(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
まず、本発明の実施形態について説明する前に、負荷駆動装置におけるリレーや突入防止用抵抗の異常を検出するために一般的に考えられる技術とその問題点について説明する。
【0016】
図1は、一般的に考えられる負荷駆動装置の回路構成図である。
図1の回路構成は、電源105を用いて負荷104を駆動する負荷駆動装置である。例えば車両の電池により走行用モータを駆動するシステムにおいては、負荷104は、走行用モータであり、電源105は走行用モータを駆動するための電池である。また、車両の外部の系統電源から充電用プラグを介して車両の電池に充電を行うシステムにおいては、負荷104は力率制御回路またはインバータ回路等の周辺回路を含む車両の電池であり、電源105はプラグ106を介して車両の外部に接続される系統電源である。
【0017】
リレー101は、入力端子を接点Tに選択的に接続または開放可能であって、入力端子が電源105に接点Tが負荷104に直列に接続され、負荷104への電源105の供給または遮断を選択的に行う。
【0018】
突入防止用抵抗R1は、リレー101の入力端子および接点Tに並列に接続され、電源105から負荷104への電力供給開始時のリレー101がオンとなる直前の短時間だけ電源105から負荷104へ電流を流す。これにより、電源105から負荷104への突入電流が抑制される。
【0019】
抵抗R2は、負荷104に並列に接続される。
第1電圧センサ102は、リレー101の入力端子側で電源105に並列に接続され、電源105の両端の電圧を検出する。
【0020】
第2電圧センサ103は、抵抗R2が接続される負荷104の両端の電圧を検出する。
上述の回路構成において、第1電圧センサ102は電源105の電圧を検出している。また、リレー101が開放(オフ)になって突入防止用抵抗R1が動作するときには、第2電圧センサ103は、電源105の電圧を突入防止用抵抗R1と抵抗R2とで分圧した抵抗R2の両端電圧を検出する。また、リレー101が閉(オン)になるときには、第2電圧センサ103は、抵抗R2の両端に直接かかる電源105の電圧を検出する。
【0021】
従って、原理的には、電力供給開始後に突入防止期間でリレー101を開放していても、第1電圧センサ102と第2電圧センサ103の各検出電圧に差がなければ、リレー101で溶着故障(常に接点Tが閉じている故障)があると判定できるはずである。逆に、突入防止期間経過後にリレー101を閉じても、第1電圧センサ102と第2電圧センサ103の各検出電圧に差があれば、リレー101で開放故障(常に接点Tが閉じない故障)があると判定できるはずである。
【0022】
しかし実際には、突入防止用抵抗R1としては、それによる電圧降下を抑制するために、抵抗R2の抵抗値(例えば500キロオームから1メガオーム)に比較して十分に小さな抵抗値(例えば20オーム程度)のものが使用される。つまり、リレー101が開放で突入防止用抵抗R1が接続されても、第2電圧センサ103が検出する抵抗R2の両端電圧は、第1電圧センサ102が検出する電源105の電圧とほとんど差がない。この結果、リレー101の異常を検出することが困難になってしまう。
【0023】
そこで、本発明では、以下に説明する第1または第2の実施形態により、上述の課題を解決する。以下、第1および第2の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
図2は、第1の実施形態である負荷駆動装置の回路構成図である。
図2の回路構成は、電源205を用いて負荷204を駆動する負荷駆動装置である。例えば車両の電池により走行用モータを駆動するシステムにおいては、負荷204は、走行用モータであり、電源205は走行用モータを駆動するための電池である。あるいは、車両の外部の系統電源から充電用プラグを介して車両の電池に充電を行うシステムにおいては、負荷204は力率制御回路またはインバータ回路等の周辺回路を含む車両の電池であり、電源205はプラグ206を介して車両の外部に接続される系統電源である。
【0025】
スイッチ部であるリレー201は、入力端子を第1接点T1または第2接点T2に選択的に接続または開放可能であって、入力端子および第1接点T1が電源205および負荷204に直列に接続され、負荷204への電源205の電力の供給または遮断を選択的に行う。なお、スイッチ部であるリレー201は、FET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)等の電子的スイッチ素子によって構成されてもよい。なお、電源205とリレー201と負荷204の直列接続が維持される限り、これらは直接に接続されても他の回路素子を介して間接に接続されてもよい。
【0026】
突入防止用抵抗R1(第1抵抗)は、リレー201の入力端子および第1接点T1に並列に接続され、電源205から負荷204への突入電流を抑制する。なお、本発明の主題を逸脱しない範囲で、突入防止用抵抗R1(第1抵抗)とともに付加的な回路素子が接続されてもよい。
【0027】
抵抗R2(第2抵抗)およびR3(第3抵抗)の直列回路部は、抵抗R2およびR3の接続部にリレー201の第2接点T2が接続される。また、抵抗R2およびR3の接続部とは異なる抵抗R2の一端子側が、リレー201の第1接点T1に接続される。さらに、抵抗R2およびR3の接続部とは異なる抵抗R3の一端子側が、突入防止用抵抗R1が接続されていない側の電源205の一出力端子側に接続される。なお、本発明の主題を逸脱しない範囲で、抵抗R2と抵抗R3の直列接続構成とともに付加的な回路素子が接続されてもよい。
【0028】
第1電圧センサ202(第1電圧センサ部)は、抵抗R3の両端子間の電圧を検出する。第2電圧センサ203(第2電圧センサ部)は、抵抗R2とR3の直列回路部の両端子間の電圧、すなわち負荷204の両端子間の電圧を検出する。
【0029】
抵抗R4は、必須ではないが、負荷204の両端子間に並列に接続される。
制御部207は、例えばマイクロプロセッサにより構成され、リレー201の接続指示状態と第1電圧センサ202および第2電圧センサ203の各電圧検出状態とに基づいて、リレー201、突入防止用抵抗R1、抵抗R2、または抵抗R3の異常を検出する。
【0030】
以上のように、第1の実施形態では、リレー201が、第1接点T1に接続、第2接点T2に接続、または開放の3状態をとり得るスイッチ部として構成される。また、リレー201の第2接点T2が、電源205の両端子間を分圧する抵抗R2とR3の直列接続の共通接続部に接続される。そして、第1電圧センサ202が抵抗R3の両端電圧を検出し、第2電圧センサ203がリレー201の第1接点T1が接続される負荷204の両端電圧を検出するようにした。これにより、突入防止用抵抗R1の抵抗値が小さくても、制御部207は、以下に詳細に説明するようにして、リレー201、突入防止用抵抗R1、抵抗R2、または抵抗R3の異常を検出することが可能となる。
【0031】
なお、抵抗R2およびR3は、負荷駆動装置における放電抵抗としても兼用することができ、これによりシステムの部品点数を減らすことが可能となる。
図3は、
図2の構成を有する第1の実施形態の故障検出動作を説明するための図表である。
【0032】
第1の実施形態において、まず、抵抗R1、R2、R3、およびR4の抵抗値の関係は、例えば、
R2:R3:R4=1:1:1 ・・・(1)
R1<<R2,R3,R4 ・・・(2)
とする。例えば、R2、R3、R4の抵抗値は500キロオームから1メガオーム、R1の抵抗値は20オーム程度である。
【0033】
まず、
図2のシステムのモードが正常である状態S1およびS2を考える。正常時に、制御部207からの制御であるCPU指令として第2接点T2への接続が指示された
図3の状態S1では、リレー201は第2接点T2へ接続する。これにより、第1電圧センサ202側では、電源205からの電流は第2接点T2→R3の順で流れる。従って、第1電圧センサ202の検出電圧は、抵抗R3の両端に現れる電源205のAC(交流)入力電圧となる。いま、このAC入力電圧Vinを基準の比率1.00とする。また、第2電圧センサ203側では、電源205からの電流はR1→R2,R3またはR1→R4の順で流れる。前述した(1)式より、突入防止用抵抗R1の抵抗値は、抵抗R2、R3、およびR4の抵抗値よりも十分に小さい。従って、第2電圧センサ203の検出電圧は、約AC入力電圧Vinとなって、比率は約1.00となる。すなわち、正常時にリレー201の第2接点T2への接続が指示された
図3の状態S1では、第1電圧センサ202の検出電圧比率は1.00、第2電圧センサ203の検出電圧比率は約1.00、つまり、
第1電圧センサ202の検出電圧≒第2電圧センサ203の検出電圧
となる。
【0034】
次に、正常時に、制御部207からのCPU指令として第1接点T1への接続が指示された
図3の状態S2では、リレー201は第1接点T1へ接続する。これにより、第1電圧センサ202側では、電源205からの電流はR2→R3の順で流れる。従って、第1電圧センサ202の検出電圧は、AC入力電圧=Vinを抵抗R2とR3で分圧したR3側の電圧Vin×R3/(R2+R3)となる。前述した(1)式より、R2=R3である。この結果、Vin×R3/(R2+R3)=Vin×R2/(R2+R2)=0.5Vin、すなわち比率0.5となる。また、第2電圧センサ203側では、電源205からの電流は第1接点T1→R2,R3または第1接点T1→R4の順で流れる。従って、第2電圧センサ203の検出電圧は、抵抗R2とR3の直列接続の両端または抵抗R4の両端に直接現れる電源205のAC入力電圧Vinとなって、比率は1.00となる。すなわち、正常時にリレー201の第1接点T1への接続が指示された
図3の状態S2では、第1電圧センサ202の検出電圧比率は0.50、第2電圧センサ203の検出電圧比率は1.00、つまり、
第1電圧センサ202の検出電圧≒第2電圧センサ203の検出電圧×0.5
となる。
【0035】
以上の正常時の状態S1およびS2より、以下の判定1が採用できる。
<判定1>
リレー201の第2接点T2への接続が指示されたときに、
第1電圧センサ202の検出電圧≒第2電圧センサ203の検出電圧
であって、かつ、リレー201の第1接点T1への接続が指示されたときに、
第1電圧センサ202の検出電圧≒第2電圧センサ203の検出電圧×0.5
であれば、リレー201、抵抗R1、R2、R3は正常である。
【0036】
次に、リレー201の開放故障時(入力端子が常に第1接点T1にも第2接点T2にも接続しない状態)を考える。リレー201の開放故障時に、制御部207からのCPU指令として第2接点T2への接続が指示された
図3の状態S3、および第1接点T1への接続が指示された
図3の状態S4ともに、リレー201は開放状態のままとなる。これにより、第1電圧センサ202側では、電源205からの電流はR1→R2→R3の順で流れる。従って、第1電圧センサ202の検出電圧は、AC入力電圧=Vinを抵抗(R1+R2)とR3で分圧したR3側の電圧Vin×R3/(R1+R2+R3)となる。前述した(1)式より、突入防止用抵抗R1の抵抗値は抵抗R2およびR3の抵抗値よりも十分に小さく、またR2=R3である。従って、Vin×R3/(R1+R2+R3)≒Vin×R3/(R2+R3)=Vin×R2/(R2+R2)=0.5Vinとなって、比率は約0.5となる。また、第2電圧センサ203側では、電源205からの電流はR1→R2,R3またはR1→R4の順で流れる。前述した(1)式より、突入防止用抵抗R1の抵抗値は、抵抗R2、R3、およびR4の抵抗値よりも十分に小さい。従って、第2電圧センサ203の検出電圧は、約AC入力電圧Vinとなって、比率は約1.00となる。すなわち、リレー201の開放故障時には、第1電圧センサ202の検出電圧比率は常に約0.50となり、第2電圧センサ203の検出電圧比率は常に約1.00となる。つまり、
第1電圧センサ202の検出電圧≒第2電圧センサ203の検出電圧×0.5
となる。リレー201の開放故障時の状態S3、S4と、正常状態S1、S2を比較すると、
図3の状態S3に示されるように、リレー201の第2接点T2への接続が指示されたときのリレー201の開放故障時の状態S3と正常状態S1とで第1電圧センサ202の出力が異なることになる。これより、以下の判定2が採用できる。
<判定2>
リレー201の第2接点T2への接続が指示されたときに、
第1電圧センサ202の検出電圧≒第2電圧センサ203の検出電圧×0.5
であれば、リレー201が開放故障を起こしている可能性がある。
【0037】
次に、リレー201の第1接点T1への固着故障時(入力端子が常に第1接点T1に固着した状態)を考える。リレー201の第1接点T1への固着故障時に、制御部207からのCPU指令として第2接点T2への接続が指示された
図3の状態S5、および第1接点T1への接続が指示された
図3の状態S6ともに、リレー201は第1接点T1に接続されたままとなり、正常時の状態S2と同じ状態となる。すなわち、状態S5およびS6では、第1電圧センサ202の検出電圧比率は0.50、第2電圧センサ203の検出電圧比率は1.00、つまり、
第1電圧センサ202の検出電圧≒第2電圧センサ203の検出電圧×0.5
となる。リレー201の第1接点T1への固着故障時の状態S5、S6と、正常状態S1、S2を比較すると、
図3の状態S5に示されるように、リレー201の第2接点T2への接続が指示されたときのリレー201の第1接点T1への固着故障時の状態S5と正常状態S1とで第1電圧センサ202の出力が異なることになる。これより、以下の判定3が採用できる。
<判定3>
リレー201の第2接点T2への接続が指示されたときに、
第1電圧センサ202の検出電圧≒第2電圧センサ203の検出電圧×0.5
であれば、リレー201が第1接点T1への固着故障を起こしている可能性がある。
【0038】
次に、リレー201の第2接点T2への固着故障時(入力端子が常に第2接点T2に固着した状態)を考える。リレー201の第2接点T2への固着故障時に、制御部207からのCPU指令として第2接点T2への接続が指示された
図3の状態S7、および第1接点T1への接続が指示された
図3の状態S8ともに、リレー201は第2接点T2に接続されたままとなり、正常時の状態S1と同じ状態となる。すなわち、状態S7およびS8では、第1電圧センサ202の検出電圧比率は1.00、第2電圧センサ203の検出電圧比率は約1.00、つまり、
第1電圧センサ202の検出電圧≒第2電圧センサ203の検出電圧
となる。リレー201の第2接点T2への固着故障時の状態S7、S8と、正常状態S1、S2を比較すると、
図3の状態S8に示されるように、リレー201の第1接点T1への接続が指示されたときのリレー201の第2接点T2への固着故障時の状態S8と正常状態S2とで第1電圧センサ202の出力が異なることになる。これより、以下の判定4が採用できる。
<判定4>
リレー201の第1接点T1への接続が指示されたときに、
第1電圧センサ202の検出電圧≒第2電圧センサ203の検出電圧
であれば、リレー201が第2接点T2への固着故障を起こしている可能性がある。
【0039】
次に、突入防止用抵抗R1の開放故障時(R1が電気的に切断された状態)を考える。突入防止用抵抗R1の開放故障時に、制御部207からのCPU指令として第2接点T2への接続が指示された
図3の状態S9は、正常時の状態S1と同様に、リレー201は第2接点T2へ接続する。これにより、第1電圧センサ202側では、電源205からの電流は第2接点T2→R3の順で流れる。従って、第1電圧センサ202の検出電圧は、抵抗R3の両端に現れる電源205のAC入力電圧となり、比率1.00となる。一方、第2電圧センサ203側では、電源205からの電流は第2接点T2→R2→R4の順で流れる。従って、第2電圧センサ203の検出電圧は、AC入力電圧=Vinを抵抗R2とR4で分圧したR4側の電圧Vin×R4/(R2+R4)となる。前述した(1)式より、R2=R4である。この結果、Vin×R4/(R2+R4)=Vin×R2/(R2+R2)=0.5Vin、すなわち比率0.5となる。すなわち、突入防止用抵抗R1の開放故障時に、制御部207からのCPU指令として第2接点T2への接続が指示された
図3の状態S9では、第1電圧センサ202の検出電圧比率は1.00、第2電圧センサ203の検出電圧比率は0.50、つまり、
第1電圧センサ202の検出電圧×0.5≒第2電圧センサ203の検出電圧
となる。
【0040】
次に、突入防止用抵抗R1の開放故障時に、制御部207からのCPU指令として第1接点T1への接続が指示された
図3の状態S10は、正常時に制御部207からのCPU指令として第1接点T1への接続が指示された
図3の状態S2と同じである。
【0041】
以上の突入防止用抵抗R1の開放故障時の
図3の状態S9およびS10と、正常時の
図3の状態S1、S2を比較すると、
図3の状態S9に示されるように、リレー201の第2接点T2への接続が指示されたときの突入防止用抵抗R1の開放故障時状態S9と正常状態S1とで第2電圧センサ203の出力が異なることになる。これより、以下の判定5が採用できる。
<判定5>
リレー201の第2接点T2への接続が指示されたときに、
第1電圧センサ202の検出電圧×0.5≒第2電圧センサ203の検出電圧
であれば、突入防止用抵抗R1が開放故障を起こしている可能性がある。
【0042】
次に、抵抗R2の開放故障時(R2が電気的に切断された状態)を考える。抵抗R2の開放故障時に、制御部207からのCPU指令として第2接点T2への接続が指示された
図3の状態S11は、正常時の
図3の状態S1と同様に、リレー201は第2接点T2へ接続する。これにより、第1電圧センサ202側では、電源205からの電流は第2接点T2→R3の順で流れる。従って、第1電圧センサ202の検出電圧は、抵抗R3の両端に現れる電源205のAC入力電圧となり、比率1.00となる。一方、第2電圧センサ203側では、電源205からの電流はR1<<R2であるからR1→R4の順で流れる。前述した(1)式より、突入防止用抵抗R1の抵抗値は、抵抗R4の抵抗値よりも十分に小さい。従って、第2電圧センサ203の検出電圧は、約AC入力電圧Vinとなって、比率は約1.00となる。すなわち、抵抗R2の開放故障時にリレー201の第2接点T2への接続が指示された
図3の状態S11では、第1電圧センサ202の検出電圧比率は1.00、第2電圧センサ203の検出電圧比率は約1.00、つまり、
第1電圧センサ202の検出電圧≒第2電圧センサ203の検出電圧
となる。
【0043】
次に、抵抗R2の開放故障時に、制御部207からのCPU指令として第1接点T1への接続が指示された
図3の状態S13では、リレー201は第1接点T1へ接続する。これにより、第1電圧センサ202側では、電源205からの電流は抵抗R2が切断状態で抵抗R3には電流が流れずに電圧が印加されないため、検出電圧比率は0.00となる。また、第2電圧センサ203側では、電源205からの電流は第1接点T1→R4の順で流れる。従って、第2電圧センサ203の検出電圧は、抵抗R4の両端に直接現れる電源205のAC入力電圧Vinとなって、比率は1.00となる。すなわち、抵抗R2の開放故障時にリレー201の第1接点T1への接続が指示された
図3の状態S12では、第1電圧センサ202の検出電圧比率は0.00、第2電圧センサ203の検出電圧比率は1.00、つまり、
第1電圧センサ202の検出電圧<<第2電圧センサ203の検出電圧
となる。
【0044】
以上の抵抗R2の開放故障時状態S11およびS12と、正常状態S1、S2を比較すると、
図3の状態S12に示されるように、リレー201の第1接点T1への接続が指示されたときの抵抗R2の開放故障時状態S12と正常状態S2とで第1電圧センサ202の出力が異なることになる。これより、以下の判定6が採用できる。
<判定6>
リレー201の第1接点T1への接続が指示されたときに、
第1電圧センサ202の検出電圧<<第2電圧センサ203の検出電圧
であれば、抵抗R2が開放故障を起こしている可能性がある。
【0045】
次に、抵抗R3の開放故障時(R3が電気的に切断された状態)を考える。抵抗R3の開放故障時に、制御部207からのCPU指令として第2接点T2への接続が指示された
図3の状態S13では、リレー201は第2接点T2へ接続する。これにより、第1電圧センサ202側では、電源205からの電流は第2接点T2→R2→R4の順で流れ、R3へは流れない。従って、第1電圧センサ202の検出電圧は、電源205の両端子のAC入力電圧となり、比率1.00となる。一方、第2電圧センサ203側では、電源205からの電流はR1<<R2であるからR1→R4の順で流れる。前述した(1)式より、突入防止用抵抗R1の抵抗値は、抵抗R4の抵抗値よりも十分に小さい。従って、第2電圧センサ203の検出電圧は、約AC入力電圧Vinとなって、比率は約1.00となる。すなわち、抵抗R3の開放故障時にリレー201の第2接点T2への接続が指示された
図3の状態S13では、第1電圧センサ202の検出電圧比率は1.00、第2電圧センサ203の検出電圧比率は約1.00、つまり、
第1電圧センサ202の検出電圧≒第2電圧センサ203の検出電圧
となる。
【0046】
次に、抵抗R3の開放故障時に、制御部207からのCPU指令として第1接点T1への接続が指示された
図3の状態S14では、リレー201は第1接点T1へ接続する。これにより、第1電圧センサ202側では、電源205からの電流は抵抗R3が切断状態で抵抗R2には流れない。このため、第1電圧センサ202には、抵抗R2を介して電源205のAC入力電圧Vinがかかって、検出電圧比率は1.00となる。また、第2電圧センサ203側では、電源205からの電流は第1接点T1→R4の順で流れる。前述した(1)式より、突入防止用抵抗R1の抵抗値は、抵抗R4の抵抗値よりも十分に小さい。従って、第2電圧センサ203の検出電圧は、約AC入力電圧Vinとなって、比率は約1.00となる。すなわち、抵抗R3の開放故障時にリレー201の第1接点T1への接続が指示された
図3の状態S14では、第1電圧センサ202の検出電圧比率は1.00、第2電圧センサ203の検出電圧比率は約1.00、つまり、
第1電圧センサ202の検出電圧≒第2電圧センサ203の検出電圧
となる。
【0047】
以上の抵抗R3の開放故障時の
図3の状態S13およびS14と、正常時の
図3の状態S1、S2を比較すると、
図3の状態S14に示されるように、リレー201の第1接点T1への接続が指示されたときの抵抗R3の開放故障時の
図3の状態S14と正常時の
図3の状態S2とで第1電圧センサ202の出力が異なることになる。これより、以下の判定7が採用できる。
<判定7>
リレー201の第1接点T1への接続が指示されたときに、
第1電圧センサ202の検出電圧≒第2電圧センサ203の検出電圧
であれば、抵抗R3が開放故障を起こしている可能性がある。
【0048】
以上説明した判定1から7をまとめると以下のようになる。
<判定1>
リレー201の第2接点T2への接続が指示されたときに、
第1電圧センサ202の検出電圧≒第2電圧センサ203の検出電圧
であって、かつ、リレー201の第1接点T1への接続が指示されたときに、
第1電圧センサ202の検出電圧≒第2電圧センサ203の検出電圧×0.5
であれば、リレー201、抵抗R1、R2、R3は正常である。
<判定2および3>
リレー201の第2接点T2への接続が指示されたときに、
第1電圧センサ202の検出電圧≒第2電圧センサ203の検出電圧×0.5
であれば、リレー201が開放故障を起こしているまたはリレー201が第1接点T1への固着故障を起こしている。
<判定4および7>
リレー201の第1接点T1への接続が指示されたときに、
第1電圧センサ202の検出電圧≒第2電圧センサ203の検出電圧
であれば、リレー201が第2接点T2への固着故障を起こしているまたは抵抗R3が開放故障を起こしている。
【0049】
<判定5>
リレー201の第2接点T2への接続が指示されたときに、
第1電圧センサ202の検出電圧×0.5≒第2電圧センサ203の検出電圧
であれば、突入防止用抵抗R1が開放故障を起こしている。
<判定6>
リレー201の第1接点T1への接続が指示されたときに、
第1電圧センサ202の検出電圧<<第2電圧センサ203の検出電圧
であれば、抵抗R2が開放故障を起こしている。
【0050】
以上の判定処理により、
図2の制御部207からリレー201に対するCPU指令の状態と、第1電圧センサ202および第2電圧センサ203の各電圧検出状態とに基づいて、リレー201、抵抗R1、R2、またはR3の異常を検出可能となる。
【0051】
図4は、上述の判定処理に基づく故障検出処理を実行する
図2の制御部207の制御動作を示すフローチャートである。この制御動作は、制御部207内の特には図示しないプロセッサが特には図示しないメモリに記憶されたプログラムを実行する動作として実現される。また、この制御動作は例えば、
図2の電源205から負荷204への電力供給が開始される時点で実行される。以下の説明においては随時、
図2の構成部分と、
図4のステップ番号S1〜S15を参照するものとする。
【0052】
まず、初期条件として、制御部207からリレー201に対して、励磁が無い状態(第1接点T1および第2接点T2のいずれにも接続されていない開放状態)から、第2接点T2へ接続する状態へのCPU指令が発行される(ステップS1)(
図4中では「接点2」と表記している)。これにより、リレー201は、第2接点T2へ接続する。
【0053】
これにより、電源205からのAC電圧の印加が開始される(ステップS2)。
次に、第1電圧センサ202の検出電圧と第2電圧センサ203の検出電圧がほぼ等しいか否かが判定される(ステップS3)。
【0054】
ステップS3の判定がYESならば、制御部207からリレー201に対して、リレー201の第1接点T1への接続を指示するCPU指令が発効される(ステップS4)(
図4中では「接点1」と表記している)。
【0055】
続いて、第1電圧センサ202の検出電圧が第2電圧センサ203の検出電圧×0.5にほぼ等しいか否かが判定される(ステップS5)。
ステップS5の判定がYESならば、イニシャルチェックOKとして(ステップS6)、電源205から負荷204への電力供給が開始される。
【0056】
上述したS1→S2→S3の判定がYES→S4→S5の判定がYESという一連の制御処理によって、前述した<判定1>が実現され、リレー201、抵抗R1、R2、R3が正常であることが判定される。
【0057】
リレー201の第2接点T2への接続のCPU指令が出された状態で、第1電圧センサ202の検出電圧と第2電圧センサ203の検出電圧がほぼ等しくはなくステップS3の判定がNOのときには、第1電圧センサ202の検出電圧が第2電圧センサ203の検出電圧×0.5にほぼ等しいか否かが判定される(ステップS7)。
【0058】
ステップS7の判定がYESならば、リレー201が開放故障を起こしているまたはリレー201が第1接点T1への固着故障を起こしていると判定される(ステップS8)。
そして、イニシャルチェック異常として(ステップS15)、電源205から負荷204への電力供給が停止される。この場合には、車両において、リレー201が開放故障を起こしているまたはリレー201が第1接点T1への固着故障を起こしていることを示す適切な警告表示がなされることになる。
【0059】
上述したS1→S2→S3の判定がNO→S7の判定がYESという一連の制御処理によって、前述した<判定2および3>が実現され、リレー201が開放故障を起こしているまたはリレー201が第1接点T1への固着故障を起こしていることが検出される。
【0060】
リレー201の第1接点T1への接続のCPU指令が出された状態で、第1電圧センサ202の検出電圧が第2電圧センサ203の検出電圧×0.5にほぼ等しくはなくステップS5の判定がNOのときには、第1電圧センサ202の検出電圧が第2電圧センサ203の検出電圧にほぼ等しいか否かが判定される(ステップS9)。
【0061】
ステップS9の判定がYESならば、リレー201が第2接点T2への固着故障を起こしているまたは抵抗R3が開放故障を起こしていると判定される(ステップS10)。
そして、イニシャルチェック異常として(ステップS15)、電源205から負荷204への電力供給が停止される。この場合には、車両において、リレー201が第2接点T2への固着故障を起こしているまたは抵抗R3が開放故障を起こしていることを示す適切な警告表示がなされることになる。
【0062】
上述したS1→S2→S3の判定がYES→S4→S5の判定がNO→S9の判定がYESという一連の制御処理によって、前述した<判定4および7>が実現され、リレー201が第2接点T2への固着故障を起こしているまたは抵抗R3が開放故障を起こしていることが検出される。
【0063】
リレー201の第2接点T2への接続のCPU指令が出された状態で、ステップS3およびS7の各判定がともにNOならば、第1電圧センサ202の検出電圧×0.5が第2電圧センサ203の検出電圧にほぼ等しいか否かが判定される(ステップS11)。
【0064】
ステップS11の判定がYESならば、突入防止用抵抗R1が開放故障を起こしていると判定される(ステップS12)。
そして、イニシャルチェック異常として(ステップS15)、電源205から負荷204への電力供給が停止される。この場合には、車両において、突入防止用抵抗R1が開放故障を起こしていることを示す適切な警告表示がなされることになる。
【0065】
上述したS1→S2→S3の判定がNO→S7の判定がNO→S11の判定がYESという一連の制御処理によって、前述した<判定5>が実現され、突入防止用抵抗R1が開放故障を起こしていることが検出される。
【0066】
リレー201の第1接点T1への接続のCPU指令が出された状態で、ステップS5およびS9の各判定がともにNOならば、第1電圧センサ202の検出電圧が第2電圧センサ203の検出電圧よりも十分に小さいか否かが判定される(ステップS13)。
【0067】
ステップS13の判定がYESならば、抵抗R2が開放故障を起こしていると判定される(ステップS14)。
そして、イニシャルチェック異常として(ステップS15)、電源205から負荷204への電力供給が停止される。この場合には、車両において、抵抗R2が開放故障を起こしていることを示す適切な警告表示がなされることになる。
【0068】
上述したS1→S2→S3の判定がYES→S4→S5の判定がNO→S9の判定がNO→S13の判定がYESという一連の制御処理によって、前述した<判定6>が実現され、抵抗R2が開放故障を起こしていることが検出される。
【0069】
ステップS11またはS13の判定がNOであるときには、何らか(例えば抵抗値異常等)のイニシャルチェック異常として(ステップS15)、電源205から負荷204への電力供給が停止される。
【0070】
図2に示される第1の実施形態において、制御部207の上述した制御動作により、突入防止用抵抗R1の抵抗値が小さくても、リレー201、突入防止用抵抗R1、抵抗R2、抵抗R3の異常を適切に検出することが可能となる。
【0071】
図2に示される構成を有する第1の実施形態において、抵抗R4を省略した場合を考える。この場合には、突入防止用抵抗R1の開放故障時に、制御部207からのCPU指令として第2接点T2への接続が指示された
図3の状態S9において、第2電圧センサ203側では、次のような状態となる。電源205からの電流は第2接点T2→R2→負荷204の順で流れる。従って、第2電圧センサ203の検出電圧は、AC入力電圧=Vinとなって検出電圧比率は1.00となる。従って、
図3の状態S9およびS10は、正常時の状態S1およびS2とほぼ同じになって、突入防止用抵抗R1の開放故障を検出できない。しかしこの場合は、リレー201に対して開放のCPU指令を出したときに、突入防止用抵抗R1が切断状態であることで第2電圧センサ203側に電流が流れずに検出電圧比率が0.00になることにより、突入防止用抵抗R1の開放故障を検出することが可能となる。
【0072】
図5は、第2の実施形態である双方向インバータの回路構成図である。
図5において、
図2の実施形態と同じ機能を有する構成部分には
図2の場合と同じ参照番号を付してある。
図5の構成が
図2の構成と異なる点は、以下の点である。
【0073】
まず、第2リレー501および第3リレー502が、リレー201の第1接点T1側および突入防止用抵抗R1が接続されていない側の電源205の一出力端子206側と、電池504に接続されるPFC(Power Factor Control)/インバータ回路505の両端子側との間に備えられる。
【0074】
第2リレー501および第3リレー502は、電源205と外部出力用のコンセント506(コンセント部)を切り替えて、PFC/インバータ回路505に接続する。より具体的には、第2リレー501の接点T3がリレー201の第1接点T1に接続され、第2リレー501の接点T4がコンセント506の第1の端子に接続され、第2リレー501の入力端子がPFC/インバータ回路505の第1の端子に接続される。また、第3リレー502の接点T5が電源205のリレー201が接続される側の端子と反対側の端子に接続され、リレー201の接点T6がコンセント506の第2の端子に接続され、第3リレー502の入力端子がPFC/インバータ回路505の第2の端子に接続される。
【0075】
これにより、電源205からPFC/インバータ回路505を介して電池504に充電を行う充電動作、または電池504の出力をPFC/インバータ回路505を介してコンセント506へ供給する電力出力動作を切り替えて実行することができる。すなわち、
図3の回路構成は、双方向インバータ装置として動作する。
【0076】
電池504は、車両の特には図示しない走行用モータを駆動するための高電圧バッテリである。PFC/インバータ回路505は、電源205の系統電源電圧から電池504の高電圧への昇圧(充電動作時)または逆方向の降圧(電池504の電力の外部出力時)のインバータ動作を実行する。また、PFC/インバータ回路505は、充電動作時における整流後の高調波電流を正弦波電流波形にして、力率を改善する制御動作を実行する。
【0077】
図5の構成を有する双方向インバータ装置に関する第2の実施形態においても、
図2の構成を有する第1の実施形態の場合と同様の制御動作が実現される。すなわち、
図5において、制御部207は、リレー201の接続指示状態と第1電圧センサ202および第2電圧センサ203の各電圧検出状態とに基づいて、前述した第1の実施形態の場合と同様の制御動作によって、リレー201、突入防止用抵抗R1、抵抗R2、または抵抗R3の異常を検出することができる。
【0078】
第2の実施形態ではさらに、コンセント506の両端子間の電圧を検出する第3電圧センサ503(第3電圧センサ部)を備える。
そして、制御部207は、第2リレー501の各接点T3、T4および第3リレー502の各接点T5、T6の各接続指示状態と、第3電圧センサ503の電圧検出状態をさらに判定して、第2リレー501または第3リレー502の異常(開放故障または接点固着故障)をさらに検出することができる。
【0079】
例えば、第2リレー501の接点T3への固着故障、第3リレー502の接点T5への固着故障、あるいは第2リレー501または第3リレー502の開放故障は、制御部207が第2リレー501の接点T4への接続指令および第3リレー502の接点T6への接続指令を発行したときに、第3電圧センサ503が電圧を検出しないことを判定することで検出することができる。
【0080】
また例えば、第2リレー501の接点T4への固着故障、第3リレー502の接点T6への固着故障、あるいは第2リレー501または第3リレー502の開放故障は、制御部207が第2リレー501の接点T3への接続指令および第3リレー502の接点T5への接続指令を発行したときに、第3電圧センサ503が電圧を検出したままになること、または第2電圧センサ203が電圧を検出しないことを判定することで検出することができる。
【0081】
以上説明した第1および第2の実施形態により、車両の電池から走行用モータを駆動する回路、系統電源から車両の電池へ充電する回路、系統電源と車両の電池との間で双方向インバータ動作を行う回路等にて、突入防止用抵抗と、それとともに用いられるリレー等のスイッチ部の異常を検出することが可能となる。
【0082】
突入防止用抵抗R1に関しては、リレー201の開放故障に対して従来技術では突入防止用抵抗R1に温度ヒューズなどを入れ、最終的に開放させて終了させているが、第1または第2の実施形態により、突入防止用抵抗R1やリレー201の異常状態を最小構成で故障検知できるため、もっとも安全といえる。
【0083】
図6は、第3の実施形態である負荷駆動装置の回路構成図である。
図6において、
図2の実施形態と同じ機能を有する構成部分には
図2の場合と同じ符号を付している。
図6に示す負荷駆動装置が
図2に示す負荷駆動装置と異なる点は、以下の点である。
【0084】
抵抗R2(第2抵抗)の一方端がリレー201の入力端子T0に接続され、抵抗R2の他方端がリレー201の第2接点T2に接続されており、第1電圧センサ202が第2接点T2に印加される第1電圧V1を検出し、第2電圧センサ203がリレー201の第1接点T1に印加される第2電圧V2を検出する。また、電源205の電力の力率を改善するPFC回路601(力率改善回路)が負荷駆動装置の後段(負荷204側)に設けられている。
【0085】
また、
図2に示す負荷駆動装置と同様に、抵抗R2と抵抗R3(第3抵抗)が互いに直列接続されている。リレー201の入力端子T0と第1接点T1が接続すると、電源205の電力が負荷204に供給される。制御部207は、リレー201の動作を制御するとともに、第1電圧V1及び第2電圧V2を用いてリレー201、突入防止用抵抗R1(第1抵抗)、抵抗R2、又は抵抗R3などに発生する異常を判断する。
【0086】
また、突入防止用抵抗R1の抵抗値≪抵抗R2の抵抗値、抵抗R3の抵抗値、抵抗R4の抵抗値とする。突入防止用抵抗R1の抵抗値は、リレー201、突入防止用抵抗R1、抵抗R2、抵抗R3の何れにも異常が発生しておらず、かつ、リレー201の入力端子T0と第2接点T2が接続されているときに、第1電圧V1=第2電圧V2を満たすような値に設定されているものとする。抵抗R2の抵抗値及び抵抗R3の抵抗値は、リレー201、突入防止用抵抗R1、抵抗R2、抵抗R3の何れにも異常が発生しておらず、かつ、リレー201の入力端子T0と第1接点T1が接続されているとき、第1電圧V1×(抵抗R2の抵抗値+抵抗R3の抵抗値)/抵抗R3の抵抗値=第2電圧V2を満たすような値に設定されているものとする。抵抗R3の抵抗値/(抵抗R2の抵抗値+抵抗R3の抵抗値)の値が極小又は極大でないものとする。また、負荷204は車両の力率制御回路またはインバータ回路を含む電池であってもよい。また、電源205は、電池を充電するために車両の外部から車両の電池に充電電力を供給する系統電源であってもよい。
【0087】
図7(a)〜(e)は、それぞれ、PFC回路601の一例を示す図である。
図7(a)に示すPFC回路601は、全波整流用のブリッジ回路を備えないブリッジレスPFC回路であって、インダクタL1、L2と、スイッチSW1、SW2と、ダイオードD1、D2と、コンデンサC1とを備える。なお、スイッチSW1、SW2は、例えば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)とする。インダクタL1の一方端は抵抗R4の一方端に接続され、インダクタL1の他方端はダイオードD1のアノード端子及びスイッチSW1のドレイン端子に接続されている。インダクタL2の一方端は抵抗R4の他方端に接続され、インダクタL2の他方端はダイオードD2のアノード端子及びスイッチSW2のドレイン端子に接続されている。ダイオードD1のカソード端子及びダイオードD2のカソード端子は互いに接続されコンデンサC1の一方端に接続されている。スイッチSW1のソース端子及びスイッチSW2のソース端子は互いに接続されコンデンサC1の他方端に接続されている。
【0088】
例えば、電源205のプラス端子の電圧が電源205のマイナス端子の電圧よりも大きい場合、制御部207は、スイッチSW1を繰り返しオン、オフさせるとともに、スイッチSW2を常時オンさせる。スイッチSW1がオンのとき、電源205からインダクタL1、スイッチSW1、スイッチSW2、及びインダクタL2を介して電源205へ電流が流れる。スイッチSW1がオフのとき、電源205からインダクタL1及びダイオードD1を介して負荷204へ電流が流れ、負荷204からスイッチSW2及びインダクタL2を介して電源205へ電流が流れる。このとき、制御部207は、電源205の電力の力率が改善されるように、スイッチSW1のオン、オフを制御する制御信号のデューティ比を調整する。また、電源205のマイナス端子の電圧が電源205のプラス端子の電圧よりも大きい場合、制御部207は、スイッチSW2を繰り返しオン、オフさせるとともに、スイッチSW1を常時オンさせる。スイッチSW2がオンのとき、電源205からインダクタL2、スイッチSW2、スイッチSW1、及びインダクタL1を介して電源205へ電流が流れる。スイッチSW2がオフのとき、電源205からインダクタL2及びダイオードD2を介して負荷204へ電流が流れ、負荷204からスイッチSW1及びインダクタL1を介して電源205へ電流が流れる。このとき、制御部207は、電源205の電力の力率が改善されるように、スイッチSW2のオン、オフを制御する制御信号のデューティ比を調整する。
【0089】
図7(b)に示すPFC回路601は、全波整流用のブリッジ回路を備えないブリッジレスPFC回路であって、インダクタL3と、スイッチSW3、SW4と、ダイオードD3、D4と、コンデンサC2とを備える。なお、スイッチSW3、SW4は、例えば、MOSFETとする。インダクタL3の一方端は抵抗R4の一方端に接続され、インダクタL3の他方端はスイッチSW3のドレイン端子及びスイッチSW2のソース端子に接続されている。ダイオードD3のカソード端子はスイッチSW4のドレイン端子及びコンデンサC2の一方端に接続され、ダイオードD3のアノード端子は抵抗R4の他方端及びダイオードD4のカソード端子に接続されている。ダイオードD4のアノード端子はスイッチSW3のソース端子及びコンデンサC2の他方端に接続されている。
【0090】
例えば、電源205のプラス端子の電圧が電源205のマイナス端子の電圧よりも大きい場合、制御部207は、スイッチSW3をオン、スイッチSW4をオフさせた後、スイッチSW3をオフ、スイッチSW4をオンさせることを繰り返す。スイッチSW3がオン、スイッチSW4がオフのとき、電源205からインダクタL3、スイッチSW3、ダイオードD4を介して電源205へ流れる。スイッチSW3がオフ、スイッチSW4がオンのとき、電源205からインダクタL3及びスイッチSW4を介して負荷204へ電流が流れ、負荷204からダイオードD4を介して電源205へ電流が流れる。このとき、制御部207は、電源205の電力の力率が改善されるように、スイッチSW3、SW4のオン、オフを制御する制御信号のデューティ比を調整する。また、電源205のマイナス端子の電圧が電源205のプラス端子の電圧よりも大きい場合、制御部207は、スイッチSW3を常時オンさせるとともに、スイッチSW4を常時オフさせる。このとき、電源205からダイオードD3を介して負荷204へ電流が流れ、負荷204からスイッチSW3及びインダクタL3を介して電源205へ電流が流れる。
【0091】
図7(c)に示すPFC回路601は、全波整流用のブリッジ回路を備えないブリッジレスインターリーブPFC回路であって、インダクタL4、L5と、スイッチSW5〜SW8と、ダイオードD5、D6と、コンデンサC3とを備える。なお、スイッチSW5〜SW8は、例えば、MOSFETとする。インダクタL4の一方端及びインダクタL5の一方端は互いに接続され抵抗R4の一方端に接続されている。インダクタL4の他方端はスイッチSW5のドレイン端子及びスイッチSW6のソース端子に接続され、インダクタL5の他方端はスイッチSW7のドレイン端子及びスイッチSW8のソース端子に接続されている。ダイオードD5のカソード端子はスイッチSW6のドレイン端子、スイッチSW8のドレイン端子、及びコンデンサC3の一方端に接続され、ダイオードD5のアノード端子は抵抗R4の他方端及びダイオードD6のカソード端子に接続されている。ダイオードD6のアノード端子はスイッチSW5のソース端子、スイッチSW7のソース端子、及びコンデンサC3の他方端に接続されている。
【0092】
例えば、電源205のプラス端子の電圧が電源205のマイナス端子の電圧よりも大きい場合、制御部207は、スイッチSW5をオン、スイッチSW6をオフ、スイッチSW7をオフ、スイッチSW8をオンさせた後、スイッチSW5をオフ、スイッチSW6をオン、スイッチSW7をオン、スイッチSW8をオフさせることを繰り返す。スイッチSW5、SW8がオンのとき、電源205からインダクタL4、スイッチSW5、ダイオードD6を介して電源205へ電流が流れるとともに、電源205からインダクタL5及びスイッチSW8を介して負荷204へ電流が流れ、負荷204からダイオードD6を介して電源205へ電流が流れる。スイッチSW6、SW7がオンのとき、インダクタL5、スイッチSW7、及びダイオードD6を介して電源205へ電流が流れるとともに、電源205からインダクタL4及びスイッチSW6を介して負荷204へ電流が流れ、負荷204からダイオードD6を介して電源205へ電流が流れる。このとき、制御部207は、電源205の電力の力率が改善されるように、スイッチSW5〜SW8のオン、オフを制御する制御信号のデューティ比を調整する。また、電源205のマイナス端子の電圧が電源205のプラス端子の電圧よりも大きい場合、制御部207は、スイッチSW5、SW7を常時オンさせるとともに、スイッチSW6、SW8を常時オフさせる。このとき、電源205からダイオードD5を介して負荷204へ電流が流れ、負荷204からスイッチSW5、SW7及びインダクタL4、L5を介して電源205へ電流が流れる。
【0093】
図7(d)に示すPFC回路601は、ダイオードD7〜D10からなる全波整流回路と、インダクタL6と、スイッチSW9と、ダイオードD11と、コンデンサC4とを備える。なお、スイッチSW9は、例えば、MOSFETとする。ダイオードD7のアノード端子は抵抗R4の一方端及びダイオードD8のカソード端子に接続され、ダイオードD7のカソード端子はダイオードD9のカソード端子及びインダクタL6の一方端に接続されている。インダクタL6の他方端はスイッチSW9のドレイン端子及びダイオードD11のアノード端子に接続されている。ダイオードD11のカソード端子はコンデンサC4の一方端に接続されている。ダイオードD9のアノード端子は抵抗R4の他方端及びダイオードD10のカソード端子に接続されている。ダイオードD10のアノード端子はダイオードD8のアノード端子、スイッチSW9のソース端子、及びコンデンサC4の他方端に接続されている。
【0094】
電源205のプラス端子の電圧が電源205のマイナス端子の電圧よりも大きい場合、制御部207は、スイッチSW9を繰り返しオン、オフさせる。スイッチSW9がオンのとき、電源205からダイオードD7、インダクタL6、スイッチSW9、及びダイオードD10を介して電源205へ電流が流れ、スイッチSW9がオフのとき、電源205からダイオードD7、インダクタL6、及びダイオードD11を介して負荷204へ電流が流れ、負荷204からダイオードD10を介して電源205へ電流が流れる。また、電源205のマイナス端子の電圧が電源205のプラス端子の電圧よりも大きい場合も、制御部207は、スイッチSW9を繰り返しオン、オフさせる。スイッチSW9がオンのとき、電源205からダイオードD9、インダクタL6、スイッチSW9、及びダイオードD8を介して電源205へ電流が流れ、スイッチSW9がオフのとき、電源205からダイオードD9、インダクタL6、及びダイオードD11を介して負荷204へ電流が流れ、負荷204からダイオードD8を介して電源205へ電流が流れる。このとき、制御部207は、電源205の電力の力率が改善されるように、スイッチSW9のオン、オフを制御する制御信号のデューティ比を調整する。
【0095】
図7(e)に示すPFC回路601は、インタリーブPFC回路であって、ダイオードD12〜D15からなる全波整流回路と、インダクタL7、L8と、スイッチSW10、SW11と、ダイオードD16、D17と、コンデンサC5とを備える。なお、スイッチSW10、SW11は、例えば、MOSFETとする。ダイオードD12のアノード端子は抵抗R4の一方端及びダイオードD13のカソード端子に接続され、ダイオードD12のカソード端子はダイオードD14のカソード端子、インダクタL7の一方端、及びインダクタL8の一方端に接続されている。インダクタL7の他方端はスイッチSW10のドレイン端子及びダイオードD16のアノード端子に接続され、インダクタL8の他方端はスイッチSW11のドレイン端子及びダイオードD17のアノード端子に接続されている。ダイオードD16のカソード端子はダイオードD17のカソード端子及びコンデンサC5の一方端に接続されている。ダイオードD14のアノード端子は抵抗R4の他方端及びダイオードD15のカソード端子に接続されている。ダイオードD15のアノード端子はダイオードD13のアノード端子、スイッチSW10のソース端子、スイッチSW11のソース端子、及びコンデンサC5の他方端に接続されている。
【0096】
電源205のプラス端子の電圧が電源205のマイナス端子の電圧よりも大きい場合、制御部207は、スイッチSW10をオン、スイッチSW11をオフさせた後、スイッチSW10をオフ、スイッチSW11をオンさせることを繰り返す。スイッチSW10がオン、スイッチSW11がオフのとき、電源205からダイオードD12、インダクタL7、スイッチSW10、及びダイオードD15を介して電源205へ電流が流れるとともに、電源205からダイオードD12、インダクタL8、及びダイオードD17を介して負荷204へ電流が流れ、負荷204からダイオードD15を介して電源205へ電流が流れる。スイッチSW10がオフ、スイッチSW11がオンのとき、電源205からダイオードD12、インダクタL8、スイッチSW11、及びダイオードD15を介して電源205へ電流が流れるとともに、電源205からダイオードD12、インダクタL7、及びダイオードD16を介して負荷204へ電流が流れ、負荷204からダイオードD15を介して電源205へ電流が流れる。このとき、制御部207は、電源205の電力の力率が改善されるように、スイッチSW10、SW11のオン、オフを制御する制御信号のデューティ比を調整する。また、電源205のマイナス端子の電圧が電源205のプラス端子の電圧よりも大きい場合も、制御部207は、スイッチSW10をオン、スイッチSW11をオフさせた後、スイッチSW10をオフ、スイッチSW11をオンさせることを繰り返す。スイッチSW10がオン、スイッチSW11がオフのとき、電源205からダイオードD14、インダクタL7、スイッチSW10、及びダイオードD13を介して電源205へ電流が流れるとともに、電源205からダイオードD14、インダクタL8、及びダイオードD17を介して負荷204へ電流が流れ、負荷204からダイオードD13を介して電源205へ電流が流れる。スイッチSW10がオフ、スイッチSW11がオンのとき、電源205からダイオードD14、インダクタL8、スイッチSW11、及びダイオードD13を介して電源205へ電流が流れるとともに、電源205からダイオードD14、インダクタL7、及びダイオードD16を介して負荷204へ電流が流れ、負荷204からダイオードD13を介して電源205へ電流が流れる。このとき、制御部207は、電源205の電力の力率が改善されるように、スイッチSW10、SW11のオン、オフを制御する制御信号のデューティ比を調整する。
【0097】
図8は、
図6に示す制御部207の異常判断処理を示すフローチャートである。この異常判断処理は、例えば、制御部207内のプロセッサがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより実現される。また、この異常判断処理は、例えば、電源205から負荷204への電力供給が開始される時点で実行される。
【0098】
まず、制御部207は、入力端子T0と第2接点T2が接続されるようにリレー201の動作制御を行う(ステップS81)。なお、リレー201は、異常判断処理が実行される前、入力端子T0が第1接点T1にも第2接点T2にも接続されていない開放状態になっているものとする。
【0099】
次に、制御部207は、第1電圧センサ202により検出される第1電圧V1と第2電圧センサ203により検出される第2電圧V2が等しいか否かを判断する(ステップS82)。
【0100】
次に、制御部207は、第1電圧V1と第2電圧V2が等しくないと判断すると(ステップS82:No)、第1電圧V1×(抵抗R2の抵抗値+抵抗R3の抵抗値)/抵抗R3の抵抗値と第2電圧V2が等しいか否かを判断する(ステップS83)。
【0101】
次に、制御部207は、第1電圧V1×(抵抗R2の抵抗値+抵抗R3の抵抗値)/抵抗R3の抵抗値と第2電圧V2が等しいと判断すると(ステップS83:Yes)、リレー201が常に開放状態になっている異常、又は、入力端子T0と第1接点T1が常に接続されている異常(第1接点T1固着異常)が発生していると判断し(ステップS84)、異常判断処理を終了する。リレー201が常に開放状態になっている場合、第1接点T1には、突入防止用抵抗R1により電圧降下した電源205の電圧が印加され、第2接点T2には、抵抗R2、R3により分圧された電源205の電圧のうち抵抗R3の両端電圧が印加される。この場合、突入防止抵抗R1による電圧降下分は非常に小さいため、第1接点T1には、電源205の電圧とほぼ等しい電圧が印加される。このときの第1電圧V1と第2電圧V2は、入力端子T0と第1接点T1が接続されている場合と同様に、第1電圧V1×(抵抗R2の抵抗値+抵抗R3の抵抗値)/抵抗R3の抵抗値=第2電圧V2を満たすような値になる。これにより、制御部207は、入力端子T0と第2接点T2が接続されるようにリレー201の動作制御を行っているとき、第1電圧V1×(抵抗R2の抵抗値+抵抗R3の抵抗値)/抵抗R3の抵抗値が第2電圧V2と等しい場合、リレー201が常に開放状態になっている異常、又は、入力端子T0と第1接点T1が常に接続されている異常が発生していると判断することができる。なお、このステップS84において、電源205から負荷204への電力供給が停止されるとともに、リレー201が常に開放状態になっている異常、又は、入力端子T0と第1接点T1が常に接続されている異常が発生している旨がユーザに報知されてもよい。
【0102】
また、制御部207は、第1電圧V1×(抵抗R2の抵抗値+抵抗R3の抵抗値)/抵抗R3の抵抗値と第2電圧V2が等しくないと判断すると(ステップS83:No)、第1電圧V1が第2電圧V2よりも大きいか否かを判断する(ステップS85)。
【0103】
次に、制御部207は、第1電圧V1が第2電圧V2よりも大きいと判断すると(ステップS85:Yes)、突入防止用抵抗R1が開放(断線)している異常が発生していると判断し(ステップS86)、異常判断処理を終了する。入力端子T0と第2接点T2が接続されているときに、突入防止用抵抗R1が開放している場合、第1接点T1には、電圧が印加されず、第2接点T2には、電源205の電圧が印加される。これにより、制御部207は、入力端子T0と第2接点T2が接続されるようにリレー201の動作制御を行っているとき、第1電圧V1が第2電圧V2よりも大きい場合、突入防止用抵抗R1が開放している異常が発生していると判断することができる。なお、このステップS86において、電源205から負荷204への電力供給が停止されるとともに、突入防止用抵抗R1が開放している異常が発生している旨がユーザに報知されてもよい。
【0104】
また、制御部207は、電圧V1が電圧V2よりも大きくないと判断すると(ステップS85:No)、第1電圧センサ202及び第2電圧センサ203の少なくとも1つが故障していると判断し(ステップS87)、異常判断処理を終了する。
【0105】
また、制御部207は、第1電圧V1と第2電圧V2が等しいと判断すると(ステップS82:Yes)、入力端子T0が第2接点T2から第1接点T1に接続されるようにリレー201の動作制御を行う(ステップS88)。
【0106】
次に、制御部207は、第1電圧V1×(抵抗R2の抵抗値+抵抗R3の抵抗値)/抵抗R3の抵抗値と第2電圧V2が等しいか否かを判断する(ステップS89)。
次に、制御部207は、第1電圧V1×(抵抗R2の抵抗値+抵抗R3の抵抗値)/抵抗R3の抵抗値と第2電圧V2が等しくないと判断すると(ステップS89:No)、第1電圧V1と第2電圧V2が等しい又はほぼ等しいか否かを判断する(ステップS90)。
【0107】
次に、制御部207は、第1電圧V1と第2電圧V2が等しい又はほぼ等しいと判断すると(ステップS90:Yes)、入力端子T0と第2接点T2が常に接続されている異常(第2接点T2固着異常)、抵抗R2が短絡している異常、又は、抵抗R3が開放(断線)している異常が発生していると判断し(ステップS91)、異常判断処理を終了する。入力端子T0と第1接点T1が接続されているときに、抵抗R2が短絡している場合、第1接点T1には、電源205の電圧が印加され、第2接点T2にも、電源205の電圧が印加される。これにより、制御部207は、入力端子T0と第1接点T1が接続されるようにリレー201の動作制御を行っているとき、第1電圧V1と第2電圧V2が等しい場合、抵抗R2が短絡している異常が発生していると判断することができる。また、入力端子T0と第1接点T1が接続されているときに、抵抗R3が開放している場合、第1接点T1には、電源205の電圧が印加され、第2接点T2には、抵抗R2により電圧降下した電源205の電圧が印加される。このときの第1電圧V1と第2電圧V2は、リレー201の入力端子T0と第2接点T2が接続されている場合と同様である。これにより、制御部207は、入力端子T0と第1接点T1が接続されるようにリレー201の動作制御を行っているとき、第1電圧V1と第2電圧V2がほぼ等しい場合、リレー201の入力端子T0と第2接点T2が常に接続されている異常、又は、抵抗R3が開放している異常が発生していると判断することができる。なお、このステップS91において、電源205から負荷204への電力供給が停止されるとともに、入力端子T0と第2接点T2が常に接続されている異常、抵抗R2が短絡している異常、又は、抵抗R3が開放している異常が発生している旨がユーザに報知されてもよい。
【0108】
また、制御部207は、第1電圧V1と第2電圧V2が等しくないと判断すると(ステップS90:No)、第1電圧V1が第2電圧V2よりも小さいか否かを判断する(ステップS92)。
【0109】
次に、制御部207は、第1電圧V1が第2電圧V2よりも小さいと判断すると(ステップS92:Yes)、抵抗R2が開放(断線)している異常、又は、抵抗R3が短絡している異常が発生していると判断し(ステップS93)、異常判断処理を終了する。入力端子T0と第1接点T1が接続されているときに、抵抗R2が開放している場合、第1接点T1には、突入防止用抵抗R1により電圧降下した電源205の電圧が印加され、抵抗R3(第2接点T2)には、電圧が印加されない。また、入力端子T0と第1接点T1が接続されているときに、抵抗R3が短絡している場合も、第1接点T1には、突入防止用抵抗R1により電圧降下した電源205の電圧が印加され、第2接点T2には、電圧が印加されない。すなわち、第1電圧V1<第2電圧V2となる。これにより、制御部207は、入力端子T0と第1接点T1が接続されるようにリレー201の動作制御を行っているとき、第1電圧V1が第2電圧V2よりも小さい場合、抵抗R2が開放している異常、又は、抵抗R3が短絡している異常が発生していると判断することができる。なお、このステップS93において、電源205から負荷204への電力供給が停止されるとともに、抵抗R2が開放している異常、又は、抵抗R3が短絡している異常が発生している旨がユーザに報知されてもよい。
【0110】
また、制御部207は、第1電圧V1が第2電圧V2よりも小さくないと判断すると(ステップS92:No)、第1電圧センサ202及び第2電圧センサ203の少なくとも1つが故障していると判断し(ステップS87)、異常判断処理を終了する。
【0111】
また、制御部207は、第1電圧V1×(抵抗R2の抵抗値+抵抗R3の抵抗値)/抵抗R3の抵抗値と第2電圧V2が等しいと判断すると(ステップS89:Yes)、PFC回路601の動作制御を開始し(ステップS94)、再び、第1電圧V1×(抵抗R2の抵抗値+抵抗R3の抵抗値)/抵抗R3の抵抗値と第2電圧V2が等しいか否かを判断する(ステップS95)。
【0112】
次に、制御部207は、第1電圧V1×(抵抗R2の抵抗値+抵抗R3の抵抗値)/抵抗R3の抵抗値と第2電圧V2が等しくないと判断すると(ステップS95:No)、第1電圧V1×(抵抗R2の抵抗値+抵抗R3の抵抗値)/抵抗R3の抵抗値が第2電圧V2よりも大きいか否かを判断する(ステップS96)。
【0113】
次に、制御部207は、第1電圧V1×(抵抗R2の抵抗値+抵抗R3の抵抗値)/抵抗R3の抵抗値が第2電圧V2よりも大きいと判断すると(ステップS96:Yes)、入力端子T0と第2接点T2が常に接続している異常(第2接点T2固着異常)、第1接点T1の抵抗値が増加している異常、又は、リレー201と第2電圧センサ203との間で断線異常が発生していると判断し(ステップS97)、異常判断処理を終了する。入力端子T0と第2接点T2が常に接続している場合、第1接点T1には、突入防止用抵抗R1により電圧降下した電源205の電圧が印加され、第2接点T2には、電源205の電圧が印加されるため、上述したように、第1電圧V1と第2電圧V2はほぼ等しくなる。そのため、第1電圧V1×(抵抗R2の抵抗値+抵抗R3の抵抗値)/抵抗R3の抵抗値は、第2電圧V2よりも大きくなる。また、入力端子T0と第1接点T1が接続されているときに、第1接点T1の抵抗値が増加している場合、第1接点T1に印加される電源205の電圧降下分が増大し、第2電圧V2が小さくなる。このとき、第2接点T2には、抵抗R2、R3により分圧された電源205の電圧のうち抵抗R3の両端電圧が印加される。そのため、第1電圧V1×(抵抗R2の抵抗値+抵抗R3の抵抗値)/抵抗R3の抵抗値は、第2電圧V2よりも大きくなる。また、入力端子T0と第1接点T1が接続されているときに、リレー201と第2電圧センサ203との間で断線している場合、第1接点T1には、電圧が印加されず、第2接点T2には、抵抗R2、R3により分圧された電源205の電圧のうち抵抗R3の両端電圧が印加される。そのため、第1電圧V1×(抵抗R2の抵抗値+抵抗R3の抵抗値)/抵抗R3の抵抗値は、第2電圧V2よりも大きくなる。これにより、制御部207は、入力端子T0と第1接点T1が接続されるようにリレー201の動作制御を行いつつ、PFC回路の動作制御を行っているとき、第1電圧V1×(抵抗R2の抵抗値+抵抗R3の抵抗値)/抵抗R3の抵抗値が第2電圧V2よりも大きい場合、入力端子T0と第2接点T2が常に接続している異常、第1接点T1の抵抗値が増加している異常、又は、リレー201と第2電圧センサ203との間で断線異常が発生していると判断することができる。なお、このステップS97において、電源205から負荷204への電力供給が停止されるとともに、リレー201の入力端子T0と第2接点T2が常に接続している異常、第1接点T1の抵抗値が増加している異常、又は、リレー201と第2電圧センサ203との間で断線異常が発生している旨がユーザに報知されてもよい。
【0114】
また、制御部207は、第1電圧V1×(抵抗R2の抵抗値+抵抗R3の抵抗値)/抵抗R3の抵抗値が第2電圧V2よりも大きくないと判断すると(ステップS96:No)、第1電圧センサ202及び第2電圧センサ203の少なくとも1つが故障していると判断し(ステップS87)、異常判断処理を終了する。なお、このステップS87において、電源205から負荷204への電力供給が停止されるとともに、第1電圧センサ202が故障している旨がユーザに報知されてもよい。
【0115】
また、制御部207は、第1電圧V1×(抵抗R2の抵抗値+抵抗R3の抵抗値)/抵抗R3の抵抗値と第2電圧V2が等しいと判断すると(ステップS95:Yes)、リレー201、抵抗R2、抵抗R3に異常が発生していないと判断し、リレー201やPFC回路601の動作制御を継続して行う(ステップS99)。
【0116】
このように第3の実施形態の負荷駆動装置においても、
図8に示す制御部207の制御動作により、突入防止用抵抗R1の抵抗値が小さくても、リレー201、突入防止用抵抗R1、抵抗R2、抵抗R3の異常などを適切に検出することが可能となる。