【実施例】
【0011】
図1〜
図7は、この発明の実施例を示すものである。
図1、
図2において、1はハンドル形の電気車いすからなる電動車両、2はこの電動車両1の車体(フレーム)、3・3は前輪、4は後輪、5は座席(シート)である。
車体2には、後部で座席5の下方に駆動装置6が設置されているとともに、前部では筒部材7により覆われたハンドルポスト8が立設している。このハンドルポスト8の前方には、上方が開放状態になっているバスケット9が配置されている。また、ハンドルポスト8の上部には、ハンドルバー10が回転自在に支持されている。このハンドルバー10は、中央部位がハンドルポスト8の上部に支持されて車両幅方向Xに延びる中央側ハンドル部10Aと、左方で所定に曲げて形成された左側ハンドル部10Bと、右方で所定に曲げて形成された右側ハンドル部10Cとからなる。
【0012】
ハンドルバー10の中央側ハンドル部10Aの車両幅方向中央部には、該ハンドルバー10と一体に回転する操作ボックス11が配置されている。
図4、
図6に示すように、操作ボックス11は、アッパケース12とこのアッパケース12に接続したフロントスカート部13及びリヤスカート部14とからなり、また、底面部15を備えて内部空間16を形成している。また、この操作ボックス11の前側部の下方には、バスケット9が配置されている。
この操作ボックス11の底面部15には、操作ボックス11を車両幅方向Xから視た場合、車両上方に湾曲した湾曲部17が形成されている。
操作ボックス11のアッパケース12には、前端側で左ミラー18L及び右ミラー18Rが立設されているとともに、後端部でキー19を挿入するキー挿入部20が設置されている。
また、操作ボックス11には、アクセルレバー21が取り付けられる。このアクセルレバー21は、操作ボックス11を車両幅方向Xに貫通する中央側レバー部21Aと、左方で所定に曲げて形成された左側レバー部21Bと、右方で所定に曲げて形成された右側レバー部21Cとからなる。
更に、操作ボックス11には、左部でブレーキレバー22が取り付けられ、また、車速や各種インフォメーション等を表示する表示装置23が設置されている。
【0013】
図6、
図7に示すように、操作ボックス11の内部空間16には、基板24と、上下方向に延びる筒状部25と、音声又は警報音を発する発音部26とが配置されている。
筒状部25は、複数個として、例えば、底面部15の湾曲部17の頂部付近に配置される第1筒状部25Aと、この第1筒状部25Aよりも後方に配置される第2筒状部25Bとからなる。
発音部26は、複数個として、例えば、第1発音部としてのスピーカ26Aと、第2発音部としてのブザー26Bとからなる。スピーカ26Aは、第1筒状部25Aの上方に配置される。ブザー26Bは、第2筒状部25Bの上方に配置される。
スピーカ26Aの上方には、車両幅方向Xに延びるハンドルバー10の中央側ハンドル部10Aが配置される。また、操作ボックス11の後端部には、車両幅方向Xに延びるアクセルレバー21の中央側レバー部21Aが配置される。
また、操作ボックス11の底面部15には、発音部26で発生した音を外部に伝達する開口部27が形成されている。この開口部27は、複数個として、例えば、第1開口部27Aと第2開口部27Bとからなり、操作ボックス11を車両幅方向Xから視た場合、操作ボックス11の底面部15の湾曲部17の頂部付近に配置される。このような構造において、スピーカ26Aで発生した音は、第1筒状部25A内を経て第1開口部27Aから外部に流れる。また、ブザー26Bで発生した音は、第2筒状部25B内を経て第2開口部27Bから外部に流れる。
【0014】
バスケット9の上端後部9Aには、操作ボックス11の下方を車両幅方向Xに横切るカバー28が配置される。このカバー28は、
図1に示すように、バスケットカバーとして機能するものであり、該カバー28を車両前方から視た場合、車両幅方向中央部が操作ボックス11の底面部15に最も近づく形状に形成されている。つまり、カバー28は、バスケット9の上端後部9Aで操作ボックス11の底面部15に対応する全面域を下方から覆うような形状のカバー本体29を備える。
このような構造により、
図6、
図7に示すように、操作ボックス11の底面部15のうちカバー28によって下方が覆われる部分には、開口部27が配置される。そして、カバー28を車両前方から視た場合、開口部27は、カバー28の車両幅方向中央部の上方に配置される。また、開口部27を構成する第1開口部27Aと第2開口部27Bとは、カバー28の車両幅方向中央部の上方で車両前後方向Yに並べて配置される。
【0015】
以上、この発明の実施例について説明してきたが、上述の実施例の構成を請求項毎に当てはめて説明する。
先ず、請求項1に係る発明において、バスケット9の上端後部9Aには、操作ボックス11の下方を車両幅方向Xに横切るカバー28を配置した。また、操作ボックス11の底面部15のうちカバー28によって下方が覆われる部分には、開口部27を配置した。
更に、操作ボックス11を車両幅方向Xから視た場合、操作ボックス11の底面部15には車両上方に湾曲した湾曲部17を形成し、この湾曲部17の頂部付近に開口部27を配置した。
このような構造により、操作ボックス11の底面部15のうち開口部27が配置された部分が最も高い位置にあり、これにより、底面部15の前側部分及び後側部分が開口部27が配置された部分よりも低くなるように傾斜して配置するため、車両前方や車両後方から開口部27に雨水が侵入し難い構造にできる。
請求項2に係る発明は、カバー28を車両前方から視た場合、カバー28を車両幅方向中央部が操作ボックス11の底面部15に最も近づく形状に形成し、開口部27をカバー28の車両幅方向中央部の上方に配置した。
このような構造により、操作ボックス11の底面部15に形成した開口部27とカバー28との間に形成される隙間を減少させ、開口部27に下方から雨水が侵入し難い構造にすることができる。
請求項3に係る発明は、発音部26と開口部27とは夫々複数個からなり、各開口部27をカバー28の車両幅方向中央部の上方で車両前後方向Yに並べて配置した。
このように、発音部26及び開口部27が複数個ある場合に、各開口部27A、27Bをカバー28の車両幅方向中央部の上方で車両前後方向Yに並べて配置することにより、これら開口部27A、27Bを下方から雨水が浸入し難い構造にできる。