【実施例】
【0075】
1.実施例1
1−1.ニッケル基金属間化合物複合焼結材料
(1)混合粉末の作製
表1に示す粉末サイズ(粒子径)を有する元素粉末を用いて、表2に示す組成を有する混合粉末(焼結用粉末)を作製した。なお、ボロン(B)についてはボロン以外の元素の合計質量に対する比率(重量ppm)で示した。
混合は表3に示すように実施例1−1のサンプルでは乳鉢と乳棒を用いて行い、実施例1−2および実施例1−3のサンプルでは遊星ボールミルを用いて行った。なお、遊星ボールミルによる混合は、乾式で行い、粉末50gに対してボール2300gを使用した。
【0076】
【表1】
粉末サイズの測定方法は、Niはフィッシャーサブシーブサイザー、他はメッシュによった。
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
図3は、得られた混合粉末の走査電子顕微鏡(SEM)像であり、
図3(a)は実施例1−1のSEM像であり、
図3(b)は実施例1−2のSEM像であり、
図3(c)は実施例1−3のSEM像である。
ボールミルにより得た実施例1−2および1−3の混合粉末は凝集し、実施例1−1の混合粉末と比べ粒径が大きくなっている。
【0080】
(2)焼結
得られた実施例1−1〜1−3の混合粉末をそれぞれ用いて、ホットプレス法により焼結を行った。
焼結は、真空中で、焼結温度1250℃で3時間保持し、50MPaの圧力を付与して行った。
これにより、直径40mm×高さ5mmのディスク状のニッケル基金属間化合物複合焼結材料(焼結体)を得た。
【0081】
(3)組織観察
図4は、得られた分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の金属組織を示す光学顕微鏡写真であり、
図4(a)は実施例1−1の光学顕微鏡写真であり、
図4(b)は実施例1−2の光学顕微鏡写真であり、
図4(c)は実施例1−3の光学顕微鏡写真である。
図38は、得られた分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の金属組織を示すSEM像であり、
図38(a)は実施例1−1のSEM像であり、
図38(b)は実施例1−1のより高い倍率のSEM像である。
図4および
図38の結果より、乳鉢混合を行った実施例1−1のサンプルでも十分に緻密な組織を得ることができることが判る。そして、ボールミル混合を行った実施例1−2および1−3のサンプルでは、乳鉢混合と比べ均質一様性が向上している様子が観察された。また、SEM像では50μm以下の結晶粒は1〜5μmの2重複相組織からなっていることがわかる。この2重複相組織は何れのサンプルでもサンプル全面に観察された。
【0082】
(4)X線回折
次に、得られたニッケル基金属間化合物複合焼結材料についてX線回折(CuKα)を行った。
図5はX線回折結果を示し、
図5(a)は実施例1−1のX線回折結果を示し、
図5(b)は実施例1−2のX線回折結果を示し、
図5(c)は実施例1−3のX線回折結果を示す。また
図5の下部にはNi
3AlおよびNi
3Vのピーク位置を示す。
図5のX線回折結果から、実施例1−1〜1−3の何れも2重複相組織が形成されていることによるNi
3AlおよびNi
3Vの存在が確認できた。
【0083】
(5)酸素・窒素含有量、密度、硬さ試験結果
表4に得られたニッケル基金属間化合物複合焼結材料の酸素含有量、窒素含有量、密度および室温硬さの測定結果を示す。
【0084】
酸素含有量は赤外線吸収法により測定した。
窒素含有量は熱伝導方式により測定した。
【0085】
密度は以下の方法で求めた。
各サンプルを耐水エメリー紙にて#1500まで湿式研磨を行い、吊り下げ式電子天秤を用いて乾燥重量、水中重量、含水重量を測定し、アルキメデス法にてかさ密度を算出した。また比較のために組成の等しい溶製材についても同様に密度測定を行った。密度(かさ密度)は以下の(2)式を用いて算出した。
ρ
b=W
1ρ
1/(W
2−W’) (2)
ここで、ρ
bは密度(かさ密度)であり、W
1は乾燥重量であり、W
2は含水重量であり、W’は水中重量である。
【0086】
硬さは、以下の方法により求めた。
各サンプルを耐水エメリー紙にて#1500まで湿式研磨した後、アルミナ粉末を用いバフ研磨をした。その後、この研磨したサンプルを用いてマイクロビッカース硬さ試験を行った。各サンプル毎に12箇所で測定を行い、最大値および最小値を除いた10点の測定値の平均値を算出し硬さとした。マイクロビッカース硬さ計の測定条件は、荷重1kg、保持時間20秒であった。
【0087】
【表4】
【0088】
表4の結果から、何れのサンプルも硬さが450HV1(JIS(JIS−R1610)の表示による)以上で、十分な硬さが得られていることが分かる。また、ボールミル混合を用いることにより、合金中の酸素量および窒素は増加し比重が低下するものの、硬さが向上していることが分かる。
【0089】
(6)高温硬さ測定結果
図6は、得られたサンプルの室温〜900℃間の温度での硬さHV1測定結果を示すグラフである。
実施例1−1〜1−3の何れのサンプルも、例えば、400℃で400HV1以上であるなど十分に高い高温硬さを示しており、これにより高温において、高い強度と耐摩耗性を有することが判る。
また、600℃までは、ボールミルにより混合粉末を得た実施例1−2および1−3のサンプルの方が、乳鉢・乳房を用いて混合粉末を得たサンプルより硬さが高くなっている。
【0090】
1−2.硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料
(1)硬質粒子を含有した焼結用粉末の作製
次に表1に示す原料粉末を表2に示す組成となるように準備し、この原料粉末に硬質粒子として平均粒径1.5μm(粉末サイズの測定方法は、フィッシャーサブシーブサイザーによる)のTiC粒子を表5に示すように8〜80体積%の含有量となるように添加した後、ボールミルにより、硬質粒子を含有した焼結用粉末を作製した。ボールミルの条件は上述した実施例1−2と同じにした。
【0091】
【表5】
【0092】
図7は、硬質粒子を含有した焼結用粉末(混合粉末)の走査電子顕微鏡(SEM)像であり、
図7(a)は実施例1−4のSEM像であり、
図7(b)は実施例1−5のSEM像であり、
図7(c)は実施例1−6のSEM像であり、
図7(d)は実施例1−7のSEM像であり、
図7(e)は実施例1−8のSEM像である。
硬質粒子TiCの含有量が増加する程、凝集が起こりにくく、凝集粉の粒径が小さくなる傾向が認められた。
【0093】
(2)焼結
得られた実施例1−4〜1−8の硬質粒子を含有した焼結用粉末をそれぞれ用いて、ホットプレス法により焼結を行って、硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料(焼結体)を得た。
焼結の条件は、上述の実施例1−1〜1−3と同じ条件とした。
【0094】
(3)熱処理
さらに、実施例1−6のサンプルについては、焼結後のサンプルに熱処理を行った。
熱処理条件は、真空中において1280℃で3時間保持した。
【0095】
(4)組織観察
図8は、硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の金属組織を示す光学顕微鏡写真であり、
図8(a)は実施例1−4の光学顕微鏡写真であり、
図8(b)は実施例1−5の光学顕微鏡写真であり、
図8(c)は実施例1−6の光学顕微鏡写真であり、
図8(d)は実施例1−7の光学顕微鏡写真であり、
図8(e)は実施例1−8の光学顕微鏡写真である。
図8の光学顕微鏡観察結果より、濃灰色のTiC粒子が均一に分散していることが分かる。
【0096】
さらに、実施例1−6のサンプルについては、SEM観察を行った。
図9は、実施例1−6に係る硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の金属組織を示すSEM像であり、
図9(a)は焼結後サンプルのSEM像であり、
図9(b)は焼結後サンプルの高倍率でのSEM像であり、
図9(c)は熱処理後サンプルのSEM像であり、
図9(d)は熱処理後サンプルの高倍率でのSEM像である。
図9より、濃灰色のTiC粒子が均一に分散し、その間の淡灰色部分には2重複相組織が形成されていることが確認できる。また、熱処理後のサンプルは焼結後のサンプルと比べて粗大化した2重複相組織がはっきりと、全面に形成されていることがわかる。
【0097】
(5)X線回折
次に、得られた硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料についてX線回折(X線源:CuKα)を行った。
図10はX線回折(CuKα)結果を示し、
図10(a)はTiCを含まない実施例1−2のX線回折結果を再度示し、
図10(b)は実施例1−4のX線回折結果を示し、
図10(c)は実施例1−5のX線回折結果を示し、
図10(d)は実施例1−6のX線回折結果を示し、
図10(e)は実施例1−7のX線回折結果を示し、
図10(f)は実施例1−8のX線回折結果を示す。また
図10の下部にはTiC、Ni
3AlおよびNi
3Vのピーク位置を示す。
図10のX線回折結果から、2重複相組織の構成相(Ni
3AlおよびNi
3V)およびTiC相が確認できた。
図11は、サンプル1−6に係る硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料のX線回折(CuKα)結果をより詳細に示し、
図11(a)は焼結後のX線回折結果を示し、
図11(b)は熱処理後のX線回折結果を示す。
図11のX線回折結果から、焼結後のサンプルと熱処理後のサンプルの両方より2重複相組織の構成相および(Ti、V)C相の両方が検出され、熱処理による硬質粒子の分解などは生じていないことが分かる。
(6)炭素含有量、酸素含有量、窒素含有量、密度、硬さ試験結果
表6に得られた実施例1−6および1−8の硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の炭素含有量、酸素含有量、窒素含有量、密度および室温硬さの測定結果を示す。また、実施例1−2のニッケル基金属間化合物複合焼結材料のこれらの結果も再度掲載した
炭素含有量は燃焼・赤外線吸収法により測定した。
酸素・窒素含有量、密度および硬さの測定方法は、実施例1−1〜1−3と同じ方法を用いた。
【0098】
【表6】
【0099】
表6より、TiC添加量の増加により炭素含有量は増加している。一方、酸素含有量、窒素含有量はTiC添加量の影響を受けず、密度は低下していることが分かる。TiCを添加することにより室温硬さが大きく上昇しており、硬さを向上できることが判った。
【0100】
(7)高温硬さ試験結果
図12は、実施例1−6および1−8の硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の室温〜900℃間の温度での硬さHV1測定結果を示すグラフである。また、実施例1−2の結果も比較のため記載した。
硬質粒子TiCを添加した実施例1−6および1−8のサンプルは、何れの温度においても硬質粒子TiCを添加していない実施例1−2より高い硬さを有しており、よりいっそう、高温硬さおよび高温での耐摩耗性に優れることが判る。
また、実施例1−6と実施例1−8とを比較すると全ての温度でより多くの硬質粒子TiCを添加した実施例1−8の方が高い硬さを有している。
【0101】
2.実施例2
2−1.ニッケル基金属間化合物複合焼結材料
(1)混合粉末の作製
表7に示す粉末サイズ(粒子径)を有する元素粉末を用いて、表8に示す組成を有する混合粉末(焼結用粉末)を作製した。混合は表9に示すように実施例2−1のサンプルでは乳鉢と乳棒を用いて行い、実施例2−2のサンプルでは遊星ボールミルを用いて行った。なお、遊星ボールミルによる混合は、乾式で行い、粉末50gに対してボール2300gを使用した。
【0102】
【表7】
粉末サイズの測定方法は、Niはフィッシャーサブシーブサイザー、他はメッシュによった。
【0103】
【表8】
【0104】
【表9】
【0105】
(2)焼結
得られた実施例2−1および2−2の混合粉末をそれぞれ用いて、ホットプレス法により焼結を行った。
焼結は、真空中で、焼結温度1250℃で3時間保持し、50MPaの圧力を付与して行った。
これにより、直径40mm×高さ5mmのディスク状のニッケル基金属間化合物複合焼結材料(焼結体)を得た。
【0106】
(3)熱処理
さらに、実施例2−1および2−2の両方のサンプルについて、焼結後に熱処理を行った。
熱処理条件は、真空中において1280℃で3時間保持した
【0107】
(4)組織観察
図13は、得られたニッケル基金属間化合物複合焼結材料の焼結後の金属組織を示すSEM像であり、
図13(a)は実施例2−1のSEM像であり、
図13(b)は、実施例2−1の高倍率でのSEM像であり、
図13(c)は実施例2−2のSEM像であり、
図13(d)は実施例2−2の高倍率でのSEM像である。
図13より、乳鉢混合を行った実施例2−1のサンプルでも十分に緻密な組織を得ることができることが判る。そして、ボールミル混合を行った実施例2−2のサンプルでは、均質一様性が向上している様子が観察された。また、SEM像では50μm以下の結晶粒の中に1μm〜5μmの初析L1
2相が観察され、2重複相組織となっていることがわかる。何れのサンプルでも全面に亘り2重複相組織が認められた。
図14は、得られたニッケル基金属間化合物複合焼結材料の熱処理後の金属組織を示すSEM像であり、
図14(a)は実施例2−1のSEM像であり、
図14(b)は、実施例2−1の高倍率でのSEM像であり、
図14(c)は実施例2−2のSEM像であり、
図14(d)は実施例2−2の高倍率でのSEM像である。
図14より、熱処理材では2重複相組織がより鮮明となっていることが分かる。
【0108】
(5)X線回折
次に、得られたニッケル基金属間化合物複合焼結材料についてX線回折(CuKα)を行った。
図15は実施例2−1のX線回折結果を示し、
図15(a)は焼結後のX線回折結果を示し、
図15(b)は熱処理後のX線回折結果を示す。
図16は実施例2−2のX線回折結果を示し、
図16(a)は焼結後のX線回折結果を示し、
図16(b)は熱処理後のX線回折結果を示す。
図15および
図16のX線回折結果から、実施例2−1および2−2のどちらも2重複相組織が形成されていることによるNi
3AlおよびNi
3Vの存在が確認できた。
【0109】
(6)平均結晶粒径
実施例2−1および2−2のサンプルについて、焼結後のサンプルについて、電解研磨を行った後、SEMを用いた電子線後方散乱回折(
Elctron
Back
scatter
Diffraction: EBSD)法により結晶方位解析を行ってパターンクオリティマップから切片法を用いて平均切片長さLを求めた。
そして、以下の(3)式より公称粒径dを算出した。結晶方位解析を行う時、解析範囲に結晶粒が100個以上入るようにSEMの倍率を選び各試料について3箇所分析を行った。
d=1.128L (3)
【0110】
図17は、結晶方位解析を行い得たパターンクオリティマップの例であり、
図17(a)は実施例2−1の例を示し、
図17(b)は実施例2−2の例を示す。
得られた平均粒径は実施例2−1のサンプルで19μmであり、実施例2−2のサンプルで2μmであった。
【0111】
(7)硬さ試験結果
実施例1と同じ方法により硬さを測定した。
図18は、実施例2−1および2−2の焼結後および熱処理後の硬さHV1を示す。実施例2−1は焼結後および熱処理後ともHV1の平均値が500程度あり、実施例2−2は焼鈍後および熱処理後ともHV1の平均値が600程度あり、どちらのサンプルも十分な強度(硬さ)を有することが判る。
【0112】
2−2.硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料
(1)硬質粒子を含有した焼結用粉末の作製
次に表7に示す原料粉末を表8に示す組成となるように準備し、この原料粉末に硬質粒子として平均粒径1.5μm(粉末サイズの測定方法は、フィッシャーサブシーブサイザーによる)のTiC粒子を30体積%の含有量となるように添加した後、実施例2−3では乳鉢と乳棒により、また実施例2−4ではボールミルにより、硬質粒子を含有した焼結用粉末を作製した。乳鉢と乳棒による混合の条件は実施例2−1と同じにし、ボールミルによる混合の条件は実施例2−2と同じにした。
【0113】
(2)焼結
得られた実施例2−3および2−4の硬質粒子を含有した焼結用粉末をそれぞれ用いて、ホットプレス法により焼結を行って、硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料(焼結体)を得た。
焼結の条件は、上述の実施例2−1および2−2と同じ条件とした。
【0114】
(3)熱処理
さらに、実施例2−3および2−4について、焼結後のサンプルに熱処理を行った。
熱処理条件は、真空中において1280℃で3時間保持した。
【0115】
(4)組織観察
図19は、得られた硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の焼結後の金属組織を示すSEM像であり、
図19(a)は実施例2−3のSEM像であり、
図19(b)は、実施例2−3の高倍率でのSEM像であり、
図19(c)は実施例2−4のSEM像であり、
図19(d)は実施例2−4の高倍率でのSEM像である。
図19より、濃灰色のTiC相が均一に分散し、その間の淡灰色相が2重複相組織となっていることが分かる。
図20は、得られた硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の熱処理後の金属組織を示すSEM像であり、
図20(a)は実施例2−3のSEM像であり、
図20(b)は、実施例2−3の高倍率でのSEM像であり、
図20(c)は実施例2−4のSEM像であり、
図20(d)は実施例2−4の高倍率でのSEM像である。
図20より、いずれのサンプルでも濃灰色のTiC相が分散している様子が観察される。また、乳鉢混合に比べてボールミル混合の分散が良いことが分かる。
【0116】
(5)X線回折
次に、得られた硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料についてX線回折(CuKα)を行った。
図21は実施例2−3のX線回折結果を示し、
図21(a)は焼結後のX線回折結果を示し、
図21(b)は熱処理後のX線回折結果を示す。
図22は実施例2−4のX線回折結果を示し、
図22(a)は焼結後のX線回折結果を示し、
図22(b)は熱処理後のX線回折結果を示す。
図21および
図22のX線回折結果から、実施例2−3および2−4のどちらも2重複相組織が形成されていることによるNi
3AlおよびNi
3Vの存在が確認できた。
(6)硬さ試験結果
実施例1と同じ方法により硬さを測定した。
図23は、実施例2−3および2−4の焼結後および熱処理後の硬さHV1を示す。実施例2−3は焼鈍後のHV1の平均値が700程度であり、熱処理後のHV1の平均値が650程度あり、実施例2−4は焼鈍後のHV1の平均値が770程度であり、熱処理後のHV1の平均値が750程度あり、どちらのサンプルも十分な硬さを有することが判る。また、硬質粒子TiCを添加していない実施例2−1および2−2より高い硬さを有しており、硬質粒子を添加することにより、よりいっそう強度(硬さ)が高くなることが判る。
【0117】
3.実施例3
本実施例では、アトマイズ粉末を用いてニッケル基金属間化合物複合焼結材料および硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料を得た。
【0118】
2−1.ニッケル基金属間化合物複合焼結材料
(1)アトマイズ粉末の作製
表10の組成を有するアトマイズ粉末(合金粉末)を得た。
なお、表10では、ボロン(B)は、他の元素の合計質量に対する比率(重量ppm)として示してある。
アトマイズ粉末は、アルゴンガス雰囲気下で所定の組成の各元素のインゴットを1600℃で溶融・滴下し、そこへアルゴンガスを50kg/cm
2の圧力で吹き付けて作製した。
【0119】
【表10】
【0120】
図24は、アトマイズ粉末のSEM像であり、
図24(a)は実施例3−1のアトマイズ粉末を示し、
図24(b)は実施例3−2のアトマイズ粉末を示し、
図24(c)は実施例3−3のアトマイズ粉末を示す。
図25は、アトマイズ粉末の粒度分布測定結果を示すグラフであり、
図25(a)は実施例3−1のアトマイズ粉末を示し、
図25(b)は実施例3−2のアトマイズ粉末を示し、
図25(c)は実施例3−3のアトマイズ粉末を示す。
粒度分布は、メッシュ法により測定した。
【0121】
図26は、アトマイズ粉末のX線回折(CuKα)結果を示す。
図26(a)は実施例3−1のX線回折結果を示し、
図26(b)は実施例3−2のX線回折結果を示し、
図26(c)は実施例3−3のX線回折結果を示す。また
図26の下部にはNi
3AlおよびNi
3Vのピーク位置を示した。
【0122】
図26のX線回折結果では、L1
2相とD0
22相が形成しており、他の相に起因するピークは認められなかった。
【0123】
(2)焼結
得られた実施例3−1〜3−3のアトマイズ粉末(焼結用粉末)をそれぞれ用いて、ホットプレス法により焼結を行って、ニッケル基金属間化合物複合焼結材料(焼結体)を得た。
焼結温度を1250℃と1280℃に2水準で行った以外は、焼結の条件は、上述の実施例1−1〜1−3と同じ条件とした。
以下、焼結温度1250℃で焼結したサンプルには例えば「実施例3−1A」のように「A」を付し、焼結温度1280℃で焼結したサンプルには例えば「実施例3−1B」のように「B」を付す。
【0124】
(3)組織観察
図27は、ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の金属組織を示す光学顕微鏡写真であり、
図27(a)は実施例3−1Aの光学顕微鏡写真であり、
図27(b)は実施例3−1Bの光学顕微鏡写真であり、
図27(c)は実施例3−2Aの光学顕微鏡写真であり、
図27(d)は実施例3−2Bの光学顕微鏡写真であり、
図27(e)は実施例3−3Aの光学顕微鏡写真であり、
図27(f)は実施例3−3Bの光学顕微鏡写真である。
図28は、実施例3−2Aと実施例3−2BのSEM像であり、
図28(a)は実施例3−2AのSEM像であり、
図28(b)は、実施例3−2Aの高倍率でのSEM像であり、
図28(c)は実施例3−2BのSEM像であり、
図28(d)は実施例3−2Bの高倍率でのSEM像である。
図29は、実施例3−3Aと実施例3−3BのSEM像であり、
図29(a)は実施例3−3AのSEM像であり、
図29(b)は、実施例3−3Aの高倍率でのSEM像であり、
図29(c)は実施例3−3BのSEM像であり、
図29(d)は実施例3−3Bの高倍率でのSEM像である。
【0125】
図27〜29において、ポア(気孔)は少量確認されるだけであり、緻密な焼結体が得られていることが分かる。また、実施例3−2Aおよび3−2Bでは焼結後の状態で2重複相組織がサンプル全体に観察された。実施例3−3Aについては2重複相組織中に針状または板状のNi
3AlまたはNi
3V以外の金属間化合物相が全面に出現しており、実施例3−3BではこのようなNi
3Al、Ni
3V以外の金属間化合物相は出現しておらず、サンプル全体が2重複相組織となっている。この結果、焼結温度は1280℃の方が好ましいことが分かる。
【0126】
(4)X線回折
次に、得られたニッケル基金属間化合物複合焼結材料についてX線回折(CuKα)を行った。
図30はX線回折結果を示し、
図30(a)は実施例3−1AのX線回折結果を示し、
図30(b)は実施例3−2AのX線回折結果を示し、
図30(c)は実施例3−3AのX線回折結果を示す。また
図30の下部にはNi
3AlおよびNi
3Vのピーク位置を示す。
図30のX線回折結果から、実施例3−1A、3−2A、3−3Aの何れについても2重複相組織が形成されていることによるNi
3AlおよびNi
3Vの存在が確認できた。また、
図30には示さないが、実施例3−1B、3−2B、3−3Bの何れについても2重複相組織が形成されていることによるNi
3AlおよびNi
3Vの存在が確認できた。
【0127】
(5)密度、硬さ試験結果
表11に得られた実施例3−1A〜3−3Bのニッケル基金属間化合物複合焼結材料の密度および室温硬さの測定結果を示す。
密度および硬さの測定方法は、実施例1−1〜1−3と同じ方法を用いた。
【0128】
【表11】
【0129】
表11より、何れの実施例サンプルにおいても十分な密度および硬さが得られているが、実施例3−3Aについては、2重複相組織の生成が一部分であったためか、若干、硬さが低くなった。焼結温度は1280℃が適切であることが分かる。
【0130】
(6)高温硬さ測定試験結果
図31(a)は、実施例3−1A、3−2Aおよび3−3Aの室温〜900℃間の温度での硬さHV1測定結果を示すグラフであり、
図31(b)は、実施例3−1B、3−2Bおよび3−3Bの室温〜900℃間の温度での硬さHV1測定結果を示すグラフである。
【0131】
何れのサンプルも、例えば、400℃で400HV1(JIS(JIS−R1610)の表示による)以上であるなど十分に高い高温硬さを示しており、これにより高温において、高い強度と耐摩耗性を有することが判る。
【0132】
2−2.硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料
(1)硬質粒子を含有した焼結用粉末の作製
実施例3−2のアトマイズ粉末に、平均粒径1.5μm(粉末サイズの測定方法は、フィッシャーサブシーブサイザーによる)のTiC(微粒TiC)を50体積%混合し、実施例3−4に係る、硬質粒子を含有した焼結用粉末を作製した。
同様に、実施例3−2のアトマイズ粉末に、平均粒径50μm(粉末サイズの測定方法は、メッシュによる)のTiC(粗粒TiC)を30体積%混合し、実施例3−5に係る、硬質粒子を含有した焼結用粉末を作製した。
さらに、実施例3−2のアトマイズ粉末に、平均粒径2μm(粉末サイズの測定方法は、フィッシャーサブシーブサイザーによる)のNbC(微粒NbC)を30体積%混合し、実施例3−6に係る、硬質粒子を含有した焼結用粉末を作製した。
実施例3−2のアトマイズ粉末に、平均粒径1.5μm(粉末サイズの測定方法は、フィッシャーサブシーブサイザーによる)のWC粉末を30体積%混合し、実施例3−7に係る、硬質粒子を含有した焼結用粉末を作製した。
実施例3−2のアトマイズ粉末に、平均粒径2.0μm(粉末サイズの測定方法は、フィッシャーサブシーブサイザーによる)のTaC粉末を30体積%混合し、実施例3−8に係る、硬質粒子を含有した焼結用粉末を作製した。
【0133】
得られた実施例3−4〜3−8に係る、硬質粒子を含有した焼結用粉末をそれぞれ用いて、ホットプレス法により焼結を行って、硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料(焼結体)を得た。
焼結の条件は、実施例3−4〜3−6については上述の実施例1−1〜1−3と同じ条件、すなわち、焼結温度は1250℃とした。一方、実施例3−7および3−8については焼結温度を1280℃とした。それ以外の焼結条件は、実施例3−4〜3−6と同じとした。
【0134】
(3)組織観察
図32は、実施例3−4〜3−6に係る硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の金属組織を示す光学顕微鏡写真であり、
図32(a)は実施例3−4の光学顕微鏡写真であり、
図32(b)は実施例3−5の光学顕微鏡写真であり、
図32(c)は実施例3−6の光学顕微鏡写真である。
図33は、得られた実施例3−4および3−6に係る硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の金属組織を示すSEM像であり、
図33(a)は実施例3−4のSEM像であり、
図33(b)は実施例3−4のより高倍率のSEM像であり、
図33(c)は実施例3−6のSEM像であり、
図33(d)は実施例3−6のより高倍率のSEM像である。
図34は、得られた実施例3−7および3−8に係る硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の金属組織を示すSEM像であり、
図34(a)は実施例3−7のSEM像であり、
図34(b)は実施例3−7のより高倍率のSEM像であり、
図34(c)は実施例3−8のSEM像であり、
図34(d)は実施例3−8のより高倍率のSEM像である。
【0135】
図32〜
図34より、添加した硬質粒子は、もともとアトマイズ粒子であったと思われるNi
3Al/Ni
3V相の間に分布していることが分かる。そのNi
3Al/Ni
3V相中には2重複相組織が観察された。
【0136】
(4)高温硬さ測定結果
図35は、実施例3−4〜3−6の硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の室温〜900℃間の温度での硬さHV1測定結果を示すグラフである。
図35より、硬質粒子を分散させることで室温の硬さが上昇している。また、温度上昇に伴う硬さの低下が低いことが分かる、これはニッケル基金属間化合物の特長によると思われる。硬質粒子の粒度としては、微粒の方が硬さの向上の効果が大きいことが判る。また、硬質粒子の種類の影響については、室温では、微粒TiCとNbCとがほぼ同じ硬さとなったが、200℃〜600℃では微粒TiCを用いた方がより高い硬さを得られることが判った。
【0137】
(5)硬さ測定結果
図36は、実施例3−7および3−8の硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の室温での硬さHV1測定結果を示すグラフである。
図36より、WCおよびTaCのいずれも分散硬化による硬さ上昇が可能であり、TaCの方がより硬さ上昇が大きいことが判る。
【0138】
以上に示した実施例1〜3より、本願発明が第1のニッケル基金属間化合物を含む初析相と、第1のニッケル基金属間化合物と第2のニッケル基金属間化合物とを含む共析相と、を含んで成る2重複相組織を有し、かつ得られた2重複相組織が均一で高い強度(硬さ)を有するニッケル基金属間化合物複合焼結材料を提供できること、および粉末成形法を用いることによりニッケル基金属間化合物複合焼結材料をより優れた寸法精度(ニアネットシェイプ)で製造できる方法を提供することが明確である。
さらに、硬質粒子を用いることで、本願発明に係るニッケル基金属間化合物複合焼結材料は、よりいっそう高い強度(硬さ)を有することも明確である。
【0139】
4.実施例4
本実施例では、硬質粒子としてバナジウム炭化物(VC)とタングステン炭化物(WC)を用いた。
(1)硬質粒子を含有した焼結用粉末の作製
実施例2と同じく、表7に示す原料粉末を表8に示す組成となるように準備し、この原料粉末に硬質粒子として平均粒径1.5μm(粉末サイズの測定方法は、フィッシャーサブシーブサイザーによる)VC粒子または平均粒径1.5μm(粉末サイズの測定方法は、フィッシャーサブシーブサイザーによる)のWC粒子を所定の割合で添加した。
より詳細には、実施例4−1では、VC粒子を30体積%の含有量となるように添加し、実施例4−2では、VC粒子を50体積%の含有量となるように添加し、実施例4−3では、VC粒子を70体積%の含有量となるように添加し、実施例4−4では、WC粒子を50体積%の含有量となるように添加した。
そして、実施例4−1〜4−4の何れのサンプルについても乳鉢と乳棒により、硬質粒子を含有した焼結用粉末を作製した。
【0140】
(2)焼結
得られた実施例4−1〜4−4の硬質粒子を含有した焼結用粉末をそれぞれ用いて、ホットプレス法により焼結を行って、硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料(焼結体)を得た。
焼結の条件は、上述の実施例2−1および2−2と同じ条件とした。
【0141】
(3)熱処理
さらに、実施例4−1〜4−4の何れについても焼結後のサンプルに熱処理を行った。
熱処理条件は、真空中において1280℃で3時間保持した。
【0142】
(4)組織観察
図39は、得られた実施例4に係る硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の金属組織を示す光学顕微鏡写真であり、
図39(a)は実施例4−1の光学顕微鏡写真であり、
図39(b)は実施例4−2の光学顕微鏡写真であり、
図39(c)は実施例4−3の光学顕微鏡写真であり、
図39(d)は実施例4−4の光学顕微鏡写真である。
図39(a)〜(c)より、濃灰色のVC相が均一に分散し、その間の淡灰色相が2重複相組織となっていることが分かる。また、VC粒子の体積率が増加するに従って、VC相の量が増加していることも分かる。
図39(d)より、濃灰色のWC相が均一に分散し、その間の淡灰色相が2重複相組織となっていることが分かる。
【0143】
(5)硬さ試験結果
実施例1と同じ方法により室温での硬さを測定した。
表12に、実施例4−1〜4−4サンプル(熱処理後)の硬さ試験の結果を示す。実施例4−1〜4−4の何れのサンプルも十分な硬さを有することが判る。
また、実施例4−1〜4−3より、VC粒子の体積率が30%〜70%と増加することにより、室温硬さHV1が658〜1237と大きく増加することが分かる。
【0144】
【表12】
【0145】
(6)高温硬さ測定試験結果
図40は、実施例4−1〜4−3サンプルの室温〜900℃間の温度での硬さHV1測定結果を示すグラフである。
【0146】
何れのサンプルも例えば、何れのサンプルも、例えば、600℃で400HV1(JIS(JIS−R1610)の表示による)以上であるなど十分に高い高温硬さを示しており、これにより高温において、高い強度と耐摩耗性を有することが判る。
【0147】
5.実施例5
本実施例では、硬質粒子として値チタンニウム炭化物(TiC)、チタニウム炭窒化物(TiCN)、チタン窒化物(TiN)、タンタル炭化物(TaC)およびタングステン炭化物(WC)を用いた。
【0148】
(1)硬質粒子を含有した焼結用粉末の作製
上述の実施例3−3のアトマイズ粉末(組成:75.0at%−7.0at%Al−13.0at%V−5at%Taに50ppmのBを添加)に、平均粒径1.5μm(粉末サイズの測定方法は、フィッシャーサブシーブサイザーによる)のTiCを30体積%混合し、実施例5−1に係る、硬質粒子を含有した焼結用粉末を作製した。
実施例3−3のアトマイズ粉末に、平均粒径2.0μm(粉末サイズの測定方法は、メッシュによる)のTiCNを30体積%混合し、実施例5−2に係る、硬質粒子を含有した焼結用粉末を作製した。
実施例3−3のアトマイズ粉末に、平均粒径2.0μm(粉末サイズの測定方法は、メッシュによる)のTiNを30体積%混合し、実施例5−3に係る、硬質粒子を含有した焼結用粉末を作製した。
実施例3−3のアトマイズ粉末に、平均粒径2.0μm(粉末サイズの測定方法は、メッシュによる)のTaCを30体積%混合し、実施例5−4に係る、硬質粒子を含有した焼結用粉末を作製した。
実施例3−3のアトマイズ粉末に、平均粒径1.5μm(粉末サイズの測定方法は、メッシュによる)のWCを15体積%混合し、実施例5−5に係る、硬質粒子を含有した焼結用粉末を作製した。
実施例3−3のアトマイズ粉末に、平均粒径6.0μm(粉末サイズの測定方法は、メッシュによる)のWCを60体積%混合し、実施例5−6に係る、硬質粒子を含有した焼結用粉末を作製した。
【0149】
(2)焼結
得られた実施例5−1〜5−6に係る、硬質粒子を含有した焼結用粉末をそれぞれ用いて、ホットプレス法により焼結を行って、硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料(焼結体)を得た。
実施例5−1〜5−6の何れのサンプルについても焼結の条件は、実施例3−7および3−8と同じ条件、すなわち、焼結温度は1280℃とした。
【0150】
(2)硬さ試験結果
実施例1と同じ方法により室温での硬さを測定した。
図41は、実施例5−1〜5−6サンプル(焼結体)の室温硬度HV1を示すグラフである。
実施例5−1〜5−6サンプルは、室温硬度HV1が629〜789と高い値を示していることが分かる。
【0151】
6.実施例6
本実施例では、硬質粒子をアトマイズする前に加えて、溶融し、アトマイズ粉末を得て、このアトマイズ粉を用いて硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料を得た。
【0152】
(1)アトマイズ粉末の作製
表13の組成を有する母材(Ni、Al、V、TaおよびNbはそれぞれ純金属インゴットの形態)を用意した。
なお、表13では、ボロン(B)は、他の元素の合計質量に対する比率(重量ppm)として示してある。
これに、15体積%のTiC(粒径1.5μm)を加えた後、アルゴンガス雰囲気下で所定の組成の各元素のインゴットを溶融・滴下(溶融温度2000℃以上)し、そこへアルゴンガスを50kg/cm
2の圧力で吹き付けてアトマイズ粉末を作製した。
【0153】
【表13】
【0154】
(2)焼結
得られた実施例6−1および6−2に係るアトマイズ粉末をそれぞれ用いて、ホットプレス法により焼結を行って、硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料(焼結体)を得た。
実施例6−1および6−2のどちらのサンプルについても焼結の条件は、実施例3−7および3−8と同じ条件、すなわち、焼結温度は1280℃とした。
【0155】
(3)組織観察
図42は、得られた実施例6に係る硬質粒子分散ニッケル基金属間化合物複合焼結材料の焼結後の金属組織を示す光学顕微鏡写真であり、
図42(a)は実施例6−1の光学顕微鏡写真であり、
図42(b)は実施例6−2の光学顕微鏡写真である。
図42(a)、(b)のどちらとも濃灰色のTiC相が均一に分散し、その間の淡灰色相が2重複相組織となっていることが分かる。
【0156】
(4)硬さ試験結果
実施例1と同じ方法により室温での硬さを測定した。
実施例6−1のサンプル(焼結体)の室温硬度は523HV1であり、実施例6−2のサンプル(焼結体)の室温硬度は551HV1であった。
【0157】
(5)高温硬さ測定試験結果
図43は、実施例6−1サンプルの室温〜900℃間の温度での硬さHV1測定結果を示すグラフである。
【0158】
例えば、400℃で400HV1(JIS(JIS−R1610)の表示による)以上であるなど十分に高い高温硬さを示しており、これにより高温において、高い強度と耐摩耗性を有することが判る。
【0159】
本出願は、日本国特許出願、特願第2011−230005号を基礎出願とする優先権主張を伴う。日本国特許出願、特願第2011−230005号は参照することにより本明細書に取り込まれる。