(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
被検体に対して送信超音波を出力するとともに、被検体からの反射超音波を受信することにより受信信号を取得する超音波探触子を備え、前記超音波探触子によって取得された受信信号に基づいて超音波画像データを生成し、該超音波画像データに基づいて表示部の表示画面上に超音波画像を表示する超音波画像診断装置において、
前記表示部の表示画面に重畳して設けられるタッチパネルと、
被検体の部位を表すボディマークを前記表示部の表示画面上に表示させるとともに、該ボディマークの表示に対応して前記タッチパネルの操作受付領域を設定し、該操作受付領域においてタッチされた位置を検出し、該検出した位置に応じた態様で前記超音波探触子を示すプローブマークが表示されるように前記表示部を制御する表示位置設定を行う制御部と、
を備え、
前記操作受付領域は、前記ボディマークの周囲に表示される角度設定ガイドに重畳して設定される角度設定操作領域を含み、
前記制御部は、前記表示位置設定において、前記角度設定操作領域においてタッチされた位置を検出し、該検出した位置に応じた表示角度で前記プローブマークが表示されるように前記表示部を制御することを特徴とする超音波画像診断装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態に係る医用画像管理システムについて、図面を参照して説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有するものについては、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0018】
医用画像管理システム1000は、
図1に示すように、超音波画像診断装置1と、CR(Computed Radiography)装置2と、電子カルテ端末3と、レセプト端末4と、医用画像管理装置としてのPACS(Picture Archiving and Communication System)端末5と、画像サーバー6と、診療情報サーバー7とを備えて構成されており、各装置は、例えば、LAN(Local Area Network)8によって接続されている。
【0019】
病院内の通信方式としては、一般的に、DICOM(Digital Imaging and COmmunication in Medicine)規格が用いられており、LAN接続された各装置間の通信では、DICOM MWM(DICOM Modality Worklist Management)やDICOM MPPS(DICOM Modality Performed Procedure Step)が用いられる。なお、本実施の形態に適用可能な通信方式はこれに限定されない。
【0020】
例えば、開業医やクリニック等のような小規模医院においては、各装置は、例えば、
図2に示すように配置される。
すなわち、入口10を入ると患者の受け付けを行う受付11と待合室12がある。受付11には窓口担当が配置され、当該窓口担当は、来院した患者に対して、受付順に個々の患者を区別するための受付番号(例えば、本日の受付順の通し番号)が印刷された受付番号札を付与する。また、受付11には、保険点数計算、会計計算等を行うレセプト端末4が設けられており、窓口担当は、例えば、患者の所持する診察カード等を参照して、レセプト端末4に受付番号、患者氏名及び患者ID等を対応付けて入力する。レセプト端末4は、入力した患者氏名や患者IDに対応する患者の詳細な情報が記述された診療録データとしての電子カルテの送信を診療情報サーバー7に要求する。レセプト端末4が診療情報サーバー7から電子カルテを受信した後、窓口担当は、レセプト端末4の表示画面にて電子カルテの内容を確認して、レセプト端末4から電子カルテ端末3への電子カルテの送信を指示する。すると、レセプト端末4は、来院した患者の電子カルテを電子カルテ端末3に送信する。更に、窓口担当は、患者の診療終了後、電子カルテに記述された情報に基づき、レセプト端末4に会計及びレセプト(会計計算や保険点数請求計算)に関する情報の必要事項を入力する作業も行う。窓口担当は、レセプトに関する情報の入力が完了してレセプト端末4の表示画面に表示される診療代金を確認して患者から診療代金を受け取るとともに、診療領収書を発行して付与する。
【0021】
待合室12の隣には、ドア等を隔てて医師が患者の診察、診断等を行う診察室13が設けられている。例えば、診察室13内の診察用のデスク(図示せず)の上には、電子カルテ端末3、PACS端末5が配置されており、診察室13内の所定の位置に画像サーバー6、診療情報サーバー7及び超音波画像診断装置1が配置されている。電子カルテ端末3では、レセプト端末4から電子カルテを受信した順序で複数の診察対象患者が記憶される。これにより、患者は診察待ちの状態となる。この間、患者は、待合室12で待機することとなる。電子カルテ端末3は、医師により診察対象患者の更新操作が行われると、表示画面に次の診察対象患者の電子カルテの内容を表示する。そして、医師は、その診察対象患者を診察室13に入室させて診察を開始する。医師は、診察を行い、診察内容を電子カルテ端末3に入力する。医師は、必要に応じて超音波画像診断装置1を用いて検査を行う。超音波画像診断装置1は、検査を行った結果取得した超音波画像データを画像サーバー6に保存する。画像サーバー6は、画像DB(Data Base)を備えており、超音波画像データ等の画像データを保存する。画像サーバー6に保存された画像データは、PACS端末5によって読み出され、PACS端末5の表示画面にその医用画像が表示される。医師は、PACS端末5の表示画面に表示された医用画像を使用して患者に説明を行うとともに、所見を電子カルテ端末3に入力する。診察が終了して医師により電子カルテ端末3に診察終了指示が入力されると、電子カルテ端末3は、レセプト端末4に電子カルテを送信する。そして、患者は診察室13から退室し、待合室12に戻る。医師は、上述のようにして診察対象患者の更新操作を行い、次の患者を診察室13に入室させ、診察を行う。
【0022】
また、廊下14を隔てて診察室13の向かい側にはX線撮影を行うX線撮影室15が設けられている。X線撮影室15内には、撮影装置21と読取装置22とから構成されるCR装置2が配置されている。X線撮影室15の隣には検査室16が設けられている。
【0023】
次に、本実施の形態に係る超音波画像診断装置1について説明する。
超音波画像診断装置1は、患者(以下、被検体ということがある)の生体内部組織の状態を超音波画像にして表示出力する装置である。すなわち、超音波画像診断装置1は、生体等の被検体内に対して超音波(送信超音波)を送信するとともに、この被検体内で反射した超音波の反射波(反射超音波:エコー)を受信する。超音波画像診断装置1は、受信した反射超音波を電気信号に変換し、これに基づいて超音波画像データを生成する。超音波画像診断装置1は、生成した超音波画像データに基づき、被検体内の内部状態を超音波画像として表示する。また、超音波画像診断装置1は、患者に関する情報である患者情報等に基づいて、生成した超音波画像データに関する付帯情報を生成する。超音波画像診断装置1は、超音波画像データに当該付帯情報を付帯して、DICOM規格に則ったDICOM画像データからなる画像ファイルを生成することができる。
【0024】
超音波画像診断装置1は、
図3に示すように、超音波画像診断装置本体1aと超音波探触子1bとを備えている。超音波探触子1bは、被検体内に対して送信超音波を送信するとともに、被検体内からの反射超音波を受信する。超音波画像診断装置本体1aは、超音波探触子1bとケーブル1cを介して接続され、超音波探触子1bに電気信号の駆動信号を送信することによって超音波探触子1bに被検体内に対して送信超音波を送信させる。また、超音波画像診断装置本体1aは、超音波探触子1bにて受信した被検体内からの反射超音波に応じて超音波探触子1bで生成された電気信号である受信信号を受信し、上述のようにして超音波画像データを生成する。
【0025】
超音波画像診断装置本体1aは、
図4に示すように、例えば、操作入力部101と、送信部102と、受信部103と、画像生成部104と、画像処理部105と、DSC(Digital Scan Converter)106と、操作表示部107と、制御部108と、記憶部109と、通信部110とを備えて構成されている。
【0026】
操作入力部101は、例えば、診断開始を指示するコマンドや被検体の個人情報等のデータの入力などを行うための各種スイッチ、ボタン、トラックボール、マウス、キーボード等を備えており、操作信号を制御部108に出力する。
【0027】
送信部102は、制御部108の制御に従って、超音波探触子1bにケーブル1cを介して電気信号である駆動信号を供給して超音波探触子1bに送信超音波を発生させる回路である。また、送信部102は、例えば、クロック発生回路、遅延回路、パルス発生回路を備えている。クロック発生回路は、駆動信号の送信タイミングや送信周波数を決定するクロック信号を発生させる回路である。遅延回路は、駆動信号の送信タイミングを振動子毎に対応した個別経路毎に遅延時間を設定し、設定された遅延時間だけ駆動信号の送信を遅延させて送信超音波によって構成される送信ビームの集束を行うための回路である。パルス発生回路は、所定の周期で駆動信号としてのパルス信号を発生させるための回路である。上述のように構成された送信部102は、例えば、超音波探触子1bに配列された複数(例えば、192個)の振動子のうちの連続する一部(例えば、64個)を駆動して送信超音波を発生させる。そして、送信部102は、送信超音波を発生させる毎に駆動する振動子を方位方向にずらすことで走査(スキャン)を行う。
【0028】
受信部103は、制御部108の制御に従って、超音波探触子1bからケーブル1cを介して電気信号である受信信号を受信する回路である。受信部103は、例えば、増幅器、A/D変換回路、整相加算回路を備えている。増幅器は、受信信号を、振動子毎に対応した個別経路毎に、予め設定された増幅率で増幅させるための回路である。A/D変換回路は、増幅された受信信号をA/D変換するための回路である。整相加算回路は、A/D変換された受信信号に対して、振動子毎に対応した個別経路毎に遅延時間を与えて時相を整え、これらを加算(整相加算)して音線データを生成するための回路である。
【0029】
画像生成部104は、受信部103からの音線データに対して包絡線検波処理や対数増幅などを実施し、ダイナミックレンジやゲインの調整を行って輝度変換することにより、Bモード画像データを生成する。すなわち、Bモード画像データは、受信信号の強さを輝度によって表したものである。画像生成部104は、Bモード画像データの他、Aモード画像データ、Mモード画像データ及びドプラ法による画像データが生成できるものであってもよい。
【0030】
画像処理部105は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの半導体メモリーによって構成された画像メモリー部105aを備えている。画像処理部105は、画像生成部104から出力されたBモード画像データをフレーム単位で画像メモリー部105aに記憶する。フレーム単位での画像データを超音波画像データ、あるいはフレーム画像データということがある。画像メモリー部105aに記憶されたフレーム画像データは、制御部108の制御に従って、DSC106に送信される。
【0031】
DSC106は、画像処理部105より受信したフレーム画像データをテレビジョン信号の走査方式による画像信号に変換し、操作表示部107に出力する。
【0032】
操作表示部107は、表示部107aと、タッチパネル107bとを備えて構成されている。
表示部107aは、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode-Ray Tube)ディスプレイ、有機EL(Electronic Luminescence)ディスプレイ、無機ELティスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示装置が適用可能である。表示部107aは、DSC106から出力された画像信号に従って表示画面上に画像の表示を行う。
タッチパネル107bは、表示部107aの表示画面上に構成された透明電極を格子状に配置した感圧式(抵抗膜圧式)のタッチパネルであり、画面上を手指で押下された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置信号を操作信号として制御部108に出力する。タッチパネルは感圧式に限定されるものではなく、静電容量方式等、種々の方式の中から適宜選択して使用すればよい。
【0033】
制御部108は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備えて構成され、ROMに記憶されているシステムプログラム等の各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムに従って超音波画像診断装置1の各部の動作を集中制御する。
ROMは、半導体等の不揮発メモリー等により構成され、超音波画像診断装置1に対応するシステムプログラム及び該システムプログラム上で実行可能な、例えば、後述する、画像ファイル生成処理、患者情報入力処理及びボディマーク入力処理等を実行する各種処理プログラムや、ガンマテーブル等の各種データ等を記憶する。これらのプログラムは、コンピューターが読み取り可能なプログラムコードの形態で格納され、CPUは、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
RAMは、CPUにより実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0034】
記憶部109は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の大容量記録媒体によって構成されており、画像処理部105で生成された超音波画像データ等を記憶する。
【0035】
通信部110は、LANアダプターを備え、LAN8等のネットワークNを介して接続された各装置との間でデータの送受信を行う。
【0036】
次に、以上のようにして構成された医用画像管理システム1000における超音波画像診断装置1の制御部108にて実行される画像ファイル生成処理について
図5を参照しながら説明する。この画像ファイル生成処理は、超音波画像診断装置1による1検査の実施に応じて実行される処理である。例えば、画像ファイル生成処理は、医師や技師等の操作者による所定の検査実施操作に応じて実行される。
【0037】
先ず、制御部108は、患者情報入力処理を実行する(ステップS101)。患者情報入力処理では、検査の実施に先立ち、患者の氏名、ID等の情報を登録することができる。ここで登録した情報は超音波画像データに関連付けて保存され、超音波画像データを取得した後において、取得した超音波画像を参照する際に、当該超音波画像がどの患者のものであるかを識別することができるようになる。ここで、患者情報入力処理について、
図6を参照しながら説明する。
【0038】
最初に、制御部108は、表示部107aの表示画面上に表示されたID表示部に対するタッチ操作があったか否かを判定する(ステップS201)。具体的には、患者情報入力処理が実行されると、
図8に示されるような超音波診断画面D1が表示部107aの表示画面上に表示される。超音波診断画面D1には、超音波画像表示領域U1が配置され、その周囲には、フリーズボタンB1、保存ボタンB2、取得画像サムネイルボタンB3、リコールボタンB4、ボディマークボタンB5、計測ボタンB6の各画像が表示されている。各ボタンの機能については後述する。なお、超音波診断画面D1上に配置されるボタンの種類はこれらに限定されない。また、超音波画像表示領域U1の上部には、ID表示部C1が配置されている。各ボタンB1〜B6の画像及びID表示部C1に対するタッチ操作が行われると、タッチパネル107bがこれを検出して制御部108にタッチ位置に応じた操作信号を出力する。制御部108は、このように構成された超音波診断画面D1において、
図8に示すように、ID表示部C1に対するタッチ操作があったか否かを判定する。
【0039】
制御部108は、ID表示部C1に対するタッチ操作があったと判定しないときは(ステップS201:N)、ID表示部C1に対するタッチ操作があったと判定されるまでステップS201の処理を繰り返し実行する。一方、制御部108は、ID表示部C1に対するタッチ操作があったと判定したときは(ステップS201:Y)、表示部107aの表示画面上に、
図9に示すような患者登録画面D2を表示する(ステップ202)。患者登録画面D2には、下部に患者リストL1が配置され、上部にID表示欄C2、患者名表示欄C3、患者情報表示部C4が配置され、患者情報表示部C4の右側に、OKボタンB7、キャンセルボタンB8の各画像が表示されている。患者リストL1には、超音波画像診断装置1による検査が実施された全ての患者がリストアップされている。患者リストL1にリストアップされた患者の情報(患者情報)は、例えば、記憶部109に記憶されている。患者リストL1には、患者毎に、患者ID、氏名、性別、生年月日、年齢とともに、直近に取得された超音波画像のサムネイルが表示される。このサムネイルを表示することにより、その患者が直近の検査でどのような部位の超音波画像診断を実施したのかが一目で認識することができ、医師等の検査者が患者の過去の検査状況を把握することを容易にすることができる。なお、
図9の患者リストL1には、一部の患者のみ表示されているが、例えば、患者リストL1の右側に表示されているスクロールバーをタッチ操作することにより患者リストL1をスクロール表示させることができ、これによって他の患者を表示させることができる。ID表示欄C2には、後述するようにして選択された患者のIDが表示される。患者名表示欄C3には、選択された患者の氏名が表示される。患者情報表示部C4には、選択された患者の生年月日、年齢、性別が表示される。ここで、キャンセルボタンB8へのタッチ操作が検出されると、制御部108は、患者の登録を行わずに患者情報入力処理を終了し、表示部107aの表示画面を患者登録画面D2から
図8に示すような超音波診断画面D1に切り換える。
【0040】
次に、制御部108は、ID表示欄C2に対するタッチ操作があったか否かを判定する(ステップS203)。具体的には、制御部108は、
図9に示すように、患者登録画面D2におけるID表示欄C2に対するタッチ操作があったか否かを判定する。
【0041】
制御部108は、ID表示欄C2に対するタッチ操作があったと判定しないときは(ステップS203:N)、ID表示欄C2に対するタッチ操作があったと判定されるまでステップS203の処理を繰り返し実行する。一方、制御部108は、ID表示欄C2に対するタッチ操作があったと判定したときは(ステップS203:Y)、
図10に示すように、ソフトウェアテンキーN1を患者登録画面D2の中央に重ねて表示させ、このソフトウェアテンキーN1に対するタッチ操作を受け付ける(ステップS204)。ソフトウェアテンキーN1に対するタッチ操作が行われる毎に、タッチ操作が行われたキーの数字と同一の数字がID表示欄C2に順次表示される。このようにして、患者IDの入力を行うことができる。
なお、本実施の形態では、ID表示欄C2に対するタッチ操作があったときにソフトウェアテンキーN1を表示させるようにしたが、超音波診断画面D1から患者登録画面D2に表示が切り換えられたときにソフトウェアテンキーN1を表示させるようにしてもよい。また、設定によりこのような動作を行わせるようにしてもよい。
【0042】
制御部108は、患者IDの入力が完了したか否かを判定する(ステップS205)。すなわち、制御部108は、上述したようにしてソフトウェアテンキーN1による患者IDの入力が行われ、OKボタンn1がタッチ操作されたことを検出することにより、患者IDの入力が完了したと判定する。なお、キャンセルボタンn2に対するタッチ操作が検出された場合には、入力した患者IDが破棄されてソフトウェアテンキーN1の表示が終了する。
【0043】
制御部108は、患者IDの入力が完了したと判定しないときは(ステップS205:N)、患者IDの入力が完了したと判定されるまでステップS205の処理を繰り返し実行する。一方、制御部108は、患者IDの入力が完了したと判定したときは(ステップS205:Y)、入力された患者IDに対応する患者情報を記憶部109から検索する(ステップS206)。
【0044】
制御部108は、入力された患者IDに対応する患者情報を検索した結果、当該患者情報が記憶部109に記憶されているか否かを判定する(ステップS207)。
【0045】
制御部108は、入力された患者IDに対応する患者情報が記憶されていると判定したときは(ステップS207:Y)、当該患者情報を記憶部109から読み出し、患者情報の設定を行い(ステップS208)、この処理を終了する。より具体的には、制御部108は、例えば、
図11に示すような態様で患者情報の表示を行う。すなわち、制御部108は、患者登録画面D2の患者リストL1に、入力された患者IDに対応する患者情報のみを表示し、ID表示欄C2に、入力された患者IDを表示し、患者名表示欄C3に、入力された患者IDに対応する患者氏名を表示し、患者情報表示部C4に、入力された患者IDに対応する患者の生年月日、年齢及び性別を表示する。制御部108は、上述のようにして患者情報が読み出された後、OKボタンB7がタッチ操作されると
図8に示される超音波診断画面D1に表示を切り換える。このとき、ID表示部C1には、入力された患者IDが表示される。一方、制御部108は、入力された患者IDに対応する患者情報が記憶されていると判定しないときは、所定のエラー表示を行った後(ステップS209)、ステップS204の処理を実行する。
【0046】
なお、本実施の形態において、例えば、
図11に示すように、患者リストL1に表示された患者情報の下部に表示された拡張ボタンB9がタッチ操作されたとき、
図12に示すように、当該患者について過去に超音波画像診断装置1による検査が行われた日付がリスト表示される。リスト表示された日付から何れかがタッチ操作されると、当該日付において保存された超音波画像データに基づくサムネイルがサムネイル表示領域SL1に一覧表示される。これにより、過去の検査において、どのような超音波画像診断を実施したのかが、患者登録画面D2における患者情報の登録において容易に把握できるようになる。
【0047】
また、本実施の形態において、患者IDが入力されたときに、LAN8を介して超音波画像診断装置1と接続された電子カルテ端末3や診療情報サーバー7に対して患者情報の検索の指示を行い、当該患者情報が電子カルテ端末3や診療情報サーバー7に保持されている場合には、その患者情報を超音波画像診断装置1に送信するようにして患者情報を取得するようにしてもよい。
【0048】
また、本実施の形態において、電子カルテ端末3等の表示画面上に表示された電子カルテのハードコピーを取得して、そのハードコピーの内容を、例えば、OCR(Optical Character Reader)等の機能によって解析して患者情報を抽出するようにしてもよい。例えば、開業医の場合は、医師が診察中に超音波画像診断装置による検査を実施することから、電子カルテ端末3で表示されている患者情報が検査対象患者となることが多い。したがって、電子カルテ端末3で表示されている患者の情報を超音波画像診断装置1での患者情報登録時に読み込むことにより、患者情報登録時の操作性を向上させることができる。
【0049】
制御部108は、患者情報入力処理を終了すると、
図5に示すように、スキャン動作を開始する(ステップS102)。すなわち、制御部108は、送信部102及び受信部103によって超音波の送受信を行い、画像生成部104及び画像処理部105によって超音波画像データを生成する。そして、制御部108は、生成された超音波画像データを1フレーム毎に画像メモリー部105aに記憶する。ここで、Bモード、カラードプラモード、パルスドプラモード、Mモード等の超音波診断モードの設定や、1画面中に1つの超音波画像を表示するシングルモードや2つの超音波画像を表示するデュアルモード等の超音波画像表示フォーマットの設定を行うようにしてもよい。そして、制御部108は、画像メモリー部105aに記憶された超音波画像データに基づいて、例えば、
図13に示すような超音波画像UDが超音波画像表示領域U1に表示された超音波診断画面D1を表示部107aの表示画面上に表示する。制御部108は、以上の動作を、以降の処理においても並行して繰り返し実行する。
【0050】
次に、制御部108は、操作入力部101や操作表示部107によって上述した各種パラメーターの設定の変更操作が行われたか否かを判定する(ステップS103)。
【0051】
制御部108は、パラメーターの設定変更操作が行われたと判定したときは(ステップS103:Y)、操作入力部101や操作表示部107の入力に応じたパラメーターの設定変更を実施した後(ステップS104)、ステップS103の処理を実行する。パラメーターは、例えば、表示深度やゲイン等である。制御部108は、設定変更後のパラメーターを、例えば、RAMに記憶する。
【0052】
また、制御部108は、ステップS103において、パラメーターの設定変更操作が行われたと判定しないときは(ステップS103:N)、スキャン動作を終了させるか否かを判定する(ステップS105)。すなわち、制御部108は、1検査を終了するための操作入力部101による終了操作を受け付けたか否かを判定する。なお、終了操作を受け付けたか否かについては、所定の検査終了操作の他、他の患者情報が設定されたときであってもよい。
【0053】
制御部108は、スキャン動作を終了すると判定しないときは(ステップS105:N)、操作入力部101や操作表示部107によるフリーズ操作があったか否かを判定する(ステップS106)。すなわち、制御部108は、表示部107aに動画表示されている超音波画像を静止画像に切り替えるための操作が行われたか否かを判定する。フリーズ操作は、例えば、
図13に示すように、超音波画像が動画表示されているときにおいてフリーズボタンB1をタッチ操作することにより行うことができる。
【0054】
制御部108は、フリーズ操作があったと判定しないときは(ステップS106:N)、ステップS103の処理を実行する。一方、制御部108は、フリーズ操作があったと判定したときは(ステップS106:Y)、フリーズ操作を受け付けたときにおいて表示部107aに表示されている超音波画像を固定表示する画像フリーズ制御を行う(ステップS107)。なお、本実施の形態では、画像フリーズ制御においてスキャン動作を停止するようにしたが、表示画面上における超音波画像を固定表示する一方で、スキャン動作を並行して実施するようにしてもよい。
【0055】
次に、制御部108は、ボディマーク入力処理を実行する(ステップS108)。ここで、ボディマークとは、超音波画像を見たときに被検体の検査部位を後から視覚的に認識できるようにするために、超音波画像に重畳して付帯させる簡易の識別マークである。ここで、ボディマーク入力処理について、
図7を参照しながら説明する。
【0056】
まず、制御部108は、後述するようにして設定されて超音波画像UDに重畳して表示されたボディマークに対するタッチ操作があったか否かを判定する(ステップS301)。制御部108は、ボディマークに対するタッチ操作があったと判定しないときは(ステップS301:N)、ボディマーク入力モードに移行したか否かを判定する(ステップS302)。具体的には、制御部108は、
図14に示すように、ボディマークボタンB5に対するタッチ操作を検出することにより、ボディマーク入力モードへの移行を判定することができる。
【0057】
制御部108は、ボディマーク入力モードに移行したと判定したときは(ステップS302:Y)、
図15に示すように、超音波画像表示領域U1の左側にボディマークリストBLを表示する(ステップS303)。ボディマークリストBLには、ボディマークを簡略に表したアイコンが複数表示される。なお、ボディマークの種類は適宜設定することができ、また、1種類であってもよい。一方、制御部108は、ボディマーク入力モードに移行したと判定しないときは(ステップS302:N)、この処理を終了する。
【0058】
続いて、制御部108は、ボディマークが選択されたか否かを判定する(ステップS304)。具体的には、制御部108は、
図15に示すように、ボディマークリストBLに表示された複数のアイコンから何れかがタッチ操作されることにより、ボディマークの選択を判定することができる。
【0059】
制御部108は、ボディマークが選択されたと判定しないときは(ステップS304:N)、ボディマークが選択されたと判定されるまでステップS304の処理を実行する。一方、制御部108は、ボディマークが選択されたと判定したときは(ステップS304:Y)、
図16に示すように、選択されたボディマークに対応するボディマーク入力画像BIをプローブマークPM、角度設定ガイドRS及びセットボタンSTとともに、超音波画像UDに重畳して表示する(ステップS305)。
【0060】
制御部108は、ステップS306において、ボディマーク入力画像BIが表示された領域を有効操作領域として設定し、角度設定ガイドRSが表示された領域を角度設定操作領域として設定する。有効操作領域と角度設定操作領域は、操作受付領域の一例である。また、併せて、セットボタンSTが表示された領域を設定操作領域として設定する(ステップS306)。これにより、制御部108は、ボディマーク入力画像BI、角度設定ガイドRS及びセットボタンSTに対するタッチ操作を受け付けることができる。
【0061】
制御部108は、有効操作領域に対するタッチ操作があったか否かを判定する(ステップS307)。制御部108は、有効操作領域に対するタッチ操作があったと判定したときは(ステップS307:Y)、タッチ操作された位置にプローブマークPMを表示する(ステップS308)。具体的には、制御部108は、
図16に示すように、ボディマーク入力画像BIが表示された領域のうち任意の位置がタッチ操作されると、
図17に示すように、プローブマークPMの表示がタッチ操作のあった位置に変更されるように制御する。これにより、プローブマークPMの表示位置をワンタッチで任意の位置に設定することができ、また、直感的である。一方、制御部108は、有効操作領域に対するタッチ操作があったと判定しないときは(ステップS307:N)、ステップS308の処理を実行することなく、ステップS309の処理を実行する。
【0062】
制御部108は、角度設定操作領域に対するタッチ操作があったか否かを判定する(ステップS309)。制御部108は、角度設定操作領域に対するタッチ操作があったと判定したときは(ステップS309:Y)、タッチ操作された位置に応じた角度でプローブマークPMを表示する(ステップS310)。具体的には、制御部108は、
図17に示すように、角度設定ガイドRSが表示された領域のうちの任意の位置がタッチ操作されると、
図18に示すように、タッチ操作された位置に応じた角度でプローブマークPMが表示されるように制御する。これにより、プローブマークPMの表示角度をワンタッチで任意に設定することができ、また、直感的である。本実施の形態では、角度設定ガイドRSは、ボディマーク入力画像BIの周囲を囲む円形の画像によって構成されており、操作する手の移動距離を大きくしないでボディマーク入力画像BIに対するタッチ操作とともにプローブマークPMの角度設定を行うことができる。一方、制御部108は、角度設定操作領域に対するタッチ操作があったと判定しないときは(ステップS309:N)、ステップS310の処理を実行することなく、ステップS311の処理を実行する。
【0063】
制御部108は、セットボタンST(設定操作領域)に対するタッチ操作があったか否かを判定する(ステップS311)。制御部108は、セットボタンSTに対するタッチ操作があったと判定しないときは(ステップS311:N)、最後にタッチ操作を行ってから所定時間タッチ操作がなかったか否かを判定する(ステップS312)。本実施の形態では、制御部108は、タッチ操作が行われる毎にタッチ操作が行われてからの経過時間を計測しており、その経過時間が所定時間(例えば、30秒)となったか否かの判定を行う。
【0064】
制御部108は、ステップS311において、セットボタンSTに対するタッチ操作があったと判定したとき、すなわち、
図18に示すようにしてセットボタンSTに対するタッチ操作が行われてこれを検出したとき(ステップS311:Y)、及び、ステップS312において、最後にタッチ操作を行ってから所定時間タッチ操作がなかったと判定したときは(ステップS312:Y)、ボディマーク画像データを生成して超音波画像データと合成する処理を行うことによりボディマークの設定を行った後(ステップS313)、この処理を終了する。具体的には、制御部108は、まず、プローブマークPMが重畳された状態のボディマーク入力画像BIの画像データを縮小処理することによりボディマーク画像データを生成する。制御部108は、このボディマーク画像データが超音波画像データに重畳されるように合成処理する。制御部108は、このようにして合成された超音波画像データに基づき、
図19に示すようにして、ボディマークBMが重畳された超音波画像UDを超音波画像表示領域U1に表示する。このとき、ボディマークBMが表示された領域を再設定領域として設定し、この再設定領域に対してのタッチ操作を受け付ける。本実施の形態では、セットボタンSTは、ボディマーク入力画像BIの下方に隣接して配置されているので、プローブマークPMの表示位置の設定の際に、手の移動距離を大きくしないで操作することができる。また、本実施の形態では、所定時間タッチ操作がない場合にボディマークの設定を行うようにしたので、操作手数を減らすことができ、操作性を向上させることが可能である。
【0065】
一方、制御部108は、ステップS312において、最後にタッチ操作を行ってから所定時間タッチ操作がなかったと判定しないときは(ステップS312:N)、ステップS307の処理を実行する。
【0066】
また、制御部108は、ステップS301において、ボディマークに対するタッチ操作があったと判定したときは(ステップS301:Y)、ステップS302〜S304の処理を行うことなく、ステップS305以降の処理を実行する。具体的には、例えば、
図19に示すように、ボディマークBM(再設定領域)に対するタッチ操作が行われると、
図20に示すように、当該ボディマークBMに対応する種類のボディマーク入力画像BIが超音波画像UDに重畳して表示される。このとき、プローブマークPMは、上述のようにして設定された位置及び角度で表示される。この状態で、ボディマーク入力画像BIの任意の位置に対するタッチ操作が行われると、
図21に示すように、プローブマークPMの表示がタッチ操作のあった位置に変更される。角度設定ガイドRSに対してタッチ操作が行われた場合にも、上述した要領にてタッチ操作された位置に応じた角度でのプローブマークPMの表示が行われる。このようにしてプローブマークPMの位置を変更した後、
図21に示すようにセットボタンSTに対するタッチ操作が行われると、
図22に示すように、プローブマークPMの位置が変更された態様でボディマークBMが表示される。本実施の形態では、上述したように構成されているので、プローブマークPMの再設定を容易に行うことができる。すなわち、プローブマークPMの再設定を行う際に、ボディマークリストBLから再度所望のボディマークを探す手間を省略することができるので、操作性が向上する。また、ボディマークBMの表示位置とボディマーク入力画像BIの表示位置を近接させると、ボディマーク入力モードへの移行、プローブマークPMの表示位置の設定等の操作範囲が集約されるので、操作する手の動きを小さくすることができ、操作性が向上する。
【0067】
制御部108は、ボディマーク入力処理を終了すると、
図5に示すように、画像保存操作があったか否かを判定する(ステップS109)。具体的には、制御部108は、超音波診断画面D1に表示された保存ボタンB2に対するタッチ操作が行われたか否かを判断することにより画像保存操作があったか否かの判定を行う。
【0068】
制御部108は、画像保存操作があったと判定したときは(ステップS109:Y)、上述したようにしてボディマーク画像データが合成された超音波画像データに基づいて、画像ファイルを作成する(ステップS110)。すなわち、制御部108は、まず、画像メモリー部105aから、合成後の超音波画像データを読み出す。制御部108は、読み出した超音波画像データを保存用の画像データに変換する。変換後の画像データは、例えば、ビットマップイメージである。なお、変換後の画像データは、JPEG(Joint Photographic Experts Group format)等の圧縮方式によって圧縮されたものとしてもよい。なお、ボディマークが設定されていない場合には、ボディマーク画像データの合成されていない超音波画像データに基づいて画像ファイルが作成される。次に、制御部108は、上述のようにして変換された画像データに付帯情報を付加し、DICOM画像データからなる画像ファイルを生成する。
【0069】
制御部108は、以上のようにして作成された画像ファイルを記憶部109に保存する(ステップS111)。
【0070】
一方、制御部108は、ステップS109において、画像保存操作があったと判定しないときは(ステップS109:N)、ステップS110及びステップS111の処理を実行することなくステップS112の処理を実行する。
【0071】
そして、制御部108は、フリーズ解除操作があったか否かを判定する(ステップS112)。具体的には、制御部108は、フリーズ制御中において、超音波診断画面D1に表示されたフリーズボタンB1に対するタッチ操作が行われたか否かを判断することによりフリーズ解除操作があったか否かの判定を行う。
【0072】
制御部108は、フリーズ解除操作があったと判定したときは(ステップS112:Y)、表示部107aにおける超音波画像の表示を、固定表示から動画表示に切り替えるフリーズ解除制御を行い(ステップS113)、ステップS102の処理を実行する。一方、制御部108は、フリーズ解除操作があったと判定しないときは(ステップS112:N)、ステップS108の処理を実行する。
【0073】
制御部108は、以上のようにして画像ファイルが生成された後、ステップS105において、スキャン動作を終了すると判定すると(ステップS105:Y)、この処理を終了する。
【0074】
従来の超音波画像診断装置では、操作入力部上に配置されたトラックボール等の操作によりプローブマークの位置を設定し、ダイヤルスイッチ等の回転操作によりプローブマークの角度を設定し、セットスイッチの押下によりプローブマークの位置を確定するといったように、スイッチ類が配置される位置によってはプローブマークの設定時における手の移動距離が大きくなる場合があった。これに対し、本実施の形態では、上述したように、これらの機能をタッチパネル107bにより実現するようにしたので、ボディマーク入力画像BI、角度設定ガイドRS及びセットボタンSTを容易に集約して配置することができる。これにより、プローブマークの設定時における手の移動距離を小さくすることができ、操作性を向上させることができる。
【0075】
また、本実施の形態では、プローブマークPMの位置の設定を行うときに表示されるボディマーク入力画像BIをボディマークBMの画像よりも大きい画像としているので、プローブマークPMの位置の設定に際し、操作が容易となる。
【0076】
本実施の形態では、例えば、
図13に示される超音波診断画面D1において、リコールボタンB4に対するタッチ操作が行われると、
図23に示されるように、超音波画像表示領域U1が左右2つに分割し、現在検査画像表示領域U11と過去保存画像表示領域U12とが配置される。現在検査画像表示領域U11には、現在取得した超音波画像UDaが表示される。過去保存画像表示領域U12の左側には、当該患者について過去に超音波画像診断装置1による検査が行われた日付のリストDLが表示される。この日付のリストDLに表示された日付の何れかに対するタッチ操作が行われると、その日付において保存された超音波画像データに基づくサムネイルがサムネイル表示領域SL2に一覧表示される。サムネイル表示領域SL2に表示されたサムネイルの何れかに対するタッチ操作が行われると、当該サムネイルに対応する超音波画像データが記憶部109から読み出されて、過去保存画像表示領域U12に、読み出された超音波画像データに基づく超音波画像UDbが表示される。すなわち、現在取得した超音波画像UDaと過去に取得された超音波画像UDbとが左右に並べて表示される。ここで、リコール終了ボタンB10がタッチ操作されると、超音波画像表示領域の左右分割表示が終了する。なお、過去に保存した超音波画像データが動画像データである場合には、当該動画像データに基づいて過去保存画像表示領域U12に動画像としての超音波画像UDbを表示させることができる。本実施の形態によれば、例えば、検査を実施しているときに、過去の検査における超音波画像を容易に参照することができる。
【0077】
また、本実施の形態では、例えば、検査の終了後において、取得画像サムネイルボタンB3に対するタッチ操作が行われると、
図24に示されるように、保存した当該検査を行った患者についての超音波画像データに基づくサムネイルがサムネイルリストSL3に一覧表示される。これにより、例えば、取得漏れしている検査部位の有無の確認等を行うことができる。ここで、このサムネイルリストSL3に表示されている超音波画像で不要なものがある場合には、削除を所望するサムネイルに対するタッチ操作を行った後、削除ボタンB11に対するタッチ操作を行うことにより実現することができる。また、サムネイルリストSL3に表示されている超音波画像の何れかに対するタッチ操作を行った後、OKボタンB12に対してタッチ操作を行うと、当該タッチ操作を行うことにより選択された超音波画像を超音波画像表示領域U1に表示させることができる。
【0078】
また、本実施の形態では、計測ボタンB6に対するタッチ操作を行うことにより、超音波画像に表示された被検体の計測を行うことができる。
【0079】
以上説明したように、本実施の形態によれば、タッチパネル107bは、表示部107aの表示画面に重畳して設けられる。制御部108は、被検体の部位を表すボディマークを表示部107aの表示画面上に表示させるとともに、該ボディマークの表示に対応してタッチパネル107bの操作受付領域を設定し、この操作受付領域においてタッチされた位置を検出し、この検出した位置に応じた態様で超音波探触子1bを示すプローブマークが表示されるように表示部107aを制御する表示位置設定を行う。その結果、表示するプローブマークの位置の設定をワンタッチで行うことができ、したがって、直感的に、容易に設定することができ、ボディマークの入力にあたり、操作性を向上させることができる。また、タッチパネルにより実現することができるので、スイッチ類が不要となり、装置の小型化が可能になる。
【0080】
また、本実施の形態によれば、制御部108は、表示位置設定において、有効操作領域においてタッチを検出した位置にプローブマークが表示されるように表示部107aを制御する。その結果、プローブマークの表示する位置の設定をワンタッチで行うことができ、したがって、直感的に、容易にプローブマークの表示位置の設定を行うことができる。
【0081】
また、本実施の形態によれば、制御部108は、表示位置設定において、角度設定操作領域においてタッチされた位置を検出し、この検出した位置に応じた表示角度でプローブマークが表示されるように表示部107aを制御する。その結果、プローブマークの表示角度の設定をワンタッチで行うことができ、したがって、直感的に、容易にプローブマークの表示角度の設定を行うことができる。
【0082】
また、本実施の形態によれば、制御部108は、ボディマークの近傍に表示される設定ボタンに重畳して設定される設定操作領域へのタッチを検出したときに表示位置設定を完了させる制御を行う。その結果、ボディマークへの入力操作と表示位置設定の完了操作とを集約させることができるので、ボディマークへの入力操作において手を動かす距離を小さくすることができ、操作性を向上させることができる。
【0083】
また、本実施の形態によれば、制御部108は、表示位置設定において表示するボディマークの大きさが、表示位置設定が完了したときに超音波画像とともに表示されるボディマークの大きさよりも大きくなるように表示部107aを制御する。その結果、プローブマークの位置設定をするにあたって操作が容易となる。
【0084】
また、本実施の形態によれば、制御部108は、表示位置設定において、タッチパネル107bへの所定時間のタッチ操作がないときに、当該表示位置設定を完了させる制御を行う。その結果、プローブマークの位置設定を完了させるための操作手数を減らすことができる。
【0085】
また、本実施の形態によれば、制御部108は、表示位置設定が完了したときに超音波画像とともに表示されるボディマークに重畳してタッチパネル107bの再設定領域を設定し、この再設定領域へのタッチを検出したときに表示位置設定を実行する。その結果、プローブマークの表示位置の再設定の操作を直感的に容易に行うことができる。
【0086】
なお、本発明の実施の形態における記述は、本発明に係る医用画像管理システム及び超音波画像診断装置の一例であり、これに限定されるものではない。医用画像管理システム及び超音波画像診断装置を構成する各機能部の細部構成及び細部動作に関しても適宜変更可能である。
【0087】
また、本実施の形態において、必要に応じて操作入力部101等によるテキスト情報の入力を受け付け、その入力に基づくテキスト画像データと超音波画像データとを合成し、超音波画像とともにテキスト情報を表示させるようにしてもよい。
【0088】
また、本実施の形態では、静止画による超音波画像の画像データに基づいて画像ファイルを生成し、これを保存するようにしたが、動画像による超音波画像の画像データを取得し、これに基づいて画像ファイルを生成して保存するようにしてもよい。
【0089】
また、本実施の形態では、有効操作領域や角度設定操作領域に対するタッチ操作により、プローブマークPMの表示位置や角度を設定するようにしたが、例えば、ドラッグ操作によりプローブマークPMの表示位置や角度を設定するようにしてもよい。
【0090】
また、本実施の形態では、セットボタンSTをタッチパネル107bにより実現したが、操作入力部101に設けられてもよく、また、操作入力部101とタッチパネル107bの何れにも設けられる形態であってもよい。
【0091】
また、本実施の形態において、プローブマークPMの表示位置の設定が完了したときに表示されるボディマークBMの大きさと、ボディマーク入力モードに移行したときに表示されるボディマーク入力画像BIの大きさとが同じであってもよい。
【0092】
また、本実施の形態では、本発明に係るプログラムのコンピューター読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリー等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も適用される。
【0093】
また、本実施の形態では、上述したように、1つの診察室に超音波画像診断装置1が1つ配置され、この超音波画像診断装置1が医用画像管理システム1000のネットワーク上に接続されている形態としたが、例えば、
図25に示すように、2つの診察室(第1診察室13A、第2診察室13B)にそれぞれ超音波画像診断装置が設けられ、医用画像管理システムのネットワークから独立した形態とされる場合がある。産婦人科等の小規模医院では、診察毎に超音波画像診断装置がほぼ使用されることから、このような形態になっていることがある。
【0094】
より具体的には、例えば、廊下14を隔てて待合室12の向かい側には、第1診察室13Aと第2診察室13Bとがある。第1診察室13Aには超音波画像診断装置1Aが設けられ、第2診察室13Bには超音波画像診断装置1Bが設けられている。この場合、各超音波画像診断装置1A,1Bで取得した超音波画像データはそれぞれの超音波画像診断装置1A,1Bでのみ保持されることとなる。
【0095】
このような形態では、例えば、ある患者が前回の診察時では、第1診察室13Aにて超音波画像診断装置1Aを使用した検査が実施され、今回の診察では、第2診察室13Bにて超音波画像診断装置1Bを使用した検査が実施されることがある。このような場合、2つの超音波画像診断装置1A,1Bは、医用画像管理システムのネットワークから独立しているので、本来であれば、超音波画像診断装置1A,1Bにおいてそれぞれ取得した患者情報及び超音波画像データの範囲内でしか参照することができない。例えば、超音波画像診断装置1Bは、超音波画像診断装置1Aが保持する患者情報及び超音波画像データを参照することができない。
【0096】
そこで、
図25に示す例では、2つの超音波画像診断装置1A,1BをローカルネットワークLNによって接続する。そして、例えば、過去に第1診察室13Aに設けられた超音波画像診断装置1Aで検査を行った患者が第2診察室13Bに設けられた超音波画像診断装置1Bで検査を行う場合、超音波画像診断装置1Bの表示部107aの表示画面上に患者登録画面D2が表示され、上述したようにして患者IDが入力されると、この患者IDを検索キーとして、記憶部109から当該患者IDに対応する患者情報を検索する。また、超音波画像診断装置1Bは、ローカルネットワークLNによって接続された超音波画像診断装置1Aに当該患者の患者IDを送信し、患者情報の送信を要求する。送信要求を受けた超音波画像診断装置1Aは、送信された患者IDを検索キーとして、記憶部109から当該患者IDに対応する患者情報を検索する。そして、超音波画像診断装置1Aは、検索した結果、過去に取得した患者情報及び超音波画像データを保持している場合には、これらを超音波画像診断装置1Bに送信する。これにより、第2診察室13Bに設けられた超音波画像診断装置1Bにおいて、2つの超音波画像診断装置1A,1Bに対する患者情報の検索を実施することができる。したがって、上述した構成によれば、2つの超音波画像診断装置1A,1Bの何れで検査を行っても、2つの超音波画像診断装置1A,1Bの両方において患者情報の検索を行うことができるので、利便性が向上する。
【0097】
上述では、2つの超音波画像診断装置をローカルネットワークによって接続した例を説明したが、3つ以上の超音波画像診断装置によっても同様にして実現することができる。
【0098】
上述した構成によれば、各超音波画像診断装置は、ローカルネットワーク内においてのみ通信できれば十分であるので、例えば、DICOM等の通信規格に準拠させる必要はなく、また、PACS等の外部DBを設ける必要もないので、安価に実現することができる。