(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ブラケット体は、前記前側壁部材と、前記外側壁部材と、前記後側壁部材とが一体に連結されたアウターブラケットと、前記外側壁部材の外側面に対して一体に固定されるとともに前記外側壁部材とともに前記アームレストを回転自在に支持する補強部材を含む請求項1に記載のアームレスト取付構造。
前記外側壁部材の前記フレーム材と対向する内側面と、前記フレーム材間の空間域には、前記貫通ボルトの締め付け時に、前記フレーム材の塑性変形を防止する塑性変形防止部材が配置されている請求項6に記載のアームレスト取付構造。
前記ブラケット体の前記前側壁部材と前記後側壁部材は、前記貫通ボルトの締め付け以前には、前記フレーム材との間に間隙を有するように配置され、前記貫通ボルトと前記ナットによる締め付け時に、前記塑性変形防止部材は、前記前側壁部材と前記後側壁部材の弾力に抗して前記間隙が少なくともなくなるまで変位を許容している請求項7に記載のアームレスト取付構造。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施形態:第1、第2、及び第5実施形態のサポート)
以下、車両用シートにアームレストを後付けする場合のアームレスト取付構造の一実施形態を
図1〜
図6を参照して説明する。なお、本明細書において、前後左右の方向は車両用シート10に着座する乗員を基準としている。
【0019】
まず、車両用シートについて説明する。車両用シート10は、着座部10A、シートバック10B、及び左右一対のアームレスト20を備える。着座部10A内には図示しない着座フレームが設けられ、該着座フレームの左右後端には、前記シートバック10Bを支持する左右一対のバックフレーム30が図示しないリクライニング機構を介して連結されている。フレーム材としてのバックフレーム30は、金属製のパイプ材からなり、すなわち、円管状に形成され、上下方向、すなわち、バックフレーム30は鉛直方向に延出されている。前記着座フレームの外側には、クッション及び表皮が設けられて、着座部10Aが構成される。
【0020】
次に、本実施形態のアームレスト取付構造について説明する。
本実施形態のアームレスト取付構造は、アームレスト20が、インナーブラケット40及びアウターブラケット50を介して前記バックフレーム30に取り付けられているところが特徴的な構成である。
【0021】
インナーブラケット40及びアウターブラケット50によりブラケット体100が構成されている。
なお、左側のアームレスト20を各バックフレーム30に対する取付けのための各部材と、右側のアームレスト20を各バックフレーム30に対する取付けのための各部材とは、左右方向が逆になっているだけが異なる構成である。このため、左側のバックフレーム30に取り付けられたアームレスト20の取付構造については説明を省略する。以下では、車両用シート10の右側のバックフレーム30に取り付けられたアームレスト20の取付構造について説明する。このため、右側のバックフレーム30に取り付けられたアームレスト20の取付構造の説明では、右方は、バックフレーム30の外方に相当し、左方はバックフレーム30の内方に相当する。なお、因みに前記左側のアームレスト20を各バックフレーム30の取付構造では、右方は、バックフレーム30の内方に相当し、左方はバックフレーム30の外方に相当することになる。
【0022】
図5に示すようにインナーブラケット40は、金属材質からなり、互いに平行に配置された一対の側壁41、42及び両側壁41,42を連結する側壁43とにより断面コ字状に形成されている。本実施形態では、側壁41,42及び側壁43は平板状に形成されている。側壁41、42は後述するスペーサ74を介して、バックフレーム30に当接されるとともに側壁43はバックフレーム30に直接当接又は近接配置されている。
【0023】
インナーブラケット40が断面コ字状に形成されていることにより、側壁43はバックフレーム30の内方向側(左方)を覆うようにされ、側壁41は、バックフレーム30後方側を覆うようされ、側壁42はバックフレーム30の前方向側を覆うようにされている。
【0024】
側壁41は、第1重合側壁部材に相当する。
なお、インナーブラケット40の断面形状は断面コ字状に限定するものではなく、例えば側壁43の幅方向を湾曲してバックフレーム30の周面内方側に当接して沿うように断面U字状にしても前記断面コ字状に形成されている場合と同様に、バックフレーム30を覆うことが可能である。
図2、
図4及び
図5に示すようにインナーブラケット40の側壁42の下部には、側壁43と平行に又は略平行に連結片44が前方へ突出するように折り曲げられている。
【0025】
図5に示すようにインナーブラケット40の両側壁41、42には一対の取付孔41a,42a及び取付孔41b,42bがそれぞれ同軸となるように貫通されている。
図2及び
図4に示すように、インナーブラケット40は、バックフレーム30を前後から両側壁41、42で挟むようにして配置され、前記同軸の取付孔41a,42a及び取付孔41b,42b、並びにバックフレーム30に形成された貫通孔32に挿入した複数の貫通ボルト70とナット72により締め付け固定されている。
【0026】
貫通孔32は、メーカー側で予め穿孔しておいてもよく、または、販売店側でアームレストの後付け時に穿孔してもよい。
なお、
図4において、側壁41とバックフレーム30間、及び側壁42とバックフレーム30間にはスペーサ74がそれぞれ介在配置されている。本実施形態では、貫通ボルト70及びナット72は、それぞれ2個使用しているが、バックフレーム30が円管状に形成されている場合は、3個以上にし、それに応じて前記取付孔の数を増やしても良い。
【0027】
図6に示すように、アウターブラケット50は金属材質からなり、アームレスト20を支持する平板状の支持側壁51と前記支持側壁51に連結されてバックフレーム30(バックフレーム30)に取り付けられた平板状の側壁52とから断面L字状に形成されている。前記支持側壁51は、バックフレーム30の外方向側を覆うように配置されている。本実施形態では、支持側壁51は外側壁部材に相当し、側壁52は後側壁部材に相当し、側壁42は前側壁部材に相当する。
【0028】
前記側壁52は、インナーブラケット40の取付孔41a,41bと合致する取付孔52a,52bが貫通形成されている。アウターブラケット50は、側壁52が前記インナーブラケット40の側壁41の外面に配置された状態で、取付孔52a,52bに対してバックフレーム30の後方からそれぞれ挿通された一対の前記貫通ボルト70及びナット72により、締め付けられている。すなわち、インナーブラケット40の側壁41,42及びアウターブラケット50の側壁52は、前記貫通ボルト70とナット72により、バックフレーム30に対して共締めされて固定されている。
【0029】
図6に示すように支持側壁51の下端からは前方に突出形成された連結片54が設けられている。
図4に示すようにインナーブラケット40の連結片44と重ね合った状態で連結片54に溶着固定されたボルト85及びボルト85に螺合されたナット86により、両連結片44,54が相互に締結されている。ボルト85及びナット86は締結部材に相当する。
【0030】
両連結片44、54が連結されるとともに、前記貫通ボルト70及びナット72により、インナーブラケット40、アウターブラケット50がバックフレーム30に対して共締め固定されることにより、
図4に示すように、両ブラケットは、両連結片44、54で断面視すると環状となる。
【0031】
図3に示すようにアウターブラケット50の支持側壁51には、前記アームレスト20が取り付けられている。すなわち、支持側壁51には、軸孔51aが透設され、後述するアームレスト20から突出した軸80の先端が貫通されて取付けられている。
【0032】
次に、アームレスト側の構成について説明する。
図1に示すように、アームレスト20は細長く形成されており、内部にアームレストフレーム21を有するとともにアームレストフレーム21の外側には、図示しないクッション及び表皮フレーム22が設けられている。アームレストフレーム21は、
図4に示すように基端を除く部位は、長手方向に延びる一対の側壁23,24が一対の連結壁25,26により連結されて略平行に配置されている。前記側壁24は、側壁23よりもバックフレーム30側に配置されている。
【0033】
図3に示すようにアームレストフレーム21の基端は、平行に配置された側壁23,24が前記連結壁25にて連結されて断面コ字状に形成されている。
アームレストフレーム21の基端の側壁23,24には、貫通孔23a,24aが同軸となるように左右方向に貫通して形成されている。貫通孔23aは、貫通孔24aよりも小径に形成されている。前記貫通孔24aには、規制管27がバックフレーム30側から挿入されて、側壁23の内面に係止されている。規制管27は、前記側壁24をバックフレーム30側に突出する突出部27aを有する。前記支持側壁51と表皮フレーム22との間に介在するように、突出部27aにはリング状のスペーサ28が嵌合されている。スペーサ28は、潤滑油を含浸した含浸メタルにより形成されている。
【0034】
規制管27の突出部27aの先端は、バックフレーム30に取り付けられたアウターブラケット50の支持側壁51の軸孔51aに嵌合されている。
図3に示すように、アームレストフレーム21の側壁23側からはボルトからなる軸80が貫通孔23a及び規制管27を貫通して、アウターブラケット50の支持側壁51から突出され、その先端にはナット82が規制管27の端部に当接係止するまで螺合されている。すなわち、ナット82は、軸80に対する螺合量が前記規制管27により規制されている。この規制管27によるナット82の規制により、アームレスト20は支持側壁51に対して回転自在に支持されている。
【0035】
図6に示すように、支持側壁51の上面は、略1/4円弧のガイド面51bが形成されている。ガイド面51bの曲率中心は、軸孔51aを中心と同軸となるようにしている。ガイド面51bの上端部にはストッパ面51cが形成され、連結片54の上面にはストッパ面54aが設けられている。
【0036】
図2に示すように、表皮フレーム22のバックフレーム30側の側面には、前記ガイド面51bにガイドされる突部22aが形成されている。
アームレスト20は、ストッパ面54a,51c間の範囲で回転自在にされている。そして、突部22aが前記ガイド面51bによりガイドされて、ストッパ面54aに係止すると、アームレスト20はシートバック10Bから前方に向けて延びる姿勢となり、突部22aがストッパ面51cに係止すると、アームレスト20は上方に向けて延びる姿勢となる。
【0037】
図2に示すように、支持側壁51において、ストッパ面51cよりも後部側には有弾性の覆い片51dが取付固定されており、ストッパ面51cに当接した突部22aをガイド面51bと協働して弾性的に挟持可能である。また、覆い片51dは、突部22aがストッパ面51cに付近に移動してきた場合、突部22aを上方から覆うことにより、人の指が突部22aとストッパ面51c間での挟まれ防止機能を有する。なお、人の指の突部22aとストッパ面51c間での挟まれ防止機能のみを果たすために、覆い片をストッパ面51cを上方から単に覆うように配置してもよい。
【0038】
図1、
図3、
図4に示すように、カバー90が、インナーブラケット40及びアウターブラケット50をアームレスト20の反対側から覆うように配置されている。カバー90は、
図3及び
図6に示すように、アウターブラケット50の側壁52に設けられたビス孔52cに螺着されたビス92、並びに、
図3及び
図5に示すように、インナーブラケット40の側壁42に固定されたカバーブラケット94のビス孔94aに螺着されたビス96により取付け固定されている。
【0039】
(第1実施形態の作用)
さて、上記のように構成されたアームレスト取付構造ではアームレスト20を後付けする場合、アームレスト20とアウターブラケット50とは軸80及びナット82により組み付けられたアッシーとしておく。
【0040】
そして、
図3、及び
図4に示すようにバックフレーム30とインナーブラケット40の側壁41,側壁42間にそれぞれスペーサ74を介在させるとともに、取付孔41a,41bと、貫通孔32を合致させて、インナーブラケット40をバックフレーム30の前後及び左を覆うように配置する。
【0041】
この状態で、前記アッシーのアウターブラケット50の側壁52をインナーブラケット40の側壁41に重ね合わせて、取付孔52a,41a、及び取付孔52b,41bを合致させる。この状態で、各貫通ボルト70を、取付孔52a,41a、貫通孔32、及び取付孔42a、並びに取付孔52b,41b、貫通孔32、及び取付孔42bにそれぞれ挿通した後、ナット72と協働して、インナーブラケット40、アウターブラケット50をバックフレーム30に対して共締め固定する。
【0042】
この後、
図3及び
図4に示すように、カバー90を、インナーブラケット40、アウターブラケット50を覆うように配置して、アウターブラケット50のビス孔52c及びインナーブラケット40のビス孔94aにビス92,96を螺合することにより、カバー90を取付固定する。
【0043】
なお、上記の説明では、軸80をアームレスト20内から挿通して、ナット82を支持側壁51の内側面側で締め付けるようにしている。これに代えて、軸80を支持側壁51の内側面側から挿通してアームレスト20内のアームレストフレーム21から突出した軸80の先端にナット82を締め付けるようにすることも可能である。このような場合は、ブラケット体100のアウターブラケット50とインナーブラケット40の組み付け手順を代えるだけで対応することも可能である。このように、軸80とナット82の位置関係を代えても、ブラケット体100の組み付け手順を代えることにより対応することもできる。
【0044】
上記のように構成されたアームレスト取付構造では、アウターブラケット50とインナーブラケット40とが、バックフレーム30を挟むように配置されてボルト85及びナット86により締結されるため、溶接無しで剛体化でき、アームレスト20に加わる横方向荷重(左右方向の荷重)をアップしても耐えることができる。
【0045】
また、アウターブラケット50、インナーブラケット40、及びバックフレーム30を共締めしているため、両ブラケットを溶接無しで剛体化し、アームレスト20に加わる荷重を受けることができる。
【0046】
また、カバー90が設けられているため後付でアームレスト20をバックフレーム30に取付けたとしても、両ブラケットは前記カバー90で覆われているため、危害性をなくすことができる。
【0047】
なお、ビス92、96を螺退して、インナーブラケット40、アウターブラケット50からカバー90を取り外し、各貫通ボルト70とナット72の締結を解除することにより、前記アッシーをバックフレーム30から取り外すことも可能である。
【0048】
本実施形態では、下記の特徴を有する。
(1) 本実施形態のアームレスト取付構造は、バックフレーム30と、バックフレーム30を中心として前方向側、後方向側、内方向側及び外方向側を覆うようにそれぞれ配置された側壁42(前側壁部材)、側壁52(後側壁部材)、側壁43(内側壁部材)及び支持側壁51(外側壁部材)を有するブラケット体100を含む。ブラケット体100は、支持側壁51(外側壁部材)が側壁52(後側壁部材)に一体に連結されるとともに残りの他方の部材に対して、ボルト85及びナット86(締結部材)を介して連結されている。支持側壁51(外側壁部材)にはアームレスト20が回転自在に支持されている。
【0049】
また、アームレスト取付構造は、側壁42(前側壁部材)、バックフレーム30及び側壁52(後側壁部材)を共に貫通した貫通ボルト70と、貫通ボルト70を締め付けるナット72を含む。
【0050】
また、バックフレーム30に対して、側壁42(前側壁部材)及び側壁52(後側壁部材)が貫通ボルト70とナット72により共締め固定されている。
この結果、本実施形態のアームレスト取付構造によれば、アームレストを後付けする場合に使用する部材の溶接が必要でなく、しかも、アームレストの取付強度を確保することができる。
【0051】
また、アームレストを後付けできるため、メーカー側ではなく販売店でアームレストの組み付けでできる。また、後付けができるため、アームレストのバリエーションもユーザの希望に応じて増やすことができる。
【0052】
(2) 本実施形態のアームレスト取付構造は、前記バックフレームを、パイプ材により形成した。この結果、本実施形態では、パイプ材により構成されたバックフレーム30に対して上記(1)の効果を奏することができる。
【0053】
(3) 本実施形態のアームレスト取付構造のブラケット体100は、支持側壁51(外側壁部材)と側壁52(後側壁部材)とが一体に連結されたアウターブラケット50と、インナーブラケット40を含む。
【0054】
また、インナーブラケット40は、側壁42(前側壁部材)と、側壁42と一体に連結されるとともにバックフレーム30の内側に配置されてバックフレーム30を覆う側壁43(内側壁部材)と、側壁43と一体に連結された側壁41を含む。前記側壁41は、側壁52(後側壁部材)と重合して配置され、貫通ボルト70により側壁52(後側壁部材)とともに貫通された第1重合側壁部材となる。
【0055】
上記のアームレスト取付構造は、アウターブラケット50とインナーブラケット40とが貫通ボルト70及びナット72により、バックフレーム30に共締め固定した状態で、両ブラケットにより前記バックフレームを囲むように環状となる。
【0056】
この結果、本実施形態によれば、インナーブラケット及びアウターブラケットが、共締めされて環状となることにより、剛体化できる。
(4) 本実施形態のアームレスト取付構造は、貫通ボルト70が、インナーブラケット40、アウターブラケット50及びバックフレーム30に対して、バックフレーム30の後方から挿通されている。
【0057】
この結果、本実施形態によれば、アームレストの後付け時に、バックフレームの後方からインナーブラケット、アウターブラケット及びバックフレームに対して貫通ボルトを挿通した後、ナットと協働して共締めする。このため、バックフレームの前方から行う後付作業に比して、シートの着座部(シートクッション)が邪魔になることがなく後付作業を楽に行うことができる。
【0058】
(5) 本実施形態のアームレスト取付構造は、インナーブラケット40が、側壁43(内側壁部材)、側壁41(第1重合側壁部材)及び側壁42(前側壁部材)により断面コ字状又は断面U字状に形成されている。また、アウターブラケット50が、支持側壁51と側壁52(対向側壁)とから断面L字状に形成されている。この結果、本実施形態によれば、簡単な形状で、上記(1)の効果を奏することができる。
【0059】
(第2実施形態)
第2実施形態のアームレスト取付構造を
図7を参照して説明する。なお、第2実施形態の構成は、一部が異なるだけであるため、第1実施形態と同一構成又は相当する構成については第1実施形態の構成と同一符号を付してその説明を省略する。本実施形態では
図7に示すように、アームレストフレーム21の側壁23が、第1実施形態の構成よりも表皮フレーム22の反バックフレーム30側(本実施形態では、右方の側壁)内面に近接して形成されている。そして、軸80が、同図に示すように、表皮フレーム22の外方から挿通されているところが異なっている。軸80のヘッドは、表皮フレーム22の外面に貼着されたシール材84で覆われている。
【0060】
このように構成されていても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
(第3〜第5実施形態)
次に、第3〜第5実施形態を、
図8(b)〜(d)を参照して説明する。
図8(b)〜(d)で示す内容は、第1実施形態の内容を示す
図8(a)を参考に理解されたい。
【0061】
図8(a)は、第1実施形態の
図4で示されているアームレスト20、アームレストフレーム21、カバー90、スペーサ74は省略して図示されるとともに、要部構成の配置を簡略化、すなわちスケルトン化して図示したものであ。
図8(a)で示す要部構成とは、バックフレーム30、インナーブラケット40(側壁41、42、43)、アウターブラケット50(支持側壁51、側壁52、連結片54)、ボルト85である。
【0062】
一方、
図8(b)〜(d)では、以下の実施形態において説明する要部構成をスケルトン化して図示するとともに、前記アームレスト20、アームレストフレーム21、カバー90、スペーサ74は省略しているが、これら省略した部材はあるものと理解されたい。
【0063】
(第3実施形態:請求項3のサポート)
図8(b)に示すように、ブラケット体100のインナーブラケット40は、バックフレーム30に対して、バックフレーム30の内方向(左方向)側を覆う側壁43(内側壁部材)に対して、側壁43に連結されて後方向側を覆う側壁41を後側壁部材とし、側壁43に連結された側壁42を第2重合側壁としている。
【0064】
本実施形態では、インナーブラケット40は、側壁41、42、43により、断面コ字状に形成されているが、第1実施形態と同様に断面U字状に形成してもよい。
アウターブラケット50は、アームレスト20(
図8(b)では図示しない)を回転自在に支持するとともにバックフレーム30の外方向(右方向)側を覆うように配置された支持側壁51(外側壁部材)と、支持側壁51に連結されて、側壁42(第2重合側壁)に重ね合わされて対向配置される側壁52を前側壁部材としている。本実施形態において、アウターブラケット50は、側壁51,52により断面L字状に形成されている。
【0065】
そして、前記支持側壁51とインナーブラケット40の側壁41(後側壁部材)とが側壁41に設けられた連結片44と支持側壁51の後部に設けられた連結片54とがボルト85及びナット86で締結されている。ボルト85及びナット86は締結部材に相当する。
【0066】
また、本実施形態のアームレスト取付構造では、前記側壁41(後側壁部材)、バックフレーム30、側壁52(前側壁部材)、インナーブラケット40の側壁42(第2重合側壁部材)を共にバックフレーム30の後方から挿通した貫通ボルト70と、貫通ボルト70を締め付けるナット72とを含むようにしている。
【0067】
そして、本実施形態のアームレスト取付構造は、上記インナーブラケット40及びアウターブラケット50が貫通ボルト70とナット72により共締め固定されている。
このように構成されたアームレスト取付構造の実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0068】
(第4実施形態:請求項4のサポート)
図8(c)に示すように、ブラケット体100のインナーブラケット40は、バックフレーム30の内方向(左方向)側を覆う側壁43(内側壁部材)と、側壁43に一体に連結されて後方向側を覆う側壁41(第3重合側壁)を有する。インナーブラケット40は、側壁41と側壁43とにより断面L字状に形成されている。
【0069】
アウターブラケット50は、アームレスト20(
図8(c)では図示せず)を回転自在に支持するとともにバックフレーム30の外方向(右方向)側を覆うように配置された支持側壁51(外側壁部材)と、支持側壁51に一体に連結されるとともに前記側壁41に重ね合わされて対向配置される側壁52(後側壁部材)を有する。
【0070】
また、アウターブラケット50は、支持側壁51に連結されて前方向側を覆う側壁53(前側壁部材)を有する。そして、アウターブラケット50の側壁53(前側壁部材)とインナーブラケット40の側壁43(内側壁部材)とが、側壁43に設けられた連結片45と側壁53の前部に設けられた連結片55においてボルト85及びナット86で締結されている。ボルト85及びナット86は締結部材に相当する。
【0071】
本実施形態のアウターブラケット50は、支持側壁51、側壁52、53により、断面コ字状に形成されている。
また、本実施形態のアームレスト取付構造では、前記側壁52(後側壁部材)、前記側壁41(第3重合側壁部材)、バックフレーム30、側壁53(前側壁部材)を共にバックフレーム30の後方から挿通した貫通ボルト70と、貫通ボルト70を締め付けるナット72とを含むようにしている。
【0072】
そして、本実施形態のアームレスト取付構造は、上記インナーブラケット40及びアウターブラケット50が貫通ボルト70とナット72により共締め固定されている。
従って、本実施形態のアームレスト取付構造は、アウターブラケット50とインナーブラケット40とが貫通ボルト70及びナット72により、バックフレーム30に共締め固定した状態で、両ブラケットにより前記バックフレーム30を囲むように環状となる。
【0073】
このように構成されたアームレスト取付構造の実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
(第5実施形態:請求項4のサポート)
図8(d)に示すように、第5実施形態のインナーブラケット40は、バックフレーム30に対してバックフレーム30の内方向(左方向)側を覆う側壁43(内側壁部材)と、前記側壁43(内側壁部材)に連結されて前方向側を覆う側壁41(第3重合側壁部材)を有する。インナーブラケット40は、側壁41と側壁43とにより断面L字状に形成されている。
【0074】
アウターブラケット50は、アームレスト20(
図8(d)では図示せず)を回転自在に支持するとともにバックフレーム30の外方向(右方向)側を覆うように配置された支持側壁51と、支持側壁51に一体に連結されるとともに側壁41に重ね合わされて対向配置される側壁52(前側壁部材)を有する。
【0075】
また、アウターブラケット50は、前記支持側壁51に連結されて後方向側を覆う側壁53(後側壁部材)を有する。そして、アウターブラケット50の側壁53(後側壁部材)とインナーブラケット40の側壁43とが、側壁53に設けられた連結片56と、側壁43の後部に設けられた連結片46において、ボルト85及びナット86で締結されている。ボルト85及びナット86は締結部材に相当する。
【0076】
本実施形態では、アウターブラケット50は、支持側壁51、側壁52、53により、断面コ字状に形成されている。
また、本実施形態のアームレスト取付構造では、前記側壁52(前側壁部材)、前記側壁41(第3重合側壁部材)、バックフレーム30、側壁53(後側壁部材)を共にバックフレーム30の後方から挿通した貫通ボルト70と、貫通ボルト70を締め付けるナット72とを含むようにしている。そして、本実施形態のアームレスト取付構造は、上記インナーブラケット40及びアウターブラケット50が貫通ボルト70とナット72により共締め固定されている。
【0077】
従って、本実施形態のアームレスト取付構造は、アウターブラケット50とインナーブラケット40とが貫通ボルト70及びナット72により、バックフレーム30に共締め固定した状態で、両ブラケットにより前記バックフレーム30を囲むように環状となる。
【0078】
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
(第6実施形態)
次に、
図9〜
図15を参照して第6実施形態を説明する。なお、本実施形態及び第7実施形態では、第1実施形態の構成と同一または相当する構成については同一符号を付して、詳細説明を省略する。以下の第6実施形態では、第1実施形態と異なる構成について説明する。
【0079】
また、第6実施形態及び後述する第7実施形態においても、左側のアームレスト20を各バックフレーム30に対する取付けのための各部材と、右側のアームレスト20を各バックフレーム30に対する取付けのための各部材とは、左右方向が逆になっているだけが異なる構成である。このため、
図9、及び
図16では、左側のバックフレーム30に取り付けられたアームレスト20の取付構造に間する各部材には、説明の便宜上、右側の構成部材と同一符号を付してその説明を省略する。以下では、車両用シート10の右側のバックフレーム30に取り付けられたアームレスト20の取付構造について説明する。
【0080】
図3に示すように第1実施形態では、インナーブラケット40を、側壁41,42,43により断面コ字状に形成した。本実施形態では、
図9、
図10〜14に示すように側壁41,43が省略されてインナーブラケット40を側壁42にて構成されているところが異なっている。
【0081】
そして、
図14に示すように、側壁42には第1実施形態と同様に連結片44が支持側壁51に沿うように折り曲げられて設けられている。
図12に示すようにインナーブラケット40(すなわち、側壁42)は、アウターブラケット50の連結片54に対して、第1実施形態と同様に連結片54に溶着固定されたボルト85及びボルト85に螺合されたナット86により締結されている。ボルト85及びナット86は締結部材に相当する。なお、本実施形態では、ボルト85により挿通される連結片44の取付孔44aは、前後方向に延びる長孔に形成されている。取付孔44aを長孔とすることにより、後述するボルト70及びナット72により締め付け時に、インナーブラケット40のバックフレーム30側への移動調整が可能である。なお、この移動調整は、後述する支持側壁51と支持金具29との間に形成する間隙を残すように設定されている。
【0082】
また、
図3に示すように第1実施形態の軸80は、ボルトにて構成してアームレストフレーム21に対して貫通して取付固定した。これに対して本実施形態では、
図11に示すように軸80は、アームレストフレーム21に固定された断面コ字状の支持金具29に対して基端が溶接等により固定されている。そして、軸80の先端は支持側壁51に貫通されてナット82が螺合されている。ナット82と支持金具29との間には、フランジを有する規制管27が介在されている。規制管27は、軸80に前記ナット82が螺合時に支持側壁51と支持金具29との間に間隙を有するように支持側壁51の支持金具29への移動を規制する。また、前記間隙において、支持金具29にはスペーサ28、波形座金31、及びスペーサ33が貫通されて、支持金具29(すなわち、アームレスト20)の回転時に、摩擦抵抗を付与するようにしている。
【0083】
図10、
図12、及び
図13に示すように、インナーブラケット40及びアウターブラケット50は、側壁52及び側壁42にてバックフレーム30を挟むようにして配置されている。
【0084】
そして、
図12、
図13に示すようにインナーブラケット40及びアウターブラケット50は、それぞれ上下両部の取付孔42a,52a及び取付孔42b、52b並びにバックフレーム30に形成された貫通孔32に挿入した複数の貫通ボルト70とナット72により共締めで締め付け固定されている。なお、
図13は、貫通ボルト70とナット72による締め付け前の状態を示すために、貫通ボルト70及びナット72を仮想線である二点鎖線で示している。そして、同図には後述する塑性変形防止部材88と側壁42間にはわずかな間隙を形成する距離aを有することが示されている。
【0085】
また、
図15に示すように、アウターブラケット50には、支持側壁51の内側面及び側壁52に溶接で固定された金属製の塑性変形防止部材88が設けられている。すなわち、支持側壁51のバックフレーム30と対向する内側面と、バックフレーム30間の空間域において、バックフレーム30と対向する支持側壁51の内側面には塑性変形防止部材88が設けられている。なお、側壁52の内側面への塑性変形防止部材88の固定は省略してもよい。
図15に示すように本実施形態では塑性変形防止部材88は、板状に形成されている。なお、塑性変形防止部材88は板状に限定するものではなく、例えばブロック状としてもよい。
【0086】
図13に示すように塑性変形防止部材88は、インナーブラケット40の側壁42と側壁52との間に介在するように配置されている。
そして、塑性変形防止部材88とインナーブラケット40の側壁42間に若干の間隙(すなわち、距離a)がある状態で、貫通ボルト70とナット72とにより、側壁42、52の弾性力に抗して両ブラケットをバックフレーム30に対して締め付けされている。また、前記締め付けは、前記間隙(すなわち、距離a)を消失せしめて、さらにバックフレーム30の弾性力が消失しない微小な変形を起こすまでの予め設定された締め付けトルクで行われている。このことにより、バックフレーム30の弾性及び前記両ブラケットの弾性によりガタの発生が防止されている。
【0087】
また、
図10、
図11及び
図15に示すように、アウターブラケット50の側壁52の後面には、ビス孔95aを有するカバーブラケット95が溶接にて固定されている。
図11に示すようにカバー90は、インナーブラケット40、アウターブラケット50を内方向側から覆うように配置されている。そして、カバー90はカバーブラケット95のビス孔95a及びインナーブラケット40のビス孔94aにビス96,98を螺合することにより取付け固定されている。
【0088】
本実施形態では、ブラケット体100を構成するインナーブラケット40の側壁42が前側壁部材に相当し、ブラケット体100を構成するアウターブラケット50の支持側壁51が外側壁部材に相当し、側壁52が後側壁部材に相当する。
【0089】
(第6実施形態の作用)
次に第6実施形態の作用を説明する。
ここではバックフレーム30の貫通孔32を予め穿孔したものとする。まず、アームレスト20の軸80に規制管27、スペーサ28、波形座金31、スペーサ33、アウターブラケット50を挿通して、ナット82により組み付けする。また、インナーブラケット40をアウターブラケット50に対してボルト85とナット86により組み付けたアッシーとしておく。
【0090】
そして、
図12及び
図13に示すように前記アッシーを、そのアウターブラケット50とインナーブラケット40間にバックフレーム30が挟み込まれるようにして配置する。また、取付孔52a,42a、及び貫通孔32、並びに取付孔52b,42b、及び貫通孔32をそれぞれ合致させる。この状態で、各貫通ボルト70を、取付孔52a,42a、及び貫通孔32、並びに取付孔52b,42b、及び貫通孔32にそれぞれ挿通した後、ナット72と協働して、インナーブラケット40、アウターブラケット50をバックフレーム30に対して共締め固定する。
【0091】
この場合、塑性変形防止部材88とインナーブラケット40の側壁42間に若干の間隙(すなわち、距離a)がある状態で、貫通ボルト70とナット72とにより、側壁42、52の弾性力に抗して両ブラケットがバックフレーム30に対して締め付けされる。また、前記締め付けは、前記間隙を消失せしめて、さらにバックフレーム30の弾性力が消失しない微小な変形を起こすまでの予め設定された締め付けトルクで行われる。
【0092】
この後、
図11に示すように、カバー90を、カバーブラケット95のビス孔95a及びインナーブラケット40のビス孔94aにビス96,98を螺合することにより取付ける。
【0093】
本実施形態では、第1実施形態の(1)、(2)及び(4)の効果の他に下記の特徴を有する。
(1) 本実施形態では、支持側壁51(外側壁部材)のバックフレーム30と対向する内側面と、バックフレーム30間の空間域には、貫通ボルト70の締め付け時に、バックフレーム30の塑性変形を防止する塑性変形防止部材88が配置されている。
【0094】
この結果、本実施形態によれば、貫通ボルトの締め付け時に塑性変形防止部材88により、バックフレーム30の塑性変形を防止することができる。
また、本実施形態では、貫通ボルト70とナット72の締結のトルクダウン防止の効果のある波形座金等のスプリングワッシャの役割を、塑性変形防止部材88とパイプ材からなるバックフレーム30により代用することができる。
【0095】
(2) 本実施形態では、ブラケット体100の側壁42(前側壁部材)と側壁52(後側壁部材)は、貫通ボルト70の締め付け以前には、バックフレーム30との間に間隙を有するように配置される。そして、貫通ボルト70とナット72による締め付け時に、塑性変形防止部材88は、側壁42(前側壁部材)と側壁52(後側壁部材)の弾力に抗して前記間隙(すなわち、距離a)が少なくともなくなるまで変位を許容している。
【0096】
この結果、間隙がなくなるまでに側壁42、52の変位を許容する弾性力により、ガタの発生の防止ができる。
加えて、本実施形態では、貫通ボルトの締め付け時に塑性変形防止部材88の許容する範囲でバックフレーム30の弾性変形がある。このことによっても、貫通ボルト70及びナット72の締め付け時のガタを防止できる。本実施形態では、このことにより、バックフレーム30の弾性及び前記両ブラケットの弾性によりガタの発生が防止できる。
【0097】
なお、塑性変形防止部材88によりバックフレーム30の変形を許容しないように規制する一方、ブラケット体100の弾性変形を許容するようにしてもよい。
(第7実施形態:請求項5のサポート)
次に、
図16〜
図20を参照して第7実施形態を説明する。なお、本実施形態では、第6実施形態と異なる構成について説明し、第6実施形態の構成と同一または相当する構成については同一符号を付す。
【0098】
本実施形態では、ブラケット体100をインナーブラケットを省略して、アウターブラケット50及び補強部材60で構成されているところが第6実施形態と異なっている。
具体的には、
図20に示すように、アウターブラケット50は、支持側壁51、後側壁部材としての側壁52及び前記前側壁部材としての側壁53により断面コ字状または断面U字状に形成されている。側壁53には、
図20に示すように、側壁52の取付孔52a、52bとそれぞれ同軸の取付孔53a,53bが形成されている。なお、アウターブラケット50の構成は、
図8(c)の第4実施形態において、インナーブラケット40の構成及び連結片55を省略した構成にも相当する。また、補強部材60は金属製で板状に形成され、支持側壁51の外側面に溶接等により一体に固定されている。
【0099】
前記第1実施形態、及び第6実施形態では、支持側壁51にガイド面51b、及びストッパ面51cが設けられていたが、本実施形態では、支持側壁51からはガイド面51b、及びストッパ面51cが省略されている。
【0100】
その代わりに
図17、
図20に示すように補強部材60にガイド面61b、ストッパ面61c、ストッパ面61dが設けられている。また、
図18に示すように補強部材60には、支持側壁51の軸孔51aと同軸の軸孔61aが設けられている。軸孔61a、ガイド面61b、ストッパ面61c,61dの相互の位置関係は、第1実施形態で説明した軸孔51a、ガイド面51b、ストッパ面51c、54aと同様である。従って、ガイド面61b、ストッパ面61c,61dは、アームレスト20に設けられた突部22aに対する第1実施形態のガイド面51b、ストッパ面51c,54aとそれぞれ同等の機能を有する。
【0101】
また、
図11に示すように第6実施形態ではカバーブラケット94がインナーブラケット40の側壁42に固定されていた。
本実施形態では、
図16、
図18及び
図20に示すようにカバーブラケット94は、側壁53に対して固定されているところが異なっている。
【0102】
また、
図19(A)に示すように、本実施形態では塑性変形防止部材88は、支持側壁51の内側面に対して溶接等により固定されている。また、貫通ボルト70により締め付けされる前では、塑性変形防止部材88と側壁52の内側面間、及び塑性変形防止部材88と側壁53の内側面間には、それぞれ若干の間隙(すなわち、距離a,b)がある状態となるように、塑性変形防止部材88の大きさが設定されている。なお、距離a,bは共に同一距離であることが好ましいが、大きな差がなければ、異なる数値であってもよい。
【0103】
そして、取付孔52a,53a,取付孔52b,53bにそれぞれ挿通した貫通ボルト70とナット72とによる弾性力に抗しての側壁52,53のバックフレーム30に対する締め付けは、間隙(すなわち、距離a,b)を消失せしめてバックフレーム30の弾性力が消失しない微小な変形を起こすまでの締め付けトルクで行うようされている。
【0104】
なお、本実施形態では、覆い片51dは、補強部材60に対して固定されている。
(第7実施形態の作用)
次に第7実施形態の作用を説明する。
【0105】
図19(A)、(B)に示すようにバックフレーム30の貫通孔32の穿孔しておく。
そして、
図18に示すようにアームレスト20の軸80に規制管27,波形座金31及びブラケット体100の軸孔61a,軸孔51aを挿通してナット82により組み付けてアッシーとする。
【0106】
そして、
図19(A)、(B)に示すように前記アッシーを、そのアウターブラケット50の側壁52,53間にバックフレーム30が挟み込まれるようにして配置する。
また、取付孔52a,53a、及び貫通孔32、並びに取付孔52b,53b、及び貫通孔32をそれぞれ合致させる。この状態で、各貫通ボルト70を、取付孔52a,53a及び貫通孔32、並びに取付孔52b,53b及び貫通孔32にそれぞれ挿通した後、ナット72と協働して、アウターブラケット50の側壁52,53をバックフレーム30に対して共締め固定する。
【0107】
この場合、塑性変形防止部材88とインナーブラケット40の側壁42間に若干の間隙(すなわち、距離a,b)がある状態で、貫通ボルト70とナット72とにより、側壁52,53の弾性力に抗して両側壁52,53がバックフレーム30に対して締め付けされる。また、前記締め付けは、前記間隙を消失せしめて、さらにバックフレーム30の弾性力が消失しない微小な変形を起こすまでの予め設定された締め付けトルクで行われる。
【0108】
この後、
図18に示すように、カバー90を、カバーブラケット94,95のビス孔94a,95aにビス96,98を螺合することにより取付ける。
本実施形態では、第1実施形態の(1)、(2)及び(4)、第6実施形態の(1)、及び(2)の効果の他に下記の特徴を有する。
【0109】
(1) 本実施形態のブラケット体100は、側壁53(前側壁部材)と、支持側壁51(外側壁部材)と、側壁52(後側壁部材)とが一体に連結されたアウターブラケット50を備える。また、ブラケット体100は、支持側壁51(外側壁部材)の外側面に対して一体に固定されるとともに支持側壁51(外側壁部材)とともにアームレスト20を回転自在に支持する補強部材60を備える。この結果、本実施形態によれば、インナーブラケットを省略した簡素な構成のブラケット体とすることができる。例えば第7実施形態以外の他の実施形態では、インナーブラケット40とアウターブラケット50とを組み付けするための締結部材が必要となるが、本実施形態では、締結部材を省略することができる。
【0110】
なお、前記実施形態の構成を下記のように変更しても良い。
・ 前記各実施形態では、車両用シートの後付けアームレスト取付構造で説明したが、車両用シートの後付けアームレストに限定するものではなく、車両用シート以外において、鉛直方向に延びるフレーム材に対してアームレストを後付けする場合にも適用できる。
【0111】
・ 第1実施形態では、バックフレーム30は、円管状のパイプ材により形成されていたが、角パイプ状に変更してもよい。
また、バックフレーム30は、パイプ材の替わりに棒材により形成してもよい。
【0112】
・ 第1実施形態では、貫通ボルト70及びナット72を複数個としたが、上記のようにバックフレーム30を角パイプ状に形成した場合、貫通ボルト70を及びナット72をそれぞれ1個としてもよい。このように、貫通ボルト70及びナット72をそれぞれ1個としても、バックフレーム30を角パイプ状に形成した場合は、インナーブラケット40の側壁41、42、及び側壁43が平板状になっているため、貫通ボルト70及びナット72の締結力を管理すれば十分にブラケットの取付強度を確保することができる。
【0113】
・ 第1実施形態では、インナーブラケット40を断面コ字状又は断面U字状としたが、断面C字状に形成してもよい。
・
図8(b)の実施形態において、側壁52と側壁42との重合の仕方は同図では、側壁52が側壁42よりもバックフレーム30側としているが、側壁42を側壁52よりもバックフレーム30側に配置してもよい。
【0114】
・
図8(c)、
図8(d)の各実施形態において、側壁52と側壁41との重合の仕方は同図では、側壁41が側壁52よりもバックフレーム30側としているが、側壁52を側壁41よりもバックフレーム30側に配置してもよい。
【0115】
・ 前記各実施形態では、貫通ボルト70を後方からアウターブラケット及びインナーブラケットに貫通するようにしたが、前方からアウターブラケット及びインナーブラケットに対して貫通してナット72にて締め付けするようにしてもよい。
【0116】
・
図4に示すように第1実施形態において、塑性変形防止部材88を支持側壁51の内側面に固定するようにしてもよい。