(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
以降、図を参照していくつかの具体的な例を挙げて、本発明を実施するための複数の形態を示す。各図中には同一箇所に同一符号を付している。各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能である。
【0025】
以降で示す各実施形態において、「アンテナ装置」とは、磁束を放射するアンテナである。アンテナ装置は、通信相手側のアンテナと磁界結合を用いた近傍界通信のために用いられるアンテナであり、例えばNFC(Near field communication)等の通信に利用される。アンテナ装置は、使用する周波数帯は例えばHF帯で使用され、特に13.56MHzまたは13.56MHz近傍の周波数で用いられる。アンテナ装置の大きさは使用する周波数における波長λに比べて非常に小さく、使用周波数帯での電磁波の放射特性は悪い。アンテナ装置は、アンテナ装置が備えるコイルアンテナの大きさがλ/10以下である。なお、ここでいう波長とは、アンテナが形成される基材の誘電性や透磁性による波長短縮効果を考慮した実効的な波長のことを指す。コイルアンテナが有するコイル導体の両端は、使用周波数帯(HF帯、特に13.56MHzまたは13.56MHz近傍)を操作する給電回路に接続される。
【0026】
《第1の実施形態》
図1(A)は第1の実施形態に係るアンテナ装置101の平面図であり、
図1(B)はアンテナ装置101に備える導体パターンの平面図である。
図2は、アンテナ装置101の分解斜視図である。
図2では、接着層71の図示が省略されている。
図3(A)は引き回し部材21の底面図であり、
図3(B)は、
図1におけるA−A断面図である。
図3(A)および
図3(B)は、図および原理を分かりやすくするために、引き回し部材21の構造を簡略化して図示している。また、
図3(B)において、各部の厚みは誇張して図示している。以降の各実施形態における断面図についても同様である。
【0027】
アンテナ装置101は、基材1、コイル導体10、保護層2、接着層71、第1外部接続端子板3、第2外部接続端子板4および引き回し部材21を備える。基材1は、樹脂等の絶縁性材料からなる矩形状の平板である。基材1は、例えばポリイミド、PET(Poly Ethylene Terephthalate)や液晶ポリマー(LCP)等の樹脂製シートであり、基材1のヤング率E
Bは例えば3GPaである。
【0028】
コイル導体10は、基材1の一方の主面(
図3(B)における上面)に形成されるスパイラル形状の金属薄板であり、例えばCu箔やAl箔である。コイル導体10は、第1接続端子11、第2接続端子12、第1外部接続端子13、第2外部接続端子14を有する。
【0029】
本実施形態において、第1接続端子11は、平面形状が正方形であり、コイル導体10の内周端に形成される導体パターンである。第2接続端子12は、平面形状が正方形であり、コイル導体10の外周端に形成される導体パターンである。本実施形態に係るアンテナ装置101において、第1接続端子11および第2接続端子12は、アンテナ装置101の一方の角部(
図1における右上の角部)付近に配置される。
【0030】
なお、本願明細書中における「コイル導体10の内周部」(本願発明における“コイル導体の内周部”)および「コイル導体10の外周部」(本願発明における“コイル導体の外周部”)とは、それぞれコイル導体10の内周端およびコイル導体10の外周端のみを言うものではなく、少なくともコイル導体10の1ターンを挟んで、コイル導体10の内周側を「コイル導体10の内周部」、コイル導体10の外周側を「コイル導体10の外周部」を言うものとする。
【0031】
第1外部接続端子13および第2外部接続端子14は、平面形状が正方形であり、RFIC素子等の外部回路とコイル導体10との接続用の導体パターンである。第1外部接続端子13および第2外部接続端子14は、コイル導体10の途中または端部に設けられる。本実施形態に係るアンテナ装置101において、第1外部接続端子13および第2外部接続端子14は、コイル導体10の途中に、かつ、コイル導体10のコイル開口の内側に形成されている。なお、第1接続端子11、第2接続端子12、第1外部接続端子13および第2外部接続端子14の平面形状は、これらの形状に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
【0032】
保護層2は、矩形状の平板であり、外部から加わる衝撃や外力等から基材1やコイル導体10を保護し、絶縁している。保護層2は、平面形状が基材1と実質的に同じ形状であり、接着層71を介して基材1の一方の主面に貼付される。本実施形態において保護層2には、第1接続端子11、第2接続端子12、第1外部接続端子13および第2外部接続端子14を露出させる孔が設けられている。保護層2は、例えばポリイミドや液晶ポリマー(LCP)等の樹脂層である。なお、保護層2の平面形状は、基材1と実質的に同じ形状に限るものではなく、適宜変更可能である。保護層2の比誘電率ε
Pは例えば3.4であり、保護層2のヤング率E
Pは例えば3GPaである。
【0033】
接着層71は絶縁性と粘着性を有し、基材1の実質的に全面に形成される。接着層71は、例えば両面粘着シート、接着剤による層やPTFE(Polytetrafluoroethylene)等である。なお、接着層71は、基材1の実質的に全面に形成される構成に限るものではなく、適宜変更可能である。接着層71がPTFEである場合、接着層71の比誘電率ε
Gは2.5であり、接着層71のヤング率E
Gは0.1GPaである。
【0034】
本実施形態では、接着層71の比誘電率ε
Gが、保護層2の比誘電率ε
Pよりも低い(ε
G<ε
P)。引き回し部材101のような表面実装部材が導電性を有する場合、表面実装部材とコイル導体10との間に寄生容量が発生する。この寄生容量は、引き回し部材101とコイル導体10との間に位置する接着層71の厚みD1の変動に伴って変動するが、引き回し部材101とコイル導体10との間に位置する接着層71の厚みD1は、接着(硬化)時に変動しやすい。そのため、引き回し部材101とコイル導体10との間に位置する接着層71が、引き回し部材101とコイル導体10との間に位置する接着層71以外の他の部材(保護層2など)よりも低誘電率の材料であることが好ましい。この構成により、引き回し部材101とコイル導体10との間に位置する接着材71の厚みD1の変動(ばらつき)に伴う特性変化が抑制される。
【0035】
また、本実施形態では、接着層71のヤング率E
Gが、基材1のヤング率E
Bや保護層2のヤング率E
Pよりも低い(E
G<E
P)(E
G<E
B)。基材1と保護層2との間にヤング率の低い材料を配置することで、アンテナ装置101固定時の押圧や外部からの衝撃などによって、アンテナ装置101が破損することを抑制できる。一方、本実施形態のように、接着層71のヤング率E
Gが基材1や保護層2のヤング率E
Pよりも低い場合、接着層71が硬化した後も厚みが変動しやすい。したがって、接着層71の厚みD1の変動に伴う特性変化を抑制するため、引き回し部材101とコイル導体10との間に位置する接着層71は、引き回し部材101とコイル導体10との間に位置する他の部材よりも低誘電率の材料であることが特に好ましい。
【0036】
引き回し部材21は、矩形状の金属平板であり、コイル導体10の内周部と外周部とを接続する。引き回し部材21は、長手方向の両端部側に互いに導通する第1接続部31および第2接続部32を有する。第1接続部31は第1接続端子11と対向する部分であり、第2接続部32は第2接続端子12と対向する部分である。そのため、本実施形態に係るアンテナ装置101において、引き回し部材21は、アンテナ装置101の一方の角部(
図1における右上の角部)付近に配置される。
【0037】
引き回し部材21は、例えばステンレス(SUS301やSUS304等)製の基板41の両主面にNiめっき層42,43を形成し、実装面(
図3(B)における下面)側にSn−Ag−Cuめっき層44を形成した金属平板である。そのため、第1接続部31は、コイル導体10の内周部の端部に形成される第1接続端子11に導電性接合材61を介して接続され、第2接続部32は、コイル導体10の外周部の端部に形成される第2接続端子12に導電性接合材62を介して接続される。つまり、コイル導体10の内周部と外周部(第1接続端子11および第2接続端子12)は、引き回し部材21を介して接続される。導電性接合材61,62は例えばSn系半田やACP(異方性導電ペースト)、ACF(異方性導電フィルム)である。なお、引き回し部材21は他の材質でもよく、リン青銅製や真鍮製等であれば、めっきが無くても使用できる。
【0038】
また、
図3(B)に示すように、本実施形態に係るアンテナ装置101では、引き回し部材21が第1接続端子11と第2接続端子12との間にあるコイル導体10を跳び越えている(跨いでいる)。言い換えると、引き回し部材21は、コイル導体10の内周部と外周部との橋渡しを行い、第1接続部31と第2接続部32との間の少なくとも一部がコイル導体10に対向配置されている。
【0039】
第1外部接続端子板3および第2外部接続端子板4は、平面形状が正方形の平板であり、RFIC素子等の外部回路との接続用の端子である。第1外部接続端子板3および第2外部接続端子板4は、平面視でそれぞれ第1外部接続端子13および第2外部接続端子14と重なり、導通している。第1外部接続端子板3および第2外部接続端子板4は、例えば表面にAu等をめっきしたCu箔である。アンテナ装置101では、
図1および
図2等に示すように、第1外部接続端子板3および第2外部接続端子板4がアンテナ装置101の一方の主面(
図2における上側の主面)に埋設され、保護層2から露出する構成である。なお、第1外部接続端子板3および第2外部接続端子板4は他の材質でもよく、ステンレス(SUS301やSUS304等)製やリン青銅製やニッケル合金製等が挙げられる。
【0040】
本実施形態によれば次のような効果を奏する。
【0041】
本実施形態では、コイル導体10の内周部と外周部とを接続する引き回し部材21を導電性接合材61,62で実装(配置)するため、RFIC素子等の一般的な表面実装部品と同様に表面実装できる。そのため、例えば、引き回し部材21をコイル導体10に押圧して溶接する等の工程が不要となる。したがって、簡素な構造および工程により、基材1の主面に形成したスパイラル状のコイル導体10の内周部と外周部とを接続することのできるアンテナ装置を実現できる。
【0042】
また、第1外部接続端子板3および第2外部接続端子板4を導電性接合材で実装(配置)する場合、第1外部接続端子板3および第2外部接続端子板4を導電性接合材で実装(配置)する製造装置(表面実装部品の実装装置)を利用できるため、製造が容易で低コスト化が図れる。
【0043】
なお、本実施形態に係るアンテナ装置101では、引き回し部材21が金属平板で構成されるため、引き回し部材21に別途導体を形成する必要がなく、製造が容易で低コスト化が図れる。また、引き回し部材21全体が導電性を有するため、抵抗成分を低くして引き回し部材21での導体損失を抑制でき、Q値の高い(低損失の)アンテナ装置が得られる。
【0044】
本実施形態に係るアンテナ装置101は、例えば次の工程で製造される。
【0045】
まず、金属箔貼りの基材1を準備する。具体的に説明すると、基材1の一方の主面には、実質的に全面に金属箔が配置(貼付)されている。上述のとおり、この金属箔は例えばCu箔である。
【0046】
次に、基材1の一方の主面に貼付された金属箔をエッチング等によりパターニングして、コイル導体10、第1接続端子11、第2接続端子12、第1外部接続端子13、第2外部接続端子14を形成する。
【0047】
次に、基材1の一方の主面上に接着層71を形成する。具体的には、スクリーン印刷等によって基材1上に接着層71を形成する。その後、基材1と実質的に同じ形状に形成された保護層2を基材1の一方の主面に貼付する。なお、保護層2の主面上にスクリーン印刷等により接着層71を形成し、その後、接着層71を形成した保護層2の主面に、基材1の一方の主面を貼付してもよい。
【0048】
次に、引き回し部材21を、プレス加工やレーザー加工、エッチング等によって金属平板から型抜きを行う。この際、必要に応じて引き回し部材21の表面にめっき処理を行う。
【0049】
次に、引き回し部材21の第1接続部31が、コイル導体10の内周部の端部に形成される第1接続端子11に導電性接合材61を介して接続し、第2接続部32が、コイル導体10の外周部の端部に形成される第2接続端子12に導電性接合材62を介して接続する。また、第1外部接続端子板3および第2外部接続端子板4が、平面視で、それぞれ第1外部接続端子13および第2外部接続端子14と重なるように実装する。
【0050】
上記製造方法によれば、簡素な構造および工程により、基材1の主面に形成したスパイラル状のコイル導体10の内周部と外周部とを接続することのできるアンテナ装置101を容易に製造できる。
【0051】
《第2の実施形態》
図4(A)は第2の実施形態に係るアンテナ装置102の平面図であり、
図4(B)は、
図4(A)におけるB−B断面図である。
図4(A)および
図4(B)では、図および原理を分かりやすくするために、引き回し部材22の構造を簡略化して図示している。
【0052】
第2の実施形態に係るアンテナ装置102は、磁性体層5および接着層72をさらに備える点で第1の実施形態に係るアンテナ装置101と異なる。また、引き回し部材22の形状が異なる。その他の構成は、第1の実施形態に係るアンテナ装置101と同じである。
【0053】
以下、第1の実施形態に係るアンテナ装置101と異なる部分について説明する。
【0054】
磁性体層5は、矩形状の平板であり、平面形状が保護層2と実質的に同じ形状である。本実施形態において磁性体層5には、第1外部接続端子板3、第2外部接続端子板4を露出させる孔7および引き回し部材22を露出させる孔8が設けられている。磁性体層5は、接着層72を介して保護層2の一方の主面(
図4(B)における上面)に貼付される。磁性体層5は、例えば磁性体フェライトセラミックのようなセラミック体層や、磁性体フェライト粉末が樹脂中に分散されたフェライト粉末入り樹脂層である。なお、磁性体層5の平面形状は、保護層2と実質的に同じ形状に限るものではなく、適宜変更可能である。
【0055】
なお、接着層71は、磁性体層5とコイル導体10とを近接させるために薄く形成される。引き回し部材102とコイル導体10との間の接着層71の厚みは、例えば5μm〜10μmであるが、接着(硬化)時に変動しやすい。一般的に、薄く形成された部分で厚みが変動すると、厚みの変動率は大きくなり、表面実装部材(引き回し部材102など)とコイル導体10との間に発生する寄生容量の変動幅も大きくなる。したがって、引き回し部材102とコイル導体10との間に発生する寄生容量の変動幅(ばらつき)を小さくするため、引き回し部材102とコイル導体10との間に位置する接着層71は、引き回し部材102とコイル導体10との間に位置する接着層71以外の他の部材(保護層2など)よりも低誘電率の材料であることが好ましい。
【0056】
接着層72は絶縁性と粘着性を有し、保護層2の実質的に全面に形成される。接着層72は、例えば両面粘着シートや、接着剤による層等である。なお、接着層72は、保護層2の実質的に全面に形成される構成に限るものではなく、適宜変更可能である。
【0057】
アンテナ装置102の引き回し部材22は、第1の実施形態に係る引き回し部材21と同様に、矩形状の金属平板である。引き回し部材22は、一方の主面(
図4(B)における上面)に突起201を有する。突起201は、例えばプレス加工やレーザー加工等の型抜き時に金属平板の縁端部に形成されるバリ等である。
【0058】
アンテナ装置102において、引き回し部材21は、加工時に突起201が形成される面(
図4(B)における上面)とは反対側の面(
図4(B)における下面)がコイル導体10に対向配置されている。
【0059】
このような構成であっても、アンテナ装置102の基本的な構成は、第1の実施形態に係るアンテナ装置101と同じであり、アンテナ装置101と同様の作用・効果を奏する。
【0060】
また、アンテナ装置102は、加工時に突起201が形成される面とは反対側の面がコイル導体10と対向するため、引き回し部材22の突起201がコイル導体10に接触することを防ぐことができる。したがって、突起201が接触することに起因するコイル導体10の破損、断線または短絡等の問題の発生が抑制される。
【0061】
さらに、アンテナ装置102は磁性体層5をさらに備える。そのため、磁性体層5の高い透磁率の作用で、少ないターン数の導体パターンで所定のインダクタンスが得られる。また、磁性体層5の集磁効果により、通信相手側のアンテナとの磁界結合を高めることができる。さらに、磁性体層5を備える構成により、裏面側の磁気シールド効果も得られる。
【0062】
なお、本実施形態では、コイル導体10と磁性体層5との間に保護層2が配置される構成例を示したが、磁性体層5が保護層2とコイル導体10との間に配置されていてもよい。また、コイル導体10は、保護層2と磁性体層5との間に配置されていてもよい。つまり、コイル導体10に対する磁性体層5の配置関係は、適宜変更可能である。但し、アンテナ装置102が筐体に収納される場合には、コイル導体10に対し筐体が配置されている側とは反対側に、磁性体層5を配置することが好ましい。この構成により、コイル導体10が磁性体層5よりも通信相手側のアンテナに近接して配置されるため、アンテナ装置102と通信相手側のアンテナとの結合が高まり、通信特性が向上する。また、この構成により、磁性体層5の裏面側の磁気シールド効果が得られ、筐体内に配置される他の部品とアンテナ装置102などとの間の不要結合を抑制できる。
【0063】
《第3の実施形態》
第3の実施形態では、構造の異なる2つのアンテナ装置について示す。
図5(A)は第3の実施形態に係るアンテナ装置103Aの平面図であり、
図5(B)はアンテナ装置103Bの平面図である。
図5(A)および
図5(B)では、構造を分かりやすくするために、保護層、接着層、第1外部接続端子板、第2外部接続端子板および引き回し部材を省略して図示している。
【0064】
第3の実施形態に係るアンテナ装置103A,103Bは、主に基材1の一方の主面に形成されるコイル導体10の平面形状が、第1の実施形態に係るアンテナ装置101と異なる。その他の構成は、第1の実施形態に係るアンテナ装置101と実質的に同じである。以下、第1の実施形態に係るアンテナ装置101と異なる部分について説明する。
【0065】
図5(A)に示すアンテナ装置103Aは、接続導体15Aをさらに備える。本実施形態では、第1接続端子11Aが、コイル導体10の外周端に形成される導体パターンであり、第2接続端子12Bは、コイル導体10の内周端に形成される導体パターンである。
【0066】
接続導体15Aは、コイル導体10の一部を構成する導体パターンではなく、コイル導体10の内側に位置する第2接続端子12Aと第2外部接続端子14とを接続する導体パターンである。つまり、
図5(A)に示すように、第1接続端子11Aはコイル導体10の外周部であるが、第2接続端子12Aはコイル導体10の内周部ではない。したがって、引き回し部材21の第1接続部は、導電性接合材を介してコイル導体10の外周部(第1接続端子11A)に接続される。
【0067】
このような構成であっても、アンテナ装置103Aの基本的な構成は、第1の実施形態に係るアンテナ装置101と同じであり、アンテナ装置101と同様の作用・効果を奏する。
【0068】
図5(B)に示すアンテナ装置103Bは、接続導体15Bをさらに備え、第1外部接続端子13Bおよび第2外部接続端子14Bの配置が異なる。アンテナ装置103Bの第1外部接続端子13Bおよび第2外部接続端子14Bは、コイル導体10の外側に配置されている。また、本実施形態では、第1接続端子11Bが、コイル導体10の内周端に形成される導体パターンであり、第2接続端子12Bが、コイル導体10の外周端に形成される導体パターンである。
【0069】
接続導体15Bは、コイル導体10の一部を構成する導体パターンではなく、コイル導体10の外側に位置する第2接続端子12Bと第1外部接続端子13Bとを接続する導体パターンである。つまり、
図5(B)に示すように、第1接続端子11Bはコイル導体10の内周部であるが、第2接続端子12Bはコイル導体10の外周部ではない。したがって、引き回し部材21の第1接続部は、導電性接合材を介してコイル導体10の内周部(第1接続端子11B)に接続される。
【0070】
このような構成であっても、アンテナ装置103Bの基本的な構成は、第1の実施形態に係るアンテナ装置101と同じであり、アンテナ装置101と同様の作用・効果を奏する。
【0071】
また、本実施形態に係るアンテナ装置103A,103Bで示したように、本発明のアンテナ装置は、第1接続端子がコイル導体10の内周部に接続され、第2接続端子がコイル導体10の外周部に接続される構成に限定されるものではない。引き回し部材21の第1接続部が、コイル導体10の内周部または外周部に接続される構成であればよい。
【0072】
《第4の実施形態》
図6(A)は第4の実施形態に係る引き回し部材24の裏面図であり、
図6(B)は引き回し部材24の断面図であり、
図6(C)は引き回し部材24の実装部分を示す断面図である。
図7は、溝が形成されていない引き回し部材24Aの実装部分を示す、比較例の断面図である。
図6(C)および
図7では、図および原理を分かりやすくするために、引き回し部材の構造を簡略化して図示している。
【0073】
引き回し部材24は、実装面(
図6(B)および
図6(C)における下面)側に溝202が形成されている点が第1の実施形態に係る引き回し部材21と異なる。その他の構成は、第1の実施形態に係るアンテナ装置101と実質的に同じである。以下、第1の実施形態に係るアンテナ装置101と異なる部分について説明する。
【0074】
第4の実施形態に係る引き回し部材24の実装面には、第1接続部31と第2接続部32との間に2つの溝202が形成される。溝202は、第1接続部31および第2接続部32の近傍に形成され、引き回し部材24の短手方向に沿って形成される。溝202の両端部は、引き回し部材24の短手方向(
図6(B)における上辺および下辺)の縁端部に達している。
【0075】
本実施形態では、第1接続部31と第2接続部32との間に溝202が形成されるため、第1接続部31と第2接続部32との間に導電性接合材61,62が濡れ広がることを抑制できる。そのため、第1接続部31とコイル導体10との間にある導電性接合材61、および第2接続部32とコイル導体10との間にある導電性接合材62の減少を防ぐことができる。したがって、第1接続部31と第1接続端子11との接合強度、および第2接続部32と第2接続端子12との接合強度を高く維持できる。
【0076】
なお、
図7に示すように、溝が形成されていない引き回し部材24Aを基材1に実装する場合、例えば第1接続部と第2接続部との間に導電性接合材62Aが濡れ広がることにより、引き回し部材24Aの実装面が基材1の主面と平行にならない可能性がある。そのため、引き回し部材24Aの導体とコイル導体10との間に発生する寄生容量C1A,C2Aが不安定となり、アンテナ装置のインピーダンスにばらつきが生じる。
【0077】
このように、本実施形態では、第1接続部31と第2接続部32との間に導電性接合材62A,62Aが濡れ広がらないため、引き回し部材24の実装面が基材1の主面と平行となる。したがって、引き回し部材24とコイル導体10との間に発生する寄生容量C1,C2の安定性が向上し、アンテナ装置のインピーダンスのばらつきを小さくできる。
【0078】
なお、本実施形態に係るアンテナ装置では、2つの溝202が、それぞれ第1接続部31および第2接続部32の近傍に形成され、引き回し部材24の短手方向に沿って形成される構成である。したがって、第1接続部31と第2接続部32の中央に溝202が形成される構成と比べて、導電性接合材の濡れ広がりをさらに防ぐことができる。
【0079】
また、溝202の両端部が引き回し部材24の縁端部に達しているため、溝202の切れ目から導電性接合材が濡れ広がることを防ぐことができる。
【0080】
なお、本実施形態では、
図6(B)および
図6(C)に示すように、引き回し部材24の側面から視て矩形の溝202が形成されているが、この構成に限定されるものではなく、溝202の断面形状は適宜変更可能である。溝の断面形状は、例えばV字形、U字形等が考えられる。また、本実施形態では、溝202が基板41まで達する構成であるが、この構成に限定されるものではない。溝202の深さは適宜変更可能である。
【0081】
《第5の実施形態》
第5の実施形態では、第4の実施形態に係るアンテナ装置の変形例について示す。
図8(A)は第5の実施形態に係る引き回し部材25Aの裏面図であり、
図8(B)は引き回し部材25Aの断面図であり、
図8(C)は引き回し部材25Aの実装部分を示す断面図である。
図9(A)は第5の実施形態に係る引き回し部材25Bの裏面図であり、
図9(B)は引き回し部材25Bの断面図であり、
図9(C)は引き回し部材25Bの実装部分を示す断面図である。
図8(B)(C)および
図9(B)(C)では、図および原理を分かりやすくするために、引き回し部材の構造を簡略化して図示している。
【0082】
第5の実施形態に係るアンテナ装置は、溝の構成が、第4の実施形態に係るアンテナ装置と異なる。その他の構成は、第4の実施形態に係るアンテナ装置104と実質的に同じである。以下、第4の実施形態に係るアンテナ装置と異なる部分について説明する。
【0083】
図8(A)に示す引き回し部材25Aの実装面には、第1接続部31と第2接続部32との間に1つの溝202Aを備える。溝202Aは、引き回し部材25Aの第1接続部31と第2接続部32との間の全面に形成されている。そのため、溝202Aは、第1接続部31および第2接続部32の近傍に形成され、引き回し部材25Aの短手方向に沿って形成される。また、溝202Aの両端部は、引き回し部材25Aの短手方向(
図8(A)における上辺および下辺)の縁端部に達している。
【0084】
このような構成であっても、引き回し部材25Aの基本的な構成は、第4の実施形態に係る引き回し部材24と同じであり、第4の実施形態に係るアンテナ装置と同様の作用・効果を奏する。また、本実施形態に示すように、溝の形状、大きさ等は上記の作用・効果を奏する範囲で適宜変更可能である。
【0085】
図9(B)に示す引き回し部材25Bの実装面には、第1接続部31と第2接続部32との間に4つの溝202が形成される。溝202は、第1接続部31および第2接続部32の近傍に形成され、引き回し部材25Bの短手方向に沿って形成される。溝202の両端部は、引き回し部材25Bの短手方向(
図9(A)における上辺および下辺)の縁端部に達している。言い換えると、引き回し部材25Bは、第4の実施形態に係る引き回し部材24の2つの溝202の間にさらに2つ溝を形成したものといえる。
【0086】
このような構成であっても、引き回し部材25Bの基本的な構成は、第4の実施形態に係る引き回し部材24と同じであり、第4の実施形態に係るアンテナ装置と同様の作用・効果を奏する。
【0087】
また、本実施形態に示すように、溝の個数等は上記の作用・効果を奏する範囲で適宜変更可能である。したがって、本発明のアンテナ装置は、第1接続部31と第2接続部32との間に、複数の溝が形成される構造とすることもできる。
【0088】
《第6の実施形態》
図10(A)は第6の実施形態に係る引き回し部材26の裏面図であり、
図10(B)は引き回し部材26の断面図であり、
図10(C)は引き回し部材26の実装部分を示す断面図である。
【0089】
第6の実施形態では、引き回し部材26の構造が、第1の実施形態に係る引き回し部材21と異なる。その他の構成は、第1の実施形態に係るアンテナ装置101と実質的に同じである。以下、第1の実施形態に係るアンテナ装置101と異なる部分について説明する。
【0090】
引き回し部材26は、実装面(
図10(B)および
図10(C)における下面)の第1接続部31および第2接続部32にSn−Ag−Cuめっき層44が形成され、第1接続部31と第2接続部32との間の全面にNiめっき層43が形成されている。Sn−Ag−Cuめっき層44は、Niめっき層43と比べて、導電性接合材であるSn系半田の濡れ性が高い。したがって、本実施形態において、第1接続部31および第2接続部32は、第1接続部31と第2接続部32との間より、導電性接合材の濡れ性が相対的に高い。
【0091】
本実施形態では、第1接続部31と第2接続部32が、導電性接合材の濡れ性が相対的に高いため、第1接続部31と第2接続部32との間に導電性接合材61,62が濡れ広がることを抑制できる。そのため、第1接続部31とコイル導体10との間にある導電性接合材61、および第2接続部32とコイル導体10との間にある導電性接合材62の減少を防ぐことができる。したがって、第1接続部31と第1接続端子11との接合強度、および第2接続部32と第2接続端子12との接合強度を高く維持できる。
【0092】
また、本実施形態では、第1接続部31と第2接続部32との間に導電性接合材61,62が濡れ広がらないため、引き回し部材26の実装面が基材1の主面と平行となる。したがって、引き回し部材26とコイル導体10との間に発生する寄生容量C1,C2の安定性が向上し、アンテナ装置のインピーダンスのばらつきを小さくできる。
【0093】
また、本実施形態では、第1接続部31と第2接続部との間と比べて、導電性接合材の濡れ性が相対的に高い第1接続部31および第2接続部32を容易に形成できる。
【0094】
《第7の実施形態》
第7の実施形態では、第6の実施形態に係るアンテナ装置の変形例について示す。
図11(A)は第7の実施形態に係る引き回し部材27の裏面図であり、
図11(B)は引き回し部材27の断面図であり、
図11(C)は引き回し部材27の実装部分を示す断面図である。
【0095】
第7の実施形態では、引き回し部材27の構造が、第6の実施形態に係る引き回し部材21と異なる。その他の構成は、第6の実施形態に係るアンテナ装置と実質的に同じである。以下、第6の実施形態に係るアンテナ装置と異なる部分について説明する。
【0096】
引き回し部材27は、実装面(
図11(B)および
図11(C)における下面)の第1接続部31および第2接続部32にNiめっき層43およびSn−Ag−Cuめっき層44が形成されている。第1接続部31と第2接続部32との間の全面には、めっき膜が形成されていないため、基板41が露出している。Sn−Ag−Cuめっき層44およびNiめっき層43は、基板41と比べて、導電性接合材であるSn系半田の濡れ性が高い。したがって、本実施形態において、第1接続部31および第2接続部32は、第1接続部31と第2接続部32との間より、導電性接合材の濡れ性が相対的に高い。
【0097】
このように、引き回し部材に形成されるめっき膜の種類、層数、形状、大きさおよび範囲等は、第1接続部31と第2接続部32との間より、第1接続部31および第2接続部32の導電性接合材の濡れ性が相対的に高いという作用・効果を奏する範囲で適宜変更可能である。
【0098】
《第8の実施形態》
図12(A)は第8の実施形態に係るアンテナ装置108の平面図であり、
図12(B)は第8の実施形態に係る引き回し部材28の裏面図である。
図12(C)は、
図12(A)におけるC−C断面図である。
【0099】
第8の実施形態に係るアンテナ装置108は、絶縁体層6および表面実装部品51をさらに備える点で第1の実施形態に係るアンテナ装置101と異なる。また、コイル導体10および引き回し部材28の構造が異なる。その他の構成は、第1の実施形態に係るアンテナ装置101と同じである。以下、第1の実施形態に係るアンテナ装置101と異なる部分について説明する。
【0100】
絶縁体層6は、矩形状の平板であり、平面形状が基材1と実質的に同じ形状である。絶縁体層6は、基材1の一方の主面(
図12(B)における上面)に形成されている。絶縁体層6は、例えばソルダーレジスト膜や酸化膜等の層である。なお、絶縁体層6の平面形状は、基材1と実質的に同じ形状に限るものではなく、適宜変更可能である。
【0101】
本実施形態に係る引き回し部材28は、アンテナ装置108の一辺(
図12(A)における右辺)の中央付近に配置されている。引き回し部材28は、樹脂等の絶縁性材料からなる基材層45を有する。引き回し部材28は、コイル導体10と対向する面(
図12(C)における下面)に導体層46が形成されている。基材層45は、例えばポリイミドや液晶ポリマー(LCP)等の樹脂製シートである。導体層46は金属薄板であり、例えばCu箔である。引き回し部材28の基材層45は、基材1と同じ材料である。
【0102】
表面実装部品51は、保護層2の主面に実装され、図示しない導電性接合材を介してコイル導体10に接続されている。表面実装部品51は、例えばアンテナ装置108の共振回路用のチップコンデンサである。
【0103】
本実施形態に係るコイル導体10は、第1接続端子および第2接続端子を有していない。また、
図12(A)に示すように、引き回し部材28の第1接続部および第2接続部と導電性接合材61,62を介して接続されるコイル導体10は、コイル導体10の内周部および外周部の端部ではない。
【0104】
このような構成であっても、アンテナ装置108の基本的な構成は、第1の実施形態に係るアンテナ装置101と同じであり、第1の実施形態に係るアンテナ装置101と同様の作用・効果を奏する。
【0105】
なお、引き回し部材の線膨張係数と基材の線膨張係数とが異なれば、導電性接合材の加熱処理の際に、引き回し部材が反る。しかし、本実施形態に係るアンテナ装置では、これを防ぐことができる。したがって、第1接続部とコイル導体との間、および第2接続部とコイル導体との間の接触不良や短絡を抑制でき、アンテナ装置の製造時の良品率を高めることができる。本実施形態に係るアンテナ装置108では、基材層45が基材1と同じ材料で構成する例を示したが、これに限定されるものではない。基材層45は、基材1の線膨張係数と近似する材料であればよい。
【0106】
また、表面実装部品51を導電性接合材で実装(配置)する場合、表面実装部品51を導電性接合材で実装(配置)する製造装置(表面実装部品51の実装装置)を引き回し部材28の実装に利用できるため、製造が容易で低コスト化が図れる。また、表面実装部品51を実装する導電性接合剤として、引き回し部材28を実装する導電性接合剤と同種のものを使用すれば、より簡易な工程で製造することが可能となる。
【0107】
なお、本実施形態に示すように、保護層は必須の構成ではない。本実施形態に係るアンテナ装置108では、接着層を介して基材1の一方の主面に保護層を貼付する必要がないため、簡素な構造および工程によりアンテナ装置を構成できる。また、保護層を除いた構成とすることにより、フレキシブルで薄型化したアンテナ装置を実現できる。
【0108】
また、本実施形態に示すように、引き回し部材28の位置は、アンテナ装置108の一方の角部付近に限定されるものではなく、適宜変更可能である。また、引き回し部材28の第1接続部および第2接続部と導電性接合材61,62を介して接続されるコイル導体10は、コイル導体10の内周部および外周部の端部に限るものではない。
【0109】
《第9の実施形態》
第9の実施形態では、第8の実施形態に係るアンテナ装置の変形例について示す。
図13(A)は第9の実施形態に係るアンテナ装置109の平面図であり、
図13(B)は第9の実施形態に係る引き回し部材29の裏面図であり、
図13(C)は引き回し部材29の実装部分を示す断面図である。
【0110】
第9の実施形態では、引き回し部材29の構造が、第8の実施形態に係る引き回し部材28と異なり、その他の構成は第8の実施形態に係るアンテナ装置108と実質的に同じである。以下、第8の実施形態に係るアンテナ装置108と異なる部分について説明する。
【0111】
引き回し部材29は、実装面(
図13(C)における下面)の第1接続部31と第2接続部32との間の全面に絶縁体層47が形成されている。絶縁体層47は、第1接続部31および第2接続部32の近傍に形成されている。また、絶縁体層47の両端部は、引き回し部材29の短手方向(
図13(B)における上辺および下辺)の縁端部に達している。絶縁体層47は、例えばソルダーレジスト膜や酸化膜等の層である。
【0112】
絶縁体層47は、導体層46と比べて、導電性接合材であるSn系半田の濡れ性が低い。したがって、本実施形態において、第1接続部31および第2接続部32は、第1接続部31と第2接続部32との間より、導電性接合材61,62の濡れ性が相対的に高い。
【0113】
本実施形態では、第1接続部31と第2接続部32との間に絶縁体層47が形成されるため、第1接続部31と第2接続部32との間に導電性接合材61,62が濡れ広がることを抑制できる。そのため、第1接続部31とコイル導体10との間にある導電性接合材61、および第2接続部32とコイル導体10との間にある導電性接合材62の減少を防ぐことができる。したがって、第1接続部31とコイル導体10との接合強度、および第2接続部32とコイル導体10との接合強度を高く維持できる。
【0114】
また、本実施形態では、第1接続部31と第2接続部32との間に導電性接合材61,62が濡れ広がらないため、引き回し部材29の実装面が基材1の主面と平行となる。したがって、引き回し部材29とコイル導体10との間に発生する寄生容量の安定性が向上し、アンテナ装置のインピーダンスのばらつきを小さくできる。
【0115】
本実施形態に係るアンテナ装置では、絶縁体層47が、それぞれ第1接続部31および第2接続部32の近傍に形成される構成である。したがって、第1接続部31と第2接続部32の中央に絶縁体層47が形成される構成と比べて、導電性接合材の濡れ広がりをさらに防ぐことができる。
【0116】
また、絶縁体層47の両端部が引き回し部材29の縁端部に達しているため、絶縁体層47が形成されていない部分から導電性接合材が濡れ広がることを防ぐことができる。
【0117】
なお、本実施形態に示すように、絶縁体層47の形状、数量、範囲等は上記の作用・効果を奏する範囲で適宜変更可能である。したがって、本発明のアンテナ装置は、第1接続部31と第2接続部32との間に、複数の絶縁体層47が形成される構造とすることもできる。
【0118】
《第10の実施形態》
図14は、第10の実施形態に係る電子機器の筐体内部の構造を示す平面図である。
【0119】
この電子機器は、例えば携帯電話(スマートフォンを含む)、ウェアラブル端末(スマートウォッチ等)、ノートパソコン、タブレット端末、PDA、カメラ、ゲーム機、RFIDタグ等である。
【0120】
上部筐体82の内部にはカメラモジュール93、回路基板96A,96B、バッテリーパック99等が収められている。回路基板96AにはHF帯アンテナ97A等が実装されている。また回路基板96BにはHF帯アンテナ97B、通信回路を備えた給電回路85、表面実装部品87、給電回路85に接続された給電端子83,84が実装されている。回路基板96Aおよび回路基板96Bは同軸ケーブル98を介して接続されている。表面実装部品87は、例えば共振回路用のチップコンデンサである。
【0121】
下部筐体81の内部にはアンテナ装置101Aが貼付されている。アンテナ装置101Aは、第1の実施形態に係るアンテナ装置101に対して、カメラ用の孔92が設けられている点で異なる。アンテナ装置101Aは第1外部接続端子板3Aおよび第2外部接続端子板4Aを備える。この第1外部接続端子板3Aおよび第2外部接続端子板4Aは、それぞれ給電端子83,84に当接してコイル導体10に接続されている。
【0122】
このように、無線通信システムを有しない電子機器であっても、本発明のアンテナ装置を電子機器内に配置することにより、HF帯の通信システムや電力伝送システム(後に詳述する。)に対応した通信端末装置を構成することができる。したがって、通信端末装置やその他の外部装置が有するデータ通信を無線で行うことが可能となる。
【0123】
《第11の実施形態》
図15は、第11の実施形態に係る電子機器の筐体内部の構造を示す平面図である。
【0124】
第11の実施形態では、通信端末装置に備えるアンテナ装置および給電回路の構造が異なり、その他の構成は第10の実施形態に係る通信端末装置と実質的に同じである。以下、第10の実施形態に係る通信端末装置と異なる部分について説明する。
【0125】
下部筐体81の内部にはアンテナ装置101Bが貼付されている。アンテナ装置101Bは、第1の実施形態に係るアンテナ装置101に対して、カメラ用の孔92および表面実装部品88をさらに備える点で異なる。また、アンテナ装置101Bには、第1外部接続端子、第1外部接続端子板、第2外部接続端子および第2外部接続端子板を備えていない点で異なる。アンテナ装置101Bの主面には、図示しない導電性接合材を介して表面実装部品88が実装されている。表面実装部品88は、コイル導体10の途中に設けられる。表面実装部品88は、例えば共振回路用のチップコンデンサである。
【0126】
上部筐体82の内部に収められる回路基板96Bには、HF帯アンテナ97B、通信回路を備えた給電回路85、表面実装部品87、給電回路85に接続された給電コイル86が実装されている。給電回路85は、給電コイル86を介してアンテナ装置101Bのコイル導体10と電磁界結合する。
【0127】
このような構成であっても、第11の実施形態に係る通信端末装置の基本的な構成は、第10の実施形態に係る通信端末装置と同じであり、第10の実施形態に係る通信端末装置と同様の作用・効果を奏する。
【0128】
なお、本実施形態では、給電回路85が給電コイル86を介してアンテナ装置101Bのコイル導体10と電磁界結合するため、給電回路85とコイル導体10とを接続するための給電端子83,84を回路基板96Bに備える必要がない。
【0129】
《その他の実施形態》
上述の実施形態では、基材1の平面形状が実質的に矩形である例を示したが、この構成に限定されるものではない。基材1の形状は、多角形状・円形状・楕円形状等、適宜変更可能である。また、上述の実施形態では、基材1が平板である例を示したが、この構成に限定されるものではない。基材1の厚みは、適宜変更可能である。
【0130】
上述の実施形態では、コイル導体10が基材1の一方の主面に形成される例を示したが、この構成に限定されるものではない。コイル導体10は、基材1の他方の主面に形成される構成でもよいし、両面に形成される構成でもよい。
【0131】
上述の実施形態では、引き回し部材の平面形状が実質的に矩形である例を示したが、この構成に限定されるものではない。引き回し部材の平面形状は、多角形状・円形状・楕円形状等、適宜変更可能である。また、引き回し部材の断面形状および厚みについても適宜変更可能である。
【0132】
また、上述の実施形態では、第1接続部および第2接続部が引き回し部材の両端部に形成される例を示したが、この構成に限定されるものではない。引き回し部材に対する、第1接続部および第2接続部の位置は、適宜変更可能である。
【0133】
また、上述の実施形態では、第1接続部および第2接続部の平面形状が、円形である例を示したが、この構成に限定されるものではない。引き回し部材の第1接続部および第2接続部の平面形状は、多角形状・楕円形状等、適宜変更可能である。
【0134】
なお、上述の実施形態では、主にNFC等の磁界結合を利用した通信システムにおけるアンテナ装置および電子機器について説明したが、上述の実施形態におけるアンテナ装置および電子機器は、磁界結合を利用した非接触電力伝送システム(電磁誘導方式、磁界共鳴方式)でも同様に用いることができる。上述の実施形態におけるアンテナ装置は、例えばHF帯(特に6.78MHzまたは6.78MHz近傍)の周波数で使用される磁界共鳴方式の非接触電力伝送システムにおける受電装置の受電アンテナ装置や送電装置の送電アンテナ装置として適用できる。アンテナ装置は受電装置に備わった負荷(二次電池等)に電力を供給する給電回路(受電回路)に接続される。この場合でも、アンテナ装置は、受電アンテナ装置や送電アンテナ装置として機能する。アンテナ装置のコイルアンテナが有するコイル導体の両端は、使用周波数帯(HF帯、特に6.78MHzまたは6.78MHz近傍)を操作する受電回路や送電回路に接続される。
アンテナ装置(101)は、絶縁性を有する基材(1)と、基材(1)の主面に形成されるスパイラル形状のコイル導体(10)と、互いに導通する第1接続部および第2接続部を有する引き回し部材(21)を備える。引き回し部材(21)は、第1接続部と第2接続部との間の少なくとも一部が、コイル導体(10)に対向配置される。引き回し部材(21)の第1接続部および第2接続部の少なくとも一方は、導電性接合材を介してコイル導体(10)の内周部または外周部に接続される。このように、コイル導体(10)の内周部と外周部とを接続する引き回し部材(21)を導電性接合材で実装(配置)するため、RFIC素子等の一般的な表面実装部品と同様に表面実装できる。