(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記通信制御手段は、前記目的地設定手段によって前記目的地が設定された際に、前記第1の通信手段および前記第2の通信手段の双方が前記サーバと通信可能な場合には、前記第1の通信手段を前記地図情報の取得に利用すること
を特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
前記基準最適経路は、前記ナビゲーション装置本体側または前記現在位置および前記目的地の情報を前記ナビゲーション装置本体から取得した前記サーバ側で探索されたものであり、
前記ナビゲーション装置本体は、
前記通信制御手段によって取得された前記地図情報に前記目的地が含まれない場合に、当該地図情報に含まれる前記最も遠い位置に存在するアクセスポイントを検索するアクセスポイント検索手段と、
このアクセスポイント検索手段によって検出された前記最も遠い位置に存在するアクセスポイントを前記目的地までに経由すべき経由地に自動的に設定する経由地設定手段と、
この経由地設定手段によって経由地に設定された前記最も遠い位置に存在するアクセスポイントまでの最適経路を、前記通信制御手段によって取得された地図情報に基づいて探索する経路探索手段と
を備え、
前記経路誘導手段は、前記経路探索手段によって探索された前記最適経路にしたがって、前記最も遠い位置に存在するアクセスポイントまでの経路誘導を行うこと
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のナビゲーション装置。
前記基準最適経路は、前記ナビゲーション装置本体側または前記現在位置および前記目的地の情報を前記ナビゲーション装置本体から取得した前記サーバ側で探索されたものであり、
前記サーバは、前記ナビゲーション装置本体に取得させるべき前記地図情報に前記目的地が含まれない場合に、当該地図情報に含まれる前記最も遠い位置に存在するアクセスポイントを検索し、検出された前記最も遠い位置に存在するアクセスポイントを前記目的地までに経由すべき経由地に自動的に設定し、この経由地に設定された前記最も遠い位置に存在するアクセスポイントまでの最適経路を、前記ナビゲーション装置本体に取得させるべき地図情報に基づいて探索し、
前記経路誘導手段は、前記サーバによって探索された前記最適経路にしたがって、前記最も遠い位置に存在するアクセスポイントまでの経路誘導を行うこと
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のナビゲーション装置。
アクセスポイントを介したサーバとの第1の通信または携帯電話回線を介した前記サーバとの第2の通信によって前記サーバから取得した地図情報をナビゲーション装置の記憶手段に記憶させ、この記憶手段に記憶させた前記地図情報に基づいて、設定された目的地までの経路誘導を行うためのナビゲーション方法であって、
前記ナビゲーション装置によって目的地が設定された場合に、当該目的地までの基準最適経路を探索する第1のステップと、
この第1のステップにおいて探索された前記基準最適経路と、前記ナビゲーション装置の現在位置と、前記記憶手段の記憶容量情報とに基づいて、前記第1の通信および前記第2の通信のうちの実行可能な一方によって、前記現在位置に対する前記基準最適経路に沿った進行方向前方側の領域に該当する地図情報であって、前記記憶手段の記憶容量以内の情報量を有する地図情報を、前記サーバから前記ナビゲーション装置に配信する第2のステップと、
この第2のステップにおいて配信された前記地図情報に基づいて、前記ナビゲーション装置側で、当該地図情報に前記第1の通信が可能な複数のアクセスポイントが含まれる場合に、当該複数のアクセスポイントのうちの前記現在位置から前記基準最適経路に沿った進行方向前方側において最も遠い位置に存在するアクセスポイントまでの経路誘導を行う第3のステップと、
この第3のステップにおける前記最も遠い位置に存在するアクセスポイントまでの経路誘導によって前記現在位置が当該最も遠い位置に存在するアクセスポイントに到達したことを契機として、当該最も遠い位置に存在するアクセスポイントを介した前記第1の通信によって、当該最も遠い位置に存在するアクセスポイントに対する前記基準最適経路に沿った進行方向前方側の領域に該当する地図情報であって、前記記憶手段の記憶容量以内の情報量を有する新たな地図情報を、前記サーバから前記ナビゲーション装置に配信する第4のステップと、
このような最も遠い位置に存在するアクセスポイントを介した前記新たな地図情報の配信と、この新たな地図情報に含まれる新たな前記最も遠い位置に存在するアクセスポイントまでの経路誘導とを、当該新たな地図情報に前記目的地が含まれるようになるまで繰り返し行う第5のステップと、
当該新たな地図情報に前記目的地が含まれるようになった場合に、前記ナビゲーション装置側で、当該新たな地図情報に基づいた前記目的地までの経路誘導を行う第6のステップと
を含むことを特徴とするナビゲーション方法。
前記第2のステップは、前記目的地が設定された際に、前記第1の通信および前記第2の通信の双方が実行可能な場合に、前記第1の通信を前記地図情報の配信に利用するステップであること
を特徴とする請求項5に記載のナビゲーション方法。
前記第1のステップは、前記ナビゲーション装置側または前記現在位置および前記目的地の情報を前記ナビゲーション装置から取得した前記サーバ側で行うステップであり、
前記第2のステップまたは前記第4のステップにおいて配信された前記地図情報に前記目的地が含まれない場合に、当該地図情報に含まれる前記最も遠い位置に存在するアクセスポイントを前記ナビゲーション装置側で検索する第7のステップと、
この第7のステップにおいて検出された前記最も遠い位置に存在するアクセスポイントを、前記ナビゲーション装置側で前記目的地までに経由すべき経由地に自動的に設定する第8のステップと、
この第8のステップにおいて経由地に設定された前記最も遠い位置に存在するアクセスポイントまでの最適経路を、前記第2のステップまたは前記第4のステップにおいて配信された前記地図情報に基づいて前記ナビゲーション装置側で探索する第9のステップと
を含み、
前記第3のステップおよび前記第5のステップは、前記第9のステップにおいて探索された前記最適経路にしたがって、前記最も遠い位置に存在するアクセスポイントまでの経路誘導を行うステップであること
を特徴とする請求項5または請求項6に記載のナビゲーション方法。
前記第1のステップは、前記ナビゲーション装置側または前記現在位置および前記目的地の情報を前記ナビゲーション装置から取得した前記サーバ側で行うステップであり、
前記第2のステップまたは前記第4のステップにおいて配信すべき前記地図情報に前記目的地が含まれない場合に、当該地図情報に含まれる前記最も遠い位置に存在するアクセスポイントを前記サーバ側で検索する第7’のステップと、
この第7’のステップにおいて検出された前記最も遠い位置に存在するアクセスポイントを、前記サーバ側で前記目的地までに経由すべき経由地に自動的に設定する第8’のステップと、
この第8’のステップにおいて経由地に設定された前記最も遠い位置に存在するアクセスポイントまでの最適経路を、前記第2のステップまたは前記第4のステップにおいて配信すべき前記地図情報に基づいて前記サーバ側で探索する第9’のステップと
を含み、
前記第3のステップおよび前記第5のステップは、前記第9’のステップにおいて探索された前記最適経路にしたがって、前記最も遠い位置に存在するアクセスポイントまでの経路誘導を行うステップであること
を特徴とする請求項5または請求項6に記載のナビゲーション方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、欧州のように陸続きで他国に移動できる地域においては、ナビゲーションの目的地が国外となる場合もある。
【0007】
このような場合に、携帯電話の利用契約を行っている国の国外に移動することによってローミングが発生し、携帯電話回線経由での地図データのダウンロードに要するデータ通信費用が高額になるといった問題が生じていた。
【0008】
図5は、このような問題を模式的に示したものである。すなわち、同図に示すように、出発地から国外の目的地に赴くにあたって、地図データD
1、D
2のダウンロードに携帯電話回線のみを使用する場合には、出発時にダウンロードまたは保存しきれなかった国外の地図データD
2については、現地においてローミングでダウンロードする必要があった。
【0009】
また、これに関連して、携帯電話回線経由でのデータ通信においては、月ごとに定額で通信できるデータ量に上限が設けられていることが多いため、上限を超えるデータ量のデータ通信を行った場合には、追加のデータ通信費用が発生してしまっていた。
【0010】
これに対して、自宅等のWi-Fi機能が使用できる環境下であれば、携帯電話回線を使用せずに地図データをダウンロードすることができるが、携帯端末のメモリ/ストレージの容量には限りがあるため、必要な地図データの全てを予めダウンロードして保持しておくことができない虞がある。このことは、目的地が国外等の遠方になる場合には尚更のことである。
【0011】
なお、特許文献1には、アクセスポイントにおける固定回線経由での地図データのダウンロードによって通信費を削減する技術が開示されているが、携帯端末の記憶容量を考慮した最適なダウンロードの方法については、何ら有効な提案がなされていない。
【0012】
そこで、本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、携帯電話回線の使用を抑えた経済的な地図情報の取得を、ナビゲーション装置側の地図情報の記憶容量を考慮しつつ効率的に行うことができるナビゲーション装置およびナビゲーション方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前述した目的を達成するため、本発明に係るナビゲーション装置は、現在位置を検出する現在位置検出手段と、目的地を設定する目的地設定手段と、アクセスポイントを介したサーバとの第1の通信によって前記サーバから地図情報を取得する第1の通信手段と、携帯電話回線を介した前記サーバとの第2の通信によって前記サーバから地図情報を取得する第2の通信手段と、前記第1の通信手段または前記第2の通信手段によって取得された前記地図情報を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶された前記地図情報に基づいて、前記目的地設定手段によって設定された前記目的地までの経路誘導を行う経路誘導手段とを備えたナビゲーション装置であって、前記目的地設定手段によって前記目的地が設定された場合に、当該目的地までの探索された基準最適経路と、前記現在位置検出手段によって検出された前記現在位置と、前記記憶手段の記憶容量情報とに基づいて、前記第1の通信手段および前記第2の通信手段のうちの前記サーバとの通信が可能な一方の通信手段に、前記現在位置に対する前記基準最適経路に沿った進行方向前方側の領域に該当する地図情報であって、前記記憶手段の記憶容量以内の情報量を有する地図情報を前記サーバから取得させる通信制御手段を備え、前記経路誘導手段は、前記通信制御手段によって前記サーバから取得された前記地図情報に基づいて、当該地図情報に前記第1の通信が可能な複数のアクセスポイントが含まれる場合に、当該複数のアクセスポイントのうちの前記現在位置から前記基準最適経路に沿った進行方向前方側において最も遠い位置に存在す
るアクセスポイントまでの経路誘導を行い、前記通信制御手段は、前記経路誘導手段による前記最も遠い位置に存在する
アクセスポイントまでの経路誘導によって前記現在位置が当該最も遠い位置に存在する
アクセスポイントに到達したことを契機として、前記第1の通信手段に、当該最も遠い位置に存在する
アクセスポイントを介した前記第1の通信によって、当該最も遠い位置に存在するアクセスポイントに対する前記基準最適経路に沿った進行方向前方側の領域に該当する地図情報であって、前記記憶手段の記憶容量以内の情報量を有する新たな地図情報を前記サーバから取得させ、このような前記通信制御手段による前記最も遠い位置に存在するアクセスポイントを介した前記新たな地図情報の取得と、前記経路誘導手段による当該新たな地図情報に含まれる新たな前記最も遠い位置に存在するアクセスポイントまでの経路誘導とを、当該新たな地図情報に前記目的地が含まれるようになるまで繰り返し行い、当該新たな地図情報に前記目的地が含まれるようになった場合には、前記経路誘導手段によって、当該新たな地図情報に基づいた前記目的地までの経路誘導を行うことを特徴としている。
【0014】
また、本発明に係るナビゲーション方法は、アクセスポイントを介したサーバとの第1の通信または携帯電話回線を介した前記サーバとの第2の通信によって前記サーバから取得した地図情報をナビゲーション装置の記憶手段に記憶させ、この記憶手段に記憶させた前記地図情報に基づいて、設定された目的地までの経路誘導を行うためのナビゲーション方法であって、前記ナビゲーション装置によって目的地が設定された場合に、当該目的地までの基準最適経路を探索する第1のステップと、この第1のステップにおいて探索された前記基準最適経路と、前記ナビゲーション装置の現在位置と、前記記憶手段の記憶容量情報とに基づいて、前記第1の通信および前記第2の通信のうちの実行可能な一方によって、前記現在位置に対する前記基準最適経路に沿った進行方向前方側の領域に該当する地図情報であって、前記記憶手段の記憶容量以内の情報量を有する地図情報を、前記サーバから前記ナビゲーション装置に配信する第2のステップと、この第2のステップにおいて配信された前記地図情報に基づいて、前記ナビゲーション装置側で、当該地図情報に前記第1の通信が可能な複数のアクセスポイントが含まれる場合に、当該複数のアクセスポイントのうちの前記現在位置から前記基準最適経路に沿った進行方向前方側において最も遠い位置に存在す
るアクセスポイントまでの経路誘導を行う第3のステップと、この第3のステップにおける前記最も遠い位置に存在する
アクセスポイントまでの経路誘導によって前記現在位置が当該最も遠い位置に存在する
アクセスポイントに到達したことを契機として、当該最も遠い位置に存在する
アクセスポイントを介した前記第1の通信によって、当該最も遠い位置に存在するアクセスポイントに対する前記基準最適経路に沿った進行方向前方側の領域に該当する地図情報であって、前記記憶手段の記憶容量以内の情報量を有する新たな地図情報を、前記サーバから前記ナビゲーション装置に配信する第4のステップと、このような最も遠い位置に存在するアクセスポイントを介した前記新たな地図情報の配信と、この新たな地図情報に含まれる新たな前記最も遠い位置に存在するアクセスポイントまでの経路誘導とを、当該新たな地図情報に前記目的地が含まれるようになるまで繰り返し行う第5のステップと、
当該新たな地図情報に前記目的地が含まれるようになった場合に、前記ナビゲーション装置側で、当該新たな地図情報に基づいた前記目的地までの経路誘導を行う第6のステップとを含むことを特徴としている。
【0015】
そして、このような本発明によれば、
複数のアクセスポイントが含まれる場合に、最も遠い位置に存在するアクセスポイントを介したサーバからの新たな地図情報の取得および取得された新たな地図情報に含まれる新たな
最も遠い位置に存在するアクセスポイントまでの経路誘導を繰り返しながら目的地に向かうことができるので、アクセスポイントを介した経済的な地図情報の取得を、記憶手段の記憶容量を考慮しつつ効率的に行うことができる。
【0016】
さらに、本発明のナビゲーション装置において、前記通信制御手段は、前記目的地設定手段によって前記目的地が設定された際に、前記第1の通信手段および前記第2の通信手段の双方が前記サーバと通信可能な場合には、前記第1の通信手段を前記地図情報の取得に利用してもよい。同様に、本発明のナビゲーション方法において、前記第2のステップは、前記目的地が設定された際に、前記第1の通信および前記第2の通信の双方が実行可能な場合に、前記第1の通信を前記地図情報の配信に利用するステップであってもよい。
【0017】
そして、このような本発明によれば、アクセスポイントを介して目的地設定時における地図情報の取得を行うことができるので、地図情報の取得を更に経済的に行うことができる。
【0020】
また、本発明のナビゲーション装置において、前記基準最適経路は、前記ナビゲーション装置本体側または前記現在位置および前記目的地の情報を前記ナビゲーション装置本体から取得した前記サーバ側で探索されたものであり、前記サーバは、前記ナビゲーション装置本体に取得させるべき前記地図情報に前記目的地が含まれない場合に、当該地図情報に含まれる前記
最も遠い位置に存在するアクセスポイントを検索し、検出された前記
最も遠い位置に存在するアクセスポイントを前記目的地までに経由すべき経由地に自動的に設定し、この経由地に設定された前記
最も遠い位置に存在するアクセスポイントまでの最適経路を、前記ナビゲーション装置本体に取得させるべき地図情報に基づいて探索し、前記経路誘導手段は、前記サーバによって探索された前記最適経路にしたがって、前記
最も遠い位置に存在するアクセスポイントまでの経路誘導を行ってもよい。同様に、本発明のナビゲーション方法において、前記第1のステップは、前記ナビゲーション装置側または前記現在位置および前記目的地の情報を前記ナビゲーション装置から取得した前記サーバ側で行うステップであり、前記第2のステップまたは前記第4のステップにおいて配信された前記地図情報に前記目的地が含まれない場合に、当該地図情報に含まれる前記
最も遠い位置に存在するアクセスポイントを前記ナビゲーション装置側で検索する第7のステップと、この第7のステップにおいて検出された前記
最も遠い位置に存在するアクセスポイントを、前記ナビゲーション装置側で前記目的地までに経由すべき経由地に自動的に設定する第8のステップと、この第8のステップにおいて経由地に設定された前記
最も遠い位置に存在するアクセスポイントまでの最適経路を、前記第2のステップまたは前記第4のステップにおいて配信された前記地図情報に基づいて前記ナビゲーション装置側で探索する第9のステップとを含み、前記第3のステップおよび前記第5のステップは、前記第9のステップにおいて探索された前記最適経路にしたがって、前記
最も遠い位置に存在するアクセスポイントまでの経路誘導を行うステップであってもよい。
【0021】
そして、このような本発明によれば、ナビゲーション装置側で、サーバから取得された地図情報に基づく
最も遠い位置に存在するアクセスポイントの検索および検出された
最も遠い位置に存在するアクセスポイントまでの最適経路の探索を行うことによって、サーバ側から取得された地図情報をナビゲーション装置側で有効利用することができる。
【0022】
あるいは、本発明のナビゲーション装置において、前記基準最適経路は、前記ナビゲーション装置本体側または前記現在位置および前記目的地の情報を前記ナビゲーション装置本体から取得した前記サーバ側で探索されたものであり、前記サーバは、前記ナビゲーション装置本体に取得させるべき前記地図情報に前記目的地が含まれない場合に、当該地図情報に含まれる前記
最も遠い位置に存在するアクセスポイントを検索し、検出された前記
最も遠い位置に存在するアクセスポイントを前記目的地までに経由すべき経由地に自動的に設定し、この経由地に設定された前記
最も遠い位置に存在するアクセスポイントまでの最適経路を、前記ナビゲーション装置本体に取得させるべき地図情報に基づいて探索し、前記経路誘導手段は、前記サーバによって探索された前記最適経路にしたがって、前記
最も遠い位置に存在するアクセスポイントまでの経路誘導を行ってもよい。同様に、本発明のナビゲーション方法において、前記第1のステップは、前記ナビゲーション装置側または前記現在位置および前記目的地の情報を前記ナビゲーション装置から取得した前記サーバ側で行うステップであり、前記第2のステップまたは前記第4のステップにおいて配信すべき前記地図情報に前記目的地が含まれない場合に、当該地図情報に含まれる前記
最も遠い位置に存在するアクセスポイントを前記サーバ側で検索する第7’のステップと、この第7’のステップにおいて検出された前記
最も遠い位置に存在するアクセスポイントを、前記サーバ側で前記目的地までに経由すべき経由地に自動的に設定する第8’のステップと、この第8’のステップにおいて経由地に設定された前記
最も遠い位置に存在するアクセスポイントまでの最適経路を、前記第2のステップまたは前記第4のステップにおいて配信すべき前記地図情報に基づいて前記サーバ側で探索する第9’のステップとを含み、前記第3のステップおよび前記第5のステップは、前記第9’のステップにおいて探索された前記最適経路にしたがって、前記
最も遠い位置に存在するアクセスポイントまでの経路誘導を行うステップであってもよい。
【0023】
そして、このような本発明によれば、サーバ側で、ナビゲーション装置に配信すべき地図情報に基づく
最も遠い位置に存在するアクセスポイントの検索および検出された
最も遠い位置に存在するアクセスポイントまでの最適経路の探索を行うことによって、ナビゲーション装置側の処理負担を軽減することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、携帯電話回線の使用を抑えた経済的な地図情報の取得を、ナビゲーション装置側の地図情報の記憶容量を考慮しつつ効率的に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(ナビゲーション装置の実施形態)
以下、本発明に係るナビゲーション装置の実施形態について、
図1乃至
図3を参照して説明する。
【0027】
図1は、本実施形態におけるナビゲーション装置を備えたナビゲーションシステム1を示す構成図である。
【0028】
図1に示すように、ナビゲーションシステム1は、大別して、車両に搭載された通信型のナビゲーション装置2と、このナビゲーション装置2にインターネット等の通信網4を介して通信接続可能とされたサーバ3とによって構成されている。なお、ナビゲーション装置2は、ナビゲーション機能を備えた携帯端末であってもよい。
【0029】
まず、ナビゲーション装置2について詳述すると、
図1に示すように、ナビゲーション装置2は、ナビCPU5を有している。このナビCPU5は、所定の実行プログラムを実行することによって、ナビゲーションのための種々の処理や制御を行うようになっている。
【0030】
また、
図1に示すように、ナビCPU5には、第1の通信手段としての無線LAN通信部7が接続されている。この無線LAN通信部7は、無線LANのアクセスポイント8およびこれに固定回線経由で接続された通信網4を介したサーバ3との通信(第1の通信)によって、サーバ3から地図データを取得可能とされている。
【0031】
さらに、
図1に示すように、ナビCPU5には、第2の通信手段としての携帯電話回線通信部10が接続されている。この携帯電話回線通信部10は、携帯電話回線経由での通信網4を介したサーバ3との通信(第2の通信)によって、サーバ3から地図データを取得可能とされている。
【0032】
さらにまた、
図1に示すように、ナビCPU5には、記憶手段としてのナビ側地図記憶部11が接続されている。このナビ側地図記憶部11には、無線LAN通信部7または携帯電話回線通信部10によってサーバ3から取得された地図データが記憶されるようになっている。このナビ側地図記憶部11は、SDメモリ等によって実現してもよい。
【0033】
ここで、地図データは、例えば、道路データフレーム、背景データフレーム、名称データフレーム、経路誘導データフレーム、経路計算データフレーム、地点情報フレームおよび音声データフレーム等の各種の物理データフレームによって構成されている。
【0034】
これらのうち、道路データフレームは、道路地図の表示等に用いられるようになっている。この道路データフレームには、リンク列データレコードが格納されており、このリンク列データレコードは、リンク列ヘッダ、リンク列の形状を示すリンク列形状情報、他のリンク列との関係を示すノード・リンク接続情報、ノード付加情報(リンクID、幅員・車線情報、道路名称等)、標高情報および通行規制情報等によって構成されている。
【0035】
また、背景データフレームは、背景地図の表示等に用いられるようになっている。この背景データフレームには、表示クラスごとにまとめられた図形データリスト列が格納されており、更に、各図形データリストには、図形(線または面)の形状を表現するための要素点座標情報(始点座標、オフセット座標等)が格納されている。
【0036】
さらに、名称データフレームは、地図上への文字列の表示等に用いられるようになっている。この名称データフレームには、表示クラスごとにまとめられた名称データリストが格納されており、この名称データリストは、名称データレコード列によって構成されている。各名称データレコードは、地図上に文字を表示するための文字データに相当する。この名称データフレームを用いて表示される文字列は、例えば、建物名、公園名、行政区画名および河川名等の表示クラスごとの表示対象地物の名称となる。
【0037】
さらにまた、経路誘導データフレームは、経路誘導に用いられるようになっており、この経路誘導データフレームには、誘導データフレーム、文字列データフレーム、形状データフレームおよびパターンデータフレーム等が格納されている。ここで、誘導データフレームには、交差点名称、道路名称、方面名称、スポットガイドおよび方向ガイド等が格納されている。また、文字列データフレームには、誘導データフレームと関連した実体の表示文字、発音文字およびアクセント情報等が格納されている。さらに、形状データフレームには、誘導データフレームと関連した実体を描画するための形状が格納されている。さらにまた、パターンデータフレームには、案内のために交差点の進入方向に応じた画像を描画するための実データが格納されている。
【0038】
また、経路計算データフレームは、目的地までの最適経路の計算等の経路計算に用いられるようになっており、この経路計算データフレームには、ノードデータフレーム、リンクデータフレーム、リンクコストデータフレーム、上位レベルノード・リンク対応データフレームおよびノード座標データフレーム等が格納されている。ここで、ノードデータフレームには、例えば、道路種別を複数まとめたランクの単位でノードデータが格納されている。また、リンクデータフレームには、リンクレコード、規制レコードおよびリンク間コストレコード等が格納されている。さらに、リンクコストデータフレームには、リンクIDやリンク自身のコスト等が格納されている。さらにまた、上位レベルノード・リンク対応データフレームには、当該レベルを基準とした上位のノードおよびリンクを特定する情報が格納されている。また、ノード座標データフレームには、ノードの座標が格納されている。
【0039】
さらに、地点情報フレームには地点情報が格納されている。この地点情報は、目的地または経由地の候補となる地点の検索や、地図上へのPOI(Points Of Interests)のアイコン(換言すれば、ランドマーク)の表示等に用いられるようになっている。この地点情報は、具体的には、地点の名称、位置(経緯度)、住所、郵便番号、電話番号、種別およびPOIのアイコン等によって構成されている。
【0040】
そして、本実施形態において、地点情報には、Wi-Fiスポット等の無線LANのアクセスポイント8の情報(名称、位置(座標)、住所等)が含まれている。アクセスポイント8は、サービスエリアやパーキングエリア等に設置されたものであってもよい。
【0041】
また、
図1に示すように、ナビCPU5には、ナビ側主記憶部12が接続されている。このナビ側主記憶部12は、ナビCPU5の実行プログラムの格納や、ナビCPU5の処理結果の一時的な保存等に用いられるようになっている。このナビ側主記憶部12は、ROMやRAM等によって実現してもよい。
【0042】
さらに、
図1に示すように、ナビCPU5には、衛星航法受信機14が接続されている。この衛星航法受信機14は、図示しない測位衛星(例えば、GPS衛星)から配信された軌道および時刻等に関する情報を含む測位信号を受信し、受信した測位信号をナビCPU5に入力するようになっている。
【0043】
さらにまた、
図1に示すように、ナビCPU5には、画像インターフェース(I/F)15を介してディスプレイ16が接続されている。このディスプレイ16には、ナビCPU5によって生成された各種の画像がナビCPU5によって出力されて表示されるようになっている。
【0044】
また、
図1に示すように、ナビCPU5には、音声インターフェース(I/F)17を介してスピーカ18が接続されている。このスピーカ18からは、ナビCPU5によって各種の音声が出力されるようになっている。
【0045】
さらに、
図1に示すように、ナビCPU5には、ユーザインターフェース(I/F)19を介して入力操作部20が接続されている。ユーザは、この入力操作部20を用いることによって、ナビCPU5に対してナビゲーションのための種々の入力操作を行うことが可能とされている。この入力操作部20は、ディスプレイ16のタッチパネル等であってもよい。
【0046】
次に、ナビCPU5について更に詳述すると、
図2に示すように、ナビCPU5は、その機能ブロックの1つとして、現在位置検出手段としての現在位置算出部22を有している。この現在位置算出部22には、衛星航法受信機14から出力された測位信号が入力されるようになっている。そして、現在位置算出部22は、入力された測位信号に基づいて、ナビゲーション装置2の現在位置を絶対座標として算出(検出)する衛星航法を行うようになっている。
【0047】
また、
図2に示すように、ナビCPU5は、その機能ブロックの1つとして、目的地設定手段としての目的地設定部23を有している。この目的地設定部23は、目的地を設定するための各種の操作画面をディスプレイ16に表示した上で、表示された操作画面に対する入力操作部20の操作結果に応じた目的地を設定するようになっている。
【0048】
さらに、
図2に示すように、ナビCPU5は、その機能ブロックの1つとして、経路誘導手段としての経路誘導部24を有している。この経路誘導部24は、ナビ側地図記憶部11に記憶された地図データに基づいて、目的地設定部23によって設定された目的地までの経路誘導を行うようになっている。経路誘導は、交差点拡大図やジャンクション拡大図等をディスプレイ16に表示することや、スピーカ18を介した交差点右左折音声案内等によって行うようにしてもよい。
【0049】
さらにまた、
図2に示すように、ナビCPU5は、その機能ブロックの1つとして、通信制御手段としての通信制御部25を有している。この通信制御部25は、目的地設定部23によって目的地が設定された場合に、無線LAN通信部7および携帯電話回線通信部10のうちのサーバ3との通信が可能な一方の通信部7、10にサーバ3との通信を行わせて、サーバ3から地図データ(以下、当初の地図データと称する)を取得(ダウンロード)させるようになっている。この当初の地図データの取得は、ナビゲーション装置2側またはサーバ3側で探索された当該目的地までの基準最適経路と、現在位置算出部22によって算出された現在位置と、ナビ側地図記憶部11の記憶容量情報とに基づいて行われるようになっている。また、当初の地図データは、現在位置に対する基準最適経路に沿った進行方向前方側の領域に該当する地図データであって、ナビ側地図記憶部11の記憶容量以内のデータ量を有する地図データとされている。なお、当初の地図データに該当する領域の大きさは、勿論、ナビ側地図記憶部11の記憶容量に依存する。このような当初の地図データの取得は、通信制御部25が、一方の通信部7、10を利用して、サーバ3に対して、目的地および現在位置の情報および必要に応じたナビ側地図記憶部11の記憶容量情報ならびに基準最適経路の情報の送信をともなう当初の地図データの要求を行い、この要求に応答したサーバ3側からの当初の地図データの配信によって実現するようにしてもよい。ただし、基準最適経路をサーバ3側で算出する場合には、基準最適経路の情報の送信は不要であり、また、サーバ3が予めナビ側地図記憶部11の記憶容量を知得している場合には、ナビ側地図記憶部11の記憶容量情報の送信は不要である。また、基準最適経路は、経由地を経由しないことを探索条件とした目的地までの最適経路(探索条件に応じた最小コストの経路)であってもよい。この基準最適経路の探索条件は、入力操作部20の操作によって設定可能に構成してもよい。さらに、ナビゲーション装置2側で基準最適経路を探索する場合には、ナビ側地図記憶部11等に、この基準最適経路の探索に耐え得る程度の簡易な(詳細度が粗い)地図データを原始的に保有させておけばよい。
【0050】
そして、通信制御部25は、このようにしてサーバ3から取得された当初の地図データを、ナビ側地図記憶部11に記憶させるようになっている。
【0051】
また、
図2に示すように、ナビCPU5は、その機能ブロックの1つとして、アクセスポイント検索手段としてのアクセスポイント検索部27を有している。このアクセスポイント検索部27は、通信制御部25によって取得された当初の地図データに目的地が含まれない場合(すなわち、当初の地図データに該当する領域に目的地が属しない場合)に、当該当初の地図データに基づいて、当該当初の地図データに含まれるアクセスポイント8を検索するようになっている。
【0052】
さらに、
図2に示すように、ナビCPU5は、その機能ブロックの1つとして、経由地設定手段としての経由地設定部28を有している。この経由地設定部28は、アクセスポイント検索部27によって検出されたアクセスポイント8を、目的地に到着するまでに自車が立ち寄るべき(経由すべき)経由地に自動的に設定するようになっている。
【0053】
さらにまた、
図2に示すように、ナビCPU5は、その機能ブロックの1つとして、経路探索手段としての経路探索部29を有している。この経路探索部29は、経由地設定部28によって経由地に設定されたアクセスポイント8までの最適経路を、通信制御部25によって取得された当初の地図データに基づいて探索するようになっている。このアクセスポイント8までの最適経路の探索には、ダイクストラ法等の公知の経路計算方法を利用してもよい。また、経路探索部29の経路計算機能は、基準最適経路の探索に利用してもよい。
【0054】
そして、経路誘導部24は、このようにして経路探索部29によって探索されたアクセスポイント8までの最適経路にしたがって、アクセスポイント8までの経路誘導を行うようになっている。
【0055】
更に、このようなアクセスポイント8までの経路誘導によって現在位置が当該アクセスポイント8に到達すると、通信制御部25は、そのことを、経路誘導部24による到着判定や現在位置算出部22の算出結果等に基づいて検知するようになっている。そして、この検知を契機として、通信制御部25は、無線LAN通信部7に、当該アクセスポイント8を介したサーバ3との通信によって、サーバ3から新たな地図データを取得させるようになっている。このとき取得させる新たな地図データは、当該アクセスポイント8に対する基準最適経路に沿った進行方向前方側の領域に該当する地図データであって、ナビ側地図記憶部11の記憶容量以内のデータ量を有する地図データとされている。このような新たな地図データの取得は、当初の地図データの取得と同じ要領(サーバ3への要求およびこれに対するサーバ3からの応答)で行うようにしてもよい。なお、取得された新たな地図データは、通信制御部25によってナビ側地図記憶部11に上書き保存され、当初の地図データは削除される。
【0056】
本実施形態においては、このような通信制御部25によるアクセスポイントを介した新たな地図データの取得と、経路誘導部24による当該新たな地図データに含まれる新たなアクセスポイント8までの経路誘導とを、当該新たな地図データに目的地が含まれるようになるまで繰り返し行うようになっている。このとき、新たな地図データに含まれる新たなアクセスポイント8については、アクセスポイント検索部27によって検索するようになっている。
【0057】
そして、このような新たな地図データの取得と当該地図データに含まれる新たなアクセスポイント8までの経路誘導とを繰り返すうちに、新たな地図データに目的地が含まれるようになった場合には、経路探索部29は、当該新たな地図データに基づいて、現在位置から目的地までの最適経路を探索するようになっている。経路誘導部24は、このようにして探索された目的地までの最適経路にしたがった経路誘導を行うようになっている。
【0058】
次に、サーバ3について詳述すると、
図1に示すように、サーバ3は、サーバ側CPU31を有している。このサーバ側CPU31は、所定の実行プログラムを実行することによって、ナビゲーション装置2への地図データの配信のための種々の処理や制御を行うようになっている。
【0059】
図1に示すように、サーバ側CPU31には、サーバ側通信部32が接続されている。このサーバ側通信部32は、無線LAN通信部7によって無線LANのアクセスポイント8を介したアクセスが行われた場合には、固定回線経由で、ナビゲーション装置2への地図データの配信を行うようになっている。このようにして配信された地図データは、勿論、無線LAN通信部7によって受信される。また、サーバ側通信部32は、携帯電話回線通信部10によって携帯電話回線を介したアクセスが行われた場合には、携帯電話回線経由で、ナビゲーション装置2への地図データの配信を行うようになっている。このようにして配信された地図データは、携帯電話回線通信部10によって受信される。
【0060】
また、
図1に示すように、サーバ側CPU31には、サーバ側地図記憶部333が接続されている。このサーバ側地図記憶部33には、広範囲にわたる領域の詳細かつ最新の地図データが記憶されている。ナビゲーション装置2には、このサーバ側地図記憶部33内の地図データのうちの一部の範囲(領域)の地図データが配信されるようになっている。どの範囲の地図データを配信すべきかについては、サーバ側CPU31が、ナビゲーション装置2側から送信された目的地の情報、現在位置の情報、必要に応じたナビ側地図記憶部11の記憶容量情報および探索された基準最適経路に応じて決定するようになっている。なお、サーバ側地図記憶部33には、隣接する複数カ国分の地図データが記憶されていてもよい。また、サーバ側地図記憶部33は、ハードディスクによって実現してもよい。
【0061】
さらに、
図1に示すように、サーバ側CPU31には、サーバ側主記憶部34が接続されている。このサーバ側主記憶部34は、サーバ側CPU31の実行プログラムの格納や、サーバ側CPU31の処理結果の一時的な保存等に用いられるようになっている。このサーバ側主記憶部34は、ROMやRAM等によって実現してもよい。
【0062】
以上の構成によれば、アクセスポイント8を介したサーバ3からの新たな地図データの取得および取得された新たな地図データに含まれる新たなアクセスポイント8までの経路誘導を繰り返しながら目的地に向かうことができるので、アクセスポイント8を介した経済的な地図データの取得を、ナビ側地図記憶部11の記憶容量を考慮しつつ効率的に行うことができる。
【0063】
より好ましい実施形態としては、通信制御部25は、目的地設定部23によって目的地が設定された際に、無線LAN通信部7および携帯電話回線通信部10の双方がサーバ3と通信可能な場合には、無線LAN通信部7を地図データの取得に利用するようにする。
【0064】
このように構成すれば、アクセスポイント8を介して当初の地図データの取得を行うことができるので、地図データの取得を更に経済的に行うことができる。
【0065】
より好ましくは、上記構成に加えて、更に、経路誘導部24は、通信制御部25によって取得された地図データに複数のアクセスポイント8が含まれる場合に、当該複数のアクセスポイント8のうちの現在位置から基準最適経路に沿った進行方向前方側において最も遠い位置に存在するアクセスポイント8までの経路誘導を行うようにする。
【0066】
そして、このように構成すれば、ナビ側地図記憶部11の記憶容量を考慮しつつ、アクセスポイント8において可及的に目的地に近い領域に至る地図データを取得することができるので、地図データの取得回数ひいては通信費用を更に削減することができる。
【0067】
ここで、
図3は、本実施形態におけるナビゲーションシステム1の動作の一例を模式的に示したものである。
【0068】
図3に示すように、本実施形態においては、自宅等の出発地において、通信制御部25により、無線LAN通信部7を利用してアクセスポイント8を介したサーバ3との通信を行うことによって、基準最適経路Rの周辺の当初の地図データD
1をサーバ3からダウンロードすることができる。この当初の地図データD
1は、ナビ側地図記憶部11の記憶容量以内のデータサイズであるため、これをナビ側地図記憶部11に適切に記憶させることができる。
【0069】
次に、このようにしてナビ側地図記憶部11に記憶された当初の地図データD
1に基づいて、アクセスポイント検索部27により、
図3に示すように、アクセスポイント8としての「Wi-Fiスポット1」が検出されたとする。
【0070】
この場合には、経路探索部29により、出発地から「Wi-Fiスポット1」までの最適経路が探索される。そして、経路誘導部24により、「Wi-Fiスポット1」までの最適経路にしたがった経路誘導が行われる。
【0071】
次に、当該経路誘導を受けながら自車が「Wi-Fiスポット1」に到達すると、通信制御部25により、無線LAN通信部7を利用して「Wi-Fiスポット1」を介したサーバ3との通信が行われ、この通信によって、基準最適経路Rの周辺の新たな地図データD
2をサーバ3からダウンロードすることができる。この新たな地図データD
2も、ナビ側地図記憶部11の記憶容量以内のデータサイズであるため、これをナビ側地図記憶部11に適切に記憶させることができる。また、この新たな地図データD
2は、ナビ側地図記憶部11に上書き保存される(当初の地図データD
1は消去される)ため、ナビ側地図記憶部11の記憶容量以内の十分なデータサイズ(記憶容量とほぼ同サイズ)の地図データD
2を適切に記憶させることができる。
【0072】
次に、このようにしてナビ側地図記憶部11に記憶された新たな地図データD
2に基づいて、アクセスポイント検索部27により、
図3に示すように、新たなアクセスポイント8としての「Wi-Fiスポット2」が検出されたとする。
【0073】
この場合には、経路探索部29により、「Wi-Fiスポット1」から「Wi-Fiスポット2」までの最適経路が探索される。そして、経路誘導部24により、「Wi-Fiスポット2」までの最適経路にしたがった経路誘導が行われる。
【0074】
次に、当該経路誘導を受けながら自車が「Wi-Fiスポット2」に到達すると、通信制御部25により、無線LAN通信部7を利用して「Wi-Fiスポット2」を介したサーバ3との通信が行われ、この通信によって、基準最適経路Rの周辺の新たな地図データD
3をサーバ3からダウンロードすることができる。この新たな地図データD
3も、ナビ側地図記憶部11の記憶容量以内のデータサイズであるため、これをナビ側地図記憶部11に適切に記憶(上書き保存)させることができる。
【0075】
このとき、ナビ側地図記憶部11に記憶された新たな地図データD
3には、目的地が含まれているため、アクセスポイント検索部27による新たなアクセスポイント8の検索は行わず、代わりに、経路探索部29により、「Wi-Fiスポット2」から目的地までの最適経路の探索を行う。そして、経路誘導部24により、目的地までの最適経路にしたがった経路誘導を行う。
【0076】
このようにして、本実施形態の構成によれば、Wi-Fiスポットを介してナビ側地図記憶部11の記憶容量以内の地図データのダウンロードを繰り返しながら目的地に向かうことができるので、ローミングの発生を有効に回避することができる。
【0077】
(ナビゲーション方法の実施形態)
次に、前述したナビゲーション装置2を適用した本発明に係るナビゲーション方法の実施形態について、
図4を参照して説明する。
【0078】
本実施形態においては、まず、
図4のステップ1(ST1)において、目的地設定部23により、目的地の設定を行う。
【0079】
次いで、ステップ2(ST2)において、通信制御部25により、サーバ3に対して、目的地の情報、ナビ側地図記憶部11の記憶容量情報および現在位置の情報の送信をともなう当初の地図データの要求を行う。この要求は、できるだけ無線LAN通信部7を利用して行うようにする。
【0080】
次いで、ステップ3(ST3)において、サーバ側CPU31により、ステップ2(ST2)においてナビゲーション装置2側から取得した目的地および現在位置の情報に基づいて、サーバ側地図記憶部33に記憶されている地図データを利用した基準最適経路の探索を行う。
【0081】
次いで、ステップ4(ST4)において、サーバ側CPU31により、ステップ2(ST2)におけるナビゲーション装置2側からの取得情報およびステップ3(ST3)において算出された基準最適経路に基づいて、ナビゲーション装置2に配信すべき当初の地図データを決定する。当初の地図データは、ナビ側地図記憶部11の記憶容量以内のデータサイズであり、なおかつ、現在位置に対して基準最適経路に沿った進行方向前方側の領域に該当する地図データであることを前提として、更なる最適化(具体化)を図るようにしてもよい。例えば、当初の地図データは、基準最適経路の進行方向に対して左右側方に均等な距離ずつ広がる領域に該当する地図データとしてもよい。このことは、新たな地図データについても同様である。
【0082】
次いで、ステップ5(ST5)において、サーバ側CPU31により、ステップ4(ST4)において決定された当初の地図データを、サーバ側通信部32を介してナビゲーション装置2に配信(応答)する。
【0083】
次いで、ステップ6(ST6)において、通信制御部25により、ステップ5(ST5)において配信された当初の地図データをダウンロードしてナビ側地図記憶部11に記憶させる。
【0084】
次いで、ステップ7(ST7)において、アクセスポイント検索部27により、ステップ6(ST6)においてナビ側地図記憶部11に記憶された当初の地図データに基づいて、アクセスポイント8を検索する。なお、便宜上、当初の地図データには、目的地が含まれていないものとする。
【0085】
次いで、ステップ8(ST8)において、経路探索部29により、ステップ7(ST7)において検出されたアクセスポイント8までの最適経路を探索する。
【0086】
次いで、ステップ9(ST9)において、経路誘導部24により、ステップ8(ST8)において探索された最適経路にしたがったアクセスポイント8までの経路誘導を行う。
【0087】
次いで、ステップ10(ST10)において、通信制御部25により、自車のアクセスポイント8への到着を検知する。
【0088】
次いで、ステップ11(ST11)において、通信制御部25により、無線LAN通信部7を利用して、アクセスポイント8を介したサーバ3との通信を行うことによって、サーバ3に対して、現在位置の情報の送信をともなった新たな地図データの要求を行う。
【0089】
次いで、ステップ12(ST12)において、サーバ側CPU31により、ステップ11(ST11)におけるナビゲーション装置2側からの取得情報に基づいて、ナビゲーション装置2に配信すべき新たな地図データを決定する。
【0090】
次いで、ステップ13(ST13)において、サーバ側CPU31により、ステップ12(ST12)において決定された新たな地図データを、サーバ側通信部32を介してナビゲーション装置2に配信(応答)する。
【0091】
次いで、ステップ14(ST14)において、通信制御部25により、ステップ13(ST13)において配信された新たな地図データを無線LAN通信部7を介してダウンロードして、ナビ側地図記憶部11に記憶(上書き保存)させる。
【0092】
次いで、ステップ15(ST15)において、ナビCPU5により、ステップ14(ST14)においてナビ側地図記憶部11に記憶された新たな地図データが目的地を含む否かを判定する。そして、ステップ15(ST15)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ16(ST16)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ7(ST7)に戻る。
【0093】
ここで、ステップ16(ST16)に進んだ場合には、経路探索部29によって、アクセスポイント8から目的地までの最適経路を探索した上で、経路誘導部24によって、当該最適経路にしたがった目的地までの経路誘導を行う。
【0094】
一方、ステップ7(ST7)に戻った場合には、新たな地図データを対象として、ステップ7(ST7)以降の処理を繰り返す。
【0095】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の特徴を損なわない限度において種々変更することができる。
【0096】
例えば、前述したアクセスポイント検索部27および経路探索部29に相当する構成をサーバ3側に設けることによって、ナビゲーション装置2に配信すべき地図データに基づいたアクセスポイント8の検索や、検出されたアクセスポイント8や目的地までの最適経路の探索を、サーバ3側で行うようにしてもよい。この場合には、地図データの配信にあわせて、アクセスポイント8/目的地までの最適経路の情報の配信を行うようにしてもよい。
【0097】
このように構成すれば、ナビゲーション装置2側の処理負担を軽減することができる。