(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記検証済ターゲット色域は、すでに色合せ精度の検証がなされた複数のターゲット色域の少なくとも一部を含むことを特徴とする請求項1に記載の色合せ精度の検証方法。
前記検証済ターゲット色域と、前記新規ターゲット色域と、前記プリンター色域との関係を表示する段階(d)をさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載の色合せ精度の検証方法。
前記段階(a)において、前記距離Aより前記距離Xが大きく、かつ前記距離Bが前記距離Aおよび前記距離Xより小さいと判定された前記新規ターゲット色域点である特定新規ターゲット色域点の数が所定の閾値以下の場合は、前記特定新規ターゲット色域点についてのパッチを、前記特定新規ターゲット色域点以外の前記新規ターゲット色域点についてのパッチと同じチャートに含ませて前記プリンターから出力する段階(e)をさらに有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の色合せ精度の検証方法。
前記手順は、前記検証済ターゲット色域と、前記新規ターゲット色域と、前記プリンター色域との関係を表示する手順(d)をさらに有することを特徴とする請求項5または6に記載のプログラム。
前記手順は、前記手順(a)において、前記距離Aより前記距離Xが大きく、かつ前記距離Bが前記距離Aおよび前記距離Xより小さいと判定された前記新規ターゲット色域点である特定新規ターゲット色域点の数が所定の閾値以下の場合は、前記特定新規ターゲット色域点についてのパッチを、前記特定新規ターゲット色域点以外の前記新規ターゲット色域点についてのパッチと同じチャートに含ませて前記プリンターから出力する手順(e)をさらに有することを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載のプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る色合せ精度の検証方法、印刷システム用プログラム、および印刷システム用プログラムを記録した記録媒体について詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施形態に係る色合せ精度の検証方法を実施するための画像形成システムを示すブロック図である。
【0023】
画像形成システム1は、印刷指示端末10、コントローラー20、プリンター30、色合せ精度計算装置40、および測色器50を有する。
【0024】
印刷指示端末10、コントローラー20、および色合せ精度計算装置40は、ネットワーク60を介して相互に通信可能に接続される。ネットワーク60は、イーサネット(登録商標)、BLUETOOTH(登録商標)、IEEE802.11等の規格によりコンピュータやネットワーク機器同士を接続した有線または無線のLAN(Local Area Network)あるいは、LAN同士を専用線で接続したWAN(Wide Area Network)、により構成されることができる。
【0025】
コントローラー20とプリンター30とは、例えばIEEE1394規格に基づく高速シリアルバスインターフェースにより専用線70で接続されている。なお、コントローラー20とプリンター30とは、イーサネット(登録商標)により接続されてもよい。
【0026】
色合せ精度計算装置40と測色器50とは、例えばUSB(Universal Serial Bus)により専用線80で接続されている。
【0027】
なお、コントローラー20はプリンター30に内蔵されてもよく、色合せ精度計算装40は印刷指示端末10に内蔵されてもよい。
【0028】
画像形成システム1の各構成要素について説明する。
【0029】
図2は、印刷指示端末の構成を示すブロック図である。
【0030】
印刷指示端末10は、CPU(Central Processing Unit)100、RAM(Random Access Memory)101、記憶部102、操作部103、表示部104、および通信部105を有しており、これらは信号をやりとりするためのバス106を介して相互に接続される。印刷指示端末10は、例えばパーソナルコンピュータにより構成されることができる。
【0031】
CPU100は、プログラムに従って、上記各部の制御や各種の演算処理を行う。
【0032】
RAM101は、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶する。
【0033】
記憶部102は、オペレーティングシステムを含む各種プログラムや各種データを格納する。記憶部102は、例えばROM(Read Only Memory)およびHDD(Hard Disk Drive)により構成される。
【0034】
記憶部102には、印刷指示プログラム1020が格納されている。印刷指示プログラム1020は、例えばプリンタードライバーを含み、ユーザーによる指示により、コントローラー20に対して印刷指示をするためのプログラムである。
【0035】
操作部103は、例えばマウス等のポインティングデバイスやキーボード、タッチパネルを含み、各種の操作および入力を行うために使用される。
【0036】
表示部104は、例えば液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。
【0037】
通信部105は、外部機器と通信するためのインターフェースであり、イーサネット(登録商標)、SATA(Serial Advanced Technology Attachment)、PCI Express、USB、IEEE1394等の規格によるネットワークインターフェース、BLUETOOTH(登録商標)、IEEE802.11等の規格による無線通信インターフェース、電話回線に接続するための電話回線インターフェース等を利用することができる。
【0038】
上記構成により、印刷指示端末10は、CPU100により印刷指示プログラム1020が実行されることにより、コントローラー20に印刷指示を行う。すなわち、印刷指示端末10は、印刷ジョブをコントローラー20に送信することにより、印刷ジョブに含まれる印刷データに基づく画像を用紙に印刷すべき旨の印刷指示を行う。印刷ジョブとは、プリンター30に対する印刷命令の総称であり、印刷ジョブには印刷データおよび印刷設定が含まれる。印刷データとは、印刷の対象であるドキュメントのデータであり、印刷データには、例えば、イメージデータ、ベクタデータ(グラフィックスデータ)、テキストデータといった各種データが含まれる。具体的には、印刷データは、例えばPDL(Page Description Language)データ、PDF(Portable Document Format)データまたはTIFF(Tagged Image File Format)データである。印刷設定には、印刷を行わせるプリンターや、用紙サイズの指定等が含まれる。
【0039】
図3は、コントローラーの構成を示すブロック図である。
【0040】
コントローラー20は、CPU200、RAM201、記憶部202、通信部203、およびプリンターインターフェース部204を有しており、これらは信号をやりとりするためのバス205を介して相互に接続される。
【0041】
なお、CPU200、RAM201、記憶部202、および通信部203の各基本機能は、印刷指示端末10の対応する構成要素と同様であるため、重複となる説明は省略する。
【0042】
記憶部202には、RIP(Raster Image Processor)処理プログラム2020と色変換プログラム2021とが格納されている。また、記憶部202には、ターゲットプロファイル、プリンタープロファイル、トーンカーブ、その他の各種データが格納される。
【0043】
RIP処理プログラム2020は、印刷データを解釈し、プリンターにより画像の印刷が可能な画像データの形式(例えば、ビットマップ形式)に変換して出力用画像データを生成させるためのプログラムである。
【0044】
色変換プログラム2021は、RIP処理プログラム2020と連動して、ターゲットプロファイル、プリンタープロファイル、およびトーンカーブ等を用いて出力用画像データをプリンター30用の画素値に変換するためのプログラムである。
【0045】
ターゲットプロファイルは、ターゲット色域についての色変換を規定するデータであり、ターゲット色域内のターゲット色域点の色を、CMYK色空間等のデバイス依存空間とL*a*b*色空間等のデバイス非依存空間とに相互に変換可能な多次元LUT(Look Up Table)を有する。ターゲット色域とは、ターゲット色域点の集合領域であり、規格としてのターゲットのデバイス非依存色空間またはデバイス依存色空間における一定の範囲をいう。
【0046】
ターゲットプロファイルを参照することにより、ターゲット色域が認識されることができる。ターゲットプロファイルには、すでに色合せ精度の検証がなされた検証済ターゲット色域についての色変換を規定する検証済ターゲットプロファイルと、ユーザーが新規に色合せ精度の検証を行おうとする新規ターゲット色域についての色変換を規定する新規ターゲットプロファイルとが含まれる。
【0047】
プリンタープロファイルは、プリンター30で印刷可能な色域であるプリンター色域についての色変換を規定するデータであり、プリンター30ごとに設定され、デバイス依存空間の色とデバイス非依存空間の色とを相互に変換可能な多次元LUTを有する。プリンタープロファイルを参照することにより、プリンター色域を認識することができる。また、後述するように、プリンタープロファイルを利用することにより、検証済ターゲット色域点の色相を算出することができる。
【0048】
プリンターインターフェース部204は、ローカル接続されたプリンター30と通信するためのインターフェースである。
【0049】
上記構成により、コントローラー20は、印刷指示端末10から印刷ジョブを受信し、印刷ジョブをプリンター30により印刷可能な出力用画像データに変換するとともに出力用画像データをプリンター30用の画素値に変換してプリンター30に出力する。
【0050】
図4は、プリンターの構成を示すブロック図である。
【0051】
プリンター30は、CPU300、RAM301、記憶部302、操作部303、表示部304、印刷処理部305、スキャン処理部306、およびコントローラーインターフェース307を有しており、これらは信号をやりとりするためのバス308を介して相互に接続される。
【0052】
なお、CPU300、RAM301、記憶部302、操作部303、および表示部304の各基本機能は、印刷指示端末10の対応する構成要素と同様であるため、重複となる説明は省略する。
【0053】
プリンター30は、例えば、電子写真プリンター、インクジェットプリンター、または熱転写プリンターにより構成されることができる。
【0054】
印刷処理部305は、電子写真式プロセス等の周知の作像プロセスを用いて、出力用画像データに基づく画像を用紙に印刷する。
【0055】
スキャン処理部306は、原稿台の所定の読取り位置にセットされた原稿、またはADF(Auto Document Feeder)により所定の読取り位置に搬送された原稿に対して蛍光ランプ等の光源から光を照射し、その反射光をCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の受光素子でスキャンしながら受光することで原稿画像のデジタルデータを生成する。
【0056】
コントローラーインターフェース307は、例えばローカル接続されたコントローラー20と通信するためのインターフェースである。
【0057】
図1に戻り、説明を継続する。測色器50は、プリンター30により印刷されたチャートのパッチの分光反射率をセンサーにより計測し、計測した分光反射率のデータを、例えばL*a*b*値(L*,a*,b*)等のデバイス非依存の表色系の測色値に変換し、得られた測色値を色合せ精度計算装置40に送信する。
【0058】
図5は、色合せ精度計算装置の構成を示すブロック図である。
【0059】
色合せ精度計算装置40は、CPU400、RAM401、記憶部402、操作部403、表示部404、および通信部を有しており、これらは信号をやりとりするためのバス406を介して相互に接続される。
【0060】
なお、上述の色合せ精度計算装置40の各構成要素の各基本機能は印刷指示端末10の対応する構成要素と同様であるため、重複となる説明は省略する。
【0061】
記憶部402には、差分パッチ生成部4020、推定精度計算部4021、および色合せ精度計算部4022を構成するプログラムや色合せ精度のデータ等の各種データが格納されている。
【0062】
差分パッチ生成部4020は、すでに色合せ精度の検証がなされた検証済ターゲット色域と、新規に色合せ精度の検証を行う新規ターゲット色域と、プリンターにより印刷可能なプリンター色域との関係から差分パッチの生成の要否を判断する。そして、差分パッチの生成が必要と判断した場合に差分パッチを生成し、コントローラー20に送信することでプリンター30に差分パッチの印刷をさせる。差分パッチとは、新規ターゲット色域内において色合せ精度が未検証である新規ターゲット色域点を測色するためのパッチをいう。
【0063】
差分パッチ生成部4020は、新規ターゲット色域の色合せ精度の検証がすでになされている場合(新規ターゲット色域が検証済ターゲット色域に包含される場合)に差分パッチの生成が不要と判断する。また、差分パッチ生成部4020は、新規ターゲット色域が検証済ターゲット色域より広い場合であっても、後述するように、色合せ精度が未検証の新規ターゲット色域の部分のうち色合せ精度の推定が可能な部分については差分パッチの生成が不要と判断する。
【0064】
推定精度計算部4021は、差分パッチ生成部4020により差分パッチの生成が不要と判断された場合に、新規ターゲット色域点についての色合せ精度を推定する。推定精度計算部4021は、新規ターゲット色域点の色合せ精度を、検証済ターゲット色域の境界線において当該新規ターゲット色域点と同じ色相を有する検証済ターゲット色域点の測色値と、当該新規ターゲット色域点との色差を算出することにより新規ターゲット色域点の色合せ精度を推定する。
【0065】
図6は、検証済ターゲット色域の境界線上の検証済ターゲット色域点からプリンター色域への写像を説明するための説明図である。
図7は、検証済ターゲット色域、新規ターゲット色域、およびプリンター色域の関係の例と、未検証の新規ターゲット色域点の色合せ精度の推定方法を説明するための説明図である。
図6および
図7により、未検証の新規ターゲット色域点の色合せ精度の推定方法について説明する。
【0066】
図6のAには、L*a*b*色空間の一定の明度L*における色度平面(色度a*、b*を軸とする平面)において検証済ターゲット色域G1およびプリンター色域G3が示されている。検証済ターゲット色域G1はその境界線が破線により示され、プリンター色域G3はその境界線が実線により示されている。
【0067】
検証済ターゲット色域G1内の検証済ターゲット色域点がプリンター色域G3内に存在する場合(例えば、
図6のAの黒塗り四角で示す検証済ターゲット色域点)は、検証済ターゲット色域点の色をプリンター30による印刷で再現することができる。しかし、検証済ターゲット色域G1内の検証済ターゲット色域点がプリンター色域G3外に存在する場合(例えば、
図6のAの白抜き丸で示す検証済ターゲット色域点)は、検証済ターゲット色域点の色をプリンター30による印刷で再現することができない。そこで、検証済ターゲット色域点の色により近い色をプリンター30で再現するために、一般的に、検証済ターゲット色域点をプリンター色域G3に写像する。写像は、色相ごとに行われ、検証済ターゲット色域点(白抜き丸)は、点線矢印で示す色相の方向である写像角度の向きに、プリンター色域G3の境界線上のプリンター色域点(
図6のAの白抜き四角で示すプリンター色域点)に写像される。すなわち、プリンター色域G3外に存在する検証済ターゲット色域点(白抜き丸)は、当該検証済ターゲット色域点(白抜き丸)と同じ色相を有するプリンター色域G3の境界線上のプリンター色域点(白抜き四角)に写像される。なお、点線矢印で示されている色相の方向は、色度平面上の各点からa*軸とb*軸の交点である無彩色点に向かう方向であり、点線矢印上の各点は同じ色相を有する。
【0068】
プリンター色域G3外かつ検証済ターゲット色域G1外に存在し検証済ターゲット色域点(白抜き丸)と同じ色相を有する点(例えば、白抜き菱形で示す点)も白抜き四角で示すプリンター色域点に写像される。
【0069】
図6のBは、プリンタープロファイルに含まれる多次元LUTを用いて写像角度を算出するための説明図である。
【0070】
多次元LUTは、L*a*b*色空間からCMYK色空間に色を変換するためのB to A LUTと、CMYK色空間からL*a*b*色空間に色を変換するためのA to B LUTとを有する。B to A LUTにより、L*a*b*色空間における、
図6のAの白抜き丸で示す検証済ターゲット色域G1の境界線上の検証済ターゲット色域点(L*,a*,b*)=(20,40,−7)が、CMYK色空間における(C,M,Y)=(100,100,0)に写像される。さらに、A to B LUTによりL*a*b*色空間に変換されることで、白抜き四角で示す、L*a*b*色空間における写像後の検証済ターゲット色域点(L*,a*,b*)=(20,35,−6)が得られる。なお、L*a*b*色空間における写像前の検証済ターゲット色域点(L*,a*,b*)=(20,40,−7)と写像後の検証済ターゲット色域点(L*,a*,b*)=(20,35,−6)は同一の色度平面上で同一の色相を有するため、明度を示すL*=20が等しくなる。
【0071】
L*a*b*色空間において、写像前後の検証済ターゲット色域点を、それぞれ(a*,b*)=(a*
1,b*
1)、および(a*,b*)=(a*
2,b*
2)とすると、写像角度は下記式(1)により算出される。
【0072】
写像角度=(b*
1−b*
2)/(a*
1−a*
2) ・・・(1)
なお、
図6のBから判るように、検証済ターゲット色域G1の境界線上の検証済ターゲット色域点(白抜き丸)も、当該検証済ターゲット色域点(白抜き丸)と同じ色相を有する検証済ターゲット色域外の点(白抜き菱形)も、同じプリンター色域点(白抜き四角)に写像される。
【0073】
図7を参照し、未検証の新規ターゲット色域点の色合せ精度の推定方法について説明する。
【0074】
図7においては、検証済ターゲット色域G1、新規ターゲット色域G2、およびプリンター色域G3の相互の関係において、パッチ生成の要否および新規ターゲット色域点の色合せ精度の推定方法の観点から区分される4つの場合(1.1、1.2、1.3、および2)が示されている。また、
図7には、検証済ターゲット色域G1はその境界線が破線により示され、新規ターゲット色域G2はその境界線が二点鎖線により示され、プリンター色域G3はその境界線が実線により示されている。
【0075】
図7の1.1、1.2、および1.3で示される、検証済ターゲット色域G1、新規ターゲット色域G2、およびプリンター色域G3の関係は、検証済ターゲット色域G1より新規ターゲット色域G2の方が広い点で共通する。
【0076】
検証済ターゲット色域G1、新規ターゲット色域G2、およびプリンター色域G3の大小関係は、コントローラー20の記憶部202に保存されている検証済ターゲットプロファイル、新規ターゲットプロファイル、およびプリンタープロファイルに含まれる各多次元LUTを参照し各色域を比較することにより判定される。
【0077】
以下、1.1、1.2、および1.3で示される、検証済ターゲット色域G1、新規ターゲット色域G2、およびプリンター色域G3の関係を有する場合における、パッチ生成の要否および新規ターゲット色域点の色合せ精度の推定方法について説明する。
【0078】
1.1で示される検証済ターゲット色域G1、新規ターゲット色域G2、およびプリンター色域G3の大小関係は、プリンター色域G3<検証済ターゲット色域G1<新規ターゲット色域G2である。この関係においては、検証済ターゲット色域G1の境界線において、新規ターゲット色域G2の境界線における新規ターゲット色域点と同じ色相を有する検証済ターゲット色域点と無彩色点との距離Aより、当該新規ターゲット色域点と無彩色点との距離Xの方が大きい。かつ、プリンター色域G3の境界線において新規ターゲット色域点と同じ色相を有するプリンター色域点と無彩色点との距離Bが距離Aおよび距離Xより小さい。
【0079】
1.1の関係においては、新規ターゲット色域G2が検証済ターゲット色域G1より広いため、新規ターゲット色域G2が検証済ターゲット色域G1に包含されていない。従って、新規ターゲット色域G2内の新規ターゲット色域点のうち検証済ターゲット色域G1より外側の新規ターゲット色域点(
図7の斜線領域に存在する新規ターゲット色域点)については色合せ精度の検証がされていない。
【0080】
しかし、1.1で示される関係においては、プリンター色域G3が、検証済ターゲット色域G1および新規ターゲット色域G2より狭い。このため、検証済ターゲット色域G1の境界線上の検証済ターゲット色域点(
図7の白抜き丸)からプリンター色域G3の境界線上のプリンター色域点(白抜き四角)への写像が可能である。また、当該検証済ターゲット色域点(白抜き丸)と同じ色相を有する新規ターゲット色域点(白抜き三角)は、当該検証済ターゲット色域点(白抜き丸)が写像されるプリンター色域点(白抜き四角)と同じプリンター色域点(白抜き四角)に写像される。従って、新規ターゲット色域点(白抜き三角)と同じプリンター色域点(白抜き四角)へ写像される検証済ターゲット色域点(白抜き丸)の測色値(X印)はすでに計測されているため、当該新規ターゲット色域点(白抜き三角)についてパッチの印刷および測色をせずに、当該測色値(X印)を当該新規ターゲット色域点(白抜き三角)の測色値とみなすことができる。そして、当該新規ターゲット色域点(白抜き三角)の測色値とみなされたX印で示す測色値(L*
1,a*
1,b*
1)と、基準値である当該新規ターゲット色域点(白抜き三角)のL*a*b*値(L*
2,a*
2,b*
2)との色差ΔEを当該新規ターゲット色域点(白抜き三角)についての色合せ精度として下記式(2)により算出することができる。
【0081】
ΔE=((L*
1−L*
2)
2+(a*
1−a*
2)
2+(b*
1−b*
2)
2)
0.5 ・・・(2)
このように、本実施形態においては、1.1の関係において、プリンターの色域G3を考慮して検証済ターゲット色域点の測色値により未検証の新規ターゲット領域の色差を推定する。これにより、測色のためのパッチ数をさらに削減し、色合せ精度の検証のさらなる効率化を実現することができる。
【0082】
1.1の関係における新規ターゲット色域点の色合せ精度の推定は、下記(1)〜(3)の手順により行われる。
【0083】
(1)プリンタープロファイルの多次元LUTを用いて、検証済ターゲット色域G1の境界線上の検証済ターゲット色域点(白抜き丸)がプリンター色域G3へ写像される写像角度を算出する。
【0084】
(2)(1)で算出された写像角度を用いて写像後の検証済ターゲット色域点(白抜き丸)と同じ色相を有する新規ターゲット色域G2内の新規ターゲット色域点(白抜き三角)を算出する。
【0085】
(3)検証済ターゲット色域点(白抜き丸)は、理論的には写像後のプリンター色域点(白抜き四角)の色でプリンター30により印刷されるが、実際にプリンター30から出力された検証済ターゲット色域点(白抜き丸)のパッチの測色値がX印の測色値となる。そこで、(2)で算出された新規ターゲット色域点(白抜き三角)とX印の測色値の色差を新規ターゲット色域点(白抜き三角)についての色合せ精度として算出する。
【0086】
1.1の関係においては、新規ターゲット色域点(白抜き三角)の色合せ精度の推定が可能であるため差分パッチの生成は不要と判断される。
【0087】
なお、1.1の関係を満たす未検証の新規ターゲット色域点(以下、「特定新規ターゲット色域点」と称する)の数が所定の閾値以下の場合は、特定新規ターゲット点についてパッチを生成し、測色により特定新規ターゲット点の色合せ精度を検証してもよい。この場合、特定新規ターゲット色域点についてのパッチは、差分パッチのチャートに含ませることにより、差分パッチとともに測色されてもよい。これにより、顧客の要望に柔軟に対応しつつ効率的にパッチの測色を行うことができる。特定新規ターゲット点についての当該閾値は、例えば、新規ターゲット色域G2に含まれる新規ターゲット色域点の数の1%とすることができる。
【0088】
1.2で示される検証済ターゲット色域G1、新規ターゲット色域G2、およびプリンター色域G3の大小関係は、検証済ターゲット色域G1<プリンター色域G3<新規ターゲット色域G2である。この関係においては、1.1と同様に、新規ターゲット色域G2が検証済ターゲット色域G1より広いため、新規ターゲット色域G2が検証済ターゲット色域G1に包含されていない。従って、新規ターゲット色域G2内の新規ターゲット色域点のうち検証済ターゲット色域G1より外側の新規ターゲット色域点について色合せ精度の検証がされていない。また、検証済ターゲット色域G1がプリンター色域G3より狭いため、検証済ターゲット色域点をプリンター色域G3に写像することができず写像角度を算出することができない。
【0089】
従って、1.2の関係においては、差分パッチを生成し、印刷および測色することで新規検証ターゲット色域点の測色値を計測する。そして、基準値である新規検証ターゲット色域点と計測した測色値との色差を新規検証ターゲット色域点についての色合せ精度として算出する。
【0090】
1.3で示される検証済ターゲット色域G1、新規ターゲット色域G2、およびプリンター色域G3の大小関係は、検証済ターゲット色域G1<新規ターゲット色域G2<プリンター色域G3である。この関係においては、1.1、1.2と同様に、新規ターゲット色域G2が検証済ターゲット色域G1より広いため、新規ターゲット色域G2が検証済ターゲット色域G1に包含されていない。従って、新規ターゲット色域G2内の新規ターゲット色域点のうち検証済ターゲット色域G1より外側の新規ターゲット色域点について色合せ精度の検証がされていない。また、検証済ターゲット色域G1がプリンター色域G3より狭いため、検証済ターゲット色域点をプリンター色域G3に写像することができず写像角度を算出することができない。
【0091】
従って、1.3の関係においては、1.2と同様に、差分パッチを生成し測色することで新規検証ターゲット色域点の測色値を計測する。そして、基準値である新規検証ターゲット色域点と計測した測色値の色差を新規検証ターゲット色域点についての色合せ精度として算出する。
【0092】
検証済ターゲット色域G1は、複数の検証済のターゲット色域をマージすることにより構成されてもよい。すなわち、検証済ターゲット色域G1は、複数の検証済ターゲット色域の少なくとも一部を含んでもよい。これにより、検証済ターゲット色域がより広くなり、色合せ精度が推定される新規ターゲット色域点や差分パッチの生成を要する新規ターゲット色域点の数が削減されるため、色合せ精度の推定に要する計算量や差分パッチの測色等に要する時間が低減され、より効率的な色合せ精度の検証を実現することができる。
【0093】
2の関係で示される、検証済ターゲット色域G1、新規ターゲット色域G2、およびプリンター色域G3の大小関係は、プリンター色域G3<新規ターゲット色域G2<検証済ターゲット色域G1であり、1.1〜1.3と異なり、検証済ターゲット色域G1より新規ターゲット色域G2の方が狭い。この関係においては、新規ターゲット色域G2が検証済ターゲット色域G1に包含されることで重複している。従って、新規ターゲット色域G2の範囲は、すでに色合せ精度の検証がされている。
【0094】
なお、新規ターゲット色域G2内において色合せ精度の検証が要求される新規ターゲット色域点の数が比較的多い場合に、2の関係においても、新規ターゲット色域点について基準値との色差を求めることが必要になる場合がある。この場合は、2の関係における新規ターゲット色域点についての基準値との色差は以下のように算出により推定できる。
【0095】
図8は、新規ターゲット色域G2が検証済ターゲット色域G1と重複する部分における新規ターゲット色域点の基準値との色差の算出方法を示す説明図である。
【0096】
2の関係における新規ターゲット色域点の基準値との色差ΔEの算出は、下記(1)、(2)の手順により行われる。
【0097】
(1)基準値との色差を推定しようとする新規ターゲット色域点(
図8の星印)の近傍にある複数(例えば、4つ)の検証済ターゲット色域点(黒塗り丸)とのL*a*b*色空間における各距離a、b、c、dを算出する。
【0098】
(2)すでに基準値との色差が検証済である検証済ターゲット色域点(黒塗り丸)の各色差ΔE
a、ΔE
b、ΔE
c、ΔE
dの、(1)で算出した各距離a、b、c、dによる重み付けされた平均値を、下記式(3)により、新規ターゲット色域点(星印)についての基準値との色差ΔEとして算出する。
【0099】
ΔE=(a
−1ΔE
a+b
−1ΔE
b+c
−1ΔE
c+d
−1ΔE
d)/(a
―1+b
−1+c
−1+d
−1) ・・・(3)
2の関係においては、新規ターゲット色域点(星印)についての色合せ精度の推定が可能であるため差分パッチの生成は不要と判断される。
【0100】
図7に示される検証済ターゲット色域G1、新規ターゲット色域G2、およびプリンター色域G3の関係は、GUI(Graphical User Interface)により、色合せ精度計算装置40の表示部404に表示され、または印刷指示端末10に送信されて印刷指示端末10の表示部104に表示されることができる。これにより、検証済ターゲット色域G1、新規ターゲット色域G2、およびプリンター色域G3の関係が視覚的に確認できるとともに、生成を要する差分パッチの数量や差分パッチの測色に必要な工数等を概略的に把握することができる。
【0101】
図5に戻り、説明を継続する。色合せ精度計算部4022は、差分パッチ生成部4020により生成された差分パッチの測色値と、各差分パッチに対応する基準値である新規ターゲット色域点との色差を算出する。色合せ精度計算部4022は、各新規ターゲット色域点について算出した色差と、推定精度計算部4021により算出された色差と、新規ターゲット色域点のうち検証済ターゲット色域点に含まれる検証済の色差と、を統合する。色合せ精度計算部4022は、統合により得られた、新規ターゲット色域内のすべての新規ターゲット色域点についての基準値との色差の平均を、新規ターゲット色域全体の色合せ精度として算出する。
【0102】
上記構成により、色合せ精度計算装置40は、コントローラー20から検証済ターゲットプロファイル、新規ターゲットプロファイル、およびプリンタープロファイルを受信する。そして、色合せ精度計算装置40は、受信した検証済ターゲットプロファイル、新規ターゲットプロファイル、およびプリンタープロファイルを参照することにより、検証済ターゲット色域G1、新規ターゲット色域G2、およびプリンター色域G3の大小関係を判定する。
【0103】
色合せ精度計算装置40は、検証済ターゲット色域G1、新規ターゲット色域G2、およびプリンター色域G3の大小関係が、プリンター色域G3<検証済ターゲット色域G1<新規ターゲット色域G2と判断したときは、検証済ターゲット色域点と同じ色相を有する新規ターゲット色域点を算出する。そして、色合せ精度計算装置40は算出した新規ターゲット色域点と、当該検証済ターゲット色域点の測色値との色差を当該新規ターゲット色域点についての色合せ精度として算出する。
【0104】
図9A、
図9Bは、本実施形態に係る色合せ精度の検証方法を実施するためのフローチャートである。本フローチャートは、画像形成システム1の色合せ精度計算装置40の記憶部402に格納された、差分パッチ生成部4020、推定精度計算部4021、および色合せ精度計算部4022を構成する画像形成システム用プログラムにより実施されることができる。
【0105】
色合せ精度計算装置40のCPU400は、コントローラー20から新規ターゲットプロファイルを受信して読み込む(S901)。
【0106】
CPU400は、検証済ターゲット色域G1についての色合せ精度のデータが記憶部402に存在するかどうかを判断する(S902)。
【0107】
CPU400は、検証済ターゲット色域についての色合せ精度のデータが存在しないと判断したときは(S902:NO)、新規ターゲット色域のすべての新規ターゲット色域点についてのパッチを含むチャートをコントローラー20に送信し、プリンター30から出力させる(S915)。出力されたチャートの各パッチについて測色器50により測色がなされると(S916)、CPU400は測色器50から測色値を受信し、基準値である新規ターゲット色域点と、対応する測色値との色差を算出することで、新規ターゲット色域点についての色合せ精度を検証する(S917)。新規ターゲット色域点についての色合せ精度の検証はすべての新規ターゲット色域点に対して行われる(S918)。
【0108】
CPU400は、検証済ターゲット色域G1についての色合せ精度のデータが存在すると判断したときは(S902:YES)、コントローラー20から検証済ターゲットプロファイルと、プリンタープロファイルとを受信して読み込む(S903)。
【0109】
CPU400は、検証済ターゲット色域G1と新規ターゲット色域G2との大小関係を判定する(S904)。すなわち、CPU400は、検証済ターゲット色域G1の境界線において、新規ターゲット色域G2の境界線における新規ターゲット色域点と同じ色相を有する検証済ターゲット色域点と無彩色点との距離Aと、当該新規ターゲット色域点と無彩色点との距離Xと、の大小関係を判定する。
【0110】
CPU400は、検証済ターゲット色域G1が新規ターゲット色域G2より広いと判断したときは(S904:YES)、すでに基準値との色差が検証済である複数の検証済ターゲット色域点と、当該複数の検証済ターゲット色域点と新規ターゲット色域点との各距離とに基づいて、新規ターゲット色域点について対応する基準値との色差を推定する。すなわち、検証済の複数の検証済ターゲット色域点と新規ターゲット色域点との各距離を算出し、当該複数の検証済ターゲット色域点についての各色差の、算出された各距離による重み付けされた平均値を算出する。そして、算出された当該平均値を新規ターゲット色域点についての基準値との色差と推定する(S905)。
【0111】
CPU400は、検証済ターゲット色域G1が新規ターゲット色域G2より広くないと判断したときは(S904:NO)、検証済ターゲット色域G1とプリンター色域G3との大小関係を判定する。すなわち、CPU400は、検証済ターゲット色域G1の境界線において、新規ターゲット色域G2の境界線における新規ターゲット色域点と同じ色相を有する検証済ターゲット色域点と無彩色点との距離Aと、プリンター色域G3の境界線において、新規ターゲット色域G2の境界線における当該新規ターゲット色域点と同じ色相を有するプリンター色域点と無彩色点との距離Bと、の大小関係を判定する。
【0112】
CPU400は、プリンター色域G3より検証済ターゲット色域G1の方が広いと判定したときは(S907:YES)、検証済ターゲット色域G1の境界線上の検証済ターゲット色域点からプリンター色域G3への写像角度である色相を算出する(S908)。CPU400は、当該検証済ターゲット色域点と同じ色相の新規ターゲット色域点を算出する(S909)。そして、CPU400は、算出した新規ターゲット色域点と、当該新規ターゲット色域点と同じ色相を有する検証済ターゲット色域点の測色値と、の色差を算出し、算出した色差を当該新規ターゲット色域点についての基準値との色差と推定する(S910)。
【0113】
CPU400は、プリンター色域G3より検証済ターゲット色域G1の方が広くないと判定したときは(S907:NO)、差分パッチを生成し(S911)、差分パッチのチャートをコントローラー20に送信してプリンター30により印刷および出力させる(S912)。CPUは、測色器50により測色されたチャートの差分パッチの測色値を受信し、受信した差分パッチの測色値と当該差分パッチに対応する対応する新規ターゲット色域点との色差を、当該新規ターゲット色域点についての基準値との色差として算出する(S914)。
【0114】
CPU400は、すべての新規ターゲット色域点について、基準値との色差が算出されるまで、ステップS904〜S905、S907〜S914を繰り返す(S906:NO)。
【0115】
CPU400は、すべての新規ターゲット色域点について基準値との色差が算出されることで各新規ターゲット色域点の色合せ精度の検証が完了すると(S906:YES)、新規ターゲット色域G2に含まれるすべての新規ターゲット色域点についての基準値との色差を平均し、新規ターゲット色域G2全体の色合せ精度として算出する(S919)。
【0117】
デバイス非依存空間において、同じ色相を有する、新規ターゲット色域の境界線上の新規ターゲット色域点、検証済ターゲット色域の境界線上の検証済ターゲット色域点、およびプリンター色域の境界線上のプリンター色域点の各点と無彩色点とのそれぞれの距離である距離X、距離A、および距離Bの大小関係を判定する。そして、距離Aより距離Xが大きく、かつ距離Bが距離Aおよび距離Xより小さいと判定された場合、新規ターゲット色域点の色合せ精度を、当該新規ターゲット色域点と同じ色相を有する当該検証済ターゲット色域点についての測色値と、当該新規ターゲット色域点との色差を算出することで検証する。これにより、プリンター色域を考慮して検証済ターゲット色域点の測色値により未検証の新規ターゲット領域点についての基準値との色差を推定することで、測色のためのパッチ数をさらに削減し、色合せ精度の検証のさらなる効率化を実現することができる。
【0118】
検証済ターゲット色域を、複数の検証済ターゲット色域の少なくとも一部を含むようにする。これにより、色合せ精度が推定される新規ターゲット色域点や差分パッチの生成を要する新規ターゲット色域点の数が削減されるため、色合せ精度の推定に要する計算量や差分パッチの測色等に要する時間が低減され、より効率的な色合せ精度の検証を実現することができる。
【0119】
検証済ターゲット色域、新規ターゲット色域、およびプリンター色域の関係を表示させる。これにより、検証済ターゲット色域、新規ターゲット色域、およびプリンター色域の関係が視覚的に確認できるとともに、生成を要する差分パッチの数量や差分パッチの測色に必要な工数等を概略的に把握することができる。
【0120】
上記距離X、距離A、および距離Bの大小関係が、距離Aより距離Xが大きく、かつ距離Bが距離Aおよび距離Xより小さいと判定された特定新規ターゲット色域点の数が所定の閾値以下の場合は、特定新規ターゲット点についてパッチを生成し、測色により特定新規ターゲット点の色合せ精度を検証する。この際、特定新規ターゲット色域点についてのパッチを、差分パッチのチャートに含ませ、差分パッチとともに測色されてもよい。これにより、顧客の要望に柔軟に対応しつつ効率的にパッチの測色を行うことができる。
【0121】
以上、本発明の実施形態に係る色合せ精度の検証方法、印刷システム用プログラム、および印刷システム用プログラムを記録した記録媒体について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
【0122】
例えば、上述した実施形態においては、新規ターゲット色域点の色合せ精度を、検証済ターゲット色域の境界線において当該新規ターゲット色域点と同じ色相を有する検証済ターゲット色域点の測色値と、当該新規ターゲット色域点との色差を算出することにより新規ターゲット色域点の色合せ精度を推定している。しかし、検証済ターゲット色域の境界線上以外の部分において新規ターゲット色域点と同じ色相を有する検証済ターゲット色域点の測色値と、当該新規ターゲット色域点との色差を算出することにより新規ターゲット色域点の色合せ精度を推定してもよい。
【0123】
また、実施形態においてプログラムにより実現する機能の一部または全部を、回路等のハードウェアに置き替えて実施されてもよい。