(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6011641
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】符号化装置
(51)【国際特許分類】
H04N 19/132 20140101AFI20161006BHJP
H04N 19/172 20140101ALI20161006BHJP
H04N 19/152 20140101ALI20161006BHJP
【FI】
H04N19/132
H04N19/172
H04N19/152
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-557241(P2014-557241)
(86)(22)【出願日】2013年1月17日
(86)【国際出願番号】JP2013050807
(87)【国際公開番号】WO2014112071
(87)【国際公開日】20140724
【審査請求日】2015年4月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】591230295
【氏名又は名称】NTTエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148057
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 淑己
(72)【発明者】
【氏名】篠沢 啓介
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 弘徳
(72)【発明者】
【氏名】名幸 哲司
【審査官】
山▲崎▼ 雄介
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−213187(JP,A)
【文献】
特開2005−094546(JP,A)
【文献】
特開2008−5163(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 19/00−19/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された映像信号を格納するビデオバッファと、
前記ビデオバッファから読み出された前記映像信号を符号化する符号化部と、
前記符号化部から出力されたビデオストリームを格納するエンコーダバッファと、
前記映像信号の上位フィールドのIピクチャまたはPピクチャを前記ビデオバッファから繰り返し読み出して前記符号化部により符号化させるリピート処理の方式を前記エンコーダバッファの使用率に応じて切り替える制御部とを備えることを特徴とする符号化装置。
【請求項2】
前記エンコーダバッファの使用率が第1の閾値以上かつ第2の閾値未満の場合、前記制御部は前記映像信号の上位フィールドのIピクチャまたはPピクチャを1回繰り返して前記ビデオバッファから読み出して前記符号化部により符号化させ、
前記エンコーダバッファの使用率が前記第2の閾値以上の場合、前記制御部は前記映像信号の上位フィールドのIピクチャまたはPピクチャを3回以上の奇数回繰り返して前記ビデオバッファから読み出して前記符号化部により符号化させることを特徴とする請求項1に記載の符号化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンコーダバッファの使用率に応じたリピート処理を実施することができる符号化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
符号化装置では、入力された原画像を一旦ビデオバッファに格納し、その後ビデオ符号化部に入力して符号化しエンコーダバッファに格納する。しかし、低ビットレート時の難映像の場合、符号量を抑えきれずに、エンコーダバッファの破綻が起き、それにより符号化装置の動作が停止するなどの問題が発生していた。
【0003】
これに対して、ビデオバッファへの入力フレーム数が出力フレーム数よりも少ない場合にリピート信号を発生し、同一フレームを繰り返し符号化する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、リピート信号が発生しない場合に選択するフレームよりも時間的に1フレーム前のフレームを選択し、選択したフレーム又はその直前のフレームを繰り返し符号化する。そして、リピート信号が発生したタイミング以降の符号化フレームの符号化タイプによって符号化するフレームを適応的に切り替えて符号化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−34040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来技術ではビデオバッファの状態のみを見ており、エンコーダバッファの使用率に応じたリピート処理を実施することはできなかった。そして、リピート処理の方式も一通りに限られていた。
【0006】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的はエンコーダバッファの使用率に応じたリピート処理を実施することができる符号化装置を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る符号化装置は、入力された映像信号を格納するビデオバッファと、前記ビデオバッファから読み出された前記映像信号を符号化する符号化部と、前記符号化部から出力されたビデオストリームを格納するエンコーダバッファと、前記映像信号の
上位フィールド
のIピクチャまたはPピクチャを前記ビデオバッファから繰り返し読み出して前記符号化部により符号化させるリピート処理の方式を前記エンコーダバッファの使用率に応じて切り替える制御部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、エンコーダバッファの使用率に応じたリピート処理を実施することができる。この結果、リピートして低減させた符号量を他の映像に割り振ることにより、映像全体の画質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る符号化装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の実施の形態1に係る符号化装置を示すブロック図である。上位フィールド(Top Field)と下位フィールド(Bottom Field)のペアを持つ映像信号が順に外部から入力される。ビデオバッファ1は、入力された映像信号を格納する。符号化部2は、ビデオバッファ1から読み出された映像信号を符号化する。エンコーダバッファ3は、符号化部2から出力されたビデオストリームを一時的に格納した後に出力する。
【0011】
制御部4は、エンコーダバッファ3の使用率又は外部からのモード強制指示に応じて、直前のフィールドと同じ読み出しアドレスをビデオバッファ1に繰り返し供給する。これにより、制御部4は、映像信号の同一フィールドをビデオバッファ1から繰り返し読み出して符号化部2により符号化させるリピート処理の方式を、エンコーダバッファ3の使用率又は外部からのモード強制指示に応じて切り替える。
【0012】
図2は、従来の一般処理の方式を示す図である。エンコーダバッファ3の使用率が80%未満の場合、各フィールドが格納された順にビデオバッファ1から読み出される。なお、従来の方式において符号量を低減させる場合、主にQP値等を上げて符号量を抑制するため、映像は劣化する。
【0013】
符号化において、上位フィールドのIピクチャ直後の下位フィールドのPピクチャはIピクチャ(T2)のみを参照する。その他のPピクチャは直前のIピクチャ又はPピクチャの2フィールドを参照する。例えば、Pピクチャ(B5)は2つのPピクチャ(T5,B2)を参照する。Bピクチャは、直前のIピクチャ又はPピクチャとその前のIピクチャ又はPピクチャの4フィールドを参照する。例えば、Bピクチャ(B6)は4つのPピクチャ(T5,B5,T8,B8)を参照する。
【0014】
図3は、リピート処理の第1の方式を示す図である。エンコーダバッファ3の使用率が80%以上かつ90%未満の場合、符号量を低減させるために、制御部4は映像信号の上位フィールドを1回繰り返してビデオバッファ1から読み出して符号化部2により符号化させる。その際に読み出す予定だった下位フィールドは捨てるため、ピクチャ数は増えない。例えばT2を繰り返し読み出し、B2は読み出さずに捨てる。
【0015】
符号化において、Iピクチャ直後の下位フィールドのPピクチャ(T2)は、参照するIピクチャ(T2)と同じ映像であるため、符号量を低減することができる。また、下位フィールドのPピクチャ(T5)は、参照する上位フィールドのPピクチャ(T5)と同じ映像であるため、符号量を低減することができる。
【0016】
Bピクチャは他のBピクチャを参照できないため、上位フィールドのBピクチャと同じピクチャにする意味が無い。そこで、映像をリピートするピクチャタイプがBピクチャにならないようにする必要がある。
【0017】
このように映像信号の同一フィールドを繰り返し読み出して符号化させることにより、符号量を低減することができる。そして、従来の方式に比べて符号量制御によるQP値等の上昇を抑えることができるため、映像の劣化を避けることができる。
【0018】
図4は、リピート処理の第2の方式を示す図である。エンコーダバッファ3の使用率が90%以上の場合、制御部4は映像信号の上位フィールドを3回以上の奇数回繰り返してビデオバッファ1から読み出して符号化部2により符号化させる。例えばT2を3回繰り返し読み出し、B2,T3,B3は読み出さずに捨てる。
【0019】
第1の方式と同様に、Iピクチャ直後の下位フィールドのPピクチャ(T2)は、参照するIピクチャ(T2)と同じ映像であるため、符号量を低減することができる。また、下位フィールドのPピクチャ(T5)は、参照する上位フィールドのPピクチャ(T5)と同じ映像であるため、符号量を低減することができる。
【0020】
Bピクチャは、直前のIピクチャ又はPピクチャとその前のIピクチャ又はPピクチャの4フィールドを参照する。従って、その4フィールドのどれかが同じ映像だと符号量を低減することができる。
【0021】
このように映像信号の上位フィールドを3回以上の奇数回繰り返して符号化させることにより、第1の方式よりも符号量を低減することができる。そして、従来の方式と比べて符号量制御によるQP値等の上昇を抑えることができるため、映像の劣化を避けることができる。
【0022】
なお、第2の方式において、繰り返しできる最大の回数はビデオバッファ量に依存する。また、95%未満は3回、95%以上は5回繰り返すなど、使用率が増えるほど繰り返し回数を増やすこともできる。
【0023】
以上説明したように、本実施の形態では、エンコーダバッファの使用率に応じたリピート処理を実施することができる。第1、第2の方式の順に同一フィールドの使用が増えるが、エンコーダバッファの使用率を低減して画像の乱れを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0024】
1 ビデオバッファ、2 符号化部、3 エンコーダバッファ、4 制御部