(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1伸長部の前記一端部側には、前記終端側から前記基端側に延びた後に屈曲して前記終端側に向きを変える折り曲げ部が形成されている請求項1記載の画像読取装置。
前記位置決め部は、前記基端側から前記折り曲げ部を当て止めるとともに、前記底面側と前記読取面側とから前記折り曲げ部を挟んで収容する溝である請求項3記載の画像読取装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記従来の画像読取装置では、小型化のため、駆動部と、配線ケーブルの少なくとも湾曲部とが第1方向から見て重なるようにレイアウトを変更することが考えられる。
【0007】
しかしながら、この場合、従来の画像読取装置では、配線ケーブルの湾曲部が第1方向において駆動部に向けて突出していることから、移動体が往復移動する際、湾曲部等と駆動部とが接触するおそれがある。そして、その接触に起因して、異音の発生や、駆動部の移動体に対する駆動不良等の不具合が生じるおそれがある。
【0008】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、装置の小型化を実現できるとともに、配線ケーブルの湾曲部等と駆動部とが接触することによる異音の発生や駆動部の移動体に対する駆動不良等の不具合が発生することを抑制できる画像読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の画像読取装置は、底面と、前記底面と対向する読取面とを有するベース部と、
前記ベース部内に設けられ、前記読取面上の原稿の画像を読み取るように構成された読取部と、
前記ベース部内に設けられ、前記読取部を保持し、前記読取面と平行な第1方向において基端から終端までの間で往復移動する移動体と、
前記ベース部内における前記基端側に設けられ、前記移動体を駆動する駆動部と、
前記ベース部内に設けられ、一端部が前記底面における前記基端と前記終端との中間部に固定されるとともに、他端部が前記読取部に連結され、可撓性を有する配線ケーブルとを備え、
前記配線ケーブルは、前記一端部から前記底面に沿って前記終端側に延びる第1伸長部と、前記第1伸長部に連続し、前記読取面に接近するように湾曲して前記基端側に向きを変える湾曲部と、前記湾曲部に連続し、前記基端側に延びて前記他端部に至る第2伸長部とを有し、
前記駆動部と、前記配線ケーブルの少なくとも前記湾曲部とは、前記第1方向から見て、少なくとも一部が重なって
おり、
前記ベース部は、前記底面における前記一端部と前記駆動部との間から前記読取面に向かって突出するガイド部を有し、
前記ガイド部は、前記終端側から前記基端側に向けて上り傾斜する傾斜面を有していることを特徴とする。
【0010】
本発明の画像読取装置では、駆動部と、配線ケーブルの少なくとも湾曲部とが第1方向から見て少なくとも一部が重なるように、駆動部と配線ケーブルとを配置することにより、装置の小型化を実現できる。
【0011】
また、この画像読取装置では、第1伸長部は、ベース部の底面における第1方向の基端と終端との中間部に固定される一端部から、ベース部の底面に沿って終端側に延びている。湾曲部は、第1伸長部に連続し、読取面に接近するように湾曲して基端側に向きを変える。第2伸長部は、湾曲部に連続し、基端側に延びて、読取部に連結される他端部に至る。すなわち、配線ケーブルの湾曲部が第1方向において駆動部と反対側に向けて突出しており、湾曲部が駆動部から遠ざけられている。これにより、この画像読取装置では、移動体の移動に伴って湾曲部の位置が変位しても、配線ケーブルの湾曲部等が駆動部に接触し難い。
【0012】
したがって、本発明の画像読取装置では、装置の小型化を実現できるとともに、配線ケーブルの湾曲部等と駆動部とが接触することによる異音の発生や駆動部の移動体に対する駆動不良等の不具合が発生することを抑制できる。
【0013】
第1伸長部の前記一端部側には、終端側から基端側に延びた後に屈曲して終端側に向きを変える折り曲げ部が形成されていることが望ましい。この構成によれば、折り曲げ部により、配線ケーブルの引き回しの自由度が向上する。
【0014】
ベース部は、一端部を位置決めする位置決め部を有していることが望ましい。この構成によれば、位置決め部により、配線ケーブルの一端部が位置ずれし難くなるので、配線作業を行い易くなる。
【0015】
位置決め部は、基端側から折り曲げ部を当て止めるとともに、底面側と読取面側とから折り曲げ部を挟んで収容する溝であることが望ましい。この構成によれば、折り曲げ部を当て止めつつ挟むことにより、配線ケーブルの一端部をベース部に対して精度良く位置決めできる。
【0016】
ベース部は、底面における一端部と駆動部との間から読取面に向かって突出するガイド部を有していることが望ましい。そして、ガイド部は、終端側から基端側に向けて上り傾斜する傾斜面を有していることが望ましい。この構成によれば、移動体が基端側に移動する際に、配線ケーブルの第2伸長部が駆動部等に接触しないように、第2伸長部を底面側から読取面側に持ち上げるように案内することができる。その結果、この画像読取装置では、異音の発生や駆動部の移動体に対する駆動不良等の不具合が発生することを一層抑制できる。また、移動体をベース部に組み付ける際にも、移動体が駆動部等に接触しないように、移動体を底面側から読取面側に持ち上げるように案内することができる。その結果、この画像読取装置では、組み付け時の駆動部の破損を抑制できる。
【0017】
ガイド部は、読取面と平行、かつ第1方向と直交する第2方向において互いに間隔を空けて並ぶとともに、それぞれ第1方向に延びる複数の板状部と、第2方向に延びて各板状部を連結する連結部とを有していることが望ましい。この構成によれば、ガイド部に剛性を持たせることができる。
【0018】
ガイド部と読取面との距離は、駆動部と読取面との距離より小さいことが望ましい。この構成によれば、第2伸長部及び組み付け時の移動体がガイド部に案内されることにより、駆動部から確実に離間するので、配線ケーブル及び組み付け時の移動体と、駆動部との接触を一層抑制できる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。
【0021】
(実施例)
図1に示すように、実施例の画像読取装置1は、本発明の画像読取装置の具体的態様の一例である。
図1では、操作パネル5が設けられた側を装置の前側と規定し、操作パネル5に向かった場合に左手に来る側を左側と規定して、前後、左右及び上下の各方向を表示する。そして、
図2以降の各図に示す各方向は、全て
図1に示す各方向に対応させて表示する。以下、
図1等に基づいて、画像読取装置1が備える各構成要素について説明する。
【0022】
<構成>
図1及び
図2に示すように、画像読取装置1は、本体部8と開閉部9とを備えている。本体部8は、扁平な略箱状体であり、その前側には、
図1に示す操作パネル5が設けられている。
図2に示すように、本体部8の上面には、プラテンガラス19が配設され、そのプラテンガラス19の上面が
図2に示す読取面8Aとされている。読取面8Aには、原稿を静止させた状態で読み取る際に、原稿が載置される。原稿は、用紙等のシートや、書籍等である。
【0023】
図1に示すように、開閉部9は、本体部8の後面側上端縁に配設された図示しないヒンジにより、左右方向に延びる開閉軸心X9周りに揺動可能に本体部8に支持されている。開閉部9は、
図1に実線で示すように、閉じた状態では読取面8Aを上方から覆っている。その一方、開閉部9は、
図1に二点鎖線で示すように、その前側が上方かつ後方に変位するように開閉軸心X9周りに揺動することにより、読取面8Aの上方を開放する。これにより、ユーザは読取対象の原稿を読取面8Aに載置することができる。
【0024】
図1及び
図2に示すように、開閉部9の上側には、原稿台9Aが設けられている。また、開閉部9内には、
図2に示すように、自動原稿搬送機構4が配設されている。自動原稿搬送機構4は周知のものであるので説明は簡略するが、原稿台9Aに載置される複数枚の原稿を1枚ずつ分離し、搬送経路P1に沿って順次搬送する。
【0025】
本体部8の下側部分には、画像形成ユニットFが設けられている。図示は省略するが、画像形成ユニットFには、インクジェット方式又はレーザ方式等の画像形成部が収容されている。本体部8の上側部分には、画像読取ユニットRが設けられている。画像読取ユニットRは、
図3〜
図6に示すように、ベース部10、プラテンガラス19、枠体18等を有して構成されている。
【0026】
図3〜
図6に示すように、ベース部10は、熱可塑性樹脂の射出成形品である。ベース部10には、底面11及び周壁12A、12B、12L、12R等が形成されている。
【0027】
底面11は、第1底面11Aと、第2底面11Bと、第3底面11Cとを含んでいる。第1底面11Aは、ベース部10の前側で略水平に延在している。第2底面11Bは、ベース部10の後側で、第1底面11Aに対して低い位置で略水平に延在している。第3底面11Cは、ベース部10の左側で、第1底面11A及び第2底面11Bに対して低い位置で略水平に延在している。なお、本実施例において、「略水平に延在する」とは、平面内に凸部又は凹部を含んでいてもよいし、ある程度の傾斜、湾曲又は屈曲を含んでいてもよい。
【0028】
周壁12Aは、底面11の前端部から上方に向けて突出している。周壁12Bは、底面11の後端部から上方に向けて突出している。周壁12Lは、底面11の左端部11Lから上方に向けて突出している。周壁12Rは、底面11の右端部11Rから上方に向けて突出している。底面11の左端部11Lは、本発明の「基端」の一例である。底面11の右端部11Rは、本発明の「終端」の一例である。
【0029】
前側の周壁12Aと、後側の周壁12Bと、左側の周壁12Lと、右側の周壁12Rとは、底面11の周縁を囲うことにより、その内側に収容領域10Aを形成している。収容領域10Aには、キャリッジ20、読取部3、配線ケーブル50及び走査機構30が収容されている。キャリッジ20は、本発明の「移動体」の一例である。
【0030】
プラテンガラス19は、前側の周壁12Aと、後側の周壁12Bと、左側の周壁12Lと、右側の周壁12Rとによって自己の周縁が下側から支持されている。また、プラテンガラス19は、枠体18が自己の周縁に対して上側から当接しつつ、ベース部10に組み付けられることにより、本体部8に固定されている。
図5及び
図6に示すように、上面が読取面8Aとされたプラテンガラス19は、底面11と間隔を有して対向するとともに、収容領域10Aを覆っている。
【0031】
図3、
図4及び
図6に示すように、第1底面11Aには、ガイドレール29が形成されている。ガイドレール29は、第1底面11Aにおける前後方向の略中央に位置して、上方に突出しつつ左右方向に延びている。ガイドレール29の左端は、左側の周壁12Lの下部まで延びている。ガイドレール29の右端は、右側の周壁12Rの下部まで延びている。ガイドレール29の上端縁は、読取面8Aと平行に左右方向に延びている。ガイドレール29が延びる左右方向は、本発明の「第1方向」の一例である。
【0032】
図3〜
図6に示すように、キャリッジ20は、前後方向に細長い樹脂製部材であり、前側の周壁12A及び後側の周壁12Bの近傍まで延びている。キャリッジ20は、ガイドレール29に案内されることにより、
図5(a)及び(b)に示すように、底面11の左端部11Lから右端部11Rまでの間で往復移動可能となっている。
【0033】
図3〜
図6に示すように、読取部3は、キャリッジ20に搭載されている。読取部3は、収容領域10A内でプラテンガラス19に対して下側から対向するようにキャリッジ20に支持されている。読取部3は、CIS(Contact Image Sensor)やCCD(Charge Coupled Device)等の周知の画像読取センサである。読取部3は、前後方向において、読取面8Aに載置される原稿(本装置が読取可能とする最大サイズの原稿)の前後幅を越える程度の長さを有している。読取部3は、キャリッジ20の移動に伴って、
図5(a)及び(b)に示すように、底面11の左端部11Lから右端部11Rまでの間で往復移動する。
【0034】
図3〜
図6に示すように、走査機構30は、駆動部30M、駆動プーリ31、従動プーリ32及びタイミングベルト33を有している。
【0035】
駆動部30Mは、電動モータと、その電動モータに噛み合う複数個のギヤ群とからなる。駆動部30Mは、底面11の左端部11L側に位置して、第3底面11C上に配設されている。駆動部30Mは、左側の周壁12Lに隣接し、かつ、ガイドレール29の左端の近傍から後側の周壁12Bまで長く延在している。駆動部30Mは、図示しない制御部に制御されて回転する。
【0036】
図3、
図4及び
図6に示すように、駆動プーリ31は、駆動部30Mのギヤ群のうち、最も前側のギヤに一体成形されている。駆動プーリ31は、左側の周壁12Lに隣接し、かつ、ガイドレール29の左端に対して、後側に位置している。駆動プーリ31は、上下方向に延びる軸心周りに回転可能となっている。
【0037】
図示しない制御部に制御されて、駆動部30Mの電動モータが回転すると、駆動プーリ31が回転駆動される。制御部が電動モータの回転方向を切り替えることにより、駆動プーリ31は、正回転又は逆回転する。
【0038】
図3及び
図4に示すように、従動プーリ32は、右側の周壁12Rに隣接し、かつ、ガイドレール29の右端に対して、後側に位置している。従動プーリ32は、上下方向に延びる軸心周りに回転可能となっている。
【0039】
タイミングベルト33は、駆動プーリ31と従動プーリ32とに巻き掛けられた無端ベルトである。図示は省略するが、タイミングベルト33において、駆動プーリ31から従動プーリ32まで平行に延びる一対の直線部分の一方は、キャリッジ20に連結されている。これにより、駆動プーリ31の正回転及び逆回転に伴うタイミングベルト33の変位がキャリッジ20に伝達され、キャリッジ20が左右方向に往復移動可能となっている。
【0040】
図3〜
図6に示すように、配線ケーブル50は、複数本の被覆電線が帯状に接続されてなり、可撓性を有するフレキシブルフラットケーブルである。配線ケーブル50は、第2底面11B上に配設されている。
【0041】
配線ケーブル50の一端部50Aは、第2底面11Bにおける左端部11Lと右端部11Rとの中間部に、両面テープ等により固定されている。配線ケーブル50は、一端部50Aから第2底面11Bに沿って底面11の右端部11R側に向かって延び、その先端は本体部8内に設けられた図示しない制御部に電気的に接続されている。配線ケーブル50の他端部50Bは、キャリッジ20に固定され、その先において、読取部3と図示しないコネクタを介して電気的に接続されている。
【0042】
より詳しくは、配線ケーブル50は、第1伸長部51と、湾曲部53と、第2伸長部52とを有している。
【0043】
図5に示すように、第1伸長部51は、第2底面11Bに固定された配線ケーブル50の一端部50A側で、底面11の右端部11R側から左端部11L側に短く延びた後に180°折り曲げられて、底面11の右端部11R側に向きを変える部分である。そして、第1伸長部51は、第2底面11Bに沿って、底面11の右端部11R側に延びている。第1伸長部51において一端部50A側で180°折り曲げられた部位は、折り曲げ部54である。
【0044】
図4及び
図5に示すように、第2底面11Bにおける左端部11Lと右端部11Rとの中間部には、位置決め部120が形成されている。位置決め部120は、上側に短く突出した後に底面11の右端部11R側に延びる平板部と、第2底面11Bとの間に形成された溝である。位置決め部120は、底面11の左端部11L側から折り曲げ部54を当て止めるとともに、第1底面11B側と読取面8A側とから、すなわち上下方向から、折り曲げ部54を挟んで収容している。これにより、位置決め部120は、配線ケーブル50の一端部50Aを左右方向において位置決めする。
【0045】
湾曲部53は、第1伸長部51に連続し、読取面8Aに接近するように半円弧状に湾曲して、底面11の左端部11L側に向きを変える部分である。第2伸長部52は、湾曲部53に連続し、プラテンガラス19に沿って底面11の左端部11L側に延びている。第2伸長部52は、キャリッジ20の下側を通過した後、複数回折り曲げられながら上向きに延びて他端部50Bに至る部分である。
【0046】
このような構成である配線ケーブル50により、キャリッジ20に搭載された読取部3と図示しない制御部とが電気的に接続されている。
【0047】
キャリッジ20が底面11の左端部11L側から右端部11R側に移動する場合、すなわち、キャリッジ20が
図5(a)に示す位置から
図5(b)に示す位置に移動する場合、配線ケーブル50の第2伸長部52がキャリッジ20に押されるので、湾曲部53が右側に向かって移動し、第1伸長部51が長くなり、第2伸長部52が短くなる。
【0048】
その一方、キャリッジ20が底面11の右端部11R側から左端部11L側に移動する場合、すなわち、キャリッジ20が
図5(b)に示す位置から
図5(a)に示す位置に移動する場合、配線ケーブル50の第2伸長部52がキャリッジ20に引っ張られるので、湾曲部53が左側に向かって移動し、第1伸長部51が短くなり、第2伸長部52が長くなる。こうして、配線ケーブル50は、キャリッジ20の移動に追従し、読取部3による画像の読取処理を妨げないようになっている。
【0049】
図5(a)の矢視B方向から見た駆動部30Mの輪郭を
図6に二点鎖線で示す。
図6に示すように、駆動部30Mの一部と、配線ケーブル50の少なくとも湾曲部53の一部とは、左右方向から見て重なっている。
【0050】
図3及び
図5〜
図7に示すように、第2底面11Bには、ガイド部100が形成されている。
図5に示すように、ガイド部100は、左右方向において、配線ケーブル50の一端部50Aと駆動部30Mとの間であって、一端部50Aよりも駆動部30Mに近い位置に設けられている。
図6に示すように、ガイド部100は、左右方向から見て、配線ケーブル50の少なくとも湾曲部53の一部と、駆動部30Mの一部とに重なっている。
【0051】
図7に示すように、ガイド部100は、2つの板状部101、102と、連結部103とを有している。各板状部101、102と連結部103とは、第2底面11Bから読取面8Aに向かって上向きに突出している。
【0052】
板状部101と板状部102とは、前後方向において互いに間隔を空けて並ぶとともに、それぞれ左右方向に衝立状に延びている。連結部103は、前後方向に衝立状に延びて各板状部101、102の左端縁を連結している。前後方向は、本発明の「読取面と平行、かつ第1方向と直交する第2方向」の一例である。
【0053】
板状部101の右側には、傾斜面101Sが形成されている。板状部102の右側には、傾斜面102Sが形成されている。傾斜面101S、102Sはそれぞれ、底面11の右端部11R側から左端部11L側に向けて、直線状に上り傾斜している。傾斜面101Sは、傾斜面102Sよりも右側に位置している。板状部101の上端縁は、傾斜面101Sの上端から水平に延びて、連結部103の上端縁に接続している。傾斜面102Sの上端は、連結部103の上端縁に直に接続している。
【0054】
図5(b)に示すように、ガイド部100の上端と読取面8Aとの距離L1は、駆動部30Mの上端と読取面8Aとの距離L2より小さい。
【0055】
<画像読取動作>
この画像読取装置1では、読取面8Aに載置された原稿を読み取る場合、走査機構30の駆動部30M等が作動し、
図2に示すように、キャリッジ20に搭載された読取部3を本体部8内における左端側から右端側に移動させる。これにより、読取部3は、読取面8Aに載置された原稿の画像を読み取る。その後、走査機構30は、読み取りを終えた読取部3を本体部8内における右端側から左端側に移動させ、元の位置に復帰させる。
【0056】
また、この画像読取装置1では、原稿台9Aに載置される複数枚の原稿の画像を読み取る場合、
図2及び
図4に示すように、走査機構30の駆動部30M等が作動し、キャリッジ20に搭載された読取部3を本体部8内における左端側の位置である固定読取位置に移動させる。そして、自動原稿搬送機構4が原稿台9Aに載置される原稿を搬送経路P1に沿って順次搬送すると、その原稿が固定読取位置にある読取部3の上側を通過するので、読取部3は、その通過する原稿の画像を読み取る。
【0057】
こうして、この画像読取装置1では、読取面8A又は原稿台9Aに載置された原稿の画像を読み取ることができる。
【0058】
<作用効果>
実施例の画像読取装置1では、
図6に示すように、駆動部30Mと、配線ケーブル50の少なくとも湾曲部53とは、左右方向から見て、少なくとも一部が重なっている。これにより、駆動部30M及び配線ケーブル50のレイアウトの自由度が高くなるので、仮に駆動部30Mと配線ケーブル50とが左右方向から見て重ならないように駆動部30M及び配線ケーブル50をレイアウトする場合と比較して、装置の小型化を実現できる。
【0059】
また、この画像読取装置1では、
図3〜
図5に示すように、配線ケーブル50における第1伸長部51は、ベース部10の第2底面11Bにおける左端部11Lと右端部11Rとの中間部に固定される一端部50Aから、ベース部10の底面11に沿って、底面11の右端部11R側に延びている。配線ケーブル50における湾曲部53は、第1伸長部51に連続し、読取面8Aに接近するように湾曲して、底面11の左端部11L側に向きを変える。配線ケーブル50における第2伸長部52は、湾曲部53に連続し、底面11の左端部11L側に延びて、読取部3に連結される他端部50Bに至る。すなわち、配線ケーブル50の湾曲部53が左右方向において駆動部30Mと反対側に向けて突出しており、湾曲部53が駆動部30Mから遠ざけられている。これにより、この画像読取装置1では、キャリッジ20の移動に伴って湾曲部53の位置が変位しても、配線ケーブル50の湾曲部53等が駆動部30Mに接触し難い。
【0060】
したがって、実施例の画像読取装置1では、装置の小型化を実現できるとともに、配線ケーブル50の湾曲部53等と駆動部30Mとが接触することによる異音の発生や駆動部30Mのキャリッジ20に対する駆動不良等の不具合が発生することを抑制できる。
【0061】
また、この画像読取装置1では、
図5に示すように、第1伸長部51の一端部50A側に形成された折り曲げ部54により、配線ケーブル50の引き回しの自由度が向上する。
【0062】
さらに、この画像読取装置1では、
図5に示すように、第2底面11Bの中間部に設けられた位置決め部120により配線ケーブル50の一端部50Aを位置決めするので、配線ケーブル50の一端部50Aが位置ずれし難く、配線作業を行い易い。また、溝である位置決め部120は、底面11の左端部11L側から折り曲げ部54を当て止めるとともに、底面11側と読取面8A側とから折り曲げ部54を挟んで収容するので、配線ケーブル50の一端部50Aをベース部10に対して精度良く位置決めできる。
【0063】
また、この画像読取装置1では、
図5及び
図7に示すように、第2底面11Bにおける一端部50Aと駆動部30Mとの間から読取面8Aに向かって突出するガイド部100は、各板状部101、102に形成され、底面11の右端部11R側から左端部11L側に向けて上り傾斜する傾斜面101S、102Sを有している。
【0064】
これにより、この画像読取装置1では、
図8(a)に示すように、キャリッジ20が底面11の左端部11L側に移動する際に、配線ケーブル50の第2伸長部52が垂れ下がったとしても、第2伸長部52が駆動部30M等より先に傾斜面101S、102Sに接触する。こうして、この画像読取装置1では、ガイド部
100により、垂れ下がった第2伸長部52が駆動部30M等に接触しないように、第2伸長部52を底面11側から読取面8A側に持ち上げるように案内することができる。その結果、この画像読取装置1では、配線ケーブル50の湾曲部53等と駆動部30Mとが接触することによる異音の発生や駆動部30Mのキャリッジ20に対する駆動不良等の不具合が発生することを一層抑制できる。
【0065】
また、この画像読取装置1では、
図8(b)に示すように、製造工程において、プラテンガラス19及び枠体18が組み付けられていないベース部10に対して、キャリッジ20を組み付ける際にキャリッジ20が傾斜し、キャリッジ20が第2底面11Bに接近し過ぎる場合がある。このような場合に、キャリッジ20が底面11の左端部11L側に移動したとしても、キャリッジ20が駆動部30M等より先に傾斜面101S、102Sに接触する。こうして、この画像読取装置1では、ガイド部10により、第2底面11Bに接近し過ぎたキャリッジ20が駆動部30M等に接触しないように、キャリッジ20を底面11側から読取面8A側に持ち上げるように案内することができる。その結果、この画像読取装置1では、組み付け時の駆動部30Mの破損を抑制できる。
【0066】
さらに、この画像読取装置1では、ガイド部100が2つの板状部101、102と、連結部103とを有していることにより、ガイド部100に剛性を持たせることができる。
【0067】
また、この画像読取装置1では、ガイド部100の上端と読取面8Aとの距離L1は、駆動部30Mの上端と読取面8Aとの距離L2より小さい。これにより、この画像読取装置1では、第2伸長部52及び組み付け時のキャリッジ20がガイド部100に案内されることにより、駆動部30Mから確実に離間するので、配線ケーブル50及び組み付け時のキャリッジ20と、駆動部30Mとの接触を一層抑制できる。
【0068】
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0069】
例えば、ガイド部は、ベース部と別体であって、ベース部に組み付けられてもよい。