(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の先行技術のように、サムネイル画像から視聴する投稿動画を選択させる仕組のカラオケ装置では、ユーザは、投稿動画が実際に再生されるまで内容を確認することができない。そこで、ユーザが視聴やコラボレーションに利用する投稿動画を選択するための判断材料とするために、カラオケ装置が候補の投稿動画の一部を再生させることで、ユーザが投稿動画の内容を確認することが考えられる。
【0006】
しかしながら、ユーザは、カラオケを歌唱している最中に、投稿動画の内容を確認する作業を行うことはできない。また、カラオケサービスを利用しているときに、候補の投稿動画を検索したり、内容を確認するために再生させたりしていると、本来なら歌唱できるはずの時間を検索や投稿動画の内容確認に費やさなければならない。また、投稿動画の利用を促進してカラオケサービスを活性化するために、投稿動画に対する認知度が低いユーザに対して、投稿動画の存在を訴求する仕組みが求められる。
【0007】
本発明は上記問題を解決するためになされたものである。その目的は、カラオケサービスにおいてユーザが歌唱できる時間を、投稿動画の検索等に費やさせずに、投稿動画をユーザに効率よく紹介するための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の動画再生装置は、カラオケ装置を利用するユーザに動画を提示するものであって、取得手段と、選択手段と、決定手段と、再生手段とを備える。取得手段は、カラオケ装置により演奏される楽曲について、歌唱がない演奏部分に対応する非歌唱時間長を含む非歌唱時間帯を示す時間情報を取得する。選択手段は、歌唱者を記録した動画として投稿された投稿動画を記憶する記憶手段に記憶されている複数の投稿動画の中から、所定の選択基準を満たす投稿動画を再生対象として選択する。決定手段は、取得手段により取得された時間情報で示される非歌唱時間長で、選択手段により選択された各再生対象の投稿動画を再生させる各投稿動画の再生時間長と再生タイミングとを定めた再生時間割を決定する。再生手段は、カラオケ装置により楽曲の非歌唱時間帯が演奏されるときに、決定手段により決定された再生時間割に従って再生対象の投稿動画を再生する。
【0009】
本発明によれば、カラオケ装置により演奏される楽曲の非歌唱時間帯を利用して、カラオケ装置を利用するユーザに投稿動画を提示できる。このように、歌唱しない合間を利用して投稿動画を提示することで、歌唱しないユーザが投稿動画の内容を無理なく確認できるうえ、投稿動画の確認のために歌唱するための時間を費やさせることもない。そのため、投稿動画の内容を効率よくユーザに紹介でき、投稿動画の利用を促進できる。
【0010】
なお、投稿動画を再生できる期間は楽曲の非歌唱時間帯に限られているため、その期間になるべく多くの投稿動画を再生しようとした場合、1つの投稿動画に割当てる再生時間を短くすることが考えられる。しかしながら、再生時間があまりに短いと、ユーザが投稿動画の内容を把握することが難しくなるおそれがある。そこで
、各再生対象の投稿動画について、所定の最短再生時間を満たす再生時間長を決定するように構成するとよい。このようにすることで、ユーザが投稿動画の内容を把握できる最低限の再生時間を満たす再生時間割を決定できる。
【0011】
また
、所定の最短再生時間を満たす再生時間長を決定した各投稿動画を、非歌唱時間長に対して再生を許容する数を決定し、決定した数の投稿動画の再生タイミングを決定するように構成するとよい。このようにすることで、例えば、一区切りの非歌唱時間帯に収まる数量の投稿動画を再生できるように再生時間割を決定するといった運用が可能である。
【0012】
さらに、投稿動画に対応付けられた優先度に基づいて、再生時間の長短を決定してもよい。具体的には
、記憶手段に記憶されている各投稿動画の再生の優先度を示す情報を記憶する優先度記憶手段を備えるものとする。そして、決定手段は、再生対象の投稿動画のうち、優先度が高い投稿動画の再生時間長を優先度の低い投稿動画の再生時間長よりも長く決定する。このようにすることで、例えば、何らかの特典を受けた投稿者による投稿動画の再生時間長を優先的に長く設定するといった、柔軟な態様で投稿動画の再生時間長を決定できる。
【0013】
ところで、カラオケ装置を利用するユーザに提示する投稿動画として、何らかの基準においてユーザのニーズに適合する投稿動画を選ぶことで、投稿動画に対するユーザの興味をより効果的に喚起できると考えられる。そこで、
次に記載のように構成するとよい。すなわち、記憶手段に記憶されている各投稿動画に対応付けられた属性を示す属性情報を記憶する属性記憶手段と、再生対象の選択基準として適用する属性を決定する基準決定手段とを備えるものとする。そして、選択手段は、属性記憶手段に記憶されている各投稿動画の属性と、基準決定手段により決定された選択基準の属性とが適合することを条件に、再生対象の投稿動画を選択する。なお、投稿動画に対応付けられる属性、及び選択基準として適用される属性としては、以下のものが挙げられる。
【0014】
(1)カラオケ装置が演奏する楽曲に関連する投稿動画を再生対象として選択する。具体的には
、カラオケ装置が演奏する楽曲の属性を示す演奏曲情報を取得する演奏情報取得手段を更に備えるものとする。また、属性記憶手段に記憶されている属性情報には、各投稿動画において歌唱された楽曲に関する属性が含まれているものとする。そして、基準決定手段は、演奏情報取得手段によって取得された演奏曲情報で示される属性を選択基準として決定する。ユーザにとって、今演奏されている楽曲の属性(例えば、曲名、アーティスト、ジャンル等)に合った投稿動画が提示されるので、提示された投稿動画に対してユーザが興味を持ちやすい。
【0015】
(2)ユーザが過去に利用したコンテンツ(楽曲、投稿動画等)の履歴に関連する投稿動画を再生対象として選択する。具体的には
、カラオケ装置が演奏する楽曲をリクエストしたユーザが過去に利用したコンテンツの属性を示す履歴情報を取得する履歴取得手段を備えるものとする。また、属性記憶手段に記憶されている属性情報には、各投稿動画において歌唱された楽曲に関する属性又は歌唱者に関する属性の少なくとも何れかが含まれているものとする。そして、基準決定手段は、履歴取得手段により取得された履歴情報で示される属性を選択基準として決定する。ユーザにとって、過去に歌唱や視聴したしたことのある楽曲や投稿動画の属性(例えば、曲名、アーティスト、ジャンル、歌唱者等)に合った投稿動画が提示されるので、提示された投稿動画に対してユーザが興味を持ちやすい。
【0016】
(3)投稿動画を用いる共同歌唱(コラボレーション)に関連する投稿動画を再生対象として選択する。具体的には
、属性記憶手段に記憶されている属性情報には、各投稿動画の再生に合わせて歌唱を行う共同歌唱をした歌唱者が記録された投稿動画であるか否かを示す属性、又は、投稿動画が共同歌唱に利用されることを投稿動画の歌唱者が希望しているか否かを示す属性が含まれているものとする。そして、基準決定手段は、共同歌唱をした歌唱者が記録された投稿動画であること、又は、投稿動画が共同歌唱に利用されることを投稿動画の歌唱者が希望していることを選択基準として決定する。このようにすることで、ユーザが希望するコラボレーションの適用条件に合った投稿動画を提示することが可能になり、提示された投稿動画に対してユーザが興味を持ちやすい。
【0017】
(4)投稿動画に対する評価を基準にして再生対象を選択する。具体的には
、属性記憶手段に記憶されている属性情報には、各投稿動画に対する評価を示す属性が含まれているものとする。そして、基準決定手段は、投稿動画に対する評価が所定の基準を満たすことを選択基準に決定する。各投稿動画には、例えば、歌唱の採点結果や、視聴者からの人気度、サービス運営者からのおすすめ等の評価内容を属性として対応付けておくことが考えられる。それにより、高評価の投稿動画を視聴したいといった、ユーザが希望する条件に合った投稿動画を提示することが可能になり、提示された投稿動画に対してユーザが興味を持ちやすい。
【0018】
なお、本発明は
、コンピュータにおいて実行されるプログラム、あるいは当該プログラムを記憶する記憶媒体の態様で実現することもできる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は下記の実施形態に限定されるものではなく様々な態様にて実施することが可能である。
[カラオケシステムの構成の説明]
実施形態のカラオケシステムは、
図1に示すように、カラオケ店舗の各カラオケルーム内に配置された動画再生装置1、カラオケ装置2、及びリモコン端末3と、広域ネットワークに接続されたセンタサーバ4とを含んで構成される。なお、
図1では、カラオケ店舗内に複数設けられたカラオケルームのうちの1室を例に挙げたものである。また、広域ネットワークには複数のカラオケ店舗が接続されているものとする。
【0021】
動画再生装置1及びカラオケ装置2は、カラオケ店舗内のLANに設けられたブロードバンドルータBRを中継して広域ネットワークに接続する。また、リモコン端末3は、無線LANのインフラストラクチャモードにより無線LANアクセスポイントAPを中継して、カラオケ店舗内のLANにネットワーク接続し、更にブロードバンドルータBRを中継して広域ネットワークに接続する。
【0022】
カラオケ店舗内のカラオケルームには、動画再生装置1、カラオケ装置2、リモコン端末3、メインディスプレイ21、サブディスプレイ15が設置されている。メインディスプレイ21は、カラオケ装置2に接続されている。メインディスプレイ21には、カラオケ装置2から出力されるカラオケサービス用の映像が表示される。一方、サブディスプレイ15は、動画再生装置1に接続されている。サブディスプレイ15には、カラオケルーム内でカラオケ装置2を利用するユーザに向けた投稿動画の紹介映像等が表示される。
【0023】
カラオケ装置2は、カラオケサービスを提供する業務用の装置である。カラオケサービスで提供される機能には、例えば、ユーザからリクエストされたカラオケ曲を演奏する機能や、センタサーバ4にアップロードされた投稿動画を取得して再生する機能がある。さらに、カラオケサービスには、カラオケ装置2で演奏される楽曲を歌唱する歌唱ユーザを撮像し、撮像した動画を投稿動画としてセンタサーバ4にアップロードすることで、他のユーザが投稿動画を利用できるようにする投稿動画機能が含まれる。この投稿動画機能では、投稿動画について再利用が許可されていた場合、その投稿動画の再生に合わせて一緒に歌唱を行うコラボレーションが可能となっている。
【0024】
カラオケ装置2は、店舗内LANや広域ネットワークを介して、動画再生装置1やリモコン端末3、センタサーバ4との間でデータ通信可能に構成されている。カラオケ装置2は、ユーザからリクエストされた楽曲を演奏するのに併せて、背景映像や曲の歌詞テロップをメインディスプレイ21に表示させる。また、カラオケ装置2は、本システムの利用アカウントを有する利用客が所定の手続きを経てログインすることにより、カラオケ曲の演奏や投稿動画機能等のサービスの利用を、ログインした利用客である個々のログインユーザの識別情報に対応付けて行う。なお、カラオケ装置2のその他の機能や構成については公知技術に従っているので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0025】
リモコン端末3は、カラオケルーム内でカラオケ装置2を遠隔操作するための通信端末装置である。リモコン端末3は、本システムの利用アカウントを有するユーザからの所定のログイン操作を受付ける。ログイン操作を受付けると、リモコン端末3は、操作対象のカラオケ装置2にログイン要求を送信し、カラオケ装置2からログインの成否の結果を受信する。ユーザのログインが成立すると、リモコン端末3は、ログインユーザが再生を希望する楽曲や投稿動画の予約、及び投稿動画の撮像要求を行うためのリクエスト操作を、当該ログインユーザの識別情報に対応付けて受付ける。そして、リクエストする楽曲や投稿動画の識別情報、撮像要求、及びリクエストしたユーザの識別情報(ユーザ名)等を含むリクエスト情報を、無線LAN通信や赤外線通信によって操作対象のカラオケ装置2に送信する。
【0026】
動画再生装置1は、センタサーバ4から配信されたコンテンツの映像を再生する業務用の情報処理装置であり、例えばパソコン等のコンピュータ装置によって具現化される。本実施形態では、再生されるコンテンツとして、センタサーバ4に投稿された投稿動画をカラオケサービスのユーザに対して紹介するための、投稿動画のダイジェストを想定している。投稿動画のダイジェストは、投稿動画の任意の一部を再生する映像である。投稿動画のダイジェストの他に、カラオケサービスのユーザに対して様々な商品やサービスを宣伝するための映像情報である一般広告映像や、風景を描写した風景映像等も再生できるようになっている。
【0027】
動画再生装置1は、ハードウェア構成として制御部10、記憶部11、通信部12、映像制御部13等を備える。制御部10は、CPU、ROM、RAM、I/O等を中心に構成された情報処理デバイスであり、映像の再生に関する処理を実行する。通信部12は、カラオケ店舗内のLANに接続して、カラオケ装置2やセンタサーバ4と通信を行うための通信インタフェースである。記憶部11は、ハードディスクドライブや不揮発性半導体メモリ等で構成された記憶装置である。記憶部11には、その一部としてプログラム記憶領域、コンテンツ記憶領域が設けられている。コンテンツ記憶領域には、センタサーバ4から配信された投稿動画及び投稿動画リスト、一般広告映像、風景映像等のコンテンツが格納されている。
【0028】
制御部10は、カラオケ装置2を利用しているログインユーザが指定した動画抽出条件に基づいて抽出した投稿動画を、カラオケ装置2において演奏される楽曲の歌唱がない演奏部分に対応する非歌唱時間帯に再生するための再生時間割を決定する。そして、決定した再生時間割に従って記憶部11に保存されている各投稿動画の一部の映像を再生する。これらの一連の処理の詳細な内容については後述する。再生された動画の映像信号は、映像制御部13を介してサブディスプレイ15に出力され、映像が表示される。サブディスプレイ15は、例えば液晶パネルディスプレイ(LCD)によって具現化される。
【0029】
センタサーバ4は、カラオケ店舗内の動画再生装置1に投稿動画及び投稿動画リストのデータを配信するサーバ装置である。このセンタサーバ4は、適宜な処理能力を有する情報処理装置で構成されている。センタサーバ4は、カラオケ装置2からアップロードされる投稿動画や、本システムの利用アカウントを有するユーザによるカラオケサービスの利用履歴を保存する。また、センタサーバ4は、カラオケ装置2からアップロードされた投稿動画に関する投稿動画リスト(詳細は後述する)を作成する。そして、保有している投稿動画と作成した投稿動画リストとを、動画再生装置1に配信する。
【0030】
[動画再生装置1が実行する処理の説明]
動画再生装置1の制御部10が実行するメイン処理の手順について、
図2のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、動画再生装置1の稼動中において繰返し実行される。
【0031】
S100では、制御部10は、発生したイベントの状況に応じて処理を分岐する。S100において、投稿動画の更新を行う場合(S100:動画更新)、制御部10はS102に進む。なお、投稿動画の更新は、定期的に行うか、あるいはセンタサーバ4から更新の通知を受けたときに行うようにすることが考えられる。S102では、制御部10は、センタサーバ4から投稿動画リストを取得し、記憶部11に保存する。センタサーバ4は、動画再生装置1からの取得要求に応じて、保有している投稿動画リスト(
図3参照)を、要求元の動画再生装置1に送信する。次のS104では、制御部10は、S102で取得した投稿動画リストに対応付けられている投稿動画をセンタサーバ4から取得し、記憶部11に保存してS100に戻る。
【0032】
ここで、S102で取得される投稿動画リストの詳細について、
図3を参照しながら説明する。
図3に例示されるとおり、投稿動画リストには、「ユーザ名」、「アーティスト」、「曲番号」、「動画番号」、「優先度」、「投稿時期」、「コラボ動画」、「コラボ希望」、「高得点」、「お勧め」、「人気」等の属性情報の項目からなるレコードが投稿動画ごとに記述されている。なお、
図3は、ユーザ1〜9の9人のユーザにより投稿された投稿動画(動画番号11111〜99999)が、投稿動画リストに登録されている事例を示している。
【0033】
「ユーザ名」は、投稿動画に対応付けられた歌唱者の識別情報である。「アーティスト」は、投稿動画において歌唱された楽曲のオリジナルの歌唱者であるアーティストの識別情報である。「曲番号」は、投稿動画において歌唱された楽曲を識別する識別情報である。「動画番号」は、投稿動画を識別する識別情報である。「優先度」は、動画再生装置1において投稿動画が再生されるときの再生時間長や再生順を決定するときの優先度を示す情報である。この優先度は、例えば、ユーザがカラオケサービスに対して支払った対価に応じた特典として、ユーザに対応付けて付与される。本実施形態では、高い優先度が付与されたユーザによって投稿された投稿動画は、優先度が「高」に設定されるようになっている。また、優先度が高いユーザ以外のユーザによって投稿された投稿動画は、優先度「低」に設定されるようになっている。「投稿時期」は、投稿動画がセンタサーバ4にアップロードされた時期を示す情報である。
【0034】
「コラボ動画」は、他の投稿動画の再生に合わせて一緒に歌唱を行うコラボレーションをした歌唱者が撮像された投稿動画であるか否かを示す情報項目である。
図3に示す事例では、コラボレーションが行われた投稿動画の「コラボ動画」の欄に丸印が記録されている。「コラボ希望」は、投稿動画を再利用して行われるコラボレーションを許可するか否かについて、投稿動画の歌唱者が希望した内容を示す情報項目である。
図3に示す事例では、歌唱者によってコラボレーションが許可されている投稿動画の「コラボ希望」の欄に丸印が記録されている。
【0035】
「高得点」は、投稿動画に記録された歌唱がカラオケ装置2で提供される歌唱採点機能により採点されたときの得点が、所定の基準点以上であるか否かを示す情報項目である。
図3に示す事例では、採点結果が基準点以上の投稿動画における「高得点」の欄に丸印が記録されている。「お勧め」は、カラオケサービスの運営者から推薦された投稿動画であるか否かを示す情報項目である。例えば、キャンペーン期間中の特定の楽曲が歌唱された投稿動画や、カラオケサービスにおいて提供される所定の特典が付与されたユーザが歌唱した投稿動画がお勧めの対象となる。
図3に示す事例では、お勧めの条件に該当する投稿動画の「お勧め」の欄に丸印が記録されている。「人気」は、カラオケサービスで提供される投稿動画に対する人気投票機能において、ユーザから所定の基準以上の票を得られたか否かを示す情報項目である。
図3に示す事例では、人気投票機能において基準以上の票を得られた投稿動画の「人気」の欄に丸印が記録されている。
【0036】
センタサーバ4は、投稿動画がアップロードされたときに、投稿動画に付随してアップロードされた属性情報(ユーザ名、アーティスト、曲番号、優先度、コラボ動画、コラボ希望、採点結果等)を、動画番号に対応付けて投稿動画リストに登録する。また、ユーザによる投稿動画の人気投票の結果や、お勧めの有無といった投稿動画の評価に関する属性情報がセンタサーバ4に入力されることで、センタサーバ4が、人気やお勧めの属性情報を投稿動画リストに記録する。
【0037】
図2のフローチャートの説明に戻る。S100において、予約リストの更新を行う場合(S100:リスト更新)、制御部10はS106に進む。予約リストの更新は、定期的(例えば1分ごと)に行うようにすることが考えられる。あるいは、カラオケ装置2において予約リストの更新が行われたときに、カラオケ装置2から通知(予約リスト自体が送信されてもよい)を受信して、予約リストの更新を行うようにしてもよい。あるいは、楽曲の非歌唱時間帯の演奏が始まることを通知する非歌唱状態通知をカラオケ装置2から受信したときに、予約リストの更新を行うようにしてもよい。S106では、制御部10は、カラオケ装置2における楽曲の演奏の予約状況を示す予約リスト(
図4(a)参照)を取得する。カラオケ装置2は、動画再生装置1からの取得要求に応じて、ログインユーザからのリクエストに基づいて演奏の予約をしている楽曲と、その楽曲の非歌唱時間帯とを示す情報の一覧を、予約リストとして要求元の動画再生装置1に送信する。
【0038】
図4(a)に例示されるとおり、予約リストには、予約順、曲番号、及びリクエストしたログインユーザのユーザ名等の情報が含まれる。また、予約リストには、予約された楽曲ついて、歌唱がない演奏部分に対応する非歌唱時間長を示す情報が含まれる。
図4(a)に示される事例では、歌唱がない前奏、間奏、及び後奏の各演奏部分に対応する非歌唱時間長として、前奏時間長が20秒、間奏時間長が30秒、後奏時間長が10秒と予約リストに記述されている。
【0039】
図2のフローチャートの説明に戻る。次のS108では、制御部10は、再生対象の投稿動画を抽出する基準である動画抽出条件を取得する。具体的には、S106で取得した予約リストに示される楽曲をリクエストしたログインユーザに対応する動画抽出条件を、カラオケ装置2に対して問合せる。カラオケ装置2は、ログインユーザによって予め指定されている動画抽出条件(
図4(b)参照)を動画再生装置1に送信する。なお、本実施形態では、ログインユーザが所望する動画抽出条件をリモコン端末3を介してカラオケ装置2に送信するようになっている。また、ユーザが指定できる動画抽出条件として、本実施形態では、「演奏曲関連動画モード」、「利用履歴関連動画モード」、「コラボ動画モード」、「コラボ希望動画モード」、「高得点動画モード」、「高人気動画モード」、「お勧め動画モード」の何れかから選択できるようになっている。
【0040】
「演奏曲関連動画モード」は、カラオケ装置2で演奏される楽曲に関連する投稿動画を抽出するモードである。「利用履歴関連動画モード」は、ユーザが過去に利用した楽曲や投稿動画に関連する投稿動画を抽出するモードである。「コラボ動画モード」は、コラボレーションによって制作された投稿動画を抽出するモードである。「コラボ希望動画モード」は、コラボレーションに再利用されることを許可されている投稿動画を抽出するモードである。「高得点動画モード」は、歌唱採点機能において高得点を獲得した投稿動画を抽出するモードである。「高人気動画モード」は、ユーザからの人気の高い投稿動画を抽出するモードである。「お勧め動画モード」は、運営者からのお勧めの投稿動画を抽出するモードである。なお、
図4(b)は、動画抽出条件として「演奏曲関連動画モード」が指定されている事例を示している。制御部10は、カラオケ装置2から受信した動画抽出条件をメモリに記憶する。
【0041】
次のS110では、制御部10は、S106で取得した予約リストに示される楽曲の中から、投稿動画の再生時間割を決定していない1つの楽曲を対象楽曲として特定し、特定した対象楽曲の各非歌唱時間帯の時間長を示す情報を予約リストから取得する。また、制御部10は、取得した各非歌唱時間帯の時間長を合算し、非歌唱時間の合計時間長を算出する。
図4(c)に例示されるとおり、
図4(a)の予約リストに記述された楽曲(曲番号JJJ)における前奏、間奏及び後奏の各区間に対応する非歌唱時間長を合計すると、60秒である。次のS112では、制御部10は、対象楽曲に対応する投稿動画の再生時間割を決定する再生時間割決定処理を実行する。以下、再生時間割決定処理の手順について、
図5のフローチャートを参照しながら説明する。
【0042】
S200では、制御部10は、S108で取得した動画抽出条件のうち、対象楽曲をリクエストしたログインユーザに対応する動画抽出条件に適合する投稿動画を、再生対象の投稿動画として投稿動画リスト(
図3参照)から抽出する抽出処理を実行する。抽出処理の詳細な手順については後述する。
【0043】
図3に例示される投稿動画リストの中から、抽出処理によって抽出された投稿動画の一例を
図6(a)に示す。ここでは、
図4(a)に例示される予約リストに記述されている曲番号JJJを対象楽曲とし、動画抽出条件として、これから演奏される楽曲に関連する投稿動画を抽出する「演奏曲関連動画モード」が指定されていると想定する。
図6(a)に例示されるとおり、
図3の投稿動画リストの中から、演奏される対象楽曲(曲番号JJJ)と同一の曲番号が対応付けられている動画番号11111,33333,55555〜99999の7つの投稿動画が抽出されている。また、優先度が「高」に設定されている動画番号33333,55555の2つの投稿動画が、優先度が「低」の投稿動画よりも再生順が上位になるように再生順が決定される。また、優先度が同じ投稿動画の中では、投稿時期が早い投稿動画ほど再生順が上位になるように再生順が決定される。
【0044】
図5のフローチャートの説明に戻る。S202では、制御部10は、S200で抽出された再生対象の投稿動画の中に優先度が「高」の投稿動画が存在するか否かを判定する。再生対象の投稿動画の中に優先度が「高」の投稿動画が存在する場合(S202:YES)、制御部10はS204に進む。一方、再生対象の投稿動画の中に優先度が「高」の投稿動画が存在しない場合(S202:NO)、制御部10はS208に進む。
【0045】
優先度が「高」の投稿動画が存在する場合に進むS204では、制御部10は、再生対象の投稿動画のうち、優先度が「高」の各投稿動画について、それぞれの再生時間長を所定の優先時間長に決定する。この優先時間長は、優先度が「低」の投稿動画1つあたりの再生時間長よりも長いものとする。本実施形態では、優先時間長の一例として、優先度が「高」の各投稿動画に対してそれぞれ20秒の再生時間長を一律に割当てるものとする。あるいは、変形例として、非歌唱時間の合計時間長に対する割合で優先時間長を決定してもよい。例えば、優先度が「高」の投稿動画が2つあるときに、非歌唱時間の合計時間長の35%に相当する時間長を、優先度が「高」の各投稿動画にそれぞれ付与し、残りの30%に相当する時間長を優先度が「低」の各投稿動画で分け合うといった決定方法が考えられる。あるいは、優先度が「高」の投稿動画の再生時間長を、優先度が「低」の投稿動画の再生時間長の1.5倍になるように優先時間長を決定するといった決定方法が考えられる。
【0046】
次のS206では、制御部10は、非歌唱時間の合計時間長から、優先度が「高」の各投稿動画に対して決定した優先時間長の合計を差引いて、未配分の非歌唱時間長を算出する。例えば、非歌唱時間の合計時間長が60秒で、優先度が「高」の各投稿動画に対して決定した優先時間長の合計が40秒である場合、差分の20秒が未配分の非歌唱時間長に相当する。S208では、制御部10は、再生対象の投稿動画に対して未配分の非歌唱時間長を、再生時間長がまだ決定されていない再生対象の投稿動画の数で割り、1動画あたりの再生時間長を算出する。そして、S210では、制御部10は、S208で算出した1動画あたりの再生時間長が、予め決められた最短再生時間長以上であるか否かを判定する。1動画あたりの再生時間長が最短再生時間長以上である場合(S210:YES)、制御部10はS212に進む。S212では、制御部10は、S208で算出した1動画あたりの再生時間長を、再生時間長が決定されていない再生対象の各投稿動画に対応する再生時間長に決定する。一方、1動画あたりの再生時間長が最短再生時間長未満である場合(S210:NO)、制御部10はS214に進む。S214では、制御部10は、規定の最短再生時間長を、再生時間長が決定されていない再生対象の各投稿動画に対応する再生時間長に決定する。なお、最短再生時間長は、例えば、再生された投稿動画を見るユーザが最低限の内容を把握できる程度の時間とすることが考えられる。本実施形態では、最短再生時間長を5秒と規定している。
【0047】
図6(a)に例示される再生対象の各投稿動画に対して、再生時間長を決定した結果を
図6(b)に例示する。
図6(b)に例示されるとおり、優先度が「高」の投稿動画33333,55555の2つについて、それぞれ20秒ずつの優先時間長が割当てられている。非歌唱時間の合計時間長が60秒である場合、60秒から優先時間長として割当てた40秒を差引いた残りの非歌唱時間長は20秒である。残りの非歌唱時間長である20秒を、優先度が「低」の5つ投稿動画に対して均等に分配すると、1動画あたり4秒の再生時間長となる。このとき、1動画あたりの再生時間長が、規定の最短再生時間長である5秒に満たない。1動画あたりの再生時間長が最短再生時間長に満たない場合に対する措置として、
図6(b)に例示されるとおり、優先度が「低」の各投稿動画の再生時間長が、4秒から最短再生時間長の5秒に補正されている。
【0048】
図5のフローチャートの説明に戻る。S216では、制御部10は、再生対象の各投稿動画について決定した再生順と再生時間長とに基づき、対象楽曲の各非歌唱時間帯の最初に再生する投稿動画と、各非歌唱時間帯内で連続して再生する投稿動画の数とを決定し、メインルーチンに戻る。具体的には、
図7(a)に例示されるような再生時間割を決定する。
図7(a)の事例は、
図6(b)に例示される投稿動画の再生時間長に基づき、前奏、間奏、後奏の各非歌唱時間帯について、最初に再生する投稿動画(開始動画番号)と、連続して再生する投稿動画の数(連続再生数)とを決定したものである。
【0049】
図7(a)の事例では、対象楽曲の最初の非歌唱時間帯に該当する前奏期間について、
図6(b)において再生順が1位の投稿動画(動画番号33333)が、最初に再生される投稿動画に決定される。このとき、前奏の非歌唱時間長が20秒であり、動画番号33333の投稿動画の再生時間長が20秒であることから、前奏期間には次の投稿動画を再生できる時間が残されていない。そこで、前奏期間内に収めて投稿動画を再生するために許容される連続再生数として「1」が決定される。
【0050】
つぎに、対象楽曲の2番目の非歌唱時間帯に該当する間奏期間について、
図6(b)において再生順が2位の投稿動画(動画番号55555)が、最初に再生される投稿動画に決定される。このとき、間奏の非歌唱時間長が30秒であり、動画番号55555の投稿動画の再生時間長が20秒であることから、間奏期間には次の投稿動画を再生できる時間が10秒残されている。この場合、再生順が3位と4位の2つの投稿動画(動画番号11111,66666)の再生時間長がそれぞれ5秒ずつであるから、3つの投稿動画を連続して間奏期間内に収めて再生可能である。そこで、間奏期間内に収めて投稿動画を再生するために許容される連続再生数として「3」が決定される。
【0051】
つぎに、対象楽曲の3番目の非歌唱時間帯に該当する後奏期間について、
図6(b)において再生順が5位の投稿動画(動画番号77777)が、最初に再生される投稿動画に決定される。このとき、後奏の非歌唱時間長が10秒であり、動画番号77777の投稿動画の再生時間長が5秒であることから、後奏期間には次の投稿動画を再生できる時間が5秒残されている。この場合、再生順が8位の投稿動画(動画番号88888)の再生時間長が5秒であるから、2つの投稿動画を連続して後奏期間内に収めて再生可能である。そこで、後奏期間内に収めて投稿動画を再生するために許容される連続再生数として「2」が決定される。
【0052】
なお、
図6(b)において再生順が9位の投稿動画(動画番号99999)については、対象楽曲の非歌唱時間帯内に収めて再生することができない。この場合、例えば、対象楽曲の演奏が完了してから次の楽曲の演奏が開始されるまでの期間に再生したり、次の楽曲の演奏時に先頭で再生するように制御して補うことが考えられる。
【0053】
図7(a)に例示される投稿動画の再生時間割を、演奏される対象楽曲(曲番号JJJ)の演奏の進行を示すタイムチャート上に記したものを
図7(b)に例示する。
図7(b)に例示されるとおり、楽曲の前奏期間の演奏が始まる時点Aにおいて、動画番号33333の投稿動画の再生が開始される。前奏期間中には、動画番号33333の投稿動画が20秒間再生される。
【0054】
つぎに、前奏期間終了後の歌唱期間には、例えば風景映像や一般広告映像が再生される。そして、歌唱期間終了後の間奏期間が始まる時点Bにおいて、動画番号55555の投稿動画の再生が開始される。間奏期間中には、動画番号55555,11111,66666の3つの投稿動画が連続して再生される。間奏期間中には、3つの投稿動画がそれぞれ20秒間、5秒間、及び5秒間再生される。
【0055】
つぎに、間奏期間終了後の歌唱期間には、風景映像や一般広告映像等が再生される。そして、歌唱期間終了後の後奏期間が始まる時点Cにおいて、動画番号77777の投稿動画の再生が開始される。後奏期間中には、動画番号77777,88888の2つの投稿動画が連続して再生される。後奏期間中には、2つの投稿動画がそれぞれ5秒間ずつ再生される。
【0056】
なお、
図7(a)に例示される再生時間割では、前奏、間奏、後奏の各非歌唱時間帯内に投稿動画を時間の過不足なく再生できるようになっているが、必ずしもそのようになるとは限らない。例えば、非歌唱時間長が25秒であるのに対して、各投稿動画の再生時間長が10秒と設定されていた場合、2つの投稿動画を連続して再生すると決定したときに5秒の余りが生じることになる。このようなケースに対して、以下の(1)〜(3)のようにすることが考えられる。
【0057】
(1)余り時間を次の投稿動画に割当て、3つの投稿動画を連続して再生する。この場合、余り時間を割当てられた投稿動画を、前の2つの投稿動画から連続して設定された再生時間長で再生すると非歌唱時間帯内に収まらない。しかし、この事例では、投稿動画の再生時間長の一部が、非歌唱時間帯を超えて次の歌唱期間に及ぶことを許容する。
【0058】
(2)余り時間を切り捨てて、2つの投稿動画を連続して再生する。このようにすることで、非歌唱時間帯に対応付けて再生される投稿動画の再生時間長を、非歌唱時間帯内に必ず収めることができる。
【0059】
(3)余り時間が出ないように、再生対象の投稿動画の再生時間長を非歌唱時間長に対して時間の過不足がないように再調整する。このようにすることで、非歌唱時間帯に対応付けて再生される投稿動画の再生時間長を、非歌唱時間帯内に時間の過不足なく収めることができる。
【0060】
図2のフローチャートの説明に戻る。S114では、制御部10は、S106で取得した予約リストに示される楽曲の中で、投稿動画の再生時間割を決定していない未処理の楽曲が存在するか否かを判定する。未処理の楽曲が存在する場合(S114:YES)、制御部10はS110に戻る。一方、未処理の楽曲が存在しない場合(S114:NO)、制御部10はS100に戻る。
【0061】
一方、S100において、カラオケ装置2から非歌唱状態通知を受信した場合(S100:非歌唱状態)、制御部10はS116に進む。非歌唱状態通知は、カラオケ装置2で進行している楽曲の演奏において、歌唱のない演奏部分の演奏が開始されるタイミングで、カラオケ装置2から動画再生装置1に送信される情報である。この非歌唱状態通知には、例えば、演奏中の楽曲の曲番号や、演奏が開始される非歌唱時間帯を特定する情報が含まれる。S116では、制御部10は、演奏中の楽曲において演奏が開始される非歌唱時間帯に対して決定された再生時間割(
図7(a)参照)に従い、記憶部11に記憶されている投稿動画の中から再生対象の投稿動画を順次再生する。制御部10は、再生時間割で示される開始動画番号に該当する投稿動画から再生を開始し、連続再生数で示される数の投稿動画を決められた再生順で順次再生する。ここでは、制御部10は、各投稿動画を再生時間割において規定されている各投稿動画の再生時間長分ずつ再生する。再生する投稿動画の部位は、投稿動画の冒頭から再生時間長分を抽出した部分でもよいし、投稿動画の途中の箇所から再生時間長分を抽出した部分でもよい。
【0062】
次のS118では、制御部10は、演奏される非歌唱時間帯を示す設定を、先のS116で投稿動画を再生したときの非歌唱時間帯から次の非歌唱時間帯に移動し、S100に戻る。一方、S100において、投稿動画を再生する以外の通常の再生を行う場合(S100:通常再生時)、制御部10はS120に進む。S120では、制御部10は、記憶部11に記憶されている風景映像や一般広告映像等のコンテンツを再生する。なお、S120では、投稿動画を再生しない期間中に風景映像や一般広告映像を再生する代わりに、何も再生しない構成であってもよい。一方、S100において、システムの動作を終了する場合(S100:終了)、制御部10は本処理を終了する。
【0063】
つぎに、動画再生装置1の制御部10が実行する抽出処理の手順について、
図8のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、上述の再生時間割決定処理(
図5参照)のS200において実行されるサブルーチンである。
【0064】
S300では、制御部10は、対象楽曲をリクエストしたログインユーザにより指定された動画抽出条件に応じて処理を分岐する。ここで扱う動画抽出条件は、上述のメイン処理(
図2参照)のS108においてカラオケ装置2から取得したものである。S300において、動画抽出条件が「演奏曲関連動画モード」である場合(S300:再生曲関連動画モード)、制御部10はS302に進む。S302では、制御部10は、投稿動画リスト(
図3参照)の中から、カラオケ装置2で演奏される対象楽曲の属性と適合する属性の投稿動画を抽出する。具体的には、楽曲の属性として、対象楽曲の曲番号と一致する曲番号が対応付けられた投稿動画を投稿動画リストから抽出する。あるいは、曲番号の代わりに、アーティストが一致する投稿動画を抽出する構成であってもよい。
【0065】
一方、S300において、動画抽出条件が「利用履歴関連動画モード」である場合(S300:利用履歴関連動画モード)、制御部10はS304に進む。S304では、制御部10は、対象楽曲をリクエストしたログインユーザに関する利用履歴を示す履歴情報をセンタサーバ4から取得する。利用履歴は、ユーザがカラオケサービスによって提供される楽曲又は投稿動画等のコンテンツを過去に利用した履歴である。センタサーバ4は、ユーザが歌唱した楽曲や視聴した投稿動画等が記録された利用履歴ログをカラオケ装置2から取得し、利用履歴ログに対応付けられているユーザに関する利用履歴として記憶する。センタサーバ4は、動画再生装置1からの利用履歴の取得要求に応じて、取得要求に該当するユーザに関する利用履歴を要求元の動画再生装置1に送信する。
【0066】
次のS306では、制御部10は、投稿動画リスト(
図3参照)の中から、S304で取得した利用履歴で示される楽曲や投稿動画の属性と適合する属性の投稿動画を抽出する。具体的には、対象楽曲をリクエストしたログインユーザが過去に歌唱した楽曲の曲番号と一致する曲番号が対応付けられた投稿動画を、再生対象の投稿動画として投稿動画リストから抽出する。また、対象楽曲をリクエストしたログインユーザが過去に視聴した投稿動画に対応付けられた曲番号と一致する曲番号が対応付けられた投稿動画を、再生対象の投稿動画として投稿動画リストから抽出する。また、対象楽曲をリクエストしたログインユーザが過去に視聴した投稿動画の歌唱者と一致するユーザによって歌唱された投稿動画を、再生対象の投稿動画として投稿動画リストから抽出してもよい。
【0067】
一方、S300において、動画抽出条件が「コラボ動画モード」である場合(S300:コラボ動画モード)、制御部10はS308に進む。S308では、制御部10は、投稿動画リスト(
図3参照)の中から、コラボレーションが行われた投稿動画を抽出する。具体的には、投稿動画リストの「コラボ動画」の情報項目に該当すると記録されている投稿動画を、再生対象の投稿動画として投稿動画リストから抽出する。
【0068】
一方、S300において、動画抽出条件が「コラボ希望動画モード」である場合(S300:コラボ希望動画モード)、制御部10はS310に進む。S310では、制御部10は、投稿動画リスト(
図3参照)の中から、コラボレーションで再利用されることが許可されている投稿動画を抽出する。具体的には、投稿動画リストの「コラボ希望」の情報項目に該当すると記録されている投稿動画を、再生対象の投稿動画として投稿動画リストから抽出する。
【0069】
一方、S300において、動画抽出条件が「高得点動画モード」である場合(S300:高得点動画モード)、制御部10はS312に進む。S312では、制御部10は、投稿動画リスト(
図3参照)の中から、歌唱採点機能による採点結果が高得点である投稿動画を抽出する。具体的には、投稿動画リストの「高得点」の情報項目に該当すると記録されている投稿動画を、再生対象の投稿動画として投稿動画リストから抽出する。
【0070】
一方、S300において、動画抽出条件が「高人気動画モード」である場合(S300:高人気動画モード)、制御部10はS314に進む。S314では、制御部10は、投稿動画リスト(
図3参照)の中から、ユーザからの人気が高い投稿動画を抽出する。具体的には、投稿動画リストの「人気」の情報項目に該当すると記録されている投稿動画を、再生対象の投稿動画として投稿動画リストから抽出する。
【0071】
一方、S300において、動画抽出条件が「お勧め動画モード」である場合(S300:お勧め動画モード)、制御部10はS316に進む。S316では、制御部10は、投稿動画リスト(
図3参照)の中から、運営者がお勧めする投稿動画を抽出する。具体的には、投稿動画リストの「お勧め」の情報項目に該当すると記録されている投稿動画を、再生対象の投稿動画として投稿動画リストから抽出する。
【0072】
S302,S306〜S316の次に進むS318では、制御部10は、抽出した再生対象の投稿動画を所定の基準に基づく再生順に整列させ、メインルーチンに戻る。具体的には、優先度が「高」の投稿動画を上位に、かつ、同じ優先度の投稿動画の中で、投稿時期が早い投稿動画ほど上位になるように整列させる。ここで整列させた投稿動画の順序が、これらの投稿動画を再生するときの再生順となる。
【0073】
[効果]
実施形態の動画再生装置1によれば、以下の効果を奏する。
カラオケ装置2により演奏される楽曲の歌唱がない期間に、カラオケ装置2を利用するユーザに投稿動画を提示できる。ユーザが歌唱しない合間を利用して投稿動画を提示することで、歌唱中でないユーザが投稿動画の内容を無理なく確認できるうえ、投稿動画の確認のために歌唱するための時間を費やさせることもない。そのため、投稿動画の内容を効率よくユーザに紹介でき、投稿動画の利用を促進できる。
【0074】
また、限られた非歌唱時間帯に複数の投稿動画を再生するときに、1つの投稿動画にユーザが投稿動画の内容を把握できる最低限の再生時間(例えば、5秒間)を満たす再生時間割を決定できる。このとき、前奏、間奏、後奏といった各非歌唱時間長に対して再生を許容する投稿動画の連続再生数を決定することができる。具体的には、再生時間長が非歌唱時間長に収まるように連続再生数を決定したり、非歌唱時間長を多少超えることを許容して非歌唱時間長を全て投稿動画の再生に使い切るように連続再生数を決定できる。
【0075】
また、優先度が「高」に設定された投稿動画の再生時間長を、優先度が「低」に設定された投稿動画の再生時間長よりも長くするといった具合に、投稿動画に付与された優先度に応じた柔軟な態様で投稿動画の再生時間長を決定できる。また、カラオケ装置2を利用するユーザが様々な動画抽出条件を選択できるようになっている。これにより、ユーザのニーズに適合する投稿動画を選んで再生することができ、投稿動画に対するユーザの興味をより効果的に喚起できる。
【0076】
[変形例]
上述の実施形態では、動画再生装置1が、センタサーバ4から投稿動画と投稿動画リストとをダウンロードして記憶部11に保存しておき、記憶部11に保存されている投稿動画を再生する構成について説明した。これとは別に、投稿動画リストを先に取得して再生する投稿動画を決定してから、センタサーバ4から投稿動画データを受信しながら同時に再生するストリーミング再生を行う構成であってもよい。
【0077】
優先度が「高」に設定されている投稿動画を再生するとき、動画再生装置1が表示内容に何らかの特典を付与してもよい。例えば、投稿動画の映像に強調表示を施したり、投稿動画が制作されたときに歌唱者が入力したメッセージを、投稿動画の映像に重ねて表示することが考えられる。なお、歌唱者のメッセージは、投稿動画リストの情報項目の1つとして予め記録しておくことが考えられる。
【0078】
[特許請求の範囲に記載の構成との対応]
実施形態に記載の構成と、特許請求の範囲に記載の構成との対応は次のとおりである。
制御部10及び通信部12が、取得手段、演奏情報取得手段、及び、履歴取得手段に相当する。制御部10が、選択手段、決定手段、再生手段、及び、基準決定手段に相当する。記憶部11が、記憶手段、優先度記憶手段、及び、属性記憶手段に相当する。