(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
ジュース等の飲料を充填し上部の開口部を蓋材で密封して使用する紙カップにおいて、ブランクからなる胴部に接合部を設けて成形した紙カップが一般的に用いられていた。このブランクは、積層材料を所定の形状に打ち抜いて形成される。この積層材料は、基材である紙の両面にポリエチレン等の熱可塑性樹脂層が設けられている。
【0003】
また、酸素や水蒸気等のガスに対するバリア性が必要とされる場合、バリア性の優れた層を含む構成の積層材料を用いて成形された紙カップ等の紙容器が用いられることが多かった。この積層材料として、例えば、表側から、ポリエチレンフィルム/紙/ポリエチレンフィルム/アルミニウム箔/ポリエチレンテレフタレートフィルム/ポリエチレンフィルム、または、ポリエチレンフィルム/紙/ポリエチレンフィルム/金属酸化物蒸着層を有するプラスチックフィルム/ポリエチレンフィルムが用いられる。
【0004】
紙カップの接合部のバリア性を確保する方法として、例えば、紙カップの胴部を構成する胴部材の接合部の両側端の端面を保護する端面処理(エッジプロテクト)を行う方法が知られている。この方法は、
図2A〜
図2Cに示すスカイブヘミングと呼ばれる方法である。
【0005】
この方法では、紙基材101に熱可塑性樹脂102が積層された積層シートからなる胴部材100が用いられる(
図2A参照)。この胴部材100の最外層端縁部が、切削ミーリング方式あるいは切削ベルナイフ方式等により胴部材100の厚みの約半分をスカイブ(切削)される(
図2B参照)。次に、スカイブ(切削)された残りの半分の胴部材100が、削除面が内側になるようにヘミングされ(折り返され)、熱可塑性樹脂によって紙端面が保護される(
図2C参照)。
【0006】
上記、紙端面のスカイブヘミング加工を行うためには、あらかじめ打ち抜いた胴部材(ブランク)を紙カップに成形する前に、特別の加工機械を用いて紙端面のスカイブヘミング加工を行う必要がある。また、スカイブ端面を一直線上にそろえるため、カップ成形機がスカイブヘミング加工をすると同時にカップ成形をすることは困難であった。このように、スカイブヘミング加工は、複雑な加工工程を経なければならなかった。さらに、紙基材101をスカイブ(切削)することにより発生した紙粉の完全除去が困難であった。
【0007】
スカイブヘミング加工はスカイブ深さの管理が難しいため、成形後にスカイブ部からの切れが発生する場合があった。この結果、サイドシール等が安定しないという問題があった。加えて、スカイブヘミング加工でのスカイブ後の折り返し接着には糊を使用するため、糊の量や位置等の管理が難しかった。
【0008】
スカイブヘミング加工を行わずにバリア性に優れたカップ状紙容器を作製する方法として、紙基材の端面がフィルムで覆われたブランクを用いる方法が提案されている(例えば、下記特許文献1〜5参照)。
【0009】
この紙基材の端面を保護したバリア性を有するカップ状紙容器においては、胴部貼り合わせ部の内側の端縁は、全体にわたって熱可塑性樹脂層が紙基材から延出して作製されている。このように紙基材から延出した熱可塑性樹脂層のフィルムは、カップ成形する際に不規則に成形されてしまう。このため、本来の目的である紙基材の端面を被覆することが十分にできなかった。また、カップ状紙容器としての仕上がりが悪いため、外観に不具合が生じてしまう等の問題があった。
【0010】
さらに、少なくとも内面に熱可塑性樹脂層が設けられた紙を基材とする積層シートを所定の形状に打ち抜いた後、ブランクの一方の側端縁の外方に延出する樹脂部が他方の側端縁の内側となるように重ね合わせて密着することにより、胴部貼り合わせ部を形成する方法が提案されている(下記特許文献2参照)。この樹脂部は、基材の端面に沿ってブランクに密着被覆されている。
【0011】
さらに、カップ状紙容器は、開口部に、胴部材の上端縁部を1周以上巻き込んでフランジ部が形成されている。
【0012】
このようにカップ状紙容器の開口部にフランジ部を設けることにより、外側から力が加わった場合でも、紙容器の変形を抑えることができるので、飲料容器の飲み口としての使い勝手がよい紙容器を提供することができる。
さらに、このフランジ部の上面に蓋材を重ねてシールすることができるので、密封性の必要な用途のカップ状紙容器に適している。
【0013】
また、前記蓋材による密封を行いやすくするために、前記胴部材の上端縁部を巻き込んで作成したフランジ部を上下方向から加圧して扁平状態にすることが行われている。
この扁平状態にする手段は、通常の加熱加圧手段のほか、超音波手段を採用することができる。
【0014】
このように開口部に胴部材の上端縁部を巻き込んでフランジ部が形成される場合、前記フランジ部に基材である紙の厚みによる段差部が生じる。そのため、前記フランジ部の上面に蓋材を重ねて加熱シールした場合、前記段差部により密封を確実に行うことができなかった。特に、前記フランジ部が扁平状態の場合、前記基材の厚みによる影響が大きかった。
【0015】
また、前記フランジ部の上面の段差部を埋めて前記密封を確実に行うには、別の樹脂等からなる充填部材を設けて段差部を解消し、前記段差部の位置の密封シールを部分的に行う必要があった。
【0016】
このようにフランジ部の上面に蓋材を重ねてシールする時に、胴部貼り合せ部の上部のフランジ部が胴部貼り合せ部の紙基材と重なったままで上端縁部を巻き込むと、フランジ部の段差により、蓋材のシール部に空隙が生じることがある。また、カップ状容器としての仕上がりが悪く、外観に不具合が生じてしまう等の問題がある。
【0017】
この問題に対して、下記特許文献5では、筒状の胴部材と、この胴部材の下部の底部材とを一体化したカップ状紙容器において、前記ブランクの重ね合わせ部の内側に位置する側端縁が前記基材の側端縁から延出する樹脂部を有し、かつ、樹脂部を設けない側端縁上部に切欠き部を設ける構成が提案されている。このブランクは、少なくとも内面に熱可塑性樹脂層が設けられた紙を基材とする積層シートから構成されている。この筒状の胴部材には、ブランクの一方の側端縁を他方の側端縁に重ね合わせて胴部貼り合わせ部および上端縁を1周以上巻き込み、フランジ部が形成されている。
【0018】
この方法においては、胴部材の側端縁上部に切欠き部を設けることによって、胴部貼り合せ部の上部のフランジ部で、胴部材が重なったまま巻き込まれることがない。これにより、段差が少ないフランジ部が形成されて、蓋材によりシールする時のシール部分の空隙を小さくすることができる。
【0019】
しかしながら、樹脂部を設けない胴部材の側端縁上部に切欠き部を設けることだけでは、蓋材の接着に必要な樹脂の量が不足することがある。さらに、胴部貼り合せ部の上部のフランジ部での胴部材端面の樹脂による封止が、不完全になり易いという問題が残されていた。
【0020】
さらに、内面に熱可塑性樹脂層が設けられた紙を基材とする積層シートを所定の形状に打ち抜いた後、ブランクの折り返し樹脂部が他方の側端縁の内側となるように重ね合わせて基材に密着することにより、胴部貼り合わせ部が形成された紙容器が提案されている(下記特許文献3参照)。この折り返し樹脂部は、一方の側端縁の外方に延出する樹脂部が外面側に折り返されて形成されている。
【0021】
この紙容器は、胴部貼り合わせ部における内面側基材端面が熱可塑性樹脂層で被覆されることにより保護されている。また、カップ状容器の場合、開口部に胴部材の上端縁部を巻き込んでフランジ部が形成されているため、前記フランジ部に基材の紙の厚みによる段差部が生じる。このため、前記フランジ部の上面に蓋材を重ねて加熱シールした場合、前記段差部により密封を確実に行うことができなかった。下記特許文献3は、この問題に対する解決策を提案している。
【0022】
しかしながら、紙基材端面の保護という面では、カップ状容器の容器底面部における胴部材下端縁部の端面のバリア性が不十分であるという問題が残されていた。すなわち、カップの底部材の周縁部分の端面は胴部材下端の折返しによって挟まれている一方、胴部材下端は容器内側に折り返された状態で固定されて端面が空中に露出しているために紙端面からの水の浸入に弱い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
バリア性に優れた容器を成形する際に、胴部材の重ね合わせ部の外側に位置する側端縁が延出した熱可塑性樹脂層からなる樹脂部フィルムによってはみだして形成されている場合に課題がある。
【0025】
すなわち、カップ状容器における上記の従来技術では、積層シートを所定の形状に打ち抜き、折り返し樹脂部を有するブランクを他方の側端縁の内側となるように重ね合わせて基材に密着することにより、胴部貼り合わせ部を有する紙容器を形成する。この積層シートは、少なくとも内面に熱可塑性樹脂層が設けられた紙を基材とする。この折り返し樹脂部は、一方の側端縁の外方に延出する樹脂部を外面側に折り返して形成される。この従来技術には、貼り合わせ部における外面側基材端面の重ね合わせ部でのシワ等により、外観に不都合が生じるだけでなく、外部からの水分の浸透が起こりやすい等の課題があった。
【0026】
本発明の態様は、この課題に鑑みてなされたものであり、紙端面の被覆に支障をきたさず、かつ、レトルトカップとしての仕上がり外観が綺麗でバリア性を有するレトルトカップの提供を目的とする。
また、本発明の別の態様は、耐水性と密封性が優れたレトルトカップ等の紙容器の提供を目的とする。
【0027】
また、本発明の別の態様は、ロール状の紙基材から直接レトルトカップおよび紙容器にする紙容器およびレトルトカップの製造方法の提供を目的とする。
【0028】
また、本発明の別の態様は、開口部に胴部材を巻き込んでフランジ部が形成されているレトルトカップ、特に、扁平状態のフランジ部が形成されているレトルトカップで、蓋材の密封が容易で、かつ、密封性に優れたレトルトカップの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明のレトルトカップは、紙層とこの紙層の両面に設けられた熱可塑性樹脂層とを有する胴部形成用ブランクから形成された筒状の胴部と;
この胴部の一方の開口をシールする底部と;
を備えたレトルトカップであって、
前記底部は、下方に折り曲げられた周縁部を有し、
前記胴部は、前記胴部形成用ブランクの両端縁同士が重ね合わせられてシールされた胴部貼り合わせ部と、前記胴部形成用ブランクを内側に折り返すことにより前記胴部の下端部に形成された下部折り返し部と、前記折り返された胴部形成用ブランクの端部を内側に折り返すことにより形成された上部折り返し部と、を有し、
前記底部の周縁部が前記下部折り返し部に差し込まれた状態で、前記胴部の下端部と前記上部折り返し部と前記底部の周縁部とが密着シールされているとともに、
前記胴部の両端縁には、前記端縁の全長に亘って前記熱可塑性樹脂層が所定幅に亘って延設され前記紙層の端面を封止する端縁延設部が設けられ、
前記胴部形成用ブランクの内面側の前記熱可塑性樹脂層が、ガスバリア性を有するバリア層を含む積層構造とされ、
前記胴部貼り合わせ部で前記胴部の内側に位置する前記端縁延設部が、前記胴部の外側に
前記バリア層を含めて折り返されて前記端縁同士の間に位置するとともに、
前記胴部貼り合わせ部で前記胴部の外側に位置する前記端縁延設部が、前記胴部の外側に折り返される
ことにより上記課題を解決した。
本発明のレトルトカップの製造方法は、
上記のいずれか記載のレトルトカップの製造方法であって、
前記紙
層を所定の形状に打ち抜き
前記胴部形成用ブランクを形成する打ち抜き工程と;
前記紙層の両面に前記熱可塑性樹脂層を形成するとともに前記胴部形成用ブランクの端縁の外方にそれぞれ延出
し前記端縁延設部となる樹脂部を形成する樹脂部形成工程と;
前記樹脂部を前記胴部形成用ブランクの外面側に折り返
して折り返し樹脂部を形成す
る樹脂部折り返し工程と;
前記折り返し樹脂部を仮接着させる仮接着工程と;
前記端縁同士を重ね合わせて密着し
前記胴部貼り合わせ部を形成する胴部形成工程と;
を備えることができる。
本発明のレトルトカップの製造方法は、前記樹脂部折り返し工程では、前記樹脂部をともに前記胴部形成用ブランクの外面側に折り返し、
前記胴部形成工程では、折り返された一方の前記樹脂部が他方の樹脂部の内側になるように、前記端縁同士を重ね合わせて密着し胴部貼り合わせ部を形成することができる。
【0030】
本発明の態様に係るレトルトカップは、紙層とこの紙層の両面に設けられた熱可塑性樹脂層とを有する胴部形成用ブランクから形成された筒状の胴部と;この胴部の一方の開口をシールする底部と;を備えたレトルトカップであって、前記底部は、下方に折り曲げられた周縁部を有し、前記胴部は、前記胴部形成用ブランクの両端縁同士が重ね合わせられてシールされた胴部貼り合わせ部と、前記胴部形成用ブランクを内側に折り返すことにより前記胴部の下端部に形成された下部折り返し部と、前記折り返された胴部形成用ブランクの端部を内側に折り返すことにより形成された上部折り返し部と、を有し、前記底部の周縁部が前記下部折り返し部に差し込まれた状態で、前記胴部の下端部と前記上部折り返し部と前記底部の周縁部とが密着シールされている。
【0031】
上記態様において、前記胴部の両端縁には、前記熱可塑性樹脂層が所定幅に亘って延設
された端縁延設部が設けられていてもよい。
さらに、前記バリア層を含む前記胴部形成用ブランクの裏面側の前記熱可塑性樹脂層が、前記胴部形成用ブランクの表面側の前記熱可塑性樹脂層よりも厚く設けられることができる。
【0032】
上記態様において、前記胴部貼り合わせ部で前記胴部の内側に位置する前記端縁延設部が、前記胴部の外側に折り返されて前記端縁同士の間に位置していてもよい。
【0033】
上記態様において、前記胴部貼り合わせ部で前記胴部の外側に位置する前記端縁延設部が、前記胴部の内側に折り返されて前記端縁同士の間に位置していてもよい。
【0034】
上記態様において、前記端縁延設部が、前記端縁の全長に亘って設けられていてもよい。
【0035】
上記態様において、前記重ね合わせ部の外側に位置する前記端縁延設部が、前記重ね合わせ部の内側に位置する前記胴部形成用ブランクに密着していてもよい。
【0036】
上記態様において、前記熱可塑性樹脂層が、ガスバリア性を有する層を備えていてもよい。
【0037】
上記態様において、前記胴部が、上面が平坦であるフランジ部を形成していてもよい。
【0038】
上記態様において、前記胴部形成用ブランクが、前記フランジ部が形成される側の隅部の前記紙層が切り欠かれた切り欠き部を有していてもよい。
【0039】
上記態様において、前記胴部形成用ブランクの前記紙層の、前記底部によりシールされる側の隅部が切り欠かれていてもよい。
【0040】
上記態様において、前記胴部が、前記切り欠き部から延設された熱可塑性樹脂層を有していてもよい。
【0041】
上記態様において、前記周縁部の端部が、前記上部折り返し部及び前記下部折り返し部のそれぞれから離間していてもよい。
【0042】
本発明の別の態様に係るレトルトカップの製造方法は、紙を基材とする積層シートを所定の形状に打ち抜きブランクを形成する打ち抜き工程と;前記ブランクの端縁の外方にそれぞれ延出する樹脂部を形成する樹脂部形成工程と;前記樹脂部を折り返す樹脂部折り返し工程と;前記端縁同士を重ね合わせて密着し胴部貼り合わせ部を形成する胴部形成工程と;を備える。
【0043】
上記態様において、前記樹脂部折り返し工程では、前記樹脂部のうちの一方を折り返し、前記胴部形成工程では、折り返された前記樹脂部が他方の樹脂部の内側になるように、前記端縁同士を重ね合わせて密着し胴部貼り合わせ部を形成してもよい。
【発明の効果】
【0044】
上記本発明の態様に係るレトルトカップによれば、胴部形成用ブランクの底部側の端縁部の露出部が封止されて端面が保護される。
【0045】
これにより、胴部形成用ブランクの底部側の紙端面が被覆されているので、レトルトカップの液体が紙端面から浸み込んで紙を濡らすことがない。この結果、紙層の強度が低下することがない。また、レトルトカップの内側からの浸み込みだけでなく、外側からの浸み込みも防止されるので、ボイル、レトルト殺菌、または水に漬けて冷却することに耐える耐水性を有するレトルトカップを提供できる。
【0046】
また、同態様に係るレトルトカップによれば、胴部形成用ブランクの対向する両端縁に、基材シート上に積層された熱可塑性樹脂層が前記端縁に沿って所定幅延設された端縁延設部が設けられていることによって、基材端部の封止が行える。また、胴部貼り合せ部において重なる他端の基材に密着させて熱圧着することで、この封止が確実に行える。さらに、胴部貼り合わせ部の端縁延設部がブランクから遊離することによる層間の剥離や外観の悪化を回避できる。
【0047】
また、同態様に係るレトルトカップによれば、胴部形成用ブランクの胴部重ね合わせ部で内側にある端縁延設部がレトルトカップの外側に折り返されて外側の端縁との間に位置する状態で圧着されていることによって、内側の端縁が端縁延設部によって被覆される。
これにより、水の浸入をより確実に防止できる。
【0048】
さらに、内側の端縁延設部の端部が外側基材と内側基材の間に封止されることによって、端部の露出を防止できる。特に、たとえば基材内面の熱可塑性樹脂層が耐水性あるいは耐ガス性のない金属や無機物等からなるガスバリア層を含む積層構造である場合に、樹脂層の保護ができる。
【0049】
また、同態様に係るレトルトカップによれば、胴部形成用ブランクの胴部重ね合わせ部で外側にある端縁延設部がレトルトカップの内側に折り返されて内側の端縁との間に位置する状態で圧着されていることによって、胴部基材の接合面外側の端縁が端縁延設部によって被覆される。これにより、水の浸入をより確実に防止できる。
【0050】
さらに、外側の端縁延設部の端部が外側基材と内側基材の間に封止されることによって、端部の露出を防止できる。特に、たとえば基材両面の樹脂層が耐水性あるいは耐ガス性のない金属や無機物等からなるガスバリア層を含む積層構造である場合に、樹脂層の保護ができる。
さらに、内側の端縁延設部がレトルトカップの外側に折り返されて外側の端縁との間に位置する状態で圧着されていることによって、胴部の基材の接合面におけるバリア性がより確実に向上する。
【0051】
また、同態様に係るレトルトカップによれば、端縁延設部を端縁の全長に亘って設けることで、胴部貼り合わせ部の密封性が優れたレトルトカップを提供できる。
【0052】
スカイブヘミング方式では、用紙を削った紙粉、糊のはみ出し、スカイブ部の切れなどの品質問題がある。同態様に係るレトルトカップでは、エッジプロテクトをフィルムで覆う方法により行うことで、この品質問題が解消される。
また、レトルトカップの底部についても、胴部材の底部のカーリング量を増して端部を胴部材と底部材との間に挟みこんで封止することにより、底部での胴部材の端面の露出がなくなる。これによって、レトルトカップのすべてのエッジのプロテクトが可能になり、今までレトルトカップが使用できなかった分野(レトルト、トイレタリー、調味料、サプリメント、他)へレトルトカップを適用することができる。
【0053】
さらに、同態様に係るレトルトカップでは、端面処理(エッジプロテクト)が紙基材等を折り曲げることなく熱可塑性樹脂層で紙基材の端面を封止する層が形成されることにより行われる。このため、ピンホールやクラック等のない酸素バリア性、水蒸気バリア性などが向上した品質の高いレトルトカップが得られる。
【0054】
また、同態様に係るレトルトカップによれば、貼り合わせ部において外面側基材端面が重ね合わされている状態で胴部貼り合わせ部に生じる段差部による外観の悪化や、重ね合わせ時のシワ等による外部からの水分の浸透などの問題を解消することができる。
【0055】
また、同態様に係るレトルトカップによれば、前記ブランクの重ね合わせ部の外側に位置する端縁から延出する樹脂部が基材の外面側または内面側に折り返した折り返し樹脂部を有することにより、基材の端部の封止が確実に行える。さらに、胴部貼り合わせ部の樹脂量を確保できる。また、熱可塑性樹脂層がガスバリア層を含む場合、前記ガスバリア層の端面が露出しない紙容器を得られる。
【0056】
また、同態様に係るレトルトカップによれば、前記ブランクの重ね合わせ部の外側に位置する端縁から延出する樹脂部が前記重ね合わせ部の内側のブランクに沿って密着していることによって、基材の端部の封止が確実に行える。これにより、胴部貼り合わせ部の樹脂量を確保できる紙容器が得られる。
【0057】
また、同態様に係るレトルトカップによれば、前記内面の熱可塑性樹脂層がガスバリア層を有する構成により、内容物の保存性に優れた紙容器が得られる。
【0058】
また、同態様に係るレトルトカップによれば、少なくとも紙層と熱可塑性樹脂層とからなるブランク用積層材料からなる胴部材ブランクの上方の隅部の紙層を切り欠いた切り欠き部に熱可塑性樹脂層を設けた胴部材ブランクを用いて作成したことにより、胴部材両端接合部の上方でフランジ部を形成するための巻き込みにおいてこの接合部の紙層の重なりによる段差をなくすことができる。同時に、フランジ部の上方を熱可塑性樹脂による充填効果で平坦化し、蓋材のシール時に空隙が発生することを防止できる。
【0059】
また、同態様に係るレトルトカップによれば、熱可塑性樹脂層が胴部の紙層の端縁部より延設されており、その延設部を紙層の端縁部を覆うように折り返して接着させることによって熱可塑性樹脂層で端面を被覆した胴部材ブランクを用いて胴部材の形成を行うので、胴部の紙層の端縁部からの内容物や水分の浸透を効果的に防止することが出来る。
【0060】
このように、開口部に胴部材を巻き込んでフランジ部が形成されているレトルトカップ、特に、扁平状態のフランジ部が形成されているレトルトカップにおいて、紙層の端縁部の保護およびその上方のフランジ部の蓋材との密着性の向上という効果を同時に実現することができる。これにより、蓋材の密封が容易で、かつ、密封性が優れたレトルトカップを提供することができる。
【0061】
また、同態様に係るレトルトカップによれば、胴部材ブランクを構成する熱可塑性樹脂層がガスバリア性層を含むことによって、胴部材の内面側が保護され、ガスバリア性が確保されるので、内容物の保存性が優れたレトルトカップとすることができる。
【0062】
また、熱可塑性樹脂層が胴部紙層の端縁部より延設されており、その延設部を紙層の端縁部を覆うように折り返して接着させるので、胴部貼り合わせ部の樹脂量が確保でき、胴部貼り合わせ部の段差が生じにくい。さらに、ガスバリア層を含む熱可塑性樹脂層の場合、ガスバリア層の端面が内部に露出しないレトルトカップとすることができる。
【0063】
また、同態様に係るレトルトカップによれば、熱可塑性樹脂層延設部が胴部材を形成するブランクの熱可塑性樹脂層により形成されているので、テープ貼り等の付加的な工程を必要とせず、特別な材料も使う必要がないので、簡便に内容物の保存性が優れたレトルトカップが得られる。
【0064】
また、同態様に係るレトルトカップによれば、フランジ部の上面の平坦状態が容易に実現できる。すなわち、巻き込んだフランジ部上面を段差がなく平坦化することができ、フランジ部上面に蓋材を重ねてそのままシールすることで空隙がなく密封することがより確実にできる。
【0065】
また、本発明の別の態様に係るレトルトカップの製造方法によれば、紙端面の被覆に支障をきたさず、かつ、レトルトカップとしての仕上がり外観の綺麗なバリア性を有するレトルトカップをロール状の紙基材から直接製造するレトルトカップの製造方法を提供することができる。
【0066】
さらに、端縁の端面折り返し装置を、レトルトカップを成形するレトルトカップ成形機上に設けることができる。このため、各工程間でのロスが少なく、さらに効率良くレトルトカップを生産することができる。
【0067】
また、ウェブ状シートの状態で側端縁の端面処理エッジプロテクトが施されるため、レトルトカップや紙容器を成形する成形機の選択の幅が広がる。このため、巻き取り形式タイプ、枚葉形式タイプ等の広範な成形機を用いたレトルトカップの製造が可能となる。また、ウェブ状シートの不要部分がカットされているので、従来のカップ成形機を容易に適用することができる。
【0068】
さらに、端面処理(エッジプロテクト)が紙基材等を折り曲げることなく熱可塑性樹脂層で端面を封止処理する層が形成される。このため、ピンホールやクラック等のない酸素バリア性、水蒸気バリア性などが向上した品質の高いレトルトカップが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るレトルトカップの製造工程を示す概略図である。
【
図2A】スカイブヘミング加工によるエッジプロテクトの方法を示す部分断面図である。
【
図3A】上記実施形態に係るレトルトカップの、底部貼り合わせ部における胴部材下端部のカール状態を示す部分断面図である。
【
図3B】同実施形態に係るレトルトカップの、底部貼り合わせ部における
図3Aに示すカール状態を熱圧着した状態を示す部分断面図である。
【
図4A】同実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、胴部貼り合わせ部の内側となるブランクを示す部分断面図である。
【
図4B】同実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、胴部貼り合わせ部の外側となるブランクを示す部分断面図である。
【
図4C】同実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、貼り合わせ後の胴部貼り合わせ部を示す部分断面図である。
【
図5A】同実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、胴部貼り合わせ部の内側となるブランクを示す部分断面図である。
【
図5B】同実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、胴部貼り合わせ部の外側となるブランクを示す部分断面図である。
【
図5C】同実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、貼り合わせ後の胴部貼り合わせ部を示す部分断面図である。
【
図6A】同実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、胴部貼り合わせ部の内側となるブランクを示す部分断面図である。
【
図6B】同実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、胴部貼り合わせ部の外側となるブランクを示す部分断面図である。
【
図6C】同実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、貼り合わせ後の胴部貼り合わせ部を示す部分断面図である。
【
図7A】同実施形態に係るレトルトカップの製造に用いる胴部材ブランクの、長窓を設ける第1打ち抜き工程を示す平面図である。
【
図7B】同実施形態に係るレトルトカップの製造に用いる胴部材ブランクの、長窓を設ける第1打ち抜き工程を示す
図7AのA−A’線断面図である。
【
図8A】同実施形態に係るレトルトカップの製造に用いる胴部材ブランクの、熱可塑性樹脂貼り合わせ工程を示す平面図である。
【
図8B】同実施形態に係るレトルトカップの製造に用いる胴部材ブランクの、熱可塑性樹脂貼り合わせ工程を示す
図8AのA−A’線断面図である。
【
図9A】同実施形態に係るレトルトカップの製造に用いる胴部材ブランクを所定の形状に打ち抜き、外延樹脂部を圧着した工程を示す平面図である。
【
図9B】同実施形態に係るレトルトカップの製造に用いる胴部材ブランクを所定の形状に打ち抜き、外延樹脂部を圧着した工程を示す
図9AのA−A’線断面図である。
【
図10】本発明の第2の実施形態に係るカップ状容器の製造工程を示す概略図である。
【
図11A】上記実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、胴部貼り合わせ部の内側となるブランクを示す部分断面図である。
【
図11B】同実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、胴部貼り合わせ部の外側となるブランクを示す部分断面図である。
【
図11C】同実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、貼り合わせ後の胴部貼り合わせ部を示す部分断面図である。
【
図12A】同実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、胴部貼り合わせ部の内側となるブランクを示す部分断面図である。
【
図12B】同実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、胴部貼り合わせ部の外側となるブランクを示す部分断面図である。
【
図12C】同実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、貼り合わせ後の胴部貼り合わせ部を示す部分断面図である。
【
図13A】同実施形態に係るカップ状紙容器の製造に用いる胴部材ブランクの、長窓を設ける第1打ち抜き工程を示す平面図である。
【
図13B】同実施形態に係るカップ状紙容器の製造に用いる胴部材ブランクの、長窓を設ける第1打ち抜き工程を示す
図13AのA−A’線断面図である。
【
図14A】同実施形態に係るカップ状紙容器の製造に用いる胴部材ブランクの、熱可塑性樹脂貼り合わせ工程を示す平面図である。
【
図14B】同実施形態に係るカップ状紙容器の製造に用いる胴部材ブランクの、熱可塑性樹脂貼り合わせ工程を示す
図14AのA−A’線断面図である。
【
図15A】同実施形態に係るカップ状紙容器の製造に用いる胴部材ブランクの、第2打ち抜き工程を示す平面図である。
【
図15B】同実施形態に係るカップ状紙容器の製造に用いる胴部材ブランクの、第2打ち抜き工程を示す
図15AのA−A’線断面図である。
【
図16】同実施形態に係る樹脂部を紙基材の外面側に折り曲げ仮接着させる仮接着機構の一例を示す斜視図である。
【
図17A】同実施形態に係る樹脂部を紙基材の外面側に折り曲げ仮接着させる工程を示す部分断面図である。
【
図17B】同実施形態に係る樹脂部を紙基材の外面側に折り曲げ仮接着させる工程を示す部分断面図である。
【
図17C】同実施形態に係る樹脂部を紙基材の外面側に折り曲げ仮接着させる工程を示す部分断面図である。
【
図17D】同実施形態に係る樹脂部を紙基材の外面側に折り曲げ仮接着させる工程を示す部分断面図である。
【
図18A】同実施形態に係るレトルトカップの、胴部貼り合わせ部の内側となるブランクを示す部分断面図である。
【
図18B】同実施形態に係るレトルトカップの、胴部貼り合わせ部の外側となるブランクを示す部分断面図である。
【
図18C】同実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、貼り合わせ後の胴部貼り合わせ部を示す部分断面図である。
【
図19】本発明の第3の実施形態に係るレトルトカップの製造工程を示す概略図である。
【
図20A】同実施形態に係るレトルトカップの製造に用いる胴部材ブランクの、長窓を設ける第1打ち抜き工程を示す平面図である。
【
図20B】同実施形態に係るレトルトカップの製造に用いる胴部材ブランクの、長窓を設ける第1打ち抜き工程を示す
図20AのX−X’線断面図である。
【
図21A】同実施形態に係るレトルトカップの製造に用いる胴部材ブランクの、熱可塑性樹脂貼り合わせ工程を示す平面図である。
【
図21B】同実施形態に係るレトルトカップの製造に用いる胴部材ブランクの、熱可塑性樹脂貼り合わせ工程を示す
図21AのX−X’線断面図である。
【
図22A】同実施形態に係るレトルトカップの製造に用いる樹脂部を有する胴部材ブランクを所定の形状に打ち抜く第2打ち抜き工程を示す平面図である。
【
図22B】同実施形態に係るレトルトカップの製造に用いる樹脂部を有する胴部材ブランクを所定の形状に打ち抜く第2打ち抜き工程を示す
図22AのX−X’線断面図である。
【
図23A】同実施形態に係るレトルトカップの製造に用いる樹脂部を紙層の外面側に折り曲げ仮接着させる工程を示す平面図である。
【
図23B】同実施形態に係るレトルトカップの製造に用いる樹脂部を紙層の外面側に折り曲げ仮接着させる工程を示す
図23AのX−X’線断面図である。
【
図24A】同実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、胴部貼り合わせ部の内側となるブランクを示す部分断面図である。
【
図24B】同実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、胴部貼り合わせ部の外側となるブランクを示す部分断面図である。
【
図24C】同実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、貼り合わせ後の胴部貼り合わせ部を示す部分断面図である。
【
図25A】同実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、胴部貼り合わせ部の内側となるブランクを示す部分断面図である。
【
図25B】同実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、胴部貼り合わせ部の外側となるブランクを示す部分断面図である。
【
図25C】同実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、貼り合わせ後の胴部貼り合わせ部を示す部分断面図である。
【
図26A】同実施形態に係るレトルトカップの、胴部貼り合わせ部の内側となるブランクを示す部分断面図である。
【
図26B】同実施形態に係るレトルトカップの、胴部貼り合わせ部の外側となるブランクを示す部分断面図である。
【
図26C】同実施形態に係るレトルトカップの、貼り合わせ後の胴部貼り合わせ部を示す部分断面図である。
【
図27A】同実施形態に係るレトルトカップの製造に用いる胴部材ブランクの、延設樹脂層の形状を示す平面図である。
【
図27B】同実施形態に係るレトルトカップの製造に用いる胴部材ブランクの、延設樹脂層の形状を示す平面図である。
【
図27C】同実施形態に係るレトルトカップの製造に用いる胴部材ブランクの、延設樹脂層の形状を示す平面図である。
【
図28】同実施形態に係るレトルトカップの製造に用いる胴部材ブランクの形状を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
本発明の態様に係るレトルトカップは、胴部材の両側端縁の紙端面の内面側と外面側をフィルムで覆って胴部材の底部を折り返すことにより、レトルトカップの内外面すべてのエッジプロテクトを行える構成を備える。
【0071】
胴部材接合部のエッジプロテクトの方法には、フィルムを折り返す方法とフィルムを折り返さない簡易的な方法とがある。胴部材の両側端縁の紙端面の内面側および外面側について、それぞれ必要に応じていずれかの方法を採用できる。フィルムを折り返す方法は、フィルムの端面に内容物が接触しないので、樹脂フィルムの層に金属層等が露出すると不都合が生じる層がある場合に適している。また、胴部材の不要部を除去するだけでフィルムを折り返さない方法も、基材の紙のエッジを保護できる。
【0072】
本発明の態様に係るレトルトカップにおける胴部材の底部のエッジプロテクトでは、成形機で底部加熱後の底部内方カールを端面が内側に入るまでカーリングした後に底部をシールすることで、底部においても紙基材端面が露出することなくエッジプロテクトが行える。材料加工工程は、現行の工程と同様に行える。
【0073】
(1)第1の実施形態
本発明の第1の実施形態に係るレトルトカップを、図面に基づいて以下に説明する。
本実施形態に係るレトルトカップは、内面及び外面に熱可塑性樹脂層が設けられた紙を主体とする基材シートから構成されている。
図1は、本実施形態に係るレトルトカップの製造工程の一例を示す概略図である。
【0074】
図1に示すように、胴部材18は、胴部貼り合わせ部15を有する円筒形状に形成される。この胴部貼り合わせ部15は、胴部材ブランク10の一方の端縁11をもう一方の端縁12に重ね合わせて形成される。この胴部材ブランク10には、両側端縁上部にそれぞれ切欠き部31,32が設けられている。また、底部材20は、円形状であり、下向きに起立させた周縁部21を有する。そして、前記胴部材18の下部内面に、底部材20の周縁部21の外面が接合される。
【0075】
次に、周縁部21を覆うように前記胴部材18の下端縁部を内方に折り曲げて底部材20の周縁部21の内面に接合させて、環状脚部22が形成される。胴部材18の上部周縁を外方に1周以上巻き込んでフランジ部16を形成する。このようにして、レトルトカップが形成される。このような構造は、テーパー状のレトルトカップのみに限定されず、円筒状のカップ状紙容器であってもよい。
【0076】
本実施形態に係るレトルトカップには、通常、フランジ部16が設けられている。両側端縁上部にそれぞれ切欠き部31,32を設けた胴部材ブランク10が用いられる。これにより、胴部材18の上部周縁を外方に1周以上巻き込んで少なくとも3重の構成のフランジ部16を形成した際、胴部材18の貼り合わせ部15の上端においても、紙基材(紙層)1が前記貼り合せ部15以外の部分と同様の3重の構成の巻き込み状態となる。
ここで、この切欠き部31,32の形状を異なる形状とすることにより、少なくとも3重の構成のフランジ部16の上面を平坦にしても、フランジ部16上面の前記貼り合せ部15の位置に生じる段差を解消することができる。
【0077】
図3Aは、本実施形態に係るレトルトカップの、底部貼り合わせ部における胴部材下端部のカール状態を示す部分断面図である。
図3Bは、本実施形態に係るレトルトカップの、底部貼り合わせ部における
図3Aに示すカール状態を熱圧着した状態示す部分断面図である。
図3Aに示すように、胴部形成用ブランク10により作製された筒状の胴部材18の下部内面に、底部材20の周縁部21を差込む。この底部材20の周縁部21は、底部形成用ブランクの周縁部を下方に折り曲げて形成されている。次に、胴部材18の下端部23を内側に折り返し、さらに上部を内側に折り返す。このようにして、上部折り返し部24および下部折り返し部25を形成する。これにより、本実施形態に係るレトルトカップの底部は、胴部材の下端部23が上部折り返し部24と底部材20の下方折り曲げ部との間に位置した状態となる。すなわち、底部材20の周縁部21が下部折り返し部25に差し込まれた状態となる。
【0078】
さらに、胴部材18の下端部23と上部折り返し部24と底部材20の周縁部21とを密着させて熱シールして底部材20の周縁部21の内面に接合させることにより、環状脚部22が形成される(
図3B)。
これにより、胴部材18の下端部23は、底部材20の周縁部21の内面と胴部材18の上部折り返し部24近辺の胴部材とにより封止された状態となる。この結果、この部分からの水分等の浸入が阻止される。
また、周縁部21の端部21aは、上部折り返し部24および下部折り返し部25のそれぞれから離間していてもよい。
【0079】
図4Aは、本実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、胴部貼り合わせ部の内側となるブランクを示す部分断面図である。
図4Bは、本実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、胴部貼り合わせ部の外側となるブランク示す部分断面図である。
図4Cは、本実施形態に係るレトルトカップでの、貼り合わせ後の貼り合わせ部を示す部分断面図である。
【0080】
図4A〜
図4Cに示すように、胴部材ブランク10は、胴部貼り合わせ部15において容器内側に位置する内側基材端縁11の、基材シート内面側の熱可塑性樹脂層40と基材シート外面側の熱可塑性樹脂層41とが紙基材1の側端縁より外方に延出した端縁延設片(端縁延設部)4aを有する構成を備える。
【0081】
また、胴部材ブランク10は、胴部貼り合わせ部15において容器外側に位置する外側基材端縁12の、基材シート内面側の熱可塑性樹脂層40と基材シート外面側の熱可塑性樹脂層41とが紙基材1の側端縁より外方に延出した端縁延設片(端縁延設部)4cを有する構成を備える。
【0082】
このように、端縁延設片4aを紙基材1の側端縁より外方に延出した構成とすることで、胴部貼り合わせ部15における樹脂量が確保できる。この結果、貼り合わせ部内面の密封性が良好となり、紙基材端面のバリア性が向上する。
【0083】
また、端縁延設片4cを紙基材1の側端縁より外方に延出した構成とすることで、胴部貼り合わせ部15における樹脂量が確保できる。この結果、貼り合わせ部外面の密封性が良好となり、紙基材端面のバリア性が向上する。
【0084】
本実施形態に係るレトルトカップは、このような構造を有しているため、胴部貼り合わせ部15の内側に位置する紙基材の端面が熱圧着により封止された端縁延設片4aで保護されている。また、胴部貼り合わせ部15の外側に位置する紙基材の端面が、熱圧着により封止された端縁延設片4cで保護されている。このため、容器に充填された内容物が紙基材端面から浸透することがないうえ、レトルト時等に容器外部からの水の浸透を防止するエッジプロテクト効果が得られる。
【0085】
このように、紙基材1の両面に熱可塑性樹脂層40,41を設けることにより、基材端面に外延した端縁延設片4a,4cは、前記両面の熱可塑性樹脂層40,41が外縁で一体化された状態で形成される。
そして、前記端縁延設片4a,4cを紙基材1の端縁から外方に延出して熱圧着する構成とすることによって、胴部貼り合わせ部の段差が前記端縁延設片4a,4cで埋まる。
これにより、段差のない構成とすることができるうえ、紙基材1が紙容器の内部及び外部に露出しない構成とすることができる。
【0086】
特に、胴部貼り合わせ部15の内側に接着される紙基材1の端部に、両面の熱可塑性樹脂層40,41により端縁延設片4aが形成される。この端縁延設片4aからなる樹脂部は、単なる熱圧着で形成される。その後、この端縁延設片4aからなる樹脂部は、外側の紙基材1の端部に形成された端縁延設片4cからなる樹脂部、および、紙基材1の端部近辺の外面に形成された熱可塑性樹脂層41に密着させて固定される。これにより、必要な端部保護ができるとともに、接着部で一定の樹脂量を確保することができる。さらに、外側と内側の紙基材1の端面同士が重なることによって、胴部貼り合わせ部15の強度を確保することができる。
【0087】
本実施形態に係る紙容器において、前記熱可塑性樹脂層40が、バリア層を含む層を有する構成であってもよい。このように、バリア層を含む構成により、紙基材1の端面をバリア層によって保護することができる。これにより、バリア性に優れたレトルトカップを提供することができる。
【0088】
図5Aは、本実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、胴部貼り合わせ部の内側となるブランクを示す部分断面図である。
図5Bは、本実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、胴部貼り合わせ部の外側となるブランクを示す部分断面図である。
図5Cは、本実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、貼り合わせ後の胴部貼り合わせ部を示す部分断面図である。
【0089】
図6Aは、本実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、胴部貼り合わせ部の内側となるブランクを示す部分断面図である。
図6Bは、本実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、胴部貼り合わせ部の外側となるブランクを示す部分断面図である。
図6Cは、本実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、貼り合わせ後の胴部貼り合わせ部を示す部分断面図である。
【0090】
図5A〜
図5Cに示す例において、胴部材ブランク10は、胴部貼り合わせ部15において容器内面側に位置する一方の端縁11が、折り返し樹脂部4bを備えた構成とする。
この折り返し樹脂部4bは、樹脂部4aを紙基材1の近傍で紙基材1の外面側に折り返して形成される。この樹脂部4aは、紙基材内面側の熱可塑性樹脂層40と紙基材外面側の熱可塑性樹脂層41とが、紙基材1の側端縁より外方に延出して形成される。
【0091】
また、
図6A〜
図6Cに示す例において、胴部貼り合わせ部15において容器外面側に位置するもう一方の端縁12が、折り返し樹脂部4dを備えた構成とする。この折り返し樹脂部4dは、樹脂部4cを紙基材1の近傍で紙基材1の内面側に折り返して形成される。この樹脂部4cは、紙基材内面側の熱可塑性樹脂層40と紙基材外面側の熱可塑性樹脂層41とが、紙基材1の側端縁より外方に延出して形成される。
【0092】
このように、樹脂部4bが樹脂部4aを紙基材1の外面側に折り返した構成とすることで、胴部貼り合わせ部15における樹脂量が確保でき、貼り合わせ部内面の密封性が良好となる。
また、樹脂部4dが樹脂部4cを紙基材1の内面側に折り返した構成とすることで、胴部貼り合わせ部15における樹脂量が確保でき、貼り合わせ部外面の密封性が良好となる。この樹脂部4aの端部と樹脂部4cの端部との間は、
図6A〜
図6Cにおいて樹脂部端部空隙42として示してあるが、これら端部が重なっていてもよい。
もしくは、樹脂部4dが樹脂部4cを紙基材1の外面側に折り返した構成とすることができる。
【0093】
本実施形態に係るレトルトカップは、このような構造を有しているため、胴部貼り合わせ部15の内側に位置する紙基材の端面が、必要に応じて折り返し樹脂部4bまたは熱圧着により封止された樹脂部4aにより保護されている。また、胴部貼り合わせ部15の外側に位置する紙基材の端面が、必要に応じて折り返し樹脂部4dまたは熱圧着により封止された樹脂部4cで保護されている。これにより、容器に充填された内容物が紙基材端面から浸透することがないうえ、外側から水等の液体が付着しても紙基材の剛性が弱くなることがない。この結果、耐水性に優れた性質を有するエッジプロテクト効果を得ることができる。
【0094】
本実施形態に係るレトルトカップは、このようなエッジプロテクト効果が得られる構造を、レトルトカップを構成する紙基材の端面処理に用いている。このため、本実施形態に係るレトルトカップは、すべての箇所において端面が保護されており、優れた耐水性を有する。
【0095】
次に、本実施形態に係るレトルトカップの製造方法の一例について、特に、胴部材ブランクの製造方法を説明する。
【0096】
先ず、ロール状の紙基材1に、扇形状の胴部材ブランク10を複数個並べて割りつけ印刷する。また、胴部材ブランク10の両方の端縁11,12に、その端縁を含めた外方の部分を、長窓13,14として穿設する(
図7A,
図7B参照)。
【0097】
胴部材ブランク10に印刷して長窓13,14が穿設された紙基材1の内側面および外側面に、ポリエチレン樹脂などの熱可塑性樹脂層40,41を溶融樹脂押し出し法により積層して積層シートを形成する。この時、紙基材1の長窓部分に、前記2つの熱可塑性樹脂層により端縁延設片となる樹脂部4a,4cを形成する(
図8A,
図8B参照)。
【0098】
あるいは、胴部材ブランク10を印刷して長窓13,14が穿設された紙基材1の、内側面にバリア層を有する熱可塑性樹脂層40を積層する一方、外側面にバリア層を含まない熱可塑性樹脂層41を積層して、積層シートを形成する。この時、紙基材1の長窓部分に、前記2つの熱可塑性樹脂層で端縁延設片となる樹脂部4a,4cを形成する(
図8A,
図8B参照)。
【0099】
あるいは、胴部材ブランク10を印刷して長窓13、14が穿設された紙基材1の、内側面に熱可塑性樹脂層40を積層する一方、外側面にポリエチレンテレフタレートやナイロン等の耐熱・耐摩耗性に優れた熱可塑性樹脂層41を積層して、積層シートを形成してもよい。これにより、カップ成形時に発生することがあるピンホール等の不備を解消することができる。
【0100】
前記バリア層として、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着プラスチックフィルム、無機化合物蒸着プラスチックフィルム、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルムなど、ガスバリア性の優れた材料を使用することができる。
【0101】
樹脂部4a,4cを含む長窓部分を形成した胴部材ブランク10に不必要な部分を前記積層シートから連続してカットする。この樹脂部4a,4cは、紙基材1から外方に延出して設けられた端縁延設片となる。
不必要な部分が切り取られた積層シートから印刷された複数個の扇形状の胴部材ブランク10を打ち抜き、それぞれ接合部の全長にわたる端縁延設片4a,4cを形成した一枚ずつの胴部材ブランク10を作製する。
このような各工程を経て、紙基材1から所定幅外方に延出した端縁延設片4a,4cを両方の側端縁に形成した胴部材ブランク10を作製することができる(
図8A,
図8B参照)。
【0102】
このような方法により作製した胴部材ブランク10を用いてレトルトカップを成形する成形方法の一例を説明する(
図1,
図3A,
図3B参照)。
胴部材ブランク10の端面に端縁延設片4aを設けた内側基材端縁11を内側にして、これともう一方の端縁延設片4cを設けた外側基材端縁12とが所定幅重なるように、これらを重ね合わせて接合する。これにより、胴部貼り合わせ部15を有する円筒形状の胴部材(胴部)18が形成される。
【0103】
胴部形成用ブランク10により作製された筒状の胴部材18の下部内面に、底部材(底部)20の周縁部21を差込む。この周縁部21は、底部形成用ブランクの周縁部を下方に折り曲げて形成される。次に、胴部材18の下端部23を内側に折り返し、さらに上部を内側に折り返す。これにより、胴部材18の下端部が上部折り返し部24と底部材20の下方折り曲げ部との間に位置した状態となる(
図3A)。この状態で、胴部材18の下端部23と上部折り返し部24と底部材の下方折り曲げ部(図示せず)とを密着させて熱シールすることにより底部材20の周縁部21の内面に接合させて、環状脚部22を形成する(
図3B)。
これにより、胴部材18の下部端縁からの水分の浸透を効果的に防止できるレトルトカップの底部構造が得られる。
【0104】
最後に、胴部材18の上部周縁を外方に1周以上巻き込んでフランジ部16を形成することにより、本実施形態に係るレトルトカップが得られる。
フランジ部16は、上述のように上部周縁を外方に1周以上巻き込んだ構成のみに限られない。このフランジ部16は、その上下から加圧圧着することにより、その上面が平坦であってもよい。
【0105】
ここで、胴部材18は、両側端縁上部にそれぞれ切欠き部31,32を設けた胴部材ブランク10を用いている。このため、胴部材18の上部周縁を外方に1周以上巻き込んでフランジ部16を形成した際、貼り合わせ部15においても、紙基材1が前記貼り合せ部15以外の部分と同様の重なりの巻き込み状態となる。この結果、フランジ部16の段差を解消することができる。
【0106】
本実施形態に係るレトルトカップは、周知の方法で加飾することができる。たとえば、紙基材の表面に通常のグラビアあるいはオフセット等の印刷により装飾層を設けた基材を胴部ブランクとして用い、レトルトカップを製造することができる。あるいは、紙基材の表面側に印刷等による装飾層および/または金属蒸着層を設けたプラスチックフィルムを積層した積層材料を用い、レトルトカップを製造することができる。
または、成形されたレトルトカップの胴部の表面に、印刷、金属蒸着により装飾層を施したプラスチックフィルムを被覆することができる。
【0107】
(2)第2の実施形態
本発明の第2の実施形態に係るカップ状紙容器を、図面に基づいて以下に説明する。
本実施形態に係る紙容器は、例えば、内面及び外面に熱可塑性樹脂層が設けられた紙を基材とする積層シートから構成されている。
【0108】
図10は、本実施形態に係るカップ状容器の製造工程を示す概略図である。
図10に示すように、胴部材218は、胴部貼り合わせ部215を有する円筒形状に形成されている。この胴部貼り合わせ部215は、胴部材ブランク210の一方の端縁211をもう一方の端縁212に重ね合わせて形成される。この胴部材ブランク210には、両側端縁上部にそれぞれ切欠き部231,232が設けられている。また、底部材220は、円形状であり、下向きに起立させた周縁部221を有する。そして、前記胴部材218の下部内面に、底部材220の周縁部221の外面が接合される。
【0109】
さらに、周縁部221を覆うように前記胴部材218の下端縁部を内方に折り曲げて底部材の周縁部221内面に接合させて、環状脚部222が形成される。胴部材218の上部周縁を外方に1周以上巻き込んでフランジ部216を形成する。このようにして、カップ状紙容器が形成される。
【0110】
なお、このような構造は、テーパー状のカップ状紙容器のみに限定されず、円筒状のカップ状紙容器であってもよい。さらには、内容物および外部環境からの水分の浸透等に対する紙基材接合部のエッジプロテクトを要求される紙容器であっても、以下の接合部の基本構造は同じである。
【0111】
図11Aは、本実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、胴部貼り合わせ部の内側となるブランクを示す部分断面図である。
図11Bは、本実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、胴部貼り合わせ部の外側となるブランクを示す部分断面図である。
図11Cは、本実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、貼り合わせ後の胴部貼り合わせ部を示す部分断面図である。
【0112】
図12Aは、本実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、胴部貼り合わせ部の内側となるブランクを示す部分断面図である。
図12Bは、本実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、胴部貼り合わせ部の外側となるブランクを示す部分断面図である。
図12Cは、本実施形態
の参考例に係るレトルトカップの、貼り合わせ後の胴部貼り合わせ部を示す部分断面図である。
【0113】
図11A〜
図11Cに示すように、胴部材ブランク210は、胴部貼り合わせ部215において容器内面側に位置する一方の端縁211の、紙基材内面側の熱可塑性樹脂層240と紙基材外面側の熱可塑性樹脂層241とが、紙基材201の側端縁より外方に延出した樹脂部(端縁延設部)204aと紙基材201の近傍で紙基材201の外面側に折り返した折り返し樹脂部204bとを有する構成を備える。
【0114】
また、胴部貼り合わせ部215において容器外面側に位置するもう一方の端縁212の、紙基材内面側の熱可塑性樹脂層240と紙基材外面側の熱可塑性樹脂層241とが、紙基材201の側端縁より外方に延出した樹脂部(端縁延設部)204cと紙基材201の近傍で紙基材201の内面側に折り返した折り返し樹脂部204dとを有する構成を備える。
【0115】
このように、樹脂部204bは、樹脂部204aを紙基材201の外面側に折り返した構成とすることで、胴部貼り合わせ部215における樹脂量が確保できる。この結果、貼り合わせ部の内面の密封性が良好となる。
【0116】
また、樹脂部204dは、樹脂部204cを紙基材201の内面側に折り返した構成とすることで、胴部貼り合わせ部215における樹脂量が確保できる。この結果、貼り合わせ部外面の密封性が良好となる。この樹脂部204aの端部と樹脂部204cの端部との間は、
図11A〜
図11Cにおいて樹脂部端部空隙242として示してあるが、重なっていてもよい。
もしくは、樹脂部204dは、樹脂部204cを紙基材201の外面側に折り返した構成とすることができる。
【0117】
さらに、胴部貼り合わせ部15の外部に対するエッジプロテクトの必要性の程度によって、
図12A〜
図12Cに示したように、胴部貼り合わせ部215において容器外面側に位置する紙基材のもう一方の端縁212の、紙基材内面側の熱可塑性樹脂層240と紙基材外面側の熱可塑性樹脂層241とが、紙基材201の側端縁より外方に延出した樹脂部204cを容器内面側の紙基材201の外面側の熱可塑性樹脂241に重ねて圧着した構成とすることもできる。
【0118】
本実施形態に係るカップ状紙容器は、このような構造を有しているため、胴部貼り合わせ部215の内側に位置する紙基材201の端面が、折り返し樹脂部204bにより保護されている。また、胴部貼り合わせ部215の外側に位置する紙基材201の端面が、折り返し樹脂部204dまたは熱圧着により封止された樹脂部204cで保護されている。
これにより、容器に充填された内容物が紙基材端面から浸透することがないのみならず、容器外部からの浸透を防止するエッジプロテクト効果を得ることができる。
【0119】
このように、紙基材の両面に熱可塑性樹脂層240,241を設けることにより、基材端面に外延した樹脂部204a,204cが、前記両面の熱可塑性樹脂層240,241の外縁で一体化して形成される。そして、前記樹脂部204a,204cは、紙基材201の両面に設けた熱可塑性樹脂層240,241により形成する構成に代えて、別の部材(例えば、テープ)を基材の端部に設け、前述と同様に外縁で一体化した構成であってもよい。
【0120】
また、前記樹脂部204a,204cは、一方が紙基材201に設けた熱可塑性樹脂層であり、他方がテープであって、前述と同様に外縁で一体化した構成であってもよい。
【0121】
前記樹脂部204aは、前述のように紙基材201の端縁から外方に延出した構成に代えて、紙基材201の外面側に折り返した折り返し樹脂部204bを有する構成にできる。前記樹脂部204cは、紙基材の端縁から外方に延出して熱圧着する構成、もしくは、紙基材の外面側または内面側に折り返した折り返し樹脂部204dを有する構成にできる。
【0122】
このように、容器内面側の胴部材218の貼り合わせ樹脂部215が、紙基材201の外面側または内面側に折り返した折り返し樹脂部204bを有する構成によって、胴部貼り合わせ部215の段差が、前記折り返し樹脂部204bで埋まる。この結果、段差のない構成とすることができ、紙基材201の端面が紙容器内部に露出しない構成とすることができる。
【0123】
また、前記樹脂部204cが、紙基材201の端縁から外方に延出して熱圧着される構成によって、胴部貼り合わせ部215の段差が、前記外延樹脂部204cで埋まる。この結果、段差のない構成とすることができ、紙基材201が紙容器外部に露出しない構成とすることができる。
【0124】
また、前記樹脂部204cが、紙基材201の端縁から紙基材201の外面側に折り返した折り返し樹脂部204dを有する構成によって、胴部貼り合わせ部215の段差が、前記折り返し樹脂部204dで埋まる。この結果、段差のない構成とすることができ、紙基材201の端面が紙容器外部に露出しない構成とすることができる。
【0125】
本実施形態に係るカップ状の紙容器には、通常、フランジ部216が設けられている。両側端縁上部にそれぞれ切欠き部231,232を設けた胴部材ブランク210が用いられる。これにより、胴部材の上部周縁を外方に1周以上巻き込んで少なくとも3重の構成のフランジ部216を形成した際、胴部材218の貼り合わせ部215の上端においても、基材が前記貼り合せ部以外の部分と同様の3重の構成の巻き込み状態となる。
【0126】
ここで、この切欠き部231,232の形状を異なる形状とすることにより、少なくとも3重の構成のフランジ部216の上面を平坦にしても、フランジ部216の上面の前記貼り合せ部215の位置に生じる段差を解消することができる。
【0127】
本実施形態に係る紙容器においては、前記熱可塑性樹脂層240が、バリア層を含む層を有する構成であってもよい。このように、バリア層202aを含む構成により、紙基材201の端面がバリア層によって保護される。これにより、バリア性に優れたカップ状紙容器を提供することができる。
【0128】
また、
図18A〜
図18Cに示すように、バリア層を含めた樹脂部204aが折り返した樹脂部204bを有する構成により、バリア層202aの端面が容器内部に露出しない。これにより、内容物がバリア層と接触することがないため、内容物の保存に悪影響を及ぼすことがない。
【0129】
折り返し樹脂部204b,204dは、樹脂部先端が貼り合わせ部215の内側の紙基材201の外面側もしくは貼り合わせ部215の外側の紙基材201の外面側または内面側に折り返した構成となっている。このため、前記熱可塑性樹脂層240が異なる材料のバリア層202aを含む構成であっても、胴部を形成した際、胴部貼り合わせ部215において貼り合わせのための一定の樹脂量が確保できる。この結果、紙基材201の端面の保護ばかりでなく、胴部貼り合わせ部215の紙基材201による段差を解消することができる。
【0130】
また、紙基材201の外側面にポリエチレン等の熱可塑性樹脂層241を設け、紙基材201の内側面に熱可塑性樹脂層240を設ける構成とした。これにより、両面の熱可塑性樹脂層240,241の先端の内面同士を一体化するため、紙基材201の端面を封止する樹脂部204a,204cを単なる熱圧着で形成することができる。
【0131】
特に、胴部貼り合わせ部215の外側に接着される紙基材201の端部に、両面の熱可塑性樹脂層240,241で樹脂部204cが形成されている。この樹脂部204cは、容器外部からの水分等の侵入を防止する必要性がなければ、単なる熱圧着で形成したのちに、内側の紙基材201の端部に形成された樹脂部204bまたは熱可塑性樹脂層241に密着させて固定する。これにより、必要な端部保護と接着部での一定の樹脂量の確保とができ、胴部を形成した際、胴部貼り合わせ部215の段差を解消することができる。
【0132】
内側の紙基材端部の樹脂部が折り返した構成となっていることで、バリア層202aの端面が容器内部に露出しない構成となる。この構成により、前記熱可塑性樹脂層240が異なる材料のバリア層202aを含む構成であっても、内容物がバリア層と接触することがない。このため、内容物の保存に悪影響を及ぼすことがない。また、外側から水等の液体が付着しても、紙基材の剛性が弱くなることがないため、耐水性に優れたカップ状紙容器を提供することができる。
【0133】
なお、このような構造は、テーパー状のカップ状紙容器のみに限定されず、円筒状のカップ状紙容器であってもよい。また、貼り合わせ部のエッジプロテクトの必要な紙容器に用いることができる。
【0134】
次に、本実施形態に係る紙容器の製造方法における胴部材ブランクの製造方法を説明する。
【0135】
先ず、ロール状の紙基材201に扇形状の胴部材ブランク210を複数個並べて割りつけ印刷する。胴部材ブランク210の両方の端縁211,212に、その端縁を含めて外方の部分を長窓213,214として穿設する(
図13A,
図13B参照)(第1打ち抜き工程)。
【0136】
胴部材ブランク210を印刷して長窓213,214が穿設された紙基材201の内側面および外側面に、ポリエチレン樹脂などからなる熱可塑性樹脂層240,241を溶融樹脂押し出し法により積層して、積層シート203を形成する。この時、紙基材201の長窓部分に、前記2つの熱可塑性樹脂層により樹脂部204a,204cを形成する(
図14A,
図14B参照)(熱可塑性樹脂貼り合わせ工程)。
【0137】
あるいは、胴部材ブランク210を印刷して長窓213,214が穿設された紙基材201の、内側面にバリア層202aを有する熱可塑性樹脂層240を積層する一方、外側面にバリア層を含まない熱可塑性樹脂層241を積層して、積層シート203を形成する。この時、紙基材201の長窓部分に、前記2つの熱可塑性樹脂層で樹脂部204a,204cを形成する(
図14A,
図14B参照)(熱可塑性樹脂貼り合わせ工程)。
【0138】
前記バリア層202aとしては、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着プラスチックフィルム、無機化合物蒸着プラスチックフィルム、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルムなど、ガスバリア性に優れた材料を使用することができる。
【0139】
紙基材201から外方に延出して設けられた樹脂部204a,204cを含む長窓部分を形成させた胴部材ブランク210に不必要な部分を前記積層シート203から連続してカットする(
図15A,
図15B参照)(スクラップカット工程)。この胴部材ブランク210には、紙基材201から外方に延出して設けられた樹脂部204a,204cを含む長窓部分が形成されている。
【0140】
不必要な部分が切り取られた積層シート203から、印刷された複数個の扇形状の胴部材ブランク210を打ち抜き、樹脂部204a、204cが形成された一枚ずつの胴部材ブランク210を作製する(
図15A,
図15B)(第2打ち抜き工程)。
【0141】
このような各工程を経て、紙基材201より所定幅外方に延出した樹脂部204a,204cが両方の側端縁に形成された胴部材ブランク210を作製することができる。
【0142】
つぎに、この胴部材ブランク210の樹脂部204aを紙基材端面に密着させて、折り返し樹脂部204bを形成させる方法について、
図16,
図17A〜
図17Dを参照して説明する。
図16は、本実施形態に係る樹脂部を紙基材の外面側に折り曲げ仮接着させる仮接着機構の一例を示す斜視図である。
図17A〜
図17Dは、本実施形態に係る樹脂部を紙基材の外面側に折り曲げ仮接着させる工程を示す部分断面図である。
【0143】
樹脂部204cを紙基材端面に密着させて、折り返し樹脂部204dを形成させる方法も同様である。樹脂部204cを紙基材端面より所定幅外方に延出した部分で圧着する場合の方法は、折り返し樹脂部204dを形成させる方法よりも単純な工程である。よって、この方法の説明は省略する。
【0144】
樹脂層204aを、レトルトカップに成形した際に紙基材201の外面側となる側に向けて、第1部材D201を上方から下方に垂直方向に移動させて略90°の角度に押し曲げて仮折りする(
図17A,
図17B参照)。この樹脂層204aは、胴部材ブランク210の貼り合わせ部215の内側となる紙基材201より所定幅だけ延出している。この第1部材D201は、櫛状に形成された押さえ突起D211を具備している。
【0145】
次に、第2部材D202を、前記第1部材D201の押さえ突起D211と押さえ突起D211との間の間隙D212に向けて、胴部材ブランク210の外側方向より内側方向に水平移動させる。その後、樹脂層204aを略90°押し曲げることにより、前記樹脂層204aが折り返し樹脂部204bを具備し胴部材ブランク210の紙基材201の反対面方向に重なるように仮折りする(
図17C参照)。この第2部材D202は、櫛状に形成された押さえ突起D221を具備している。
【0146】
最後に、第3部材D203を垂直に上方に押しつけ圧着して、折り返し樹脂部204bを胴部材ブランク210の紙基材201の外面側に仮接着させる(
図17D参照)。この第3部材D203は、第1部材D201の下側に配置されて、櫛状に形成された押さえ突起D231を具備する。
貼り合わせ部215の外側となる紙基材201の場合も、必要であれば同様にして折返し樹脂部204dを形成することができる。
【0147】
なお、第3部材D203の押さえ突起D231を適宜の温度に加熱しておくと、樹脂部の接着性が向上してより効果的である。
また、折返し部を必要としない場合に、この装置を用いて、単なる圧着による紙基材端面の封止を行うことができる。
【0148】
このような方法により作製した胴部材ブランク210を用いてカップ状紙容器を成形する成形方法の一例を説明する(
図10参照)。
【0149】
胴部材ブランク210の端面に折り返し樹脂部204bを設けた側端縁211を内面側にして、もう一方の折り返し樹脂部204dを設けた側端縁212に重ね合わせて接合し、胴部貼り合わせ部215を有する円筒形状の胴部材218を形成する。
【0150】
前記胴部材218の下部内面に、底部材220の周縁部221の外面を接合する。さらに、周縁部221を覆うように前記胴部材218の下端縁部を内方に折り曲げ、底部材の周縁部221内面に接合して環状脚部222を形成する。
【0151】
最後に、胴部材218の上部周縁を外方に1周以上巻き込み、フランジ部216を形成する。このようにして、本実施形態に係るカップ状紙容器が形成される。
【0152】
フランジ部216は、前記のように上部周縁を外方に1周以上巻き込んだ構成に代えて、さらにこのフランジ部216を上下から加圧圧着して、上面を平坦にした構成でもよい。
【0153】
ここで、胴部材218が両側端縁上部にそれぞれ切欠き部231,232を設けた胴部材ブランク210を用いるので、胴部材218の上部周縁を外方に1周以上巻き込んでフランジ部216を形成した際、貼り合わせ部215においても、紙基材201が前記貼り合せ部215以外の部分と同様の重なりの巻き込み状態となる。このため、フランジ部216の段差を解消することができる。
【0154】
本実施形態に係る紙容器は、周知の方法で加飾することができる。たとえば、紙基材201の表面に通常のグラビアあるいはオフセット等の印刷により、装飾層を設けた紙基材201を胴部ブランク210として用い、紙容器を製造することができる。あるいは、紙基材201の表面側に印刷等による装飾層および/または金属蒸着層を設けたプラスチックフィルムを積層した積層材料を用い、紙容器を製造することができる。
または、成形された紙容器の胴部の表面に、印刷、金属蒸着により装飾層を施したプラスチックフィルムを被覆することができる。
【0155】
(3)第3の実施形態
本発明の第3の実施形態に係るレトルトカップを、図面に基づいて以下に説明する。
本実施形態に係るレトルトカップは、例えば、少なくとも内側面に熱可塑性樹脂層440が設けられた紙層401を基材とする積層シート403から構成されている。
【0156】
図19は、同実施形態に係るレトルトカップの製造工程を示す概略図である。
本実施形態に係るレトルトカップは、胴部材418と、底部材420と、からなる。この胴部材418は、胴部材ブランク410の一方の端縁411をもう一方の端縁412に重ね合わせた胴部貼り合わせ部415を有する略円筒形状に形成されている。この胴部材ブランク410は、側端縁上部に切欠き部431が設けられている。この底部材420は、円形状であって、下向きに起立させた周縁部421を有する。
そして、前記胴部材418の下部内面に、底部材420の周縁部421の外面を接合させる。
【0157】
さらに、周縁部421を覆うように前記胴部材418の下端縁部を内方に折り曲げ、底部材の周縁部421内面に接合させて、環状脚部422が形成される。
一方、胴部材の上部周縁を外方に1周以上巻き込み、フランジ部416が形成される。
このようにしてレトルトカップが形成される。
【0158】
なお、このような構造は、テーパー状のレトルトカップのみに限定されず、円筒状のカップ状紙容器であってもよい。
【0159】
そして、
図24A〜
図24Cに示すように、胴部材ブランク410は、一方の端縁411に、少なくとも内面側の熱可塑性樹脂層440を紙層401の側端縁の外方に延出させて、延設樹脂部(端縁延設部)404aが形成されている。
図24A〜
図24Cでは、内面側と同様に、外面側の熱可塑性樹脂層441にも、延設樹脂部が設けられた例を示す。
【0160】
さらに、本実施形態に係るレトルトカップでは、一方の端縁411の上方の紙層401の部分に、切り欠き431が設けられている。これにより、延設樹脂部404aの切り欠き431の部分は、紙層401がなく、熱可塑性樹脂を含む樹脂のみからなる層として形成される。
【0161】
図24A〜
図24Cに示すように、この延設樹脂部404aは、紙層401の端部から外方に延出するのみではなく、折り返し樹脂部404bを有する構成としてもよい。この折り返し樹脂部404bは、紙層401の近傍で、延設樹脂部404aを紙層401の外面側に折り返して形成される。
【0162】
このように、折り返し樹脂部404bが紙層401の外面側に折り返した構成を有することで、基材端部からの内容物の浸入を防止できるだけでなく、貼り合わせ部415における樹脂量が確保できる。この結果、胴部材両側端部の貼り合わせ部の密封性が良好となる。
【0163】
さらに、延設樹脂部404aの切り欠き431に形成される部分は、紙層401がなく、樹脂のみの層からなる折り返し樹脂部404bである。このため、胴部貼り合せ部415の上方のフランジ部416を巻き込んで形成する場合に、フランジ部を接合するために十分な樹脂量が確保できて、フランジ上面の平滑化が欠陥なく行える。この結果、フランジ部416と蓋材(図示せず)との密封性が良好となる。
【0164】
前記延設樹脂部404aの幅は、紙層401の厚み以上の幅であることが好ましい。より好ましくは、前記延設樹脂部404aの幅は、胴部材ブランク410の厚み以上の幅であることが好ましい。
【0165】
ここで、紙層401の側端縁より外方に延出した延設樹脂部404aについて、胴部材ブランク410の一方の側端縁に設ける場合を説明したが、
図25A〜
図25Cのように延設樹脂部404aを両側端縁に設ける構成であってもよい。このような構成により、貼り合せ部415の外側の紙層端面からの水分等の浸入が防止でき、より効果的なバリア性を付与することができる。
【0166】
本実施形態に係るレトルトカップは、このような構造を有しているため、胴部貼り合わせ部415の内側に位置する紙層の端面が、延設樹脂部404aまたは折り返し樹脂部404bで保護されている。この結果、容器に充填された内容物が紙層端面から浸透することがない。
【0167】
ここで、
図24A〜
図24Cに示すように、前記熱可塑性樹脂層440は、紙層401の内面側だけでなく、外面側にも設けられた構成であってもよい。このように、紙層の両面に熱可塑性樹脂層440,441を設けることにより、基材端面に形成される延設樹脂部404aが、前記両面の熱可塑性樹脂層440,441を外縁で一体化して形成される。
【0168】
また、前記延設樹脂部404aは、紙層に設けた熱可塑性樹脂層により形成する方法に代えて、例えば、熱可塑性樹脂のテープなどの別の部材を紙層の端部に設け、前述と同様に外縁で一体化して形成してもよい。
【0169】
また、前記延設樹脂部404aは、一方を紙層に設けた熱可塑性樹脂層を用いるとともに、他方を熱可塑性樹脂のテープを用い、前述と同様に外縁で一体化して形成してもよい。
【0170】
さらに、前記延設樹脂部404aは、胴部材ブランクの上方の隅部に、紙層を切り欠いた切り欠き部が設けられていてもよい。この場合、フランジ部の密閉性を向上できる。
さらに、前述のように、延設樹脂部404aが紙層の端縁から外方に延出した構成の場合、胴部材両端縁の保護ができる。
【0171】
図27A〜
図27Cは、同実施形態に係るレトルトカップの製造に用いる胴部材ブランクの、延設樹脂層の形状を示す平面図である。
図27Aは、
図22Aに示したブランクと同様に、上方の隅部の紙層の切り欠き部431が矩形であり、延設樹脂部404が前記の矩形の切り欠き部のみに形成されている場合を示している。
【0172】
図27Bは、
図22Aに示したブランクと同様に、胴部材両側端縁411,412からの延設樹脂部404がある場合であり、上方の隅部の紙層の切り欠き部431が三角形の場合を示している。
図27Cは、ブランク上方の隅部の紙層の切り欠き部431が三角形であり、胴部材両側端縁411,412からの延設樹脂部404がない場合を示している。
【0173】
これら紙層の切り欠き部431の形状および胴部材両側端縁411,412からの延設樹脂部404の有無は、必要とされるバリア性の程度と密封性の程度とによって適宜選択される。
【0174】
特に、内容物による端部からの浸潤を防止するためには、延出樹脂部を単に外方に延出した構成ではなく、
図24A〜
図24Cに示すように、折り返し樹脂部404bを有することが好ましい。この折り返し樹脂部404bは、延出した延設樹脂部404aを紙層の外面側に折り返して形成される。
さらに、外部からの水分等に対するバリア性を強化するために、
図25A〜
図25Cに示すように、折り返し樹脂部404dを有することが好ましい。この折り返し樹脂部404dは、延出した延設樹脂部(端縁延設部)404cを紙層の内面側に折り返して形成される。
【0175】
このように、樹脂部を紙層の外面もしくは内面側に折り返した折り返し樹脂部を有することによって、胴部貼り合わせ部の段差が前記折り返し樹脂部で埋まり、段差のない構成とすることができる。さらに、前記折り返し樹脂部の端面がレトルトカップ内部もしくは外部に露出しない構成とすることができる。
【0176】
図24Cに示すように、胴部材418には、胴部材ブランク410の延設樹脂部404aを設けた側端縁が内側となるように重ね合わせ、加熱および加圧により、胴部貼り合わせ部415が形成される。この胴部材ブランク410は、
図19に示すように、片側端縁上部に紙層の切欠き部431が設けられ、その部分に熱可塑性樹脂の被膜が延設されている。
【0177】
ここで、前記延設樹脂部404aを設けた側端部の前記紙層の切欠き部431の部分は、熱可塑性樹脂の被膜が重ね合わされた状態で存在する。このため、フランジ部の接合部の空隙を充填して密閉するのに十分な量の熱可塑性樹脂を供給することができる。
【0178】
また、フランジ部416上面を平坦にする場合であっても、フランジ部の接合部の上面が、胴部貼り合わせ部415の上方で樹脂により連続して形成される。これにより、前記貼り合せ部の位置に生じる段差を解消することができる。
【0179】
本実施形態に係るレトルトカップは、熱可塑性樹脂層440,441がバリア層を含む構成とすることができる。
このように、熱可塑性樹脂層440,441がバリア層を含む構成により、紙層401の端面がバリア層により保護される。この結果、バリア性により優れたカップ状紙容器を形成することができる。
【0180】
前記バリア層としては、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着プラスチックフィルム、無機化合物蒸着プラスチックフィルム、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルムなど、ガスバリア性の優れた層状の材料を使用できる。
【0181】
また、
図24A〜
図24Cに示すように、樹脂部を折り返した折り返し樹脂部404bを有することで、バリア層の端面が容器内部に露出しない構成となる。これにより、内容物がバリア層と接触することがないため、内容物の保存に悪影響を及ぼさないレトルトカップが得られる。
また、紙層401の外側面にポリエチレン等の熱可塑性樹脂層441を設け、紙層の両面に熱可塑性樹脂層440,441を設けた構成とすることもできる。
【0182】
紙層401の外側面および内側面の両面に熱可塑性樹脂層を設けた構成により、両面の熱可塑性樹脂層440,441の先端の内面同士を一体化して延設樹脂部404aを形成することができる。
【0183】
特に、両面の熱可塑性樹脂層440,441により形成した折り返し樹脂部404bは、さらに延設樹脂部404aを紙層外面側に折り返した構成となっている。これにより、一定の樹脂量が確保できるため、胴部を形成した際に、胴部貼り合わせ部415の段差を解消することができる。
【0184】
また、前記熱可塑性樹脂層440が熱可塑性樹脂とは異なる材料からなるバリア層を含む構成の場合、折り返した構成となっていることで、バリア層の端面が容器内部に露出しない。これにより、内容物がバリア層と接触することがないため、内容物の保存に悪影響を及ぼすことがない。
【0185】
さらに、
図25A〜
図25Cのように、胴部貼り合せ部415の内側紙層端縁411および外側紙層端縁412がともに折り返し樹脂部404bおよび404dで覆われている構成の場合、外側からの水等の液体が付着しても紙層の剛性が弱くなることがないため、耐水性に優れたレトルトカップを得ることができる。
【0186】
また、
図26A〜
図26Cのように、折り返し樹脂部404bおよび404dが設けられ、これら折り返し樹脂部404bおよび404dは、延出した延設樹脂部(端縁延設部)404aおよび404cをそれぞれ紙層の外面側に折り返して形成されていてもよい。
【0187】
このように、胴部材ブランク410の両端に設けられた折り返し樹脂部404bおよび404dがともに紙層の外面側に折り返されるため、これら2つの折り返し樹脂部を同時に折り返して形成することを容易に実現できる。すなわち、両端の延設樹脂部が同じ方向に折り返されて折り返し樹脂部が形成されるため、この折り返し工程で折り返しの方向を切り替える必要がない。このため、両端の折り返し樹脂部を形成する工程が短縮される。
この結果、レトルトカップの製造工程が短縮され、生産性を向上させることができる。
【0188】
次に、本実施形態に係るレトルトカップの製造方法における胴部材ブランクの製造方法を説明する。
【0189】
先ず、ロール状の紙層401に扇形状の胴部材ブランク410を複数個並べて割りつけ印刷する。胴部材ブランクの一方の端縁411に、その端縁を含めて外方の部分を長窓413として穿設する。
長窓は、上部に切り欠き部431と端縁411の外方の矩形部分とを含む形状である。
(
図20A,
図20B参照)(第1打ち抜き工程)。
【0190】
胴部材ブランク410を印刷して長窓413が穿設された紙層401の内側面および外側面に、ポリエチレン樹脂などの熱可塑性樹脂層440,441を溶融樹脂押し出し法により積層して、積層シート403を形成する。この時、紙層401の長窓部分に、前記2つの熱可塑性樹脂層により延設樹脂部404aを形成する(
図21A,
図21B参照)(熱可塑性樹脂貼り合わせ工程)。
【0191】
紙層401から外方に延出して設けられた延設樹脂部404aを含む長窓部分を形成した側の胴部材ブランク410に不必要な部分を、前記積層シート403から連続してカットする。このようにして片側の不必要な部分が切り取られた積層シート403から印刷された複数個の扇形状の胴部材ブランク410を打ち抜き、延設樹脂部404aを形成した一枚ずつの胴部材ブランク410を作製する(
図22A,
図22B参照)(第2打ち抜き工程)。
【0192】
次に、延設樹脂部404aを折り返して仮接着することによって、折り返し樹脂部404bが形成された胴部材ブランク410を作製する。(
図23A,
図23B参照)(樹脂部折り曲げ工程)。この延設樹脂部404aは、一枚ずつの胴部材ブランク410の外方に延出して設けられている。
【0193】
このような各工程を経て、樹脂部404bを一方の側端縁に形成した胴部材ブランク410を作製することができる。この樹脂部404bは、紙層401の端縁より所定幅外方に延出した長窓部分413の延設樹脂部404aを折り曲げて形成される。
このとき、紙層の切り欠き部431の領域の延設樹脂部は、この樹脂部を重ねた状態で折り返される。それ以外の延設樹脂部は、紙層の端面から内側に折り返される。
【0194】
このような方法により作製した胴部材ブランク410を用いてレトルトカップを成形する成形方法は、
図19を用いて上述のようにその一例を説明した。よって、ここではその説明を省略する。
【0195】
本実施形態に係るレトルトカップは、胴部材418に、端縁上部の切欠き部431に熱可塑性樹脂被膜を設けた胴部材ブランク410を用いている。このため、胴部材418の上部周縁を外方に1周以上巻き込んでフランジ部416を形成した際、貼り合わせ部415においても、接着に必要な十分な量の熱可塑性樹脂が存在する。この結果、空隙がなくフランジ部の段差を解消することができる。
【0196】
また、同じ理由によって、フランジ部415の上面を平坦にしてもフランジ部上面に生じる段差を解消することができるので、蓋材でフランジ部をシールした際にも空隙による内容物の漏れ等も効果的に防止できる。
【0197】
図28は、同実施形態に係るレトルトカップの製造に用いる胴部材ブランクの形状を示す平面図である。この胴部材ブランク410には、上方の隅部に紙層の切り欠き部431,432が設けられている。また、この胴部材ブランクには、胴部材端縁411の下方に紙層の切り欠き部433がさらに設けられている。
【0198】
この切り欠き部433が設けられていることにより、胴部材418を内側に巻き込んで環状脚部422を形成する際に、紙基材が前記貼り合せ部以外の部分と同様の重なりの巻き込み状態となる。これにより、貼り合せ部415の位置に生じる段差を解消することができる。
【実施例】
【0199】
(実施例1)
紙基材(坪量260g/m
2)からなるシートに長窓を形成した。
次に、前記シートの紙基材の表面に、低密度ポリエチレン層(30μm)を設けた。紙基材の裏面に、低密度ポリエチレン層(30μm)/アルミニウム箔(9μm)/ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)/低密度ポリエチレン層(70μm)を設けた。その後、前記長窓の位置で前記低密度ポリエチレン層の内面を接合して一体化した。
【0200】
そして、扇形形状(上辺の長さ225mm、下辺の長さ162mm)に打ち抜き、胴部ブランク10を形成した。この扇形形状は、紙基材の片側の側端縁上部に、幅が9mm、高さが5mmの三角形の切欠き部を有する。この扇形形状は、他方の側端部上部に、幅が8mm、高さが6mmの三角形の切欠き部を有する。
【0201】
なお、両方の側端縁に設けた樹脂部の幅は、5mmである。このようにして端縁延設片樹脂部を有する胴部ブランク10を形成した。
前記端縁延設片樹脂部を有する前記ブランクの側端縁を重ね合わせの長さLが5mmになるように重ねて接合することにより一体化した。これにより、胴部貼り合わせ部が設けられた胴部を形成した。
【0202】
次に、前記胴部の下部内面に、底部材の周縁部21の外面を接合させた。この底部材20は、円形状であり、下向きに起立させた周縁部21を有する。
そして、カップ成形機を用い、前記胴部材18の下部内面に、底部材20の周縁部21の外面を接合させた。さらに、周縁部21を覆うように前記胴部材18をカールさせながら内方に折り曲げ、下端縁部が胴部材18の上部折り返し部24と底部形成用ブランクの周縁部の下方折り曲げ部21との間に位置した状態とした。この状態で、底部材20の周縁部21内面に接合させて、直径が52mmの環状脚部22を形成した。
【0203】
また、トップカールユニットにより、胴部材18の上部開口部を1周以上巻き込み、開口の直径が69mmのレトルトカップを成形した。このレトルトカップは、下側半分が一重巻き、上側半分が二重巻きとなる、幅が3mmのフランジ部16を有する。
【0204】
この結果、前記レトルトカップは、胴部貼り合わせ部15およびフランジ部16の上面の胴部貼り合わせ部に位置する部分に段差がなく成形された。また、胴部および底部の貼り合わせ部の強度と耐水性も十分であり、水に漬けて冷却しても紙基材の膨潤等の異常は見られなかった。
(実施例2)
【0205】
実施例1のレトルトカップのフランジ部16を、超音波シール装置を用い、上下から加圧圧着し、フランジ上面を平坦にした。
この結果、前記レトルトカップは、フランジ部16の上面を平坦にしたにもかかわらず、フランジ部16の上面の胴部貼り合わせ部15に位置する部分に段差がなく成形された。また、胴部および底部の貼り合わせ部の強度と耐水性も十分であり、水に漬けて冷却しても紙基材の膨潤等の異常は見られなかった。
(実施例3)
【0206】
表側から、紙基材(坪量260g/m
2)/低密度ポリエチレン(30μm)/アルミニウム箔(9μm)/ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)からなるシートに長窓を形成した。
【0207】
次に、前記積層シートの紙基材の表面に低密度ポリエチレン層(30μm)を設ける一方、ポリエチレンテレフタレートフィルム面にポリエチレン層(70μm)を設けた。その後、前記長窓で、前記低密度ポリエチレン層の内面を接合して一体化した。
【0208】
そして、扇形形状(上辺の長さ225mm、下辺の長さ162mm)に打ち抜き、胴部ブランク10を形成した。この扇形形状は、紙基材の片側の側端縁上部に、幅が9mm、高さが5mmの三角形の切欠き部を有する一方、他方の側端部上部に、幅が8mm、高さが6mmの三角形の切欠き部を有する。なお、両方の側端縁に設けた端縁延設片となる樹脂部は、5mm幅で設けて、折り返さずに圧着した。
前記ブランクの端縁延設片を有する側端縁を5mm重ね合わせて端縁延設片を基材表面に圧着して接合して一体化し、胴部貼り合わせ部15を設けて胴部を形成した。
【0209】
次に、前記胴部の下部内面に、底部材20の周縁部21の外面を接合させた。この底部材20は、円形状であり、下向きに起立させた周縁部21を有する。
そして、カップ成形機を用い、前記胴部材18の下部内面に、底部材20の周縁部21の外面を接合させた。さらに、周縁部21を覆うように前記胴部材18をカールさせながら内方に折り曲げ、下端縁部が胴部材18の上部折り返し部24と底部形成用ブランクの周縁部の下方折り曲げ部21との間に位置した状態とした。この状態で、底部材20の周縁部21内面に接合させて、直径が52mmの環状脚部22を形成した。
【0210】
また、トップカールユニットにより、開口の直径が69mmのレトルトカップを成形した。このレトルトカップは、上部開口部を1周以上巻き込み、下側半分が一重巻き、上側半分が二重巻きとなる、幅が3mmのフランジ部16を有する。
【0211】
この結果、前記レトルトカップは、胴部貼り合わせ部15およびフランジ部16の上面の胴部貼り合わせ部に位置する部分に段差がなく成形された。また、胴部および底部の貼り合わせ部の強度と耐水性も十分であり、水に漬けて冷却しても紙基材の膨潤等の異常は見られなかった。
(実施例4)
【0212】
表側から、低密度ポリエチレン層(30μm)/紙基材(坪量260g/m
2)からなるシートに長窓を形成した。
次に、前記紙基材の裏面に低密度ポリエチレン(30μm)/アルミニウム箔(9μm)/ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)/低密度ポリエチレン層(15μm)を設け、シート紙基材表面の長窓部分を覆うように設けた。
【0213】
そして、扇形形状(上辺の長さ225mm、下辺の長さ162mm)に打ち抜き、胴部ブランク10を形成した。この扇形形状は、片側の紙基材の側端縁上部に、幅が9mm、高さが5mmの三角形の切欠き部を有する一方、他方の側端部上部に、幅が8mm、高さが6mmの三角形の切欠き部を有する。なお、両方の側端縁に設けた端縁延設片となる樹脂部の幅は、5mm幅である。
前記ブランクの端縁延設片を有する側端縁を5mm重ね合わせて端縁延設片を基材表面に圧着して接合一体化し、胴部貼り合わせ部を設けて胴部を形成した。
次に、前記胴部の下部内面に、底部材20の周縁部21の外面を接合させた。この底部材20は、円形状であり、下向きに起立させた周縁部21を有する。
【0214】
そして、カップ成形機を用い、前記胴部材18の下部内面に、底部材20の周縁部21の外面を接合させた。さらに、周縁部21を覆うように前記胴部材18をカールさせながら内方に折り曲げ、下端縁部が胴部材18の上部折り返し部24と底部形成用ブランクの周縁部の下方折り曲げ部21との間に位置した状態とした。この状態で、底部材20の周縁部21内面に接合させて、直径が52mmの環状脚部22を形成した。
【0215】
また、トップカールユニットにより、開口の直径が69mmのレトルトカップを成形した。このレトルトカップは、上部開口部を1周以上巻き込み、下側半分が一重巻き、上側半分が二重巻きとなる、幅が3mmのフランジ部16を有する。
【0216】
この結果、前記レトルトカップは、フランジ部16の上面の胴部貼り合わせ部15に位置する部分に段差がなく成形された。また、胴部および底部の貼り合わせ部の強度も十分であり、水に漬けて冷却しても紙基材の膨潤等の異常は見られなかった。
【0217】
(実施例5)
表側から、紙基材(坪量260g/m
2)からなるシートに長窓を形成した。
【0218】
次に、前記シートの紙基材の表面に、低密度ポリエチレン層(30μm)、紙基材の裏面に低密度ポリエチレン層(30μm)/アルミニウム箔(9μm)/ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)/低密度ポリエチレン層(70μm)を設けた。その後、前記長窓の位置で前記低密度ポリエチレン層の内面を接合して一体化した。
【0219】
そして、扇形形状(上辺の長さ225mm、下辺の長さ162mm)に打ち抜き、胴部ブランクを形成した。この扇形形状は、紙基材の片側の側端縁上部に、幅が9mm、高さが5mmの三角形の切欠き部を有する。この扇形形状は、他方の側端部上部に、幅が8mm、高さが6mmの三角形の切欠き部を有する。
【0220】
なお、両方の側端縁に設けた樹脂部の幅は、5mmである。このようにして、2.5mm延出する折り返し樹脂部を有する胴部ブランクを形成した。
【0221】
前記折り返し樹脂部を有する前記ブランクの側端縁を重ね合わせて接合して一体化し、胴部貼り合わせ部を設けて胴部を形成した。
【0222】
次に、前記胴部の下部内面に、底部材220の周縁部221の外面を接合させた。この底部材220は、円形状であり、下向きに起立させた周縁部221を有する。
【0223】
そして、カップ成形機を用い、前記胴部材218の下部内面に、底部材220の周縁部221の外面を接合させた。さらに、周縁部221を覆うように、前記胴部材218の下端縁部を内方に折り曲げ、底部材の周縁部221内面に接合させて、直径が52mmの環状脚部222を形成した。
【0224】
また、トップカールユニットにより、上部の開口部を1周以上巻き込み、開口の直径が69mmのカップ状紙容器を成形した。このカップ状紙容器は、下側半分が一重巻き、上側半分が二重巻きとなる、幅が3mmのフランジ部216を有する。
【0225】
この結果、前記カップ状紙容器は、胴部貼り合わせ部およびフランジ部の上面の、胴部貼り合わせ部に位置する部分に段差がなく成形された。
(実施例6)
実施例5のフランジ部216を、超音波シール装置を用いて上下から加圧圧着し、フランジ部216の上面を平坦にした。
【0226】
この結果、前記カップ状紙容器は、フランジ部216の上面を平坦にしたにもかかわらず、フランジ部216の上面の胴部貼り合わせ部に位置する部分に段差がなく成形された。
(実施例7)
表側から、紙基材(坪量260g/m
2)低密度ポリエチレン(30μm)/アルミニウム箔(9μm)/ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)からなるシートに長窓を形成した。
【0227】
次に、前記積層シートの紙基材表面に、低密度ポリエチレン層(30μm)、ポリエチレンテレフタレートフィルム面にポリエチレン層(70μm)を設けた。その後、前記長窓で、前記低密度ポリエチレン層の内面を接合して一体化した。
【0228】
そして、扇形形状(上辺の長さ225mm、下辺の長さ162mm)に打ち抜き、胴部ブランクを形成した。この扇形形状は、紙基材の片側の側端縁上部に、幅が9mm、高さが5mmの三角形の切欠き部を有する。この扇形形状は、他方の側端部上部に、幅が8mm、高さが6mmの三角形の切欠き部を有する。
【0229】
なお、一方の側端縁に設けた樹脂部の幅は5mm幅である。折り返し樹脂部の幅は2.5mmである。他方の側端縁に設けた樹脂部は、その幅が5mmであり、折り返さずに圧着した。
【0230】
前記ブランクの折り返し樹脂部を有する側端縁を内側とした状態で、外延樹脂部を内側基材表面に圧着して接合一体化し、幅が5mmの胴部貼り合わせ部を設けて、胴部を形成した。この外延樹脂部は、側端縁を重ね合わせて外側の側端縁に設けられている。
【0231】
次に、前記胴部の下部内面に、底部材220の周縁部221の外面を接合させた。この底部材220は、円形状であり、下向きに起立させた周縁部221を有する。
【0232】
そして、カップ成形機を用い、前記胴部材218の下部内面に、底部材220の周縁部221の外面を接合させた。さらに、周縁部221を覆うように前記胴部材218の下端縁部を内方に折り曲げ、底部材220の周縁部221内面に接合させて、直径が52mmの環状脚部222を形成した。
【0233】
また、トップカールユニットにより、上部開口部を1周以上巻き込み、開口の直径が69mmのカップ状紙容器を成形した。このカップ状紙容器は、下側半分が一重巻き、上側半分が二重巻きとなる、幅が3mmのフランジ部216を有する。
【0234】
この結果、前記カップ状紙容器は、胴部貼り合わせ部215およびフランジ部216の上面の胴部貼り合わせ部に位置する部分に段差がなく成形された。
(実施例8)
実施例7のフランジ部216を、超音波シール装置を用いて上下から加圧圧着し、フランジ部216の上面を平坦にした。
【0235】
この結果、前記カップ状紙容器は、フランジ部216の上面を平坦にしたにもかかわらず、胴部貼り合わせ部に位置する部分に段差がなく成形された。
(実施例9)
表側から、低密度ポリエチレン層(30μm)/紙基材(坪量260g/m
2)からなるシートに長窓を形成した。
【0236】
次に、前記紙基材の裏面に低密度ポリエチレン(30μm)/アルミニウム箔(9μm)/ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)/低密度ポリエチレン層(15μm)をシート紙基材表面の長窓部分を覆うように設けた。
【0237】
次に、扇形形状(上辺の長さ225mm、下辺の長さ162mm)に打ち抜き、胴部ブランクを形成した。この扇形形状は、片側の紙基材の側端縁上部に、幅が9mm、高さが5mmの三角形の切欠き部を有する。この扇形形状は、他方の側端部上部に、幅が8mm、高さが6mmの三角形の切欠き部を有する。
【0238】
なお、両方の側端縁に設けた樹脂部の幅は5mm幅である。折り返し樹脂部の幅は2.5mmである。
【0239】
前記ブランクの樹脂層を有する側端縁を重ね合わせて接合して一体化し、胴部貼り合わせ部を設けて胴部を形成した。
【0240】
次に、前記胴部の下部内面に、底部材220の周縁部221の外面を接合させた。この底部材220は、円形状であり、下向きに起立させた周縁部221を有する。
【0241】
そして、カップ成形機を用い、前記胴部材218の下部内面に、底部材220の周縁部221の外面を接合させた。さらに、周縁部221を覆うように前記胴部材218の下端縁部を内方に折り曲げ、底部材の周縁部221内面に接合させて、直径が52mmの環状脚部222を形成した。
【0242】
また、トップカールユニットにより、上部の開口部を1周以上巻き込み、開口の直径が69mmのカップ状紙容器を成形した。このカップ状紙容器は、下側半分が一重巻き、上側半分が二重巻きとなる、幅が3mmのフランジ部を216有する。
【0243】
この結果、前記カップ状紙容器は、フランジ部216の上面の、胴部貼り合わせ部215に位置する部分に段差がなく成形された。
(実施例10)
実施例9のフランジ部215を、超音波シール装置を用いて上下から加圧圧着し、フランジ部216の上面を平坦にした。
【0244】
この結果、前記カップ状紙容器は、フランジ部216の上面を平坦にしたにもかかわらず、胴部貼り合わせ部215に位置する部分に段差がなく成形された。