【実施例】
【0061】
[実施例1−1]
【0062】
【化7】
十分に乾燥させた50 mLの二つ口ナスフラスコに切削マグネシウム (365 mg, 15.0 mmol)、塩化リチウム (318 mg, 7.49 mmol) を入れ不活性ガス雰囲気下で(Et
2O 20 mL) を加えた。次いで、DAIBAL-Hのヘキサン溶液 (1 M, 100 μL, 0.100 mmol) を滴下し5分間撹拌した後、4-ブロモ-2,6-ビス(トリフルオロメチル)ピリジン (1.77 g, 6.00 mmol) を加え1時間攪拌した。この後、トリクロロホスフィン (131 μL, 1.5 mmol) を約5分かけて滴下し、1時間反応させた。その後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止し、Et
2Oを留去後、残渣を酢酸エチルに溶解させて抽出操作を行い、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、セライト濾過を行い、濃縮・乾固させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル = 6/1) によって精製することにより、目的化合物を得た(78% yield)。
1H NMR (300 MHz, acetone-d
6): δ 8.48 (d, J = 6.6 Hz).
19F NMR (282 MHz, acetone-d
6) : δ -64.5 (s).
31P NMR (121 MHz, acetone-d
6): δ 0.17 (s). IR (KBr): 3069, 1722, 1593, 1454, 1361, 1283, 1198, 1150, 1103, 901, 854, 718, 696, 683 cm
-1. Anal. calc. for C
21H
6F
18N
3P: C, 37.46; H, 0.90; N, 6.24. Found: C, 37.39; H, 1.26; N, 6.37.。
【0063】
[実施例1−2]
【0064】
【化8】
十分に乾燥させた50 mLの二つ口ナスフラスコに切削マグネシウム (365 mg, 15.0 mmol)、塩化リチウム (318 mg, 7.49 mmol) を入れ不活性ガス雰囲気下でEt
2O (20 mL) を加えた。次いで、DAIBAL-Hのヘキサン溶液 (1 M, 100 μL, 0.100 mmol) を滴下し5分間撹拌した後、4-ブロモ-2,6-ビス(トリフルオロメチル)ピリジン (1.77 g, 6.00 mmol) を加え1時間攪拌した。この後、ビス(ジクロロホスフィノ)エタン (150 μL, 1.0 mmol) を約5分かけて滴下し、1時間反応させた。その後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止し、Et
2Oを留去後、残渣を酢酸エチルに溶解させて抽出操作を行い、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、セライト濾過を行い、濃縮・乾固させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル = 5/1) によって精製することにより、目的化合物を得た(81% yield)。
1H NMR (300 MHz, acetone-d
6): δ 2.96 (t, J = 5.1 Hz, 4H), 8.28 - 8.30 (m, 8H).
19F NMR (282 MHz, acetone-d
6): δ -64.5 (s).
31P NMR (121 MHz, acetone-d
6): δ -3.24 (s). IR (KBr): 1593, 1454, 1361, 1288, 1205, 1134, 899, 854, 718, 696, 683 cm
-1. Anal. calc. for C
30H
12F
24N
4P
2: C, 38.07; H, 1.28; N, 5.92. Found: C, 37.69; H, 1.28; N, 6.17.。
【0065】
[実施例1−3]
合成スキーム(下記反応1−3−1から1−3−3まで)
【0066】
【化9】
【0067】
<反応1−3−1>
【0068】
【化10】
十分に乾燥させた50 mLのシュレンク管にフェロセン (279 mg, 1.50 mmol) を入れ、不活性ガス雰囲気下でN,N,N′,N′-テトラメチル-1,2-エタンジアミン (490 μL, 3.3 mmol) とヘキサン (12 mL) を加えた。1.59 M n-ブチルリチウム(2.1 mL, 3.3 mmol) を約10分かけて滴下し、60℃で1時間撹拌した。この後、-78℃に冷却し、ビス(ジエチルアミノ)クロロホスフィン (620 μL, 2.9 mmol) とトリエチルアミン (400 μL, 2.9 mmol) のヘキサン (3 mL) 溶液を約10分かけて滴下した。反応液を室温で10時間撹拌し不活性ガス雰囲気下でセライトろ過を行った。溶媒留去を行った後、更なる精製を行わず反応1−3−2に移った。
1H NMR (300 MHz, C
6D
6): δ 1.04 (t, J = 6.8 Hz, 24 H), 3.00 - 3.10 (m, 16 H), 4.39 - 4.43 (m, 8 H).
31P NMR (121 MHz, C
6D
6): δ 91.3 (s).。
【0069】
<反応1−3−2>
【0070】
【化11】
十分に乾燥させた50 mLのシュレンク管に不活性ガス雰囲気下で[3]で合成した1,1'-ビス[ビス[ジエチルアミノ]ホスフィノ]フェロセンのEt
2O溶液 (4 mL) を入れ、-78℃に冷却した。塩化水素のEt
2O溶液(1 M, 25 mL, 25 mmol) を約20分かけて滴下し、ゆっくり室温に戻しながら8時間撹拌した後、溶媒留去を行った。不活性ガス雰囲気下でベンゼンを加えて反応で生じた塩を溶別し、セライトろ過により取り除いた。溶媒留去を行った後、更なる精製を行わず反応1−3−3に移った。
1H NMR (300 MHz, C
6D
6): δ 3.98 (t, J = 1.9 Hz, 4 H), 4.15 - 4.18 (m, 4 H).
31P NMR (121 MHz, C
6D
6): δ 162.6 (s) 。
【0071】
<反応1−3−3>
【0072】
【化12】
十分に乾燥させた50 mLの二つ口ナスフラスコに切削マグネシウム (457 mg, 18.8 mmol)、塩化リチウム (399 mg, 9.41 mmol) を入れ不活性ガス雰囲気下でEt
2O (20 mL) を加えた。次いで、DAIBAL-Hのヘキサン溶液 (1 M, 120 μL, 0.120 mmol) を滴下し5分間撹拌した後、4-ブロモ-2,6-ビス[トリフルオロメチル]ピリジン (2.20 g, 7.50 mmol) を加え1時間攪拌した。この後、反応1−3−2で合成した1,1'-ビス(ジクロロホスフィノ)フェロセンのTHF溶液 (5 mL) を約10分かけて滴下し、8時間反応させた。その後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止し、THFを留去後、残渣を酢酸エチルに溶解させて抽出操作を行い、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、セライト濾過を行い、濃縮・乾固させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル = 3/1) によって精製することにより、目的化合物を得た(35% yield (3段階)。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ 3.98 - 4.02 (m, 4 H), 4.42 - 4.46 (m, 4 H), 7.69 (d, J = 6.3 Hz, 8 H), 7.89 (s, 4 H).
13C NMR (75 MHz, acetone-d
6): δ 71.5 (d, J = 6.8 Hz), 74.7 (d, J = 4.1 Hz), 75.5 (d, J = 16.1 Hz), 121.9 (q, J = 272.9 Hz), 128.7 (d, J = 17.9 Hz), 148.6 (dq, J = 5.6, 35.7 Hz), 153.5 (d, J = 22.6 Hz).
19F NMR (282 MHz, CDCl
3): δ -64.6 (s).
31P NMR (121 MHz, CDCl
3): δ -15.0 (s). IR (KBr): 3050, 1593, 1362, 1283, 1200, 1144, 1124, 897, 854, 835, 720, 696 cm
-1. M.p. = 240℃ (dec.) Anal. calc. for C
38H
16F
24FeN
4P
2: C, 41.40; H, 1.46; N, 5.08. Found: C, 41.28; H, 1.71; N, 4.68.。
【0073】
[実施例1−4]
合成スキーム(下記反応1−4−1から1−4−6まで)
【0074】
【化13】
【0075】
<反応1−4−1>
【0076】
【化14】
十分に乾燥させた50 mLの二つ口ナスフラスコに不活性ガス雰囲気下で塩化パラジウム(II) (485 mg, 2.70 mmol)、3-ブロモアニソール (17 mL, 134 mmol) を加えた。160℃で撹拌しながらトリエチルホスファイトを1時間ごとに約5 mLずつ、計28 mL (160 mmol) 加え、さらに1時間反応させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル = 1/1) によって精製し、さらに減圧蒸留を行うことにより、目的化合物を得た(91% yield)。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ 1.37 (t, J = 7.2 Hz, 6H), 3.85 (s, 3H), 4.01 - 4.22 (m, 4H), 7.05 - 7.11 (m, 1H), 7.29 - 7.42 (m, 3H).
31P NMR (121 MHz, CDCl
3): δ 19.8 (s).。
【0077】
<反応1−4−2>
【0078】
【化15】
300 mLの三つ口フラスコを十分に乾燥させ、不活性ガス雰囲気下で、ジイソプロピルアミン (14.5 mL, 103 mmol), THF (50 mL) を加え、-20℃まで冷却した。次いで、1.63 M n-ブチルリチウム (60 mL, 98 mmol) を約1時間かけて滴下し、さらに30分攪拌した。この後、-78℃に冷却し、反応1−4−1で合成した(3-メトキシフェニル)リン酸ジエチルエステル (17.6 g, 72.0 mmol) のTHF (90 mL) 溶液を約1時間かけて滴下し、2時間反応させた。さらに塩化鉄(III) (14.7 g, 90.0 mmol) のTHF (90 mL) 溶液を反応器に加え、室温で14時間反応させた。溶媒留去を行い、残渣をジクロロメタンで溶解させて水酸化ナトリウム水溶液を加え、セライトろ過を行った。ジクロロメタンで有機物を抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、濃縮した。Et
2Oで洗浄し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/メタノール = 10/1) によって精製を行い、フロリジールによって不純物を取り除くことにより、目的化合物を得た(42% yield)。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ 1.12 (t, J = 8.3 Hz, 6H), 1.16 (t, J = 8.3 Hz, 6H), 3.71 (s, 3H), 3.77 - 3.93 (m, 8H), 7.10 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.29 - 7.42 (m, 3H), 7.56 (ddd, J = 1.2, 7.8, 13.5 Hz, 2H).
31P NMR (121 MHz, CDCl
3): δ 18.6 (s).。
【0079】
<反応1−4−3>
【0080】
【化16】
1000 mL ナスフラスコに反応1−4−2で合成した[6'-(ジエトキシホスフォニル)-6,2'-ジメトキシビフェニル-2-イル]-2-リン酸ジエチルエステル (7.81 g, 16.1 mmol) と(+)-ジベンゾイル酒石酸 (6.91 g, 19.3 mmol) を入れよくかき混ぜた。次いで、Et
2O (500 mL) を加えて 16時間撹拌し、析出した固体をろ別した。固体をEt
2O で洗浄した後、ジクロロメタンに溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を濃縮して目的化合物を得た(47% yield, (R)-isomer, >99% ee)。 HPLC (Daicel Chiralcel OD-H, Hexane/i-PrOH = 20/1, flow rate = 1.0 mL/min); detected at 280 nm; t
R = 21.6 min ((R)-isomer), t
R = 25.2 min ((S)-isomer).。
【0081】
<反応1−4−4>
【0082】
【化17】
20 mLのシュレンク管を十分に乾燥させ、不活性ガス雰囲気下でリチウムアルムニウムヒドリド (190 mg, 4.8 mmol)、THF (3 mL) を加えた。-78℃に冷却し、トリメチルシランクロリド (0.61 mL, 4.8 mmol) を約5分かけて滴下し、15分撹拌した後、室温で2時間撹拌した。次いで、-30℃に冷却し、(R)-[6'-(ジエトキシホスフォニル)-6,2'-ジメトキシビフェニル-2-イル]-2-リン酸ジエチルエステル (390 mg, 0.8 mmol) のTHF (3 mL) 溶液を約10分かけて滴下し、30℃で3日間反応させた。脱気した水(0.8 mL) を加え、水素の発生が収まった後、脱気した30% 水酸化ナトリウム水溶液(2.4 mL)とTHF (10 mL) を加えた。有機層をカニュラーで別の反応器に移した後、さらにシュレンク管に残った残渣にセライトを加え粘性を減らし、有機物をTHFで抽出した。抽出した有機層を脱気した飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、Et
2O (10 mL) を加えた後、水層をカニュラーで除いた。残った有機層に硫酸ナトリウムを加えて乾燥させ溶媒留去を行い、目的化合物を得た(95% yield)。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ 3.57 (d, J
P-H = 205 Hz, 4H), 3.73 (s, 6H), 6.93 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 7.23 - 7.31 (m, 4H).
31P NMR (121 MHz, CDCl
3): δ -127.2 (s).。
【0083】
<反応1−4−5>
【0084】
【化18】
30 mL 耐圧試験管を充分に乾燥させ、トリホスゲン (480 mg, 1.62 mmol)を入れ、Aliquat(登録商標)336 (38 mg, 0.094 mmol) のトルエン溶液 (3 mL) を加え、すばやく栓をし、35℃で2日間、激しく攪拌した。その後、その反応溶液及び、反応1−4−4で合成した(R)-[6,6'-ジメトキシ(1,1'-ビフェニル)-2,2'-ジイル]ビスホスフィン (224 mg, 0.804 mmol) の塩化メチレン溶液 (6 mL) を-78℃に冷却し、カニュラーを用いて、トルエン溶液を、塩化メチレン溶液に混合させた。徐々に室温に戻し、さらに2日間攪拌し、溶媒を留去することで目的化合物とAliquat(登録商標)の混合物を得た。Aliquat(登録商標)336は取り除かずに、そのまま反応1−4−6に移った。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ 3.77 (s, 6H), 7.11(d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.63 (m, 2H), 7.86 (d, J = 8.1 H, 2H).
31P NMR (121 MHz, CDCl
3): δ 158.1 (s).。
【0085】
<反応1−4−6>
【0086】
【化19】
十分に乾燥させた50 mLの二つ口ナスフラスコに切削マグネシウム (389 mg, 16.0 mmol)、塩化リチウム(339 mg, 8.00 mmol) を入れ不活性ガス雰囲気下でEt
2O (20 mL)を加えた。次いで、DAIBAL-Hのヘキサン溶液(1 M, 100 μL, 0.100 mmol) を滴下し5分間撹拌した。この後4-ブロモ-2,6-ビス(トリフルオロメチル)ピリジン(1.88g, 6.40 mmol) を加え1時間攪拌した。この後、反応1−4−5で合成した(R)-[6,6'-ジメトキシ(1,1'-ビフェニル)-2,2'-ジイル]ホスフォナスジクロライドのTHF溶液 (1 mL) へ約5分かけて滴下し、4時間還流して反応させた。その後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止し、Et
2OとTHFを留去後、残渣を酢酸エチルに溶解させて抽出操作を行い、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、セライト濾過を行い、濃縮・乾固させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/アセトン = 3/1) によって精製することにより、目的化合物を得た(52% yield (反応1−4−5からの2 step))。
1H NMR (400 MHz, acetone-d
6): δ 3.72 (s, 6H), 7.16 - 7.19 (m, 2H), 7.38 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.86 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 7.89 - 7.91 (m, 4H), 8.15 - 8.17 (m, 4H).
13C NMR (100 MHz, acetone-d
6): δ 55.0, 114.2, 120.5 (q,
1J
F-C = 274.5 Hz), 120.8 (q,
1J
F-C = 274.4 Hz), 125.8 - 126.1 (m), 127.0 - 127.2 (m), 131.3, 132.5, 133.6 - 134.2 (m), 146.8 - 148.1 (m), 151.5 - 152.3 (m), 157.5 - 157.7 (m).
19F NMR (376 MHz, acetone-d
6): δ -64.9 (s, 12 F), -64.5 (s, 12F).
31P NMR (162 MHz, acetone-d
6): δ -6.0 (s). IR (KBr) : 3422, 3082, 2949, 2845, 1591, 1570, 1464, 1362, 1283, 1204, 1155, 1126, 1043, 891, 854, 718, 696, 625 cm
-1. Anal. calcd. for C
42H
20F
24N
4O
2P
2: C, 44.62; H, 1.78; N, 4.85.Found: C, 44.66; H, 1.94; N, 4.96. [α]
D16.4 = +33.9° (c 0.93, CHCl
3).。
【0087】
[実施例1−5]
【0088】
【化20】
【0089】
<反応1−5−1>
【0090】
【化21】
50mL シュレンク管に9,9-ジメチルキサンテン (177 mg, 0.808 mmol),テトラメチルエチレンジアミン(0.0.50 mL, 3.2 mmol),Et
2O (11 mL)を加え氷浴で0℃に冷却した後、t-BuLi (1.55 M in petane, 2.1 mL, 3.2 mmol)を滴下した。室温で24時間撹拌後、エタノール浴で-70℃ に冷却して塩化亜鉛のEt
2O(0.66M, 3.1 mL, 2.0 mmol)溶液を滴下した。-70℃で2時間撹拌した後、液体窒素浴に浸けて反応液を凍結させた。凍結した反応液にPCl
3 (4.5 mL, 53 mmol) を滴下し、反応器を-70℃のエタノール浴につけた。エタノール浴を10時間かけて室温に戻しながら反応液を撹拌し、溶媒留去後淡黄色の粗生成物を得た。精製を行わず次の反応に使用した。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ 1.14 (t, J = 7.0 Hz, 6H), 3.10− 3.22 (m, 8H).
31P NMR (121 MHz, CDCl
3): δ 160.2 (s).。
【0091】
<反応1−5−2>
【0092】
【化22】
十分に乾燥させた50 mLの二つ口ナスフラスコに切削マグネシウム (334 mg, 13.7 mmol)、塩化リチウム(290 mg, 6.84 mmol) を入れ不活性ガス雰囲気下でEt
2O (11 mL)を加えた。次いで、DAIBAL-Hのヘキサン溶液(1 M, 85 μL, 0.085 mmol) を滴下し5分間撹拌した。この後4-ブロモ-2,6-ビス(トリフルオロメチル)ピリジン(1.60 g, 5.44 mmol) を加え1時間攪拌した。この後、反応1−5−1で合成した9,9-ジメチルキサンテン-4,5-ジイル-ビスホスホナスジクロリドのTHF溶液(2 mL)を滴下し、17時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水を加えた後、溶媒留去し酢酸エチルで抽出を行った。シリカゲルカラム(hexane/acetone = 3/1)、引き続きアセトン-ヘキサンによる再結晶を行い、白色固体 (69.0 mg, 8%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 1.72 (s, 6H), 6.43 - 6.45 (m, 2H), 7.26 (dd, J = 8.0 Hz, J = 8.0 Hz, 2H), 7.61 - 7.65 (m, 8H), 7.70 (dd, J = 8.0 Hz, J = 1.2 Hz, 2H).
19F NMR (376 MHz, CDCl
3): δ -69.2 (s).
31P NMR (162 MHz, CDCl
3): δ -14.8 (s). IR (KBr): 3074, 2978, 2932, 2872, 1593, 1452, 1412, 1364, 1283, 1246, 1202, 1151, 1126, 999, 897, 854, 791, 745, 718, 696, 623, 532 cm
-1. Anal. calcd. for C
45H
26F
24N
4OP
2: C, 45.84; H, 1.79; N, 4.97. Found: C, 46.03; H, 1.98; N, 5.08.。
【0093】
[実施例2−1]
【0094】
【化23】
25 mLの二つ口フラスコを十分に乾燥させ、(アセチルアセトナト)ジカルボニルロジウム(I) (22.0 mg, 0.0853 mmol) とトリス[2,6-ビス(トリフルオロメチル)-ピリジル]ホスフィン(57.4 mg, 0.0853 mmol) を入れ、不活性ガス雰囲気下でジクロロメタン
(5 mL) を加え1時間撹拌した。反応液を綿に通して固形物を取り除き、溶媒留去を行った。再結晶(ジクロロメタン/へキサン) により、目的化合物を得た(21% yield)。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ 1.70 (s, 3H), 2.20 (s, 3H), 5.63 (s, 1H), 8.05 (d, J = 10.8 Hz, 6H).
19F NMR (282 MHz, CDCl
3): δ -69.1 (s).
31P NMR (121 MHz, CDCl
3): δ 52.6 (d,
1J
Rh-P = 188.0 Hz). IR (CH
2Cl
2): 3071, 2007, 1204, 1162, 1128, 896 cm
-1. Anal. calc. for C
27H
13F
18RhN
3O
3P: C, 35.90; H, 1.45; N, 4.65. Found: C, 36.20; H, 1.66; N, 4.89.。
【0095】
[実施例2−2]
【0096】
【化24】
20 mLのシュレンク管を十分に乾燥させ、 μ-ジクロロテトラカルボニルロジウム(I) (4.30 mg, 0.0111 mmol) とトリス[2,6-ビス(トリフルオロメチル)-ピリジル]ホスフィン(30.0 mg, 0.0446 mmol) を入れ、不活性ガス雰囲気下でジクロロメタン
(1.5 mL) を加え1時間撹拌した。反応液を綿に通して固形物を取り除き、溶媒留去を行った。再結晶(ジクロロメタン/ベンゼン) により、目的化合物を得た(60% yield)。
1H NMR (300 MHz, acetone-d
6): δ 8.70 - 8.82 (m).
19F NMR (282 MHz, acetone-d
6): δ -65.0 (s).
31P NMR (121 MHz, acetone-d
6): δ 39.4 (d,
1J
Rh-P = 139.2 Hz). IR (CH
2Cl
2): 3051, 2951, 2017, 1363, 1281, 1205, 1166, 1129, 895 cm
-1. M.p. = 230℃ (dec.).。
【0097】
<電子求引力の測定>
PAr
3型配位子3(実施例1−1参照)および対照として公知の4種類のフッ素化芳香環(特許文献1参照)またはベンゼン環を有するPAr
3型配位子を用いて、それらの電子求引力を測定した。上記実施例2−2と同様の方法で、各配位子をカルボニル基を有するロジウム錯体と錯形成させそのカルボニルの伸縮振動を調べたところ、3はどの対照の配位子よりも大きな伸縮振動を示した(
図3)。これは、3が極めて高度に電子不足である事を意味している。
【0098】
[実施例2−3]
【0099】
【化25】
20 mLのシュレンク管を十分に乾燥させ、ジクロロ(1,5-シクロオクタジエン)白金(II) (10.5 mg, 0.0281 mmol) とビス[[2,6-ビス(トリフルオロメチル)-ピリジル]ホスフィノ]エタン(26.5 mg, 0.0280 mmol) を入れ、不活性ガス雰囲気下でアセトン
(2 mL) を加え3時間撹拌した。溶媒留去を行った後、再結晶(ジクロロメタン/ヘキサン) により、目的化合物を得た(59% yield)。
1H NMR (300 MHz, acetone-d
6): δ 3.80 - 3.90 (m, 4H), 8.80 - 8.87 (m, 8H).
19F NMR (282 MHz, acetone-d
6) : δ -64.9 (s).
31P NMR (121 MHz, acetone-d
6): δ 49.6 (s w/Pt-satellites,
1J
Pt-P = 3560 Hz). Anal. calc. for C
30H
12Cl
2F
24N
4P
2Pt: C, 29.72; H, 1.00; N, 4.62. Found: C, 29.76; H, 1.15; N, 4.57.。
【0100】
[実施例2−4]
【0101】
【化26】
20 mLのシュレンク管を十分に乾燥させ、 ヘキサカルボニルモリブデン (14.0 mg, 0.0530 mmol) とビス[[2,6-ビス(トリフルオロメチル)-ピリジル]ホスフィノ]エタン(50.2 mg, 0.0530 mmol) を入れ、不活性ガス雰囲気下でトルエン
(0.5 mL) を加え20時間還流を行った。溶媒留去を行った後、再結晶(アセトン/ベンゼン)により、目的化合物を得た(77% yield)。
1H NMR (300 MHz, acetone-d
6): δ 3.58 - 3.76 (m, 4H), 8.51 (d, J = 9.6 Hz, 8H).
19F NMR (282 MHz, acetone-d
6): δ -64.6 (s).
31P NMR (121 MHz, acetone-d
6): δ 72.5 (s). IR (CH
2Cl
2): 3060, 3005, 2040.7, 1936, 1362, 1271, 1206, 1163, 1127, 897 cm
-1. Anal. calc. for C
34H
12F
24MoN
4O
4P
2: C, 35.38; H, 1.05; N, 4.85. Found: C, 35.00; H, 1.26; N, 4.75.。
【0102】
[実施例2−5]
合成スキーム(下記反応2−5−1から2−5−3まで)
【0103】
【化27】
【0104】
<反応2−5−1>
【0105】
【化28】
20 mLのシュレンク管を十分に乾燥させ、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム (91.5 mg, 0.100 mmol) を入れ、不活性ガス雰囲気下でN,N,N′,N′-テトラメチル-1,2-エタンジアミン
(45 μL, 0.30 mmol)、ヨードベンゼン (30 μL, 0.27 mmol)、ベンゼン(1.5 mL) を加え、50℃で3時間撹拌した。セライトろ過を行い、溶媒留去を行った後、再結晶(ジクロロメタン/Et
2O) により、目的化合物を得た(90% yield)。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ 2.34 (s, 6H), 2.55 - 2.77 (m, 10 H), 6.77 - 6.83 (m, 1H), 6.89 - 6.95 (m, 2H), 7.23 - 7.27 (m, 2H).
13C NMR (75 MHz, CDCl
3): δ 49.7, 49.9, 58.2, 62.1, 121.7, 126.5, 136.4, 144.5.。
【0106】
<反応2−5−2>
【0107】
【化29】
20 mLのシュレンク管を十分に乾燥させ、ヨードフェニル(N,N,N′,N′-テトラメチル-1,2-エタンジアミン)パラジウム (80.0 mg, 0.188 mmol) とフッ化セシウム (42.8 mg, 0.282 mmol) を入れ、不活性ガス雰囲気下でトリフルオロメチルトリメチルシラン
(56 μL, 0.38 mmol) とTHF (1 mL) を加え、3時間撹拌した。セライトろ過を行い、溶媒留去を行った後、再結晶(ジクロロメタン/Et
2O) により、目的化合物を得た(67% yield)。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ 2.23 (s, 6H), 2.55 - 2.70 (m, 10 H), 6.90 - 7.00 (m, 3H), 7.46 - 7.49 (m, 2H).
13C NMR (75 MHz, CDCl
3): δ 49.7, 49.9, 58.2, 62.1, 121.7, 126.5, 136.4, 144.5.
19F NMR (282 MHz, CDCl
3): δ -22.6 (s). IR (KBr): 3051, 2975, 2899, 2842, 1566, 1463, 1093, 1061, 1021, 979, 962, 804, 746, 706 cm
-1.。
【0108】
<反応2−5−3>
【0109】
【化30】
20 mLのシュレンク管を十分に乾燥させ、ヨード(N,N,N',N'-テトラメチル-1,2-エタンジアミン)(トリフルオロメチル)パラジウム (19.9 mg, 0.0540 mmol) と硫酸水素カリウム(42.8 mg, 0.282 mmol)、ビス[[2,6-ビス(トリフルオロメチル)-ピリジル]ホスフィノ]エタン (51.1 mg, 0.0540 mmol) を入れ、不活性ガス雰囲気下で THF (1 mL) を加え、40℃で7日間撹拌した。セライトろ過を行い、溶媒留去を行った後、再結晶 (ジクロロメタン/ヘキサン) により、目的化合物を得た(25% yield)。
1H NMR (300 MHz, acetone-d
6): δ 3.77 - 3.95 (m, 2H), 4.03 - 4.21 (m, 2H), 7.20 - 7.33 (m, 3H), 7.57 - 7.62 (m, 2H), 8.66 (d, J = 10.1 Hz, 4H), 9.12 (d, J = 10.1 Hz, 4H).
19F NMR (282 MHz, acetone-d
6): δ -64.5 (s, 12F), -64.4 (s, 12F), -12.2 (dd, J
F-P = 52.1 Hz, J
F-P = 18.4 Hz, 3F).
31P NMR (121 MHz, acetone-d
6): δ 45.4 - 45.7 (m), 49.2 - 50.3 (m).。
【0110】
[実施例2−6]
【0111】
【化31】
20 mLのシュレンク管を十分に乾燥させ、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム (91.5 mg, 0.100 mmol) と1,1'-ビス[ビス[2,6-ビス(トリフルオロメチル)-ピリジル]ホスフィノ]フェロセン (276 mg, 0.250 mmol) を入れ、THF (1.5 mL) を加え、1.5時間撹拌した。セライトろ過を行い、溶媒留去を行った後、再結晶(ジクロロメタン/Et
2O) により、目的化合物を得た(68% yield)。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ 4.30 - 4.33 (m, 2H), 4.60 - 4.62 (m, 2H), 4.94 (s), 5.30 - 5.33 (m, 2H), 6.44 - 6.55 (m, 1H), 6.54 - 6.60 (m, 2H), 6.94 - 6.70 (m, 2H), 8.21 (d, J = 10.5 Hz, 4 H), 8.90 (d, J = 10.5 Hz, 4 H).
19F NMR (282 MHz, CDCl
3): δ -64.9 (s, 12F), -64.8 (s, 12F).
31P NMR (121 MHz, CDCl
3): δ 15.9 (d,
2J
P-P = 35.6 Hz), 30.8(d,
2J
P-P = 35.6 Hz).。
【0112】
[実施例2−7]
【0113】
【化32】
20 mLのシュレンク管を十分に乾燥させ、μ-ジクロロテトラエチレンジロジウム(I) (1.00 mg, 0.00257 mmol) と1,1'-ビス[ビス[2,6-ビス(トリフルオロメチル)-ピリジル]ホスフィノ]フェロセン (5.68 mg, 0.00515 mmol) を入れ、不活性ガス雰囲気下でジクロロメタン
(0.5 mL)を加え、30分間撹拌し、目的化合物を得た。
19F NMR (282 MHz, CH
2Cl
2): δ -70.2 (s).
31P NMR (121 MHz, CH
2Cl
2): δ 53.3 (d,
1J
Rh-P = 202.9 Hz).。
【0114】
[実施例2−8]
【0115】
【化33】
20 mLのシュレンク管を十分に乾燥させ、 μ-ジクロロテトラエチレンジロジウム(I) (1.00 mg, 0.00257 mmol) と(R)-(6,6'-ジメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス[ビス[2,6-ビス(トリフルオロメチル)-ピリジル]ホスフィン] (5.82 mg, 0.00515 mmol)を入れ、不活性ガス雰囲気下でジクロロメタン
(0.5 mL)を加え、30℃で10分間撹拌し、目的化合物を得た。
19F NMR (282 MHz, CH
2Cl
2): δ -70.0 (s, 24F), -69.6 (s, 24F).
31P NMR (121 MHz, CH
2Cl
2): δ 49.1 (d,
1J
Rh-P = 194.0 Hz).。
【0116】
[実施例3−1]スティルカップリング反応
【0117】
【化34】
20mLシュレンク管にトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム (1.5 mg, 1.6 μmol) とトリス[2,6-ビス(トリフルオロメチル)-ピリジル]ホスフィン (6.5 mg, 9.7 μmol) を入れ、不活性ガス雰囲気下でTHF (1 mL) を加えて10分間撹拌した後、ヨードベンゼン(18 μL, 0.16 mmol)、トリブチルビニルスズ (48 μL, 0.16 mmol) を加えて65℃で12時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、酢酸エチルで有機物を抽出した。
1H NMR により変換率を求めた(88% conv.)。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ 5.25 (dd, J = 10.8, 0.9 Hz, 1H), 5.75 (dd, J = 17.4, 0.9 Hz, 1H), 6.72 (dd, J = 17.4, 10.8 Hz, 1H), 7.25 - 7.36 (m, 3H), 7.40 - 7.43 (m, 2H).。
【0118】
<触媒活性の対比>
上記実施例3−1に示したように、PAr
3型配位子(3)を有するパラジウム触媒は上記スティルカップリングにおいて収率88%を示した。この収率は、公知のホスフィン(P(OPh)
3)もしくはアルシン(AsPh
3)配位子を有するパラジウム触媒について報告されている同じ反応における収率、ならびに公知のホスフィン配位子について上記実施例3−1に準じて反応を行ったときの収率に比べて高く、配位子(3)は従来の同型配位子と比べ高い触媒活性を示した(表1)。これは、配位子(3)の著しく強い電子求引力によるものであるが、従来最も電子不足な部類であるP(C
6F
5)
3配位子が立体効果による配位力不足から極めて低い触媒活性しか示さない事を鑑みると、配位子(3)の好成績は電子効果だけではなく、金属との強い配位を意識した設計がうまく生かされている結果である事が明瞭に示されている。
【0119】
【表1】
【0120】
[実施例3−2]イミンの不斉アリール化反応
【0121】
【化35】
20 mLのシュレンク管を十分に乾燥させ、μ-ジクロロテトラエチレンジロジウム(I) (50.5 μg, 0.130 μmol) と(R)-(6,6'-ジメトキシビフェニル-2,2'-ジイル)ビス[ビス[2,6-ビス(トリフルオロメチル)-ピリジル]ホスフィン] (294 μg, 0.260 μmol) を入れ、不活性ガス雰囲気下でジクロロメタン(0.2 mL) を加えて15分間撹拌した後、溶媒留去を行った。次いで4-メトキシベンズアルデヒド トシルイミン (151 mg, 0.520 mmol)、フェニルボロン酸 (63.4 mg, 0.520 mmol)、水酸化カリウム (5.84 mg, 0.104 mmol) を入れ、トルエン (0.5 mL) と水 (0.25 mL) を加えて20℃で1時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、酢酸エチルで有機物を抽出した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 1/1)により精製することで目的化合物を得た(98% yield, (S)-isomer, 98% ee)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 2.38 (s, 3H), 3.75 (s, 3H), 5.01 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 5.52 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 6.73 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.99 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.09 - 7.21 (m, 7H), 7.56 (d, J = 8.0 Hz, 2H). [α]
D26.7 = -19.7° (c 1.0, CHCl
3). HPLC (Daicel Chiralcel OD-H, Hexane/i-PrOH = 70/30, flow rate = 0.7 mL/min); detected at 230 nm; t
R = 11.0 min ((S)-isomer), t
R = 16.9 min ((R)-isomer).。
【0122】
<触媒活性の対比>
不斉配位子(10)を有するロジウム錯体(17)は、上記実施例3−2と同様のイミンの不斉アリール化反応において、わずか0.05%用いただけでも、30℃一時間で反応は終了し98%eeの光学活性アミンが得られた(表2)。これまで、遷移金属触媒を用いる本反応と同様の手法は過去に十数例報告されているが、そのほとんどは3%以上の触媒を必要とし、反応時間も数時間から数十時間必要であった。それに比べ新規ロジウム錯体(17)は極めて少量の触媒量・短時間で光学活性化合物を与える事から、光学活性アミンの有効な効率的合成手法となりうると考えられる。
【0123】
【表2】
【0124】
また、上記実施例3−2と同一の条件下における、特許文献1に記載の公知の不斉ホスフィン配位子と一時間あたりの触媒活性とも対比した(表3)。室温での一時間あたりの回転数が、公知の不斉ホスフィン配位子では最大でも620回転であるのに対し、本発明の不斉ホスフィン配位子(10)は1960回転もする事からその高い活性は明らかであり、極めて電子不足で嵩高くないビストリフルオロメチル-ピリジル基を有するホスフィンの配位子としての優位性は明らかである。
【0125】
【表3】