特許第6011866号(P6011866)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6011866廃棄体埋設用の処分坑道および廃棄体の埋設処分方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6011866
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】廃棄体埋設用の処分坑道および廃棄体の埋設処分方法
(51)【国際特許分類】
   G21F 9/36 20060101AFI20161006BHJP
【FI】
   G21F9/36 541D
   G21F9/36 541E
【請求項の数】5
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-32633(P2013-32633)
(22)【出願日】2013年2月21日
(65)【公開番号】特開2014-163708(P2014-163708A)
(43)【公開日】2014年9月8日
【審査請求日】2015年11月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】石井 卓
【審査官】 藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−011597(JP,A)
【文献】 特開2010−249634(JP,A)
【文献】 特開2006−064625(JP,A)
【文献】 特開2007−105634(JP,A)
【文献】 特開2007−319732(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21F 9/36
G21F 9/34
B09B 1/00−5/00
E21D 11/00
E21D 11/04
JSTPlus(JDreamIII)
JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄体を埋設するための処分坑道であって、
前記廃棄体は、緩衝材一体型の放射性廃棄体、または、坑道内で緩衝材ブロックと共に組み立てられる放射性廃棄体であり、
前記廃棄体を定置するための台座を備え、この台座が坑道延長方向視で坑道底部の左右に間隔を隔てた位置において坑道延長方向に延在しており、かつ、棒状要素を組み合わせてなる骨組構造であることを特徴とする廃棄体埋設用の処分坑道。
【請求項2】
前記台座に、作業用の足場板を取り外し可能に設けたことを特徴とする請求項1に記載の廃棄体埋設用の処分坑道。
【請求項3】
前記台座に、前記坑道内壁と前記廃棄体との間のすき間空間に充てんされる粒状の遮水材料が通過可能な編み目構造またはスリット構造の作業用の足場板を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の廃棄体埋設用の処分坑道。
【請求項4】
前記台座に、前記坑道内壁と前記廃棄体との間のすき間空間を坑道延長方向に走行して前記廃棄体を搬送する搬送装置の走行を案内するためのガイド板を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の廃棄体埋設用の処分坑道。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の廃棄体埋設用の処分坑道内に前記廃棄体を埋設処分する方法であって、
前記坑道内の前記台座上に前記廃棄体を定置した後、前記坑道内壁と前記廃棄体との間のすき間空間に、粒状の遮水材料を充てんすることを特徴とする廃棄体の埋設処分方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄体埋設用の処分坑道および廃棄体の埋設処分方法に関するものであり、特に、放射性廃棄体の周囲が緩衝材で取り囲まれた緩衝材一体型の放射性廃棄体を定置して埋設処分するのに好適な廃棄体埋設用の処分坑道および廃棄体の埋設処分方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高レベル放射性廃棄物の地層処分では、緩衝材と呼ばれるベントナイト系粘土材料で廃棄体周囲を取り囲み、周囲からの地圧を緩衝させるとともに、地下水の浸入を抑制し、廃棄体からの放射性物質の漏えいを抑止することが考えられている(例えば、非特許文献1を参照)。
【0003】
横置き方式の高レベル放射性廃棄物処分施設では、例えば図7に示すような主要坑道1および処分坑道2の坑道配置と廃棄体配置で計画された処分施設において、事前に緩衝材一体型廃棄体3を作成してからそれを処分坑道2内に搬入して定置する方法が考えられている。あるいは、図8に示すように緩衝材ブロック4と廃棄体5を別々に坑内に搬入して、処分坑道2内で緩衝材ブロック4を組み立ててから廃棄体5を挿入して定置する方法が考えられている。
【0004】
図7の緩衝材一体型廃棄体の定置方法においても、また、図8の緩衝材ブロックと廃棄体の定置方法においても、定置のための廃棄体および緩衝材を処分坑道2内に搬送して正しい位置に定置するためには、緩衝材一体型廃棄体3もしくは緩衝材ブロック4と廃棄体5の大きさに対して十分なクリアランスを有する坑道断面が求められる。その結果、図9に示すように、緩衝材一体型廃棄体3(もしくは緩衝材ブロックと廃棄体)と処分坑道2の内壁2aとの間にすき間空間(以下、このすき間空間を「坑道内周すき間」という。)Cの発生は避けることができない。ここで、図9(1)は台座が無い場合、(2)は坑道底部中央に1条の台座6が有る場合、(3)は坑道底部左右に2条の台座7が有る場合の図である。この「坑道内周すき間」Cは次の(1)〜(3)の理由から、吸水膨張性を有する遮水性の良いベントナイト系材料でできるだけ短時間の間に充てんシールする必要がある。
【0005】
(1)坑道内に定置後に「坑道内周すき間」があるため、円筒型の緩衝材一体型廃棄体が転がる動きを抑制できない。
(2)「坑道内周すき間」に空間が残っていると支保工の劣化が生じた場合や地山のせりだし変形が発生した場合に偏圧が作用して廃棄体の健全性を損なう。
(3)「坑道内周すき間」が地下水の通り道になりやすいため、将来、廃棄体から放射性物質が漏出してきた場合に容易に施設外に移動する経路になりやすい。
【0006】
このような課題を解決するための手段として、特許文献1にあるような「坑道内周すき間」にベントナイト系材料で作ったペレットを充てんしておく方法がある。
【0007】
ペレットを実際に使って充てんする技術については非特許文献2で報告されており、図10−1の左側に示すような実規模寸法の坑道内周すき間空間を模擬した型枠内に、直径20mm級ペレットおよび1mm級ペレットを6:4の比率であらかじめ混合したペレット材料(図の右側)を吹き込み充てんすると、図10−2に示すような充てん密度分布で充てんできることが確認されている。なお、図10−2では、すき間高さ(すき間の幅)300mmの場合における2種類のペレット搬送方法(空気圧送式ラウンドフロー、機械式エアロベイヤ)による充てん密度実測値が示してある。
【0008】
坑道内周すき間の幅が50mm以上の空間であり、かつ、空気圧送式ラウンドブローによるペレット搬送方法を適用するならば、充てん密度1.37Mg/m(乾燥密度)以上にペレットを充てんできる可能性が非特許文献2で確認されているので、ペレット充てん法は坑道内周すき間空間を吸水膨張性を有するベントナイトの充てん法として実現可能な方法である。しかし、底部の狭小な坑道内周すき間へのペレット充てんが難しいことが課題であった。
【0009】
ところで、緩衝材と廃棄体を坑道内に搬入して定置する方法については、下記の特許文献2〜4と、出願中の特願2012−4173号、特願2012−123506号、特願2012−198984号に記載の方法が既に提案されている。これらはいずれも坑道内に定置のための台座を設ける方法である。
【0010】
特許文献2に記載の「円筒型遮水層」は、図11−1に示すような複数に分割された緩衝材ブロック4aを別々に坑内に搬入し、坑道の底部に設けられた台座8に順に定置して、図11−2に示すように中空円筒状に組立て、その後、図11−3に示すように廃棄体5を中空部に挿入して、定置する方法である。台座8は坑道延長方向に延在している。
【0011】
特許文献3に記載の「円盤型緩衝材ブロック、円盤型緩衝材ブロックの製造方法及び廃棄体一体型緩衝材の製造方法」は、図12−1に示すようにベントナイト系材料9を用いて鋼殻リング枠10を有する円盤型の緩衝材11、あるいは、中空円盤型の緩衝材12を製作し、図12−2に示すように搬送装置13で坑道2内に1つずつ搬入して、坑道延長方向に延在させた台座7の上において組立て、その後廃棄体5を中空部に挿入して定着する方法である。
【0012】
あるいは、図12−1と同様に円盤型あるいは中空円盤型の鋼殻リング枠を有する緩衝材11、12を製作し、図13−1に示すように事前に緩衝材一体型廃棄体3を組立てておき、その後、図13−2に示すように坑道2内に搬入して、坑道延長方向に延在させた台座7の上に定置する方法である。
【0013】
特許文献4に記載の「廃棄体パッケージの製造方法、円筒形廃棄体パッケージおよび円筒形廃棄体パッケージの埋設施設」は、図14−1に示すようにリング状に分割しないで一体型の緩衝材14をランマRの転圧により構築し、その中空部に廃棄体5を挿入することで事前に緩衝材一体型廃棄体3を組立てておき、その後、図14−2に示すように坑道2内に搬入し、坑道延長方向に延在させた台座15の上に定置する方法である。
【0014】
これら特許文献2〜4の技術では、坑道内に定置のための台座を坑道延長方向に延在させておいて、この台座の上に定置する方法がとられている。
【0015】
また、搬送装置については出願中である特願2012−4173号の「物品の搬送装置および搬送方法、ならびに、坑内搬送トラブル救援装置および救援方法」において、図15に示すような底部中央の台座6の左右に搬送装置16を配置して中間走行面2bの上を走行させて搬送する方法や、図16に示すような底部左右の台座7間に搬送装置17を配置して搬送する方法も提案されている。
【0016】
なお、坑道に緩衝材一体型廃棄体を定置した後には、坑道を埋め戻して処分に移行する。そのためには、坑道内周すき間を遮水性材料で埋め戻す必要がある。このための埋め戻し方法については、出願中である特願2012−123506号の「廃棄体の埋設処分施設および廃棄体の埋設処分方法」、特願2012−198984号の「すき間充てん材への注水方法」でいくつかの技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2007−319732号公報
【特許文献2】特許第4743401号公報
【特許文献3】特許第4780446号公報
【特許文献4】特許第4730602号公報
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】「わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性−地層処分研究開発第2次取りまとめ−総論レポート」、核燃料サイクル開発機構発行、1999年11月
【非特許文献2】戸栗智仁、景山仁志、朝野英一他、「横置き定置方式における緩衝材周辺隙間へのベントナイトペレットの充てん方法に関する研究」、土木学会第63回年次学術講演会概要集 CS05−12、pp.191−192、平成20年9月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
図9に示すような坑道内周すき間Cの形状の例において、図10−1および図10−2に示した実験の結果から、底部に台座を設けておいて、その上に緩衝材ブロックおよび廃棄体もしくは緩衝材一体型廃棄体を定置することが効果的であり、坑道内周すき間の空間をベントナイトペレットのような吸水膨張性粘土を球状に加工したさまざまな粒径のペレットを充てんすることによって、充てん密度が一定値以上となるように充てんが可能である。しかし、図16に示すように台座7が坑道底部の左右に配置される場合には、左右の台座7に挟まれた底部中央のすき間をペレットで連続して充てんすることが難しい。
【0020】
従来の例では、上記の特許文献4にあるように、図17に示すような底部中央すき間を対象にした偏平に成形したベントナイトブロックの挿入充てん法が提案されている。これは、セメント系あるいは粘土系材料からなる充てん材18を、坑道内壁2aと緩衝材一体型廃棄体3との間のすき間に充てんするものである。ここで図17中、廃棄体上側の符号18aは吹き付けた場合の充てん材18を示し、廃棄体下側の符号18bは偏平ブロック状にして挿入した場合の充てん材18を示している。
【0021】
左右の台座の上方のすき間空間の天端部からペレットを落下させて充てんする際に、同時に、左右の台座に挟まれた底部中央のすき間をペレットで充てんできるならば、連続作業となるため効率的で均質なペレット充てんを実現できる。そのための方法はこれまで具体的に明らかにされていなかった。
【0022】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、坑道内周すき間に対する効率的で均質な充てんを実現することが可能な廃棄体埋設用の処分坑道および廃棄体の埋設処分方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る廃棄体埋設用の処分坑道は、廃棄体を埋設するための処分坑道であって、前記廃棄体を定置するための台座を備え、この台座が坑道延長方向視で坑道底部の左右に間隔を隔てた位置において坑道延長方向に延在しており、かつ、棒状要素を組み合わせてなる骨組構造であることを特徴とする。
【0024】
また、本発明に係る他の廃棄体埋設用の処分坑道は、上述した発明において、前記台座に、作業用の足場板を取り外し可能に設けたことを特徴とする。
【0025】
また、本発明に係る他の廃棄体埋設用の処分坑道は、上述した発明において、前記台座に、前記坑道内壁と前記廃棄体との間のすき間空間に充てんされる粒状の遮水材料が通過可能な編み目構造またはスリット構造の作業用の足場板を設けたことを特徴とする。
【0026】
また、本発明に係る他の廃棄体埋設用の処分坑道は、上述した発明において、前記台座に、前記坑道内壁と前記廃棄体との間のすき間空間を坑道延長方向に走行して前記廃棄体を搬送する搬送装置の走行を案内するためのガイド板を設けたことを特徴とする。
【0027】
また、本発明に係る廃棄体の埋設処分方法は、上述した廃棄体埋設用の処分坑道内に廃棄体を埋設処分する方法であって、前記坑道内の前記台座上に廃棄体を定置した後、前記坑道内壁と前記廃棄体との間のすき間空間に、粒状の遮水材料を充てんすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係る廃棄体埋設用の処分坑道によれば、廃棄体を埋設するための処分坑道であって、前記廃棄体を定置するための台座を備え、この台座が坑道延長方向視で坑道底部の左右に間隔を隔てた位置において坑道延長方向に延在しており、かつ、棒状要素を組み合わせてなる骨組構造であるので、廃棄体と坑道内壁との間の坑道内周すき間(すき間空間)を充てんするために、この坑道内周すき間の天端部からペレット(粒状の遮水材料)を落下させた場合に、坑道底部の左右の台座までこぼれ落ちたペレットは台座の骨組構造の内部を通過して左右の台座に挟まれた坑道底部の中央に到達するため、この坑道底部の中央のすき間空間を、台座の上方に存在する坑道内周すき間と同等の充てん密度でペレットを充てんすることができる。また、台座の上方のすき間空間の天端部からペレットを落下させて充てんする際に、左右の台座の上方のすき間空間と、左右の台座に挟まれた底部中央のすき間空間とを同時に充てんすることができる。したがって、坑道内周すき間に対する効率的で均質な充てんを実現することができるという効果を奏する。
【0029】
また、本発明に係る他の廃棄体埋設用の処分坑道によれば、上述した発明において、前記台座に、作業用の足場板を取り外し可能に設けたので、坑道を埋め戻して閉鎖するまでの監視期間においては左右の台座に足場板を装着しておくことで、監視作業員が坑道内を歩いて移動しやすくなる。坑道を埋め戻して閉鎖する際には、左右の台座から足場板を撤去してから、坑道内周すき間の天端部からペレットを落下充てんすることによって、ペレットは左右の台座の骨組構造を通過して底部中央にこぼれ落ちるため、この底部中央の坑道内周すき間と、左右の台座の上方に存在する坑道内周すき間とをペレットにより同等の充てん密度で充てんすることができるという効果を奏する。
【0030】
また、本発明に係る他の廃棄体埋設用の処分坑道によれば、上述した発明において、前記台座に、前記坑道内壁と前記廃棄体との間のすき間空間に充てんされる粒状の遮水材料が通過可能な編み目構造またはスリット構造の作業用の足場板を設けたので、坑道を埋め戻して閉鎖するまでの監視期間においては監視作業員が坑道内を歩いて移動しやすくなる。坑道を埋め戻して閉鎖する際には、坑道内周すき間の天端部からペレットを落下充てんすることによって、ペレットは編み目構造またはスリット構造の足場板を通過し、さらに左右の台座の骨組構造を通過して底部中央にこぼれ落ちるため、この底部中央の坑道内周すき間と、左右の台座の上方に存在する坑道内周すき間とをペレットにより同等の充てん密度で充てんすることができるという効果を奏する。
【0031】
また、本発明に係る他の廃棄体埋設用の処分坑道によれば、上述した発明において、前記台座に、前記坑道内壁と前記廃棄体との間のすき間空間を坑道延長方向に走行して前記廃棄体を搬送する搬送装置の走行を案内するためのガイド板を設けたので、坑道内周すき間(すき間空間)を充てんするために、この坑道内周すき間の天端部からペレット(粒状の遮水材料)を落下させると、坑道内周すき間を落下するペレットは、一旦はガイド板にせき止められるが、斜面状に堆積してゆき、やがてガイド板を乗り越えて底部中央の坑道内周すき間にこぼれるため、この底部中央の坑道内周すき間と、左右の台座の上方に存在する坑道内周すき間とをペレットにより同等の充てん密度で充てんすることができるという効果を奏する。
【0032】
また、本発明に係る廃棄体の埋設処分方法によれば、上述した廃棄体埋設用の処分坑道内に廃棄体を埋設処分する方法であって、前記坑道内の前記台座上に廃棄体を定置した後、前記坑道内壁と前記廃棄体との間のすき間空間に、粒状の遮水材料を充てんするので、すき間空間(坑道内周すき間)の天端部からペレット(粒状の遮水材料)を落下させた場合に、坑道底部の左右の台座までこぼれ落ちたペレットは台座の骨組構造の内部を通過して左右の台座に挟まれた坑道底部の中央に到達するため、この坑道底部の中央のすき間空間を、台座の上方に存在する坑道内周すき間と同等の充てん密度でペレットを充てんすることができる。また、台座の上方のすき間空間の天端部からペレットを落下させて充てんする際に、左右の台座の上方のすき間空間と、左右の台座に挟まれた底部中央のすき間空間とを同時に充てんすることができる。したがって、坑道内周すき間に対する効率的で均質な充てんを実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、本発明に係る廃棄体埋設用の処分坑道および廃棄体の埋設処分方法の実施例1を示す概略部分斜視図である。
図2図2は、本発明に係る廃棄体埋設用の処分坑道および廃棄体の埋設処分方法の実施例2を示す概略部分斜視図である。
図3図3は、本発明に係る廃棄体埋設用の処分坑道および廃棄体の埋設処分方法の実施例3を示す概略部分斜視図である。
図4図4は、本発明に係る廃棄体埋設用の処分坑道および廃棄体の埋設処分方法の実施例4を横断面図で示す概略図であり、(1)はペレット充てん開始直後の図、(2)はペレット充てん時の前半の図、(3)は坑道内周の底部すき間の充てんが終了した状態の図である。
図5図5は、ペレットを斜面状にこぼれ落ちさせる実験を示す写真図である。
図6-1】図6−1は、編み目板に対するペレットの通過実験を示す写真図である。
図6-2】図6−2は、編み目間隔22.4mmの板に対する通過実験の写真図である。
図6-3】図6−3は、編み目間隔26.5mmの板に対する通過実験の写真図である。
図6-4】図6−4は、4層に分けて大小2粒径ペレットを交互に充てんした場合の写真図である。
図7図7は、従来の横置き方式高レベル放射性廃棄物処分施設における緩衝材一体型廃棄体の搬送定置例を示す図である。
図8図8は、従来の横置き方式高レベル放射性廃棄物処分施設における緩衝材ブロックと廃棄体の搬送定置例を示す図である。
図9図9は、緩衝材一体型廃棄体と坑道内壁との間の坑道内周すき間空間の例を示す横断面図であり、(1)は台座が無い場合、(2)は底部中央に1条の台座が有る場合、(3)は底部左右に2条の台座が有る場合の図である。
図10-1】図10−1は、実物大の坑道内周すき間空間を模擬した型枠にベントナイトペレットを充てんした実験例を示す図であり、左側は模擬型枠の外観図、右側はペレットの充てん表面の図である。
図10-2】図10−2は、坑道内周すき間空間へのベントナイトペレット充てん密度の実験結果を示す図である。
図11-1】図11−1は、従来の緩衝材と廃棄体を坑道内に搬入して定置する方法の一例を示す横断面図である。
図11-2】図11−2は、従来の緩衝材と廃棄体を坑道内に搬入して定置する方法の一例を示す縦断面図である。
図11-3】図11−3は、従来の緩衝材と廃棄体を坑道内に搬入して定置する方法の一例を示す縦断面図である。
図12-1】図12−1は、従来の円盤型あるいは中空円盤型の緩衝材の製作工程の一例を示す図であり、(1)は円盤型の緩衝材の製作工程図、(2)は中空円盤型の緩衝材の製作工程図、(3)は円盤型の緩衝材の横断面図、(4)は中空円盤型の緩衝材の横断面図である。
図12-2】図12−2は、図12−1の工程で製作した緩衝材および廃棄体を坑道内に搬入して定置する方法の概略図であり、(1)は縦断面図、(2)は横断面図である。
図13-1】図13−1は、従来の緩衝材一体型廃棄体の製作工程の一例を示す図である。
図13-2】図13−2は、図13−1の工程で製作した緩衝材一体型廃棄体を坑道内に搬入して定置する方法の概略図であり、(1)は横断面図、(2)は縦断面図である。
図14-1】図14−1は、従来の一体型の緩衝材を転圧により構築する場合の一例を示す工程図であり、(1)は中空部形成時の前半の図、(2)は中空部形成時の後半の図、(3)は中空部に廃棄体を挿入した直後の図、(4)は(3)の後の図である。
図14-2】図14−2は、図14−1の工程で製作した緩衝材一体型廃棄体を坑道内に搬入して定置する方法の概略図であり、(1)は横断面図、(2)は搬入時の縦断面図、(3)は搬入直後の縦断面図である。
図15図15は、従来の搬送用台座型ガイドレールと搬送装置の走行位置(中央台座方式)を示す図である。
図16図16は、従来の搬送用台座型ガイドレールと搬送装置の走行位置(左右台座方式)を示す図である。
図17図17は、従来の坑道内周すき間に対する充てん方法の一例を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下に、本発明に係る廃棄体埋設用の処分坑道および廃棄体の埋設処分方法の実施の形態(実施例1〜4)を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【0035】
[実施例1]
図1に示すように、本発明に係る実施例1の廃棄体埋設用の処分坑道100は、放射性廃棄体20を埋設するための横坑型の処分坑道であって、廃棄体20を定置するための台座22を備え、この台座22が坑道延長方向視で坑道底部24の左右に間隔を隔てた位置においてそれぞれ坑道延長方向に延在しており、かつ、棒状要素26を組み合わせてなる骨組構造である。
【0036】
また、本発明に係る実施例1の廃棄体の埋設処分方法は、上述した廃棄体埋設用の処分坑道100内に廃棄体20を埋設処分する方法であって、台座22上に廃棄体20を定置した後、坑道内壁28と廃棄体20との間の坑道内周すき間C(すき間空間)に、ベントナイト系材料からなる粒状のペレット(粒状の遮水材料)を充てんするものである。
【0037】
ここで、放射性廃棄体20は、事前に製作された緩衝材一体型の放射性廃棄体であってもよいし、緩衝材ブロックと廃棄体とにより坑道内で組み立てられる放射性廃棄体であってもよい。
【0038】
図5はペレットを斜面状にこぼれ落ちさせる実験を示したものである。ペレットが落下して徐々に堆積していく状況が時間経過に沿う各段階(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)で示されている。図5に示すように、上方が開口した透明角型容器の右上方の同一点からペレットを落下させると容器内に斜面を形成しながら堆積していく。各段階(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)のいずれにおいても、斜面の傾斜角度はほぼ同じ30度の安息角を呈していることが判る。
【0039】
上記構成の動作および作用について説明する。
廃棄体20と坑道内壁28との間の坑道内周すき間C(すき間空間)を充てんするために、この坑道内周すき間Cの天端部30から図示しないベントナイト系材料からなる粒状のペレット(粒状の遮水材料)を落下させた場合に、坑道底部24の左右の台座22までこぼれ落ちたペレットは台座22の骨組構造の内部を通過して左右の台座22に挟まれた坑道底部24の中央に到達する。したがって、この坑道底部24の中央のすき間C1を、台座22の上方に存在する坑道内周すき間C0と同等の充てん密度でペレットを充てんすることができる。
【0040】
また、台座22の上方のすき間C0の天端部30からペレットを落下させて充てんする際に、左右の台座22の上方のすき間C0と、左右の台座22に挟まれた底部24中央のすき間C1とを同時に充てんすることができる。したがって、本実施例1によれば、坑道内周すき間Cに対する効率的で均質な充てんを実現することができる。
【0041】
[実施例2]
図2に示すように、本発明に係る実施例2の廃棄体埋設用の処分坑道200は、上述した実施例1において、左右の台座に、作業用の足場板32を取り外し可能に設けたものである。足場板32は矩形の平板状であり、台座上の坑道内周すき間Cにおいて坑道延長方向に複数枚並設される。
【0042】
ここで、図2の例においては、上記の実施例1の台座22の代わりに、坑道延長方向に所定間隔で設けた鉛直柱状の基台34aと、足場板用の水平枠部34bとからなる台座34を採用した場合について示してあるが、上記の実施例1の台座22に対して図2の水平枠部34bを所定間隔で取り付け、作業用の足場板32を取り外し可能に設けてももちろん構わない。
【0043】
また、本発明に係る実施例2の廃棄体の埋設処分方法は、上述した廃棄体埋設用の処分坑道200内に廃棄体20を埋設処分する方法であって、台座34上に廃棄体20を定置した後、坑道内壁28と廃棄体20との間の坑道内周すき間Cに、ベントナイト系材料からなる粒状のペレット(粒状の遮水材料)を充てんするものである。
【0044】
上記構成の動作および作用について説明する。
坑道を埋め戻して閉鎖するまでの監視期間においては左右の台座34に足場板32を装着しておくことで、監視作業員Pが坑道内を歩いて移動しやすくなる。坑道を埋め戻して閉鎖する際には、左右の台座34から足場板32を撤去してから、坑道内周すき間Cの天端部30から図示しないペレットを落下充てんすることによって、ペレットは左右の台座34の骨組構造を通過して底部24中央にこぼれ落ちるため、この底部24中央の坑道内周すき間C1と、左右の台座34の上方に存在する坑道内周すき間C0とをペレットにより同等の充てん密度で充てんすることができる。
【0045】
また、台座34の上方のすき間C0の天端部30からペレットを落下させて充てんする際に、左右の台座34の上方のすき間C0と、左右の台座34に挟まれた底部24中央のすき間C1とを同時に充てんすることができる。したがって、本実施例2によれば、坑道内周すき間Cに対する効率的で均質な充てんを実現することができる。
【0046】
[実施例3]
図3に示すように、本発明に係る実施例3の廃棄体埋設用の処分坑道300は、上述した実施例1において、左右の台座に、ベントナイト系材料からなる粒状のペレット(粒状の遮水材料)の粒径よりも大きなサイズのものが通過可能な編み目構造またはスリット構造の作業用の足場板36を設けたものである。あるいは、上述した実施例2の足場板32を取り外し可能な構造にする代わりに、ペレットが通過可能な編み目構造またはスリット構造にしたものということができる。
【0047】
図3の例においては、台座として上記の実施例2の台座34を採用した場合について示してあるが、上記の実施例1の台座22に対して図2の水平枠部34bを所定間隔で取り付け、編み目構造またはスリット構造の足場板36を設けてももちろん構わない。
【0048】
図6−1〜図6−4の写真は、編み目構造の足場板36を模擬した編み目板に対するペレットの通過実験を示したものである。図6−1のような手順で、内径100mm、高さ127mmの透明円筒型容器に対して、ペレットの最大粒径が22.4mm以下のペレット材と1mm級ペレットの2種類を各4層に分けて交互に落下させ、図6−2のように編み目間隔が22.4mmの板を通過させた場合および図6−3のように編み目間隔が26.5mmの板を通過させた場合の円筒型容器の充てん密度を測定した。充てん密度は前者の条件では1.5181Mg/m、後者の条件では1.5204Mg/mとなった。このように、充てん密度はどちらも同等であったが、前者の場合には図6−2に示すように編み目板を通過できなかった大粒が発生したことから、足場板における編み目構造の編み目間隔はペレットの最大粒径よりも大きいことが必要である。
【0049】
同じ円筒型容器に同じ粒径の大小2粒径ペレットを図6−4のように4層に分けて交互に落下充てんさせた場合の充てん密度が1.5335Mg/mであったことと比較すると、編み目間隔が26.5mmの板を通過させた場合の充てん密度1.5204Mg/mは、99.1%の充てん密度を達成できていることが判る。すなわち、本実施例3における編み目構造の足場板の構造はペレット充てんに適している。
【0050】
また、本発明に係る実施例3の廃棄体の埋設処分方法は、上述した廃棄体埋設用の処分坑道300内に廃棄体20を埋設処分する方法であって、台座34上に廃棄体20を定置した後、坑道内壁28と廃棄体20との間の坑道内周すき間Cに、ペレットを充てんするものである。
【0051】
上記構成の動作および作用について説明する。
坑道を埋め戻して閉鎖するまでの監視期間においては監視作業員Pが坑道内を歩いて移動しやすくなる。坑道を埋め戻して閉鎖する際には、坑道内周すき間Cの天端部30からペレットを落下充てんすることによって、ペレットは編み目構造またはスリット構造の足場板36を通過し、さらに左右の台座34の骨組構造を通過して底部24中央にこぼれ落ちるため、この底部24中央の坑道内周すき間C1と、左右の台座34の上方に存在する坑道内周すき間C0とをペレットにより同等の充てん密度で充てんすることができる。
【0052】
また、台座34の上方のすき間C0の天端部30からペレットを落下させて充てんする際に、左右の台座34の上方のすき間C0と、左右の台座34に挟まれた底部24中央のすき間C1とを同時に充てんすることができる。したがって、本実施例3によれば、坑道内周すき間Cに対する効率的で均質な充てんを実現することができる。
【0053】
なお、上記の実施の形態において、編み目構造またはスリット構造の足場板36自体が台座に取り外し可能な構造であってもよい。また、左右の台座の一方に対して編み目構造またはスリット構造の足場板36を設け、他方に対して上記の実施例2の取り外し可能な足場板32を設けた構成を採用してもよい。
【0054】
[実施例4]
図4(1)に示すように、本発明に係る実施例4の廃棄体埋設用の処分坑道400は、上述した実施例1(または実施例2もしくは3)において、左右の台座22の各内側に坑道延長方向に延在するガイド板38を設けたものである。このガイド板38は、底部24中央の坑道内周すき間C1を坑道延長方向に走行して廃棄体20を搬送する搬送装置(不図示)の走行を案内するためのものであり、より具体的には左右の台座22の互いに対向する側の下部に沿って設けてある。なお、このようにする代わりに、ガイド板38を左右の台座22の各外側に設け、台座のやや上方の坑道内周すき間C0を坑道延長方向に走行して廃棄体20を搬送する搬送装置(不図示)の走行を案内するように構成してもよい。
【0055】
また、本発明に係る実施例4の廃棄体の埋設処分方法は、上述した廃棄体埋設用の処分坑道400内に廃棄体20を埋設処分する方法であって、台座22上に廃棄体20を定置した後、坑道内壁28と廃棄体20との間の坑道内周すき間Cに、ペレットを充てんするものである。
【0056】
上記構成の動作および作用について説明する。
図4(1)に示すように、廃棄体20と坑道内壁28との間の坑道内周すき間Cを充てんするために、この坑道内周すき間Cの天端部30からペレットを落下させると、坑道内周すき間Cを落下するペレットは、骨組構造の台座22を通過した後、一旦は坑道延長方向に延在するガイド板38にせき止められて斜面状に堆積するが、ペレットの落下供給を継続すると、図4(2)に示すように、ペレットはやがてガイド板38を乗り越えて底部24中央の坑道内周すき間C1にこぼれて堆積する。したがって、図4(3)に示すように、この底部24中央の坑道内周すき間C1と、左右の台座22の上方に存在する坑道内周すき間C0とをペレットにより同等の充てん密度で充てんすることができる。
【0057】
このように、骨格構造の台座22に搬送装置の走行用ガイドレールとしての機能を持たせるために、坑道延長方向に延在するガイド板38を設けた場合でも、このガイド板38はペレット充てんの障壁とはならない。
【0058】
また、台座22の上方のすき間C0の天端部30からペレットを落下させて充てんする際に、左右の台座22の上方のすき間C0と、左右の台座22に挟まれた底部24中央のすき間C1とを同時に充てんすることができる。したがって、本実施例4によれば、坑道内周すき間Cに対する効率的で均質な充てんを実現することができる。
【0059】
以上説明したように、本発明に係る廃棄体埋設用の処分坑道によれば、廃棄体を埋設するための処分坑道であって、前記廃棄体を定置するための台座を備え、この台座が坑道延長方向視で坑道底部の左右に間隔を隔てた位置において坑道延長方向に延在しており、かつ、棒状要素を組み合わせてなる骨組構造であるので、廃棄体と坑道内壁との間の坑道内周すき間(すき間空間)を充てんするために、この坑道内周すき間の天端部からペレット(粒状の遮水材料)を落下させた場合に、坑道底部の左右の台座までこぼれ落ちたペレットは台座の骨組構造の内部を通過して左右の台座に挟まれた坑道底部の中央に到達するため、この坑道底部の中央のすき間空間を、台座の上方に存在する坑道内周すき間と同等の充てん密度でペレットを充てんすることができる。また、台座の上方のすき間空間の天端部からペレットを落下させて充てんする際に、左右の台座の上方のすき間空間と、左右の台座に挟まれた底部中央のすき間空間とを同時に充てんすることができる。したがって、坑道内周すき間に対する効率的で均質な充てんを実現することができる。
【0060】
また、本発明に係る他の廃棄体埋設用の処分坑道によれば、上述した発明において、前記台座に、作業用の足場板を取り外し可能に設けたので、坑道を埋め戻して閉鎖するまでの監視期間においては左右の台座に足場板を装着しておくことで、監視作業員が坑道内を歩いて移動しやすくなる。坑道を埋め戻して閉鎖する際には、左右の台座から足場板を撤去してから、坑道内周すき間の天端部からペレットを落下充てんすることによって、ペレットは左右の台座の骨組構造を通過して底部中央にこぼれ落ちるため、この底部中央の坑道内周すき間と、左右の台座の上方に存在する坑道内周すき間とをペレットにより同等の充てん密度で充てんすることができる。
【0061】
また、本発明に係る他の廃棄体埋設用の処分坑道によれば、上述した発明において、前記台座に、前記坑道内壁と前記廃棄体との間のすき間空間に充てんされる粒状の遮水材料が通過可能な編み目構造またはスリット構造の作業用の足場板を設けたので、坑道を埋め戻して閉鎖するまでの監視期間においては監視作業員が坑道内を歩いて移動しやすくなる。坑道を埋め戻して閉鎖する際には、坑道内周すき間の天端部からペレットを落下充てんすることによって、ペレットは編み目構造またはスリット構造の足場板を通過し、さらに左右の台座の骨組構造を通過して底部中央にこぼれ落ちるため、この底部中央の坑道内周すき間と、左右の台座の上方に存在する坑道内周すき間とをペレットにより同等の充てん密度で充てんすることができる。
【0062】
また、本発明に係る他の廃棄体埋設用の処分坑道によれば、上述した発明において、前記台座に、前記坑道内壁と前記廃棄体との間のすき間空間を坑道延長方向に走行して前記廃棄体を搬送する搬送装置の走行を案内するためのガイド板を設けたので、坑道内周すき間(すき間空間)を充てんするために、この坑道内周すき間の天端部からペレット(粒状の遮水材料)を落下させると、坑道内周すき間を落下するペレットは、一旦はガイド板にせき止められるが、斜面状に堆積してゆき、やがてガイド板を乗り越えて底部中央の坑道内周すき間にこぼれるため、この底部中央の坑道内周すき間と、左右の台座の上方に存在する坑道内周すき間とをペレットにより同等の充てん密度で充てんすることができる。
【0063】
また、本発明に係る廃棄体の埋設処分方法によれば、上述した廃棄体埋設用の処分坑道内に廃棄体を埋設処分する方法であって、前記坑道内の前記台座上に廃棄体を定置した後、前記坑道内壁と前記廃棄体との間のすき間空間に、粒状の遮水材料を充てんするので、すき間空間(坑道内周すき間)の天端部からペレット(粒状の遮水材料)を落下させた場合に、坑道底部の左右の台座までこぼれ落ちたペレットは台座の骨組構造の内部を通過して左右の台座に挟まれた坑道底部の中央に到達するため、この坑道底部の中央のすき間空間を、台座の上方に存在する坑道内周すき間と同等の充てん密度でペレットを充てんすることができる。また、台座の上方のすき間空間の天端部からペレットを落下させて充てんする際に、左右の台座の上方のすき間空間と、左右の台座に挟まれた底部中央のすき間空間とを同時に充てんすることができる。したがって、坑道内周すき間に対する効率的で均質な充てんを実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
以上のように、本発明に係る廃棄体埋設用の処分坑道および廃棄体の埋設処分方法は、放射性廃棄体の周囲が緩衝材で取り囲まれた緩衝材一体型の放射性廃棄体を定置して埋設処分するのに有用であり、特に、坑道底部の左右に間隔を隔てた位置において坑道延長方向に延在する台座上に廃棄体を定置した後、坑道内壁と廃棄体との間のすき間空間に、粒状の遮水材料を充てんするのに適している。
【符号の説明】
【0065】
20 放射性廃棄体(廃棄体)
22,34 台座
24 坑道底部
26 棒状要素
28 坑道内壁
30 天端部
32,36 足場板
38 ガイド板
C 坑道内周すき間(すき間空間)
C1 坑道底部中央の坑道内周すき間(すき間空間)
C0 台座の上方に存在する坑道内周すき間(すき間空間)
100 廃棄体埋設用の処分坑道(実施例1)
200 廃棄体埋設用の処分坑道(実施例2)
300 廃棄体埋設用の処分坑道(実施例3)
400 廃棄体埋設用の処分坑道(実施例4)
図1
図2
図3
図4
図7
図8
図9
図10-2】
図11-1】
図11-2】
図11-3】
図12-1】
図12-2】
図13-1】
図13-2】
図14-1】
図14-2】
図15
図16
図17
図5
図6-1】
図6-2】
図6-3】
図6-4】
図10-1】