(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
タッチパネルセンサの保護膜に覆われた金属配線に形成された断線部を介して互いに対向する第1配線端部と第2配線端部とを接続することにより当該金属配線の断線を修正するタッチパネルセンサの断線修正装置において、
前記断線部を有する前記タッチパネルセンサが載置されるステージと、
前記ステージの上方に設けられ、直線状に形成された針状の溝形成部であって、前記ステージに対して平行及び垂直に移動自在であり、前記保護膜に前記第1配線端部から前記第2配線端部に延びる溝を形成して当該第1配線端部の一部及び当該第2配線端部の一部を露出させる溝形成部と、
前記ステージの上方に設けられた導電性材料注入部であって、前記ステージに対して平行及び垂直に移動自在であり、前記溝形成部によって形成された前記溝に導電性材料を注入する導電性材料注入部と、を備えたことを特徴とするタッチパネルセンサの断線修正装置。
前記溝形成部及び前記導電性材料注入部を、前記ステージに対して平行及び垂直に移動させる移動機構部を更に備えたことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のタッチパネルセンサの断線修正装置。
前記導電性材料注入部に供給される前記導電性材料を貯蔵する導電性材料貯蔵部を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のタッチパネルセンサの断面修正装置。
前記導電性材料貯蔵部は、前記ステージに対して、前記導電性材料注入部と一体に移動自在になっていることを特徴とする請求項7に記載のタッチパネルセンサの断線修正装置。
タッチパネルセンサの保護膜に覆われた金属配線に形成された断線部を介して互いに対向する第1配線端部と第2配線端部とを接続することにより当該金属配線の断線を修正するタッチパネルセンサの断線修正方法において、
ステージに、前記断線部を有する前記タッチパネルセンサを載置する工程と、
直線状に形成された針状の溝形成部によって、前記保護膜に前記第1配線端部から前記第2配線端部に延びる溝を形成する工程であって、当該第1配線端部の一部及び当該第2配線端部の一部を露出させる工程と、
前記保護膜に形成された前記溝に、導電性材料を注入する工程と、を備えたことを特徴とするタッチパネルセンサの断線修正方法。
前記溝を形成する工程において、前記溝形成部と前記導電性材料注入部は、前記ステージに対して一体に移動することを特徴とする請求項9に記載のタッチパネルセンサの断線修正方法。
前記溝を形成する工程は、前記溝形成部の先端が前記第1配線端部の上面に達するまで当該溝形成部を前記保護膜に挿入させるように前記溝形成部を下降させる工程と、前記溝形成部を前記第1配線端部から前記第2配線端部に向って前記ステージに対して平行に移動させる工程と、前記溝形成部を上昇させる工程と、を有し、
前記導電性材料を注入する工程において、前記溝形成部を上昇させる工程において当該溝形成部の上昇を停止した位置で、前記溝に前記導電性材料が注入されることを特徴とする請求項9又は10に記載のタッチパネルセンサの断線修正方法。
【背景技術】
【0002】
今日、入力手段として、タッチパネル装置が広く用いられている。タッチパネル装置は、タッチパネルセンサ、タッチパネルセンサからの信号を処理する検出制御部などを含んでいる。タッチパネル装置は、多くの場合、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の表示装置が組み込まれた種々の装置等(例えば、券売機、ATM装置、携帯電話、ゲーム機)に対する入力手段として、表示装置とともに用いられている。このような装置においては、タッチパネルセンサが表示装置の表示面上に配置されており、これによって、表示装置に対する極めて直接的な入力が可能になっている。タッチパネルセンサのうち表示装置の表示領域に対応する領域は透明になっており、タッチパネルセンサのこの透明な領
域が、接触位置(接近位置)を検出し得るアクティブエリアを構成している。
【0003】
タッチパネル装置は、タッチパネルセンサ上への接触位置(接近位置)を検出する原理に基づいて、種々の形式に区別される。昨今では、光学的に明るいこと、意匠性があること、構造が容易であること、機能的にも優れていること等の理由から、容量結合方式のタッチパネル装置が注目されている。容量結合方式のタッチパネル装置においては、位置を検知されるべき外部導体(典型的には、指)が誘電体を介してタッチパネルセンサに接触(接近)する際、新たに奇生容量が発生する。この奇生容量に起因する静電容量の変化に基づいて、タッチパネルセンサ上における対象物の位置が検出される。容量結合方式には表面型と投影型とがあるが、マルチタッチの認識(多点認識)への対応に適していることから、投影型が注目を浴びている。
【0004】
投影型容量結合方式のタッチパネルセンサは、誘電体と、誘電体上においてアクティブエリア内に形成されたセンサ電極と、センサ電極に導通し、誘電体上においてアクティブエリアの外側の非アクティブエリア(いわゆる額縁領域)に形成された取出配線と、を有している。誘電体に形成された取出配線は、導電性パターンが形成されたフレキシブル基板などの信号伝達手段に接続されており、この信号伝達手段を介して、センサ電極からの信号が上述の検出制御部に伝達される。
【0005】
タッチセンサパネルのセンサ電極や取出配線は、例えばアルミニウム等の金属材料により形成されている。このことにより、マイグレーション耐性の向上や耐汚れ性の付与といった目的から、センサ電極や取出配線が、樹脂材料により形成された保護膜に覆われている場合がある。このように構成されたタッチパネルセンサは、真空スパッタリング技術やフォトリソグラフィ技術を用いることにより形成することができる。
【0006】
ところで、タッチパネルセンサの製造工程において、取出配線が断線する場合がある。断線した取出配線は、例えば特許文献1及び2に示すような方法を適用して断線を修正することが可能である。この場合、取出配線が断線したタッチパネルセンサの廃棄を回避することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1及び2に示す方法では、保護膜を除去する際、エネルギービームやレーザ光を保護膜に照射している。しかしながら、この場合、照射されたエネルギービームやレーザ光のエネルギは、樹脂材料により形成された保護膜よりも、金属材料により形成された取出配線に吸収されやすい。このことにより、取出配線が損傷する場合が生じ、信頼性が損なわれるという問題が生じる。
【0009】
また、特許文献1及び2に示す方法では、保護膜を除去した後に、レーザCVD技術を用いて配線の修正が行われる。このため、断線を修正するための装置構成が複雑化し、装置が高価になるとともに断線の修正工程が煩雑化するという問題がある。
【0010】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、タッチパネルセンサの金属配線の断線を信頼性良く、安価にかつ容易に修正することができるタッチパネルセンサの断線修正装置及び断線修正方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、タッチパネルセンサの保護膜に覆われた金属配線に形成された断線部を介して互いに対向する第1配線端部と第2配線端部とを接続することにより当該金属配線の断線を修正するタッチパネルセンサの断線修正装置において、前記断線部を有する前記タッチパネルセンサが載置されるステージと、前記ステージの上方に設けられ、直線状に形成された針状の溝形成部であって、前記ステージに対して平行及び垂直に移動自在であり、前記保護膜に前記第1配線端部から前記第2配線端部に延びる溝を形成して当該第1配線端部の一部及び当該第2配線端部の一部を露出させる溝形成部と、前記ステージの上方に設けられた導電性材料注入部であって、前記ステージに対して平行及び垂直に移動自在であり、前記溝形成部によって形成された前記溝に導電性材料を注入する導電性材料注入部と、を備えたことを特徴とするタッチパネルセンサの断線修正装置を提供する。
【0012】
なお、上述したタッチパネルセンサの断線修正装置においては、前記溝形成部と前記導電性材料注入部は、前記ステージに対して一体に移動自在になっている、ようにしてもよい。
【0013】
また、上述したタッチパネルセンサの断線修正装置においては、前記溝形成部は、当該溝形成部の長手方向に沿って延びる前記導電性材料の注入路を含むように中空状に形成され、前記注入路は、前記導電性材料注入部を構成している、ようにしてもよい。
【0014】
また、上述したタッチパネルセンサの断線修正装置においては、前記溝形成部の先端部に、当該溝形成部の長手方向に対して傾斜する傾斜面が設けられ、前記注入路は、前記傾斜面において開口している、ようにしてもよい。
【0015】
また、上述したタッチパネルセンサの断線修正装置においては、前記溝形成部及び前記導電性材料注入部を、前記ステージに対して平行及び垂直に移動させる移動機構部を更に備える、ようにしてもよい。
【0016】
また、上述したタッチパネルセンサの断線修正装置においては、前記ステージに載置される前記タッチパネルセンサの前記第1配線端部の位置を観察する観察部と、修正装置制御部と、を更に備え、前記修正装置制御部は、前記観察部により観察された前記タッチパネルセンサの前記第1配線端部の位置に基づいて、前記溝形成部及び前記導電性材料注入部を移動させて、前記溝形成部を前記第1配線端部に位置合わせするように前記移動機構部を制御する、ようにしてもよい。
【0017】
また、上述したタッチパネルセンサの断線修正装置においては、前記導電性材料注入部に供給される前記導電性材料を貯蔵する導電性材料貯蔵部を更に備える、ようにしてもよい。
【0018】
また、上述したタッチパネルセンサの断線修正装置においては、前記導電性材料貯蔵部は、前記ステージに対して、前記導電性材料注入部と一体に移動自在になっている、ようにしてもよい。
【0019】
本発明は、タッチパネルセンサの保護膜に覆われた金属配線に形成された断線部を介して互いに対向する第1配線端部と第2配線端部とを接続することにより当該金属配線の断線を修正するタッチパネルセンサの断線修正方法において、ステージに、前記断線部を有する前記タッチパネルセンサを載置する工程と、直線状に形成された針状の溝形成部によって、前記保護膜に前記第1配線端部から前記第2配線端部に延びる溝を形成する工程であって、当該第1配線端部の一部及び当該第2配線端部の一部を露出させる工程と、前記保護膜に形成された前記溝に、導電性材料を注入する工程と、を備えたことを特徴とするタッチパネルセンサの断線修正方法を提供する。
【0020】
なお、上述したタッチパネルセンサの断線修正方法においては、前記溝を形成する工程において、前記溝形成部と前記導電性材料注入部は、前記ステージに対して一体に移動する、ようにしてもよい。
【0021】
また、上述したタッチパネルセンサの断線修正方法においては、前記溝を形成する工程は、前記溝形成部の先端が前記第1配線端部の上面に達するまで当該溝形成部を前記保護膜に挿入させるように前記溝形成部を下降させる工程と、前記溝形成部を前記第1配線端部から前記第2配線端部に向って前記ステージに対して平行に移動させる工程と、前記溝形成部を上昇させる工程と、を有し、前記導電性材料を注入する工程において、前記溝形成部を上昇させる工程において当該溝形成部の上昇を停止した位置で、前記溝に前記導電性材料が注入される、ようにしてもよい。
【0022】
また、上述したタッチパネルセンサの断線修正方法においては、前記ステージに載置された前記タッチパネルセンサの前記第1配線端部の位置を観察する工程と、観察された前記第1配線端部の位置に基づいて、前記溝形成部を前記第1配線端部に位置合わせする工程と、を更に備える、ようにしてもよい。
【0023】
また、上述したタッチパネルセンサの断線修正方法においては、前記溝に供給された前記導電性材料を硬化する工程を更に備える、ようにしてもよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、タッチパネルセンサの配線の断線を信頼性良く、安価にかつ容易に修正することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1乃至
図6を用いて、本発明の実施の形態におけるタッチパネルセンサの断線修正装置及び断線修正方法について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「垂直」等の用語や数値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
【0027】
まず、
図1及び
図2を用いて、タッチパネルセンサについて説明する。
【0028】
図1に示されたタッチパネル装置4は、投影型の静電容量結合方式として構成され、タッチパネル装置4への外部導体(例えば、人間の指)の接触位置(接近位置)を検出可能に構成されている。
【0029】
図1に示すように、タッチパネル装置4は、表示装置(例えば液晶表示装置)2とともに組み合わせられて用いられることにより、入出力装置1を構成する。図示された表示装置2は、フラットパネルディスプレイとして構成されている。表示装置2は、表示面3aを有した表示パネル3と、表示パネル3に接続された表示制御部(図示せず)と、を有している。表示パネル3は、映像を表示することができる表示領域A1と、表示領域A1を取り囲むようにして表示領域A1の外側に配置された非表示領域(額縁領域とも呼ばれる)A2と、を含んでいる。表示制御部は、表示されるべき映像に関する情報を処理し、映像情報に基づいて表示パネル3を駆動する。表示パネル3は、表示制御部の制御信号に基づいて、所定の映像を表示面3aに表示する。すなわち、表示装置2は、文字や図等の情報を映像として出力する出力装置としての役割を担っている。
【0030】
また、タッチパネル装置4は、表示装置2の表示面3a上に配置されたタッチパネルセンサ10を有している。このタッチパネルセンサ10は、表示装置2の表示面3a上に接着層(図示せず)を介して接着されている。また、タッチパネルセンサ10にはフレキシブル基板6の一端が接続され、フレキシブル基板6の他端は、タッチパネルセンサ10からの信号を処理する検出制御部(図示せず)に接続されている。すなわち、タッチパネルセンサ10からの信号が、フレキシブル基板6を介して検出制御部に伝達される。
【0031】
また、タッチパネル装置4は、表示装置2とは反対の側に、誘電体として機能する透光性を有した保護カバー5を更に有している。保護カバー5は、タッチパネルセンサ10の表示装置2とは反対の側に接着層(図示せず)を介して接着されている。この保護カバー5は、タッチパネル装置4への入力面(タッチ面、接触面)として機能するようになる。つまり、保護カバー5に導体、例えば人間の指を接触させることにより、タッチパネル装置4に対して外部から情報を入力することができるようになっている。なお、保護カバー5は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)などの柔軟性を有する材料から形成することができる。このような柔軟性を有する保護カバー5をタッチパネルセンサ10に接着層を介して取り付けることにより、組立や取り扱いの容易さを確保しながら、タッチパネルセンサ10を外部から保護することが可能となる。
【0032】
図2に示すように、タッチパネルセンサ10は、基材フィルム11と、基材フィルム11の表示装置2とは反対の側の面に所定のパターンで設けられたセンサ電極12と、を有している。このうち、基材フィルム11は、タッチパネルセンサ10において誘電体として機能するものである。センサ電極12は、表示装置2の表示領域A1に対応する領域に配置されており、外部導体との間で容量結合を形成するようになっている。基材フィルム11及びセンサ電極12はそれぞれ透光性を有しており、表示装置2に表示された映像を外部から見ることができるようになっている。また、センサ電極12は、透明性及び所要の導電性を有する材料が用いられ、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)を好適に用いることができる。
【0033】
基材フィルム11には、センサ電極12に導通する取出配線13が形成されている。この取出配線13は、表示装置2の非表示領域A2に対応する領域に配置されている。また、取出配線13は、センサ電極12を形成する材料よりも高い導電率(電気伝導率)を有する金属材料により形成されている。具体的には、遮光性を有するとともに、ITO等の透明導電材よりも格段に高い導電率を有する金属材料、例えばアルミニウム、モリブデン、銀、クロム、銅又はこれらの合金等の金属材料により形成されている。
【0034】
また、
図2に示すように、センサ電極12及び取出配線13は、保護膜14によって覆われている。このことにより、センサ電極12及び取出配線13に、マイグレーション耐性や耐汚れ性の付与をすることができる。このような保護膜14は、例えばアクリル樹脂、モノマー(アクリル系)、感光剤及び樹脂溶剤を混合した材料によって形成することができる。
【0035】
ところで、このように構成されたタッチパネルセンサ10においては、取出配線13の厚み及び幅は小さく形成されている(例えば、厚みが1μm、幅が70μm〜300μm)。このことにより、取出配線13が断線し、
図2に示すような断線部15が形成される場合がある。
【0036】
本実施の形態におけるタッチパネルセンサの断線修正装置20(以下、単に断線修正装置20と記す)は、このようにして断線した取出配線13を修正するためのものである。すなわち、保護膜14に覆われた取出配線(金属配線)13に断線部15が形成されることにより、当該取出配線13に、当該断線部15を介して互いに対向する第1配線端部16aと第2配線端部16bとが形成される。断線修正装置20は、このようにして形成された第1配線端部16aと第2配線端部16bとを接続して断線部15を修正するためのものである。
【0037】
図3及び
図4に示すように、断線修正装置20は、上述した断線部15を有するタッチパネルセンサ10が載置されるステージ21と、ステージ21の上方に設けられ、当該ステージ21に対して平行及び垂直に移動自在なヘッド22と、を備えている。このうち、ステージ21には、タッチパネルセンサ10を保持するチャック(図示せず)が設けられていることが好適である。この場合、ステージ21に載置されたタッチパネルセンサ10は、チャックによって保持することができる。
【0038】
ヘッド22には、保護膜14に第1配線端部16aから第2配線端部16bに延びる溝60(
図6参照)を形成する直線状に形成された針状の溝形成部25と、溝形成部25によって形成された溝60に導電性インク(導電性材料、
図6参照)65を注入するインク注入部(導電性材料注入部)30とが設けられている。このように、本実施の形態においては、溝形成部25及びインク注入部30は、ステージ21に対して一体に移動自在になっている。
【0039】
溝形成部25は、上述したように第1配線端部16aから第2配線端部16bに延びる溝60を形成して、当該第1配線端部16aの一部及び当該第2配線端部16bの一部を露出させるようになっている。また、溝形成部25は、
図5に示すように、溝形成部25の長手方向に沿って延びる導電性インク65の注入路31を含むように中空状に形成されている。溝形成部25の先端部には、当該溝形成部25の長手方向に対して傾斜する傾斜面26が設けられている。
【0040】
溝形成部25の注入路31は、インク注入部30を構成している。すなわち、後述するインクタンク50に貯蔵されていた導電性インク65は、インクタンク50から注入路31に供給されて、注入路31を通って、保護膜14に形成された溝60に注入されるようになっている。注入路31は、溝形成部25の先端部に設けられた傾斜面26において開口している。言い換えると、傾斜面26に、注入路31の開口部31aが形成されている。
【0041】
このような溝形成部25としては、保護膜14に溝60をスムースに形成することができるとともに注入路31を含むように中空状に形成されていればよく、例えば注射針を用いることが好適である。なお、溝形成部25の外径は、保護膜14に溝60をスムースに形成することができれば特に限定されることはないが、例えば30μmとすることができる。
【0042】
導電性インク65に用いる材料としては、溝形成部25に形成されている注入路31をスムースに流れ得る材料であって、導電性及びセンサ電極12との接着性を有している材料であれば、特に限定されることはないが、例えば銀インクを用いることが好適である。このような銀インクとしては、例えば、80〜85質量%の銀粉と、5質量%のアクリル樹脂(又はポリエステル)と、10質量%以上の有機溶剤と、少量の添加剤とを含有する銀インクとすることが好適である。
【0043】
図3及び
図4に示すように、上述したヘッド22は、移動機構部35によって、ステージ21に対して平行及び垂直に移動するようになっていることが好適である。この場合、移動機構部35は、ステージ21に対して平行となるx方向(水平方向のうちの一の方向)にヘッド22を移動させるx方向移動機構部36と、y方向(水平方向のうちx方向に直交する方向)にヘッド22を移動させるy方向移動機構部37と、垂直方向(x方向及びy方向に直交する方向)にヘッド22を移動させるz方向移動機構部38と、を有している。このうちz方向移動機構部38は、ステージ21に起立して設けられており、z方向移動機構部38には、x方向移動機構部36を介してy方向移動機構部37が連結されている。ヘッド22は、y方向移動機構部37の先端部(x方向移動機構部36の側とは反対側の部分)に取り付けられている。このようにして、x方向移動機構部36、y方向移動機構部37及びz方向移動機構部38が、ヘッド22を、x方向、y方向及びz方向にそれぞれ移動させるようになっている。なお、x方向移動機構部36及びy方向移動機構部37は、
図3においては、片持ち状に形成されている例を示しているが、これに限られることはなく、両持ち状に形成されていてもよい。なお、図示しないが、移動機構部35が、溝形成部25をステージ21に対して平行な方向に回動させる回動機構部を有していてもよい。この場合、上述した溝形成部25の先端部に設けられる傾斜面26を、所望の方向に向けることができる。
【0044】
また、断線修正装置20は、
図3に示すように、ステージ21に載置されたタッチパネルセンサ10の第1配線端部16aの位置を観察するアライメントカメラ(観察部)40と、修正装置制御部45と、を更に備えていることが好適である。この場合、アライメントカメラ40は、ステージ21に対して溝形成部25等とともに一体に移動自在になっていてもよく、あるいは、溝形成部25等とは別々に移動自在になっていてもよい。修正装置制御部45は、アライメントカメラ40により観察されたタッチパネルセンサ10の第1配線端部16aの位置に基づいて、ヘッド22を移動させて、溝形成部25を第1配線端部16aに位置合わせするように移動機構部35を制御する。すなわち、修正装置制御部45により、まず、アライメントカメラ40を用いて、タッチパネルセンサ10のアライメントマーク(図示せず)を観察することにより基準点が定められ、続いて、第1配線端部16aを観察することにより第1配線端部16aの位置(座標)が定められる。このようにして定められた第1配線端部16aの上方に、溝形成部25を移動させて、当該第1配線端部16aに溝形成部25が位置合わせされる。また、第2配線端部16bを観察することにより第2配線端部16bの位置(座標)が定められ、溝形成部25を、第1配線端部16aから第2配線端部16bに移動させる。
【0045】
図3乃至
図5に示すように、本実施の形態においては、ヘッドに、導電性インク65を貯蔵するインクタンク(導電性材料貯蔵部)50が設けられている。このインクタンク50に貯蔵されている導電性インク65は、インク注入部30に供給されるようになっている。インクタンク50は、ステージ21に対して、インク注入部30と一体に移動自在になっている。
【0046】
インク注入部30とインクタンク50との間には、例えば
図5に示すような開閉弁55が介在されていることが好適である。このことにより、インク注入部30への導電性インク65の供給を開閉弁55によって制御することができる。すなわち、所望のタイミングで、保護膜14に形成された溝60に導電性インク65の注入を開始するとともに、その注入を停止することができる。この場合、溝60に過剰に導電性インク65を注入することによって断線部15の周囲が導電性インク65により汚染されることを防止できる。このような開閉弁55は、修正装置制御部45によって制御されることが好適である。なお、
図5は、開閉弁55が開いた状態を示しており、この状態から下降してインクタンク50の底面の開口を塞ぐことにより、インク供給部30への導電性インクの供給が停止されるようになっている。また、インクタンク50に貯蔵されている導電性インク65は、加圧駆動部(図示せず)によって加圧されていることが好適である。このことにより、保護膜14に形成された溝60に、スムースに導電性インク65を注入することができる。
【0047】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用、すなわちタッチパネルセンサの断線修正方法について、
図6を用いて説明する。
【0048】
まず、断線修正装置20のステージ21(
図3参照)に、断線部15を有するタッチパネルセンサ10が載置される(
図6(a)参照)。この場合、タッチパネルセンサ10は、ステージ21に設けられたチャック(図示せず)により保持されることが好適である。
【0049】
続いて、アライメントカメラ40(
図3参照)を用いて、ステージ21に載置されたタッチパネルセンサ10の第1配線端部16aの位置が観察される。この場合、まず、タッチパネルセンサ10のアライメントマーク(図示せず)が観察されて、基準点が定められる。続いて、第1配線端部16aが観察されて、第1配線端部16aの位置(座標)が定められる。また、この際、同様にして、第2配線端部16bの位置(座標)が定められる。
【0050】
次に、ステージ21に載置されたタッチパネルセンサ10の上方において、溝形成部25が、断線部15の第1配線端部16aに位置合わせされる(
図6(b)参照)。この場合、x方向移動機構部36及びy方向移動機構部37が駆動されて、溝形成部25は、ステージ21に対して平行に移動し、アライメントカメラ40によって観察されて定められた第1配線端部16aの位置に基づいて、第1配線端部16aに位置合わせされる。溝形成部25を位置合わせする際、回動機構部(図示せず)によって、溝形成部25の先端部に設けられた傾斜面26を、第2配線端部16bの側とは反対側、すなわち溝形成部25の移動方向とは反対側に向けることが好適である。なお、回動機構部が設けられていない場合には、溝形成部25の移動方向に合わせるように、タッチパネルセンサ30をステージ21に載置させることが好適である。
【0051】
溝形成部25が位置合わせされた後、溝形成部25によって、保護膜14に第1配線端部16aから第2配線端部16bに延びる溝60が形成される。
【0052】
この場合、まず、溝形成部25が下降する(
図6(c)参照)。すなわち、z方向移動機構部38が駆動されて、溝形成部25の先端が第1配線端部16aの上面に達するまで、溝形成部25が保護膜14に挿入される。なお、溝形成部25が、直線状に延びるように形成されているため、溝形成部25を保護膜14にスムースに挿入することができる。なお、タッチパネルセンサ10の基材フィルム11、取出配線13、保護膜14の厚みを予め修正装置制御部45に入力しておくことにより、溝形成部25の先端が第1配線端部16aの上面に達した位置で溝形成部25の下降を停止させることが可能である。
【0053】
続いて、溝形成部25が、第1配線端部16aから第2配線端部16bに向ってステージ21に対して平行に移動する(
図6(d)参照)。すなわち、第2配線端部16bの位置に応じてx方向移動機構部36及びy方向移動機構部37の少なくとも一方が駆動されて、溝形成部25がステージ21に対して平行に移動する。この際、アライメントカメラ40により予め観察されて定められた第2配線端部16bの位置に基づいて、溝形成部25は第2配線端部16bに位置合わせされる。このようにして、保護膜14に、第1配線端部16aから第2配線端部16bに延びる溝60を形成することができる。
【0054】
その後、z方向移動機構部38が駆動されて、溝形成部25が上昇する(
図6(e)参照)。この場合、溝形成部25の先端が、保護膜14の上面に位置付けられた状態、又は第2配線端部16bの上面と保護膜14の上面との間の位置に位置付けられた状態で、溝形成部25の上昇を停止することが好適である。このことにより、溝60を形成することによって生じ得る切り屑などによって注入路31の開口部31a(
図5参照)が塞がれることを防止し、後述する導電性インク65を溝60に確実に注入することができる。
【0055】
このようにして、第1配線端部16aから第2配線端部16bに延びる溝60が形成される。この場合、
図6(e)に示す断面において、溝60は矩形状に形成される。この形成された溝60に、第1配線端部16aの一部及び第2配線端部16bの一部が露出される。なお、溝形成部25を、第1配線端部16aと第2配線端部16bとの間で複数回移動させて、複数本の溝60を形成してもよい。この場合、第1配線端部16aと第2配線端部16bとの接続信頼性をより一層向上させることができる。しかしながら、第1配線端部16aと第2配線端部16bとの間に1本だけの溝60を形成した場合であっても、第1配線端部16aと第2配線端部16bとを電気的に接続することができ、信頼性を確保することができる。
【0056】
保護膜14に溝60が形成された後、すなわち、溝形成部25の上昇を停止した後、保護膜14に形成された溝60に、導電性インク65が注入される(
図6(f)参照)。この場合、インク注入部30とインクタンク50との間に介在された開閉弁55(
図5参照)が開き、インクタンク50に貯蔵されていた導電性インク65が、インクタンク50から溝形成部25の注入路31に供給されて、注入路31を通って、保護膜14に形成された溝60に注入される。この際、溝形成部25の先端部に設けられた傾斜面26が、溝形成部25の移動方向とは反対側、すなわち第1配線端部16aの側を向いている場合、注入路31の開口部31aを第1配線端部16aの側に向けることができ、導電性インク65を溝60にスムースに注入することができる。溝60に注入された導電性インク65は、溝60に露出した第1配線端部16a及び第2配線端部16bに接触する。このことにより、第1配線端部16aと第2配線端部16bとが、導電性インク65を介して電気的に接続される。なお、導電性インク65を溝60に注入する際、溝形成部25の上昇を停止した位置で、導電性インク65が溝60に注入されることが好適である。この場合、導電性インク65を溝60に迅速に注入することができる。溝60に所望の量の導電性インク65が注入された後、開閉弁55が閉じられる。なお、導電性インク65を注入する量は、第1配線端部16aと第2配線端部16bとの電気的接続の信頼性が確保される程度の量であって、断線部15の周囲に大きく漏れ出ない程度の量であればよい。
【0057】
導電性インク65が注入された後、z方向移動機構部38が駆動されて溝形成部25が上昇し、保護膜14から引き離される(
図6(g)参照)。その後、ステージ21に載置されていたタッチパネルセンサ10が、ステージ21から取り外される。取り外されたタッチパネルセンサ10は、オーブンに投入されて加熱され、溝60に注入された導電性インク65を硬化させることが好適である。
【0058】
このようにして、タッチパネルセンサ10の取出配線13の断線を修正することができる。なお、硬化した導電性インク65は、保護膜14から露出されることになるが、
図1に示したように、タッチパネルセンサ10上には、誘電体として機能する保護カバー5が接着される。このことにより、硬化した導電性インク65が、他の絶縁材料等によって覆われない場合であっても、他の部材に接触して短絡することを防止することができる。
【0059】
このように本実施の形態によれば、針状の溝形成部25によって、取出配線13の第1配線端部16aから第2配線端部16bに延びる溝60が保護膜14に形成され、第1配線端部16aの一部及び第2配線端部16bの一部を露出させることができる。このように、針状の溝形成部25を用いて保護膜14に溝60を形成することにより、第1配線端部16a及び第2配線端部16bが損傷することを抑制しつつ、当該第1配線端部16aの一部及び当該第2配線端部16bの一部を露出させることができる。また、針状の溝形成部25を用いることにより、例えばレーザ光などを用いる場合に比べて、簡素化された装置構成及び工程で、保護膜14に溝60を形成することができる。このようにして形成された溝60には、インク注入部30として構成された溝形成部25の注入路31から導電性インク65が供給される。このことにより、第1配線端部16aと第2配線端部16bとを電気的に接続することができる。この結果、信頼性良く、安価にかつ容易に取出配線13の断線の修正を行うことができる。更には、本実施の形態によれば、レーザ光などを用いる場合に比べて、保護膜14への溝60の形成を安全に行うことができる。
【0060】
また、本実施の形態によれば、溝形成部25とインク注入部30は、ステージ21に対して一体に移動するように構成されている。このことにより、溝形成部25によって溝60を形成した後に、インク注入部30の移動量を抑制することができる。このため、保護膜14に溝60を形成した後に、溝60に導電性インク65を迅速に供給することができ、取出配線13の断線を迅速に修正することができる。とりわけ、本実施の形態によれば、溝形成部25の注入路31がインク注入部30として構成されていることから、溝60を形成した後、インク注入部30をステージ21に対して平行に移動させることを不要とすることができる。このため、取出配線13の断線をより一層迅速に修正することができる。
【0061】
また、本実施の形態によれば、注入路31が、溝形成部25の先端部に設けられた傾斜面26において開口している。このことにより、溝形成部25が、溝形成部25の長手方向に沿って延びる注入路31を含むように中空状に形成されている場合であっても、溝形成部25の先端を針状に鋭く尖らせることができ、溝60をスムースに形成することができる。
【0062】
また、本実施の形態によれば、溝形成部25及びインク注入部30は、移動機構部35によってステージ21に対して平行及び垂直に移動することができる。このことにより、溝形成部25及びインク注入部30を、所望の位置にスムースに移動させることができる。とりわけ、本実施の形態によれば、予め第1配線端部16aの位置がアライメントカメラ40によって観察され、観察された第1配線端部16aの位置に基づいて、溝形成部25及びインク注入部30を移動させることができる。このことにより、溝形成部25及びインク注入部30を、所望の位置に精度良く移動させることができる。
【0063】
また、本実施の形態によれば、インクタンク50は、ステージ21に対してインク注入部30と一体に移動自在になっている。このことにより、インク注入部30とインクタンク50との連結構造を簡素化することができるとともに、インクタンク50からインク注入部30に、導電性インク65をスムースに供給することができる。
【0064】
さらに、本実施の形態によれば、導電性インク65を溝60に注入する際、溝形成部25の上昇を停止した位置で、導電性インク65が溝60に注入される。このことにより、溝60を形成した後、インク注入部30をステージ21に対して平行に移動させることを不要とすることができる。このため、取出配線13の断線をより一層迅速に修正することができる。
【0065】
なお、上述した本実施の形態においては、インクタンク50がヘッド22に設けられて、溝形成部25、インクタンク50及びインク注入部30が、ステージ21に対して一体に移動自在になっている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、インクタンク50は、ステージ21に対して可動側となるヘッド22ではなく、ステージ21に対して固定側となる部分に設けられていてもよい。この場合、インク注入部30とインクタンク50とは、柔軟性を有するチューブ(図示せず)などによって連結することが好適である。このことにより、ステージ21に対してインク注入部30が移動する場合であっても、インクタンク50からインク注入部30に導電性インク65を供給し続けることが可能となる。
【0066】
また、溝形成部25とインク注入部30とは、別々に移動自在とすることもできる。この場合においても、溝形成部25によって保護膜14に形成された溝60に、インク注入部30を溝60に位置合わせして導電性インク65を注入することができ、取出配線13の断線を修正することができる。
【0067】
また、上述した本実施の形態においては、直線状に形成された針状の溝形成部25が、溝形成部25の長手方向に沿って延びる導電性インク65の注入路31を含むように中空状に形成され、当該注入路31がインク注入部30を構成している例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、溝形成部25が、直線状の中実状の針であって、インク注入部30が、溝形成部25に近接して設けられるようにしてもよい。この場合においても、保護膜14に溝60を形成した後に、インク注入部30の移動量を抑制することができ、取出配線13の断線を迅速に修正することができる。
【0068】
また、上述した本実施の形態においては、溝形成部25によって溝60を形成する際、まず、溝形成部25を下降し、続いて溝形成部25をステージ21に対して平行に移動し、その後上昇させる例について説明した。しかしながら、このことに限られることはない。すなわち、第1配線端部16aから第2配線端部16bに延びる溝60であって、当該第1配線端部16aの一部及び当該第2配線端部16bの一部を露出させることができる溝60であれば、溝形成部25の移動方法は任意である。例えば、z方向移動機構部38を駆動させるともに、x方向移動機構部36及びy方向移動機構部37の少なくとも一方を駆動させることにより、溝形成部25を移動させて溝60を形成してもよい。
【0069】
また、上述した本実施の形態においては、第2配線端部16bが、センサ電極12の側に配置されて、溝形成部25が第1配線端部16aから第2配線端部16bに向って移動することにより、溝60が形成される例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、溝形成部25を第2配線端部16bから第1配線端部16aに向って移動させることにより、溝60を形成するようにしてもよい。
【0070】
さらに、上述した本実施の形態においては、タッチパネルセンサ10の取出配線13の断線を修正する例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、タッチパネルセンサ10のセンサ電極12、又は他の配線の断線も同様にして修正することができる。
【0071】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明してきたが、本発明によるタッチパネルセンサの断線修正装置及び断線修正方法は、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【実施例】
【0072】
上述した本実施の形態に基づいて、タッチパネルセンサ10の取出配線13の断線の修正を試みた。
【0073】
取出配線13が断線されたタッチパネルセンサ10を準備し、断線修正装置20のステージ21に載置した。なお、取出配線13は、銀合金により形成し、取出配線13の厚みを1μmとした。また、保護膜14は、アクリル樹脂、モノマー(アクリル系)、感光剤及び樹脂溶剤を混合した材料によって形成し、保護膜14の厚みを、2μmとした。
【0074】
断線修正装置20の溝形成部25として、外径が30μmの注射針を準備し、ヘッド22に取り付けた。また、導電性インク65として、80〜85質量%の銀粉と、5質量%のアクリル樹脂(又はポリエステル)と、10質量%以上の有機溶剤と、少量の添加剤とを含有する銀インクを準備し、インクタンク50に貯蔵した。
【0075】
上述した溝形成部25を、本実施の形態と同様の方法で保護膜14に挿入して、ステージ21に対して平行な方向に0.2mm移動させた。このことにより、保護膜14に溝60を形成することができた。この際、第1配線端部16aの一部及び第2配線端部16bの一部が露出していることを確認できた。また、保護膜14に形成された溝60に、上述した導電性インク65を注入し、硬化させた。その後、第1配線端部16aと第2配線端部16bとの間で導通検査を行い、第1配線端部16aと第2配線端部16bとが導通されたことを確認した。このようにして、取出配線13の断線が修正されたことを確認できた。