(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくともポリエチレンテレフタレート樹脂を用いてなる二軸配向フィルムであって、かつ結晶化度(Χc)が0.35を超えて0.50以下であって、かつフィルムを構成する樹脂の固有粘度(IV)が0.66〜1.0dl/gであって、かつフィルム長手方向およびフィルム幅方向の50〜170℃の温度における熱膨張係数がそれぞれ0〜29ppm/℃であって、かつフィルム長手方向およびフィルム幅方向の180℃における熱収縮率がそれぞれ−0.5%〜1.0%であり、かつフィルムヘイズが0〜3%であり、かつ180℃で30分間加熱処理した際のフィルムヘイズの変化量が0〜3.0%であることを特徴とする二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム。
フィルム長手方向およびフィルム幅方向の50〜170℃の温度における熱膨張係数がそれぞれ0〜25ppm/℃であることを特徴とする請求項1または2に記載の二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム。
ポリエチレンテレフタレート樹脂を溶融押出ししつつ、冷却固化して未延伸フィルムとし、次いで、該未延伸フィルムを二軸延伸した後、温度の異なる2段以上の工程で熱固定を行い、前記熱固定の前段の熱固定温度Ths1(℃)が150〜200℃、最終段の熱固定温度Ths2(℃)が210〜240℃であり、熱固定を行った後35℃以下の温度で冷却し、その後弛緩アニール処理を200℃を超えて235℃以下で行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムは、特に優れた生産性、機械特性、熱寸法安定性、電気特性、表面特性および耐熱性を付与できるという観点から、結晶性ポリエステルであるポリエチレンテレフタレート(以下、PETということがある。)が主成分である必要がある。ここで、主成分とはフィルム組成中80質量%以上を言う。
【0011】
本発明の二軸配向PETフィルムは、フィルムを構成する樹脂の固有粘度(IV)が0.66〜1.0dl/gであることが必要であり、より好ましくは0.68〜1.00dl/gであることが必要である。フィルムを構成する樹脂の固有粘度(IV)が上記範囲内であると、フィルムを高配向化させたときに効果的に熱膨張係数を低減することができ、かつオリゴマー析出が抑制される。IVが0.66dl/gよりも小さいと低分子量成分が多くなるため、加熱時にオリゴマーが析出しやすくなる場合がある。また、分子鎖が短くなるため高配向させたとしても低熱膨張化の十分な効果が得られない場合がある。IVが0.68dl/gよりも小さいと、分子鎖が短くなるため高配向させたとしても低熱膨張化の効果が得られない。一方、固有粘度が1.00dl/gよりも大きいと、低熱膨張化の効果は得られるが、高温域での熱収縮が大きくなってしまう。また、溶融状態で粘度が高くフィルム製膜時の押出し機に負荷がかかり安定した吐出が困難となり、厚みムラや延伸ムラが起こりやすく、生産性が悪化する場合がある。フィルムを構成する樹脂の固有粘度は、特に原料の固有粘度やフィルム製膜時の原料の含水量や製膜温度条件などが影響する。フィルムを構成する樹脂の固有粘度は、原料であるポリエチレンテレフタレート樹脂の固有粘度が高いほど高くなる。ポリエチレンテレフタレート樹脂の固有粘度が異なる原料を用いて、積層あるいは混練しフィルムを構成する樹脂の固有粘度を調製してもよい。フィルムを構成する樹脂の固有粘度は好ましくは0.70〜0.90dl/g、より好ましくは0.70〜0.80dl/gである。
【0012】
本発明の二軸配向PETフィルムは結晶化度(Χc)が0.35を超えて0.50以下であることが必要である。上記範囲内であると、後述する高温域での熱収縮を低減するができる。結晶化度(Χc)が0.35以下であると、結晶が十分に形成できておらず、十分な低熱収縮率化が達成できない場合がある。一方、結晶化度(Χc)が0.50を超えると、結晶が成長しているため、面内方向の配向が低下し、十分な低熱膨張化が達成できない場合がある。特に、結晶化度(Χc)は、0.38〜0.42が好ましい。結晶化度(Χc)は熱処理条件が大きく影響する。例えば、熱処理工程において熱固定温度を上げることで結晶化度を上げることができる。
【0013】
本発明の二軸配向PETフィルムは、後述する方法において、30℃から180℃まで昇温し、更に50℃まで降温した際の、50〜170℃の温度における熱膨張係数がフィルム長手方向・フィルム幅方向ともに0〜29ppm/℃であることが必要であり、より好ましくは0〜25ppm/℃であることが必要である。熱膨張係数が上記範囲内を超えると、熱による寸法変化が大きいため、フレキシブルデバイス用基材フィルムとして使用する際、各種工程でカールが大きく発生し、デバイス層との剥離、変形による割れなどの問題が発生してしまう場合がある。フィルム長手方向・フィルム幅方向ともに50〜170℃の温度における熱膨張係数は、より好ましくは、0〜23ppm/℃であり、さらに好ましくは0〜20ppm/℃である。本発明のフィルムにおける熱膨張係数は後述する製膜条件により得ることが可能となるが、特に熱処理条件を制御することにより得ることが可能となる。
【0014】
本発明の二軸配向PETフィルムは、フィルム長手方向およびフィルム幅方向の180℃における熱収縮率が−0.5〜1.0%であることが必要である。上記範囲内であると、デバイス層を形成する際の各種工程の熱によるカールを低減でき、寸法変化が小さくなるためデバイス層との剥離を抑制できる。より好ましくは−0.5〜0.7%、さらに好ましくは−0.2〜0.5%である。
【0015】
フィルム長手方向・フィルム幅方向の180℃の温度における熱収縮率は後述する所定の製膜条件で制御することができるが特に熱処理条件と弛緩アニール条件を制御することが好ましい。本発明のフィルムの熱収縮率はアニール工程前の熱収縮率が大きいと大きくなる。そのため、熱収縮率を1.0%以下にするためには、アニール工程前の180℃における熱収縮率が0〜4.0%であることが好ましい。アニール工程前の180℃における熱収縮率が4.0%を超えると熱収縮率が大きすぎるため、弛緩アニール工程を経ても熱収縮率が本願規定の範囲まで低減できない場合がある。さらに、高温域の熱寸法安定性が十分ではなく弛緩アニール工程において収縮が大きくなり、しわ、うねり、カールが発生し平面性が悪化する場合がある。弛緩アニール前の180℃における熱収縮率はより好ましくは0〜3.0%である。アニール工程前の熱収縮率は延伸倍率や熱処理工程が影響するが、熱処理工程で後述する多段熱固定を施すことで、弛緩アニール工程前の熱収縮率を低減させることができ、本発明の二軸配向PETフィルムのフィルム長手方向・フィルム幅方向の180℃における熱収縮率を−0.5〜1.0%にすることができ、弛緩アニール工程における平面性を保つことができる。
【0016】
本発明の二軸配向PETフィルムは、フィルムヘイズが0〜3%であることが好ましい。フィルムヘイズが3%を超えると透明性が低く、有機ELや薄膜太陽電池の性能が十分でない場合がある。フィルムヘイズはより好ましくは0〜2%である。後述する結晶化指数を促進させたPETを用いた場合、フィルムヘイズが大きくなる場合がある。また、フィルムヘイズは添加粒子の添加濃度や平均粒子径によって制御することができる。平均粒子径は1nm〜3000nmであるとフィルムヘイズを上記の範囲にすることが容易であり、フィルムの透明性の観点から好ましい。より好ましくは1nm〜2000nmであり、更に好ましくは1nm〜1500nmである。粒子濃度は0.0質量部〜1.0質量部であることが好ましい。上記範囲内であれば、粒子系の異なる粒子を混合してもよい。
【0017】
本発明の二軸配向PETフィルムは、微小融解ピーク温度(T−meta)は、210〜240℃であることが好ましい。T−metaは二軸延伸後の結晶構造固定を行う熱処理温度の影響を受けるが、T−metaが210℃より小さいと、熱処理による構造固定が不十分であり熱収縮率が大きくなりやすい。また、T−metaが240℃より大きいと、配向緩和が極度に起こり熱膨張係数が大きくなりやすい。T−metaは、より好ましくは215〜235℃であり、さらに好ましくは220〜230℃である。T−metaは、熱固定温度で制御することができる。T−metaは、製膜機や製膜速度によって変動するが熱固定温度が高いほど高くなる。
【0018】
本発明の二軸配向PETフィルムは、180℃で30分熱処理した際のフィルムヘイズの変化量が0.0〜3.0%であることが好ましい。フィルムヘイズの変化量が上記範囲内であると、デバイス層形成過程において透明性を維持することができ好ましい。フィルムヘイズの変化量が3.0%を超えると、デバイス層形成過程において、透明性が悪化され、発電効率の悪化、発光効率の悪化につながる。フィルムヘイズの変化量は、より好ましくは0〜1.5%である。PETフィルムは高温で熱処理を行うと、低分子量成分がオリゴマーとして析出するため、フィルムヘイズは大きくなる。そのため、フィルムの固有粘度を高くすると、低分子量成分が減少するためフィルムヘイズの変化量を小さくすることができる。本発明の二軸配向PETフィルムは、原料としてオリゴマー成分を除去したPET樹脂を用いることが好ましい。オリゴマー成分を除去したPET樹脂の作成方法としては例えば、特開2005−53968号広報の記載技術を採用することができる。
【0019】
本発明の二軸配向PETフィルムは、結晶化指数(ΔTcg)が10℃以上60℃以下であることが好ましい。ΔTcgが上記範囲であるとPETフィルム中において微結晶の形成が促進されることにより高温下での熱寸法安定性が向上する。特に本発明においては、ΔTcgが上記の範囲であると、後述する熱処理工程において1段目の熱固定工程で微結晶が形成されやすくなるため好ましい。10℃未満であると結晶性が高まりすぎてしまい、延伸性の悪化につながり製膜が困難となる場合がある。ΔTcgはより好ましくは、30〜50℃である。このように、ΔTcgが上記範囲とする方法としては、PETに少なくとも1種類以上の結晶核剤を含有させ、結晶核剤効果により結晶化速度が速くなるように調整したPETを用いることが好ましい。例えば、エステル交換、重合時に酢酸リチウム、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、亜リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸あるいはそれらの誘導体、酸化アンチモン、酸化ゲルマニウムを存在させる方法が有効である。特に好ましい望ましい組み合わせは、酢酸マグネシウムとホスホン酸(またはその誘導体)および酸化アンチモンであり、ホスホン酸(またはその誘導体)としては、フェニルホスホン酸、ジメチルフェニルホスホネートなどが挙げられる。
【0020】
また、結晶性物質をPETに添加することで結晶化速度を向上させる方法も有効である。中でも結晶性物質とは、タルク、脂肪族カルボン酸アミド、脂肪族カルボン酸塩、脂肪族アルコール、脂肪族カルボン酸エステル、ソルビトール系化合物、有機リン酸化合物といった群から好ましく選ぶことができる。中でも本発明では、結晶核剤が、脂肪族カルボン酸アミド、脂肪族カルボン酸塩およびソルビトール系化合物からなる1種の結晶核剤であることが特に望ましい。ここで、結晶核剤の好ましい含有量としてはPETを100質量部として、結晶核剤を0.1質量部以上2質量部以下である。結晶核剤濃度が0.1質量部未満では効果が十分に現れない場合があり、また結晶核剤を2質量部を超えて含有していると、透明性が損なわれる場合があるため好ましくない。
【0021】
ここで、脂肪族カルボン酸アミドとしては、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド、リシノール酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミドのような脂肪族モノカルボン酸アミド類、N−オレイルパルミチン酸アミド、N−オレイルオレイン酸アミド、N−オレイルステアリン酸アミド、N−ステアリルオレイン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、メチロールステアリン酸アミド、メチロールベヘニン酸アミドのようなN−置換脂肪族モノカルボン酸アミド類、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、エチレンビスベヘニン酸アミド、エチレンビスイソステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、ブチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、へキサメチレンビスステアリン酸アミド、へキサメチレンビスベヘニン酸アミド、へキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、m−キシリレンビスステアリン酸アミド、m−キシリレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミドのような脂肪族ビスカルボン酸アミド類、N,N´−ジオレイルセバシン酸アミド、N,N´−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N´−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N´−ジステアリルセバシン酸アミド、N,N´−ジステアリルイソフタル酸アミド、N,N´−ジステアリルテレフタル酸アミドのようなN−置換脂肪族カルボン酸ビスアミド類、N−ブチル−N´−ステアリル尿素、N−プロピル−N´−ステアリル尿素、N−ステアリル−N´−ステアリル尿素、N−フェニル−N´−ステアリル尿素、キシリレンビスステアリル尿素、トルイレンビスステアリル尿素、ヘキサメチレンビスステアリル尿素、ジフェニルメタンビスステアリル尿素、ジフェニルメタンビスラウリル尿素のようなN−置換尿素類を使用することができる。これらは一種類又は二種類以上の混合物であってもよい。この中でも、脂肪族モノカルボン酸アミド類、N−置換脂肪族モノカルボン酸アミド類、脂肪族ビスカルボン酸アミド類が好適に用いられ、特に、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド、リシノール酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、N−オレイルパルミチン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、m−キシリレンビスステアリン酸アミド、m−キシリレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミドが好適に用いられる。
【0022】
脂肪族カルボン酸塩の具体例としては、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム等の酢酸塩、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ラウリン酸水素カリウム、ラウリン酸マグネシウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸銀等のラウリン酸塩、ミリスチン酸リチウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸水素カリウム、ミリスチン酸マグネシウム、ミリスチン酸カルシム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸銀等のミリスチン酸塩、パルミチン酸リチウム、パルミチン酸カリウム、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸銅、パルミチン酸鉛、パルミチン酸タリウム、パルミチン酸コバルト等のパルミチン酸塩、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸カルシウム、オレイン酸亜鉛、オレイン酸鉛、オレイン酸タリウム、オレイン酸銅、オレイン酸ニッケル等のオレイン酸塩、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸タリウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸ベリリウム等のステアリン酸塩、イソステアリン酸ナトリウム、イソステアリン酸カリウム、イソステアリン酸マグネシウム、イソステアリン酸カルシウム、イソステアリン酸バリウム、イソステアリン酸アルミニウム、イソステアリン酸亜鉛、イソステアリン酸ニッケル等のイソステアリン酸塩、ベヘニン酸ナトリウム、ベヘニン酸カリウム、ベヘニン酸マグネシウム、ベヘニン酸カルシウム、ベヘニン酸バリウム、ベヘニン酸アルミニウム、ベヘニン酸亜鉛、ベヘニン酸ニッケル等のベヘニン酸塩、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カリウム、モンタン酸マグネシウム、モンタン酸カルシウム、モンタン酸バリウム、モンタン酸アルミニウム、モンタン酸亜鉛、モンタン酸ニッケル等のモンタン酸塩等を使用することができる。これらは一種類又は二種類以上の混合物であってもよい。特に、ステアリン酸の塩類やモンタン酸の塩類が好適に用いられ、特に、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、モンタン酸ナトリウムなどが好適に用いられる。
【0023】
脂肪族アルコールの具体例としては、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール等の脂肪族モノアルコール類、1,6−ヘキサンジオール、1,7−へプタンジール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール等の脂肪族多価アルコール類、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール等の環状アルコール類等を使用することができる。これらは一種類又は二種類以上の混合物であってもよい。特に脂肪族モノアルコール類が好適に用いられ、特にステアリルアルコールが好適に用いられる。
【0024】
また、かかる脂肪族カルボン酸エステルの具体例としては、ラウリン酸セチルエステル、ラウリン酸フェナシルエステル、ミリスチン酸セチルエステル、ミリスチン酸フェナシルエステル、パルミチン酸イソプロピリデンエステル、パルミチン酸ドデシルエステル、パルミチン酸テトラドデシルエステル、パルミチン酸ペンタデシルエステル、パルミチン酸オクタデシルエステル、パルミチン酸セチルエステル、パルミチン酸フェニルエステル、パルミチン酸フェナシルエステル、ステアリン酸セチルエステル、ベヘニン酸エチルエステル等の脂肪族モノカルボン酸エステル類、モノラウリン酸グリコール、モノパルミチン酸グリコール、モノステアリン酸グリコール等のエチレングリコールのモノエステル類、ジラウリン酸グリコール、ジパルミチン酸グリコール、ジステアリン酸グリコール等のエチレングリコールのジエステル類、モノラウリン酸グリセリンエステル、モノミリスチン酸グリセリンエステル、モノパルミチン酸グリセリンエステル、モノステアリン酸グリセリンエステル等のグリセリンのモノエステル類、ジラウリン酸グリセリンエステル、ジミリスチン酸グリセリンエステル、ジパルミチン酸グリセリンエステル、ジステアリン酸グリセリンエステル等のグリセリンのジエステル類、トリラウリン酸グリセリンエステル、トリミリスチン酸グリセリンエステル、トリパルミチン酸グリセリンエステル、トリステアリン酸グリセリンエステル、パルミトジオレイン、パルミトジステアリン、オレオジステアリン等のグリセリンのトリエステル類等を使用することができる。これらは一種類又は二種類以上の混合物であってもよい。
【0025】
また、かかる脂肪族/芳香族カルボン酸ヒドラジドの具体例としては、セバシン酸ジ安息香酸ヒドラジド、メラミン系化合物の具体例としては、メラミンシアヌレート、ポリビン酸メラミン、フェニルホスホン酸金属塩の具体例としては、フェニルホスホン酸亜鉛塩、フェニルホスホン酸カルシウム塩、フェニルホスホン酸マグネシウム塩、フェニルホスホン酸マグネシウム塩等を使用することができる。
【0026】
ソルビトール系化合物としては、1,3−ジ(P−メチルベンジリデン)ソルビトール、2,4−ジ(P−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3−ジベンジリデンソルビトール、2,4−ジベンジリデンソルビトール、1,3−ジ(P−エチルジベンジリデン)ソルビトール、2,4−ジ(P−エチルジベンジリデン)ソルビトールなどが挙げられる。
【0027】
また、有機リン酸化合物としては、リン酸ビス(4−t−ブチルフェニル)ナトリウム、リン酸−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム、環状有機リン酸エステル塩基性多価金属塩とアルカリ金属カルボン酸塩、アルカリ金属β−ジケトナート及びアルカリ金属β−ケト酢酸エステル塩有機カルボン酸金属塩の1種とから選ばれる混合物などが挙げられる。
【0028】
上記した中でも、透明性、耐熱性の点から、脂肪族カルボン酸アミド、脂肪族カルボン酸塩、ソルビトール系化合物が、好ましく用いられる。
【0029】
本発明の二軸配向PETフィルムはフィルム内の面配向係数(fn)が0.15以上0.185以下であることが好ましい。0.15未満であると配向性が低下し十分な低熱膨張化が達成できない場合がある。0.185を超えると高配向化しすぎるため製膜性が悪化し製膜が困難となる場合がある。本発明では低熱膨張と低熱収縮の両立が重要であり、低熱膨張化のためにフィルムを高配向化させる必要があるが、高配向化は熱収縮率の低減に好ましくないため、面配向係数(fn)は製膜条件で制御することが可能あるが、特に熱処理条件が大きく影響する。熱処理温度が高くなると熱結晶化が促進されるため面配向係数(fn)が増加する傾向にある。
【0030】
本発明の二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムは、フィルム厚みが25〜150μmであることが好ましい。25μm未満であると、フィルムの腰が低下し、有機ELや太陽電池にした場合に折れ、シワが入りやすくなる場合がある。150μmを超えるとフィルムに柔軟性がなくなりフレキシブル性が損なわれる場合がある。フィルム厚みはより好ましくは75〜125μmである。フィルム厚みは製膜条件により制御することが可能である。
【0031】
本発明の二軸配向PETフィルム製造方法について具体的に述べるが、本発明は、かかる例によって得られる物のみに限定して解釈されるものではない。
【0032】
まず、使用するPET樹脂を準備する。PETは、次のいずれかのプロセスで製造される。すなわち、(1)テレフタル酸とエチレングリコールを原料とし、直接エステル化反応によって低分子量のPETまたはオリゴマーを得、さらにその後の三酸化アンチモンやチタン化合物を触媒に用いた重縮合反応によってポリマーを得るプロセス、および(2)ジメチルテレフタレートとエチレングリコールを原料とし、エステル交換反応によって低分子量体を得、さらにその後の三酸化アンチモンやチタン化合物を触媒に用いた重縮合反応によってポリマーを得るプロセスである。
【0033】
ここで、エステル化は無触媒でも反応は進行するが、エステル交換反応においては、通常、マンガン、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、リチウムおよびチタン等の化合物を触媒に用いて進行させ、またエステル交換反応が実質的に完結した後に、該反応に用いた触媒を不活性化する目的でリン化合物を添加する場合もある。
【0034】
本発明で用いられるPET樹脂は前述の方法で製造するが、分子量が大きく、固有粘度が高いポリエステル原料を得るためには、さらに固相重合を行って重合度を高める方法が好ましく用いられる。固相重合の方法としては特に限定されるものではないが、通常PETの固相重合は、減圧下、あるいは窒素雰囲気下で行われるが、いずれの方法を用いても差し支えない。固相重合温度は、好ましくは180℃以上240℃以下、より好ましくは190℃以上230℃以下である。固相重合温度が180℃未満であると、反応速度が遅く生産性が悪化する。一方240℃を越えると、PETチップ同士の融着が起こり生産性が悪化する。固相重合温度は、上記範囲内で任意に設定可能であるが、一般的な傾向として、低い温度で重合した場合には、反応速度が低下して期待する固有粘度まで上昇させる時間が長くなるが、最高到達固有粘度は高くなる。逆に重合温度を高くした場合には、反応速度は上昇するが、同時に劣化反応も進行するため、最高到達固有粘度は低くなる。実際の工程では反応温度は該固相重合温度範囲で期待する固有粘度、反応時間を勘案し、設定すればよい。
【0035】
また、フィルムの固有粘度を掛かる範囲とする方法として、PET樹脂を押出機に供給し溶融する際、供給部内部を不活性ガス、好ましくは流通窒素雰囲気下で供給を行い、供給部内部の酸素濃度を0.1〜0.7体積%にすることが好ましい。酸素濃度を0.1体積%未満にするには、経済的に好ましくなく、また、酸素濃度が0.7体積%を超えるとPET樹脂が酸化分解し固有粘度が低下する場合がある。好ましくは、0.1体積%〜0.5体積%である。
【0036】
本発明の二軸配向PETフィルムの結晶化を促進させる場合、エステル交換、重合時に酢酸リチウム、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、亜リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸あるいはそれらの誘導体、酸化アンチモン、酸化ゲルマニウムを存在させておく。また、結晶化促進剤として結晶核剤を使用する場合は、予め結晶核剤とPET樹脂を、ベント式二軸混練押出機を用いてPETに練りこみマスターペレット化しておくことが取り扱い性、分散性の点で好ましい。
【0037】
本発明の二軸配向PETフィルムの表面に、易滑性、耐摩耗性および耐スクラッチ性などを付与するため、無機粒子や有機粒子、例えば、クレー、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カリオン、タルク、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイド状シリカ、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナおよびジルコニア等の無機粒子、アクリル酸類、スチレン系樹脂、熱硬化樹脂、シリコーンおよびイミド系化合物等を構成成分とする有機粒子、およびPET重合反応時に添加する触媒等によって析出する粒子(いわゆる内部粒子)などを添加することも好ましい態様である。
【0038】
本発明の二軸配向PETフィルムの構成成分となるPETに不活性粒子を含有させる場合には、エチレングリコールに不活性粒子を所定割合でスラリーの形で分散させ、このエチレングリコールを重合時に添加する方法が好ましい。不活性粒子を添加する際には、例えば、不活性粒子の合成時に得られる水ゾルやアルコールゾル状態の粒子を一旦乾燥させることなく添加すると粒子の分散性がよい。また、不活性粒子の水スラリーを直接PETペレットと混合し、ベント式二軸混練押出機を用いて、PETに練り込む方法も有効である。不活性粒子の含有量を調節する方法としては、上記方法で高濃度の不活性粒子のマスターペレットを作っておき、それを製膜時に不活性粒子を実質的に含有しないPETで希釈して不活性粒子の含有量を調節する方法が有効である。
【0039】
次に、得られた上記のペレットと原料PETチップを180℃の温度で3時間以上減圧乾燥した後、固有粘度が低下しないように窒素気流下あるいは減圧下で、270〜320℃の温度に加熱された押出機にフィルム組成となるように供給し、スリット状のダイから溶融押出し、キャスティングロール上で冷却固化して未延伸フィルムを得る。この際、異物や変質ポリマーを除去するために各種のフィルター、例えば、焼結金属、多孔性セラミック、サンドおよび金網などの素材からなるフィルターを用いることが好ましい。また、必要に応じて、定量供給性を向上させるために、ギアポンプを設けてもよい。フィルムを積層する場合には、2台以上の押出機およびマニホールドまたは合流ブロックを用いて、複数の異なるポリマーを溶融積層する。原料PETチップはフィルムIVが好ましい範囲になるように、0.70〜1.40dl/gであることが好ましい。本発明のフィルムを構成する樹脂のIVを好ましい範囲にする限り、異なるIVの原料PETチップを混合することでフィルムを構成する樹脂のIVを調整してもよい。
【0040】
さらに、本発明の効果を阻害しない範囲内であれば、各種添加剤、例えば、相溶化剤、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤、紫外線吸収剤、難燃剤、難燃助剤、顔料および染料などが添加されてもよい。
【0041】
続いて、上記のようにして成形されたシート状物を二軸延伸する。長手方向と幅方向の二軸に延伸して、熱処理する。
【0042】
延伸形式としては、長手方向に延伸した後に幅方向に延伸を行うなどの逐次二軸延伸法や、同時二軸テンター等を用いて長手方向と幅方向を同時に延伸する同時二軸延伸法、さらに、逐次二軸延伸法と同時二軸延伸法を組み合わせた方法などが例示される。延伸工程後の熱処理は、熱膨張係数や熱収縮率を本発明の範囲に制御するには、過度な熱処理による分子鎖配向の緩和を起こさず、効果的に熱処理を施すことが望ましい。
【0043】
未延伸フィルムを、数本のロールの配置された縦延伸機を用いて、ロールの周速差を利用して長手方向に延伸し、続いてステンターにより幅方向に延伸を行う二軸延伸方法についてさらに詳しく説明する。
【0044】
まず、未延伸フィルムを長手方向に延伸する。延伸温度は、好ましくは(ガラス転移温度(以後Tgと称する))〜(Tg+40)℃の範囲、より好ましくは(Tg+5)〜(Tg+30)℃の範囲、さらに好ましくは(Tg+10)〜(Tg+20)の範囲にある加熱ロール群で加熱し、長手方向に好ましくは3.0〜4.0倍、より好ましくは3.2〜4.0倍であり、さらに好ましくは3.5〜4.0倍に延伸し、延伸後、20〜50℃の温度の冷却ロール群で冷却することが好ましい。中でも3.2〜4.0倍で施すと延伸配向を高めることができ、次の工程において効果的に延伸することが可能となる。
【0045】
次に、ステンターを用いて、幅方向に延伸する。具体的な予熱温度としては、90℃〜110℃が好ましく、より好ましくは、95℃〜100℃である。次に延伸温度は(予熱温度−5)〜(予熱温度+5)℃の範囲であることが好ましい。延伸倍率は好ましくは3.0〜6.0倍であり、より好ましくは3.5〜6.0倍であり、さらに好ましくは3.7〜6.0倍である。
【0046】
続いて、この延伸フィルムを緊張下にて熱固定処理、弛緩アニール処理を行う。上述したようにフィルムを構成する樹脂の固有粘度(IV)を高くすると、面内の配向を高めることができるため、熱膨張係数を小さくすることが可能となるが、熱収縮は大きくなってしまう。本発明では、下記に記されるような熱固定処理・弛緩アニール処理を行うことによって、固有粘度(IV)の高いフィルムにおいても熱収縮を抑えることが可能となり、低熱膨張化と低熱収縮率を両立したフィルムを得ることができるため好ましい。
【0047】
本願発明においては、延伸後の熱固定を温度の異なる2段以上の工程で行い、段階的に行うことが好ましい。上記の熱固定処理を行うことで、熱処理による配向の緩和を抑制し、配向結晶を促進させることが可能となり、熱寸法安定性を良好にできるため好ましい。熱固定温度としては、前段の熱固定温度(以下、Ths1と略すことがある)(℃)が150以上210℃以下、最終段の熱固定温度(以下、Ths2と略すことがある)(℃)が210を超えて245℃以下であることが好ましい。なお、本発明でいう前段とは、2段以上の工程で実施する熱固定処理工程の最終段を除いた工程のことを表す。例えば3段の工程からなる熱固定処理工程を有する場合、1段目と2段目が前段に該当し、3段目が最終段に該当する。前段の熱固定温度Ths1をPETのガラス転移温度(Tg)と融解温度(Tm)の間の温度とすると、結晶化が促進されやすく、かつ配向緩和が進みにくい温度となるため、結晶構造の前駆体からサイズの小さい微結晶を作成するため好ましい。具体的には、上述したように150以上210℃以下であることが好ましく、より好ましくは150以上200℃以下、更に好ましくは165以上200℃以下であり、最も好ましくは165以上190℃以下である。最終段の熱固定温度Ths2をThs1と融解温度(Tm)の間の温度とすることで、結晶構造を固定し熱収縮率を低減できるため好ましい。具体的には、210を超えて245℃以下が好ましく、より好ましくは210を超えて240℃以下であり、更に好ましくは220以上230℃以下である。本発明においては、前段の熱固定処理を配向緩和が起こりにくい温度範囲とすることで、結晶構造の前駆体からサイズの小さい微結晶が形成されるため、配向が過度に緩和されず局所的な分子ひずみが除去される。続いて最終段の熱固定処理で全体の内部ひずみが除去され、熱収縮が低減できる。つまり、配向緩和による熱膨張係数の増加を抑制して熱収縮を低減することが可能となる。本発明のフィルムにおける熱固定処理を3段以上で実施するときは、熱固定温度は、上述したThs1、Ths2の好ましい温度範囲の中で、1段目、2段目、3段目と徐々に温度を上げることが好ましい。熱固定の時間は、前段の熱固定各段が1秒〜1000秒間であることが好ましく、より好ましくは1秒〜60秒、更に好ましくは1秒〜30秒である。また、最終段の熱固定の時間は1秒〜1000秒間であることが好ましく、より好ましくは1秒〜60秒、更に好ましくは1秒〜10秒である。また、熱固定全体の時間は2000秒を超えないことが好ましく、より好ましくは120秒、更に好ましくは30秒、特に好ましくは20秒を越えないようにする。本願発明において、熱固定処理工程は2段以上の工程であることが好ましいが、熱固定全体の時間を考慮すると、2段以上3段以下であることがより好ましい。
【0048】
さらにこのフィルムを冷却工程に供する前に、幅方向の延伸温度以上、Ths2(℃)以下の温度で幅方向に弛緩処理することが好ましい。弛緩率(以下、Rxhsと略すことがある)は、冷却工程後に行う弛緩アニール処理の弛緩率(以下、Rxaと略すことがある。)の3倍以内が好ましい。弛緩率とは処理前の幅を基準にして、処理後の幅との差に対する割合の値であり、例えば、弛緩率2%は、処理前が100mmの場合、2%の2mmを弛緩して処理後は98mmになることを示す。Rxaに対するRxhsが3倍を超えると配向緩和が進行しすぎて熱膨張係数が悪化する場合がある。Rxhsは0〜9%であることが好ましい。
【0049】
その後、好ましくは35℃以下、より好ましくは25℃以下の温度で冷却後、フィルムエッジを除去しコア上に巻き取る。さらに、熱寸法安定性を高めるために、巻き取られた二軸延伸PETフィルムは、好ましくは一定の温度条件下で張力をかけて搬送され、分子構造の歪みを取り除き熱収縮率を低減させるために、弛緩アニール処理を行うことが好ましい。弛緩アニール処理温度は、最終段の熱固定温度Ths2よりも低いことが好ましく、具体的には、200℃を超えて235℃以下がより好ましく、さらに好ましくは205〜220℃である。235℃を超えると、熱固定処理により固定した構造が再度緩和されやすく、面内の配向の緩和が起こり、熱膨張係数が悪化しやすい。200℃以下であると、アニール処理による分子構造の歪み除去が不完全となり高温域の熱収縮が残存してしまう場合がある。弛緩アニール処理時間は、1〜120秒が好ましく、より好ましくは5〜90秒であり、さらに好ましくは20〜60秒である。弛緩アニール処理での弛緩率(Rxa)は好ましくは0.1〜3%である。Rxaが0.1%より小さいと弛緩の効果が現れず、分子構造の歪み除去が不完全となり熱収縮が低減できない場合がある。Rxaが3%より大きいと配向緩和が進行しすぎて熱膨張係数が悪化する場合がある。Rxaは弛緩アニール工程の延伸張力とクリップ幅によって設定することができる。フィルムを速度10〜300m/minで搬送しながらアニール処理し、本発明の二軸配向PETフィルムを得ることができる。
【0050】
本発明においては、PETフィルムやそのPETフィルムロールに、必要に応じて、成形、表面処理、ラミネート、コーティング、印刷、エンボス加工およびエッチングなどの任意の加工を行ってもよい。
【0051】
このようにして得られたフィルムの上に、例えば、プラズマの放電前にチャンバー内を5×10
−4Paまで排気した後、チャンバー内にアルゴンと酸素を導入して圧力を0.3Pa(酸素分圧は3.7mPa)としターゲットとして酸化スズを36質量%含有した酸化インジウム(住友金属鉱山社製、密度6.9g/cm
3)を用いて2W/cm
2の電力密度で電力を印加して直流マグネトロンスパッタリング法により、膜厚250nmのITOからなる透明導電層を形成し、さらに有機EL発光層を形成することにより有機ELディスプレイ基板、有機EL照明基板として用いることができる。また、発電層を形成することでフレキシブル太陽電池基板として用いることができる。また、得られたフィルム上に、例えば、コーティング法、真空蒸着法、化学蒸着(CVD)法などでバリア層を形成することで、バリア基板として用いることができる。
【0052】
本発明のフィルムは、高い熱寸法安定性を有しており、かつ透明性に優れているため、有機EL基板用途、フレキシブル太陽電池基盤用途、バリア基板用途に好適に用いることができる。
(物性の測定方法ならびに効果の評価方法)
本発明における特性値の測定方法並びに効果の評価方法は、次のとおりである。
【0053】
(1)結晶化指数(ΔTcg(℃))、結晶化度(Χc)
JIS K7121(1987年)に従って、示差走査熱量計として、セイコーインスツルメンツ社製DSC(RDC6220)、データ解析装置として同社製ディスクステーション(SSC/5200)を用いて、試料5mgをアルミニウム製パン、パンカバーを用いて封入し、窒素雰囲気中で25℃から300℃まで、昇温速度10℃/分で昇温した。その後、液体窒素を用いて急冷し、再び窒素雰囲気中で20℃から300℃まで10℃/分の速度で昇温する。本発明において、ガラス転移温度(Tg)と冷結晶化温度(Tcc)は、2度目の昇温過程でのガラス転移温度(Tg)と冷結晶化温度(Tcc)として求め、下記の式を用いて結晶化指数(ΔTcg)を算出した。
ΔTcg=Tcc−Tg
1度目の昇温過程における融解熱量(ΔH
m)と冷結晶化熱量(ΔH
c)を用い下記式より結晶化度(Χc)を算出した。
Χc=(ΔH
m−ΔH
c)/ΔH
m0
ここで、ΔH
m0は完全結晶体融解熱量であり、140.1J/g(参考文献Wunderlich B “Thermal analysis of Polymeric Materials”)を用いて算出した。
【0054】
(2)微小融解ピーク温度(T−meta(℃))
JIS K7121(1987年)に従って、示差走査熱量計として、セイコーインスツルメンツ社製DSC(RDC220)、データ解析装置として同社製ディスクステーション(SSC/5200)を用いて、試料5mgをアルミニウム製受皿上、25℃から300℃まで、昇温速度20℃/分で昇温した。そのとき、観測される融解の吸熱ピークのピーク温度を融点(Tm)とし、Tmより低温側でTm近傍にある(150℃以上Tm以下)微小融解ピーク温度をT−metaとした。(なお、T−metaは、熱固定温度に対応する熱履歴のため、DSCのファーストランで観測され、一度Tm以上に昇温し熱履歴を消したセカンドランでは観測されないことから確認できる。)。
【0055】
(3)固有粘度
オルトクロロフェノール100mlにフィルムを1.2g溶解させ、その溶液を25℃の温度で測定した溶液粘度から、下式に基づいて固有粘度を計算する。
ηsp/C=[η]+K[η]
2×C
ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1であり、Cは溶媒100mlあたりの溶解ポリマー重量(g/100ml、通常1.2)であり、Kはハギンス定数(0.343とする)である。また、溶液粘度と溶媒粘度は、オストワルド粘度計を用いて測定する。
【0056】
(4)熱膨張係数
JIS K7197(1991年)に準拠し、下記の条件で、試料数3にてフィルムの長手方向および幅方向それぞれについて測定をして、平均値をとり、長手方向と幅方向の熱膨張係数とした。なお、本発明において、フィルムの長手方向、幅方向が既知の場合はそれにもとづき以下の方法で求める。一方、フィルムの長手方向、幅方向が既知ではない場合であって、フィルムの形状が略長方形である場合は、長辺方向を長手方向、その直交方向を幅方向とみなして以下の方法で求めてもよい(フィルムの形状が略正方形である場合は、各辺に平行な方向のいずれを長手方向、幅方向とみなしてもよい)。
・測定装置 :セイコーインスツルメンツ社製“TMA/SS6000”
・試料サイズ:幅4mm、長さ20mm
・温度条件 :5℃/minで30℃から170℃に昇温し、10分間保持
・さらに5℃/minで170℃から50℃まで降温して20分保持
・荷重条件 :29.4mN一定
ここで、熱膨張係数測定範囲温度は、降温時の170℃から50℃である。熱膨張係数は、下記式から算出し、試料数3点の平均の値として求めた。
熱膨張係数[ppm/℃]=10
6×{(170℃時の寸法mm)−(50℃時の寸法mm)}/{20mm×(170℃−50℃)}。
【0057】
(5)180℃の温度の熱収縮率
下記装置および条件で、熱収縮率測定を行った。
・測長装置 :万能投影機
・資料サイズ :試長150mm×幅10mm
・熱処理装置 :ギアオーブン
・熱処理条件 :180℃、30分
・荷重 :3g
・算出方法
熱処理前にサンプルに100mmの間隔で標線を描き、熱処理後の標線間距離を測定し、加熱前後の標線間距離の変化から熱収縮率を算出し、寸法安定性の指標とした。測定は、各フィルムとも長手方向および幅方向に5サンプル実施して平均値で評価を行った。
【0058】
(6)フィルムヘイズ
フィルムから10cm×10cmの試料を切り出して、JISK7105(1985年)に基づいて、全自動直読ヘイズコンピューターHGM−2DP(スガ試験機(株)製)を用いて測定した。これを無作為に10点くり返し測定し、その平均値を該フィルムのヘイズ値とした。
【0059】
(7)フィルムヘイズの変化量
フィルムから10cm×10cmの試料を切り出し、180℃に加熱したオーブンにて30分間加熱処理を行う。その後のフィルムヘイズを上記方法で測定し、熱処理後のフィルムヘイズを得て下式に基づいてフィルムヘイズの変化量を算出し、光学特性を評価した。評価Cが不合格である。
フィルムヘイズの変化量=(熱処理後のフィルムヘイズ)−(熱処理前のフィルムヘイズ)
A:フィルムヘイズの変化量が1.5%以下である。
B:フィルムヘイズの変化量が1.5%を超えて3%以下である。
C:フィルムヘイズの変化量が3%を超える。
【0060】
(8)熱寸法安定性
本発明の二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを、幅100mm×長さ100mmに切り出し、有機フレキシブルデバイスを想定して、下記の透明導電層を形成し、そのときの表面抵抗率や寸法変化から熱寸法安定性を評価した。
・工程適性
プラズマの放電前にチャンバー内を5×10
−4Paまで排気した後、チャンバー内にアルゴンと酸素を導入して圧力を0.3Pa(酸素分圧は3.7mPa)としターゲットとして酸化スズを36質量%含有した酸化インジウム(住友金属鉱山社製、密度6.9g/cm
3)に用いて2W/cm
2の電力密度で電力を印加して直流マグネトロンスパッタリング法により、膜厚250nmのITOからなる透明導電層を形成した。透明導電層は二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムの熱膨張が大きいとクラックが入り表面抵抗率が低下する。下記の基準に従って評価した。評価Dが不合格である。
AA:表面抵抗率が30Ω/□未満で問題なく透明導電層が形成された。
A:表面抵抗率が30Ω/□以上、50Ω/未満でクラックを含む透明導電層が形成された。
B:表面抵抗率が50Ω/□以上、100Ω/未満でクラックの多い透明導電層が形成された。
C:表面低効率が100Ω/□以上、125Ω/未満でクラックの多い透明導電層が形成された。
D:表面抵抗率が125Ω/□以上か、フィルムのカールや幅縮みで透明導電層が形成できなかった。
・カール性
透明導電層を形成した二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを温度180℃で30分間オーブンに置いた。その後、温度23℃、65%RHの条件で30分放置してから、4隅のカール状態を観測し、4隅の反り量(mm)の平均値を求めて、下記の基準に従って評価した。カールは熱膨張係数と熱収縮率の両方が小さいほど良好となる。Dが不合格である。
AA:反り量が5.0mm未満である。
A:反り量が5.0mm以上、7.5mm未満である。
B:反り量が7.5mm以上、10mm未満である。
C:反り量が10mm以上、12.5mm未満である。
D:反り量が12.5mm以上である。
【実施例】
【0061】
本発明の実施形態を、実施例に基づいて説明する。
【0062】
(参考例1)
テレフタル酸ジメチル194質量部とエチレングリコール124質量部とをエステル交換反応装置に仕込み、内容物を140℃の温度に加熱して溶解した。その後、内容物を撹拌しながら、酢酸マグネシウム四水和物0.1質量部および三酸化アンチモン0.03質量部を加え、これに140〜230℃の温度でメタノールを留出しつつエステル交換反応を行った。次いで、リン酸トリメチルの5質量%エチレングリコール溶液を、1質量部(リン酸トリメチルとして0.05質量部)添加した。リン酸トリメチルのエチレングリコール溶液を添加すると、反応内容物の温度が低下する。そこで、余剰のエチレングリコールを留出させながら反応内容物の温度が230℃の温度に復帰するまで撹拌を継続した。このようにして、エステル交換反応装置内の反応内容物の温度が230℃の温度に達した後、反応内容物を重合装置へ移行した。移行後、反応系を230℃の温度から290℃の温度まで徐々に昇温するとともに、圧力を0.1kPaまで下げた。最終温度、最終圧力到達までの時間はともに60分とした。最終温度、最終圧力に到達した後、2時間(重合を始めて3時間)反応させたところ、重合装置の撹拌トルクが所定の値(重合装置の仕様によって具体的な値は異なるが、本重合装置において固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートが示す値を所定の値とした)を示した。そこで、反応系を窒素パージし常圧に戻して重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出し、直ちにカッティングして、固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートのPETペレットX
0.65を得た。
【0063】
(参考例2)
回転型真空重合装置を用いて、上記の参考例1で得られたPETペレットX
0.65を0.1kPaの減圧下230℃の温度で15時間固相重合を行い、固有粘度が0.77であるPETペレットX
0.77を得た。
【0064】
(参考例3)
回転型真空重合装置を用いて、上記の参考例1で得られたPETペレットX
0.65を0.1kPaの減圧下230℃の温度で5時間固相重合を行い、固有粘度が0.70であるPETペレットX
0.70を得た。
【0065】
(参考例4)
回転型真空重合装置を用いて、上記の参考例1で得られたPETペレットX
0.65を0.1kPaの減圧下230℃の温度で100時間固相重合を行い、固有粘度が0.90であるPETペレットX
0.90を得た。
【0066】
(参考例5)
回転型真空重合装置を用いて、上記の参考例1で得られたPETペレットX
0.65を0.1kPaの減圧下230℃の温度で200時間固相重合を行い、固有粘度が1.20であるPETペレットX
1.20を得た。
【0067】
(参考例6)
リン酸トリメチルの代わりに、結晶核剤としてジメチルフェニルホスホネート(DPPO)を0.35質量部加えること以外は参考例2と同様の方法でエステル交換反応と重合反応を行い、固有粘度が0.77の結晶化速度を調整したPETペレットY
0.77を得た。
【0068】
(実施例1)
280℃の温度に加熱された押出機に、参考例2で得られた固有粘度0.77のPETペレットX
0.77を180℃の温度で3時間減圧乾燥した後に供給し、窒素雰囲気下Tダイ口金に導入した。次いで、Tダイ口金内から、シート状に押出して溶融単層シートとし、表面温度25℃に保たれたドラム上に静電印加法で密着冷却固化させて未延伸単層フィルムを得た。
【0069】
続いて、得られた未延伸単層フィルムを加熱したロール群で予熱した後、88℃の温度で3.5倍長手方向に延伸を行い、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の90℃の温度の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に95℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な幅方向に3.7倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで1段目(前段)の熱固定温度(Ths1)を180℃で5秒間の熱処理を施し、さらに2段目(最終段)の熱固定温度(Ths2)を225℃で8秒間行った。次いで、215℃の温度で2%幅方向に弛緩処理を行った。次いで、25℃に均一に冷却後、フィルムエッジを除去し、コア上に巻き取って厚さ100μmの二軸延伸フィルムを得た。
【0070】
そして、温度205℃でフィルム速度30m/minで30秒間、搬送しながら弛緩率1%で弛緩アニール処理し二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
【0071】
得られた二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを評価したところ、表に示すように、熱寸法安定性がかなり優れる特性を有していた。
【0072】
(実施例2)
1段目の熱固定温度(Ths1)を160℃とした以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。得られたポリエチレンテレフタレートフィルムを評価したところ、熱寸法安定性が優れる特性を有していた。
【0073】
(実施例3)
1段目の熱固定温度(Ths1)を200℃とした以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。得られたポリエチレンテレフタレートフィルムを評価したところ、熱寸法安定性が優れる特性を有していた。
【0074】
(実施例4)
2段目(最終段)の熱固定温度(Ths2)を215℃とした以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。得られたポリエチレンテレフタレートフィルムを評価したところ、熱寸法安定性が優れる特性を有していた。
【0075】
(実施例5)
2段目(最終段)の熱固定温度(Ths2)を235℃とした以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。得られたポリエチレンテレフタレートフィルムを評価したところ、熱寸法安定性が優れる特性を有していた。
【0076】
(実施例6)
参考例3で得られたPETペレットX
0.70を使う以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。得られたポリエチレンテレフタレートフィルムを評価したところ、熱寸法安定性が優れる特性を有していた。
【0077】
(実施例7)
参考例4で得られたPETペレットX
0.90を使う以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。得られたポリエチレンテレフタレートフィルムを評価したところ、熱寸法安定性が優れる特性を有していた。
【0078】
(実施例8)
参考例2で得られたPETペレットX
0.77を95重量部と参考例6で得られたPETペレットY
0.77を5重量部混ぜて使用する以外は、実施例1と同様の方法でポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。得られたポリエチレンテレフタレートフィルムを評価したところ熱寸法安定性が優れる特性を有していた。
【0079】
(実施例9)
熱固定を4段で行い、1段目の熱固定を熱固定温度(Ths1)180℃で5秒間、さらに2段目の熱固定を熱固定温度(Ths1)190℃で5秒間、3段目の熱固定を熱固定温度(Ths1)200℃で5秒間行い、4段目(最終段)の熱固定を熱固定温度(Ths2)225℃で8秒間行った以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。得られたポリエチレンテレフタレートフィルムを評価したところ、熱寸法安定性が優れる特性を有していた。
(実施例10)
1段目の熱固定温度(Ths1)を210℃とした以外は、実施例1と同様の方法でポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。得られたポリエチレンテレフタレートフィルムを評価したところ、熱寸法安定性が優れる特性を有していた。
(実施例11)
最終段の熱固定温度(Ths2)を245℃とした以外は、実施例1と同様の方法でポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。得られたポリエチレンテレフタレートフィルムを評価したところ、熱寸法安定性が優れる特性を有していた。
(実施例12)
押出機を2台使用し、主押出機に参考例1で得られたPETペレットX
0.65を30重量部と参考例3で得られたPETペレットX
0.70を70重量部に供給し、副押出機に参考例2で得られたPETペレットX
0.77を供給した。次いで種押出機に供給した成分層の両側表層に副押出機に供給した成分層が厚み比率で、副押出機の成分層:主押出機の成分層:副押出機の成分層=3:14:3となるように合流させ、T台口金内より溶融三層積層共に押し出しを行った以外は実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。得られたポリエチレンテレフタレートフィルムを評価したところ、熱寸法安定性が優れる特性を有していた。
【0080】
(比較例1)
1段目の熱固定温度(Ths1)を145℃とした以外は、実施例1と同様の方法でポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。得られたポリエチレンテレフタレートフィルムを評価したところ、熱収縮率が大きくなり熱寸法安定性が劣る特性を有していた。
【0081】
(比較例2)
最終段の熱固定温度(Ths2)を200℃とした以外は、実施例1と同様の方法でポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。得られたポリエチレンテレフタレートフィルムを評価したところ、熱収縮率が大きくなり熱寸法安定性が劣る特性を有していた。
【0082】
(比較例3)
参考例1で得られたPETペレットX
0.65を使う以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。得られたポリエチレンテレフタレートフィルムを評価したところ、ヘイズの変化量が大きくなり光学特性が劣る特性を有していた。
【0083】
(比較例4)
参考例5で得られたPETペレットX
1.20を使う以外は、実施例1と同様の方法で二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。得られたポリエチレンテレフタレートフィルムを評価したところ、熱収縮率が大きくなり熱寸法安定性が劣る特性を有していた。
【0084】
(比較例5)
テンター内の熱処理ゾーンで熱固定を235℃の温度で5秒間の熱処理を施し次いで、235℃の温度で2%幅方向に弛緩処理を行った以外は、実施例1と同様の方法でポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。得られたポリエチレンテレフタレートフィルムを評価したところ、熱膨張係数が悪化し、熱寸法安定性が劣る特性を有していた。
【0085】
(比較例6)
テンター内の熱処理ゾーンで熱固定を210℃の温度で5秒間の熱処理を施し次いで、210℃の温度で2%幅方向に弛緩処理を行った以外は、実施例1と同様の方法でポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。得られたポリエチレンテレフタレートフィルムを評価したところ、熱収縮が悪化し、熱寸法安定性が劣る特性を有していた。
【0086】
(比較例7)
テンター内の熱処理ゾーンで熱固定を190℃の温度で5秒間の熱処理を施し次いで、190℃の温度で2%幅方向に弛緩処理を行った。そして、弛緩アニール処理温度を180℃とした以外は、実施例1と同様の方法でポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。得られたポリエチレンテレフタレートフィルムを評価したところ、熱収縮が大きく悪化し、熱寸法安定性が劣る特性を有していた。
【0087】
【表1】
【0088】
なお、表において、「180℃熱収」とは「180℃における熱収縮率」、「MD」とは「長手方向」、「TD」とは「幅方向」を表す。