特許第6011899号(P6011899)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6011899
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】広告制御装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20161011BHJP
【FI】
   G06Q30/02 332
   G06Q30/02 446
【請求項の数】8
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2016-80378(P2016-80378)
(22)【出願日】2016年4月13日
【審査請求日】2016年5月23日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100080953
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 克郎
(72)【発明者】
【氏名】金子 崇久
(72)【発明者】
【氏名】吉田 繁治
(72)【発明者】
【氏名】久下 臣
(72)【発明者】
【氏名】片桐 誠自
(72)【発明者】
【氏名】山口 乃絵
(72)【発明者】
【氏名】松木 大輔
【審査官】 田付 徳雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−196044(JP,A)
【文献】 特開2011−065201(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/002342(WO,A1)
【文献】 特許第5506072(JP,B2)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0278185(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電子商品が提供される端末装置と通信可能な広告制御装置であって、
前記複数の電子商品毎の可変パラメータ、前記複数の電子商品毎の前記可変パラメータに関する閾値及び前記複数の電子商品毎の広告情報を記憶する記憶手段と、
各可変パラメータに基づいて各広告情報の中から何れか1つの第1電子商品の広告情報を選択する選択手段と、
前記選択された広告情報を前記複数の電子商品のうち前記第1電子商品を除く何れか1つの第2電子商品に関連付けて前記端末装置へ送信する送信手段と、
前記第2電子商品に関する動作を実行した前記端末装置において前記広告情報が利用されたことを示す利用情報を受信する受信手段と、
前記受信手段で前記利用情報が受信された場合に、前記端末装置のユーザを前記第2電子商品が前記第1電子商品に送客したと判定し、前記第2電子商品の可変パラメータ及び前記第1電子商品の可変パラメータを更新するパラメータ更新手段と、
前記複数の電子商品のうち何れか1つの電子商品の可変パラメータが、対応する閾値に関する条件を満たす場合に、前記条件を満たす電子商品の広告情報を前記選択手段により選択される広告情報から除外することで前記条件を満たす電子商品の広告を停止する広告停止手段と、
所定期間ごとに前記第2電子商品が送客した規模を示す送客規模を算出し、前記送客規模に応じて前記第2電子商品の閾値を変更する閾値変更手段と、
を備え、
前記記憶手段は、前記複数の電子商品のうち1又は複数の電子商品から構成されるグループのグループ情報を更に記憶し、
前記パラメータ更新手段は、前記複数の電子商品のうち何れか1つの電子商品の提供が終了した場合に、前記提供が終了した電子商品のグループを特定し、前記提供が終了した電子商品の可変パラメータに基づき前記特定したグループ内の1又は複数の電子商品の可変パラメータを更新する、
広告制御装置。
【請求項2】
前記パラメータ更新手段は、前記複数の電子商品のうち何れか1つの電子商品が所定の条件を満たす場合に、前記所定の条件を満たす電子商品のグループを特定し、前記特定したグループ内の1又は複数の電子商品の可変パラメータに基づき、前記閾値の絶対値未満である可変パラメータの基準値に近づくように前記所定の条件を満たす電子商品の可変パラメータを更新する、
請求項1に記載の広告制御装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記複数の電子商品のうち2以上の電子商品に紐づけられた共通パラメータを更に記憶し、
前記パラメータ更新手段は、前記受信手段で前記利用情報が受信された場合に、前記共通パラメータを更新し、且つ、前記複数の電子商品のうち何れか1つの電子商品が所定の条件を満たす場合に、前記共通パラメータに基づき、前記閾値の絶対値未満である可変パラメータの基準値に近づくように前記所定の条件を満たす電子商品の可変パラメータを更新する、
請求項に記載の広告制御装置。
【請求項4】
前記所定の条件は、前記複数の電子商品のうち何れか1つの電子商品の広告が停止されている期間が所定期間を超えているという条件を含む、
請求項又はに記載の広告制御装置。
【請求項5】
前記所定の条件は、前記複数の電子商品のうち何れか1つの電子商品の広告が停止されている期間が所定期間を超えており、且つ、前記特定したグループ内の1又は複数の電子商品の広告が停止されていないという条件を含む、
請求項に記載の広告制御装置。
【請求項6】
前記所定の条件は、前記複数の電子商品のうち何れか1つの電子商品の提供が終了したという条件を含む、
請求項乃至5の何れか1項に記載の広告制御装置。
【請求項7】
前記広告停止手段は、更に、前記複数の電子商品のうち何れか1つの電子商品の提供が終了する予定日時の所定期間前から実際に提供が終了する間、前記終了する予定の電子商品の広告情報を前記選択手段により選択される広告情報から除外することで前記終了する予定の電子商品の広告を停止する、
請求項1乃至6の何れか1項に記載の広告制御装置。
【請求項8】
複数の電子商品が提供される端末装置と通信可能なコンピュータを、
前記複数の電子商品毎の可変パラメータ、前記複数の電子商品毎の前記可変パラメータに関する閾値及び前記複数の電子商品毎の広告情報を記憶する記憶手段、
各可変パラメータに基づいて各広告情報の中から何れか1つの第1電子商品の広告情報を選択する選択手段、
前記選択された広告情報を前記複数の電子商品のうち前記第1電子商品を除く何れか1つの第2電子商品に関連付けて前記端末装置へ送信する送信手段、
前記第2電子商品に関する動作を実行した前記端末装置において前記広告情報が利用されたことを示す利用情報を受信する受信手段、
前記受信手段で前記利用情報が受信された場合に、前記端末装置のユーザを前記第2電子商品が前記第1電子商品に送客したと判定し、前記第2電子商品の可変パラメータ及び前記第1電子商品の可変パラメータを更新するパラメータ更新手段、
前記複数の電子商品のうち何れか1つの電子商品の可変パラメータが、対応する閾値に関する条件を満たす場合に、前記条件を満たす電子商品の広告情報を前記選択手段により選択される広告情報から除外することで前記条件を満たす電子商品の広告を停止する広告停止手段、及び、
所定期間ごとに前記第2電子商品が送客した規模を示す送客規模を算出し、前記送客規模に応じて前記第2電子商品の閾値を変更する閾値変更手段、
として機能させ、
前記記憶手段において、前記複数の電子商品のうち1又は複数の電子商品から構成されるグループのグループ情報を更に記憶し、
前記パラメータ更新手段において、前記複数の電子商品のうち何れか1つの電子商品の提供が終了した場合に、前記提供が終了した電子商品のグループを特定し、前記提供が終了した電子商品の可変パラメータに基づき前記特定したグループ内の1又は複数の電子商品の可変パラメータを更新する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告制御装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の電子商品(例えばアプリケーション)のうち何れか1つの電子商品に関する動作が端末装置において実行された場合に、他の電子商品に関する広告情報を広告制御装置から端末装置に送信するサービスが知られている。このようなサービスでは、広告情報を通じて端末装置のユーザを或る電子商品(第2電子商品)から他の電子商品(第1電子商品)に誘導することを可能としている。なお、この誘導は、第2電子商品側では1人のユーザを送客したと捉えることができ、第1電子商品側では1人のユーザを集客したと捉えることができる。
【0003】
これに関し、特許文献1には、各電子商品にポイントを対応付けて管理し、上記誘導した場合に、第2電子商品がポイントを獲得する一方で第1電子商品がポイントを消費する技術が開示されている。この技術では、何れかの電子商品のポイントが閾値に達して予め定められた数の集客(集客規模)を示す場合に、それ以上の集客(過集客)を抑えるために当該何れかの電子商品の広告を停止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5445606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記の技術において電子商品間のユーザの循環(回遊)を促進するためには、電子商品の送客規模と集客規模のバランスを取ることが望まれる。しかしながら、上記の技術では、例えば人気の低い電子商品は、自身の送客能力が低くなり易く、自身の送客能力を超えた数のユーザを集客する場合がある。この場合、人気の低い電子商品のポイントが閾値に達して当該電子商品の広告が停止され、その後において当該電子商品が送客のみをしても、その送客規模が広告停止前までの集客規模に追いつくのに時間を要するか、或いは追いつくことが困難であるので、送客規模と集客規模のバランスを取ることができない。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電子商品の送客規模と集客規模のバランスを取ることができる広告制御装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る広告制御装置は、
複数の電子商品が提供される端末装置と通信可能な広告制御装置であって、
前記複数の電子商品毎の可変パラメータ、前記複数の電子商品毎の前記可変パラメータに関する閾値及び前記複数の電子商品毎の広告情報を記憶する記憶手段と、
各可変パラメータに基づいて各広告情報の中から何れか1つの第1電子商品の広告情報を選択する選択手段と、
前記選択された広告情報を前記複数の電子商品のうち前記第1電子商品を除く何れか1つの第2電子商品に関連付けて前記端末装置へ送信する送信手段と、
前記第2電子商品に関する動作を実行した前記端末装置において前記広告情報が利用されたことを示す利用情報を受信する受信手段と、
前記受信手段で前記利用情報が受信された場合に、前記端末装置のユーザを前記第2電子商品が前記第1電子商品に送客したと判定し、前記第2電子商品の可変パラメータ及び前記第1電子商品の可変パラメータを更新するパラメータ更新手段と、
前記複数の電子商品のうち何れか1つの電子商品の可変パラメータが、対応する閾値に関する条件を満たす場合に、前記条件を満たす電子商品の広告情報を前記選択手段により選択される広告情報から除外することで前記条件を満たす電子商品の広告を停止する広告停止手段と、
所定期間において前記第2電子商品が送客した規模を示す送客規模を算出し、前記送客規模に応じて前記第2電子商品の閾値を変更する閾値変更手段と、
を備える。
【0008】
この構成によれば、閾値変更手段が、第2電子商品の所定期間の送客規模に応じて当該第2電子商品自身の閾値を変更するので、自身の送客規模(言い換えれば送客能力)を超えた集客規模のユーザを集客する前に、広告停止手段が、その広告を停止してユーザの集客を止めることができる。すなわち、電子商品が自身の送客能力を超えた規模のユーザを集客することを抑制できる。このように送客能力を超えた規模のユーザを集客することを抑制できれば、その後において集客が止められた電子商品が自身の送客能力の範囲で送客をすることで、集客を止める前までの集客規模に送客規模を追いつかせることができ、電子商品の送客規模と集客規模のバランスを取ることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電子商品の送客規模と集客規模のバランスを取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る広告制御装置(広告制御サーバ)が組み込まれた広告提供システムの構成例を示す図である。
図2】本発明の実施形態において電子商品の一例である4つのアプリケーション間で送客/集客が行なわれる様子を例示する図である。
図3】本発明の実施形態においてアプリケーション毎の送集客ポイントを例示する図である。
図4図1に例示する広告制御サーバのハードウェア的構成例を示すブロック図である。
図5図4に例示する広告制御サーバの機能的な構成例を示すブロック図である。
図6】本発明の実施形態に係るシステム全体フローを説明するフローチャートである。
図7図6に例示するバナー処理の一例を説明する図である。
図8図7から続くバナー処理を説明する図である。
図9図7に例示する送集客バランス処理の一例を示すフローチャートである。
図10図5に例示する第2更新部による第2更新処理の一例を示すフローチャートである。
図11図5に例示する閾値変更部による閾値変更処理について説明する。
図12図5に例示する第4更新部の第4更新処理について説明する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形(各実施例を組み合わせる等)して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率・数量等とは一致するものではなく、また、個々の構成等は同等の機能を持つ別の構成に置き換えが可能である。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率等が異なる部分が含まれていることがある。
【0012】
〔1〕システム構成例
本発明の実施形態に係る広告制御装置は、以下に説明する広告提供システムに組み込まれている。まず、この広告提供システムの構成例について以下に説明する。
【0013】
図1は、実施形態に係る広告制御装置が組み込まれた広告提供システムの構成例を示す図である。図1に示す広告提供システム1は、複数の電子的な商品情報(以下「電子商品」ともいう。)および電子商品に関する広告情報(バナー広告等)を端末装置20に対して通信ネットワーク10を介して提供するシステムである。
【0014】
上記「電子商品」とは、アプリケーションプログラム等のコンピュータソフト、動画・静止画コンテンツといったデジタルプロダクトなどの電子情報で構成されたものをいう。本実施形態では、複数の電子商品それぞれがゲームアプリケーションプログラム(以下、単に「アプリ」という。)である場合を説明する。
【0015】
広告提供システム1は、例示的に、通信ネットワーク10と、1又は複数の端末装置(以下、単に「端末」という)20と、1又は複数の商品サーバ30と、決済サーバ40と、広告制御サーバ50と、を備える。
【0016】
端末20は、PC(Personal Computer)やPDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話、スマートフォン、タブレット型コンピュータ等のインテリジェントデバイスである。端末20は、必要に応じて通信ネットワーク10を経由して、商品サーバ30や決済サーバ40、広告制御サーバ50と通信することができる。
【0017】
通信ネットワーク10は、無線ネットワークでも有線ネットワークでもよい。通信ネットワーク10の一例としては、インターネットや無線LAN、赤外線通信、3G、WiMax(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、c.Link(登録商標)、HDMI(登録商標)、有線LAN、電話線、携帯電話網、PHS網、電灯線ネットワーク、IEEE1394等に準拠したネットワークが挙げられる。
【0018】
商品サーバ30は、電子商品としてのアプリを格納、管理するサーバコンピュータである。商品サーバ30は、端末20からの通信ネットワーク10を経由した要求等に応じてアプリを当該端末20に提供(送信)することができる。
【0019】
決済サーバ40は、アプリの購入や課金行為に伴う決済処理を行なうサーバコンピュータである。決済サーバ40は、端末20からの通信ネットワーク10を経由した、アプリの購入要求等に応じてアプリの決済処理を実施することができる。
【0020】
別言すると、端末20は、通信ネットワーク10経由で商品サーバ30にアクセスして、当該サーバ30からアプリを受信、インストール等することができる。なお、アプリは、商品サーバ30において複数分、格納、管理されていてもよい。また、アプリは有償でも無償でもよい。有償の場合、端末20は、例えば決済サーバ40と通信して電子商品の決済処理を実施することができる。
【0021】
広告制御サーバ50は、本実施形態に係る広告制御装置の一例であり、商品サーバ30によって端末20に提供されるアプリに関する広告情報の配信等を管理、制御するサーバコンピュータである。
【0022】
本実施形態に係る広告制御サーバ50は、管理している広告情報のうち何れか1つの広告情報を或るアプリに関連付けて端末20へ送信する。なお、「関連付け」とは、当該或るアプリに関する動作が端末20において実行された場合(開始時や実行中の場合を含む)、広告情報が端末20において出力(表示)されるように、広告情報と或るアプリとの関係を結びつけることを言う。
【0023】
また、広告制御サーバ50は、関連付けられた或るアプリに関する動作を実行した端末装置において送信された広告情報が利用されたことを示す利用情報(広告情報の利用情報)を受信する。これにより、広告制御サーバ50は、広告情報を通じてユーザを或るアプリから他のアプリに誘導した事実を把握することができる。そして、広告制御サーバ50は、このユーザの誘導回数等に基づいてアプリ間の広告の量や内容、種類等を変化させる。
【0024】
なお、「広告情報の利用情報」には、端末20で広告情報を選択したことを示す閲覧情報および/または広告情報を通じてアプリを導入(例えばダウンロードやインストール、アプリの初回利用)したことを示す導入情報が含まれる。
【0025】
また、広告制御サーバ50から端末20宛ての広告情報の送信タイミングは、非限定的な一例として、以下の3つが考えられる。
(1)或るアプリが送信されたことを示す情報を商品サーバ30から受信したとき又は受信したことを示す情報を端末20から受信したとき。
(2)或るアプリが端末20においてインストールされたことを示す情報を端末20から受信したとき。
(3)或るアプリが端末20において利用されたことを示す情報を端末20から受信したとき。
【0026】
また、広告制御サーバ50としての機能は、複数のサーバコンピュータによって分散的に実現されてもよい。
【0027】
〔2〕広告制御サーバ50による広告制御動作概要
広告制御サーバ50による広告制御動作の概要について図2を用いて説明する。図2には、電子商品の一例である4つのアプリケーションA〜D間で送客/集客が行なわれる様子を例示している。
【0028】
ここで、端末20においてアプリAの実行中にアプリBのバナー広告(アプリBバナー)が表示されているとする。端末20においてアプリBバナーが例えば端末20のユーザによってクリック又はタップされると、端末20にはアプリBの例えば商品紹介画面及び/又はインストール画面が表示される。これにより、広告制御サーバ50は、アプリBバナーを通じて1人のユーザをアプリAからアプリBの商品紹介画面等に誘導したことになる。これをアプリAからみると、アプリAは、1人のユーザをアプリBに送客したと捉えることができる。一方、アプリBからみると、1人のユーザをアプリAから集客したと捉えることができる。
【0029】
このとき、送客元のアプリAは、送客数に応じたポイント(例えば1人につき+10pt等)を獲得し、送客された(集客した)側のアプリBは、集客数に応じたポイント(例えば1人につき−10pt)を消費する。このようなルールを、他のアプリB−C間、アプリC−D間、アプリD−A間についてもそれぞれ同様に適用する。
【0030】
なお、本例において、アプリAは、広告情報が関連付けられた電子商品であって、ユーザをアプリBに送客する第2電子商品の一例である。一方で、アプリBは、アプリAに関連付けられた広告情報に対応する(広告される)電子商品であって、ユーザをアプリAから集客する第1電子商品の一例である。
【0031】
以上のようなアプリ間の送客数及び集客数に応じたポイント(以下「送集客ポイント」と称する。)を広告制御サーバ50はデータベースに記録することで管理し(例えば図3参照)、送集客ポイントが各アプリ間で平等あるいは均一化(平準化)されるように、どのアプリ(電子商品)にどのバナー広告(広告情報)を関連付けるか(別言すると送信、表示させるか)を制御(選択、決定)する。
【0032】
例えば図3に示す例では、アプリB(+300pt)の送集客ポイントが最も高い、つまりはアプリBが最も多く他のアプリへ送客している(別言すると、他のアプリに貸しが有る)ので、何れかのアプリにアプリBのバナー広告を表示させるようにする。これにより、他のアプリからアプリBへ送客(アプリBが集客)する結果、全体としての送集客がバランスされる。
【0033】
なお、送集客ポイントは、可変パラメータの一例である。送集客ポイントは、上述したように、ユーザがアプリAからアプリBの商品紹介画面等に誘導された場合だけでなく、ユーザがアプリBの導入に誘導された場合にも増減されてもよい。この場合、送集客ポイントの増減幅は、ユーザがアプリAからアプリBの商品紹介画面等に誘導された場合と、ユーザがアプリBの導入に誘導された場合とで異ならせることもできる。
【0034】
なお、上記の例は、送集客ポイント数が送客側アプリと被送客(集客)側アプリとで連動して、また、同じ増減幅で更新される例であり、単純なロジックで実現可能である。ただし、これに限られない。
【0035】
例えば、いずれか一方についての送集客ポイント数だけを更新するようにしてもよいし、送客側アプリと集客側アプリとの間で相対的に異なる増減幅で更新するようにしてもよい。いずれにしても、上記の例と同等の制御を実現できる。
【0036】
〔3〕端末20の構成例
次に、端末20のハードウェア的な構成は、従来の技術を適宜採用することが可能であるため、以下に簡単に説明する。
【0037】
端末20は、例えば、プロセッサと記憶装置と出力装置と入力装置と通信装置等を備える。
【0038】
プロセッサは、アプリ等を実行するためのものである。記憶装置は、メモリやハードディスクドライブが挙げられ、アプリ等を記憶するためのものである。出力装置は、ディスプレイ等を含み、アプリの実行結果等を出力(表示)するためのものである。入力装置は、広告情報に対する操作やアプリのインストール操作をするためのものである。通信装置は、通信ネットワーク10への接続を可能にする装置あるいはインターフェースである。
【0039】
〔4〕広告制御サーバ50の構成例
次に、広告制御サーバ50のハードウェア的な構成と機能的な構成とを以下に説明する。なお、商品サーバ30や決済サーバ40のハードウェア的な構成は、広告制御サーバ50の構成と同等とすることができる。
【0040】
(4.1)ハードウェア構成例
図4に、本実施形態の広告制御サーバ50のハードウェア的な構成例を示す。図3に示す広告制御サーバ50は、例示的に、制御部501、入力装置503、外部記憶装置505、及び出力装置506を備える。また、広告制御サーバ50は、通信インターフェース(IF)507を備えてもよい。
【0041】
制御部501は、例えば、広告制御サーバ50全体の動作を制御する。
【0042】
入力装置503は、サーバ管理者等が制御部501に操作信号を入力するために用いられる。入力装置503の一例としては、キーボード、マウスやトラックボール等のポインティングデバイス等が挙げられる。また、入力装置503には、後述するディスプレイ506Aに備えられたタッチパッドやタッチパネルが含まれてもよい。
【0043】
外部記憶装置505は、例示的に、ペリフェラルインタフェース(I/F)521を介して制御部501に着脱可能に接続することができる。当該ペリフェラレルI/F521には、1又は複数の周辺機器を追加的に接続してもよい。なお、外部記憶装置505は、広告制御サーバ50内に内蔵される記憶装置であってもよい。
【0044】
外部記憶装置505には、ハードディスクドライブ(HDD)、フラッシュメモリ、SRAM(Static Random Access Memory)、磁気テープ装置、光ディスク装置等を用いることができる。外部記憶装置505には、広告制御に用いられるプログラム(以下「広告制御プログラム」ともいう。)やサーバ内で生成した及び/又は端末から受信したパラメータ等の各種データのほか、電子商品や広告情報等を記憶することができる。コンピュータの一例である広告制御サーバ50は、外部記憶装置505から広告制御プログラム等を読み取って後述するメインメモリ513等の内部メモリに転送し格納して用いる。なお、図5のハードウェア的な構成例は、図3の商品サーバ30にも適用が可能である。この場合、電子商品は商品サーバ30に記憶され、商品サーバ30から電子商品が端末装置に送信される。この場合であっても、広告制御サーバ50は商品サーバ30の機能を有していてもよい。
【0045】
広告制御プログラム等は、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供することができる。記録媒体には、例えば、ハードディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、BD(Blue-ray Disk)、ROMカートリッジ、バッテリバックアップ付きRAMカートリッジ、フラッシュメモリカートリッジ、不揮発性RAMカートリッジ等が含まれてよい。また、広告制御プログラム等は、通信IF507により通信ネットワーク10経由で広告制御サーバ50に提供してもよい。
【0046】
なお、「コンピュータ」とは、例えば、ハードウェアとオペレーティングシステム(OS)とを含む概念であり、OSの制御の下で動作するハードウェアを意味することがある。また、OSが不要でプログラム単独でハードウェアを動作可能な場合には、そのハードウェアがコンピュータに相当するとみることができる。ハードウェアは、CPU等の演算装置と、記録媒体に記録されたプログラムを読み取り可能な読み取り装置とを含むことができる。
【0047】
広告制御プログラム等は、上述のようなコンピュータに、広告制御サーバ50としての機能を実現させるプログラムコードを含んでいる。その機能の一部はプログラムではなくOSによって実現されてもよい。
【0048】
出力装置506は、例示的に、ディスプレイ506Aやスピーカ506Bを備え、広告制御サーバ50のオペレータ等に広告制御プログラム等の実行状態に応じた映像や音声を提供する。ディスプレイ506Aには、液晶ディスプレイや、PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)等を適用することができる。また、ディスプレイ506Aは、複数のディスプレイを有して成る大画面の統合ディスプレイとしてもよい。
【0049】
通信IF507は、通信ネットワーク10への接続を可能にする装置あるいはインターフェースである。通信IF507を介して、広告制御サーバ50は、通信ネットワーク10に接続された端末20や他のサーバ30、40と適宜に通信することができる。
【0050】
通信IF507は、送受信機能を有しており、送信機能に着目すれば、何れかのアプリを、当該アプリを除く何れか1つのアプリ(他のアプリ)の広告情報に関連付けて端末20宛てに送信する送信手段の一例として機能する。
【0051】
また、通信IF507は、受信機能に着目すれば、上述したように、何れかのアプリに関する動作を実行した端末20において他のアプリの広告情報が利用されたことを示す広告情報の利用情報を受信する受信手段の一例として機能する。
【0052】
なお、広告制御サーバ50および商品サーバ30において、グラフィックメモリ514、オーディオメモリ515、GPU516、オーディオプロセッサ518、及び出力装置506(別言すると、グラフィック関連機能及びオーディオ関連機能)の一部又は全部は備えないこととしても構わない。
【0053】
(4.2)広告制御サーバ50の機能的構成例
次に、図5に広告制御サーバ50の機能的な構成例を示す。
【0054】
図5に例示する広告制御サーバ50は、CPU511が広告制御プログラム等をメインメモリ513から読み取って実行することによって具現される複数の機能(制御部501)を備える。この複数の機能の一例としては、広告処理部511aと、送集客バランス処理部511bと、広告停止部511cと、ポイント更新部511dと、閾値変更部511eと、が挙げられる。
【0055】
なお、図5に例示する記憶部530は、既述のメインメモリ513及び/又は外部記憶装置505に該当する。記憶部530は、例示的に、アプリケーションデータベース(DB)531、ユーザデータベース(DB)535、及びログデータベース(DB)536が記憶する記憶手段の一例である。
【0056】
まず、記憶部530の各データベースについて説明する。
【0057】
アプリケーションDB531は、電子商品の一例である複数のアプリに関連する情報を記憶する。
【0058】
アプリに関連する情報の一例としては、アプリの識別情報(以下「アプリID」ともいう。)の他、送集客ポイントDB531aや、会社情報DB531b、広告情報DB531cが挙げられる。
【0059】
送集客ポイントDB531aは、複数のアプリ毎の送集客ポイントを記憶する。すなわち、送集客ポイントDB531aは、複数のアプリIDとそれぞれの送集客ポイントを対応付けて記憶する。他にも、送集客ポイントDB531aは、例えば各送集客ポイントで共通の基準値(例えばゼロ)も記憶する。
【0060】
ここで、本実施形態では、送集客ポイントは、送客数に応じて獲得され且つ集客数に応じて消費されるため、送客数と集客数に応じた値である。具体的には、送集客ポイントがプラスであれば送客数が集客数よりも多く、送集客ポイントがマイナスであれば集客数が送客数よりも多いことを示す。また、送集客ポイントが基準値のゼロであれば、アプリの送客数と集客数のバランスが取れていることを示す。なお、以下では、送客数を「総客規模」と言い換え、集客数を「集客規模」と言い換える。
【0061】
送集客ポイントDB531aは、更に、アプリID毎の送集客ポイントに関する上限閾値(プラス側の閾値)と、アプリID毎の送集客ポイントに関する下限閾値(マイナス側の閾値)と、を記憶する。なお、「上限閾値」は、「過送客」を抑えるために設定される値である。また、「下限閾値」は、「過集客」を抑えるために設定される値である。また、「過送客」とは、集客規模よりも送客規模が多く、送客規模と集客規模の差分が過度であることを意味する。また、「過集客」とは、送客規模よりも集客規模が多く、送客規模と集客規模の差分が過度であることを意味する。
【0062】
更に、送集客ポイントDB531aは、複数の電子商品のうち2以上の電子商品に紐づけられた保険ポイントを記憶する。保険ポイントは、共通パラメータの一例である。この保険ポイントは、提供会社が同じ複数のアプリに紐づけられてもよいし、提供会社は異なるが協力関係にある複数のアプリに紐付けられてもよいし、広告提供システム1の枠組みに参加する全てのアプリに紐付けられてもよい。本実施形態では、保険ポイントは、広告提供システム1の枠組みに参加する全てのアプリに紐付いている。
【0063】
会社情報DB531bは、アプリID毎の会社情報を記憶する。この会社情報は、例えばアプリを提供する提供会社名であり、同じ提供会社が提供する1又は複数のアプリから構成されるグループのグループ情報の一例である。このグループは、他にも提供会社は異なるが協力関係にあるアプリから構成されるグループや、ジャンルが同じアプリから構成されるグループ、ターゲットが同じアプリから構成されるグループ等を含んでいてもよい。以下では、提供会社が同じアプリで構成されるグループの場合を例に説明する。
【0064】
広告情報DB531cは、複数のアプリ毎の広告情報を記憶する。すなわち、広告情報DB531cは、複数のアプリIDとそれぞれの広告情報DB531cを対応付けて記憶する。この広告情報には、例えばバナー広告とオファー広告が含まれる。なお、「オファー広告」とは、例えば、端末20で実行中のアプリAとは異なる他のアプリBをインストールするとアプリAで利用可能な価値情報(例えば、ゲームで使用するパラメータやゲーム内通貨等のゲームポイントやアイテム、追加プログラムやデータ等)が端末20に付与されることを端末20に通知する広告である。
【0065】
また、広告情報DB531cは、バナー広告のバナーデータリスト533及び/又はオファー広告のオファーデータリスト534を記憶する。このバナーデータリスト533は、例えば複数のバナー広告毎に、広告するアプリのアプリIDやバナー広告のデータの保存場所等がリスト形式で記述されている。オファーデータリスト534も同様である。なお、アプリIDがあることで、各アプリのバナー広告又はオファー広告は、各アプリの送集客ポイント等とも対応付けられることになる。
【0066】
ユーザDB535は、端末20及び/又は当該端末20のユーザに関する情報を格納しており、例えば端末ID等を保存している。
【0067】
ログDB536は、広告情報の送信履歴や当該広告情報の利用履歴等のログ情報を格納する。
【0068】
アプリケーションDB531(広告情報DB531c)と、ユーザDB535及びログDB536とは互いに関連付けられており、これにより、端末20においてどのアプリに関連付けられたどの広告情報が利用されたかを管理、把握することができる。
【0069】
次に、制御部501の各機能部について説明する。
【0070】
広告処理部511aは、例えばユーザ認証処理と広告処理等を実行する。
【0071】
ユーザ認証処理では、広告処理部511aは、ユーザDB535の記憶情報に基づいて端末20との間のユーザ認証に成功したか否かを判定する。ユーザ認証に成功した場合には、端末20は、広告制御サーバ50によるサービス(広告制御)を利用することができる。このような認証処理は従来技術を適宜利用することができるので、詳細な説明は省略する。
【0072】
広告処理は、バナー広告を送信するバナー処理及び/又はオファー広告を送信するオファー処理を含む。第1実施形態では、バナー処理についてのみ説明する。したがって、以下では、広告情報をバナー広告として説明する。なお、オファー処理については、総客側アプリで利用可能な価値情報の付与に関する処理以外は後述するバナー処理の詳細と同様である。
【0073】
広告処理では、広告処理部511aは、何れかのアプリに関する動作を実行した端末20からバナー要求を受信した場合に、当該端末20宛てに、送集客バランス処理部511bにより選択されたアプリのバナー広告(広告情報)を送信する。そして、広告処理部511aは、バナー広告の利用情報を端末20等から受信した場合に、後述するように、ポイント更新部511dと連携して送集客ポイントを更新する。
【0074】
送集客バランス処理部511bは、送集客ポイントに基づいて電子商品間の送集客をバランスする送集客バランス処理を実施する。
【0075】
別言すると、送集客バランス処理部511bは、送集客ポイントに基づいて各バナー広告の中から何れかのアプリに関連付けるバナー広告を選択する選択手段の一例として機能する。送集客バランス処理部511bによる送集客バランス処理の詳細については、図9にて後述する。
【0076】
広告停止部511cは、何れかのアプリの送集客ポイントが対応する閾値に関する条件を満たす場合に、当該アプリのバナー広告を送集客バランス処理部511bにより選択されるバナー広告から除外する。これにより、広告停止部511cは、当該アプリの広告を停止して当該アプリの集客を止める広告停止手段の一例として機能する。本実施形態では、広告停止部511cは、何れかのアプリの送集客ポイントが対応する下限閾値に達する場合に、当該アプリの広告を停止する。
【0077】
また、広告停止部511cは、何れかのアプリの提供が終了する予定日時の所定期間前から実際に提供が終了する間、当該アプリのバナー広告を送集客バランス処理部511bにより選択されるバナー広告から除外する。これにより、広告停止部511cは、当該アプリの広告を停止して当該アプリの集客を止める。
【0078】
ポイント更新部511dは、アプリの送集客ポイントを更新するパラメータ更新手段の一例である。
【0079】
ポイント更新部511dは、第1更新部512aと、第2更新部512bと、第3更新部512cと、第4更新部512dと、を備える。
【0080】
第1更新部512aは、第1更新処理を実行する。すなわち、第1更新部512aは、通信IF507でバナー広告の利用情報が受信された場合に、端末20のユーザをバナー広告に関連付けられた或るアプリがバナー広告にて広告されているアプリに送客したと判定する。そして、第1更新部512aは、当該或るアプリ(送客側アプリ)の送集客ポイント及び広告されているアプリ(集客側アプリ)の送集客ポイントを更新する。本実施形態では、第1更新部512aは、送客側アプリの送集客ポイントを増加する一方で、集客側アプリの送集客ポイントを減少する。
【0081】
第2更新部512bは、第2更新処理を実行する。すなわち、第2更新部512bは、複数のアプリのうち何れか1つのアプリが所定の条件を満たす場合に、当該所定の条件を満たすアプリの提供会社(グループ)を特定する。そして、第2更新部512bは、特定した提供会社内の1又は複数のアプリの送集客ポイントに基づき、下限閾値の絶対値未満である送集客ポイントの基準値(ゼロ)に近づくように所定の条件を満たすアプリの送集客ポイントを更新する。本実施形態では、第2更新部512bは、特定した提供会社内の1つのアプリの送集客ポイントを減少すると共に、その減少量の全部又は一部だけ、所定の条件を満たすアプリの送集客ポイントを増加する。
【0082】
第3更新部512cは、第3更新処理を実行する。すなわち、第3更新部512cは、通信IF507でバナー広告の利用情報が受信された場合に、保険ポイントを更新する。また、第3更新部512cは、何れか1つのアプリが所定の条件を満たす場合に、保険ポイントに基づき、基準値に近づくように所定の条件を満たすアプリの送集客ポイントを更新する。本実施形態では、第3更新部512cは、基準値となるように所定の条件を満たすアプリの送集客ポイントを更新する。より具体的には、第3更新部512cは、保険ポイントを減少すると共に、その減少量の全部又は一部だけ、所定の条件を満たすアプリの送集客ポイントを増加して当該送集客ポイントを基準値にする。
【0083】
ここで、第2更新部512b及び第3更新部512cにおける上記「所定の条件」は、何れか1つのアプリの広告が停止されている期間が所定期間を超えているという条件や、何れか1つのアプリの提供が終了したという条件を含む。
【0084】
なお、第2更新部512bが、特定したグループ内の1つのアプリの送集客ポイントを減少する場合では、上記「所定の条件」は、何れか1つのアプリの広告が停止されている期間が所定期間を超えているという条件の他、特定したグループ内の1つのアプリの広告が停止されていないという条件も含んでもよい。
上記「特定したグループ内の1つのアプリの広告が停止されていないという条件」は、当該送集客ポイントが上限閾値に達しているという条件や、当該送集客ポイントが基準値を超えているという条件であってもよい。
【0085】
第4更新部512dは、第4更新処理を実行する。すなわち、第4更新部512dは、複数のアプリのうち何れか1つのアプリの提供が終了した場合に、当該提供が終了したアプリの提供会社(グループ)を特定する。そして、第4更新部512dは、当該提供が終了したアプリの送集客ポイントに基づき特定した提供会社内の1又は複数のアプリの送集客ポイントを更新する。
【0086】
上記更新では、第4更新部512dは、提供が終了したアプリの送集客ポイントをそのまま特定した提供会社内の或るアプリの送集客ポイントとするように、当該或るアプリの送集客ポイントを更新してもよい。また、第4更新部512dは、提供が終了したアプリの送集客ポイントに対して算出した後、算出で得られた値を特定した提供会社内の或るアプリの送集客ポイントとするように、当該或るアプリの送集客ポイントを更新してもよい。
【0087】
閾値変更部511eは、所定期間において送客側アプリが送客した規模を示す送客規模を算出する。そして、閾値変更部511eは、当該送客規模に応じて送客側アプリの下限閾値を変更する。この閾値変更部511eは、閾値変更手段の一例である。なお、本実施形態では、閾値変更部511eは、送客規模が大きいほど下限閾値を低くし(よりマイナス側にし)、送客規模が小さいほど下限閾値を高くする(よりプラス側にする)。
【0088】
また、上記「送客規模」は、ユーザの送客数であっても当該送客数に応じたスコアであってもよいが、本実施形態では、送客規模が送客数に応じたスコアである場合を説明する。このスコアは、以下では「送客規模スコア」と呼称する。
【0089】
〔5〕システム動作説明
以下、上述のごとく構成された広告提供システム1の動作について説明する。
【0090】
(5.1)システム全体フロー
図6に例示するように、端末20は、インストール済みの何れかのアプリが起動されると、起動されたアプリは、広告制御サーバ50との間でユーザ認証処理を実施する(処理P10及びP20)。
【0091】
通信障害やサーバ障害等によりユーザ認証に失敗した場合(処理P20でNOの場合)、端末20では起動したアプリによる通常の処理(例えばゲーム等)が実施される(処理P30)。別言すると、端末20のユーザは、ユーザ認証に失敗しても、広告制御サーバ50によるサービスを利用できないだけで、起動したアプリによる通常の処理は利用可能である。
【0092】
これに対し、ユーザ認証が成功した場合、起動されたアプリは広告処理(バナー処理)を開始する(処理P40)。なお、起動されたアプリによってはオファー処理を実施してもよい。例えば、バナー処理では端末20において或るアプリの実行中にバナー広告が表示される。
【0093】
バナー処理が完了すると、起動されたアプリによる通常の処理が実施される(処理P50)。
【0094】
(5.2)バナー処理及び第1更新処理
次に、図7及び図8を参照して、広告制御サーバ50(広告処理部511a)や端末20等の広告提供システム1全体によるバナー処理について説明する。このバナー処理の途中で、第1更新部512aによる第1更新処理も実行される。
【0095】
図7に例示するように、端末20において何れかのアプリAが起動され、バナー処理が開始されると、端末20(アプリA)は、バナー要求を広告制御サーバ50宛てに送信する(処理P501)。
【0096】
広告制御サーバ50は、バナー要求を受信すると、バナー要求元のアプリAの送集客ポイントが、バナー要求元のアプリAの上限閾値に達しているか否かを判定する(処理P502及びP503)。
【0097】
その結果、送集客ポイントが上限閾値に達していれば(処理P503でYESの場合)、広告制御サーバ50は、アプリAが「過送客」の状態にあると判定して、バナー処理を終了する。したがって、端末20で起動されたアプリAに対してバナー広告は表示されない(処理P504)。この結果、アプリAから他のアプリへの送客が行われなくなるため、過送客が抑制されて、アプリAの送客規模と集客規模のバランスが改善される。
【0098】
一方、送集客ポイントが上限閾値に達していなければ(処理P503でNOの場合)、広告制御サーバ50は、送集客バランス処理部511bによる送集客バランス処理を実施し(処理P505)、当該送集客バランス処理により選択されたアプリ(例えばアプリB)のバナー広告をバナー要求のあったアプリAに関連付けて端末20宛てに送信し、バナー広告送信済みであることを例えばログDB536に一時(キャッシュ)保存する(処理P506)。なお、送集客バランス処理の詳細については、図9にて後述する。
【0099】
端末20(アプリA)では、上記バナー広告を広告制御サーバ50から受信すると、当該バナー広告を表示し(処理P507)、当該バナー広告の利用(例えばクリック又はタップ等の選択操作)の有無を監視する(処理P508)。
【0100】
バナー広告に対する選択操作が無ければ(処理P508でNOの場合)、端末20のアプリAは、広告制御サーバ50が指定する時間だけバナー広告を表示し(処理P509)、処理P501へ戻る。バナー広告を表示する指定時間の情報は、バナー広告と共にあるいはバナー広告とは別に広告制御サーバ50から端末20に送信される。代替的に、当該指定時間の情報は、端末20において予め保有しておいてもよい。
【0101】
バナー広告に対する選択操作が有れば(処理P508でYESの場合)、端末20のアプリAは、バナー広告が利用されたことを示す利用情報(例えばクリック情報等)と、バナー広告で広告されるアプリ(例えばアプリBとする。)の商品紹介画面等のURL(Uniform Resource Locator)要求と、を広告制御サーバ50宛てに送信する(処理P510)。
【0102】
広告制御サーバ50は、端末20のアプリAから上記利用情報を受信すると、当該利用情報を例えばログDB536に保存する(処理P511)。
【0103】
図8に例示するように、広告制御サーバ50は、会社情報DB531bが記憶している会社情報に基づいて、同一会社間の送客か否かを判定する(処理P512及びP513)。
【0104】
同一会社間の送客であれば(処理P513でYESの場合)、広告制御サーバ50は、第1更新部512aを呼び出す。広告制御サーバ50(第1更新部512a)は、送客側アプリAの送集客ポイントを増加(例えば+10pt)し、集客側アプリBの送集客ポイントを減少(例えば−10pt)する(処理P514)。
【0105】
これに対し、同一会社間の送客でなければ(処理P513でNOの場合)、広告制御サーバ50は、送客側アプリAの送集客ポイントを増加(例えば同一会社で付与されるポイント+10ptのうち一部の+9ptのみ)し、集客側アプリBの送集客ポイントを減少(例えば−10pt)する(処理P516)。
【0106】
ここで、広告制御サーバ50は、第2更新部512bを呼び出す。広告制御サーバ50(第2更新部512b)は、上記+10ptのうち残り+1ptを保険ポイントとして例えば送集客ポイントDB531a(図5参照)に蓄積(プール)する(処理P517)。
【0107】
上記送集客ポイント増減処理の後、広告制御サーバ50は、端末20から要求された商品紹介画面等のURLを当該端末20宛てに送信する(処理P515)。端末20は、受信したURLにアクセスする(処理P518)。端末20は、当該URLにアクセスすると、例えば広告制御サーバ50からURLに対応するページのデータが、各種マーケットの商品サーバ30から、端末20に送信される(処理P519)。当該ページは、例えばバナー広告されたアプリBの紹介やインストールを実施可能なページ(インストールページ)である。
【0108】
端末20は、当該インストールページを通じてバナー広告されたアプリBをインストールする。そして、アプリBが、端末20においてユーザにより起動されて実行される(処理P520)。
【0109】
以上より、一連のバナー処理が終了する。
【0110】
(5.3)送集客バランス処理及び広告停止処理
次に、図9を参照して、広告制御サーバ50(送集客バランス処理部511b)による送集客バランス処理について説明する。なお、この処理では、広告停止部511cと連携して広告停止処理も実施される。
【0111】
図7にて説明した送集客バランス処理(処理P505)では、図9に例示する処理が実施される。すなわち、広告制御サーバ50(送集客バランス処理部511b)は、広告情報DB531cのバナーデータリスト533(図5参照)を参照し(処理P701)、端末20において既にインストール済みアプリに対応するバナー広告を当該リストから除外する(処理P702)。
【0112】
次いで、広告制御サーバ50は、バナーデータリスト533をポイント順にソートし(処理P703)、ポイントの最も高いアプリを選択する(処理P704)。そして、広告制御サーバ50は、選択したアプリの送集客ポイントが当該選択したアプリの下限閾値に達しているか否かを判定する(処理P705及びP706)。
【0113】
当該判定の結果、送集客ポイントが下限閾値に達していれば(処理P706でYESの場合)、広告制御サーバ50は、広告停止部511cを呼び出して広告停止処理を実施させる(処理P707)。この広告停止処理では、広告制御サーバ50は、選択したアプリをバナーデータリスト533から削除することで、送集客バランス処理により最終的に選択される(選択が決定される)広告情報から除外する。これにより、広告制御サーバ50は、選択したアプリの広告(集客)を停止する。そして、広告制御サーバ50は、除外後に改めてポイントの最も高い他のアプリをバナーデータリスト533において選択する(処理P704)。
【0114】
一方、送集客ポイントが下限閾値に達していなければ(処理P706でNOの場合)、広告制御サーバ50は、広告要求のあった日が、選択したアプリが商品サーバ30において初めて提供可能となった日(アプリのリリース日)から7日以内か否かを判定する(処理P708及びP709)。
【0115】
当該判定の結果、リリース日から7日以内であれば(処理P709でYESの場合)、広告制御サーバ50は、上述した処理P707を実行した後再び処理P704を実行する。
【0116】
リリース日から7日以内でなければ(処理P709でNOの場合)、広告要求のあった日が、選択したアプリの商品サーバ30による提供が終了する日の60日前以降か否かを判定する(処理P710及びP711)。なお、広告制御サーバ50は、アプリの提供が終了する日を、その60日前以前にそのアプリの提供会社等から通知を受けることで知得しているものとする。
【0117】
当該判定の結果、選択したアプリの提供が終了する日の60日前以降であれば(処理P711でYESの場合)、広告制御サーバ50は、上述した処理P707を実行した後再び処理P704を実行する。
【0118】
広告要求のあった日が、選択したアプリの提供が終了する日の60日前以降でなければ(処理P711でNOの場合)、バナー要求したアプリへのバナー送信履歴をキャッシュで確認し、当該確認の結果、バナー要求したアプリにて直近5回以内に、選択したアプリのバナー広告が表示されていたかを判定する(処理P712及びP713)。
【0119】
当該判定の結果、バナー要求したアプリにて直近5回以内に、選択したアプリのバナー広告が表示されていれば(処理P713でYESの場合)、広告制御サーバ50は、上述した処理P707を実行した後再び処理P704を実行する。
【0120】
一方、バナー要求したアプリにて直近5回以内に、選択したアプリのバナー広告が表示されていなければ(処理P713でNOの場合)、バナー要求したアプリにて表示するバナー広告を選択したアプリのバナーに決定する(処理P714)。
【0121】
広告制御サーバ50(送集客バランス処理部511b)は、以上のようにして送集客ポイントに基づいてバナー要求したアプリに関連付ける広告情報を制御する。例えば、送客規模が相対的に他のアプリよりも高いアプリがあれば、当該送客規模の高いアプリの広告情報をバナー要求した他のアプリに関連付けて端末20宛てに送信する広告情報として選択する。
【0122】
図3の例でいえば、アプリBは送集客ポイントが他のアプリよりも高く送集客ポイントが高いので、他のアプリに関連付けて送信する広告情報としてアプリBの広告情報を選択して送信する。
【0123】
なお、送集客ポイントに基づいて広告を行う方法としては、上記の他、既に送集客ポイントが高いアプリを含む各アプリに対して、送集客ポイントが低い(集客させたいアプリ)の広告情報を選択して送信する(表示させる)方法も考えられる。したがって、送集客ポイントに基づいた広告情報の制御は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができることは言うまでもない。
【0124】
(5.4)第2更新処理
次に、図10を参照しながら、第2更新部512bの第2更新処理について説明する。なお、この第2更新処理は、定期的に或いは所定のタイミングで繰り返し実行される。
【0125】
広告制御サーバ50(第2更新部512b)は、何れかのアプリについて所定期間(予め停止最大期間として定めた期間であって例えば7日間や30日間)、広告(集客)が停止されているか否かを判定する(処理P800及びP801)。すなわち、広告制御サーバ50は、所定期間、何れかのアプリの送集客ポイントが下限閾値に達しているか否かを判定する。
【0126】
当該判定の結果、何れかのアプリについて所定期間広告が停止されていなければ(処理P801でNOの場合)、広告制御サーバ50は、処理を終了する。
【0127】
一方で、何れかのアプリについて所定期間広告が停止されていれば(処理P801でYESの場合)、広告制御サーバ50は、会社情報DB531bを参照して当該何れかのアプリの提供会社(グループ)を特定する。そして、広告制御サーバ50は、特定した提供会社内の他のアプリの広告が停止されていないか否かを判定する。本実施形態では、他のアプリの送集客ポイントが上限閾値に達しているか否かを判定する(処理P802及びP803)。
【0128】
当該判定の結果、他のアプリの送集客ポイントが上限閾値に達していなければ(所定P803でNOの場合)、広告制御サーバ50は、処理を終了する。
【0129】
一方で、他のアプリの送集客ポイントが上限閾値に達していれば(処理P803でYESの場合)、広告制御サーバ50は、他のアプリの送集客ポイントを使用(減少)する(処理P804)。なお、この減少量は、固定であっても、広告が停止されているアプリの送集客ポイントに応じて可変であってもよい。
【0130】
その後、広告制御サーバ50は、他のアプリの送集客ポイントの減少量だけ基準値に近づくように広告が停止されているアプリの送集客ポイントを増加する。例えば、減算分が100ptであれば、増加量も100ptとすることができる。本実施形態では、広告制御サーバ50は、広告が停止されているアプリの送集客ポイントが下限閾値から上回るように当該送集客ポイントを増加する。これにより、広告制御サーバ50は、広告が停止されているアプリの広告停止を解除する。なお、上記「下限閾値から上回る」とは、送集客ポイントが基準値に近づくことを意味する。
【0131】
そして、広告制御サーバ50は、一旦待機した後に改めて処理P800を実行する。
【0132】
(5.5)閾値変更処理
次に、図11を参照しながら、閾値変更部511eによる閾値変更処理について説明する。なお、この閾値変更処理は、商品サーバ30が提供する予定のアプリ毎に定期的に或いは所定のタイミングで行われる。
【0133】
広告制御サーバ50(閾値変更部511e)は、商品サーバ30においてアプリが提供可能となったか(リリースしたか)否かを判定する(処理P900及びP901)。
【0134】
当該判定の結果、アプリが提供可能となっていなければ(処理P901でNOの場合)、広告制御サーバ50は、改めて処理P900を実行する。
【0135】
一方で、アプリが提供可能(リリース)となっていれば(処理P901でYESの場合)、広告制御サーバ50は、当該アプリが他のアプリのバナー広告に関連付けられたとき(当該アプリが送客側アプリになったとき)の利用情報をログDB536から参照する。そして、広告制御サーバ50は、当該利用情報に基づき、リリース日から7日間の送客規模を算出する(処理P902)。なお、この7日間、アプリの広告(集客)は停止している(図9参照)。
【0136】
本実施形態では、送客規模は上述の送客規模スコアである。この送客規模スコアは、例えばアプリ毎にログDB536に記憶される。送客規模スコアは、例えば1人の送客につき送集客ポイントと同様に10ptが加算されるものの、集客したとしても減算されることはない。
【0137】
その後、広告制御サーバ50は、7日間の送客規模に基づき当月分の送客規模S0を予測する(処理P903)。
【0138】
次に、広告制御サーバ50は、予測した送客規模S0に基づいて下限閾値を初期値から変更(設定)する(処理P904)。具体的には、広告制御サーバ50は、下限閾値を送客規模S0(送客規模スコア)に「−1」を乗算した値に変更する。
【0139】
その後、広告制御サーバ50は、翌月になったか否かを判定する(処理P905及びP906)。
【0140】
当該判定の結果、翌月になっていれば(処理P906でYESの場合)、先月の送客規模S1を算出する。この算出方法は、上述の処理P902と同様である。
【0141】
一方で、翌月になっていなければ(処理P906でNOの場合)、広告制御サーバ50は、商品サーバ30によるアプリの提供が終了する予定日の60日前以降か否かを判定する(処理P910及びP911)。なお、この処理P910及び911は省略することもできる。
【0142】
当該判定の結果、予定日の60日前以降であれば(処理P911でYESの場合)、広告制御サーバ50は、閾値変更処理を終了する。
【0143】
一方で、予定日の60日前以降でなければ(処理P911でNOの場合)、広告制御サーバ50は、改めて処理P905を実行する。
【0144】
先月の送客規模S1を算出した後(処理P907)、広告制御サーバ50は、先月の送客規模S1に基づき下限閾値を変更する(処理P908)。具体的には、広告制御サーバ50は、下限閾値を送客規模S1(送客規模スコア)に「−1」を乗算した値に変更する。
【0145】
その後、広告制御サーバ50は、送客規模S1をリセットし(処理P909)、処理901に進む。
【0146】
(5.6)第3更新処理及び第4更新処理
次に、図12を参照しながら、第4更新部512dによる第4更新処理について説明する。この第4更新処理の途中で、第3更新部512cによる第3更新処理も実行される。なお、この第4更新処理は、商品サーバ30が提供するアプリ毎に定期的に或いは所定のタイミングで行われる。
【0147】
広告制御サーバ50(第4更新部512d)は、商品サーバ30によるアプリの提供が終了したか否かを判定する(処理P1000及びP1001)。
【0148】
当該判定の結果、アプリの提供が終了していなければ(処理P1001でNOの場合)、広告制御サーバ50は、一旦待機した後、改めて処理P1000を実行する。
【0149】
一方で、アプリの提供が終了していれば(処理P1001でYESの場合)、広告制御サーバ50は、会社情報DB531bを参照して提供が終了したアプリの提供会社(グループ)を特定する。そして、特定した提供会社内の他のアプリであって商品サーバ30により新たに提供する他のアプリがあるか否かを判定する(処理P1002及びP1003)。
【0150】
当該判定の結果、新たに提供するアプリがあれば(処理P1003でYESの場合)、広告制御サーバ50は、提供が終了したアプリの送集客ポイントがそのまま新たに提供するアプリの送集客ポイントとなるように、当該新たに提供するアプリの送集客ポイントを更新する。すなわち、新たに提供するアプリの送集客ポイントの初期値がゼロとすれば、当該新たに提供するアプリの送集客ポイントを、そのゼロから、提供が終了したアプリの送集客ポイントになるように更新する。
【0151】
一方で、新たに提供するアプリがなければ(処理P1003でNOの場合)、広告制御サーバ50は、アプリの提供が終了した日から1ヶ月が経過したか否かを判定する(処理P1005及びP1006)。
【0152】
当該判定の結果、1ヶ月が経過していなければ(処理P1006でNOの場合)、広告制御サーバ50は、改めて処理P1002を実行する。
【0153】
一方で、1ヶ月が経過していれば(処理P1006でYESの場合)、広告制御サーバ50は、提供が終了したアプリの送集客ポイントが基準値未満(マイナス)か否かを判定する(処理P1007及びP1008)。
【0154】
当該判定の結果、提供が終了したアプリの送集客ポイントが基準値未満でなければ(処理P1008でNOの場合)、移行処理を終了する。
【0155】
一方で、提供が終了したアプリの送集客ポイントが基準値未満であれば(処理P1008でYESの場合)、広告制御サーバ50は、第3更新部512cの第3更新処理を呼び出した後(処理P1009)、第4更新処理を終了する。
【0156】
そして、呼び出された第3更新処理では、広告制御サーバ50は、保険ポイントを減少すると共に、提供が終了したアプリの送集客ポイントが基準値に近づくように、その減少量だけ、提供が終了したアプリの送集客ポイントを増加する。本実施形態では、上記減少量は、提供が終了したアプリの送集客ポイントと基準値との差分である。
【0157】
〔6〕結び
以上のように、本実施形態によれば、閾値変更部511eが、或るアプリの所定期間の送客規模に応じて当該或るアプリ自身の下限閾値を変更するので(図11参照)、所定期間の送客規模(言い換えれば送客能力)を超えた集客規模のユーザを集客する前に、広告停止部511が、或るアプリの広告を停止してユーザの集客を止めることができる。すなわち、或るアプリが自身の送客能力を超えた規模のユーザを集客することを抑制できる。このように構成することで、その後において集客が止められた或るアプリが自身の送客能力の範囲で送客をすることで、集客を止める前までの集客規模に送客規模を追いつかせることができ、アプリの送客規模と集客規模のバランスを取ることができる。
【0158】
また、第4更新部512dが、アプリの提供が終了した場合に、提供が終了したアプリの提供会社を特定し、提供が終了したアプリの送集客ポイントに基づき特定した提供会社内の或るアプリの送集客ポイントを更新する。ここで、提供が終了したアプリの送集客ポイントが基準値でない場合、もはや送集客ポイントを基準値にする、すなわち提供が終了したアプリでは送客規模と集客規模のバランスを取ることができない。そこで、更新部512bが、提供が終了したアプリの送集客ポイントに基づき特定した提供会社内の或るアプリの送集客ポイントを更新することで、アプリの提供会社全体で送集客ポイントが基準値となるよう、すなわち送客規模と集客規模のバランスを取るようにすることができる。
【0159】
本実施形態では、第4更新部512dが、提供が終了したアプリの送集客ポイントをそのまま或るアプリの送集客ポイントとするように、当該或るアプリの送集客ポイントを更新するので、アプリの提供会社全体としての送集客ポイントの合計値の収支を合わせることができる。また、例えば提供が終了したアプリの送集客ポイントがプラスであれば、新たに提供するアプリはその送集客ポイントを消費して新たなユーザを集客することが可能となる。
【0160】
また、第2更新部512bが、何れか1つのアプリが所定の条件を満たす場合に、当該所定の条件を満たすアプリの提供会社を特定し、特定した提供会社内の或るアプリの送集客ポイントに基づき、送集客ポイントの基準値に近づくように当該所定の条件を満たすアプリの送集客ポイントを更新する。これにより、上記所定の条件にもよるものの、或るアプリが、所定の条件を満たすアプリの広告が停止されないように、当該所定の条件を満たすアプリを助けることができる。
【0161】
本実施形態では、第2更新部512bが、アプリの広告が停止されている期間が所定期間を超えており、当該アプリと同じ提供会社内の或るアプリの送集客ポイントが対応する下限閾値に達していないという条件を満たしたときに、或るアプリの送集客ポイントを減少すると共に、広告が停止されているアプリの送集客ポイントを増加する。このため、同じ提供会社内の或るアプリに集客の余裕等があるときに、当該或るアプリが広告の停止されているアプリを広告が再開するように助けることができる。
なお、本実施形態では、上記「下限閾値に達していないとき」とは、同じ提供会社のアプリの送集客ポイントが対応する上限閾値に達しているときであるため、十分に集客の余裕がある。このように、広告の停止されているアプリを助けることができれば、広告が停止されているアプリに再び集客できるという機会を与えることができ、もって当該アプリが広告提供システム1の枠組みから離脱することを抑制できる。
【0162】
また、第3更新部512cが、何れか1つのアプリが所定の条件を満たす場合に、保険ポイントに基づき、送集客ポイントの基準値に近づくように当該所定の条件を満たすアプリの送集客ポイントを更新する。これにより、所定の条件にもよるものの、広告提供システム1全体としての送集客ポイントの収支を合わせることができる。
【0163】
本実施形態では、第3更新部512cが、何れか1つのアプリの提供が終了したという条件を満たすときに、提供が終了したアプリの送集客ポイントが基準値に近づくように、保険ポイントを減少すると共に、提供が終了したアプリの送集客ポイントを増加する。ここで、アプリの送集客ポイントがマイナスのまま当該アプリの提供が終了した場合、広告提供システム1全体としての送集客ポイントの収支を合わなくなる。収支が合わないと、各アプリの送集客ポイントが基準値付近にあることで、回遊が好適に行われるという枠組みを乱す要因ともなり得る。そこで、上述のように、提供が終了したアプリの送集客ポイントを提供が終了したアプリの送集客ポイントが基準値に近づくように増加することで、広告提供システム1全体としての送集客ポイントの収支を合わせることができる。
【0164】
また、広告停止部511cが、アプリの提供が終了する予定日時の所定期間前から実際に提供が終了する間、終了するアプリの広告(集客)を停止するので(図9参照)、提供が終了するアプリはその間に送客だけして、送集客ポイントがマイナスのまま、すなわち送客規模と集客規模のバランスを崩したままアプリの提供が終了することを抑制することができる。このような抑制ができれば、この送集客ポイントをそのまま新たに提供するアプリの送集客ポイントにしたとしても、新たに提供するアプリが送集客ポイントを基準値にすることが容易となり、新たに提供するアプリの送客規模と集客規模のバランスを取ることができる。
【0165】
〔7〕変形例
なお、本発明は上記の具体例に限定されるものではない。すなわち、上記の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、前述した実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0166】
例えば、上述した実施形態において送集客ポイントの大小や送集客ポイントについての上限/下限閾値等は、送客や集客の量や差を示す情報(可変パラメータ)の一例に過ぎず、送集客ポイントの「加減算」は、上述した実施形態で示した態様に限られない。例えば送集客ポイントを加算するのか減算するのかは、一方が加算で他方が減算となっていればどちらでも良い。
【0167】
また、広告制御サーバ50は、バナー要求があった場合に送集客バランス処理を実行する場合を説明したが、定期的に或いはランダムに送集客バランス処理を実施してもよい。この場合、バナー要求があったときは、広告制御サーバ50は、既に送集客バランス処理により選択されている広告情報を送信する(図7に示す処理P506)。また、広告制御サーバ50は、バナー要求の受信が無くても広告情報を何れかのアプリに関連付けて送信してもよい。この場合、端末20は、広告情報に関連付けられたアプリの動作があった場合にその広告情報を表示する。
【0168】
また、図12に示す移行処理では、処理P1007〜P1009を実行した後に、処理P1002〜処理P1005を実施してもよい。すなわち、第4更新処理と第3更新処理の順番が逆であってもよく、提供が終了したアプリの送集客ポイントが基準値未満の場合にまず保険ポイントを消費して当該送集客ポイントを増加した後に、その送集客ポイントを新たに提供するアプリの送集客ポイントにしてもよい。この場合、新たに提供するアプリの送集客ポイントとする量を、保険ポイントで減らすことができる。また、第4更新処理と第3更新処理の少なくとも何れか一方を省略してもよい。
【0169】
また、閾値変更部511eは、下限閾値と共に或いは当該下限閾値に代えて、アプリの所定期間の集客度合に応じて当該アプリの上限閾値を変更してもよい。この場合でも、アプリの送客規模と集客規模のバランスを取ることができる。
【0170】
また、第2更新部512bが、アプリの広告が停止されている期間が所定期間を超えた場合に、その広告を再開するために同じ提供会社のアプリの送集客ポイントを使用(減算)する場合を説明したが、保険ポイントを使用(減算)してもよい。
【0171】
また、閾値変更部511eは、ログDB536を参照して送客規模スコアを算出する場合を説明したが、通信IF507で利用情報が受信された場合に、バナー広告が表示されているアプリがユーザを送客したと判定し、例えば図8に例示する処理P514において現在の送客規模スコアに10ptを加算することを例えば7日間繰り返すことで、送客規模スコアを算出してもよい。
【符号の説明】
【0172】
50:広告制御サーバ(広告制御装置)
507:通信IF(送信手段、受信手段)
511b:送集客バランス処理部(選択手段)
511c:広告停止部(広告停止手段)
511d:ポイント更新部(パラメータ更新手段)
511e:閾値変更部(閾値変更手段)
530:記憶部(記憶手段)
【要約】
【課題】電子商品の送客規模と集客規模のバランスを取る。
【解決手段】広告制御装置(50)が、或る電子商品の広告情報を他の電子商品に関連付けて端末装置(20)へ送信するものであって、その広告情報の送信、すなわち或る電子商品の広告を停止するための閾値を記憶しておき、その閾値を当該或る電子商品が他の電子商品にユーザを送客した規模を示す送客規模に応じて変更する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12