(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、使用者から前記通常制御から前記省エネ制御に変更する旨を許可する回答情報が所定の時間が経過しても無い場合、省エネ制御に変更することを特徴とする請求項5に記載の電気炊飯器。
前記情報送信部及び前記情報受信部は、家庭等におけるエネルギー管理を支援するシステムである電力使用状況測定手段と接続しており、前記回答情報及び前記確認処理は、前記電力使用状況測定手段を介して行うことを特徴とする請求項6又は7に記載の電気炊飯器。
前記情報受信部は、家庭等におけるエネルギー管理を支援するシステムである電力使用状況測定手段と接続しており、該電力使用状況測定手段から使用環境の電力状況の情報を受信していることを特徴とする請求項5に記載の電気炊飯器。
前記制御部は、前記電力使用状況測定手段と接続する他の機器より、動作の優先順位が高い場合、前記情報送信部から前記電力使用状況測定手段に向けて、電力を低下させない旨の情報を送信して、通常制御を行うことを特徴とする請求項10に記載の電気炊飯器。
前記制御部は、前記電力使用状況測定手段と接続する他の機器より、動作の優先順位が低い場合、前記情報送信部から前記電力使用状況測定手段に向けて、電力を低下させる旨の情報を送信して、省エネ制御を行うことを特徴とする請求項10に記載の電気炊飯器。
前記制御部は、予約時間に至るまでの間に、使用環境の電力の状況が逼迫した状態のとなったときは、前記電力使用状況測定手段に接続されている他の機器の運転予約状況を取得して、予約時間の変更を行うことを特徴とする請求項13に記載の電気炊飯器。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の各実施の形態について図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1を参照すると、電気炊飯器A(以下、炊飯器A)は、上面が開口されたほぼ有底筒状の本体1と、この本体1の後部側(図の右側)に設けられたヒンジ31を軸に、本体1の上面開口部を開閉自在に覆う蓋体30から構成されている。
【0011】
炊飯器本体1(以下、本体1)の内側上部には、筒状の内鍋支持ケース2が設置されている。そして、内鍋支持ケース2の下部には、中央部に開口部3aを有するほぼ深皿状のコイル台3が配設されて、内鍋支持ケース2の内方に内鍋収容部5が形成されている。
コイル台3の底部の下面とコーナ部の外面には、加熱手段である誘導加熱コイル6が設けられている。この誘導加熱コイル6は、後述する内鍋40を誘導加熱するものである。
【0012】
次に、内鍋40は、ステンレスや鉄などの磁性材料からなる有底筒状の鍋で、米43や水44などの調理物42を入れて、本体1の内鍋収容部5に出し入れ自在に収容される。
また、内鍋40は、本体1に収容された状態において、誘導加熱コイル6と対向し、上端部外周に設けたフランジ41が内鍋支持ケース2の上端部に支持され、その底部及び周壁が内鍋収容部5の内壁との間に若干のすき間を介して保持される。
【0013】
次に、本体1内の前面側には、前面パネル15が設けられている。この前面パネル15の背面側には、マイクロコンピュータ等が搭載された回路基板が配置されて、誘導加熱コイル6に交番磁界を発生させる電流などを制御や電気部品の制御を行う制御部16が位置している。
この制御部16は、内鍋収容部5の外壁に取付けられている。また、制御部16は、送風機17により冷却される。
【0014】
この制御部16は、時間計測手段16a、操作部、温度検知手段16bからの出力などの各種情報に基づき、所定の制御アルゴリズムで加熱コイル6への高周波電流の通電や、側面加熱手段、蓋ヒーターへの通電を制御するほか、炊飯器Aの動作全般を制御する。
尚、制御部16は、その機能を実現する回路デバイスのようなハードウェアで構成してもよく、また、マイコンやCPUのような演算装置と、その上で実行されるソフトウェアとにより構成してもよい。
【0015】
次に、
図2を参照すると、制御部16には、情報受信部18a、情報送信部18bが接続されている。
この情報受信部18aは、炊飯器外部(後述する電力使用状況測定手段50など)から使用環境の電力状況に関する情報を取得し、制御部16へと送る。尚、この情報受信部は他の場所に設置してもよい。
【0016】
また、この情報送信部18bは、炊飯器Aが接続する外部のシステム(後述する電力使用状況測定手段50など)に対して、炊飯器Aの運転状況や使用電力、その他、各種炊飯器の制御に関する情報を送信するものである。
【0017】
次に、
図3に示すように、操作部20は、本体1の前面側上部に設けられ、炊飯スタートキー21、切・保温キー22、予約タイマーキー23、メニューキー24などが設けられており、中央部には例えば液晶からなり、現在時刻や炊飯工程終了までの残時間等が数字表示される報知手段である表示部25が設けられている。尚、操作部20は蓋体30に納めても良い。
【0018】
以上のように構成された炊飯器Aは、制御部16により加熱手段の出力を制御することで、
図4に示す各工程を経て一連の炊飯制御を完了する。尚、
図4は、横軸が炊飯開始からの経過時間t、縦軸が調理物の温度Tである。
図4を参照すると、まず、炊飯が開始されると、所定時間の間、加熱手段により水温を米が水分を吸水するのに適した温度に保つことで、吸水工程が行われる。吸水工程の時間は、調理物の量や水温により異なる。
【0019】
次に、吸水工程が終了すると、加熱手段の出力を上げて内鍋を加熱して、調理物の温度を速やかに沸騰温度まで昇温する昇温工程が行われる。
次に、昇温工程が終了すると、調理物を沸騰状態に保ち米を炊き上げる炊き上げ工程が行われる。この昇温工程から炊き上げ工程に至る間、加熱手段の出力が高い状態となる。
次に、炊き上げ工程において、内鍋内部の温度が沸騰温度を超えたのを契機に炊き上げ工程を終了し、所定時間の間、炊き上がった調理物を蒸らす蒸らし工程へと進む。
そして、蒸らし工程が終了すると、調理物を一定の温度に保つ保温が設定されている場合、保温工程へと進む。
【0020】
次に、以上のように構成した本実施の形態に係る炊飯器の動作について説明する。
まず、内鍋40に米43と水44からなる所定量の調理物42を入れ、内鍋収容部5に収容して蓋体30を閉じる。このとき、表示部25には通常現在時刻が表示されている。
【0021】
次に、
図3において、操作部20のメニューキー24を操作し、メニューを省エネモードに選択すると、表示部25は「エコ炊飯」を表示する。また、
図2において、情報受信部18bは電力使用状況測定手段50から受信している現在の家庭内の電力使用情報を制御部16に伝える。
【0022】
ここで、エコ炊飯とは、通常の炊飯モードで実行する炊飯制御で炊飯したご飯と比べると、炊き上がりの米の状態・味は劣るが、加熱手段の出力をある程度下げることで、消費電力を抑えて炊飯を行うことができる省エネ制御を行う省エネモードである。
また、電力使用状況測定手段50とは、家庭等におけるエネルギー管理を支援するシステムであり、住宅内のエネルギー消費機器(テレビ、エアコン、PC、IHクッキングヒーター等)や発電機器(太陽光発電システム等)やインターネット等とネットワークで接続し、電力の使用状況やエネルギー消費状況の監視、家庭内で用いられている機器の遠隔操作や自動制御などを行うものである(例えば、HEMS(Home Energy Management System))。
尚、本実施の形態において、炊飯器Aは、制御部16に接続する情報受信部18a、情報送信部18bを介して、電力使用状況測定手段50に通信可能な状態で接続される。
【0023】
(エコ炊飯が設定されている場合)
ここで、エコ炊飯(省エネモード)が設定されている場合の炊飯開始から炊飯制御に移行する制御フローを説明する。
図5に示すフロー図を参照すると、エコ炊飯に設定された状態で操作部20の炊飯スタートキー21を操作して炊飯を開始すると、制御部16は、ステップS61で、設定されている炊飯モードが省エネモードか否かを判断する。ここでは、省エネモードが選択されているので、ステップS62に移行する。
【0024】
次に、ステップS62において、制御部20は、情報受信部18aを介して電力使用状況測定手段50から得た炊飯器の使用環境の電力状況が逼迫した状態である場合、ステップS63へ進み、予熱時間(吸水時間)を短縮したり、加熱制御で火力(出力)を弱めたりする、より消費電力が少ない「強省エネ炊飯制御」で炊飯制御を開始して、ステップS67に進みフローを終える。
【0025】
また、ステップS62で電力使用状況測定手段50から受信した電力状況が、逼迫した状態で無い場合、ステップS64へ進み、ステップS63で移行する「強省エネ炊飯制御」よりは消費電力が多いが、通常の炊飯制御よりは消費電力が少ない「弱省エネ炊飯制御」に移行して炊飯制御を開始して、ステップS67に進みフローを終える。
【0026】
ここで、「強省エネ炊飯制御」は「弱省エネ炊飯制御」と比較して、予熱時間を短く設定したり、加熱手段の出力を弱くしたりすることで、より消費電力が少なくなるように設定されている。
つまり、「強省エネ炊飯制御」は、予熱時間を短縮したり、加熱手段の出力を抑えたりする分、ご飯の炊き上がりの質が低下するが、炊飯にかかる消費電力を最も抑えることができる。
ご飯の炊き上がりの質は、ご飯を炊飯するのに最も美味しく炊き上がるように設定されている通常炊飯制御が一番良く、以下、弱省エネ炊飯制御、強省エネ炊飯制御の順番で、通常炊飯制御の炊き上がりの質が低下する。
【0027】
また、「電力状況が逼迫した状態」とは、炊飯器の使用環境である家庭内の使用可能電力に余裕が無い状態をいう。
この様な状態の例として、「家庭内に設置してあるエアコンやIHクッキングヒーター等の他の電気機器を同時に使用しており、電力会社との契約電力に近い電力を使用している状態」や、「電力会社等の外部からの節電要請により、家庭内で使用できる電力が限られている状態」や、「使用者が任意に設定した使用可能電力に近い電力を使用している状態」などを想定している。
【0028】
この様に、省エネモードが設定してある場合でも、炊飯器の使用環境の電力状況に応じて、省エネ炊飯制御のレベルを自動的に選択可能なので、炊飯時の電力環境に応じて、炊飯時の消費電力を抑えつつ、限られた使用電力で最も美味しくご飯を炊飯することができる。
つまり、省エネモードにおいて、使用可能な電力に対応した炊飯制御を複数用意し、電力状況に適した炊飯制御を行うことができるので、使用することが可能な電力に応じて、最も美味しくご飯を炊飯することができる。
【0029】
(エコ炊飯が設定されていない場合)
次に、エコ炊飯が設定されていない場合の炊飯開始から炊飯制御に移行する制御フローを説明する。
まず、操作部20のメニューキー24を操作し、省エネモードに選択しなかった場合、表示部には通常の炊飯モードである旨を表示する。尚、通常の炊飯モードの場合、表示部には炊飯モードの表示を行わなくてもよい。
【0030】
この状態で、操作部20の炊飯スタートキー21を操作すると、制御部16は、
図5のフロー図にあるように、ステップS61で、省エネモードか否かを判断し、現在は、省エネモードが選択されていないので、ステップS65に移行する。
この状態で、電力使用状況測定手段50から受信した電力状況が逼迫の場合、ステップS63へ進み、予熱時間を短縮したり、加熱制御で火力を弱めたりする「強省エネ炊飯制御」で炊飯制御を開始して、ステップS67に進みフローを終える。
【0031】
また、ステップS65で、情報受信部18から受信した電力状況が逼迫した状況でなければ、ステップS66へ進み、予熱工程や炊飯工程、むらし工程など、全ての工程において加熱制御は最も炊飯に適した時間、火力で行なう通常制御を行い、ステップS67に進みフローを終了する。
【0032】
この様に、炊飯モードが通常モードに設定されている場合でも、家庭内の電力使用情報に応じて、消費電力が少ない炊飯モードを切り替えて炊飯制御を実行するので、電力が逼迫しているときでも、家庭内の使用可能電力を超えることを防止できる。
つまり、ブレーカーによる電力切断を回避することができ、確実に炊飯を行うことが可能となる。
【0033】
尚、ステップS65において電力が逼迫していると判断され、ステップS63に移行した場合、表示部25やスピーカーなどの音声報知手段などの報知手段により、炊飯モードが変更された旨を報知するとよい。
この様に、炊飯モードが変更された旨が報知されれば、使用者は、ご飯の炊き上がり状態などを正しく把握することができる。
【0034】
また、フロー図は、ステップS65において電力が逼迫していると判断され、「強省エネ炊飯制御」が実行されるステップS63に移行するように構成されているが、電力の逼迫状況の度合いを判断し、「弱省エネ炊飯制御」が実行されるステップS64に移行するようにしても良い。
この様に、電力の逼迫状況に応じて省エネ制御のレベルを選択可能に構成することで、使用することが可能な電力に応じて、最も美味しくご飯を炊飯することができる。
【0035】
(実施の形態2)
次に、
図6を参照して、実施の形態2を説明する。尚、実施の形態1と同様な構成は同じ符号を付し、説明を省略する。本実施の形態は、炊飯する時刻によって炊飯制御の形態を変更する形態である。
【0036】
(エコ炊飯が設定されている場合)
まず、エコ炊飯が設定されている場合の炊飯開始から炊飯制御に移行する制御フローを説明する。
図6に示すフロー図を参照すると、エコ炊飯(省エネモード)に設定された状態で操作部20の炊飯スタートキー21を操作して炊飯を開始すると、制御部16は、ステップS71で、設定されている炊飯モードが省エネモードか否かを判断する。ここでは、省エネモードが選択されているので、ステップS72に移行する。
【0037】
次に、ステップS72において、制御部16は、現在の時刻が、電力が逼迫している可能性の高い時刻(例えば、11時00分〜17時00分)であればステップS73へ進み、「強省エネ炊飯制御」で炊飯制御を開始して、ステップS77に進みフローを終える。
また、ステップS72で電力が逼迫している可能性の高い時刻で無い場合、ステップS74へ進み、「弱省エネ炊飯制御」に移行して炊飯制御を開始して、ステップS77に進みフローを終える。
【0038】
ここで、電力が逼迫している可能性の高い時刻とは、炊飯器の使用環境である家庭内の使用可能電力に余裕が無い状態となる時間帯をいう。
この様な状態の例として、「家庭内に設置してあるエアコンやIHクッキングヒーター等の他の電気機器を同時に使用しており、電力会社との契約電力ギリギリまで電力を使用している状態となりやすい時刻」や、「電力会社等の外部からの節電要請により、家庭内で使用できる電力が限られている状態となりやすい時刻」などを想定している。
本実施の形態では、この様な時刻を11時00分〜17時00分としているが、季節や電力状況などにより変更されるものであってよい。また、使用者が生活のパターンに応じて設定した時刻でも良い。
【0039】
この様に、省エネモードが設定してある場合でも、炊飯器の使用環境の電力状況に応じて、省エネ炊飯制御のレベルを自動的に選択可能なので、炊飯時の電力環境に応じて、炊飯時の消費電力を抑えつつ、限られた使用電力で最も美味しくご飯を炊飯することができる。
つまり、省エネモードにおいて、使用可能な電力に対応した炊飯制御を複数用意し、電力状況に適した炊飯制御を行うことができるので、使用することが可能な電力に応じて、最も美味しくご飯を炊飯することができる。
【0040】
(エコ炊飯が設定されていない場合)
次に、エコ炊飯が設定されていない場合の炊飯開始から炊飯制御に移行する制御フローを説明する。
まず、操作部20のメニューキー24を操作し、省エネモードに選択しなかった場合、表示部には通常の炊飯モードである旨を表示する。尚、通常の炊飯モードの場合、表示部には炊飯モードの表示を行わなくてもよい。
【0041】
この状態で操作部20の炊飯スタートキー21を操作すると、制御部16は、
図6のフロー図にあるように、ステップS71で、省エネモードか否かを判断し、現在は、省エネモードが選択されていないので、ステップS75に移行する。
次に、ステップS75において、制御部16は、現在の時刻が、電力が逼迫している可能性の高い時刻(例えば11時00分〜17時00分)であればステップS73へ進み、「強省エネ炊飯制御」で炊飯制御を開始して、ステップS77に進みフローを終える。
【0042】
また、ステップS75で、現在の時刻が、電力が逼迫している可能性の高い時刻でなければ、ステップS76へ進み、予熱工程や炊飯工程、むらし工程など、全ての工程において加熱制御は最も炊飯に適した時間、火力で行なう通常制御を行い、ステップS77に進みフローを終了する。
【0043】
この様に、炊飯モードが通常モードに設定されている場合でも、家庭内の電力使用情報に応じて、消費電力が少ない炊飯モードを切り替えて炊飯制御を実行するので、電力が逼迫しているときでも、家庭内の使用可能電力を超えることを防止できる。
つまり、ブレーカーによる電力切断を回避することができ、確実に炊飯を行うことが可能となる。
【0044】
尚、ステップS75において電力が逼迫している時刻と判断され、ステップS73に移行した場合、表示部やスピーカーなどの音声報知手段などの報知手段により、炊飯モードが変更された旨を報知するとよい。
この様に、炊飯モードが変更された旨が報知されれば、使用者は、ご飯の炊き上がり状態などを正しく把握することができる。
【0045】
また、フロー図は、ステップS75において電力が逼迫している時刻と判断され、「強省エネ炊飯制御」が実行されるステップS73に移行するように構成されているが、時間帯ごとの電力の逼迫状況の度合いを判断し、「弱省エネ炊飯制御」が実行されるステップS74に移行するようにしても良い。
【0046】
この様に、電力の逼迫状況に応じて省エネ制御のレベルを選択可能に構成することで、使用することが可能な電力に応じて、最も美味しくご飯を炊飯することができる。
また、情報受信部18aは現在時刻情報だけを受信すれば良く,電力使用状況測定手段50を省くことが可能となる。また、操作部から入力された現在時刻情報を基にステップS72の条件判断を行なえば、情報受信手段18a自身も省くことが可能となる。
【0047】
(実施の形態3)
次に、
図7〜
図10を参照して、実施の形態3を説明する。尚、実施の形態1と同様な構成は同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態は、炊飯開始から炊飯終了にいたる各工程において、HEMS等の外部システムから電力を削減した制御を行う旨の指示(電力逼迫情報)を炊飯器が受信した場合の制御処理を示す。
【0048】
(1)吸水工程における制御処理について
吸水工程は、所定の吸水時間の間、加熱手段により水温を米が水分を吸水するのに適した温度(温調温度)に保つことで、米に吸水を行う工程である。
図7を参照すると、吸水工程が開始されると、まず、ステップS81で電力逼迫情報があるか否かを判断する。電力逼迫情報が無い場合、ステップS82に移行して、吸水工程中の調理物の温度である温調温度と吸水時間をセットして、通常の吸水工程を開始する。
そして、ステップS83において、ステップS82でセットした吸水時間が経過したか否かを判断し、経過したならステップS84に移行して、吸水工程を終了し、昇温工程へと移行する。
【0049】
次に、電力逼迫情報を炊飯器Aが受信している場合は、ステップS81からステップS85に移行する。ステップS85では、吸水工程中の調理物の温度である温調温度と吸水時間をセットして、省エネ吸水工程を開始する。
ここで、省エネ吸水工程における温調温度は通常の吸水工程の温調温度より低く設定され、吸水時間は通常の吸水工程の吸水時間より長く設定される。
そして、ステップS83において、ステップS85でセットした吸水時間が経過したか否かを判断し、経過したならステップS84に移行して、吸水工程を終了し、昇温工程へと移行する。
【0050】
尚、ステップS85において、温調温度を通常の吸水工程の温調温度より低く設定し、更に、吸水時間を通常の吸水工程より長く設定したが、いずれか一方のみを通常の吸水工程の設定と異ならせても良い。
このように、温調温度を低く設定したり、給水時間を長くしたりすることで、消費電力を低減させたり、電力のピークを低くすることができる。
【0051】
(2)昇温工程における制御処理について
昇温工程とは、加熱手段の出力を上げて内鍋を加熱して、調理物の温度を速やかに沸騰温度まで昇温する工程である。
図8を参照すると、昇温工程が開始されると、まず、ステップS91で電力逼迫情報があるか否かを判断する。電力逼迫情報が無い場合、ステップS92に移行して、昇温工程中の加熱手段の出力をセットして、通常の昇温工程を開始する。
そして、ステップS93において、調理物が所定の温度(沸騰温度)に到達したか否かを判断して、所定の温度に到達したならステップS94に移行して、昇温工程を終了し、炊き上げ工程へと移行する。
【0052】
次に、電力逼迫情報を炊飯器Aが受信している場合は、ステップS91からステップS95に移行する。ステップS95では、昇温工程中の加熱手段の出力をセットして、省エネ昇温工程を開始する。
ここで、省エネ昇温工程における加熱手段の出力は、通常の昇温工程の加熱手段の出力より低く設定(電力制限)され、ステップS93に移行する。
そして、ステップS93において、調理物が所定の温度(沸騰温度)に到達したか否かを判断して、所定の温度に到達したならステップS94に移行して、昇温工程を終了し、炊き上げ昇温工程へと移行する。
このように、電力逼迫情報を受けている場合、制御部16は加熱手段の出力を低く設定することで、消費電力を低減したり、電力のピークを低くしたりできる。
【0053】
(3)炊き上げ工程における制御処理について
炊き上げ工程とは、調理物を沸騰状態に保ち米を炊き上げる工程である。
図9を参照すると、炊き上げ工程が開始されると、まず、ステップS101で電力逼迫情報があるか否かを判断する。電力逼迫情報が無い場合、ステップS102に移行して、炊き上げ工程中の加熱手段の出力をセットして、通常の炊き上げ工程を開始する。
そして、ステップS103において、調理物が所定の温度(例えば、調理物42の水分が無くなったときの温度であるドライアップ温度)に到達したか否かを判断して、所定の温度に到達したならステップS104に移行して、炊き上げ工程を終了し、むらし工程へと移行する。
【0054】
次に、電力逼迫情報を炊飯器Aが受信している場合は、ステップS101からステップS105に移行する。ステップS105では、炊き上げ工程中の加熱手段の出力をセットして、省エネ炊き上げ工程を開始する。
ここで、ステップS105で設定される加熱手段の出力は、通常の炊き上げ工程での加熱手段の出力より低く設定(電力制限)され、ステップS103に移行する。
そして、ステップS103において、調理物が所定の温度(ドライアップ温度)に到達したか否かを判断して、所定の温度に到達したならステップS104に移行して、炊き上げ工程を終了し、むらし工程へと移行する。
このように、電力逼迫情報を受けている場合、制御部は加熱手段の出力を低く設定することで、消費電力を低減したり、電力のピークを低くしたりすることができる。
【0055】
(4)蒸らし工程における制御処理について
図10を参照すると、蒸らし工程が開始されると、まず、ステップS111で電力逼迫情報があるか否かを判断する。電力逼迫情報が無い場合、ステップS112に移行して、蒸らし工程中の加熱手段の出力や蒸らし時間を設定して、通常の蒸らし工程を開始する。
そして、ステップS113において、蒸らし開始から所定の時間が経過したか否かを判断して114に移行し、蒸らし工程を終了する。
尚、保温が設定されている場合、蒸らし工程が終了した後、炊き上がったご飯を一定の温度に保つ保温工程へと移行する。
【0056】
次に、電力逼迫情報を炊飯器Aが受信している場合は、ステップS111からステップS115に移行する。ステップS115では、蒸らし工程中の加熱手段の出力や蒸らし時間をセットして、省エネ蒸らし工程を開始する。
ここで、ステップS115で設定される加熱手段の出力は、通常の炊き上げ工程での加熱手段の出力より低く設定(電力制限)され、蒸らし時間は通常の蒸らし工程の時間より長く設定され、ステップS113に移行する。
【0057】
そして、ステップS113において、蒸らし開始から所定の時間が経過したか否かを判断して114に移行し、蒸らし工程を終了する。
尚、保温が設定されている場合、蒸らし工程が終了した後、炊き上がったご飯を一定の温度に保つ保温工程へと移行する。また、ステップS115において、出力を低く設定し、蒸らし時間を長く設定したが、いずれか一方のみを通常の蒸らしと異ならせても良い。
このように、電力逼迫情報を受けている場合、制御部16は加熱手段の出力を低く設定したり、蒸らし時間を通常の蒸らし工程より長くしたりすることで、消費電力を低減したり、電力のピークを低くしたりすることができる。
【0058】
(実施の形態4)
次に、
図11を参照して、実施の形態4を説明する。尚、実施の形態1と同様な構成は同じ符号を付し、説明を省略する。本実施の形態は、吸水から蒸らしに至る各工程において電力逼迫情報がある場合、この情報を使用者に通知して、その後の工程において炊飯制御パターンを選択可能にするものである。
【0059】
(電力逼迫情報が無い場合)
電力逼迫情報が無い場合、各工程が開始されると、ステップS121において電力逼迫情報があるか否かを判断する。ここでは、電力逼迫情報が無いので、ステップS122に移行する。ステップS122では、現在の工程を通常の炊飯制御で実行して、ステップS123移行する。
【0060】
ステップS123では、実行中の工程が終了したか否かを判断し、終了するとステップS124に移行して、このルーティンを終了する。尚、次の工程がある場合は、次の工程に移行して、再度ステップS121からルーティンを開始する。
この様に、電力逼迫情報が無い場合は、制御部16は、通常の炊飯制御を各工程で実行し、ご飯の炊き上がりが一番良くなるように動作する。
【0061】
(電力逼迫情報が有る場合)
電力逼迫情報が有る場合、ステップS121からステップS125へと移行する。ステップS125では、電力逼迫情報を受けて、現在実行する工程の制御を省エネ制御(省エネモード)で行うか否かを、使用者に対して確認を促す報知を行う。
【0062】
具体的な報知方法は、表示部25に、電力が逼迫している旨の情報や、現在の工程などの炊飯器の状況に関する情報などを表示すると共に、現在実行する工程の制御を省エネ制御(省エネモード)で行うか否かの使用者に対して確認を促す表示を行い報知する。
また、炊飯器Aは、情報送信部18bから、現在の工程などの炊飯器の状況に関する情報や、現在実行する工程の制御を省エネ制御(省エネモード)で行うか否かの使用者に対して確認を促す情報を、電力使用状況測定手段50に送信する。
【0063】
これら情報を受信した電力使用状況測定手段50は、家庭内であれば、接続されているテレビや各種表示装置等に、受信した情報を表示する共に、実行する工程の制御を省エネ制御(省エネモード)で行うか否かの使用者に対して確認を促す表示を行い報知する。
また、電力使用状況測定手段50は、インターネットを介して、使用者が持つ携帯端末等にこれらの情報を送信しても良い。
この様な報知を受けた後、使用者は、操作部20や電力使用状況測定手段50に接続されている機器や携帯端末等を操作入力することにより、省エネ制御を行うか否かを回答する。
【0064】
次に、上記の処理が終了するとステップS126に移行し、制御部に省エネ制御を行うか否かの使用者からの回答情報が入力されたかどうか、つまり、使用者からの指示の有無を判断する。
そして、ステップS126での情報が入力されている場合、ステップS127に移行して、当該入力が省エネ運転に変更するか否かを判断する。ステップS127で入力された情報が、省エネ制御に変更可能である場合、S128に移行して省エネ制御を実行してS123に移行する。
ステップS127で入力された情報が、省エネ制御への変更を拒否した内容であれば、ステップS122へ移行して、通常の炊飯制御を行う。
【0065】
また、ステップS126で、省エネ制御への移行の可否に関する入力がなされていない場合、ステップS129に移行する。
ステップS129では、ステップS125の処理が終了してから所定時間経過したか否かを判断する。所定時間経過していない場合、ステップS126に移行する。所定時間経過している場合、ステップS128に移行して、省エネ制御を実行する。
【0066】
尚、あらかじめ省エネ炊飯で行う設定がされている場合、以上のようなルーティンは省略しても良い。また、本実施の形態では、吸水から蒸らしに至る各工程において、個々の工程で省エネ制御に移行するか否かの判断を行うものであるが、一度省エネ制御に移行した後は、炊飯終了まで省エネ制御で固定して炊飯制御を行ってもよい。
【0067】
以上のように、炊飯器が電力逼迫情報を外部から得て、自動的に省エネ制御に移行するように設定されている炊飯器において、省エネ制御に移行するか否かを使用者に確認してから制御内容を変更するので、使用者が意図せずに、ご飯の炊き上がりが変わることがない。
尚、ステップS129で、所定時間経過している場合、省エネ制御に移行するようになっているが、ご飯の炊き上がり(ご飯の美味しさ)を優先する設定が成されている場合などは、ステップS122に移行して通常の制御で炊飯を続けても良い。
【0068】
(実施の形態5)
次に、
図12を参照して、実施の形態5を説明する。尚、実施の形態1と同様な構成は同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態は、複数の電気機器Bと共に電力使用状況測定手段50に接続されている炊飯器において、電力逼迫情報がある場合、他の機器との動作の優先順位に基づき、省エネ制御に移行するか否かを決定するものである。
尚、本実施の形態においては、電力使用状況測定手段50に接続されているのは、電気炊飯器Aと機器Bの2台の場合について説明する。
【0069】
(電力逼迫情報が無い場合)
電力逼迫情報が無い場合、各工程が開始されると、ステップS131において電力逼迫情報があるか否かを判断する。ここで、電力逼迫情報が無いので、ステップS132に移行する。ステップS132では、現在の工程を通常の炊飯制御で実行して、ステップS133移行する。
【0070】
ステップS133では、実行中の工程が終了したか否かを判断し、終了するとステップS134に移行して、このルーティンを終了する。尚、次の工程がある場合は、次の工程に移行して、再度ステップS131からルーティンを開始する。
この様に、電力逼迫情報が無い場合は、制御部16は、通常の炊飯制御を各工程で実行し、ご飯の炊き上がりが一番良くなるように動作する。
【0071】
(電力逼迫情報が有る場合)
電力逼迫情報が有る場合、ステップS131からステップS135へと移行する。ステップS135では、電力逼迫情報を受けて、電力使用状況測定手段50に接続されている機器の動作状態を取得してステップS136へと移行する。
ステップS136では、電力使用状況測定手段50に接続されている機器で動作している機器と比較して、炊飯器Aの動作が優先するか否かを判断する。
【0072】
ステップS136で、炊飯器Aの動作が他の機器Bの動作より優先すると判断された場合、ステップS137に移行する。ステップS137では、電気炊飯器Aの使用電力を落とさない旨(通常の炊飯制御を行う旨)の信号を情報送信部18bから電力使用状況測定手段50に発信して、ステップS132に移行し、通常の炊飯制御を実行する。
【0073】
ステップS136で、他の機器Bの動作が電気炊飯器Aの動作より優先すると判断された場合、ステップS138に移行する。ステップS138では、電気炊飯器Aの使用電力を落とす旨(省エネ炊飯制御を行う旨)の信号を送信部から電力使用状況測定手段50に発信して、ステップS139に移行し、省エネ炊飯制御を実行する。
【0074】
尚、あらかじめ省エネ炊飯で行う設定がされている場合、以上のようなルーティンは省略しても良い。また、本実施の形態では、吸水から蒸らしに至る各工程において、個々の工程で省エネ制御に移行するか否かの判断を行うものであるが、一度省エネ制御に移行した後は、炊飯終了まで省エネ制御で固定して炊飯を行ってもよい。
【0075】
以上のように炊飯器Aは、電力逼迫情報を外部から得て、他の機器との動作の優先順位に基づき、省エネ制御に移行するか否かを変更するので、必要以上に省エネ制御に移行することを防ぎ、極力美味しいご飯が炊けるように制御することができる。
また、医療機器などの人の健康や生命に関係する機器が、電力使用状況測定手段50に接続されている場合などは、炊飯器Aを省エネ制御で動作させたり、場合によっては停止させることで電力を確保して、これらの機器の動作環境を確保したりすることができる。
【0076】
尚、炊飯の各工程に応じて、炊飯器Aの優先度を変更してもよい。例えば、ご飯の炊き上がりが、電力の大きさに左右される炊き上げ工程を行う際には、他の機器の動作に優先して電力を確保できるように、優先度を高くして、省エネ制御に移行するか否かを判断すると良い。
【0077】
(実施の形態6)
次に、
図13を参照して、実施の形態6を説明する。尚、実施の形態1と同様な構成は同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態は、炊飯開始時間や炊き上がり時間を入力して置き、所定の時間となったら炊飯制御を開始する予約炊飯において、予約炊飯の待機中に電力逼迫情報がある場合、炊飯時間の変更を行うか否かの選択を可能にするものである。
【0078】
(電力逼迫情報が無い場合)
予約炊飯が開始されると、制御部16は、ステップS141に移行して電力逼迫情報があるか否かを判断する。ここで、電力逼迫情報が無い場合、ステップS142に移行する。ステップS142では、炊飯を通常の炊飯制御で行うようにセットしてステップS143に移行する。
【0079】
ステップS143では、現在の時刻が予約炊飯の開始時刻に達したか否かを判断する。開始時刻になっていれば、ステップS144に移行して、セットされている炊飯制御で炊飯を開始する。この場合、通常の炊飯制御で炊飯を開始する。
ステップS143で予約炊飯の開始時刻に達していない場合は、ステップS141に移行する。
【0080】
(電力逼迫情報が有る場合)
次に、電力逼迫情報が有る場合は、ステップS141からステップS145へと移行する。ステップS145では、電力逼迫情報を受けて、予約の変更を行うか否かを、使用者に対して確認を促す報知を行う。
【0081】
具体的な報知方法は、表示部25に、電力が逼迫している旨の情報や、炊飯器の状況に関する情報などを表示すると共に、予約開始時間を変更しても良いか否かの確認を促す表示を行う。
また、炊飯器は、情報送信部18bから、現在の炊飯器の状況に関する情報や、予約開始時間を変更しても良いか否かの確認を促す情報を、電力使用状況測定手段50に送信する。
【0082】
これら情報を受信した電力使用状況測定手段50は、家庭内であれば、接続されているテレビや各種表示装置等に、受信した情報を表示する共に、予約開始時間を変更しても良いか否かの確認を促す表示を行う。
また、電力使用状況測定手段50は、インターネットを介して、使用者が持つ携帯端末等にこれらの情報を送信しても良い。
この様な報知を受けた後、使用者は、操作部20や電力使用状況測定手段50に接続されている機器や携帯端末等を操作入力することにより、予約開始時間を変更するか否かを回答する。
【0083】
次に、上記の処理が終了するとステップS146に移行し、予約開始時間を変更するか否かの情報が入力されたかどうか、つまり、使用者からの指示の有無を判断する。そして、ステップS146での情報が入力されている場合、ステップS147に移行して、当該入力が予約開始時間を変更するか否かを判断する。
【0084】
ステップS147で入力された情報が、予約開始時間を変更可能である場合、S142に移行して通常の炊飯制御をセットしてS143に移行する。この時、制御部16は、予約時間を予め設定しておいた変更時間や電力の供給状況が安定している時間帯に予約時間を変更するようにしてもよい。
ステップS147で入力された情報が、予約開始時間の変更を拒否した内容であれば、ステップS148へ移行して、省エネ炊飯制御をセットしてS143に移行する。
【0085】
また、ステップS146で、予約開始時間を変更の可否に関する入力がなされていない場合、ステップS149に移行する。
ステップS149では、ステップS145の処理が終了してから所定時間経過したか否かを判断する。所定時間経過していない場合、ステップS146に移行する。所定時間経過している場合、ステップS148に移行して、省エネ炊飯制御をセットする。
尚、あらかじめ電力逼迫情報がある場合、予約開始時間を変更する設定がされている場合、以上のようなルーティンは省略しても良い。
【0086】
以上のように、炊飯器が電力逼迫情報を外部から得て、自動的に予約時間を変更するように構成されている炊飯器において、使用者に対して予約の変更の可否を確認した後、予約時間を変更するので、使用者が意図せずに予約時間の変更が行われることが無い。
尚、ステップS149で、所定時間経過している場合、省エネ制御をセットするように構成されているが、ご飯の炊き上がり(ご飯の美味しさ)を優先する設定が成されている場合などは、ステップS142に移行して通常の炊飯制御にセットしても良い。
【0087】
(実施の形態7)
次に、
図14を参照して、実施の形態7を説明する。尚、実施の形態1と同様な構成は同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態は、炊飯予約の待機中に電力使用状況測定手段50に接続されている他の機器の運転予約状況を考慮して、炊飯予約時間を変更するものである。
【0088】
まず、制御部16は、炊飯予約が開始された後、ステップS151に移行する。ステップS151では、現在の時刻が予約した時刻か否かを判断する。現在時刻が予約した時刻を過ぎれば、ステップS152に移行して炊飯を開始する。
ステップS151で、現在時刻が予約した時刻に至っていない場合は、ステップS153に移行する。ステップS153は、炊飯器の外部から電力逼迫情報があるか否かを判断する。電力逼迫情報が無ければ、ステップS151に移行する。電力逼迫情報があれる場合、ステップS154に移行する。
【0089】
ステップS154は、電力使用状況測定手段50に接続されている他の機器の運転予約情報を取得し、ステップS155に移行する。
ステップS155では、取得した他の機器の予約情報に基づき、炊飯器の運転予約時間を変更して、ステップS151に移行する。本実施の形態の場合、他の機種の運転予約の開始時刻よりも、予熱工程と炊き上げ工程にかかる時間よりまえに、炊飯制御が開始されるように、運転予約時間を変更する。
【0090】
本実施の形態のように構成すれば、家庭内の機器の間で、運転時間をずらすことができ、家庭内において電力が逼迫した状況となることを防止することができる。
つまり、本実施の形態の場合、炊飯制御で最も電力を使用する炊き上げ工程の時間を、他の機器の運転開始時間とずらすことにより、電力を一時に同時に使用しないようにすることができる。例えば、炊飯器の炊き上げ工程と、予約で運転を開始したエアコンの運転開始時の高出力状態である時間帯を、ずらすことができる。
【0091】
(実施の形態8)
次に、
図15を参照して、実施の形態8を説明する。尚、実施の形態1と同様な構成は同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態は、炊飯予約の設定の際に、電力使用状況測定手段50に接続されている他の機器の運転予約状況を把握して、炊飯予約時間の変更を促す報知を行うものである。
【0092】
まず、予約の設定が開始されると、ステップS161に移行して、電力使用状況測定手段50に接続されている他の機器の運転予約状況を取得して、表示部25に表示し、ステップS162に移行する。
ステップS162では、使用者が入力した予約時間で炊飯を実行した場合、炊き上げ工程の時間と、他の機種の予約時間が重なる場合は、使用者に対して報知を行う。
【0093】
本実施の形態のように構成すれば、炊飯器の運転予約の際に、機器の間で、電力を多く使用する運転時間のずらすことができ、家庭内において電力が逼迫した状況となることを防止することができる。