(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、上記特許文献1の車両用後方監視装置では、自車両の後方から他車両が接近し、且つ後部座席ドアのロック解除操作が行われ、更に後部座席ドアのドアハンドルが開放操作されると後部座席ドアのドアロックを作動させている。
しかしながら、自車両の後方に他車両が接近し、且つ後部座席ドアのドアハンドルを開放操作すると後部座席ドアのドアロックを作動させると、例えば、他車両の運転者が自車両の乗員の降車行動に気付き、他車両の運転者が自車両と他車両との車間を十分にとって他車両を走行させ、自車両の乗員が後部座席ドアを開けても安全な場合であっても、ドアロックが作動するので自車両の乗員の降車が制限され乗員に煩わしさを与えることとなり好ましいことではない。
【0006】
本発明は、この様な問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、乗員に煩わしさを与えることなく、ドアの開操作時に後方の車両との衝突を回避することのできる車両用後方監視装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1の車両用後方監視装置では、自車両の車両状態を検出する車両状態検出手段と、前記自車両の各々のドアの開操作を検出する開操作検出手段と、前記自車両の後側方の他車両を検出する他車両検出手段と、前記自車両の後側方の路面に所定の領域で形成される進入禁止範囲を表示する表示手段と、前記車両状態検出手段と前記開操作検出手段と前記他車両検出手段との検出結果に基づいて前記表示手段の作動を制御する制御手段と、
前記他車両検出手段の検出結果に基づき、前記自車両と前記他車両との相対速度を算出する相対速度算出手段と、前記相対速度算出手段にて算出される前記相対速度と、前記自車両の乗員が降車を完了するために必要な期間である所定時間とに基づき、前記自車両から前記進入禁止範囲の後方端部までの距離を算出する表示範囲算出手段と、を備え、
前記表示手段は、前記進入禁止範囲の前記後方端部の表示位置を前記自車両に対して変更可能であって、前記制御手段は、前記車両状態検出手段にて前記自車両の駐停車状態が検出され、前記他車両検出手段にて前記自車両の後側方より前記他車両の接近が検出され、更に前記開操作検出手段にて前記他車両が接近する側の前記ドアの開操作が検出されると、前記表示手段にて前記他車両が接近する側の前記自車両の後側方の前記路面に前記進入禁止範囲を表示する
とともに、前記表示範囲算出手段にて算出される前記自車両から前記進入禁止範囲の前記後方端部までの前記距離に応じて、前記表示手段の作動を制御することを特徴とする。
【0009】
また、
請求項2の車両用後方監視装置では、請求項1
において、前記自車両の乗員に前記他車両の存在を報知する報知手段を備え、前記制御手段は、前記他車両検出手段にて前記自車両の後側方より前記他車両の接近が検出されると前記報知手段を作動させることを特徴とする。
また、
請求項3の車両用後方監視装置では、請求項1
又は2において、前記各々のドアをロックするドアロック手段と、を備え、前記制御手段は、前記他車両検出手段にて検出された前記他車両が前記進入禁止範囲内に進入し、且つ前記開操作検出手段にて前記他車両が接近する側の前記ドアの開操作が検出されると、前記ドアロック手段にて前記他車両の接近する側の前記ドアをロックすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、自車両が駐停車状態である時に、自車両の後側方より他車両の接近が検出され、且つ他車両が接近する側のドアの開操作が検出されると、表示手段にて他車両が接近する側の自車両の後側方の路面に進入禁止範囲を表示するようにしている。
このように、進入禁止範囲を他車両が接近する側の自車両の後側方の路面に表示することで、自車両の後側方を走行する他車両の運転者に自車両との衝突の可能性があることを認識させ、進入禁止範囲外の走行を促すことが可能となる。
【0011】
したがって、例えば、所定の領域で形成される進入禁止範囲の幅方向の表示範囲、即ち進入禁止範囲の自車両の幅方向外側への表示範囲を自車両のドアの全開位置を含むように設定することで、自車両が駐停車し乗員が降車する場合に、ドアを全開としても、他車両は進入禁止範囲外を走行しており、更に自車両の乗員の降車を妨げることがないため、乗員に煩わしさを与えることなく、自車両と他車両との衝突を回避することができる。
【0012】
また、自車両と他車両との衝突を回避するために、自車両のドアロック等を作動させて乗員の降車を妨げないので、乗員に煩わしさを与えることを無くすことができる。
しかも、自車両と他車両との相対速度と自車両の乗員が降車を完了するために必要な期間である所定期間とに基づき算出される自車両から進入禁止範囲の後方端部までの距離に応じて表示手段の作動を制御している
ので、例えば、自車両の後側方より他車両が高車速で自車両に接近するような場合には、自車両と他車両との相対速度が大きくなり、自車両と他車両との衝突までの期間が短くなるが、相対速度が大きい場合には、自車両から進入禁止範囲の後方端部までの距離を長くなるように進入禁止範囲を表示することで、他車両が高速で走行しているような場合であっても、他車両の運転者に早期に進入禁止範囲を認識させることができる。
【0014】
よって、早期に他車両に進入禁止範囲外の走行を促すことで、自車両と他車両との衝突を回避することができる。
また、
請求項2の発明によれば、他車両検出手段にて自車両の後側方より他車両の接近が検出されると、自車両の乗員に他車両の存在を報知するようにしているので、乗員が他車両の接近を確実に認識することができるので、乗員が自車両のドアを開放することによる他車両との衝突を回避することができる。
【0015】
また、
請求項3の発明によれば、他車両の進入禁止範囲内への進入が検出され、且つ自車両の乗員によって他車両が接近する側のドアの開操作が検出されると、他車両の接近する側のドアをロックするようにしているので、例えば、他車両の運転者が進入禁止範囲に気付かず他車両が進入禁止範囲内を走行し、更に自車両の乗員が他車両の接近に気付かずに他車両が接近する側のドアの開操作を行っても、ドアがロックされるので急なドアの開操作による自車両と他車両の衝突を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係る車両用後方監視装置の概略構成図である。また、
図2は、道路上に自車両を駐停車した場合の一例を模式的に示す図である。なお、
図2中の白抜き五角形が自車両Mを、黒塗り五角形が自車両Mの後側方から接近する他車両Oを示し、自車両M及び他車両Oの鋭角部がそれぞれの車両の前方を示す。また、
図2中のハッチングの領域は、自車両Mと他車両Oとの衝突が回避不可となる予め任意に設定される所定の領域の進入禁止範囲Aを示し、更に一点鎖線部は、自車両Mと他車両Oとの相対車速Vと、自車両Mの乗員が降車を完了するまでに必要な時間であり予め設定される所定時間TTCとから算出される自車両Mから進入禁止範囲Aの後方端部Aeまでの距離である描画距離Xに基づいて、可変する進入禁止範囲Aの後方端部Aeの移動範囲を示す。なお、
図2に示すように、進入禁止範囲Aの自車両Mの側面から幅方向外側への範囲は、自車両MのドアMdを全開とした状態において、自車両Mの後方視でドアMdを包含する範囲に任意に設定される。また、自車両Mから進入禁止範囲Aの後方端部Aeまでの最低の距離は、他車両Oが低車速で走行中であっても、他車両Oが自車両MのドアMdとの衝突を回避することのできる距離に設定される。そして、描画距離Xは、自車両Mと他車両Oとの相対速度が大きくなるにつれ、自車両Mから進入禁止範囲Aの後方端部Aeまでの距離が長くなるように設定される。そして、本
図2は、自車両Mが道路上に駐車或いは停車状態であり、他車両Oが黒矢印方向に向かって走行中であることを示している。以下、車両用後方監視装置の構成を説明する。
【0018】
図1に示すように、車両用後方監視装置1は、車速センサ(車両状態検出手段)11と、シフト装置(車両状態検出手段)12と、イグニッションスイッチ(車両状態検出手段)13と、ドアスイッチ14と、ドアハンドルスイッチ(開操作検出手段)15と、後方監視カメラ(他車両検出手段)16と、レーザ(表示手段)21と、スピーカ(報知手段)22と、コントローラ30とで構成されている。なお、これら各種装置及び各種センサ類は、電気的に接続されている。
【0019】
車速センサ11は、自車両Mの車速を検出するものである。そして、車速センサ11は、検出した車速情報をコントローラ30に供給する。なお、車速センサ11は、車速情報を常時供給可能なようにイグニッションスイッチ13のON/OFFによらず、常に電力が供給されている。
シフト装置12は、自車両Mのセンターコンソール付近に設けられるシフトレバーと、ステアリングの背部に設けられるパドルとを含んで構成されている。そして、シフト装置12は、運転者がシフトレバーを操作して、任意のシフト位置とすることで、自車両Mの駐車(P)、後退走行(R)、前進走行(D)等の自車両Mの運転状態を設定するものである。そして、シフト装置12は、シフトレバーにて選択されているシフト位置情報をコントローラ30に供給する。なお、シフト装置12は、シフト位置情報を常時供給可能なようにイグニッションスイッチ13のON/OFFによらず、常に電力が供給されている。
【0020】
イグニッションスイッチ13は、自車両Mを走行可能とするための主電源をON(入)或いはOFF(切)するものである。なお、イグニッションスイッチ13は、車速センサ11、シフト装置12、後方監視カメラ16及びコントローラ30の電源をON(入)或いはOFF(切)することができない。
ドアスイッチ14は、自車両MのそれぞれのドアMdの開閉を検出するものである。そして、ドアスイッチ14は、自車両MのそれぞれのドアMdの開閉情報をコントローラ30に供給する。なお、ドアスイッチ14は、自車両MのドアMdの開閉情報を常時供給可能なようにイグニッションスイッチ13のON/OFFによらず、常に電力が供給されている。
【0021】
ドアハンドルスイッチ15は、自車両Mの乗員によるドアハンドルの操作を検出し、乗員による自車両MのそれぞれのドアMdの開操作を検出するものである。そして、ドアハンドルスイッチ15は、ドアハンドルの操作情報をコントローラ30に供給する。なお、ドアハンドルスイッチ15は、自車両MのドアMdの開閉情報を常時供給可能なようにイグニッションスイッチ13のON/OFFによらず、常に電力が供給されている。
【0022】
後方監視カメラ16は、自車両Mの後方を監視可能なように自車両Mに設けられ、車両の後方の監視映像を連続的に撮影可能なカメラである。そして、後方監視カメラ16は、撮影した監視映像をコントローラ30に供給するものである。なお、後方監視カメラ16は、自車両Mの後方の監視映像を撮影し、そして撮影した監視映像をコントローラ30に供給可能なように、イグニッションスイッチ13のON/OFFによらず、常に電力が供給されている。
【0023】
レーザ21は、自車両Mの両後側部に設けられる。そして、レーザ21は、コントローラ30によって制御され、他車両Oが接近する側の自車両Mの後側方に他車両Oの運転者が認識することのできる可視光線で進入禁止範囲Aを路面に描画するものである。なお、レーザ21は、他車両Oが接近する側の自車両Mの後側方の路面に進入禁止範囲Aを描画可能なように、イグニッションスイッチ13のON/OFFによらず、常に電力が供給されている。
【0024】
スピーカ22は、コントローラ30によって制御され、自車両Mの乗員に対して、他車両Oの情報提供を音声で行うものである。なお、スピーカ22は、自車両Mの乗員に対して、他車両Oの情報提供が可能なように、イグニッションスイッチ13のON/OFFによらず、常に電力が供給されている。
コントローラ30は、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)及び中央演算処理装置等を含んで構成されている。そして、
図1にはコントローラ30の記憶装置及び中央演算処理装置での処理機能部分として、車両情報取得部(車両状態検出手段、開操作検出手段)31と、後側方監視部(他車両検出手段)32と、判定部(相対速度算出手段、表示範囲算出手段)33と、情報提供部(制御手段)34とをブロック化した状態で示している。なお、コントローラ30は、イグニッションスイッチ13のON及びOFFによらず、常に電力が供給されている。
【0025】
車両情報取得部31は、車速センサ11にて検出される車速と、シフト装置12にて検出されるシフト位置情報と、イグニッションスイッチ13のON/OFFとに基づいて、自車両Mが駐停車状態であるか、否かを判別し、更に、ドアスイッチ14にて検出される自車両MのそれぞれのドアMdの開閉情報に基づいて、自車両MのそれぞれのドアMdが開放されているか、否かの判別と、ドアハンドルスイッチ15にて検出されるドアハンドルの操作情報に基づいて、ドアハンドルの開放操作を検知するものである。そして、判定部33は、それらの判別結果や検知結果を判定部33に供給する。
【0026】
後側方監視部32は、後方監視カメラ16の映像に基づき、自車両Mの後側方に接近する他車両Oの有無を監視するものである。そして、後側方監視部32は、監視結果を判定部33に供給する。
判定部33は、車両情報取得部31での判別結果と、後側方監視部32での監視結果とに基づいて、自車両Mが駐停車状態であり、自車両Mの後側方に接近する他車両Oがある場合に、他車両Oの位置情報、及び自車両Mと他車両Oとの相対速度Vを算出するものである。そして、更に判定部33は、自車両Mと他車両Oとの相対速度Vと予め記憶されている自車両Mの乗員が降車を完了するまでに必要な時間である所定時間TTCとに基づき、自車両Mから進入禁止範囲Aの後方端部Aeまでの距離である描画距離Xを算出するものである。また、判定部33は、車両情報取得部31にて判別される自車両MのそれぞれのドアMdの開放の有無の判別結果に基づいて、他車両Oが接近する側のドアMdが開放されているか、否かを判別する。そして、判定部33は、他車両Oの位置情報、描画距離Xを情報提供部34に供給する。
【0027】
情報提供部34は、レーザ21の作動を制御して、判定部33より供給される描画距離Xに基づいて、他車両Oの接近する側の自車両Mの後側方の路面に当該進入禁止範囲Aを可視光線にて描画するものである。また、情報提供部34は、スピーカ22を制御して、自車両Mの乗員に他車両Oの位置等の情報提供を行うものである。
コントローラ30の入力側には、車速センサ11と、シフト装置12と、イグニッションスイッチ13と、ドアスイッチ14と、ドアハンドルスイッチ15と、後方監視カメラ16とが接続されている。一方、コントローラ30の出力側には、レーザ21とスピーカ22とが接続されている。そして、コントローラ30は、車速センサ11、シフト装置12、イグニッションスイッチ13、ドアスイッチ14、ドアハンドルスイッチ15、及び後方監視カメラ16からの出力情報に基づき、自車両Mの駐停車時において、自車両Mの後側方より他車両Oが接近するような場合に、自車両Mと他車両Oとの相対速度Vと予め記憶されている自車両Mの乗員が降車を完了するまでに必要な時間である所定時間TTCとで決定される進入禁止範囲Aをレーザ21の可視光線によって他車両Oが接近する側の自車両Mの後側方の路面に描画し、スピーカ22によって自車両Mの乗員に他車両Oの位置等の情報を提供する降車支援制御を行うものである。
【0028】
以下、このように構成された本発明に係るコントローラ30での降車支援制御について説明する。
図3は、本発明に係るコントローラ30での降車支援制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。なお、本ルーチンは、車両の走行或いは駐停車に関わらず常に実行される。
【0029】
図3に示すように、ステップS10では、自車両Mが駐停車状態か、否かを判別する。詳しくは、車速センサ11にて検出される車速と、シフト装置12にて検出されるシフト位置情報と、イグニッションスイッチ13のON/OFFとに基づいて、車両情報取得部31にて自車両Mが駐停車状態か、否かを判別する。判別結果が真(Yes)で自車両Mが駐停車状態であれば、ステップS12に進む。また、判別結果が偽(No)で自車両Mが駐停車状態でなければ、再度ステップS10の処理を行う。
【0030】
ステップS12では、自車両Mの後側方に他車両Oが存在するか、否かを判別する。詳しくは、後方監視カメラ16にて撮影される映像に基づき、後側方監視部32にて
図2に示すように自車両Mの後側方を走行する他車両Oが存在するか、否かを判別する。判別結果が真(Yes)で自車両Mの後側方を走行する他車両Oが存在すれば、ステップS14に進む。また、判別結果が偽(No)で自車両Mの後側方を走行する他車両Oが存在しなければ、ステップS10へ戻る。
【0031】
ステップS14では、進入禁止範囲Aの描画距離Xを算出する。詳しくは、下記式(1)に示す通り、自車両Mと他車両Oとの相対速度Vと予め記憶されている自車両Mの乗員が降車を完了するまでに必要な時間である所定時間TTCとに基づいて、判定部33にて自車両Mから進入禁止範囲Aの後方端部Aeまでの距離である描画距離Xを算出する。そして、ステップS16に進む。
【0032】
描画距離X=相対速度V×所定時間TTC・・・・・(1)
なお、自車両から進入禁止範囲Aの後方端部Aeまで距離、描画距離Xは、式(1)に示す通り自車両Mと他車両Oとの相対速度Vが大きくなるにつれ、自車両Mと進入禁止範囲Aの後方端部Aeまでの距離が長くなるように算出される。
ステップS16では、ドアMdが開放状態であるか、否かを判別する。詳しくは、ドアスイッチ14の開閉情報を基に車両情報取得部31にてドアMdの開閉を判別し、当該判別結果に基づいて、判定部33にて、他車両Oが接近する側の自車両MのドアMdが開放状態にあるか、否かを判別する。判別結果が真(Yes)で他車両Oが接近する側の自車両MのドアMdが開放状態にあれば、ステップS20に進む。また、判別結果が偽(No)で他車両Oが接近する側の自車両MのドアMdが開放状態になければ、そして、ステップS18に進む。
【0033】
ステップS18では、ドアハンドルが操作されたか、否かを判別する。詳しくは、ドアハンドルスイッチ15の操作情報を基に車両情報取得部31にてドアハンドルの開操作を判別し、当該判別結果に基づいて、判定部33にて、自車両Mの乗員によって自車両Mのドアハンドルが操作されたか、否かを判別する。判別結果が真(Yes)で自車両Mの乗員によって自車両Mのドアハンドルが操作されていれば、ステップS20に進む。また、判別結果が偽(No)で自車両Mの乗員によって自車両Mのドアハンドルが操作されていなければ、ステップS12へ戻る。
【0034】
ステップS20では、進入禁止範囲Aを描写する。詳しくは、判定部33にて算出された描画距離Xに基づいて、情報提供部34にてレーザ21の作動を制御して、他車両Oの接近する側の自車両Mの後側方の路面に自車両Mと他車両Oとが衝突を回避不可能となる範囲である進入禁止範囲Aを可視光線で描写する。そして、ステップS22に進む。
ステップS22では、他車両Oの情報を提供する。詳しくは、情報提供部34にて、スピーカ22を制御して、自車両Mに接近する他車両Oの存在や車速等の情報を自車両Mの乗員に提供する。そして、ステップS24に進む。
【0035】
ステップS24では、自車両Mの後側方に他車両Oが存在するか、否かを判別する。詳しくは、ステップS12と同様に、後方監視カメラ16にて撮影される映像に基づき、後側方監視部32にて自車両Mの後側方を走行する他車両Oが存在するか、否かを判別する。判別結果が真(Yes)で自車両Mの後側方を走行する他車両Oが存在すれば、ステップS14に進む。また、判別結果が偽(No)で自車両Mの後側方を走行する他車両Oが存在しなければ、本ルーチンをリターンする。
【0036】
このように、本発明に係る車両用後方監視装置では、車速センサ11にて検出される車速と、シフト装置12にて検出されるシフト位置情報と、イグニッションスイッチ13のON/OFFとを取得し、それらの情報に基づいて、自車両Mが駐停車状態であるか、或いは自車両Mが走行可能状態であるかを車両情報取得部31にて判別する。そして、自車両Mが駐停車状態であれば、後方監視カメラ16にて撮影される映像に基づき、後側方監視部32にて自車両Mの後側方を走行する他車両Oの存在の有無を判別する。そして、自車両Mの後側方を走行する他車両Oの存在が確認されると、自車両Mと他車両Oとの相対速度Vと所定時間TTCとに基づいて、判定部33にて描画距離Xを算出する。そして、自車両MのドアMdが開放状態である、或いはドアハンドルが開操作されていると判定部33にて判別されると、判定部33にて算出された描画距離Xに基づいて、情報提供部34にて、レーザ21の作動を制御して、他車両Oの接近する側の自車両Mの後側方の路面に進入すると自車両Mと他車両Oとの衝突が回避不可能となる範囲である進入禁止範囲Aを可視光線で描写する。また、あわせて情報提供部34にて、スピーカ22を制御して、自車両Mに接近する他車両Oの存在や車速等の情報を自車両Mの乗員に提供するようにしている。
【0037】
したがって、進入禁止範囲Aを他車両Oが接近する側の自車両Mの後側方の路面に描画することで、自車両Mの後側方を走行する他車両Oの運転者に自車両Mとの衝突の可能性があることを認識させ、進入禁止範囲A外の走行を促すことが可能となる。
よって、所定の領域で形成される進入禁止範囲Aの幅方向の表示範囲、即ち進入禁止範囲Aの自車両Mの幅方向外側への表示範囲を自車両MのドアMdの全開位置を含むように設定しているので、自車両Mが駐停車し乗員が降車する場合にドアMdを全開としても、他車両Oは進入禁止範囲A外を走行しており、更に自車両の乗員の降車を妨げることがないため、乗員に煩わしさを与えることなく、自車両Mと他車両Oとの衝突を回避することができる。
【0038】
また、自車両Mと他車両Oとの衝突を回避するために、自車両Mのドアロック等を作動させて乗員の降車を妨げないので、乗員に煩わしさを与えることを無くすことができる。
また、自車両Mと他車両Oとの相対速度Vが大きくなるにつれ、自車両Mから進入禁止範囲Aの後方端部Aeまでの距離である描画距離Xが長くなるように進入禁止範囲Aを設定し、他車両Oが接近する側の自車両Mの後側方の路面に可視光線で描画している。
【0039】
例えば、自車両Mの後側方より他車両Oが高車速で自車両Mに接近するような場合には、自車両Mと他車両Oとの相対速度が大きくなり、自車両Mと他車両Oとの衝突までの期間が短くなる。
したがって、このように自車両Mと他車両Oとの相対速度Vが大きく、他車両Oが自車両Mに衝突するまでの期間が短いような場合に、進入禁止範囲Aの後方端部Aeと自車両Mとの距離が長くなるように進入禁止範囲Aを描画することで、他車両Oが高速で走行しているような場合であっても、他車両Oの運転者に早期に進入禁止範囲Aを認識させ、他車両Oに進入禁止範囲A外の走行を促すことで、自車両Mと他車両Oとの衝突を回避することができる。
【0040】
また、自車両Mの後側方より他車両Oの接近が検出されると、自車両Mの乗員に他車両Oの存在を報知するようにしているので、乗員が他車両Oの接近を確実に認識することができるので、乗員が自車両MのドアMdを開放することによる他車両Oとの衝突を回避することができる。
以上で本発明の実施形態の説明を終えるが、本発明の形態は上記実施形態に限定されるものではない。
【0041】
上記実施形態では、自車両Mの後側方より他車両Oが接近し、自車両MのドアMdが開放状態或いはドアハンドルが開操作されると、他車両Oが接近する側の自車両Mの後側方に進入禁止範囲Aを描画し、乗員に接近する他車両Oの情報を提供するようにしているが、もちろんこれに限定されるものではなく、例えば、自車両Mのドアロックを作動させるドアロック装置(ドアロック手段)を備え、上述の進入禁止範囲Aの描画と他車両Oの情報の提供に加え、他車両Oが進入禁止範囲A内に侵入し、且つ、自車両Mの乗員により他車両Oの接近する側のドアを開放するためにドアハンドルが操作されると、他車両Oが接近する側の自車両Mのドアロック装置を作動させドアをロックすることで、例えば、他車両Oの運転者が進入禁止範囲Aに気付かず他車両Oが進入禁止範囲A内を走行し、自車両Mの乗員が他車両Oの接近に気付かずに他車両Oが接近する側のドアMdの開操作を行っても、ドアMdがロックされるので急なドアMdの開操作による自車両Mと他車両Oの衝突を防止することができる。
【0042】
また、レーザ21にて路面に進入禁止範囲Aを描画するようにしているが、もちろんこれに限定されるものではなく、路面に進入禁止範囲Aを表示することが可能であれば如何なる手法を用いてもよい。
また、後方監視カメラ16にて自車両Mの後方の他車両Oを監視するようにしているが、もちろんこれに限定されるものではなく、レーダ等で他車両Oを監視するようにしてもよい。