(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した一実施の形態であるヘッドマウントディスプレイ1(以下、「HMD1」という。)について、図面を参照して説明する。以下説明において、
図1の上方、下方、右斜め下方、左斜め上方、右斜め上方、左斜め下方が、夫々、HMD1の上方、下方、前方、後方、右方、左方である。本実施の形態において、種々の構成における位置関係及び方向関係の理解を助けるため、関連する図面において、HMD1の上方、下方、前方、後方、右方及び左方は、三次元デカルト座標系の軸を参照して説明する。
【0017】
図1を参照して、HMD1の構成を説明する。HMD1は、画像表示装置10及び制御装置50を備える。画像表示装置10は、例えば、専用の装着具である眼鏡5に装着されて使用される。眼鏡5以外に、画像表示装置10は取り付けられても良い。
図1に示す例では、眼鏡5は、左レンズ8A及び右レンズ8Bを備える。画像表示装置10は左レンズ8Aを通過して使用者の左の眼球(図示略)に画像光を照射する。画像表示装置10はハーネス7を介して制御装置50と着脱可能に接続される。制御装置50は、例えば、使用者の腰ベルト等に装着されて使用される。制御装置50は画像表示装置10を制御する。
【0018】
図1〜
図5を参照して、画像表示装置10の構成を説明する。画像表示装置10は筐体2を備える。筐体2は四角筒状の樹脂部材である。筐体2は投影ユニット30(
図3参照)を内蔵する。投影ユニット30は、液晶装置14を備える。液晶装置14は画像光を生成し、筐体2の左端側の開口部である第二接合端部274を通過して左方向に出射する。投影ユニット30から第二接合端部274へ向かう方向が本発明の「第1方向」に相当する。
図3に示すように、筐体2内の投影ユニット30の右側には、投影ユニット30を電気的に制御する電気基板205が、液晶装置14の表示面と平行に沿うように設けられている。また、第二接合端部274には樹脂製のハーフミラーホルダ25が着脱可能に保持されている。ハーフミラーホルダ25は樹脂製のハーフミラー3を保持する。ハーフミラー3は投影ユニット30の出射光の少なくとも一部(例えば半分)を左レンズ8A方向に反射する反射面3Aを有する。反射面3Aは、ハーフミラー3の眼鏡5の左レンズ8A及び投影ユニット30に対向する側に形成されている。反射面3Aから左レンズ8Aに向かう方向が本発明の「第2方向」に相当する。
【0019】
HMD1が使用者に装着されている場合、反射面3Aで反射された出射光は、眼鏡5の左レンズ8A方向に向かい、左レンズ8Aを通過して使用者の左の眼球(図示略)に入射する。入射した光は、目の水晶体によって網膜上に結像することで、虚像(画像)が使用者に視認される。また、ハーフミラー3は、外界の実像からの少なくとも一部(例えば半分)の外界光を透過する。HMD1が使用者に装着されている場合、透過した外界光は、使用者の左の眼球(図示略)に入射する。よって、使用者は自己の視野内において外界の実像に重畳して画像を視認できる。なお、ハーフミラー3の代わりに、プリズムや回折格子のような偏向部材を用いてもよい。尚、ハーフミラー3の代わりに、全反射のミラーを用いてもよい。
【0020】
図1に示すように、筐体2の前面の左右方向中央部には縦長のスリット9が設けられている。スリット9にはアジャスタ16の一部が露出する。使用者は、アジャスタ16を指で上下方向に回転させることによって、使用者によって視認される画像のピント距離の調整を行う。尚、「ピント距離」とは、HMD1によって提示される画像までの距離を意味する。
【0021】
図3を参照して、投影ユニット30の構成を説明する。投影ユニット30は、レンズホルダ15、接眼光学部120、液晶ホルダ17、液晶装置(LCD)14、アジャスタ16等を備える。レンズホルダ15は筒状に形成され、その内側に接眼光学部120が保持されている。接眼光学部120は、3枚のレンズ111,112,113を備える。レンズ111〜113の光軸は、レンズホルダ15の筒状の内部中心を左右方向に延びる軸線上に位置する。接眼光学部120は、液晶装置14から出射される画像光を集光して筐体2の第二接合端部274に導く。なお、「集光」とは、拡散する画像光の拡散度合いを低減する光学的作用のことを意味する。即ち、「集光」とは、接眼光学部120によって、画像光が収束光又は平行光に変換される構成に限定されない。液晶ホルダ17は液晶装置14を保持する。液晶装置14は液晶素子と光源を備える。液晶装置14はコンテンツ画像を表示可能である。コンテンツ画像は静止画像又は動画像である。液晶装置14は、制御装置50からハーネス7を介して送信される映像信号に基づき、画像光を出射する。
【0022】
アジャスタ16はリング状である。アジャスタ16は液晶ホルダ17の外周部に装着して取り付けられている。液晶ホルダ17の外周面には螺旋状の溝カム17Aが設けられている。アジャスタ16の内周面には係合部(図示略)が設けられている。係合部は液晶ホルダ17の溝カム17Aに係合し、溝カム17Aに沿って移動する。アジャスタ16は筐体2内で上下左右方向に位置決めされている。それ故、アジャスタ16はその位置で回転する。アジャスタ16を一方向又は反対方向に回転させると、係合部が溝カム17Aを摺動し、液晶ホルダ17が左右方向に移動する。これにより、液晶装置14と接眼光学部120との距離が変わり、HMD1によって提示される画像のピント距離が調整される。
【0023】
図1に示す眼鏡5は、使用者の頭部に装着されることで、画像表示装置10を使用者の頭部に保持可能である。眼鏡5はフレーム6、支持部4、左レンズ8A及び右レンズ8Bを備える。フレーム6の形状は通常の眼鏡と略同一である。フレーム6のうち、左レンズ8Aを支えるフレーム6の上面右端に支持部4が設けられる。支持部4は画像表示装置10の筐体2を保持する。支持部4は筐体2の保持位置を上下方向及び左右方向に移動可能である。使用者は、筐体2を上下方向及び左右方向に移動させることにより、左の眼球の位置とハーフミラー3の位置とが前後方向に並ぶように位置を調整できる。
【0024】
なお、画像表示装置10は、使用者が日常的に使用する眼鏡、ヘルメット、ヘッドホンなど、眼鏡5以外の他の装着具に取り付けられてもよい。液晶装置14は他の空間変調素子であってもよい。例えば、液晶装置14は、画像信号に応じた強度のレーザ光を2次元走査して画像表示を行う網膜走査型表示部、及び有機EL(Organic Electro-luminescence)ディスプレイであってもよい。また、
図1では、支持部4及び画像表示装置10がフレーム6の右側に設けられるが、支持部4及び画像表示装置10はフレーム6の左側に設けられてもよい。この場合、HMD1が使用者に装着されている状態で、画像光は使用者の右の眼球に入射する。
【0025】
図4に示すように、画像表示装置10は、筐体2と、ハーフミラーホルダ25とから構成される。筐体2と、ハーフミラーホルダ25とは、互いに分離可能に連結される。筐体2は、上板281、下板282、側壁283及び側壁284を備える。
【0026】
図4に示すように、ハーフミラーホルダ25の筐体2に接続される部分は、端面が略横長長方形状の第一接合端部252となっている。第一接合端部252は、端面が横長の略長方形状となっている。具体的には、第一接合端部252は、頭部装着状態において、前後方向に延びる上側水平エッジ256及び下側水平エッジ257と、上下方向に延び、且つ、略円弧状の前側垂直エッジ258及び後側垂直エッジ259とから構成される。
【0027】
また、筐体2のハーフミラーホルダ25に接続される部分は、横断面が略横長長方形状の第二接合端部274となっている。第二接合端部274は、端面が横長の略長方形状となっている。具体的には、頭部装着状態において前後方向に延びる上側水平エッジ276及び下側水平エッジ277と、上下方向に延び、且つ、略円弧状の前側垂直エッジ278及び後側垂直エッジ279となっている。ハーフミラーホルダ25が筐体2に保持される場合には、ハーフミラーホルダ25の上側水平エッジ256、下側水平エッジ257、前側垂直エッジ258及び後側垂直エッジ259と、筐体2の上側水平エッジ276、下側水平エッジ277、前側垂直エッジ278及び後側垂直エッジ279とが各々当接する。
【0028】
画像表示装置10は、さらに、筐体2とハーフミラーホルダ25とを着脱可能に互いに連結する連結機構を備える。ハーフミラーホルダ25と筐体2との連結状態において、連結機構は、第一接合端部252と、第二接合端部274とに跨るように配置される。
【0029】
次に、
図4を参照して、筐体2とハーフミラーホルダ25との連結機構について説明する。筐体2とハーフミラーホルダ25との連結機構は、互いに係合または離脱可能な凸部303,304及び凹部293,294とから構成される。それら凸部303,304及び凹部293,294の一方は、筐体2に形成され、他方は、ハーフミラーホルダ25に形成されている。
【0030】
具体的には、本実施の形態においては、ハーフミラーホルダ25の第一接合端部252のうち、上下方向に互いに対向する上板254と下板255とに、片持ち状、且つ、一体的にフック301とフック302とが各々形成されている。フック301,302の先端部に凸部303,304が、各々形成されている。各フック301,302は、横長断面で薄板状を成し、ハーフミラーホルダ25から筐体2に向かって、頭部装着状態において略左右方向に延び出している。上側及び下側の凸部303,304は、上側から下側に見た場合において、互いに同じ位置、且つ、互いに対向する向きに突出している。
【0031】
各フック301,302は、一例として合成樹脂製であり、ハーフミラーホルダ25と一体形成されている。各フック301,302は、各フック301,302の平面に直角な方向(
図4に於ける上下方向)に弾性変形することが可能である。従って、各凸部303,304が、ハーフミラーホルダ25に対して相対的に略上下方向に弾性変位することが可能である。すなわち、各フック301,302は、片持ち弾性梁として機能する。
【0032】
これに対応して、筐体2の第二接合端部274のうち、上下方向に互いに対向する上板281と下板282とに片持ち状、且つ、一体的に受け部291,292が各々形成されている。受け部291,292には、凹部293,294が、各々形成されている。上側の凹部293及び下側の凹部294は、上側から下側に向けて見た場合において、互いに反対向きに開口している。受け部291,292は、フック301,302と同様に、筐体2からハーフミラーホルダ25に向かって、頭部装着状態において略左右方向に延び出している。
【0033】
受け部291,292は、フック301,302と同様に、筐体2から片持ち状に延び出している。しかし、受け部291,292は、フック301,302とは異なり、材料力学的構造により、実質的にほとんど弾性変形しない。すなわち、受け部291,292は静止部材として作用するのに対し、フック301,302は可動部材として作用する。従って、
図5に示すように、凸部303,304が凹部293,294に嵌合することにより筐体2にハーフミラーホルダ25が装着される。尚、
図4に示すように、筐体2の第二接合端部274には、 ハーフミラーホルダ25の有無を検出する接続検出センサ20が側壁283の内壁283A側に設けられている。
【0034】
図1を参照して、制御装置50の構成を説明する。制御装置50は、例えば使用者の腰ベルトや腕等に取り付けられる。制御装置50は画像表示装置10を制御する。制御装置50は、ハーネス7を介して画像表示装置10と着脱可能に接続する。制御装置50は、筐体60、操作スイッチ61、電源スイッチ62等を操作面に備える。筐体60の形状は、縁部の丸い略直方体である。操作スイッチ61は、画像表示装置10における各種設定、及び使用時における各種操作等を行うためのスイッチである。電源スイッチ62は、HMD1の電源をオン又はオフするためのスイッチである。電源スイッチ62には、電源ランプ63が内蔵されている。
【0035】
図6を参照し、HMD1の電気的構成を説明する。先ず、画像表示装置10の電気的構成を説明する。画像表示装置10はCPU11を備える。CPU11には、RAM12、プログラムROM13、液晶装置14、インターフェイス18、接続コントローラ19に電気的に接続されている。RAM12は各種データを一時的に記憶する。プログラムROM13はCPU11が実行するプログラム及びOSを記憶する。プログラムはOS上で実行される。プログラム及びOSは、HMD1の出荷時にプログラムROM13に記憶される。接続コントローラ19は、ハーネス7を介して制御装置50の接続コントローラ58に接続し、有線通信を行う。接続検出センサ20はインターフェイス18を介して、CPU11に電気的に接続されている。尚、CPU11、RAM12、プログラムROM13、インターフェイス18及び接続コントローラ19等は、
図3に示す電気基板205上に設けられている。
【0036】
なお、画像表示装置10は、フラッシュROMを更に備えてもよい。フラッシュROMには、CPU11が実行するプログラムが記憶されてもよい。CPU11はフラッシュROMに記憶されたプログラムを実行してもよい。プログラムROM13及びフラッシュROMには、制御装置50のCPU51が実行するプログラムが記憶されてもよい。CPU11は、制御装置50のCPU51が実行する処理と同じ処理を、CPU51の代わりに実行してもよい。
【0037】
次に、制御装置50の電気的構成を説明する。制御装置50はCPU51を備える。CPU51には、RAM52、プログラムROM53、フラッシュROM54、インターフェイス55、ビデオRAM56、画像処理部57、接続コントローラ58、及び無線通信部59が電気的に接続されている。RAM52は各種データを一時的に記憶する。プログラムROM53はCPU51が実行するプログラム及びOSを記憶する。プログラムはOS上で実行される。プログラム及びOSは、HMD1の出荷時にプログラムROM53に記憶される。フラッシュROMは各種情報を記憶する。
【0038】
インターフェイス55は、操作スイッチ61、電源スイッチ62、及び電源ランプ63に接続し、信号の入出力を制御する。画像処理部57は、画像表示装置10の液晶装置14に表示する画像を形成し、ビデオRAM56に一時的に記憶する。接続コントローラ58は、ハーネス7を介して画像表示装置10の接続コントローラ19に接続し、有線通信を行う。無線通信部59は、インターネット、LAN等に接続されたアクセスポイント(図示略)を介して、インターネット、LAN等に接続された周辺機器と通信を行う。周辺機器の例として、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット型携帯端末、サーバ等が挙げられる。
【0039】
なお、制御装置50のフラッシュROM54に、CPU51が実行するプログラムが記憶されてもよい。CPU51は、フラッシュROM54に記憶されたプログラムを実行してもよい。プログラムROM53及びフラッシュROM54には、画像表示装置10のCPU11が実行するプログラムが記憶されてもよい。CPU51は、画像表示装置10のCPU11が実行する処理と同じ処理を、CPU11の代わりに実行してもよい。
【0040】
また、HMD1は、プログラムを、無線通信部59を介してプログラムダウンロード用のサーバからダウンロードし、インストールしてもよい。例えば、サーバの記憶装置に保存されているプログラムは、コンピュータで読み取り可能な一時的な記憶媒体(例えば、伝送信号)として、サーバからHMD1に送信されてもよい。プログラムは、HMD1が備えるコンピュータで読み取り可能な記憶装置、例えば、フラッシュROMに保存されてもよい。CPU11は、フラッシュROMに記憶されたプログラムに基づいてプログラムを実行してもよい。CPU51は、フラッシュROM54に記憶されたプログラムに基づいてプログラムを実行してもよい。記憶装置は、例えばROM、フラッシュROM、HDD、RAMなどの、一時的な記憶媒体を除く非一時的な記憶媒体であってもよい。非一時的な記憶媒体は、データを記憶する時間の長さに関わらず、データを留めておくことが可能なものであってもよい。
【0041】
さらに、HMD1の構成は上記実施の形態に限定されず、例えば、画像表示装置10と制御装置50とが一体となった構成であってもよい。画像表示装置10のCPU11と制御装置50のCPU51とは、ハーネス7の代わりに無線によって通信を行ってもよい。
【0042】
次に、
図7を参照して、筐体2へハーフミラーホルダ25が取り付けられているか否かを検出する接続検出センサ20について説明する。
図7は接続検出センサ20の第一実施の形態を示す。第一実施の形態の接続検出センサ20は、一例として、フォトダイオード等の光量検出センサが用いられる。
図7に示す第一実施の形態では、接続検出センサ20がセンサ基板201に半田付けされている。センサ基板201は、接続検出センサ20が固定されるのみで、接続検出センサ20の制御は電気基板205が行う。また、センサ基板201は、第二接合端部274において、側壁283の内壁283A側に固定されている。従って、接続検出センサ20の受光面は、第二接合端部274に面している。また、センサ基板201から電気基板205まで、配線202が側壁283の内壁283Aに沿って設けられている。内壁283Aには、第二接合端部274側から電気基板205に向かう一対の壁204が内壁283Aと直交するように形成されている。一対の壁204の間が溝203となっている。配線202は、溝203内に設けられている。
【0043】
次に、第一実施の形態の接続検出センサ20の動作について説明する。
図7(A)に示すように、ハーフミラーホルダ25が筐体2に嵌っている場合には、
図3に示す液晶装置14から出た光は、ハーフミラー3の反射面3Aで反射して、接続検出センサ20に入光する。また、外光Bもハーフミラー3を透過して接続検出センサ20に入光する。反射面3Aの反射率が50%であると仮定すると、ハーフミラーホルダ25が筐体2に嵌っている場合には、「接続検出センサ20で検出される光量=液晶装置14から出てハーフミラー3の反射面3Aで反射した反射光の光量+外光Bの光量の1/2」となる。これに対して、
図7(B)に示すように、ハーフミラーホルダ25が筐体2に嵌っていない場合には、
図3に示す液晶装置14から出た光は、接続検出センサ20に入光せず、外光Bのみ接続検出センサ20に入光する。従って、ハーフミラーホルダ25が筐体2に嵌っている場合には、液晶装置14が点灯した時と消灯した時とで、接続検出センサ20に入光する光量が変化する。
【0044】
制御装置50のCPU51は、ハーフミラーホルダ25が筐体2に嵌っているか否かの検出を以下のように行う。まず、制御装置50のCPU51は、画像表示装置10のCPU11に対して、液晶装置14の画像光を消した状態で、接続検出センサ20により光量を測定するように指示する。画像表示装置10のCPU11は、液晶装置14の画像光を消した状態で、接続検出センサ20により光量を測定する。次いで、CPU11は、測定した結果の値を制御装置50のCPU51に送信する。CPU51は、受信した値をRAM52に記憶する。次に、制御装置50のCPU51は、画像表示装置10のCPU11に対して、液晶装置14の画像光を点灯した状態で、接続検出センサ20により、光量を測定するように指示する。画像表示装置10のCPU11は、液晶装置14の画像光を点灯した状態で、接続検出センサ20により光量を測定する。CPU11は、測定した結果の値を制御装置50のCPU51に送信する。CPU51は、受信した値をRAM52に記憶する。次に、CPU51は、RAM52に記憶した二つの値を比較して、光量の差分を判断する。光量の差分が予め実験して定められている所定値以上あれば、CPU51は、筐体2にハーフミラーホルダ25が取り付けられていると判断する。光量の差分が予め実験して定められている所定値未満であれば、CPU51は、筐体2にハーフミラーホルダ25が取り付けられていないと判断する。
【0045】
次に、
図8を参照して、接続検出センサ20の第二実施の形態について説明する。第二実施の形態の接続検出センサ20は、距離センサが用いられ、一例として、赤外線を発光して距離を測定する赤外線距離センサや、超音波を発信して距離を測定する超音波距離センサ等が用いられる。
図8に示す第二実施の形態では、一例として、赤外線距離センサから構成される接続検出センサ20がセンサ基板201に半田付けされている。センサ基板201、配線202及び溝203等の構造は、上記第一実施の形態と同じである。
【0046】
次に、第二実施の形態の接続検出センサ20の動作について説明する。
図8(A)に示すように、ハーフミラーホルダ25が筐体2に嵌っている場合には、接続検出センサ20の赤外線発光部(図示略)から発光された赤外線は、ハーフミラーホルダ25の壁面253(
図4参照)により反射されて、接続検出センサ20の受光部(図示略)により受光される。これに対して、
図8(B)に示すように、ハーフミラーホルダ25が筐体2に嵌っていない場合には、接続検出センサ20の赤外線発光部(図示略)から発光された赤外線は、接続検出センサ20の受光部(図示略)により受光されない。
【0047】
制御装置50のCPU51は、ハーフミラーホルダ25が筐体2に嵌っているか否かの検出を以下のように行う。まず、制御装置50のCPU51は、画像表示装置10のCPU11に対して、距離センサである接続検出センサ20を稼働させるように指示する。画像表示装置10のCPU11は、距離センサである接続検出センサ20を稼働させて反射光により距離を測定する。CPU11は、測定した結果の値を制御装置50のCPU51に送信する。CPU51は、距離が所定値以下の近い反射の測定結果を受信した場合は、筐体2にハーフミラーホルダ25が取り付けられていると判断する。距離が所定値よりも遠い反射の測定結果を受信した場合は、CPU51は、筐体2にハーフミラーホルダ25が取り付けられていないと判断する。
【0048】
次に、
図9を参照して、接続検出センサ20の第三実施の形態について説明する。第三実施の形態の接続検出センサ20は、メカニカルスイッチが用いられる。一例として、マイクロスイッチ等が用いられる。
図9に示す第三実施の形態では、一例として、マイクロスイッチから構成される接続検出センサ20がセンサ基板201に半田付けされている。センサ基板201、配線202及び溝203等の構造は、上記第一実施の形態と同じである。
【0049】
次に、第三実施の形態の接続検出センサ20の動作について説明する。
図9(A)に示すように、ハーフミラーホルダ25が筐体2に嵌っている場合には、接続検出センサ20の押し部材221(
図9(B)参照)が、ハーフミラーホルダ25の壁面253により押し込まれて、接続検出センサ20を構成するマイクロスイッチがONになる。これに対して、
図9(B)に示すように、ハーフミラーホルダ25が筐体2に嵌っていない場合には、接続検出センサ20の押し部材221は押し込まれておらず、接続検出センサ20を構成するマイクロスイッチがOFFになる。
【0050】
制御装置50のCPU51は、ハーフミラーホルダ25が筐体2に嵌っているか否かの検出を以下のように行う。まず、制御装置50のCPU51は、画像表示装置10のCPU11に対して、マイクロスイッチである接続検出センサ20がONかOFFかを問い合わせる。画像表示装置10のCPU11は、マイクロスイッチである接続検出センサ20の状態を制御装置50のCPU51に送信する。CPU51は、接続検出センサ20がONの場合には、筐体2にハーフミラーホルダ25が取り付けられていると判断する。接続検出センサ20がOFFの場合にはCPU51は、筐体2にハーフミラーホルダ25が取り付けられていないと判断する。
【0051】
以上の説明において、投影ユニット30が本発明の「画像光出力部」の一例であり、電気基板205が本発明の「電気基板」の一例であり、ハーフミラー3が本発明の「偏向部材」の一例である。接続検出センサ20が本発明の「検知部」の一例であり、配線202が本発明の「接続部」の一例であり、反射面3Aが本発明の「反射面」の一例である。液晶装置14が本発明の「表示面」の一例であり、内壁283Aが本発明の「内壁」の一例である。
【0052】
以上説明したように、本実施の形態のHMD1は、使用者の頭部に装着され、外界からの光線に画像を重畳させて表示するシースルー型のヘッドマウントディスプレイである。HMD1は、液晶装置14、接眼光学部120、及びハーフミラー3を備える。投影ユニット30は画像光を接眼光学部120に向けて出射する。接眼光学部120は出射された画像光を集光し、ハーフミラー3に導く。ハーフミラー3は、接眼光学部120を通過した画像光の少なくとも一部を反射する。HMD1が使用者に装着されている場合、ハーフミラー3によって反射された画像光は、使用者の左の眼球に入射する。入射した光は、目の水晶体によって網膜上に結像することで、虚像(画像)が使用者に視認される。また、HMD1は、小型且つ簡易な構造の接続検出センサ20を筐体2の第二接合端部274内に備えているので、筐体2にハーフミラーホルダ25が嵌っているか否かを制御装置50のCPU51は判断できる。従って、本実施の形態のHMD1では、筐体2からハーフミラーホルダ25の着脱を検出できる電気的構成を小型化して筐体2に設けることができる。
【0053】
また、接続検出センサ20は、投影ユニット30を電気的に制御する電気基板205に配線202により接続されるので、接続検出センサ20も電気基板205で制御できる。従って、投影ユニット30を電気的に制御する電気基板205と、ハーフミラーホルダ25の有無を検出する接続検出センサ20を電気的に制御する電気基板とを共通化できるため、画像表示装置を小型化することができる。
【0054】
本実施の形態のHMD1は、ハーフミラー3で反射させるための画像を形成する液晶装置14の表示面に沿って、接続検出センサ20と投影ユニット30とで共通に使用する電気基板205が設けられるため、筐体2内のスペースを無駄に使うことを避けることができる。また、接続検出センサ20と電気基板205とを接続する配線202が、第1方向に沿って、電気基板205から第二接合端部274まで延びる筐体2内の内壁283Aに沿って設けられるため、画像光を出力する光路の邪魔にならずに、接続検出センサ20と電気基板205とを電気的に接続することができる。また、接続検出センサ20と電気基板205とを接続する配線202が、第1方向に沿った溝203に収まるため、配線202が移動することなく、画像光を出力する光路の邪魔にならずに接続検出センサ20と電気基板205とを電気的に接続することができる。
【0055】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、電気基板205と投影ユニット30とが一体で形成されていてもよい。この場合、電気基板205が投影ユニット30と一体になっているので、構造を小型化できる。また、ハーフミラーホルダ25の有無の判断は、画像表示装置10のCPU11で行ってもよい。また、接続検出センサ20の位置は、上記実施の形態の位置に限られず、第二接合端部274の任意の位置に変更してもよい。
【0056】
また、上記実施の形態において、接続検出センサ20とインターフェイス18とは、無線によって通信が行われてもよい。