【文献】
Nick McKeown et al.,OpenFlow:Enabling Innovation in Campus Networks,ACM SIGCOMM Computer Communication Review, Volume38, Number2,2008年 4月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記処理手段は、前記制御装置により前記インターフェース情報に基づいて決定されたポリシーに従って、前記パケットを前記複数の通信インターフェースのいずれかに転送することを特徴とする、請求項1に記載の移動通信端末。
前記制御手段は、前記移動通信端末と前記制御装置との間に確立された通信チャネルを介して、前記インターフェース情報を送信することを特徴とする、請求項1に記載の移動通信端末。
前記制御手段は、前記制御装置から送信された前記処理手段の特性情報の要求に対して、前記インターフェース情報を応答することを特徴とする、請求項1に記載の移動通信端末。
前記処理手段は、前記制御装置からの指示に従って、複数のポートの少なくとも1つに関連付けられた前記複数の通信インターフェースのいずれかの通信インターフェースにパケットを転送し、
前記制御手段は、前記複数のポートの少なくとも1つに関連付けられた前記いずれかの通信インターフェースに関する情報を前記ネットワークに送信することを特徴とする、請求項1に記載の移動通信端末。
前記インターフェース情報は、前記移動通信端末が前記ネットワークと通信する際に使用可能なアクセス方式に関する情報を含むことを特徴とする、請求項1に記載の移動通信端末。
前記インターフェース情報は、前記移動通信端末が前記ネットワークと通信する際に使用しているアクセス方式に関する情報を含むことを特徴とする、請求項1に記載の移動通信端末。
前記制御装置より前記インターフェース情報に基づいて決定されたポリシーに従って、前記パケットを前記複数の通信インターフェースのいずれかに転送することを特徴とする、請求項9に記載の通信方法。
前記制御装置からの指示に従って、複数のポートの少なくとも1つに関連付けられた前記複数の通信インターフェースのいずれかの通信インターフェースにパケットを転送し、
前記複数のポートの少なくとも1つに関連付けられた前記いずれかの通信インターフェースに関する情報を前記ネットワークに送信することを特徴とする、請求項9に記載の通信方法。
前記インターフェース情報は、前記移動通信端末が前記ネットワークと通信する際に使用可能なアクセス方式に関する情報を含むことを特徴とする、請求項9に記載の通信方法。
前記インターフェース情報は、前記移動通信端末が前記ネットワークと通信する際に使用しているアクセス方式に関する情報を含むことを特徴とする、請求項9に記載の通信方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明に係る通信システムの接続構成を一例として示す図である。
図1のシステム構成は例示であり、本発明は
図1に記載されたシステム構成に限定されない。
【0018】
移動通信端末1は、複数種類のRAT(Radio Access Technology)をサポートしており、各々のRATに対応したRAN(Radio Access Network)を介して通信する。RANは、例えば、LTE(Long Term Evolution)網6や802.11g網7である。移動通信端末1は、例えば、携帯電話、パーソナルコンピュータ、モバイルルータ等の通信機能を有する装置である。移動通信端末1は、例えば、RANを介してネットワーク4と通信する。移動通信端末1は、例えば、ネットワーク4を介してサーバ装置5と通信する。
【0019】
ネットワーク4は、例えば、制御装置2と複数のパケット転送装置3を含む。制御装置2は、パケット転送装置3によるパケット転送を集中制御する。制御装置2は、例えば、パケット転送装置3からの要求に応じて、パケットの処理方法を決定し、決定した処理方法をパケット転送装置3に指示する。制御装置2は、例えば、サーバ装置5への転送経路に対応する処理方法をパケット転送装置3に指示する。パケット転送装置3は、制御装置2からの指示に従って、受信パケットを処理する。
【0020】
なお、ネットワーク4は、制御装置2に従ってパケットを転送するパケット転送装置3以外の通信機器を含んでいてもよい。例えば、ネットワーク4は、RIP(Routing Information Protocol)やOSPF(Open Shortest Path First)等の分散型プロトコルに基づいて動作する通信機器を含んでいてもよい。
【0021】
移動通信端末1は、例えば、制御装置2からの指示に従って動作するパケット転送装置3を介してサーバ装置5と通信する。
【0022】
図2は、移動通信端末1の構成を一例として示すブロック図である。
図2の構成は例示であり、本発明の移動通信端末1は
図2に記載された構成に限定されない。
【0023】
移動通信端末1は、複数種類の通信インターフェース10を有する。
図2には2つの通信インターフェース10が示されているが、通信インターフェース10の数は2つに限らない。移動通信端末1は、通信インターフェース10を介して、対応するRANと通信する。例えば、移動通信端末1は、LTE網6に対応する通信インターフェース10を介して、LTE網6と通信する。
【0024】
パケット転送機能部13は、ネットワーク4の制御装置2からの指示に従って、パケットの転送等を実行する。パケット転送機能部13は、例えば、ソフトウェアで構築された仮想スイッチであってもよい。パケット転送機能部13は、処理部11と制御部12を含む。
【0025】
制御部12は、制御装置2との間の通信を制御する。制御部12は、例えば、パケット転送機能部13が制御装置2から指示を受信するために、制御装置2との間で制御チャネルを設定する。制御部12は、例えば、設定した制御チャネルを介して、制御装置2に対して指示を要求する。
【0026】
処理部11は、制御部12が制御装置2から受信した指示に従って、パケットを処理する。処理部11は、例えば、通信インターフェース10のいずれかに対してパケットを転送する。また、処理部11は、例えば、通信インターフェース10のいずれかを介して受信したパケットを、移動通信端末1で動作する所定のアプリケーションに転送する。
【0027】
制御部12は、制御装置2に通知するために、それぞれの通信インターフェース10に関する情報をネットワーク4に送信する。通信インターフェース10に関する情報は、例えば、通信インターフェース10のサポートするアクセス方式、通信インターフェース10で使用しているアクセス方式、通信インターフェース10の通信状況等である。制御部12は、通信インターフェース10に関する情報を、例えば、パケット転送装置3を介して、制御装置2に送出する。
【0028】
移動通信端末1が通信インターフェース10に関する情報を送信するので、制御装置2は、その情報を考慮して、移動通信端末1に指示をすることができる。制御装置2は、例えば、移動通信端末1が通信するパケットの属性と通信インターフェース10の特性とを考慮して、移動通信端末1のパケット処理を制御できる。例えば、移動通信端末1が動画ストリーミングを行う場合、802.11g網7はLTE網6に比べて、基地局等のアクセス装置あたりの移動通信端末の接続数が少ないため、移動通信端末1が使用可能な帯域が多い可能性が高いことを考慮して、制御装置2は、移動通信端末1が802.11g網7に対応する通信インターフェース10を使用するように、制御部12に対して指示を送る。また、例えば、移動通信端末1がVoIP(Voice over IP)を行う場合、LTE網6は802.11g網7に比べて、遅延が少なく、カバーエリアが広いことを考慮して、制御装置2は、移動通信端末1がLTE網6に対応する通信インターフェース10を使用するように、制御部12に対して指示を送る。
【0029】
以上のように、本発明によれば、制御装置2は、それぞれのRATに対応する移動通信端末1の特性や状況を考慮して、移動通信端末1を制御することができる。
【0030】
[実施形態1]
第1の実施形態に係る通信システムについて、図面を参照して説明する。
【0031】
図3は、本実施形態における移動通信端末100の構成を一例として示すブロック図である。
図3に記載された構成は例示であり、移動通信端末100の構成は、
図3に記載された構成に限定されない。なお、移動通信端末100は、
図1に記載された通信システムに属するものとする。移動通信端末100は、例えば、携帯電話、パーソナルコンピュータ、モバイルルータ等の通信機能を有する装置である。
【0032】
パケット転送機能部103は、複数のポート部104を有する。
図3の例では、パケット転送機能部103は、n個(nは整数)のポート部104を有する。それぞれの通信インターフェース105は、例えば、複数のポート部104の少なくとも1つに関連付けられている。
【0033】
移動通信端末100は、制御装置2に通知するために、複数のポート部104の少なくとも1つに関連付けられた通信インターフェース105に関する情報を、ネットワーク4に送信する。以下、図を参照して詳細に説明する。
【0034】
図3は、移動通信端末100の構成例を示す。
図3を参照すると、移動通信端末は、N個のアプリケーション部101、プロトコルスタック部102、パケット転送機能部103、n個のポート部104、および、N個の通信インターフェース105を備える。
【0035】
移動通信端末100において、複数のアプリケーション(アプリケーション部101 #1〜#N)が動作している。アプリケーションは、LTE網6や802.11g網7を介して、ネットワーク4と通信する。
【0036】
アプリケーションがネットワーク4に通信データを送信する際、通信データは、プロトコルスタック部102(例えば、OSI参照モデル等のプロトコルスタック)により処理され、所定のプロトコルヘッダ等が付与されたパケットに加工される。パケットは、パケット転送機能部103を介して、通信インターフェース105から送信される。
【0037】
パケット転送機能部103は、制御装置2の指示に従って、ポート部104からパケットを転送する。ポート部104から転送されたパケットは、通信インターフェース105のいずれかを介してLTE網6や802.11g網7に送信される。また、通信インターフェース105がLTE網6や802.11g網7から受信したパケットは、パケット転送機能部103を介してアプリケーションに送られる。
【0038】
図4は、パケット転送機能部103の構成を一例として示すブロック図である。
図4を参照すると、パケット転送機能部103は、制御部130、処理部131、アクセス管理部132、アクセス管理DB133、処理規則管理部134、および、処理規則データベース(DB)135を備える。
【0039】
制御部130は、制御装置2との間の通信を制御する。制御部130は、例えば、パケット転送機能部103が制御装置2から指示を受信するために、制御装置2との間で制御チャネルを設定する。制御部130は、例えば、設定した制御チャネルを介して、制御装置2に対して指示を要求する。
【0040】
制御部130は、制御装置2から受信した指示を、処理規則管理部134に渡す。処理規則管理部134は、制御装置2から受信した指示を、処理規則DB135に格納する。
【0041】
図5は、制御装置2から受信した指示の構成例を示す。制御装置2は、例えば、パケットが属するフローを識別するための条件である照合規則と、その照合規則に合致するフローに属するパケットの処理方法とで構成される処理規則を制御部130に送信する。すなわち、制御装置2は、処理規則を指示として、制御部130に送信する。処理規則DB135は、制御装置2から受信した処理規則を格納する。
【0042】
図5は、照合規則の例として、“フロー#A”、“フロー#B”を示している。“フロー”とは、パケットの宛先アドレスや送信元アドレス等の所定の情報やそれらの情報の組み合わせにより特定される一連のパケット群を意味する。例えば、“フロー#A”には、「パケットの送信先アドレスが“A”であり、かつ、パケットの送信元アドレスが“a”であるパケット」という条件が照合規則として規定されている。また、例えば、「http/httpsプロトコルに対応するポート番号を具備するパケット(すなわち、Webアクセス用のパケット)」という条件が照合規則として規定されている。照合規則に適合するパケットは、その照合規則に対応する処理方法により処理される。
【0043】
処理部11は、制御装置2の指示に従って、パケット転送やパケットヘッダ部の書き換え等の処理を実行する。検索部136は、処理規則DB135に格納された処理規則のうち、パケットに適合する処理規則を検索する。検索部136は、例えば、パケットの内容と照合規則とを照合し、パケットの内容にマッチする照合規則を含む処理規則を検索する。検索部136は、例えば、パケットに適合する処理規則が処理規則DB135に格納されていない場合、制御部130に通知し、制御部130は制御装置2に対して処理規則を要求する。
【0044】
アクション実行部137は、検索部136が検索した処理規則が規定している処理方法に従って、パケットを処理する。例えば、アクション実行部137は、パケットを所定のポート部104から転送する処理や、パケットの内容を書き換える処理を、処理規則に従って実行する。
【0045】
アクセス管理部132は、アクセス管理DB133を検索し、制御部130に、通信インターフェース105に関する情報を通知する。制御部130は、通知された情報を、制御装置2に通知するために、ネットワーク4に送信する。
【0046】
図6は、アクセス管理DB133の構成を一例として示す表である。
図6の構成は例示であり、アクセス管理DB133の構成は、
図6に記載された構成に限定されない。
【0047】
アクセス管理DB133は、各ポート部104と各通信インターフェース105との対応およびそのインターフェースの状態を管理する。アクセス管理DB133は、例えば、ポート部104の番号と、通信インターフェース105の番号とを用いて、ポート部104と通信インターフェース105の対応を管理する。例えば、番号が“#1”のポート部104は、番号が“#1”の通信インターフェース105と対応する。アクセス管理DB133は、通信インターフェース105のサポートしているアクセス方式も管理する。例えば、
図6は、番号が“#1”の通信インターフェースのサポートしているアクセス方式は、LTEであることを示す。
【0048】
本実施形態では、サポートするアクセス方式として、LTEや802.11g等の具体的な通信規格で記載しているが、複数の通信規格を包含する粒度で管理してもよい。これは、例えば、UTRAN(UMTS Terrestrial Radio Access Network)やLTEを包含する3GPPアクセスや、802.11gや802.11n等を包含するWLAN(Wireless Local Area Network)等が挙げられる。なお、サポートしているアクセス方式は例示であり、アクセス管理DB133は、通信インターフェースの特性としてサポートしているアクセス方式以外の情報を管理してもよい。
【0049】
アクセス管理DB133は、通信インターフェース105のリンク状態も管理する。例えば、
図6は、番号が“#1”の通信インターフェースはUp状態、すなわち、LTE網6との接続関係を確立している状態であることを示す。
【0050】
制御部130は、例えば、通信インターフェース105のサポートするアクセス方式を、当該通信インターフェース105に対応するポート部104のポート番号と共に、制御装置2に通知する。また、制御部130は、例えば、通信インターフェース105の状態を、当該通信インターフェース105に対応するポート部104のポート状態として、制御装置2に通知する。
【0051】
移動通信端末100は、パケット転送機能部103に相当する機能を有するソフトウェアモジュールをダウンロードする機能を備えていてもよい。移動通信端末100は、ダウンロードしたソフトウェアモジュールを、パケット転送機能部103として用いてもよい。
【0052】
なお、パケット転送装置3は、アクセス管理部132とアクセス管理DB133を除き、パケット転送機能部103と同等の構成を備える。
【0053】
図7は、制御装置2の構成を一例として示すブロック図である。
図7を参照すると、制御装置2は、ノード通信部20、制御メッセージ処理部21、計算部22、DB管理部23、トポロジ管理部24、位置管理部25、処理規則DB26、端末情報管理部27、および、アクセス網選択ポリシーDB28を備える。なお、
図7の構成は例示であり、制御装置2の構成は、
図7に記載の構成に限定されない。
【0054】
処理規則DB26は、移動通信端末100やパケット転送装置3に設定するための処理規則を格納する。なお、処理規則の詳細は、
図5を参照して説明されているため、ここでは省略する。
【0055】
ノード通信部20は、移動通信端末100やパケット転送装置3と通信する。
【0056】
トポロジ管理部24は、ノード通信部20を介して収集されたパケット転送装置3の接続関係に基づいて、ネットワークトポロジを管理する。
【0057】
計算部22は、ネットワークトポロジに基づいてパケットの転送経路および該転送経路上のパケット転送装置3に実行させるパケット処理を決定する。つまり、計算部22は、パケットの転送経路を計算し、その転送経路に対応する処理規則を決定する。
【0058】
DB管理部23は、計算部22が決定した処理規則を処理規則DB26に登録する。DB管理部23は、パケット転送装置3や移動通信端末100からの処理規則の削除通知に応じて、処理規則DB26に登録している処理規則を更新する。
【0059】
制御メッセージ処理部21は、パケット転送装置3や移動通信端末100から受信した制御メッセージを解析し、必要な処理を行う。また、制御メッセージ処理部21は、パケット転送装置3や移動通信端末100に送信するメッセージ(例えば、処理規則を設定するためのメッセージ等)を生成する。
【0060】
制御装置2がパケット転送装置3や移動通信端末100の制御に用いるために、制御メッセージ処理部21は、パケット転送装置3や移動通信端末100の能力(ポート数、所定のパケット処理の実行能力、ポート毎の伝送レート、等)を、パケット転送装置3や移動通信端末100に要求する。パケット転送装置3や移動通信端末100は、能力要求(Feature Request)に対して、能力通知(Feature Reply)を用いて、パケット転送用のポート数や所定のパケット処理の実行能力の情報を応答する。移動通信端末100は、能力要求に対して、通信インターフェースに関する情報を応答する。
【0061】
位置管理部25は、ネットワーク4のネットワークトポロジ上での移動通信端末100の位置を管理する。位置管理部25は、例えば、LTE網6や802.11g網7等RANから払い出された移動通信端末100のIPアドレスにより、移動通信端末100の位置を管理する。
【0062】
端末情報管理部27は、移動通信端末100やパケット転送装置3から送信された情報を管理する。例えば、端末情報管理部27は、パケット転送装置3から受信した、パケット転送装置3の能力に関する情報(パケット転送装置3のポート数、特定のパケット処理の実行能力、等)を管理する。また、端末情報管理部27は、移動通信端末100から受信した情報も管理する。端末情報管理部27は、移動通信端末100の通信インターフェース105と、当該通信インターフェースに対応するポート部104のポート番号を管理する。
【0063】
図8に、端末情報管理部27が移動通信端末100の情報として管理するテーブルを一例として示す。なお、
図8は例示であり、テーブルの構成は
図8に記載されたものに限定されない。
【0064】
端末情報管理部27は、移動通信端末100の識別子毎に、情報を管理する。端末情報管理部27は、それぞれの移動通信端末100が有するポート部104の各々がサポートするアクセス方式およびそのポート状態を管理する。
【0065】
アクセス網選択ポリシーDB28は、パケットのフロー種別毎に、移動通信端末100が使用すべきアクセス方式(すなわち、使用すべき通信インターフェース105)を管理する。
図9は、アクセス網選択ポリシーDB28の例を示す。
図9は例示であり、データベースの構成は
図9に記載されたものに限定されない。本実施形態では、適用するポリシーを複数の移動通信端末に対して共通のものを使用したが、このポリシーは移動通信端末個別に生成してもよい。
【0066】
計算部22は、パケットのフロー種別毎に、移動通信端末100が使用すべきアクセス方式(すなわち、使用すべき通信インターフェース105)を、“アクセス方式選択ルール”として決定する。
図9の例を参照すると、例えば、計算部22は、「フロー種別がWebアクセスである場合、アクセス方式として、802.11g、802.16eまたはLTEのいずれかを選択する」というポリシーを生成する。なお、計算部22は、アクセス方式に優先度を付けてもよい。
図9の例を参照すると、例えば、計算部22は、フロー種別がWebアクセスである場合、アクセス方式の候補(802.16g、802.16e、LTE)のそれぞれに、優先度を付けてもよい。例えば、計算部22は、フロー種別がWebアクセスである場合、WLANの優先度を最も高く設定し、LTEの優先度を最も低く設定してもよい。
【0067】
計算部22は、RANの負荷状態等を考慮して、ポリシーを決定してもよい。例えば、計算部22は、LTE用のRANの負荷が高い場合、LTEのアクセス方式の使用をできる限り避けるようなポリシーを決定してもよい。
【0068】
計算部22は、アクセス網選択ポリシーDB28を参照し、移動通信端末100に送信する処理規則を生成する。例えば、計算部22は、Webアクセスに対応するフローに属するパケットは、802.11g用の通信インターフェース105に対応するポート部104から転送することを規定した処理規則を生成する。計算部22が生成した処理規則は、処理規則DB26に格納される。計算部22が生成した処理規則は、ノード通信部20を介して、移動通信端末100に送信される。
【0069】
図10は、本実施形態に係る通信システムの動作を一例として示すシーケンス図である。
図10を参照し、本実施形態の通信システムの動作を説明する。なお、
図10に示された動作は例示であり、本発明の動作は
図10に示された動作に限定されない。
【0070】
移動通信端末100は、例えば、LTE網6および802.11g網7とリンクを確立する。
【0071】
移動通信端末100は、RANとの間に確立したリンクを介して、制御装置2との間に制御チャネルを構築する。制御装置2は、制御チャネルを介して、移動通信端末100に対して、能力要求(Feature Request)を送信する。
【0072】
移動通信端末100は、能力要求に対して、ポート部104に対応する通信インターフェースのサポートするアクセス方式を能力通知(Feature Reply)として応答する。
【0073】
移動通信端末100のパケット転送機能部103は、例えば、アプリケーションからパケットを受信する。パケット転送機能部103は、当該パケットに対応する処理規則が存在しない場合(すなわち、新規パケットを受信した場合)、制御装置2に対して処理規則を要求する。なお、
図10の例で、新規パケットは、サーバ装置5と通信するためのパケットとする。
【0074】
制御装置2は、例えば、移動通信端末100から通知された通信インターフェースのサポートするアクセス方式を考慮し、移動通信端末100に対して送信する処理規則を決定する。制御装置2は、決定した処理規則を、移動通信端末100に送信する。制御装置2は、移動通信端末100がサーバ装置5と通信するための転送経路を決定し、決定した経路に対応する処理規則をパケット転送装置3に対して送信する。
【0075】
受信した処理規則に従って、移動通信端末100は、パケット転送装置3を介してサーバ装置5と通信する。
【0076】
[実施形態2]
第2の実施形態に係る通信システムについて、図面を参照して説明する。
【0077】
第1の実施形態では、通信インターフェース105がサポートしているアクセス方式は1つであったため、移動通信端末100は、通信インターフェース105のサポートするアクセス方式を制御装置2に通知する。本実施形態では、通信インターフェース105がサポートしているアクセス方式が複数であるため、移動通信端末100は、通信インターフェース105が実際に使用しているアクセス方式を、制御装置2に通知する。
【0078】
図11は、本実施形態に係る通信システムの接続構成を一例として示す図である。なお、
図11の構成は例示であり、本発明の通信システムの構成は
図11に示された構成に限定されない。
【0079】
移動通信端末100は、例えば、3GPPアクセス用の通信インターフェースと、WLAN用の通信インターフェースを有する。3GPPアクセス用の通信インターフェースは、例えば、UTRAN網30またはLTE網31に接続する。WLAN用の通信インターフェースは、802.11g網40または802.11n網41により無線ネットワークと接続する。
【0080】
移動通信端末100は、例えば、UTRAN網30もしくはLTE網31の3GPPアクセスネットワーク、または、802.11g網40もしくは802.11n網41のWLANネットワークを介して、サーバ装置5と通信する。
【0081】
移動通信端末100のアクセス管理部132は、通信インターフェースが使用しているアクセス方式を、制御部130を介して制御装置2に通知する。また、アクセス管理部132は、使用しているアクセス方式が変更された際(例えば、ハンドオーバーによりUTRANからLTEに変更された場合等)、制御部130に通知する。制御部130は、使用しているアクセス方式が変更されたことを、制御装置2に通知する。
【0082】
移動通信端末100は、例えば、使用しているアクセス方式に加え、アクセス網を管理するオペレータ情報、移動通信端末100が接続している無線基地局のセルID、WLANのアクセスポイントの識別子であるSSID等を通知してもよい。また、移動通信端末100は、通信インターフェースの品質に関する情報を制御装置2に通知してもよい。
【0083】
アクセス管理部132は、
図12に示すテーブルにより、通信インターフェースがサポートするアクセス方式と、通信インターフェースが使用中のアクセス方式を管理する。なお、
図12のテーブルは例示であり、アクセス管理部132が管理するテーブルは、
図12に示されたテーブルに限定されない。例えば、
図12では、サポートするアクセス方式として、LTEやUTRAN等、サポートしているアクセス方式を具体的に記載しているが、3GPPアクセスやWLAN等、複数の通信規格を包含する粒度で管理してもよい。
【0084】
なお、移動通信端末100のその他の構成については、
図4を参照して説明した内容と同等であるため、説明を省略する。
【0085】
アクセス網選択ポリシーDB28は、パケットのフロー種別毎に、移動通信端末100が使用すべきアクセス方式(すなわち、使用すべき通信インターフェース105)を管理する。
図13は例示であり、データベースの構成は
図13に記載されたものに限定されない。本実施の形態では、適用するポリシーを複数の移動通信端末に対して共通のものを使用したが、このポリシーは移動通信端末個別に生成してもよい。
【0086】
計算部22は、パケットのフロー種別毎に、移動通信端末100が使用すべきアクセス方式を、“アクセス方式選択ルール”として決定する。
図13の例を参照すると、例えば、計算部22は、「フロー種別がWebアクセスである場合、移動通信端末100は、使用すべきアクセス方式として、802.11n、802.11g、802.16m、802.16e、LTE、UTRANのいずれかを選択する」というポリシーを生成する。なお、計算部22は、アクセス方式に優先度を付けてもよい。
図13の例を参照すると、例えば、計算部22は、フロー種別がWebアクセスである場合、アクセス方式の候補(802.11n、802.11g、802.16m、802.16e、LTE、UTRAN)のそれぞれに、優先度を付けてもよい。例えば、計算部22は、フロー種別がWebアクセスである場合、802.11nの優先度を最も高く設定し、UTRANの優先度を最も低く設定してもよい。
【0087】
計算部22は、RANの負荷状態等を考慮して、ポリシーを決定してもよい。例えば、計算部22は、3GPPアクセス用のRANの負荷が高い場合、3GPPアクセスに関連するアクセス方式の使用をできる限り避けるようなポリシーを決定してもよい。
【0088】
計算部22は、アクセス網選択ポリシーDB28を参照し、移動通信端末100に送信する処理規則を生成する。例えば、計算部22は、Webアクセスに対応するフローに属するパケットは、802.11nに対応するポート部104から転送することを規定した処理規則を生成する。計算部22が生成した処理規則は、処理規則DB26に格納される。計算部22が生成した処理規則は、ノード通信部20を介して、移動通信端末100に送信される。
【0089】
図14は、本実施形態に係る通信システムの動作を一例として示すシーケンス図である。
図14を参照し、本実施形態の通信システムの動作を説明する。なお、
図14に示された動作は例示であり、本発明の動作は
図14に示された動作に限定されない。
【0090】
移動通信端末100は、例えば、3GPPアクセス用のRANのうち、LTE網31との間でリンクを確立する。
【0091】
移動通信端末100は、LTE網31との間に確立したリンクを介して、制御装置2との間に制御チャネルを構築する。制御装置2は、制御チャネルを介して、移動通信端末100に対して、能力要求(Feature Request)を送信する。
【0092】
移動通信端末100は、例えば、能力要求に対して、サポートしているアクセス方式や現在使用しているアクセス方式、ポート状態等を、対応するポート部104と関連付けて能力通知(Feature Reply)として応答する。このとき、制御装置2の端末情報管理部27が移動通信端末100の情報として管理するテーブルを
図15に示す。移動通信端末100は、3GPPアクセス用のRANのうち、LTE網31との間でリンクを確立しているため、ポート番号#1の使用中のアクセス方式がLTEかつ、ポート状態がUpになっている。一方、移動通信端末100は、WLAN用のRANのいずれともリンクを確立していないため、ポート番号#2の使用中のアクセス方式はなく、ポート状態もDownになっている。
【0093】
移動通信端末100は、その後、802.11nをサポートするWLAN網である802.11n網41との間でリンクを確立する。
【0094】
移動通信端末100は、制御装置2に対して、ポート状態(Port Status)が変更されたことを通知する。ポート状態の変更通知により、移動通信端末100は、現在使用しているアクセス方式(802.11n)を、対応するポート部104と関連付けて、制御装置2に通知する。このとき、制御装置2の端末情報管理部27が移動通信端末100の情報として管理するテーブルを
図16に示す。移動通信端末100は、802.11n網41との間でリンクを確立しているため、ポート番号#2の使用中のアクセス方式が802.11n、かつ、ポート状態がUpに変更されている。
【0095】
本実施形態では、移動通信端末100が新たにリンクを確立した際に、そのポート状態が変更されたことを制御装置2に通知したが、例えば、リンクが切断した場合や、UTRAN網30からLTE網31へハンドオーバー等の、異なるアクセス方式間のハンドオーバーが発生した場合においても、移動通信端末100は、ポート状態が変更されたことを制御装置2に通知する。
【0096】
移動通信端末100のパケット転送機能部103は、例えば、アプリケーションからパケットを受信する。パケット転送機能部103は、当該パケットに対応する処理規則が存在しない場合(すなわち、新規パケットを受信した場合)、制御装置2に対して処理規則を要求する。なお、
図14の例で、新規パケットは、サーバ装置5と通信するためのパケットとする。
【0097】
制御装置2は、例えば、移動通信端末100が現在使用しているアクセス方式を考慮し、移動通信端末100に対して送信する処理規則を決定する。制御装置2は、決定した処理規則を、移動通信端末100に送信する。制御装置2は、移動通信端末100がサーバ装置5と通信するための転送経路を決定し、決定した経路に対応する処理規則をパケット転送装置3に対して送信する。
【0098】
移動通信端末100は、受信した処理規則に従って、パケット転送装置3を介してサーバ装置5と通信する。
【0099】
[実施形態3]
第3の実施形態に係る通信システムについて説明する。
【0100】
第1および第2の実施形態では、移動通信端末100が、制御装置2からの能力要求への応答やポート状態の変更通知として、通信インターフェースのサポートするアクセス方式や、通信インターフェースが使用中のアクセス方式を制御装置2に通知する例を説明した。
【0101】
本実施形態では、移動通信端末100は、制御装置2に対して処理規則の設定を要求する際に、通信インターフェースのアクセス方式や、通信インターフェースが使用中のアクセス方式を通知する。移動通信端末100のパケット転送機能部は、例えば、対応する処理規則が存在しない新規パケットを受信した場合、そのパケットに通信インターフェースのアクセス方式や、通信インターフェースが使用中のアクセス方式を含めて、制御装置2に対して送信する。
【0102】
制御装置2は、例えば、通信インターフェースのアクセス方式や、通信インターフェースが使用中のアクセス方式を含むパケットを移動通信端末100から受信した場合、サポートするアクセス方式や使用中のアクセス方式を考慮して処理規則を生成する。また、移動通信端末100は、例えば、アクセス方式に加え、アクセス網を管理するオペレータ情報、移動通信端末100が接続している無線基地局のセルID、WLANのアクセスポイントの識別子であるSSID等を通知してもよい。
【0103】
第3の実施形態によれば、移動通信端末100は、通信の実行中にアクセス方式を制御装置2に通知することが可能となる。制御装置2は、通信の実行中に変動する使用中のアクセス方式やそれに付随する情報(例えば、アクセス網を管理するオペレータ情報、移動通信端末100が接続している無線基地局のセルID、WLANのアクセスポイントの識別子であるSSID等)を、適時に取得することが可能となる。このとき、制御装置2は、より高精度に移動通信端末100を制御することが可能となる。
【0104】
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、更なる変形・置換・調整を加えることができる。
【0105】
なお、上記の特許文献および非特許文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得る各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。