特許第6011754号(P6011754)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジョンソン エレクトリック ソシエテ アノニムの特許一覧

<>
  • 特許6011754-モータ及びウインドウリフト 図000002
  • 特許6011754-モータ及びウインドウリフト 図000003
  • 特許6011754-モータ及びウインドウリフト 図000004
  • 特許6011754-モータ及びウインドウリフト 図000005
  • 特許6011754-モータ及びウインドウリフト 図000006
  • 特許6011754-モータ及びウインドウリフト 図000007
  • 特許6011754-モータ及びウインドウリフト 図000008
  • 特許6011754-モータ及びウインドウリフト 図000009
  • 特許6011754-モータ及びウインドウリフト 図000010
  • 特許6011754-モータ及びウインドウリフト 図000011
  • 特許6011754-モータ及びウインドウリフト 図000012
  • 特許6011754-モータ及びウインドウリフト 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6011754
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】モータ及びウインドウリフト
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/116 20060101AFI20161006BHJP
   H02K 5/08 20060101ALI20161006BHJP
【FI】
   H02K7/116
   H02K5/08 Z
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2010-76146(P2010-76146)
(22)【出願日】2010年3月10日
(65)【公開番号】特開2010-213569(P2010-213569A)
(43)【公開日】2010年9月24日
【審査請求日】2013年3月6日
【審判番号】不服2015-11751(P2015-11751/J1)
【審判請求日】2015年6月23日
(31)【優先権主張番号】200910105950.X
(32)【優先日】2009年3月10日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】200910110542.3
(32)【優先日】2009年10月19日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】502458039
【氏名又は名称】ジョンソン エレクトリック ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ルイ フェン キン
(72)【発明者】
【氏名】ジ ユ リアン
(72)【発明者】
【氏名】ディ ワン
(72)【発明者】
【氏名】ユアン ジアン
(72)【発明者】
【氏名】チェン シュン デュ
【合議体】
【審判長】 堀川 一郎
【審判官】 藤井 昇
【審判官】 中川 真一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−295153(JP,A)
【文献】 特表2002−528024(JP,A)
【文献】 特開2007−6688(JP,A)
【文献】 特開2008−306844(JP,A)
【文献】 特開2003−143812(JP,A)
【文献】 特開昭57−20161(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/00- 1/34
H02K 7/00- 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定子と、固定子に回転可能に装着された回転子とを備え、固定子は、ハウジングと、ハウジングの内面に固定された磁極をなす少なくとも1つの磁石とを備え、ハウジングの半径方向断面は、2より大きな偶数をnとすれば、n個の側部及びn個の接続部を含み、隣接する側部は、1つの対応する接続部によって一緒に接続され、磁極は、接続部に対応する場所に位置され、各磁極の2つの周端部は、対応する隣接する側部に取り付けられ、各側部の半径方向断面は、凸状曲線に似たものであって、該凸状曲線の2つの端を通る直線に対して外方にカーブしており、各磁極は、接続部に対応する第1のカーブ部分と隣接する側部に対応する2つの第2のカーブ部分とを有する外面を有し、第2のカーブ部分の曲率は、第1のカーブ部分の曲率よりも小さい、永久磁石モータ。
【請求項2】
前記ハウジング及び少なくとも1つの磁石は、固定子の部分であり、回転子は、磁極に直面する回転子コアを含む、請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
各々の前記側部の半径方向断面は、円の中心が回転子の回転軸からオフセットした円弧に似たものである、請求項1又は2に記載のモータ。
【請求項4】
各側部の半径方向断面は、直線セグメントによって一緒に接続された2つの曲線セグメントを含む、請求項1又は2に記載のモータ。
【請求項5】
各側部の半径方向断面は、曲線セグメントと、その曲線セグメントによって一緒に接続された2つの直線セグメントとを含む、請求項1又は2に記載のモータ。
【請求項6】
ハウジングは、4個の側部を含み、2つの対向する側部の対応する直線セグメントの間の距離は、側部の第1の周端部から第2の周端部まで変化する、請求項5に記載のモータ。
【請求項7】
各接続部の半径方向断面は、円弧に似たものであり、各接続部の周方向長さは、各側部の周方向長さより小さい、請求項1から6のいずれかに記載のモータ。
【請求項8】
nは、4、6又は8に等しい、請求項1からのいずれかに記載のモータ。
【請求項9】
固定子と、固定子に回転可能に装着された回転子とを備え、固定子は、ハウジングと、ハウジングの内面に固定された磁極をなす少なくとも1つの磁石とを備え、ハウジングの半径方向断面は、2より大きな偶数をnとすれば、n個の側部及びn個の接続部を含み、隣接する側部は、1つの対応する接続部によって一緒に接続され、磁極は、接続部に対応する場所に位置され、各側部の半径方向断面は、凸状曲線に似たものであって、該凸状曲線の2つの端を通る直線に対して外方にカーブしており、各接続部の半径方向断面は、直線である、永久磁石モータ。
【請求項10】
nは、4、6又は8に等しい、請求項に記載のモータ。
【請求項11】
各磁極は、接続部に対応する直線部分と隣接する側部に対応する2つのカーブ部分とを有する外面を有する、請求項に記載のモータ。
【請求項12】
少なくとも1つの磁石は、単一片のリング磁石であり、ハウジングの接続部に対応する部分におけるリング磁石の半径方向厚みは、ハウジングの側部に対応する部分におけるリング磁石の半径方向厚みより大きい、請求項に記載のモータ。
【請求項13】
永久磁石モータと、該モータにより駆動されるギアボックスとを備え、モータは、請求項1から12のいずれかに記載のものである、ウインドウリフト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、永久磁石をもつモータに係り、又、永久磁石モータ及び該モータにより駆動されるギアボックスを備えたウインドウリフトに係る。
【背景技術】
【0002】
図12は、慣習的な永久磁石直流(PMDC)モータ30の半径方向断面図である。このPMDCモータは、固定子と、固定子に回転可能に装着された回転子とを備えている。固定子は、2つのフラットな側部22及び2つのカーブした接続部24より成るハウジング20を備えている。又、固定子は、2つのカーブした接続部の内面に各々固定された2つの磁石26も備えている。回転子は、2つの磁石26に直面する回転子コア28を有する。
【0003】
同じ又は高い性能を有するより小型のモータが要望される。換言すれば、より高い電力密度を有するモータが要望される。モータの性能を高める方法は2つあり、一方は、磁石極の数を増加することであり、他方は、回転子コアの外径を増加することである。しかしながら、これら2つの方法は、両方とも、通常、モータサイズの増加を招く。ある用途では、モータサイズは、非常に重要なファクタである。例えば、モータ及びモータによって駆動されるギアボックスを備えたウインドウリフトは、通常、車のドアの2つの平行側壁により形成された限定スペースに設置され、特殊なモータサイズ及びモータ形状が要求される。例えば、図12を参照すれば、2つのフラットな側部22間の直径D2は、所定サイズより大きくてはならない。というのは、車のドアの2つの側壁間の距離が制限されているからである。一方、直径D1は、ドアの壁パネル間の方向に延びるので、より大きくてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、より高い電力密度を有するモータが要望される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これは、本発明では、特殊な形状をもつモータハウジングを形成することにより達成される。
【0006】
従って、本発明は、その1つの態様によれば、固定子と、固定子に回転可能に装着された回転子とを備え、固定子及び回転子の一方は、ハウジングと、ハウジングの内面に固定された磁極をなす少なくとも1つの磁石とを備え、ハウジングの半径方向断面は、2より大きな整数をnとすれば、n個の側部及びn個の接続部を含み、隣接する側部は、1つの対応する接続部により一緒に接続され、磁極は、接続部に対応する場所に位置され、各側部の半径方向断面は、凸状曲線の2つの端を通る直線に対して外方にカーブした凸状曲線に似たものである、永久磁石モータを提供する。
【0007】
好ましくは、ハウジング及び少なくとも1つの磁石は、固定子の部分であり、又、回転子は、磁極に直面する回転子コアを含む。
【0008】
好ましくは、凸状曲線は、2つの点の最大値において直線により切断できる。
【0009】
好ましくは、各々の前記側部の半径方向断面は、円の中心が回転子の回転軸からオフセットした円弧に似たものである。
【0010】
或いは又、各側部の半径方向断面は、直線セグメントによって一緒に接続された2つの曲線セグメントを含む。
【0011】
或いは又、各側部の半径方向断面は、曲線セグメントと、その曲線セグメントによって一緒に接続された2つの直線セグメントとを含む。
【0012】
好ましくは、各接続部の半径方向断面は、各接続部の周囲長さが各側部の周囲長さより小さい円弧に似たものである。
【0013】
或いは又、各接続部の半径方向断面は、直線セグメントに似たものである。
【0014】
好ましくは、nは、3、4、6又は8に等しい。
【0015】
任意であるが、少なくとも1つの磁石は、単片のリング磁石であり、ハウジングの接続部に対応する部分におけるリング磁石の半径方向厚みは、ハウジングの側部に対応する部分におけるリング磁石の半径方向厚みより大きい。或いは又、少なくとも1つの磁石は、磁極ごとに1つあって、各接続部に対応する場所でハウジングに固定された多数の個別の磁石片である。
【0016】
本発明は、第2の態様によれば、ギアボックスと、本発明の第1の態様に基づいて構成されたモータとを備えたウインドウリフトを提供する。
【0017】
本発明を具現化することにより、モータは、コンパクトな構造を有し、等しい又は高い性能をもつことになる。
【0018】
以下、添付図面を参照し、本発明の好ましい実施形態を一例として説明する。2つ以上の図に現れる同じ構造物、要素又は部品は、一般的に、それらが現れる全ての図において同じ参照番号で示す。図示されたコンポーネント及び特徴部の寸法は、一般的に、表現の便宜上及び明瞭化のために選択されたものであって、必ずしも正しいスケールで示されていない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の好ましい実施形態によるウインドウリフトを示すブロック図である。
図2図1のブロック図の一部分であるPMDCモータを示す。
図3図2のPMDCモータの固定子の半径方向断面図である。
図4】本発明の第2の実施形態によるPMDCモータの固定子の半径方向断面図である。
図5】本発明の第3の実施形態によるPMDCモータの固定子の半径方向断面図である。
図6】本発明によるPMDCモータZの固定子、及び慣習的な丸いモータXの固定子の半径方向断面図である。
図7】慣習的な丸いモータX、フラットなモータY、及び本発明の好ましい実施形態によるモータZの固定子の半径方向断面図である。
図8】0から20,000Hzの範囲における有限要素分析(FEA)テストからのモータX、モータY及びモータZのテスト結果を示す。
図9】0から10,000Hzの範囲におけるFEAテストからのモータX、モータY及びモータZのテスト結果を示す。
図10】本発明の第5の実施形態によるPMDCモータの固定子の半径方向断面図である。
図11】本発明の第6の実施形態によるPMDCモータの固定子の半径方向断面図である。
図12】慣習的なフラット側面モータの半径方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の好ましい実施形態によるウインドウリフトを示す。このウインドウリフトは、PMDCモータ30と、このモータ30により駆動されるギアボックス31とを備えている。図2は、PMDCモータを部分的に分解した形態で示す。モータは、固定子及び回転子を備えている。固定子は、ハウジング20と、ハウジングの内面に固定された磁石26とを備えている。回転子は、回転子シャフト27、回転子コア28、及びシャフト27に固定された整流子29を備えている。巻線(図示せず)が回転子コアの周りに巻かれて、整流子に終端される。回転子は、回転子コア28が磁石26に直面するようにして固定子に回転可能に装着される。ウォーム(図示せず)がシャフト27の端に固定され、ギアボックス20内のウォームギア(図示せず)を駆動する。又、エンドキャップ25がハウジングの開放端を閉じ、ブラシギア(図示せず)を支持する。
【0021】
図3は、図2のPMDCモータ30の固定子の半径方向断面図である。固定子は、ハウジング20と、ハウジングの内面に固定された4つの磁石26とを備えている。ハウジングは、4つの接続部40及び4つの側部42を備え、隣接する側部42が1つの接続部40により一緒に接続される。各磁石26が、対応する接続部40に固定される。各接続部40の半径方向断面は、対応する軸の周りでカーブする円弧に似ているのが好ましい。各側部42の半径方向断面は、凸状曲線の2つの端を通る直線に対して外方にカーブした凸状曲線に似たものである。本明細書及び特許請求の範囲において、「凸状曲線」という句は、円弧セグメントであるか、2つ以上の円弧セグメント又は2つ以上の直線セグメントを含むか、或いはその組合せでもよい。ここに示す実施形態では、各側部42の半径方向断面は、直線セグメント44と、この直線セグメント44により一緒に接続された2つの円弧セグメント46とを含む。円弧セグメント46の円の中心O’は、回転子の回転の中心Oからオフセットされている。各接続部40の円の中心は、回転の中心Oと一致してもよいし又はオフセットされてもよい。回転の中心Oは、回転子が回転するシャフトの軸と一線である。円の中心O’は、円弧がその一部分であるところの円の中心である。単一の側部42の円弧部分46を作り上げる2つの円弧は、同じ円の部分でよい。
【0022】
慣習的な2極の丸いモータに比して、本発明の好ましい実施形態によるPMDCモータは、固定子がより多くの磁極(4極)を有するので、より高い性能を有すると共に、接続部に対応する部分に磁石が固定されるので、よりコンパクトな構造となる。それ故、本発明によるモータは、より高い電力密度を有する。更に、2つの対向する側部42に対応する部分において外径D3を測定するのは容易である。というのは、各側部が直線セグメント44を有するからである。更に重要なことに、側部の中間部をフラットにすることで、この部分が磁石と磁石との間に位置するので、モータの性能に悪影響を及ぼすことなく、側部を横切って測定されるモータの寸法を小さくすることができる。
【0023】
図4は、本発明の第2の好ましい実施形態によるPMDCモータの固定子の半径方向断面図である。このモータも、4つの接続部40及び4つの側部42を含むハウジング20を備えている。この実施形態では、各接続部40の半径方向断面は、円弧に似たものであり、そして各側部42の半径方向断面は、円弧セグメント46及び2つの直線セグメント44を含む凸状曲線である。2つの直線セグメント44は、円弧セグメント46によって一緒に接続される。各円弧セグメント46の円の中心O’は、回転子の回転の中心Oからオフセットされ、そして各接続部40の円の中心が回転の中心に一致するのが好ましい。磁石26は、接続部40の内面及び側部42の対応直線セグメント44の内面に固定される。側部の直線セグメント44は、磁石を固定し易くする。
【0024】
図5は、本発明の第3の好ましい実施形態によるPMDCモータの固定子の半径方向断面図である。固定子は、4つの側部42及び4つの接続部40を含むハウジング20を備え、隣接する側部42は、対応する1つの接続部40により接続される。各側部42の半径方向断面は、2つの点の最大値において直線により切断できる凸状曲線に似ている。この凸状曲線は、回転子の回転の中心Oからオフセットされた円の中心O’を有する円弧であるのが好ましい。各接続部分40の半径方向断面も、円弧に似ている。各接続部40の周囲長さは、各側部42の周囲長さより小さい。各接続部40に対応する円弧の半径は、各側部42に対応する円弧の半径より小さい。例えば、半径Aは、半径Bより小さく、そして半径A対半径Bの比は、1%〜80%であるのが好ましい。この好ましい実施形態では、半径Bは、回転子コアの半径より大きい。
【0025】
2つの対角方向に対向する接続部40間で測定した外径D4は、モータの最大外径であり、そして2つの対向する側部42間で測定した外径D3は、モータの最小外径である。磁石26は、最大外径に対応する部分においてハウジング20に固定され、ハウジングの内部スペースが効率的に使用されるようにする。良く知られたように、回転子を回転できるようにするために、磁石26と回転子コアとの間にエアギャップが形成される。エアギャップの半径方向厚みは、均一でも不均一でもよい。
【0026】
図6は、慣習的な丸いモータXの固定子及び本発明の好ましい実施形態によるモータZの固定子の半径方向断面図である。モータX及びモータZの性能は、磁石と磁石との間の最小直径が同じであるから、ほぼ同じである。モータZの最大外径D4は、モータXの外径D5にほぼ等しい。モータZの最小直径D3は、外径D5より小さい。換言すれば、モータZのサイズは、モータXのサイズより小さい。慣習的な丸いモータXに比して、本発明によるモータは、より小さなサイズを有し、従って、より高い電力密度を有する。
【0027】
図7は、慣習的な丸いモータXの固定子、フラットなモータYの固定子、及び本発明の好ましい実施形態によるモータZの固定子の半径方向断面図である。モータYの固定子ハウジングは、4つのフラットな側部及び4つの接続部を備え、これらの接続部に対応する位置でハウジングに磁石が取り付けられる。有限要素分析(FEA)テストでは、各モータの固定子ハウジングにおいて磁石が固定される部分に励起力が課せられた。3つのモータのテスト結果が図8及び9に示されている。
【0028】
図8は、0から20,000Hzの範囲におけるFEAテスト結果を示し、横座標は、周波数をHzで表し、そして縦座標は、振動振幅をmm/s2で表す。このテスト結果によれば、モータZは、より小さな振動振幅及びより少ないノイズである。
【0029】
図9は、0から10,000Hzの範囲におけるFEAテスト結果を示す。このテスト結果によれば、これらの条件のもとでも、モータZは、より小さな振動振幅及びより少ないノイズである。
【0030】
図10は、本発明の第4の実施形態によるモータの固定子ハウジング20の半径方向断面図である。ハウジング20は、4つの凸状曲線側部42及び4つのフラットな接続部40を備えている。各側部42の半径方向断面は、2つの点の最大値において直線によって切断できる凸状曲線であり、そして各接続部分40の半径方向断面は、直線セグメントである。磁石26は、接続部40に対応する部分においてハウジングに固定される。
【0031】
図11は、本発明の第5の実施形態によるモータの固定子の半径方向断面図である。この実施形態では、固定子は、ハウジング20、及びハウジング20内に固定された磁石26を備えている。磁石は、多数の磁極を与える単一片のリング磁石である。ハウジング20の接続部40に対応する部分におけるリング磁石26の半径方向厚みは、固定子ハウジングの側部42に対応する部分におけるリング磁石26の半径方向厚みより大きい。リング磁石26により4つの磁極が形成される。各磁極は、ハウジングの接続部40の1つに対応する場所に位置される。この実施形態では、磁石26が単一片磁石であるので、その固定は容易である。この実施形態では、接続部40は、円の中心が回転子の回転の中心Oにある円弧セグメントとして示されている。
【0032】
上述した幾つかの実施形態は、固定子ハウジングが4つの側部及び4つの磁石を含むモータに関するものであった。しかしながら、本発明によるモータは、4つより多くの又は4つより少ない側部/磁石、例えば、3つの側部、6つの側部、又は8つの側部を含むものでもよい。更に、ハウジング及び磁石は、固定子ではなく、回転子の部分であってもよい。
【0033】
本発明の説明及び特許請求の範囲において、動詞「備える(comprise)」、「含む(include)」、「収容する(contain)」及び「有する(have)」並びにその変化は、各々、ここに述べたアイテムの存在を特定するために包括的な意味で使用され、付加的なアイテムの存在を除外するものではない。
【0034】
本発明は、1つ以上の好ましい実施形態を参照して説明したが、当業者であれば、種々の変更がなされ得ることが明らかであろう。それ故、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって決定されるものとする。
【符号の説明】
【0035】
20:ハウジング
25:エンドキャップ
26:磁石
27:シャフト
28:回転子コア
29:整流子
30:PMDCモータ
31:ギアボックス
40:接続部
42:側部
44:直線セグメント
46:円弧セグメント
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12