
エアクリーナー51の後部には、浄化した燃焼用の空気を送給するための導出部512が設けられる。具体的には、導出部512は、エアクリーナー51の後部において、エンジンユニット3のカムチェーン室304が設けられる側(本実施形態においては右側)の側面から下面にかけての位置に設けられる。そして、導出部512は、下方に向かって突出する管状の構成を有する。なお、導出部512は、エアクリーナー51の外部には突出しているが、内部には突出していない(
図5、
図13参照)。
【0032】
インテークパイプ52とスロットルボディ53とインテークマニホールド54とは、シリンダアセンブリ31の後方で、かつ、クランクケースアセンブリ32の上方に配設される。また、エアクリーナー51の後部はシリンダヘッドカバー313よりも後方に位置するため、スロットルボディ53とインテークマニホールド54とは、エアクリーナー51の後部の下方に位置する。すなわち、エンジンユニット3の後側には、シリンダアセンブリ31とクランクケースアセンブリ32とエアクリーナー51とによって、前方と上方と下方とを囲まれた領域が形成される。そして、インテークパイプ52とスロットルボディ53とインテークマニホールド54とは、この領域に配設される。
【0033】
ここで、インテークパイプ52とスロットルボディ53とインテークマニホールド54の詳細な構成について、さらに
図7〜
図9を参照して説明する。
図7〜
図9は、インテークパイプ52とスロットルボディ53とインテークマニホールド54の構成を模式的に示す図である。それぞれ、
図7は上面図であり、
図8は後面図であり、
図9は右側面図である。なお、以下の説明において、「上流側」と「下流側」は、それぞれ、吸気系5における燃焼用の空気の流動方向の上流側と下流側をいうものとする。
【0034】
インテークパイプ52は、管状の構成を有する。インテークパイプ52の上流側の端部はエアクリーナー51の導出部512に接続され、下流側の端部はスロットルボディ53に接続される。インテークパイプ52の上流側の端部の軸線は、上下方向に略平行である。一方、インテークパイプ52の下流側の端部の軸線は、左右方向に略平行である。そして、インテークパイプ52の軸線は中間部において湾曲している。このように、インテークパイプ52は、エアクリーナー51が下方に向けて送給した燃焼用の空気を、右側(エンジンユニット3のカムチェーン室304が設けられる側)からスロットルボディ53に流入させる。
【0035】
スロットルボディ53には、電子制御方式のスロットルボディが適用される。スロットルボディ53は、燃焼用の空気の経路533の開度を変更可能なスロットルバルブ534と、スロットルバルブ534の駆動力源である駆動モーター531と、駆動モーター531の駆動力をスロットルバルブ534に伝達する駆動力伝達機構部とを有する。そして、ECUは、アクセルポジションセンサにより検出されたスロットルグリップの操作量に応じて、スロットルボディ53の駆動モーター531を制御する。これにより、スロットルボディ53を通過する燃焼用の空気の流量が制御される。
【0036】
インテークマニホールド54は、1個の集合部541と、インテークポート302の数に応じた複数の(ここでは4個の)吸気管部542とを有する。インテークマニホールド54は、樹脂材料からなり射出成形などにより製造される。または、アルミニウムからなり鋳造によって製造される。このように、樹脂成形品またはアルミ鋳造品であれば、インテークマニホールド54の軽量化や製造コストの削減を図ることができる。
【0037】
集合部541は、有底の筒状の構成を有しており、軸線方向の一端部(上流側の端部)が開放し、他端部(下流側の端部)が閉鎖している。図においては、集合部541が円筒状に形成される構成を示すが、集合部541の断面形状は円形に限定されるものではない。そして、集合部541の軸線は左右方向に平行であり、開放する上流側の端部がエンジンユニット3のカムチェーン室304が設けられる側に位置し、閉鎖する下流側の端部がその反対側に位置するように配設される。そして、集合部541は、左右方向に関して、車幅中心C
Bからカムチェーン室304とは反対側(左側)に偏倚した位置に配設される(
図5など参照)。
【0038】
各吸気管部542は、集合部541とシリンダアセンブリ31の各インテークポート302とを燃焼用の空気が流通可能に接続する。側面視において、各吸気管部542の軸線は、上に向かって凸となるように円弧状に湾曲している。具体的には、側面視において、各吸気管部542は、集合部541の上面を起点として上方斜め前に向かって延出し、集合部541の外周面に沿うように円弧状に湾曲しつつ、後方斜め上側から各インテークポート302に至る。
このように、インテークマニホールド54は、1個の集合部541と複数の吸気管部542とを有し、複数の吸気管部542が1個の集合部541から分岐するという構成を有する。
そして、少なくとも2以上の複数の吸気管部542の中心線C
Pは、上面視において前後方向に対して所定の角度をもって傾斜している。具体的には、特に
図7に示すように、集合部541の上流側に位置する3つの吸気管部542は、インテークマニホールド54の集合部541(上流側)から各エグゾーストポート303(下流側)に向かうにしたがって、カムチェーン室304が設けられる側(ここでは右側)に向かって変位するような態様で傾斜している。一方、集合部541の最も下流側に位置する1つの吸気管部542は、インテークマニホールド54の集合部541からインテークポート302に向かうにしたがって、カムチェーン室304とは反対側に向かうような態様で傾斜する。
【0039】
また、各吸気管部542の長さは、各燃焼室301の同調性を保つことができるような長さに設定される。前記のとおり、インテークマニホールド54の集合部541は筒状の構成を有し、各吸気管部542は集合部541の外周面から延出する。したがって、各吸気管部542の起点の前後方向位置を互いに異ならせることによって、各吸気管部542の長さを設定することができる。このような構成によれば、インテークマニホールド54の前後方向寸法を大きくすることなく、各吸気管部542の長さを個別に設定できる。このため、自動二輪車1の前後方向寸法を大きくすることなく、吸気管部542の長さを、目標回転数において慣性効果を得るために必要な長さであって、かつ、各燃焼室301の同調性を保つ長さに設定できる。したがって、スロットルバルブ534の開度の全域で、十分な慣性効果を得ることができるようになる。その結果、出力の向上や、燃費の向上や、騒音の低下や、清浄効率の向上を図ることができる。
【0040】
また、各吸気管部542には、燃焼用の空気に燃料を混合するための燃料噴射装置502が設けられる。さらに、インテークマニホールド54の集合部541の前方斜め上には、各燃料噴射装置502に燃料を供給する燃料配管501が設けられる。詳しくは、各燃料噴射装置502は、各吸気管部542の上面に、上方に向かって突出するように設けられる。そして、燃料配管501は、インテークマニホールド54の集合部541の中心線C
Aと略平行に設けられる。
【0041】
ここで、インテークパイプ52とスロットルボディ53とインテークマニホールド54の組み付け構造について説明する。
【0042】
図3〜
図5や
図7〜
図9に示すように、スロットルボディ53は、インテークマニホールド54の集合部541の上流側の端部であって、エンジンユニット3のカムチェーン室304が設けられる側に設けられる。特に、スロットルボディ53は、インテークマニホールド54の集合部541に一体になるように固定される。そして、スロットルボディ53の上流側の端部に、インテークパイプ52の下流側の端部が接続される。また、スロットルボディ53は、その燃焼用の空気の経路533の中心線C
T(スロットルボアの中心軸)が左右方向に平行になるように配設される。また、前記のとおり、インテークマニホールド54の集合部541の中心線C
Aと、インテークパイプ52の下流側の端部の軸線も、左右方向に平行である。このように、インテークパイプ52の下流側の端部と、スロットルボディ53と、インテークマニホールド54の集合部541とは、左右方向に直列に並ぶ。そして、スロットルボディ53とインテークマニホールド54の集合部541とは、同軸に配設される。
このような構成によれば、インテークパイプ52とスロットルボディ53との結合をスムーズに行うことができる。また、スロットルボディ53とインテークマニホールド54とが左右方向に並ぶように配設される構成であるため、吸気系5の前後方向寸法の大型化を防止または抑制できる。
【0043】
さらに、
図4や
図9に示すように、側面視において、各吸気管部542とインテークパイプ52とが重畳する。すなわち、インテークパイプ52は、側面視においては、その軸線が上下方向に略平行であり、エアクリーナー51の後部から下方に向かって延伸して上方からインテークマニホールド54の中心に至る。このため、側面視において、インテークパイプ52は、インテークマニホールド54の集合部541の上部に重畳する。一方、インテークマニホールド54の各吸気管部542は、集合部541の上部を起点として、上に凸となるように円弧状に湾曲しつつ、エンジンユニット3の各インテークポート302に至る。したがって、側面視において、インテークパイプ52は、各吸気管部542のそれぞれの少なくとも一部分に重畳する。
【0044】
また、
図4や
図9などに示すように、スロットルボディ53は、駆動モーター531が燃焼用の空気の経路533の下方に位置するように配設される。特に、
図7に示すように、上面視において、スロットルボディ53は、スロットルバルブ534の駆動モーター531が、燃焼用の空気の経路533に重畳するように配設される。すなわち、
図4や
図9などに示すように、スロットルボディ53の駆動モーター531とインテークパイプ52の前後方向に関する配設位置が互いに重畳する。したがって、スロットルボディ53の駆動モーター531の少なくとも一部は、側面視において、インテークパイプ52の下面の下側(特に直下)に位置する。このような構成によれば、駆動モーター531が後側に向かって突出することを防止できる。したがって、吸気系5の前後方向寸法を小さくできる。なお、本実施形態では、スロットルボディ53の駆動力伝達部532が、側面視においてインテークパイプ52の後側に位置する構成を示すが、前側に位置する構成であってもよい。
【0045】
次に、吸気系5とツインスパーフレーム11や燃料タンク203との位置関係などについて、
図10〜
図13などを参照して説明する。
図10〜
図12は、エンジンユニット3およびその吸気系5と、ツインスパーフレーム11との位置関係を模式的に示す図である。それぞれ、
図10は上面図であり、
図11は右側面図であり、
図12は右側のサイドフレーム112などを切断して示した右側面図である。
図13は、エンジンユニット3と吸気系5と燃料タンク203とを車幅中心C
Bで切断した断面図であり、吸気系5と燃料タンク203との関係を示す図である。
図10に示すように、エンジンユニット3のシリンダアセンブリ31と、インテークパイプ52と、スロットルボディ53と、インテークマニホールド54とは、上面視において、ツインスパーフレーム11の左右一対のサイドフレーム112の間に配置される。
【0046】
インテークパイプ52およびスロットルボディ53は、左右方向に関して、車幅中心C
Bからカムチェーン室304が形成される側に偏倚した位置に配設される。一方、インテークマニホールド54は、左右方向に関して、車幅中心C
Bからカムチェーン室304とは反対側に偏倚した位置に配設される。そして、
図10などに示すように、インテークパイプ52とスロットルボディ53とインテークマニホールド54とは、上面視において、シリンダヘッド312の後方であって、かつ、左右方向に関してシリンダヘッド312の全幅よりも内側に配設される。具体的には、次のとおりである。
エンジンユニット3はサイドカムチェーン式であり、カムチェーンおよびカムチェーン室304は、シリンダアセンブリ31の左右方向のいずれかの一側(ここでは右側)に設けられる。このため、燃焼室301および各燃焼室301のインテークポート302の中心C
Iは、車幅中心C
Bから、車幅中心C
Bからカムチェーン室304が設けられる側とは反対側に偏倚している。そして、インテークマニホールド54は、インテークポート302の偏倚に対応して、左右方向に関して車幅中心C
Bからカムチェーン室304とは反対側に偏倚した位置に配設される。したがって、エンジンユニット3のカムチェーン室304の後方には、スペースが形成される。そして、このカムチェーン室304の後方のスペースに、インテークパイプ52と1個のスロットルボディ53とが配設される。特に、
図10や
図12に示すように、スロットルボディ53は、カムチェーン室304に最も近い燃焼室301のインテークポート302の後方斜め下に配設される。
【0047】
このような組み付け構成によれば、インテークパイプ52とスロットルボディ53とインテークマニホールド54とを、左右方向に関して、シリンダヘッド312の全幅よりも内側に配設することができる。このため、ツインスパーフレーム11の左右一対のサイドフレーム112の間の距離を大きくすることなく、インテークパイプ52とスロットルボディ53とを配設することができる。したがって、ツインスパーフレーム11の左右方向寸法の大型化を防止できる。
【0048】
一方、本実施形態は、インテークポート302のそれぞれにスロットルボディを設ける構成ではなく、1個のスロットルボディ53によって全てのインテークポート302の燃焼用の空気の供給量を制御する構成である。このような構成によれば、1個のスロットルボディ53を、車幅中心C
Bからシリンダヘッド312のカムチェーン室304の側に偏倚した位置に配設すればよい。このため、インテークマニホールド54の配設スペースを大きくすることができる。したがって、個別のスロットルボディを備える構成に比較して、インテークマニホールド54における燃焼用の空気の通過経路を長くできる。従来は、燃焼用の空気の通過経路を長くするために、インテークパイプ52の上流側の端部をエアクリーナー51の内部に延出させていた。これに対して、本実施形態では、インテークパイプ52をエアクリーナー51の内部に延出させなくても、燃焼用の空気の通過経路を長くできる。したがって、エアクリーナー51の容量の減少を防止できる。
【0049】
図13に示すように、エンジンユニット3の上方に燃料タンク203が配設される。また、エンジンユニット3の上方には、エアクリーナー51が配設され、エンジンユニット3のシリンダアセンブリ31の後方には、インテークパイプ52と、スロットルボディ53と、インテークマニホールド54とが配設される。このため、燃料タンク203の下部には、これら吸気系5との干渉を避けるために、上側に向かって窪む凹部213が形成される。そして、吸気系5の少なくとも一部は、この凹部213に入り込んでいる。
本実施形態によれば、吸気系5の前後方向寸法を小さくできるから、吸気系5と燃料タンク203との干渉を小さくすることができ、燃料タンク203に形成される凹部213を小さくすることができる。したがって、燃料タンク203の容量の減少を防止または抑制できる。すなわち、燃料タンク203の下側に凹部213が形成される構成であると、この凹部213の容量だけ燃料タンク203の容量が減少する。このため、この凹部213が大きくなると、燃料タンク203の容量が減少する。凹部213はそのままで燃料タンク203の容量を大きくするには、燃料タンク203の外形寸法を大きくする必要がある。そうすると、自動二輪車1の大型化を招く。これに対して、本実施形態の構成によれば、吸気系5の前後方向寸法を小さくできるから、燃料タンク203に形成される凹部213の寸法を小さくできる。したがって、吸気系5との干渉を防止し、かつ、外形寸法の大型化を招くことなく、燃料タンク203の容量を大きくすることができる。
【0050】
本発明の実施形態にかかる吸気系5の作用および効果をまとめると、次のとおりである。
【0051】
サイドカムチェーン方式の多気筒並列エンジンにおいては、インテークポート302の中心C
Iが、左右方向に関して、車幅中心C
Bからカムチェーン室304とは反対側に偏倚している。このため、カムチェーン室304の後方であって、カムチェーン室304に最も近い燃焼室301からシリンダヘッド312の外側端にかけての範囲にスペースが形成される。そして、このスペースに、エンジンユニット3の上側に配設されるエアクリーナー51とスロットルボディ53とを接続するインテークパイプ52が配設される。このような構成によれば、エンジンユニット3の両外側に設けられる左右一対のサイドフレーム112の幅を広げることなく、これらの間にインテークパイプ52を配設することができる。
そして、1個のスロットルボディ53が、インテークパイプ52よりも車幅中心C
B寄りであって、カムチェーン室304に最も近い燃焼室301のインテークポート302の後方斜め下に配設される。このような構成によれば、インテークパイプ52とスロットルボディ53との組み付けを考慮したうえで、インテークパイプ52を前記のとおり配設できる。
スロットルボディ53が、左右方向に関してカムチェーン室304が設けられる側に偏倚して配設される構成であると、シリンダヘッド312の後方にインテークマニホールド54を配設するためのスペースが確保される。そして、インテークマニホールド54の全ての吸気管部542は1つの集合部541に集合し、1つのスロットルボディ53によって燃焼用空気の量が制御される。したがって、このような構成であると、吸気系5における燃焼用の空気の通過経路を、慣性効果を得るために必要な長さにできる。
【0052】
スロットルボディ53は、燃焼用の空気の経路533の中心線C
T(スロットルボアの中心軸)が左右方向(車幅方向)に略平行に配設され、インテークマニホールド54の集合部541に一体的に固定される。さらに、スロットルボディ53には、インテークパイプ52が接続される。そして、スロットルボディ53は、カムチェーン室304が設けられる側に偏倚した位置に、燃焼用の空気の経路533の中心線C
Tが左右方向に平行になるように配設される。このため、スロットルボディ53とインテークパイプ52との接続をスムーズに行うことができる。また、インテークマニホールド54は、スロットルボディ53から見てカムチェーン室304とは反対側に、スロットルボディ53の燃焼用の空気の経路533の中心線C
Tに同軸に設けられる。このため、吸気系5の全体の前後方向寸法の小型化を図ることができる。したがって、自動二輪車1のコンパクト化を図ることができる。さらに、吸気系5の前後方向寸法の小型化を図ることができるから、吸気系5と燃料タンク203との干渉を防止または低減できる。したがって、燃料タンク203の容量の減少の防止または抑制を図ることができる。
【0053】
インテークマニホールド54は、1つの集合部541と複数の吸気管部542とを有する。複数の吸気管部542は、互いに独立して集合部541から延出して各燃焼室301に繋がっている。換言すると、複数の吸気管部542は、集合部541において一体的に集合する。そして、インテークマニホールド54の集合部541は、シリンダアセンブリ31の後方であって、かつ、クランクケースアセンブリ32の上方に配設される。また、インテークマニホールド54の集合部541は、スロットルボディ53の燃焼用の空気の経路533の中心線C
Tに同軸に配置される。さらに、インテークマニホールド54の集合部541は、スロットルボディ53の下流側であって、かつ、シリンダヘッド312の全幅よりも車幅方向中心C
B側に配設される。このような構成によれば、前記同様の効果を奏することができる。
【0054】
インテークマニホールド54の吸気管部542は、側面視において円弧状に湾曲するように形成される。さらに、2以上の複数の吸気管部542は、それらの中心線C
Pが上面視において前後方向に対して傾斜するように形成される。具体的には、上流側(集合部541の側)から下流側(インテークポート302の側)に向かうにしたがって、カムチェーン室304の側に移動するような態様で傾斜する。
このような構成によれば、目標回転数での慣性効果を得るために必要な吸気管部542の長さを確保することができる。さらに、吸気系5の前後方向寸法を大きくすることなく、各燃焼室301の同調性を保つために吸気管部542の長さ変更することができる。このため、スロットルバルブ534の開度の全域において、十分な慣性効果を得ることができる。したがって、出力の向上と、燃費の向上と、騒音の低下と、清浄効率の向上を図ることができる。
【0055】
インテークマニホールド54の各吸気管部542の上面に、燃料噴射装置502が略垂直に起立するように(上方に突起するように)配設される。そして、インテークマニホールド54の吸気管部542とインテークパイプ52とは、側面視において重畳している。このような構成によれば、吸気管部542の長さを、慣性効果を得るために充分な長さに確保しつつ、吸気系5の全体の前後方向寸法の小型化を図ることができる。
【0056】
スロットルボディ53には、電子制御方式のスロットルボディが適用される。そして、スロットルバルブ534を駆動するための駆動モーター531は、側面視においてインテークパイプ52の下方に位置するように配設される。換言すると、上面視において、駆動モーター531はスロットルボディ53の燃焼用の空気の経路533に重畳する。このような構成によれば、吸気系5の全体の前後方向寸法の小型化を図ることができる。したがって、小さいスペースに吸気系5を配設することが可能となる。
【0057】
本発明の実施形態においては、前記のとおり、吸気管部532を、慣性効果を得るために十分な長さに形成できる。このため、エアクリーナー51とスロットルボディ53とを接続するインテークパイプ52は、エアクリーナー51の内部に延出させなくてもよい。インテークパイプ52がエアクリーナー51の内部に延出しない構成であると、エアクリーナー51の容量が減少しない。したがって、出力の向上を図ることができる。
【0058】
以上、本発明の実施形態および実施例を、図面を参照して詳細に説明したが、前記実施形態および実施例は、本発明の実施にあたっての具体例を示したに過ぎない。本発明の技術的範囲は、前記実施形態および実施例に限定されるものではない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0059】
例えば、前記実施形態においては、本発明にかかる内燃機関の吸気系がオンロードタイプの自動二輪車に適用される構成を示したが、本発明が適用される自動二輪車の種類は限定されない。前記自動二輪車は、本発明が適用できる自動二輪車の一例を示したに過ぎない。本発明は、サイドカムチェーン方式の並列多気筒エンジンを有する自動二輪車であれば、種類を問わずに適用できる。また、本実施形態において示した燃焼室の数は一例であり、本発明は、燃焼室の数を問わずに適用できる。