特許第6011737号(P6011737)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6011737
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】降圧チョッパ回路
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20161006BHJP
【FI】
   H02M3/155 Y
【請求項の数】9
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-49765(P2016-49765)
(22)【出願日】2016年3月14日
【審査請求日】2016年3月15日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】彦根 修
(72)【発明者】
【氏名】窪内 源宜
【審査官】 宮本 秀一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−010514(JP,A)
【文献】 特開2011−217427(JP,A)
【文献】 特開2005−310907(JP,A)
【文献】 特開2015−226438(JP,A)
【文献】 特開平04−054864(JP,A)
【文献】 特開2010−283236(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/065051(WO,A1)
【文献】 特開2006−184456(JP,A)
【文献】 特開平06−351113(JP,A)
【文献】 特開2000−166221(JP,A)
【文献】 特開平04−200268(JP,A)
【文献】 特開2014−049726(JP,A)
【文献】 特開平08−167669(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L23/29、
23/34−23/36、
23/373−23/427、
23/44、
23/467−23/473、
25/00−25/07、
25/10−25/11、
25/16−25/18
H02M3/00−3/44
H05K7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リアクトルと、
前記リアクトルを介してコンデンサ回路の両端に接続されている逆流防止ダイオード回路と、
前記逆流防止ダイオード回路の両端の間において、直流出力回路に直列に接続されているスイッチング素子回路と、
前記スイッチング素子回路を収納する第1半導体パッケージと、
前記第1半導体パッケージとは別個に設けられ、前記逆流防止ダイオード回路を収納する第2半導体パッケージとを備え
前記第1半導体パッケージは、前記第1半導体パッケージを降圧チョッパ回路本体部に対して脱着可能に取り付けるための複数の第1取付部を含むとともに、前記第2半導体パッケージは、前記第2半導体パッケージを前記降圧チョッパ回路本体部に対して脱着可能に取り付けるための複数の第2取付部を含み、
前記複数の第1取付部同士の間隔と、前記複数の第2取付部同士の間隔とが異なるように構成されている、降圧チョッパ回路。
【請求項2】
前記第1半導体パッケージと前記第2半導体パッケージとは、互いに異なる形状に形成されている、請求項1に記載の降圧チョッパ回路。
【請求項3】
前記逆流防止ダイオード回路は、ワイドバンドギャップ半導体からなる逆流防止ダイオードを含む、請求項1または2に記載の降圧チョッパ回路。
【請求項4】
前記スイッチング素子回路は、ワイドバンドギャップ半導体からなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の降圧チョッパ回路。
【請求項5】
前記逆流防止ダイオード回路は、互いに直列に接続された第1逆流防止ダイオードと第2逆流防止ダイオードとを含み、
前記スイッチング素子回路は、前記第1逆流防止ダイオードに直列に接続されている第1スイッチング素子回路と、前記第2逆流防止ダイオードに直列に接続されている第2スイッチング素子回路とを含み、
前記直流出力回路は、互いに直列に接続された第1直流出力回路と第2直流出力回路とを含み、
前記第1半導体パッケージは、前記第1スイッチング素子回路を収納する一方第1半導体パッケージと、前記一方第1半導体パッケージとは別個に設けられ、前記第2スイッチング素子回路を収納する他方第1半導体パッケージとを含み、
前記第2半導体パッケージは、前記第1逆流防止ダイオードを収納する一方第2半導体パッケージと、前記一方第2半導体パッケージとは別個に設けられ、前記第2逆流防止ダイオードを収納する他方第2半導体パッケージとを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の降圧チョッパ回路。
【請求項6】
前記逆流防止ダイオード回路は、互いに直列に接続された第1逆流防止ダイオードと第2逆流防止ダイオードとを含み、
前記スイッチング素子回路は、前記第1逆流防止ダイオードに直列に接続されている第1スイッチング素子回路と、前記第2逆流防止ダイオードに直列に接続されている第2スイッチング素子回路とを含み、
前記直流出力回路は、互いに直列に接続された第1直流出力回路と第2直流出力回路とを含み、
前記第1半導体パッケージに前記第1スイッチング素子回路および前記第2スイッチング素子回路が共に収納されているか、または、前記第2半導体パッケージに前記第1逆流防止ダイオードおよび前記第2逆流防止ダイオードが共に収納されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の降圧チョッパ回路。
【請求項7】
前記第2半導体パッケージには、前記第1逆流防止ダイオードおよび前記第2逆流防止ダイオードが共に収納されている、請求項6に記載の降圧チョッパ回路。
【請求項8】
前記第1半導体パッケージには、前記第1スイッチング素子回路および前記第2スイッチング素子回路が共に収納されている、請求項6または7に記載の降圧チョッパ回路。
【請求項9】
前記第1半導体パッケージに、同時に故障する可能性が高い前記第1スイッチング素子回路および前記第2スイッチング素子回路が共に収納されているか、または、前記第2半導体パッケージに、前記第1スイッチング素子回路および前記第2スイッチング素子回路よりも故障可能性の低い前記第1逆流防止ダイオードおよび前記第2逆流防止ダイオードが共に収納されている、請求項6〜8のいずれか1項に記載の降圧チョッパ回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、降圧チョッパ回路に関し、特に、スイッチング素子回路と逆流防止ダイオード回路とを備える降圧チョッパ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スイッチング素子回路と逆流防止ダイオード回路とを備える降圧チョッパ回路が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、スイッチと電流の逆流を防止するダイオードとを備えるDC/DCコンバータが開示されている。このDC/DCコンバータでは、回転電機からの回生電力の電圧を降圧するとともに、降圧した電圧を電源に印加するように構成されている。また、DC/DCコンバータには、キャパシタンスと制御回路とが設けられており、制御回路は、スイッチのオンオフの期間(デューティ)を制御することにより、キャパシタンスの充放電量を制御して、電圧を降圧するように構成されている。また、ダイオードは、回転電機に対して電流の逆流を防止するように配置されている。また、従来、このようなDC/DCコンバータでは、スイッチと電流の逆流を防止するダイオードとは、同一のパッケージに収容されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−239770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、スイッチ(スイッチング素子)と電流の逆流を防止するダイオード(逆流防止用のダイオード)とが同一のパッケージに収容されている従来の構造では、スイッチング素子と逆流防止用のダイオードとのいずれか一方が故障した場合でも、パッケージ毎に交換される。このため、故障した素子とともに、故障していない素子も交換されてしまうという不都合がある。したがって、上記特許文献1に記載されたDC/DCコンバータ(降圧チョッパ回路)では、交換が不要なスイッチング素子または逆流防止ダイオードが交換されてしまうという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、交換が不要なスイッチング素子または逆流防止ダイオードが交換されてしまうのを抑制することが可能な降圧チョッパ回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による降圧チョッパ回路は、リアクトルと、リアクトルを介してコンデンサ回路の両端に接続されている逆流防止ダイオード回路と、逆流防止ダイオード回路の両端の間において、直流出力回路に直列に接続されているスイッチング素子回路と、スイッチング素子回路を収納する第1半導体パッケージと、第1半導体パッケージとは別個に設けられ、逆流防止ダイオード回路を収納する第2半導体パッケージとを備え、第1半導体パッケージは、第1半導体パッケージを降圧チョッパ回路本体部に対して脱着可能に取り付けるための複数の第1取付部を含むとともに、第2半導体パッケージは、第2半導体パッケージを降圧チョッパ回路本体部に対して脱着可能に取り付けるための複数の第2取付部を含み、複数の第1取付部同士の間隔と、複数の第2取付部同士の間隔とが異なるように構成されている。なお、「回路」とは、一般的に導体を終端がないように接続したものをいうが、本願明細書では、「回路」を、終端がある場合も含む「電流の通路」を意味する広い概念として記載している。
【0008】
この発明の一の局面による降圧チョッパ回路では、上記のように、降圧チョッパ回路に、スイッチング素子回路を収納する第1半導体パッケージと、第1半導体パッケージとは別個に設けられ、逆流防止ダイオード回路を収納する第2半導体パッケージとを設ける。これにより、スイッチング素子回路または逆流防止ダイオード回路のいずれか一方が故障した場合に、故障したスイッチング素子回路を収納する第1半導体パッケージのみ、または、故障した逆流防止ダイオード回路を収納する第2半導体パッケージのみを交換することができるので、交換が不要なスイッチング素子回路または逆流防止ダイオード回路が交換されることを抑制することができる。なお、この場合には、交換が不要なスイッチング素子回路または逆流防止ダイオード回路が交換されることが抑制される分、交換コストが増大するのを抑制することができる。
【0009】
上記一の局面による降圧チョッパ回路において、好ましくは、第1半導体パッケージと第2半導体パッケージとは、互いに異なる形状に形成されている。このように構成すれば、第1半導体パッケージと第2半導体パッケージとが同一の形状に形成されている場合と異なり、第1半導体パッケージまたは第2半導体パッケージが交換される際に、第1半導体パッケージと第2半導体パッケージとが取り間違えて交換されるのを抑制することができる。また、降圧チョッパ回路の生産時においても、第1半導体パッケージと第2半導体パッケージとが取り間違えて取り付けられるのを抑制することができるので、降圧チョッパ回路の生産性(生産効率)を向上させることができる。
【0010】
上記一の局面による降圧チョッパ回路において、好ましくは、逆流防止ダイオード回路は、ワイドバンドギャップ半導体からなる逆流防止ダイオードを含む。このように構成すれば、ワイドバンドギャップ半導体からなる逆流防止ダイオードを用いることにより、一般的なシリコン半導体からなるダイオードを用いる場合に比べて状態変化の過渡応答の電力損失(逆回復損失)を低減することができる。その結果、降圧チョッパ回路を駆動させる際の電力損失を低減することができる。
【0011】
上記一の局面による降圧チョッパ回路において、好ましくは、スイッチング素子回路は、ワイドバンドギャップ半導体からなる。このように構成すれば、ワイドバンドギャップ半導体からなるスイッチング素子回路を用いることにより、一般的なシリコン半導体からなるスイッチング素子回路を用いる場合に比べてスイッチング損失を低減することができる。その結果、降圧チョッパ回路を駆動させる際の電力損失を低減することができる。
【0012】
上記一の局面による降圧チョッパ回路において、好ましくは、逆流防止ダイオード回路は、互いに直列に接続された第1逆流防止ダイオードと第2逆流防止ダイオードとを含み、スイッチング素子回路は、第1逆流防止ダイオードに直列に接続されている第1スイッチング素子回路と、第2逆流防止ダイオードに直列に接続されている第2スイッチング素子回路とを含み、直流出力回路は、互いに直列に接続された第1直流出力回路と第2直流出力回路とを含み、第1半導体パッケージは、第1スイッチング素子回路を収納する一方第1半導体パッケージと、一方第1半導体パッケージとは別個に設けられ、第2スイッチング素子回路を収納する他方第1半導体パッケージとを含み、第2半導体パッケージは、第1逆流防止ダイオードを収納する一方第2半導体パッケージと、一方第2半導体パッケージとは別個に設けられ、第2逆流防止ダイオードを収納する他方第2半導体パッケージとを含む。このように構成すれば、降圧チョッパ回路を、3レベル降圧チョッパ回路として構成することができるとともに、第1スイッチング素子回路、第2スイッチング素子回路、第1逆流防止ダイオード、および、第2逆流防止ダイオードのうちのいずれかの素子が故障した場合に、その他の交換が不要な素子が交換されることを抑制することができる。
【0013】
上記一の局面による降圧チョッパ回路において、好ましくは、逆流防止ダイオード回路は、互いに直列に接続された第1逆流防止ダイオードと第2逆流防止ダイオードとを含み、スイッチング素子回路は、第1逆流防止ダイオードに直列に接続されている第1スイッチング素子回路と、第2逆流防止ダイオードに直列に接続されている第2スイッチング素子回路とを含み、直流出力回路は、互いに直列に接続された第1直流出力回路と第2直流出力回路とを含み、第1半導体パッケージに第1スイッチング素子回路および第2スイッチング素子回路が共に収納されているか、または、第2半導体パッケージに第1逆流防止ダイオードおよび第2逆流防止ダイオードが共に収納されている。ここで、第1逆流防止ダイオードおよび第2逆流防止ダイオードは、制御回路に接続され能動素子として構成されるスイッチング素子を含む第1スイッチング素子回路および第2スイッチング素子回路に比べて、故障可能性が低くなると考えられる。また、第1スイッチング素子回路および第2スイッチング素子回路は、一方の回路のスイッチング素子が故障する際に他方の回路のスイッチング素子も故障する場合があると考えられる。この点に着目して、本発明では、第1半導体パッケージに第1スイッチング素子回路および第2スイッチング素子回路を共に収納するか、または、第2半導体パッケージに第1逆流防止ダイオードおよび第2逆流防止ダイオードを共に収納する。これにより、第2半導体パッケージに第1逆流防止ダイオードおよび第2逆流防止ダイオードが共に収納された場合でも、故障可能性が低い分、第2半導体パッケージの交換作業回数を低減することができる。また、第1半導体パッケージに第1スイッチング素子回路および第2スイッチング素子回路が共に収納された場合でも、第1スイッチング素子回路および第2スイッチング素子回路が同時に故障する可能性が高い分、交換が不要なスイッチング素子が交換されるのを抑制することができる。そして、第1半導体パッケージまたは第2半導体パッケージに複数の素子を収納することにより、パッケージの数が増大するのを抑制することができるので、降圧チョッパ回路の大型化(複雑化)を抑制することができる。
【0014】
この場合、好ましくは、第2半導体パッケージには、第1逆流防止ダイオードおよび第2逆流防止ダイオードが共に収納されている。このように構成すれば、第1逆流防止ダイオードと第2逆流防止ダイオードとが別々のパッケージに収納されている場合に比べて、パッケージの数が増大しないので、降圧チョッパ回路の大型化(複雑化)を抑制することができる。また、第2半導体パッケージに第1逆流防止ダイオードおよび第2逆流防止ダイオードが共に収納されている一方、故障可能性が低いので、第2半導体パッケージの交換作業回数を低減することができる。
【0015】
上記第1半導体パッケージに第1スイッチング素子回路および第2スイッチング素子回路が共に収納されているか、または、第2半導体パッケージに第1逆流防止ダイオードおよび第2逆流防止ダイオードが共に収納されている降圧チョッパ回路において、好ましくは、第1半導体パッケージには、第1スイッチング素子回路および第2スイッチング素子回路が共に収納されている。このように構成すれば、第1スイッチング素子回路と第2スイッチング素子回路とが別々のパッケージに収納されている場合に比べて、パッケージの数が増大しないので、降圧チョッパ回路の大型化(複雑化)を抑制することができる。また、第1半導体パッケージに第1スイッチング素子回路および第2スイッチング素子回路が共に収納されている一方、第1スイッチング素子回路および第2スイッチング素子回路は同時に故障する可能性が高い分、交換が不要なスイッチング素子が交換されるのを抑制することができる。
【0016】
上記第1半導体パッケージに第1スイッチング素子回路および第2スイッチング素子回路が共に収納されているか、または、第2半導体パッケージに第1逆流防止ダイオードおよび第2逆流防止ダイオードが共に収納されている降圧チョッパ回路において、好ましくは、第1半導体パッケージに、同時に故障する可能性が高い第1スイッチング素子回路および第2スイッチング素子回路が共に収納されているか、または、第2半導体パッケージに、第1スイッチング素子回路および第2スイッチング素子回路よりも故障可能性の低い第1逆流防止ダイオードおよび第2逆流防止ダイオードが共に収納されている。このように構成すれば、故障可能性および故障態様の少なくとも一方に対応することにより、適切に、交換が不要なスイッチング素子回路または逆流防止ダイオードが交換されるのを抑制しながら、パッケージの数の増大を抑制することができる。



【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、上記のように、交換が不要なスイッチング素子または逆流防止ダイオードが交換されてしまうのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1実施形態による降圧チョッパ回路の全体構成を示す電気回路図である。
図2】本発明の第1実施形態による降圧チョッパ回路の構成を模式的に示した平面図である。
図3】本発明の第2実施形態による降圧チョッパ回路の全体構成を示す電気回路図である。
図4】本発明の第2実施形態による降圧チョッパ回路の構成を模式的に示した平面図である。
図5】本発明の第3実施形態による降圧チョッパ回路の全体構成を示す電気回路図である。
図6】本発明の第3実施形態による降圧チョッパ回路の構成を模式的に示した平面図である。
図7】本発明の第4実施形態による降圧チョッパ回路の全体構成を示す電気回路図である。
図8】本発明の第4実施形態による降圧チョッパ回路の構成を模式的に示した平面図である。
図9】本発明の第5実施形態による降圧チョッパ回路の全体構成を示す電気回路図である。
図10】本発明の第5実施形態による降圧チョッパ回路の構成を模式的に示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
[第1実施形態]
図1および図2を参照して、第1実施形態による降圧チョッパ回路100の構成について説明する。図1では、降圧チョッパ回路100の電気回路図を示している。図2では、降圧チョッパ回路100の構成を模式的に示した平面図を示している。
【0021】
(降圧チョッパ回路の構成)
図1に示すように、降圧チョッパ回路100は、直流出力回路1から出力される電圧を降圧して負荷装置101に供給するように構成されている。また、第1実施形態では、降圧チョッパ回路100は、いわゆる2レベル降圧チョッパ回路として構成されている。
【0022】
直流出力回路1は、直流電源として直流を出力可能に構成されているか、または、交流電源および整流回路を含み、交流を整流した整流波形を有するように構成することにより、直流を出力可能に構成されている。たとえば、交流電源を、回転電機として構成した場合には、降圧チョッパ回路100は、直流出力回路1(回転電機)からの電力を負荷装置101(電源)に回生するように構成されている。
【0023】
そして、降圧チョッパ回路100には、リアクトル2と、スイッチング素子回路3と、逆流防止ダイオード回路4と、コンデンサ5と、制御回路6とが設けられている。なお、「回路」とは、一般的に導体を終端がないように接続したものをいうが、本願明細書では、「回路」を、終端がある場合も含む「電流の通路」を意味する広い概念として記載している。また、コンデンサ5は、特許請求の範囲の「コンデンサ回路」の一例であり、1つのコンデンサに限らず複数のコンデンサから構成されていてもよい。
【0024】
ここで、第1実施形態では、図1に示すように、スイッチング素子回路3は、直流出力回路1に直列に接続されている。また、スイッチング素子回路3は、スイッチング素子31とダイオード32とを含む。詳細には、スイッチング素子31は、たとえば、シリコン半導体からなるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET、または、トランジスタなどのスイッチング素子として構成されている。たとえば、図1では、スイッチング素子31をIGBTとして図示している。また、第1実施形態では、ダイオード32(逆バイアス防止ダイオード)は、シリコン半導体からなる。なお、ダイオード32は、特許請求の範囲の「逆並列ダイオード」の一例である。
【0025】
そして、スイッチング素子31のコレクタは、直流出力回路1の正極に接続されているとともに、ダイオード32のカソードに接続されている。また、スイッチング素子31のエミッタは、ダイオード32のアノード、リアクトル2の一方端、および、逆流防止ダイオード回路4のダイオード41のカソードに接続されている。すなわち、第1実施形態では、ダイオード32は、スイッチング素子31に対して逆並列に接続されている。なお、ダイオード41は、特許請求の範囲の「逆流防止ダイオード」の一例である。
【0026】
逆流防止ダイオード回路4は、リアクトル2を介してコンデンサ5の両端に接続されており、逆流防止ダイオード回路4とリアクトル2とコンデンサ5とは、直列回路を構成する。そして、第1実施形態では、逆流防止ダイオード回路4は、ダイオード41を含み、ダイオード41は、ワイドバンドギャップ半導体からなる。具体的には、ダイオード41は、SiC、GaN、ダイヤモンド、AlN、AlGaN、または、ZnOなどのシリコン半導体よりもバンドギャップが大きい(広い)半導体素子からなる。
【0027】
コンデンサ5は、負荷装置101の両端の間に接続されている。詳細には、コンデンサ5の正極端子5aに、リアクトル2の他方端が接続されており、コンデンサ5の負極端子5bに、逆流防止ダイオード回路4のダイオード41のアノードと直流出力回路1の負極とが接続されている。
【0028】
制御回路6は、スイッチング素子回路3のスイッチング素子31のゲートに接続されており、スイッチング素子回路3のスイッチング素子31のオンオフ(スイッチング動作)の時比率を制御するように構成されている。そして、制御回路6は、スイッチング素子回路3のオンオフの時比率を制御することにより、降圧チョッパ回路100の負荷装置101に対する電圧値(降圧)および電流値(リアクトル2に流れる電流値)を調整(制御)することが可能に構成されている。
【0029】
負荷装置101は、たとえば、バッテリー(直流電源)として構成されていてもよいし、複数のスイッチング素子を含むインバータおよび電動機の組み合わせとして構成されていてもよい。負荷装置101がバッテリーとして構成されている場合には、直流出力回路1からの電力(回生電力)を充電するように構成されている。また、負荷装置101に電動機を含む場合には、電力を消費して、駆動するように構成されている。
【0030】
〈第1半導体パッケージおよび第2半導体パッケージの構成〉
ここで、第1実施形態では、図2に示すように、降圧チョッパ回路100には、第1半導体パッケージ7と、第2半導体パッケージ8とが設けられている。具体的には、降圧チョッパ回路100には、降圧チョッパ回路本体部100aが設けられている。降圧チョッパ回路本体部100aは、たとえば、プリント基板として構成されていてもよいし、ヒートシンクとして構成されていてもよい。また、図2の例では、降圧チョッパ回路本体部100aを単一の部材として図示しているが、降圧チョッパ回路本体部100aは、単一のプリント基板やヒートシンクに限らず、複数のプリント基板および複数のヒートシンク(またはそれらの組み合わせ)から構成されていてもよい。
【0031】
そして、第1実施形態では、第1半導体パッケージ7は、スイッチング素子回路3を収納するように構成されている。詳細には、第1半導体パッケージ7は、たとえば、銅などの金属ベース上に絶縁層を介してスイッチング素子回路3を実装し、ワイヤで配線した後に、樹脂ケースを接着したものである。
【0032】
図2に示すように、第1半導体パッケージ7には、取付部71と端子72aおよび72bとが設けられている。取付部71は、たとえば、図示しないビス等の固定部材を配置することが可能な貫通穴として構成されている。これにより、第1半導体パッケージ7は、降圧チョッパ回路本体部100aに対して脱着可能(交換可能)に構成されている。
【0033】
また、降圧チョッパ回路100には、配線9a〜9eが設けられており、端子72aは、直流出力回路1の正極に接続されている配線9aに接続されている。また、端子72bは、第2半導体パッケージ8の端子82aに接続されている配線9cに接続されている。なお、端子72aと配線9aとの接続部分、および、端子72bと配線9cとの接続部分は、たとえば、導電体(半田等)を溶着することにより接合されていてもよいし、端子72aおよび72bの内部に設けられたナット部に、配線9aまたは9cを挟み込むように金属製のボルト等により固定するように構成してもよい。また、「配線」という表現を用いているが、ケーブル状(線状)のものに限らず、板状の配線用のプレートを用いてもよい。
【0034】
また、第1実施形態では、降圧チョッパ回路100には、第1半導体パッケージ7とは別個に設けられ、逆流防止ダイオード回路4を収納する第2半導体パッケージ8が設けられている。具体的には、第2半導体パッケージ8には、第1半導体パッケージ7から離間して配置されており、逆流防止ダイオード回路4を構成するダイオード41が内部に収納されている。
【0035】
そして、第1実施形態では、第1半導体パッケージ7と第2半導体パッケージ8とは、互いに異なる形状に形成されている。具体的には、図2に示すように、第1半導体パッケージ7と第2半導体パッケージ8とは、平面視において(Z1方向側から見て)、X軸に平行な方向の幅(W11とW21)、および、Y軸に平行な方向の幅(W12とW22)とが、互いに異なる大きさを有する。
【0036】
詳細には、第1半導体パッケージ7は、平面視において、矩形形状を有するように形成されている。そして、第1半導体パッケージ7は、たとえば、X軸に平行な方向の幅W11とY軸に平行な方向の幅W12とを有する。また、第2半導体パッケージ8は、平面視において、矩形形状を有するように形成されている。そして、第2半導体パッケージ8は、たとえば、X軸に平行な方向に幅W11よりも小さい幅W21を有するとともに、Y軸に平行な方向に幅W12よりも大きい幅W22を有する。
【0037】
また、第2半導体パッケージ8には、取付部81と端子82aおよび82bとが設けられている。取付部81は、取付部71と同様に構成されており、第2半導体パッケージ8は、取付部81により、降圧チョッパ回路本体部100aに脱着可能(交換可能)に構成されている。そして、端子82aは、配線9cに接続されている。したがって、第2半導体パッケージ8の端子82aと第1半導体パッケージ7の端子72bとは、配線9cを介して接続されている。また、端子82bは、直流出力回路1の負極とコンデンサ5の負極端子5bとに接続されている配線9bに接続されている。
【0038】
そして、第1実施形態では、第1半導体パッケージ7と第2半導体パッケージ8とは、降圧チョッパ回路100(降圧チョッパ回路本体部100a)に対して、個別に交換可能に構成されている。
【0039】
リアクトル2は、一方端が配線9dに接続されており、他方端が配線9eに接続されている。そして、コンデンサ5には、図2に示すように、正極端子5aと負極端子5bとが設けられている。正極端子5aは、リアクトル2の他方端に接続されている配線9eに接続されており、負極端子5bは、配線9bに接続されている。すなわち、コンデンサ5は、配線9bを介して、第2半導体パッケージ8の端子82bおよび直流出力回路1の負極に接続されている。
【0040】
(降圧チョッパ回路の動作)
次に、図1を参照して、第1実施形態による降圧チョッパ回路100の動作について説明する。降圧チョッパ回路100の動作は、制御回路6の制御処理により実行される。
【0041】
まず、スイッチング素子31がオンされると、直流出力回路1とスイッチング素子31とリアクトル2とコンデンサ5とに電流が流れる。一方、この時、ダイオード32には、電流は略流れない。
【0042】
そして、スイッチング素子31がオフにされると、ダイオード41(逆流防止ダイオード回路4)が導通状態となり、ダイオード41とリアクトル2とコンデンサ5とに電流が流れる。一方、この時にも、ダイオード32には、電流は略流れない。
【0043】
その後、スイッチング素子31がオンにされると、ダイオード41(逆流防止ダイオード回路4)が導通状態から遮断状態に変化して、上記の直流出力回路1とスイッチング素子31とリアクトル2とコンデンサ5とに再び電流が流れる。この時、逆流防止ダイオード回路4(ダイオード41)では、逆回復損失が生じる。なお、ダイオード41は、ワイドバンドギャップ半導体から構成されているため、シリコン半導体から構成されている場合に比べて、逆回復損失が低減される。
【0044】
そして、定常的に運転している状態においては、一定の時比率でスイッチング素子31のオフとオンとが切り替えられ、スイッチング素子31をオンとしたときのリアクトル2の電流値の上昇量と、スイッチング素子31をオフとしたときの電流値の低下量とが釣り合うように制御され、リアクトル2に流れる電流値が直流出力回路1に流れる電流値よりも大きく、かつ、コンデンサ5(正極端子5a)の電圧値が直流出力回路1の電圧値未満の略一定の降圧された直流電圧にされる。
【0045】
なお、上記のように動作を行う降圧チョッパ回路100においては、スイッチング素子31が故障することがあり得る。また、スイッチング素子31が故障するときであっても、ダイオード41が故障するとは限らない。このような場合には、降圧チョッパ回路100において、第2半導体パッケージ8は交換されずに、故障したスイッチング素子31が収納されている第1半導体パッケージ7のみが交換される。この場合、ダイオード41がワイドバンドギャップ半導体から構成されている場合には、交換コスト増大を抑制する効果が顕著となる。なお、ダイオード32は、シリコン半導体から構成されているため、スイッチング素子31と共に交換された場合でも、交換コストの増大は抑制される。
【0046】
また、上記のように動作を行う降圧チョッパ回路100においては、逆回復サージなどに起因して、ダイオード41が故障することがあり得る。また、ダイオード41が故障するときであっても、スイッチング素子31が故障するとは限らない。たとえば、スイッチング素子31が短絡耐量を超える前に制御回路6によりオフされれば、スイッチング素子31は故障しない。このような場合には、降圧チョッパ回路100において、第1半導体パッケージ7は交換されずに、故障したダイオード41が収納されている第2半導体パッケージ8のみが交換される。この場合、後述する変形例のようにスイッチング素子31(スイッチング素子631)がワイドバンドギャップ半導体から構成されている場合には、交換コスト増大を抑制する効果が顕著となる。
【0047】
[第1実施形態の効果]
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0048】
第1実施形態では、上記のように、降圧チョッパ回路100に、スイッチング素子回路3を収納する第1半導体パッケージ7と、第1半導体パッケージ7とは別個に設けられ、逆流防止ダイオード回路4を収納する第2半導体パッケージ8とを設ける。これにより、スイッチング素子回路3または逆流防止ダイオード回路4のいずれか一方が故障した場合に、故障したスイッチング素子回路3を収納する第1半導体パッケージ7または逆流防止ダイオード回路4を収納する第2半導体パッケージ8のみを交換することができるので、交換が不要なスイッチング素子回路3または逆流防止ダイオード回路4が交換されることを抑制することができる。なお、交換が不要なスイッチング素子回路3または逆流防止ダイオード回路4が交換されることが抑制される分、交換コストが増大するのを抑制することができる。
【0049】
また、第1実施形態では、上記のように、第1半導体パッケージ7と第2半導体パッケージ8とを、互いに異なる形状に形成する。これにより、第1半導体パッケージ7と第2半導体パッケージ8とが同一の形状に形成されている場合と異なり、第1半導体パッケージ7または第2半導体パッケージ8が交換される際に、第1半導体パッケージ7と第2半導体パッケージ8とが取り間違えて交換されるのを抑制することができる。また、降圧チョッパ回路100の生産時においても、第1半導体パッケージ7と第2半導体パッケージ8とが取り間違えて取り付けられるのを抑制することができるので、降圧チョッパ回路100の生産性(生産効率)を向上させることができる。
【0050】
また、第1実施形態では、上記のように、逆流防止ダイオード回路4に、ワイドバンドギャップ半導体からなるダイオード41を設けて、スイッチング素子回路3に、スイッチング素子31と、スイッチング素子31に逆並列に接続され、シリコン半導体からなるダイオード32とを設ける。これにより、ワイドバンドギャップ半導体からなるダイオード41を用いることにより、一般的なシリコン半導体からなるダイオードを用いる場合に比べて状態変化の過渡応答の電力損失(逆回復損失)を低減することができる。その結果、降圧チョッパ回路100を駆動させる際の電力損失を低減することができる。なお、逆流防止ダイオード回路4を構成するダイオード41と異なり、スイッチング素子31に逆並列に接続されるダイオード32には、電流が略流れないため、ダイオード32をシリコン半導体から構成する場合でも、電力損失の増大を抑制することができる。
【0051】
[第2実施形態]
次に、図3および図4を参照して、第2実施形態による降圧チョッパ回路200の構成について説明する。第2実施形態では、2レベル降圧チョッパ回路として構成されていた降圧チョッパ回路100と異なり、3レベル降圧チョッパ回路として構成されている。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0052】
(第2実施形態による降圧チョッパ回路の構成)
図3および図4に示すように、第2実施形態による降圧チョッパ回路200には、直流出力回路201と、スイッチング素子回路203と、逆流防止ダイオード回路204と、制御回路206とが設けられている。降圧チョッパ回路200は、3レベル降圧チョッパ回路として構成されている。
【0053】
また、降圧チョッパ回路200には、第1半導体パッケージ207aおよび207bと、第2半導体パッケージ208aおよび208bとが設けられている。なお、第1半導体パッケージ207aは、特許請求の範囲の「一方第1半導体パッケージ」の一例である。また、第1半導体パッケージ207bは、特許請求の範囲の「他方第1半導体パッケージ」の一例である。また、第2半導体パッケージ208aは、特許請求の範囲の「一方第2半導体パッケージ」の一例である。また、第2半導体パッケージ208bは、特許請求の範囲の「他方第2半導体パッケージ」の一例である。
【0054】
図3に示すように、直流出力回路201は、互いに直列に接続された第1直流出力回路201aと第2直流出力回路201bとを含む。また、逆流防止ダイオード回路204は、互いに直列に接続されたダイオード241aおよび241bを含む。詳細には、ダイオード241aのアノードとダイオード241bのカソードとが接続されている。また、ダイオード241aおよび241bは、ワイドバンドギャップ半導体から構成されている。なお、ダイオード241aは、特許請求の範囲の「第1逆流防止ダイオード」の一例である。また、ダイオード241bは、特許請求の範囲の「第2逆流防止ダイオード」の一例である。
【0055】
スイッチング素子回路203は、ダイオード241aに直列に接続されている第1スイッチング素子回路203aと、ダイオード241bに直列に接続されている第2スイッチング素子回路203bとを含む。詳細には、第1スイッチング素子回路203aは、第1スイッチング素子231aと第1スイッチング素子231aに逆並列に接続されたダイオード232aとを含む。また、第2スイッチング素子回路203bは、第2スイッチング素子231bと第2スイッチング素子231bに逆並列に接続されたダイオード232bとを含む。また、ダイオード232aおよび232bは、シリコン半導体から構成されている。なお、ダイオード232aおよび232bは、特許請求の範囲の「逆並列ダイオード」の一例である。
【0056】
また、第1スイッチング素子回路203aは、第1直流出力回路201aの正極とリアクトル2との間に接続されている。また、第2スイッチング素子回路203bは、第2直流出力回路201bの負極とコンデンサ5(負極端子5b)との間に接続されている。
【0057】
また、ダイオード241aのアノードとダイオード241bのカソードとは、第1直流出力回路201aの負極と第2直流出力回路201bの正極とに接続されている。そして、ダイオード241aのカソードは、リアクトル2の一方端に接続されており、ダイオード241bのアノードは、コンデンサ5の負極端子5bに接続されている。これにより、逆流防止ダイオード回路204(ダイオード241aおよび241b)と、リアクトル2と、コンデンサ5とは、直列回路を構成する。
【0058】
第1半導体パッケージ207aは、第1スイッチング素子回路203aを収納するように構成されている。すなわち、第1半導体パッケージ207aには、第1スイッチング素子231aおよびダイオード232aが共に収納されている。また、第1半導体パッケージ207bは、第1半導体パッケージ207aとは別個に設けられ、第2スイッチング素子回路203bを収納するように構成されている。すなわち、第1半導体パッケージ207bには、第2スイッチング素子231bおよびダイオード232bが共に収納されている。
【0059】
第2半導体パッケージ208aは、ダイオード241aを収納するように構成されている。また、第2半導体パッケージ208bは、第2半導体パッケージ208aとは別個に設けられ、ダイオード241bを収納するように構成されている。
【0060】
すなわち、第2実施形態では、第1スイッチング素子回路203a、第2スイッチング素子回路203b、ダイオード241a、および、ダイオード241bは、互いに別々のパッケージに収納されている。
【0061】
〈第1半導体パッケージおよび第2半導体パッケージの構成〉
図4に示すように、第1半導体パッケージ207aおよび207bは、互いに略同一の形状に形成されている。また、第2半導体パッケージ208aおよび208bは、互いに略同一の形状に形成されている。第1半導体パッケージ207aと、第2半導体パッケージ208aとは、互いに異なる形状に形成されている。たとえば、第1半導体パッケージ207aおよび207bは、第1実施形態による第1半導体パッケージ7と同様の形状を有するように形成されている。また、第2半導体パッケージ208aおよび208bは、第1実施形態による第2半導体パッケージ8と同様の形状を有するように形成されている。
【0062】
また、降圧チョッパ回路200には、降圧チョッパ回路本体部200aが設けられており、降圧チョッパ回路本体部200aには、第1半導体パッケージ207aおよび207b、および、第2半導体パッケージ208aおよび208bが、個別に取り付けられている。また、第1半導体パッケージ207aおよび207b、および、第2半導体パッケージ208aおよび208bは、互いに離間して配置されている。そして、第1半導体パッケージ207aおよび207b、および、第2半導体パッケージ208aおよび208bは、降圧チョッパ回路本体部200aに対して、それぞれ個別に交換可能(取り外し可能)に構成されている。
【0063】
そして、降圧チョッパ回路200には、配線209a〜209hが設けられている。配線209aには、第1直流出力回路201aと第1半導体パッケージ207aとが接続されている。また、配線209bには、第2直流出力回路201bと第1半導体パッケージ207bとが接続されている。また、配線209cには、第1半導体パッケージ207aと第2半導体パッケージ208aとが接続されている。また、配線209dには、第1半導体パッケージ207bと第2半導体パッケージ208bとが接続されている。
【0064】
また、配線209eには、第1直流出力回路201aと、第2直流出力回路201bと、第2半導体パッケージ208aおよび208bとが接続されている。また、配線209fには、第2半導体パッケージ208aとリアクトル2の一方端とが接続されている。また、配線209gには、リアクトル2の他方端とコンデンサ5の正極端子5aとが接続されている。また、配線209hには、コンデンサ5の負極端子5bと第2半導体パッケージ208bとが接続されている。これにより、降圧チョッパ回路本体部200aに、3レベル降圧チョッパ回路が形成されている。
【0065】
また、第2実施形態による降圧チョッパ回路200のその他の構成は、第1実施形態における降圧チョッパ回路100と同様である。
【0066】
(第2実施形態による降圧チョッパ回路の動作)
次に、図3を参照して、第2実施形態による降圧チョッパ回路200の動作について説明する。なお、降圧チョッパ回路200の動作は、制御回路206の制御処理により実行される。
【0067】
まず、第1スイッチング素子231aがオンされ、かつ、第2スイッチング素子231bがオンされると、第1直流出力回路201aと第2直流出力回路201bと第1スイッチング素子231aと第2スイッチング素子231bとリアクトル2とコンデンサ5とに、電流が流れる。一方、この時、ダイオード232aおよび232bには、電流は略流れない。
【0068】
また、第1スイッチング素子231aがオンされ、かつ、第2スイッチング素子231bがオフされると、第1直流出力回路201aと第1スイッチング素子231aとリアクトル2とコンデンサ5とダイオード241bとに、電流が流れる。一方、この時も、ダイオード232aおよび232bには、電流は略流れない。
【0069】
また、第1スイッチング素子231aがオフされ、かつ、第2スイッチング素子231bがオンされると、第2直流出力回路201bとダイオード241aとリアクトル2とコンデンサ5と第2スイッチング素子231bとに、電流が流れる。一方、この時も、ダイオード232aおよび232bには、電流は略流れない。
【0070】
また、第1スイッチング素子231aがオフされ、かつ、第2スイッチング素子231bがオフされると、ダイオード241aおよび241bとリアクトル2とコンデンサ5とに、電流が流れる。一方、この時も、ダイオード232aおよび232bには、電流は略流れない。
【0071】
そして、コンデンサ5(正極端子5a)の電圧値が、第1直流出力回路201aの電圧値と第2直流出力値201bの電圧値との合計値よりも小さくなるように、上記の第1スイッチング素子231aおよび第2スイッチング素子231bのオンオフ動作が繰り返され、時比率の大きさが制御される。
【0072】
したがって、ダイオード241aおよび241bでは、逆回復損失が生じる一方、ダイオード232aおよび232bには、電流が略流れないので、ダイオード232aおよび232bでは、電力損失は略生じない。
【0073】
なお、上記のように動作を行う降圧チョッパ回路200においては、第1スイッチング素子231aまたは第2スイッチング素子231bのうちの一方(たとえば、第1スイッチング素子231a)が故障することがあり得る。この場合、第1スイッチング素子231aまたは第2スイッチング素子231bのうちの他方(第2スイッチング素子231b)、第1ダイオード241aおよび第2ダイオード241bが故障するとは限らない。このような場合には、降圧チョッパ回路200において、第1半導体パッケージ207b、第2半導体パッケージ208aおよび208bは交換されずに、故障した第1スイッチング素子231aが収納されている第1半導体パッケージ207aのみが交換される。
【0074】
また、上記のように動作を行う降圧チョッパ回路200においては、逆回復サージに起因してダイオード241aおよび241bのうちの一方(たとえば、ダイオード241a)が故障することがあり得る。この場合、故障したダイオード241aが収納されている第2半導体パッケージ208aのみが交換される。
【0075】
[第2実施形態の効果]
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0076】
第2実施形態では、上記のように、逆流防止ダイオード回路204に、互いに直列に接続されたダイオード241aおよび241bを設ける。また、スイッチング素子回路203に、ダイオード241aに直列に接続されている第1スイッチング素子回路203aと、ダイオード241bに直列に接続されている第2スイッチング素子回路203bとを設ける。また、直流出力回路201に、互いに直列に接続された第1直流出力回路201aと第2直流出力回路201bとを設ける。また、降圧チョッパ回路200に、第1スイッチング素子回路203aを収納する第1半導体パッケージ207aと、第1半導体パッケージ207aとは別個に設けられ、第2スイッチング素子回路203bを収納する第1半導体パッケージ207bとを設ける。また、降圧チョッパ回路200に、ダイオード241aを収納する第2半導体パッケージ208aと、第2半導体パッケージ208aとは別個に設けられ、ダイオード241bを収納する第2半導体パッケージ208bとを設ける。これにより、降圧チョッパ回路200を、3レベル降圧チョッパ回路として構成することができるとともに、第1スイッチング素子回路203a、第2スイッチング素子回路203b、ダイオード241aおよび241bのうちのいずれかの素子が故障した場合に、その他の交換が不要な素子が交換されることを抑制することができる。
【0077】
また、第2実施形態による降圧チョッパ回路200のその他の効果は、第1実施形態における降圧チョッパ回路100と同様である。
【0078】
[第3実施形態]
次に、図5および図6を参照して、第3実施形態による降圧チョッパ回路300の構成について説明する。第3実施形態では、降圧チョッパ回路300は、第2実施形態と同様に3レベル降圧チョッパ回路として構成されている。一方、第3実施形態では、ダイオード241aおよびダイオード241bが別々の半導体パッケージに収納されていた第2実施形態と異なり、ダイオード341aおよびダイオード341bが共に第2半導体パッケージ308に収納されている。なお、上記第1実施形態および上記第2実施形態と同一の構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0079】
(第3実施形態による降圧チョッパ回路の構成)
図5および図6に示すように、第3実施形態による降圧チョッパ回路300には、第1半導体パッケージ207aおよび207bと、第2半導体パッケージ308とが設けられている。第2半導体パッケージ308には、ダイオード341aおよび341b(逆流防止ダイオード回路304)が共に収納されている。第2半導体パッケージ308は、降圧チョッパ回路本体部300aに対して交換可能に取り付けられている。
【0080】
ここで、ダイオード341aおよび341b(受動素子)の故障可能性は、制御回路206に接続され、能動素子として機能する第1スイッチング素子231aおよび第2スイッチング素子231bの故障可能性に比べて低くなると考えられる。すなわち、ダイオード341aおよび341bの交換頻度は、第1スイッチング素子231aおよび第2スイッチング素子231bの交換頻度よりも小さくなると考えられる。
【0081】
そこで、第3実施形態では、ダイオード341aおよび341bの上記の故障可能性に対応させて、第2半導体パッケージ308に、ダイオード341aおよびダイオード341bが共に収納されている。
【0082】
図6に示すように、第3実施形態においても、第1半導体パッケージ207aおよび207bと、第2半導体パッケージ308とは、別個で、かつ、異なる形状に構成されている。第2半導体パッケージ308は、取付部381と端子382a〜382cとを含む。第2半導体パッケージ308は、取付部381により降圧チョッパ回路本体部300aに取り付けられるように構成されている。
【0083】
そして、図5に示すように、端子382aは、ダイオード341aのカソードに接続されている。端子382bは、ダイオード341bのアノードに接続されている。また、端子382cは、ダイオード341aのアノードおよびダイオード341bのカソードに接続されている。
【0084】
そして、降圧チョッパ回路300には、配線309a〜309hが設けられおり、配線309a〜309hによる接続により、図5に示す回路構成が形成されている。詳細には、配線309aは、第1直流出力回路201aと第1半導体パッケージ207aとに接続されている。配線309bは、第2直流出力回路201bと第1半導体パッケージ207bとに接続されている。配線309cは、第1半導体パッケージ207aの端子72bと第2半導体パッケージ308の端子382aとに接続されている。配線309dは、第1半導体パッケージ207bの端子72aと第2半導体パッケージ308の端子382bとに接続されている。配線309eは、第1直流出力回路201a、第2直流出力回路201b、および、第2半導体パッケージ308の端子382cに接続されている。
【0085】
また、配線309fは、第2半導体パッケージ308の端子382aとリアクトル2とに接続されている。配線309gは、リアクトル2とコンデンサ5とに接続されている。配線309hは、コンデンサ5と第2半導体パッケージ308の端子382cとに接続されている。
【0086】
また、第3実施形態による降圧チョッパ回路300のその他の構成は、第2実施形態における降圧チョッパ回路200と同様である。また、第3実施形態による降圧チョッパ回路300の動作は、第2実施形態における降圧チョッパ回路200の動作と同様である。
【0087】
[第3実施形態の効果]
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0088】
第3実施形態では、上記のように、第2半導体パッケージ308に、ダイオード341aおよびダイオード341bが共に収納されている。ここで、ダイオード341aおよび341bは、制御回路206に接続され能動素子として構成される第1スイッチング素子231aおよび第2スイッチング素子231bに比べて、故障可能性が低くなると考えられる。この点に着目して、第3実施形態では、上記のように構成することにより、第2半導体パッケージ308にダイオード341aおよび341bが共に収納された場合でも、故障可能性が低い分、第2半導体パッケージ308の交換作業回数を低減することができる。また、ダイオード341aおよび341bを、別々のパッケージに収納する場合に比べて、パッケージの数が増大しないので、降圧チョッパ回路300の大型化(複雑化)を抑制することができる。
【0089】
また、第3実施形態では、上記のように、第2半導体パッケージ308に、ダイオード341aおよび341bの故障可能性および故障態様の少なくとも一方(故障可能性)に対応して、ダイオード341aおよび341bが共に収納されている。これにより、故障可能性および故障態様の少なくとも一方に対応することにより、適切に、交換が不要な素子が交換されるのを抑制しながら、パッケージの数の増大を抑制することができる。
【0090】
また、第3実施形態による降圧チョッパ回路300のその他の効果は、第1実施形態における降圧チョッパ回路100と同様である。
【0091】
[第4実施形態]
次に、図7および図8を参照して、第4実施形態による降圧チョッパ回路400の構成について説明する。第4実施形態では、降圧チョッパ回路400は、第2実施形態と同様に3レベル降圧チョッパ回路として構成されている。一方、第4実施形態では、第1スイッチング素子回路203aおよび第2スイッチング素子回路203bが別々の半導体パッケージに収納されていた第2実施形態と異なり、第1スイッチング素子回路403aおよび第2スイッチング素子回路403bが共に第1半導体パッケージ407に収納されている。なお、上記第1〜第3実施形態と同一の構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0092】
(第4実施形態による降圧チョッパ回路の構成)
図7および図8に示すように、第4実施形態による降圧チョッパ回路400には、第1半導体パッケージ407と、第2半導体パッケージ208aおよび208bとが設けられている。第1半導体パッケージ407には、第1スイッチング素子回路403aおよび第2スイッチング素子回路403b(スイッチング素子回路403)が共に収納されている。また、第1半導体パッケージ407は、降圧チョッパ回路本体部400aに対して交換可能に取り付けられている。
【0093】
第1スイッチング素子回路403aは、第1スイッチング素子431aと第1スイッチング素子431aに逆並列に接続されているダイオード432aとを含む。また、第2スイッチング素子回路403bは、第2スイッチング素子431bと第2スイッチング素子431bに逆並列に接続されているダイオード432bとを含む。
【0094】
ここで、制御回路206の誤動作により第1スイッチング素子431aおよび第2スイッチング素子431bのゲートに耐量を超える電圧が印加された場合には、第1スイッチング素子431aおよび第2スイッチング素子431bの両方が故障するおそれがある。
【0095】
また、降圧チョッパ回路400では、第1スイッチング素子431aおよび第2スイッチング素子431bのうちの一方が短絡故障した時(たとえば、第1スイッチング素子431a)、故障した一方のスイッチング素子には電流が流れ続けるため、この電流に起因して、他方のスイッチング素子(第2スイッチング素子431b)が故障する(短絡耐量を超える)場合がある。すなわち、第1スイッチング素子431aおよび第2スイッチング素子431bのうちの一方が故障した場合に、第1スイッチング素子431aおよび第2スイッチング素子431bの他方も故障して、両方が故障する場合がある。なお、第1スイッチング素子431aおよび第2スイッチング素子431bの両方が同時に故障する可能性は比較的(ダイオード241aおよび241bの両方が同時に故障する可能性に比べて)高い。
【0096】
なお、第1スイッチング素子431a、第2スイッチング素子431b、および、ダイオード432aおよび432bが、シリコン半導体から構成されている場合には、交換が不要な素子が交換される場合でも、ワイドバンドギャップ半導体からなる素子が交換される場合に比べて、交換コストが増大するのを抑制することができる。
【0097】
そこで、第4実施形態では、第1スイッチング素子431aおよび第2スイッチング素子431bの両方が同時に故障する可能性が高いという上記のような故障態様に応じて、第1半導体パッケージ407には、第1スイッチング素子431a(第1スイッチング素子回路403a)および第2スイッチング素子431b(第2スイッチング素子回路403b)が共に収納されている。
【0098】
また、図8に示すように、第1半導体パッケージ407には、取付部471と、端子472a〜472dとが設けられている。そして、第1半導体パッケージ407は、取付部471により、降圧チョッパ回路本体部400aに交換可能に取り付けられている。
【0099】
端子472aおよび端子472cは、第1スイッチング素子回路403aに接続されている。また、端子472bおよび端子472dは、第2スイッチング素子回路403bに接続されている。そして、降圧チョッパ回路400には、配線409a〜409hが設けられおり、配線409a〜409hによる接続により、図7に示す回路構成が形成されている。
【0100】
また、第4実施形態による降圧チョッパ回路400のその他の構成は、第2実施形態における降圧チョッパ回路200と同様である。また、第4実施形態による降圧チョッパ回路400のその他の動作は、第2実施形態における降圧チョッパ回路200の動作と同様である。
【0101】
[第4実施形態の効果]
第4実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0102】
第4実施形態では、上記のように、第1半導体パッケージ407に、第1スイッチング素子回路403aおよび第2スイッチング素子回路403bを共に収納する。これにより、第1スイッチング素子回路403aと第2スイッチング素子403bとが別々のパッケージに収納されている場合に比べて、パッケージの数が増大しないので、降圧チョッパ回路400の大型化(複雑化)を抑制することができる。また、第1半導体パッケージ407に第1スイッチング素子回路403aおよび第2スイッチング素子回路403bが共に収納されている一方、第1スイッチング素子回路403の第1スイッチング素子431aと第2スイッチング素子回路403bの第2スイッチング素子431bは同時に故障する可能性が高い故障態様である分、交換が不要なスイッチング素子が交換されるのを抑制することができる。
【0103】
また、第4実施形態による降圧チョッパ回路400のその他の効果は、第1実施形態における降圧チョッパ回路100と同様である。
【0104】
[第5実施形態]
次に、図9および図10を参照して、第5実施形態による降圧チョッパ回路500の構成について説明する。第5実施形態では、3レベル降圧チョッパ回路として構成されている。また、第1スイッチング素子回路503aおよび第2スイッチング素子回路503bが共に第1半導体パッケージ407に収納され、ダイオード541aおよび541bが共に第2半導体パッケージ308に収納されている。なお、上記第1〜第4実施形態と同一の構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0105】
(第5実施形態による降圧チョッパ回路の構成)
図9および図10に示すように、第5実施形態による降圧チョッパ回路500には、第1半導体パッケージ407と、第2半導体パッケージ308とが設けられている。第1半導体パッケージ407には、第1スイッチング素子回路503aおよび第2スイッチング素子回路503b(スイッチング素子回路503)が共に収納されている。また、第2半導体パッケージ308には、ダイオード541aおよび541b(逆流防止ダイオード回路504)が共に収納されている。
【0106】
また、第1半導体パッケージ407と、第2半導体パッケージ308とは、互いに異なる形状に形成され、降圧チョッパ回路本体部500aに交換可能に取り付けられている。
【0107】
そして、図10に示すように、降圧チョッパ回路500には、配線509a〜509hが設けられおり、配線509a〜509hによる接続により、図9に示す回路構成(3レベル降圧チョッパ回路)が形成されている。
【0108】
また、第5実施形態による降圧チョッパ回路500のその他の構成および動作は、第2実施形態における降圧チョッパ回路200と同様である。
【0109】
[第5実施形態の効果]
第5実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0110】
第5実施形態では、上記のように、第1半導体パッケージ407には、第1スイッチング素子回路503aおよび第2スイッチング素子回路503bが共に収納されているとともに、第2半導体パッケージ308には、ダイオード541aおよび541bが共に収納されている。そして、第5実施形態では、上記第3実施形態で説明したように、ダイオード541aおよび541bの故障可能性は、第1スイッチング素子531aおよび第2スイッチング素子531bの故障可能性よりも低い。したがって、第3実施形態の降圧チョッパ回路300と同様に、第2半導体パッケージ308に、ダイオード541aおよび541bを共に収納した場合でも、交換が不要なダイオード(ワイドバンドギャップ半導体)が交換されるのを抑制することができる。
【0111】
また、第5実施形態による降圧チョッパ回路500のその他の効果は、第1実施形態における降圧チョッパ回路100と同様である。
【0112】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0113】
たとえば、上記第1〜第5実施形態では、降圧チョッパ回路を2レベル降圧チョッパ回路および3レベル降圧チョッパ回路として構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、降圧チョッパ回路を、4レベル以上の降圧チョッパ回路として構成してもよい。
【0114】
また、上記第1〜第5実施形態では、第1半導体パッケージと第2半導体パッケージとを、互いに異なる形状に形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1半導体パッケージと第2半導体パッケージとを降圧チョッパ回路本体部に対する取付け間違いが生じにくい製造方法または交換方法の場合には、第1半導体パッケージと第2半導体パッケージとを同一の形状(外形)に構成してもよい。
【0115】
また、上記第1〜第5実施形態では、第1半導体パッケージと第2半導体パッケージとが互いに異なる形状を有する例として、図2に示すように、平面視において、互いに異なる幅を有するように形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1半導体パッケージと第2半導体パッケージとは、幅(大きさ)に限らず、異なる形状として視認可能な形状であればよい。
【0116】
また、上記第1〜第5実施形態では、スイッチング素子をシリコン半導体から構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図1に示す変形例のように、スイッチング素子631をワイドバンドギャップ半導体から構成してもよい。これにより、ワイドバンドギャップ半導体からなるスイッチング素子631を用いることにより、一般的なシリコン半導体からなるスイッチング素子31を用いる場合に比べてスイッチング損失を低減することができる。その結果、降圧チョッパ回路100を駆動させる際の電力損失を低減することができる。また、この場合においても、スイッチング素子31に逆並列に接続されているダイオード32をシリコン半導体から構成することにより、ダイオード32をワイドバンドギャップ半導体から構成する場合と異なり、スイッチング素子31が故障した場合に、交換が不要でかつ比較的高価なワイドバンドギャップ半導体からなるダイオード32が交換されるのを抑制することができる。
【符号の説明】
【0117】
1、201 直流出力回路
2 リアクトル
3、203、403、503 スイッチング素子回路
4、204、304、504 逆流防止ダイオード回路
5 コンデンサ(コンデンサ回路)
7、207a、207b、407 第1半導体パッケージ(一方第1半導体パッケージ、他方第1半導体パッケージ)
8、208a、208b、308 第2半導体パッケージ(一方第2半導体パッケージ、他方第2半導体パッケージ)
31、631 スイッチング素子
32 ダイオード(逆並列ダイオード)
41 ダイオード(逆流防止ダイオード)
100、200、300、400、500 降圧チョッパ回路
201a 第1直流出力回路
201b 第2直流出力回路
203a、403a、503a 第1スイッチング素子回路
203b、403b、503b 第2スイッチング素子回路
231a、431a、531a 第1スイッチング素子
231b、431b、531b 第2スイッチング素子
241a、341a、541a ダイオード(第1逆流防止ダイオード)
241b、341b、541b ダイオード(第2逆流防止ダイオード)
【要約】
【課題】交換が不要なスイッチング素子または逆流防止ダイオードが交換されてしまうのを抑制することが可能な降圧チョッパ回路を提供する。
【解決手段】この降圧チョッパ回路100は、リアクトル2と、リアクトル2を介してコンデンサ5の両端に接続されている逆流防止ダイオード回路4と、逆流防止ダイオード回路4の両端の間において、直流出力回路1に直列に接続されているスイッチング素子回路3と、スイッチング素子回路3を収納する第1半導体パッケージ7と、第1半導体パッケージ7とは別個に設けられ、逆流防止ダイオード回路4を収納する第2半導体パッケージと8とを備える。
【選択図】図2
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9
図10