【文献】
Org. Lett.,2008年,10,941−944
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項8もしくは9記載の有機電子デバイス、または請求項10記載の電子輸送層を含む、据付型視覚的表示装置、イルミネーション、インフォメーションパネル、ならびに移動型視覚的表示装置、照明装置、キーボード、衣料品、家具、壁紙からなる群から選択される装置。
電子写真感光体、光電変換器、有機太陽電池(有機光起電装置)、スイッチング素子、有機発光電界効果トランジスタ(OLEFET)、画像センサー、色素レーザーおよびエレクトロルミネッセントデバイスのための請求項1記載の式I、またはIIの化合物の使用。
【技術分野】
【0001】
本発明は、式
【化1】
の化合物、その製造方法および電子デバイス、特にエレクトロルミネッセントデバイスにおけるその使用に関する。エレクトロルミネッセントデバイスにおいて電子輸送材料として使用される場合、式I、またはIIの化合物は、エレクトロルミネッセントデバイスの効率性、安定性、製造可能性、またはスペクトル特性を改善しうる。
【0002】
EP−A−1,202,608は、正孔輸送層を構成する、式
【化2】
(式中、Rは
【化3】
であり、XはCまたはNである)
のカルバゾール化合物を含むELデバイスを開示する。
【0003】
JP2002324678は、式
【化4】
(式中、Ar
11、Ar
21およびAr
31はアリーレン基を意味し、Ar
12、Ar
22およびAr
32は置換基または水素原子を意味し、ここで、Ar
11、Ar
21、Ar
31、Ar
12、Ar
22およびAr
32の少なくとも1つは縮合環アリール構造または縮合環ヘテロアリール構造のいずれかであり;Arはアリーレン基またはヘテロアリーレン基を意味する)
の少なくとも1種の化合物を含む発光素子に関し、2以上の環を有する縮合環基を有する少なくとも1つのアミン誘導体が発光層中に含まれている。Arがヘテロアリーレン基を意味する上記式の化合物の例として、以下の2つの化合物:
【化5】
(式中、Rは式
【化6】
の基である)
が挙げられる。
【0004】
EP−A−926216は、
【化7】
などのトリアリールアミン化合物を使用するELデバイスに関する。
【0005】
EP−A−690053は、共役系の一部である2以上のピリミジン環を含有する共役化合物の電気発光材料としての使用に関する。EP−A−690053に記載の共役化合物は、4および6位に置換基を有さないピリミジン−2,5−ジイル基を含む。
【0006】
Hanan, Garry S. et al., Canadian Journal of Chemistry (1997), 75(2), 169−182は、スティル型炭素−炭素結合形成反応によって合成された、交互に配置されたピリジンおよびピリミジンに基づくオリゴ三座リガンド、例えば
【化8】
(R=H、Me、Ph)
を開示している。ターピリジン様部位は、金属錯体形成に際して一列に整列し、組織化されしっかりと間隔をあけた金属イオンを生じるように設計される。
【0007】
Shaker, Raafat M., Heteroatom Chemistry (2005), 16(6), 507−512は、一連の4,4’−(1,4−フェニレン)−ジピリミジン類、例えば
【化9】
(R=Me、PhまたはNH
2)
の、アミジンとジエンアミノン、ビス−カルコン、またはイリデンマロノニトリルとの反応による合成を記載する。
【0008】
JP2003045662は、以下の式
【化10】
(式中、R
11〜R
14はH、または一価置換基であり;R
11〜R
14の少なくとも1つは芳香族炭化水素基であり;R
21〜R
26はH、または一価置換基であり;R
31はH、または一価置換基であり;n3=0〜2;Z
3は5員環である)
の化合物を開示している。
【0009】
以下の「架橋した」ビスピリミジンが挙げられる:
【化11】
【0010】
WO04039786は、式
【化12】
(式中、Arは式
【化13】
、特に
【化14】
の基である)
のビスピリミジンを開示している。
【0011】
WO2008119666は式
【化15】
の化合物、その製造方法および有機発光ダイオード(OLED)における、特にリン光性化合物のホストとしてのその使用を開示している。ホストはリン光性材料とともに、エレクトロルミネセントデバイスの効率性、安定性、製造可能性、またはスペクトル特性を改善するように機能しうる。Z
1およびZ
2は式
【化16】
の基であってよく、式中、X
4、X
5およびX
6は、互いに独立して、N、またはCHである。ただし、置換基X
4、X
5およびX
6の少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つはNであり、Ar
1およびAr
2は、互いに独立して、場合によって置換されたC
6−C
24アリール、またはC
2−C
20ヘテロアリールであるとする。以下の化合物が明確に開示される:
【化17】
【0012】
WO2009037155は、式
【化18】
の化合物を、特にリン光性化合物のホストとして含むエレクトロルミネッセントデバイスを開示し、式中、
X
1およびX
2は式
【化19】
の基であってよく、X
4、X
5およびX
6は、互いに独立して、N、またはCHである。ただし、置換基X
4、X
5およびX
6の少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つはNであり、Ar
1およびAr
2は、互いに独立して、場合によって置換されたC
6−C
24アリール、またはC
2−C
20ヘテロアリールであるとする。ホストはリン光性材料とともに、エレクトロルミネッセントデバイスの効率性、安定性、製造可能性、またはスペクトル特性を改善するように機能しうる。
【0013】
WO2005053055は、以下の構造
【化20】
の化合物を含む正孔ブロッキング層を含有するELデバイスに関し、式中、QはNまたはCRである。ただし、少なくとも1つのQはNであるとする。以下の化合物が一例として挙げられる:
【化21】
【0014】
JP2009184987は、電子輸送材料として使用するための以下の構造:
【化22】
(式中、XはCR、またはNであり、Qは
【化23】
である)
の化合物を記載している。
【0015】
WO2009069442は、高発光輝度および低駆動電圧を有する有機エレクトロルミネッセントデバイスに関する。有機エレクトロルミネッセントデバイスは、式
【化24】
[Aは式
【化25】
の基である;n1およびn2の合計は6〜8の整数である;X
11およびX
12=NまたはCR
13;R
13およびR
14はHもしくは置換基であるが、結合して環を形成することはない;X
11およびX
12がどちらもCR
13である場合、両R
13基は同一であっても、または互いに異なっていてもよい;xは0、または1であり、x=1である場合、−Y−および−X−は直接結合または−O−、−S−もしくは−N(R
15)−である;そしてR
15は置換基である]
の少なくとも1つの化合物を含有する。
【0016】
そのような化合物の例を以下に示す:
【化26】
【0017】
WO2009084546は、式
【化27】
の2,2’−ビスピリミジンを含有する有機エレクトロルミネッセントデバイス(有機ELデバイス)を記載する。ELデバイスの発光層は、リン光性ドーパントおよびビスピリミジン化合物、例えば
【化28】
を含有し、これはホスト材料として機能する。
【0018】
WO2009054253は有機エレクトロルミネッセントデバイスに関する。該有機エレクトロルミネッセントデバイスは、以下の一般式
Ar−(A)
n
によって表される少なくとも1つの化合物を含有することによって特徴付けられる(式中、Arは単環式もしくは二環式芳香族環または芳香族ヘテロ環を表し、そのそれぞれは、少なくとも1つ水素原子を含有する;nは3、4または5の整数を表す;Aは一般式
【化29】
によって表される基を表し、複数のAは同一であっても、または互いに異なっていてもよい;X
11およびX
12はそれぞれ窒素原子またはCR
13を表す;R
11、R
12およびR
13はそれぞれ水素原子または置換基を表すが、これらは一緒になって環を形成することはない;X
11およびX
12がどちらもCR
13である場合、R
13は同一であっても、または互いに異なっていてもよい;そしてArに結合したAの少なくとも3つは、互いに隣接したArの炭素原子に結合する。
【0019】
US2009102356は、電子輸送および/または正孔ブロッキング性能を有する有機化合物を開示し、前記有機化合物は多アリール置換ピリジン誘導体である。そのような化合物の一例を以下に示す:
【化30】
【0020】
KR2009008737は、OLEDの電子正孔注入、電子注入および輸送材料としての以下の構造の化合物を記載する
【化31】
(式中、X
1〜X
6はN、またはCRである)。
そのような化合物の例を以下に示す:
【化32】
【0021】
JP2009021336は、少なくともアノード、発光層、電子輸送層、ならびに発光層が少なくともホスト化合物および金属錯体を含有するように構成層としてカソードを有する有機エレクトロルミネッセント素子に関する。ホスト化合物は、式
【化33】
、例えば
【化34】
などの化合物である。
【0022】
WO09008353は、アントラセンよりも大きなエネルギーギャップを有するクリセン誘導体を電子輸送層中に含有する有機ELデバイスを開示する。以下のビスピリミジン化合物が挙げられる:
【化35】
【0023】
EP1724323は、以下の一般式(1):
【化36】
(式中:Lは、少なくとも1つのメタ結合を有する連結基を表す;
R
1およびR
2はそれぞれ独立して、水素原子、1〜50個の炭素原子を有し、置換基を有し得るアルキル基、5〜50個の環原子を有し、置換基を有し得る複素環基、1〜50個の炭素原子を有し、置換基を有し得るアルコキシ基、5〜50個の環炭素原子を有し、置換基を有し得るアリールオキシ基、7〜50個の環炭素原子を有し、置換基を有し得るアラルキル基、2〜50個の炭素原子を有し、置換基を有し得るアルケニル基、1〜50個の炭素原子を有し、置換基を有し得るアルキルアミノ基、5〜50個の環炭素原子を有し、置換基を有し得るアリールアミノ基、7〜50個の環炭素原子を有し、置換基を有し得るアラルキルアミノ基、6〜50個の環炭素原子を有し、置換基を有し得るアリール基、またはシアノ基を表す;
X
1〜X
3はそれぞれ独立して、=CR−または=N−を表し、X
1〜X
3の少なくとも1つは=N−を表し、ここで、Rは、6〜50個の環炭素原子を有し、置換基を有し得るアリール基、5〜50個の環原子を有し、置換基を有し得る複素環基、1〜50個の炭素原子を有し、置換基を有し得るアルキル基、1〜50個の炭素原子を有し、置換基を有し得るアルコキシ基、7〜50個の環炭素原子を有し、置換基を有し得るアラルキル基、5〜50個の環炭素原子を有し、置換基を有し得るアリールオキシ基、5〜50個の環炭素原子を有し、置換基を有し得るアリールチオ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、またはヒドロキシル基を表す;そして
nは1から5の整数を表す)
によって表される化合物を含む有機エレクトロルミネッセンスデバイスの材料に関する。以下のビスピリミジン化合物が明確に開示される:
【化37】
など。式(1)の化合物は、好ましくは、発光層中のリン光性ドーパントと組み合わせてホスト材料として用いられる。
【0024】
JP2005255561は、例えば
【化38】
などの発光性材料に好適な多置換ピリミジンを製造するための選択的方法を提供する。
【0025】
WO10090077は、以下の一般式
【化39】
、例えば、
【化40】
によって表される化合物を含む有機エレクトロルミネッセンスデバイスの材料に関する。
【0026】
以下の化合物:
【化41】
がJP2010135467で明確に開示される。
【0027】
これらの開発にもかかわらず、エレクトロルミネッセントデバイスの効率性、安定性、製造可能性、および/またはスペクトル特性を改善する新規電子輸送材料を含む有機発光デバイスが引き続き必要とされる。
【0028】
したがって、本発明の目的は、有機電子デバイス、特に有機発光デバイスで使用される場合に、良好な効率、良好な動作寿命、良好な製造可能性、良好なスペクトル特性、熱応力に対する高い安定性、および/または低い動作電圧を示す化合物を提供することである。
【0029】
2つのピリミジン部分を含有するある有機化合物は、有機エレクトロルミネッセントデバイスでの使用に好適であることが判明している。特に、あるピリミジン誘導体は、好適な電子輸送材料、または良好な効率性および耐久性を有する正孔ブロッキング材料である。化合物が電子輸送材料として用いられる場合、それらは正孔または励起子が電子輸送層に侵入するのを防止することもできる。
【0030】
上記の課題は式
【化42】
(式中、
Ar
1、Ar
2、Ar
1'およびAr
2'は互いに独立して、
C
6−C
24アリール基
、
C2−C30ヘテロアリール基、
G、C4−C18シクロアルキル基、C6−C10アリール基、C1−C8アルキルによって置換されているC6−C10アリール基、C2−C5ヘテロアリール基、またはC1−C8アルキルによって置換されているC2−C5ヘテロアリール基によって置換されているC6−C24アリール基、または
G、C4−C18シクロアルキル基、C6−C10アリール基、C1−C8アルキルによって置換されているC6−C10アリール基、C2−C5ヘテロアリール基、またはC1−C8アルキルによって置換されているC2−C5ヘテロアリール基によって置換されているC2−C30ヘテロアリール基である
R
1およびR
2は、それぞれの場合で同一または異なっていてよく、F、CN、NR
45R
45'、C
1−C
25アルキル基、C
4−C
18シクロアルキル基、Eによって置換されているもしくはDによって中断されているC
1−C
25アルコキシ基、C
6−C
24アリール基、Gによって置換されているC
6−C
24アリール基、C
2−C
30ヘテロアリール基、Gによって置換されているC
2−C
30ヘテロアリール基である
mおよびnは、0、1、2、3、または4である
Dは、−CO−、−COO−、−S−、−SO−、−SO
2−、−O−、−NR
65−、−SiR
70R
71−、−POR
72−、−CR
63=CR
64−、または−C≡C−である
Eは、−OR
69、−SR
69、−NR
65R
66、−COR
68、−COOR
67、−CONR
65R
66、−CN、またはハロゲンである
Gは、E、またはC
1−C
25アルキルである
R
45およびR
45'は互いに独立して、
C
1−C
25アルキル基
またはC4−C18シクロアルキル基であり、前記C1−C25アルキル基およびC4−C18シクロアルキル基において、互いに隣接しない1以上の炭素原子が、−NR
45''−、−O−、−S−、−C(=O)−O−、もしくは、−O−C(=O)−O−で置換されていてよい、および/または1以上の水素原子がF
、C6−C24アリール基またはC6−C24アリールオキシ基(前記C6−C24アリール基およびC6−C24アリールオキシ基において1以上の炭素原子がO、S、もしくはNで置換されていてよい、および/または1以上の非芳香族基R1によって置換されていてよい)によって置換されていてよい
R
45''は、C
1−C
25アルキル基、またはC
4−C
18シクロアルキル基である
R
63およびR
64は互いに独立して、H、C
6−C
18アリール;C
1−C
18アルキル、もしくはC
1−C
18アルコキシによって置換されたC
6−C
18アリール;C
1−C
18アルキル;または−O−によって中断されたC
1−C
18アルキルである;
R
65およびR
66は互いに独立して、C
6−C
18アリール;C
1−C
18アルキル、もしくはC
1−C
18アルコキシによって置換されたC
6−C
18アリール;C
1−C
18アルキル;または−O−によって中断されたC
1−C
18アルキルである;あるいはR
65およびR
66は一緒になって、5もしくは6員環、または環系を形成する;
R
67は、C
6−C
18アリール;C
1−C
18アルキル、もしくはC
1−C
18アルコキシによって置換されたC
6−C
18アリール;C
1−C
18アルキル;または−O−によって中断されたC
1−C
18アルキルである
R
68は、H;C
6−C
18アリール;C
1−C
18アルキル、もしくはC
1−C
18アルコキシによって置換されたC
6−C
18アリール;C
1−C
18アルキル;または−O−によって中断されたC
1−C
18アルキルである、
R
69は、C
6−C
18アリール;C
1−C
18アルキル、もしくはC
1−C
18アルコキシによって置換されたC
6−C
18アリール;C
1−C
18アルキル;または−O−によって中断されたC
1−C
18アルキルである
R
70およびR
71は互いに独立して、C
1−C
18アルキル、C
6−C
18アリール、またはC
1−C
18アルキルによって置換されているC
6−C
18アリールであり、そして
R
72は、C
1−C
18アルキル、C
6−C
18アリール、またはC
1−C
18アルキルによって置換されているC
6−C
18アリールである)
の化合物で解決される。
【0031】
R
1およびR
2は、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、t−プチル、またはフェニルである。
【0032】
mおよびnは好ましくは0である。
【0033】
本発明の好ましい実施形態は式
【化43】
(式中、Ar
1、Ar
2、Ar
1'、Ar
2'は前記定義のとおりである)
の化合物に関する。
【0034】
好ましくは、Ar
1、Ar
2、Ar
1'およびAr
2'は互いに独立して、
【化44】
から選択され、式中、R
33は、C
1−C
25アルキル基、C
4−C
18シクロアルキル基、C
1−C
25アルコキシ基、C
6−C
10アリール基、C
1−C
8アルキルによって置換されたC
6−C
10アリール基、C
2−C
5ヘテロアリール基、またはC
1−C
8アルキルによって置換されたC
2−C
5ヘテロアリール基であり、kは、0、1、2、3、または4である。
【0035】
好ましくは、R
33は、C
1−C
8アルキル基、C
6−C
10アリール基、C
1−C
8アルキルによって置換されたC
6−C
10アリール基、C
2−C
5ヘテロアリール基、またはC
1−C
8アルキルによって置換されたC
2−C
5ヘテロアリール基である。
【0036】
kは、好ましくは0、1、または2であり、最も好ましくは0である。
【0037】
より好ましくは、Ar
1、Ar
2、Ar
1'、Ar
2'は互いに独立して
【化45】
から選択される。
【0038】
化合物B−1〜B−8が特に好ましい。請求項7が参照される。
【0039】
別の好ましい実施形態において本発明は式
【化46】
(式中Ar
1、Ar
2、Ar
1'、Ar
2'は請求項1に定義したとおりである)
の化合物に関する。
【0040】
好ましくは、
Ar1、Ar
2、Ar
1'およびAr
2'は、互いに独立して、
【化47】
から選択され、式中、
R
33は、C
1−C
25アルキル基、C
4−C
18シクロアルキル基、C
6−C
10アリール基、C
1−C
8アルキルによって置換されたC
6−C
10アリール基、C
2−C
5ヘテロアリール基、またはC
1−C
8アルキルによって置換されたC
2−C
5ヘテロアリール基であり、kは、0、1、2、3、または4である。
【0041】
より好ましくは、Ar
1、Ar
2、Ar
1'、Ar
2'は互いに独立して
【化48】
から選択される。
【0042】
化合物A−1〜A−8が特に好ましい。請求項4が参照される。
【0043】
本発明の式Iの化合物は、式
【化49】
(式中、X
11は、ハロゲン、例えばブロモ、またはヨードである)
の化合物を式
【化50】
(式中、X
12は−B(OH)
2、−B(OY
1)
2、
【化51】
であり、ここで、Y
1はそれぞれの場合で独立してC
1−C
18アルキル基であり、Y
2はそれぞれの場合で独立してC
2−C
10アルキレン基、例えば−CY
3Y
4−CY
5Y
6−、または−CY
7Y
8−CY
9Y
10−CY
11Y
12−であり、ここで、Y
3、Y
4、Y
5、Y
6、Y
7、Y
8、Y
9、Y
10、Y
11およびY
12は、互いに独立して、水素、またはC
1−C
18アルキル基、特に−C(CH
3)
2C(CH
3)
2−、−C(CH
3)
2CH
2C(CH
3)
2−、または−CH
2C(CH
3)
2CH
2−であり、Y
13およびY
14は、互いに独立して、水素、またはC
1−C
18アルキル基である)
の化合物と、塩基および触媒の存在下、溶媒中で反応させることを含む方法にしたがって製造することができ、ここで、Ar
1、Ar
1'、Ar
2、Ar
2'、m、n、R
1およびR
2は前記定義のとおりである。
【0044】
本発明の式IIの化合物は、式
【化52】
(式中、X
11は、ハロゲン、例えばブロモ、またはヨードである)
の化合物を式
【化53】
(式中、X
12は、−B(OH)
2、−B(OY
1)
2、
【化54】
であり、ここで、Y
1はそれぞれの場合で独立して、C
1−C
18アルキル基であり、Y
2は、それぞれの場合で独立して、C
2−C
10アルキレン基、例えば−CY
3Y
4−CY
5Y
6−、または−CY
7Y
8−CY
9Y
10−CY
11Y
12−であり、ここで、Y
3、Y
4、Y
5、Y
6、Y
7、Y
8、Y
9、Y
10、Y
11およびY
12は、互いに独立して、水素、またはC
1−C
18アルキル基、特に−C(CH
3)
2C(CH
3)
2−、−C(CH
3)
2CH
2C(CH
3)
2−、または−CH
2C(CH
3)
2CH
2−であり、Y
13およびY
14は、互いに独立して、水素、またはC
1−C
18アルキル基である)
の化合物と、塩基および触媒の存在下、溶媒中で反応させることを含む方法にしたがって製造することができ、ここで、Ar
1、Ar
1'、Ar
2、Ar
2'、m、n、R
1およびR
2は前記定義のとおりである。触媒は、μ−ハロ(トリイソプロピルホスフィン)(η
3−アリル)パラジウム(II)タイプのものでありうる(例えば、WO99/47474を参照のこと)。
【0045】
好ましくは、反応は、有機溶媒、例えば芳香族炭化水素または通常の極性有機溶媒、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、もしくはジオキサン、またはそれらの混合物、最も好ましくはトルエンの存在下で実施される。通常、溶媒の量は、ボロン酸誘導体1モルあたり1〜10lの範囲で選択される。さらに好ましくは、反応は窒素、またはアルゴンなどの不活性雰囲気下で実施される。さらに、水性塩基、例えばアルカリ金属水酸化物または炭酸塩、例えばNaOH、KOH、Na
2CO
3、K
2CO
3、Cs
2CO
3などの存在下で反応を実施することが好ましく、好ましくは、K
2CO
3水溶液が選択される。通常、塩基とボロン酸またはボロン酸エステル誘導体のモル比は、0.5:1〜50:1の範囲で選択され、特に1:1である。一般的に、反応温度は、40〜180℃の範囲で選択され、好ましくは還流条件下である。好ましくは、反応時間は、1〜80時間、さらに好ましくは20〜72時間の範囲で選択される。好ましい実施形態では、カップリング反応または重縮合反応のための通常の触媒、好ましくはWO2007/101820に記載のPd系が使用される。パラジウム化合物は、閉じられる結合の数に基づいて、1:10000〜1:50、好ましくは1:5000〜1:200の比で添加される。例えば、パラジウム(II)塩、例えばPdAc
2またはPd
2dba
3の使用、および
【化55】
(式中、Cyは
【化56】
である)
からなる群から選択されるリガンドの添加が好ましい。リガンドは、Pdに基づいて、1:1〜1:10の比で添加される。触媒が溶液、または懸濁液で添加されるのも好ましい。好ましくは、適切な有機溶媒、例えば前述のようなもの、好ましくはベンゼン、トルエン、キシレン、THF、ジオキサン、さらに好ましくはトルエン、又はそれらの混合物が使用される。溶媒の量は、通常、ボロン酸誘導体1モルあたり1〜10lの範囲で選択される。
【0046】
臭素単位を有するピリミジン、すなわち、式IIIおよびVの化合物の合成は、US20070190355およびMajid M. Heravi et al., Tetrahedron Letters 50 (2009) 662−666に記載の方法と同様に実施することができる。
【0047】
式IVおよびVIの化合物は、式IIIおよびVの化合物を(OY
1)
2B−B(OY
1)
2、
【化57】
と、触媒、例えば、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロ−パラジウム(II)、錯体(Pd(Cl)
2(dppf))、および塩基、例えば、酢酸カリウムの存在下で、溶媒、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサンおよび/またはトルエン中で反応させることによって得られる(Prasad Appukkuttan et al., Synlett 8 (2003) 1204を参照)。
【0048】
本発明の化合物は、電子写真感光体、光電変換器、有機太陽電池(有機光起電装置)、スイッチング素子、例えば有機トランジスタ、例えば有機FETおよび有機TFT、有機発光電界効果トランジスタ(OLEFET)、画像センサー、色素レーザーおよびエレクトロルミネッセントデバイス(=有機発光ダイオード(OLED))に使用することができる。
【0049】
したがって、本発明のさらなる対象は、本発明による化合物を含む電子デバイスに関する。
【0050】
電子デバイスは好ましくはエレクトロルミネッセントデバイスである。
【0051】
式I、またはIIの化合物は、主に、ELデバイスの任意の層で使用することができるが、好ましくは電子輸送材料として使用される。
【0052】
したがって、本発明のさらなる対象は、本発明の化合物を含む電子輸送層に関する。
【0053】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素である。
【0054】
C
1−C
25アルキル(C
1−C
18アルキル)は典型的には、可能ならば、直鎖または分枝である。例として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、1,1,3,3−テトラメチルペンチル、n−ヘキシル、1−メチルヘキシル、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1−メチルヘプチル、3−メチル−ヘプチル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチルおよび2−エチルヘキシル、n−ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、またはオクタデシルが挙げられる。C
1−C
8アルキルは、典型的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチル−プロピル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチルおよび2−エチルヘキシルである。C
1−C
4アルキルは典型的にはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチルである。
【0055】
C
1−C
25アルコキシ基(C
1−C
18アルコキシ基)は、直鎖または分枝アルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、アミルオキシ、イソアミルオキシもしくはtert−アミルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、イソオクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシ、テトラデシルオキシ、ペンタデシルオキシ、ヘキサデシルオキシ、ヘプタデシルオキシおよびオクタデシルオキシである。C
1−C
8アルコキシの例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、2−ペンチルオキシ、3−ペンチルオキシ、2,2−ジメチルプロポキシ、n−ヘキシルオキシ、n−ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、1,1,3,3−テトラメチルブトキシおよび2−エチルヘキシルオキシ、好ましくはC
1−C
4アルコキシ、例えば典型的にはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシが挙げられる。
【0056】
「シクロアルキル基」という用語は、典型的にはC
4−C
18シクロアルキル、特にC
5−C
12シクロアルキル、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシル、好ましくはシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、またはシクロオクチルであり、これらは置換されていなくても、置換されていてもよい。
【0057】
場合によって置換されていてよいC
6−C
24アリール(C
6−C
18アリール)は、典型的には、フェニル、4−メチルフェニル、4−メトキシフェニル、ナフチル、特に1−ナフチル、もしくは2−ナフチル、ビフェニリル、ターフェニリル、ピレニル、2−もしくは9−フルオレニル、フェナンスリル、またはアンスリルであり、これらは置換されていなくても、置換されていてもよい。
【0058】
C
2−C
30ヘテロアリールは、5〜7個の環原子を有する環または縮合環系を表し、ここで、窒素、酸素または硫黄が可能なヘテロ原子であり、典型的には少なくとも6つの共役したπ−電子を有する5〜30個の原子を有する複素環基、例えば、チエニル、ベンゾチオフェニル、ジベンゾチオフェニル、チアンスレニル、フリル、フルフリル、2H−ピラニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、フェノキシチエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ビピリジル、トリアジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、キノリジニル、チノリル、イソチノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、チノキサリニル、チナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、カルボリニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フェナンスリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナンスロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、イソキサゾリル、フラザニルまたはフェノキサジニルであり、これらは置換されていない、または置換されていてよい。
【0059】
C
6−C
24アリール(C
6−C
18アリール)およびC
2−C
30ヘテロアリール基は、好ましくは1以上のC
1−C
8アルキル基で置換されている。
【0060】
「アリールエーテル基」という用語は、典型的には、C
6−
24アリールオキシ基、すなわち、O−C
6-24アリール、例えば、フェノキシまたは4−メトキシフェニルである。
【0061】
前述の基の可能な置換基は、C
1−C
8アルキル、ヒドロキシル基、メルカプト基、C
1−C
8アルコキシ、C
1−C
8アルキルチオ、ハロゲン、ハロ−C
1−C
8アルキル、またはシアノ基である。
【0062】
例えばR
1などの置換基がある基中で1回以上現れる場合、それはそれぞれの場合で異なっていてよい。
【0063】
「Gによって置換された」という表現は、1以上、特に1〜3個の置換基Gが存在しうることを意味する。
【0064】
前述のように、前記基は、Eによって置換および/または所望によりDによって中断されていてもよい。中断は、もちろん、単結合によって互いに連結された少なくとも2個の炭素原子を含有する基の場合に限り可能である;C
6−C
18アリールは中断されない;中断されたアリールアルキルは、アルキル部分に単位Dを含有する。1以上のEによって置換および/または1以上の単位Dによって中断されたC
1−C
18アルキルは、例えば、(CH
2CH
2O)
1-9−R
x(式中、R
xはHまたはC
1−C
10アルキルまたはC
2−C
10アルカノイル(例えば、CO−CH(C
2H
5)C
4H
9))、CH
2−CH(OR
y')−CH
2−O−R
y(式中、R
yは、C
1−C
18アルキル、C
5−C
12シクロアルキル、フェニル、C
7−C
15フェニルアルキルであり、R
y'はR
yと同じ定義を含むまたはHである));
C
1−C
8アルキレン−COO−R
z、例えばCH
2COOR
z、CH(CH
3)COOR
z、C(CH
3)
2COOR
z(式中、R
zは、H、C
1−C
18アルキル、(CH
2CH
2O)
1-9−R
xであり、R
xは前述の定義を含む);
CH
2CH
2−O−CO−CH=CH
2;CH
2CH(OH)CH
2−O−CO−C(CH
3)=CH
2である。
【0065】
本出願の有機電子デバイスは、例えば、有機太陽電池(有機光起電装置)、スイッチング素子、例えば有機トランジスタ、例えば有機FETおよび有機TFT、有機発光電界効果トランジスタ(OLEFET)、または有機発光ダイオード(OLED)であり、OLEDが好ましい。
【0066】
本出願は、式I、またはIIの化合物の、好ましくは有機電子デバイス中の電子輸送層としての使用に関する。
【0067】
したがって、本出願はさらに、式I、またはIIの化合物を含む有機層、特に、電子輸送層に関する。
【0068】
有機電子デバイスの好適な構造は当業者に公知であり、後述する。
【0069】
有機トランジスタは、一般的に、正孔輸送能力および/または電子輸送能力を有する有機層から形成された半導体層;導電層から形成されるゲート電極;および半導体層と導電層との間に導入された絶縁層を含む。トランジスタ素子をこのようにして製造するために、ソース電極およびドレイン電極をこの配置で設置する。加えて、当業者に公知のさらなる層が有機トランジスタ中に存在してもよい。
【0070】
有機太陽電池(光電変換素子)は、一般的に、平行に配置された2つのプレート型電極間に存在する有機層を含む。有機層は、櫛型電極上に構成されていてもよい。有機層の部位に関しては特に制限はなく、電極の材料に関して特に制限はない。しかしながら、平行に配置されたプレート型電極が使用される場合、少なくとも1つの電極は、好ましくは、透明電極、例えばITO電極またはフッ素をドープした酸化スズ電極から形成される。有機層は、2つの副層、すなわち、p型半導体特性または正孔輸送能力を有する層、およびn型半導体特性または電子輸送能力を有する形成された層から形成される。加えて、当業者に公知のさらなる層が有機太陽電池中に存在しうる。電子輸送能力を有する層は式I、またはIIの化合物を含んでもよい。
【0071】
本発明はさらに、アノードAnおよびカソードKa、アノードAnとカソードKaとの間に配置された発光層E、カソードKaと発光層Eとの間に配置された電子輸送層、および適切な場合、少なくとも1つの正孔/励起子ブロッキング層、少なくとも1つの電子/励起子ブロッキング層、少なくとも1つの正孔注入層、少なくとも1つの正孔輸送層および少なくとも1つの電子注入層からなる群から選択される少なくとも1つのさらなる層を含む有機発光ダイオードに関し、ここで、電子輸送層は式I、またはIIの化合物を含む。
【0072】
本発明のOLEDの構造
本発明の有機発光ダイオード(OLED)は、したがって一般的に以下の構造を有する:アノード(An)およびカソード(Ka)およびアノード(An)とカソード(Ka)との間に配置された発光層EおよびカソードKaと発光層Eとの間に配置された電子輸送層。
【0073】
本発明のOLEDは、例えば(好ましい実施形態において)以下の層から形成することができる:
1.アノード
2.正孔輸送層
3.発光層
4.正孔/励起子のブロッキング層
5.電子輸送層
6.カソード。
【0074】
前述の構造と異なる層順序も可能であり、当業者に公知である。例えば、OLEDは記載した層の全てを有するわけではない可能性もある;例えば、層(1)、(3)、(4)、(5)および(6)を有するOLEDも同様に好適である。加えて、OLEDは正孔輸送層(2)と発光層(3)との間に電子/励起子のブロッキング層を有しうる。
【0075】
さらに、複数の前述の機能(電子/励起子ブロッカー、正孔/励起子ブロッカー、正孔注入、正孔輸送、電子注入、電子輸送)は1つの層で組み合わせられ、例えば、この層中に存在する単一物質によって発揮される。例えば、正孔輸送層で使用される物質は、一実施形態において、励起子および/または電子を同時にブロックすることができる。
【0076】
さらに、前述のもののうちOLEDの個々の層は、同様に2以上の層から形成されうる。例えば、正孔輸送層は、正孔が電極から注入される層、および正孔を正孔注入層から発光層中へ輸送する層から形成されうる。電子輸送層は同様に複数の層、例えば電子が電極によって注入される層、および電子注入層から電子を受け取り、それらを発光層へ輸送する層からなっていてよい。記載されたこれらの層はそれぞれ、エネルギーレベル、耐熱性および電荷キャリア移動度などの因子、ならびに有機層または金属電極で特定される層のエネルギー差にしたがって選択される。当業者は、OLEDの構造を選択することができるので、本発明にしたがってエミッター物質として使用される有機化合物に最適に適合する。
【0077】
特に効率的なOLEDを得るために、例えば、正孔輸送層のHOMO(最高被占分子軌道)はアノードの仕事関数と適合しなければならず、電子輸送層のLUMO(最低空分子軌道)はカソードの仕事関数と適合しなければならない。ただし、前述の層が本発明のOLED中に存在するものとする。
【0078】
アノード(1)は、正の電荷キャリアを提供する電極である。これは例えば、金属、種々の金属の混合物、金属合金、金属酸化物または種々の金属酸化物の混合物を含む材料から形成することができる。あるいは、アノードは導電性ポリマーでありうる。好適な金属は、金属ならびに主族の金属、遷移金属およびランタノイド元素、特に元素の周期律表のIb、IVa、VaおよびVIa族の金属の合金、ならびにVIIIa族の遷移金属を含む。アノードが透明である場合、一般的に、元素の周期律表(IUPAC版)のIIb、IIIbおよびIVb族の混合金属酸化物、例えばインジウムスズ酸化物(ITO)が使用される。例えば、Nature, Vol. 357, pages 477 to 479 (June 11, 1992)に記載されているように、アノード(1)が有機材料、例えばポリアニリンを含んでいてよい。アノードまたはカソードの少なくともいずれかは、形成された光を放出することができるように少なくとも部分的に透明でなければならない。アノード(1)に使用される材料は好ましくはITOである。
【0079】
本発明のOLEDの層(2)の好適な正孔輸送材料は、例えば、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology, 4th edition, Vol. 18, pages 837 to 860, 1996に開示されている。正孔輸送分子およびポリマーはどちらも正孔輸送材料として使用することができる。典型的に使用される正孔輸送分子は、トリス[N−(1−ナフチル)−N−(フェニルアミノ)]トリフェニルアミン(1−NaphDATA)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)、1,1−ビス[(ジ−4−トリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン(TAPC)、N,N’−ビス(4−メチルフェニル)−N,N’−ビス(4−エチルフェニル)−[1,1’−(3,3’−ジメチル)ビフェニル]−4,4’−ジアミン(ETPD)、テトラキス(3−メチルフェニル)−N,N,N’,N’−2,5−フェニレンジアミン(PDA)、α−フェニル−4−N,N−ジフェニルアミノスチレン(TPS)、p−(ジエチルアミノ)ベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン(DEH)、トリフェニルアミン(TPA)、ビス[4−(N,N−ジエチルアミノ)−2−メチルフェニル)(4−メチルフェニル)メタン(MPMP)、1−フェニル−3−[p−(ジエチルアミノ)スチリル]−5−[p−(ジエチルアミノ)フェニル]ピラゾリン(PPRまたはDEASP)、1,2−トランス−ビス(9H−カルバゾール−9−イル)シクロブタン(DCZB)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TTB)、4,4’,4''−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(TDTA)、4,4’,4''−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)、N,N’−ビス(ナフタレン−2−イル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン(β−NΡΒ)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−9,9−スピロビフルオレン(Spiro−TPD)、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−9,9−スピロビフルオレン(Spiro−NPB)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−9,9−ジメチルフルオレン(DMFL−TPD)、ジ[4−(N,N−ジトリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−9,9−ジメチルフルオレン、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−2,2−ジメチルベンジジン、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン、2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(F4−TCNQ)、4,4’,4''−トリス(N−3−メチルフェニル−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン、4,4’,4''−トリス(N−(2−ナフチル)−N−フェニル−アミノ)トリフェニルアミン、ピラジノ[2,3−f][1,10]フェナンスロリン−2,3−ジカルボニトリル(PPDN)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メトキシフェニル)ベンジジン(MeO−TPD)、2,7−ビス[N,N−ビス(4−メトキシフェニル)アミノ]−9,9−スピロビフルオレン(MeO−Spiro−TPD)、2,2’−ビス[N,N−ビス(4−メトキシフェニル)アミノ]−9,9−スピロビフルオレン(2,2’−MeO−Spiro−TPD)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ[4−(N,N−ジトリルアミノ)フェニル]ベンジジン(NTNPB)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ[4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル]ベンジジン(NPNPB)、N,N’−ジ(ナフタレン−2−イル)−N,N’−ジフェニルベンゼン−1,4−ジアミン(β−NΡΡ)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−9,9−ジフェニルフルオレン(DPFL−TPD)、N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−9,9−ジフェニルフルオレン(DPFL−NPB)、2,2’,7,7’−テトラキス(N,N−ジフェニルアミノ)−9,9’−スピロビフルオレン(Spiro−TAD)、9,9−ビス[4−(N,N−ビス(ビフェニル−4−イル)アミノ)フェニル]−9H−フルオレン(BPAPF)、9,9−ビス[4−(N,N−ビス(ナフタレン−2−イル)アミノ)フェニル]−9H−フルオレン(NPAPF)、9,9−ビス[4−(N,N−ビス(ナフタレン−2−イル)−N,N’−ビスフェニルアミノ)フェニル]−9H−フルオレン(NPBAPF)、2,2’,7,7’−テトラキス[N−ナフタレニル(フェニル)アミノ]−9,9’−スピロビフルオレン(Spiro−2NPB)、N,N’−ビス(フェナンスレン−9−イル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン(PAPB)、2,7−ビス[N,N−ビス(9,9−スピロビフルオレン−2−イル)アミノ]−9,9−スピロビフルオレン(Spiro−5)、2,2’−ビス[N,N−ビス(ビフェニル−4−イル)アミノ]−9,9−スピロビフルオレン(2,2’−Spiro−DBP)、2,2’−ビス(N,N−ジフェニルアミノ)−9.9−スピロビフルオレン(Spiro−BPA)、2,2’,7,7’−テトラ(N,N−ジトリル)アミノスピロビフルオレン(Spiro−TTB)、N,N,N’,N’−テトラナフタレン−2−イルベンジジン(TNB)、ポルフィリン化合物およびフタロシアニン、例えば銅フタロシアニンおよび酸化チタンフタロシアニンからなる群から選択される。典型的に使用される正孔輸送ポリマーは、ポリビニルカルバゾール、(フェニルメチル)ポリシランおよびポリアニリンからなる群から選択される。正孔輸送分子をポリスチレンやポリカーボネートなどのポリマーにドープすることによって正孔輸送ポリマーを得ることも同様に可能である。好適な正孔輸送分子はすでに前述した分子である。
【0080】
加えて(一実施形態において)、カルベン錯体を正孔輸送材料として使用することが可能であり、少なくとも1つの正孔輸送材料のバンドギャップは、一般的に使用されるエミッター材料のバンドギャップよりも大きい。本出願の文脈で、「バンドギャップ」は三重項エネルギーを意味すると理解される。好適なカルベン錯体は、例えば、WO2005/019373A2、WO2006/056418A2、WO2005/113704、WO2007/115970、WO2007/115981およびWO2008/000727で記載されるようなカルベン錯体である。好適なカルベン錯体の一例として、式:
【化58】
を有するfac−イリジウム−トリス(1,3−ジフェニルベンズイミダゾリン−2−イリデン−C,C
2')(Ir(dpbic)
3)が挙げられ、これは例えば、WO2005/019373で開示されている。好ましくは、正孔輸送層は、酸化モリブデン(MoO
x)、特にMoO
3、または酸化レニウム(ReO
x)、特にReO
3をドープした式
【化59】
の化合物を含む。ドーパントは、ドーパントおよびカルベン錯体の量に基づいて、0.1質量%から、好ましくは1質量%から50質量%まで、さらに好ましくは3質量%から15質量%までの量で含まれる。
発光層(3)は少なくとも1つのエミッター材料を含む。原則として、蛍光またはリン光エミッターであってよく、好適なエミッター材料は当業者に公知である。少なくとも1つのエミッター材料は、好ましくはリン光エミッターである。好ましく使用されるリン光エミッター化合物は、金属錯体、特に金属Ru、Rh、Ir、PdおよびPtの錯体に基づき、特にIrの錯体が重要性を増している。
【0081】
本発明のOLEDでの使用に好適な金属錯体は、例えば、文書WO02/60910A1、US2001/0015432A1、US2001/0019782A1、US2002/0055014A1、US2002/0024293A1、US2002/0048689A1、EP1191612A2、EP1191613A2、EP1211257A2、US2002/0094453A1、WO02/02714A2、WO00/70655A2、WO01/41512A1、WO02/15645A1、WO2005/019373A2、WO2005/113704A2、WO2006/115301A1、WO2006/067074A1、WO2006/056418、WO2006121811A1、WO2007095118A2、WO2007/115970、WO2007/115981、WO2008/000727、WO2010129323、WO2010056669およびWO10086089に記載されている。
【0082】
発光層は好ましくは式
【化60】
の化合物を含み、これは、WO2005/019373A2に記載され、式中、記号は以下の意味を有する:
Mは、Co、Rh、Ir、Nb、Pd、Pt、Fe、Ru、Os、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Re、Cu、AgおよびAu(各金属原子について可能な任意の酸化状態)からなる群から選択される金属原子である;
カルベンは、非荷電またはモノアニオン性および単座、二座または三座でありうるカルベンリガンドであり、カルベンリガンドはさらに、ビスカルベンまたはトリスカルベンリガンドであってもよい;
Lは、モノアニオン性またはジアニオン性リガンドであり、これは単座または二座でありうる;
Kは、ホスフィン;ホスホネートおよびそれらの誘導体、ヒ酸塩およびそれらの誘導体;ホスファイト;CO;ピリジン;M
1とπ錯体を形成するニトリルおよび共役ジエンからなる群から選択される非荷電単座または二座リガンドである;
n1はカルベンリガンドの数であり、ここで、n1は少なくとも1であり、n1>1の場合、式Iの錯体中のカルベンリガンドは同一または異なっていてよい;
m1はリガンドLの数であり、ここで、m1は0または≧1であってよく、m1>1の場合、リガンドLは同一または異なっていてよい;
oはリガンドKの数であり、ここで、oは0または≧1であってよく、o>1の場合、リガンドKは同一または異なっていてよい;
ここで、n1+m1+oの合計は、金属原子の酸化状態および配位数に依存し、リガンドカルベンLおよびKのデンティシティーに依存し、さらにリガンド、カルベンおよびL上の電荷に依存する。ただし、n1は少なくとも1であるとする。
【0083】
さらに好ましいのは、一般式
【化61】
の金属−カルベン錯体であり、これは、米国特許出願第61/286046号、同第61/323885号および欧州特許出願第10187176.2号(WO2011073149)に開示され、式中、M、n1、Y、A
2、A
3、A
4、A
5、R
51、R
52、R
53、R
54、R
55、R
56、R
57、R
58、R
59、K、L、m1およびoはそれぞれ次のように定義される:
MはIr、またはPtである
n1は、1、2および3から選択される整数である
Yは、NR
51、O、SまたはC(R
25)
2である
A
2、A
3、A
4、およびA
5は、それぞれ独立して、NまたはCであり、ここで、2A=窒素原子であり、少なくとも1つの炭素原子が環中の2個の窒素原子間に存在する
R
51は、場合によって少なくとも1つのヘテロ原子によって中断され、場合によって少なくとも1つの官能基を有し、そして1〜20個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝アルキル基、場合によって少なくとも1つのヘテロ原子により中断され、場合によって少なくとも1つの官能基を有し、そして3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル基、場合によって少なくとも1つのヘテロ原子により中断され、場合によって少なくとも1つの官能基を有し、そして6〜30個の炭素原子を有する置換もしくは非置換アリール基、場合によって少なくとも1つヘテロ原子により中断され、場合によって少なくとも1つの官能基を有し、そして合計5〜18個の炭素原子および/またはヘテロ原子を有する置換もしくは非置換ヘテロアリール基である
R
52、R
53、R
54およびR
55はそれぞれ、A
2、A
3、A
4および/またはA
5がNである場合、自由電子対である、またはA
2、A
3、A
4および/またはA
5がCである場合、それぞれ独立して、水素、場合によって少なくとも1つのヘテロ原子により中断され、場合によって少なくとも1つの官能基を有し、そして1〜20個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝アルキル基、場合によって少なくとも1つのヘテロ原子により中断され、場合によって少なくとも1つの官能基を有し、そして3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル基であり、場合によって少なくとも1つのヘテロ原子により中断され、場合によって少なくとも1つの官能基を有し、そして6〜30個の炭素原子を有する置換もしくは非置換アリール基、場合によって少なくとも1つのヘテロ原子により中断され、場合によって少なくとも1つの官能基を有し、そして合計5〜18個の炭素原子および/またはヘテロ原子を有する置換もしくは非置換ヘテロアリール基、ドナーもしくはアクセプター作用を有する基である、または
R
53およびR
54はA
3およびA
4と一緒になって、場合によって少なくとも1つのさらなるヘテロ原子により中断され、そして合計5〜18個の炭素原子および/またはヘテロ原子を有する、場合によって置換された不飽和環を形成する
R
56、R
57、R
58およびR
59は、それぞれ独立して、水素、場合によって少なくとも1つのヘテロ原子により中断され、場合によって少なくとも1つの官能基を有し、そして1〜20個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝アルキル基、場合によって少なくとも1つのヘテロ原子により中断され、場合によって少なくとも1つの官能基を有し、そして3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル基、場合によって少なくとも1つのヘテロ原子により中断され、場合によって少なくとも1つの官能基を有し、そして3〜20個の炭素原子を有するシクロヘテロアルキル基、場合によって少なくとも1つのヘテロ原子により中断され、場合によって少なくとも1つの官能基を有し、そして6〜30個の炭素原子を有する置換もしくは非置換アリール基、場合によって少なくとも1つのヘテロ原子により中断され、場合によって少なくとも1つの官能基を有し、そして合計5〜18個の炭素原子および/またはヘテロ原子を有する置換もしくは非置換ヘテロアリール基、ドナーもしくはアクセプター作用を有する基である、または
R
56およびR
57、R
57およびR
58またはR
58およびR
59は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、飽和、不飽和または芳香族の、場合によって置換された環であって、場合によって少なくとも1つヘテロ原子により中断され、そして合計5〜18個の炭素原子および/またはヘテロ原子を有するものを形成する、および/または
A
5がCである場合、R
55およびR
56は一緒になって、炭素原子および/またはヘテロ原子を含む置換もしくは非置換5〜8員環が場合によって融合した、ヘテロ原子、芳香族単位、ヘテロ芳香族単位および/または官能基を場合によって含み、合計1〜30個の炭素原子および/またはヘテロ原子を有する飽和もしくは不飽和、直鎖もしくは分枝ブリッジを形成する。
R
25は、独立して、場合によって少なくとも1つのヘテロ原子により中断され、場合によって少なくとも1つの官能基を有し、そして1〜20個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝アルキル基、場合によって少なくとも1つのヘテロ原子により中断され、場合によって少なくとも1つの官能基を有し、そして3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル基、場合によって少なくとも1つのヘテロ原子により中断され、場合によって少なくとも1つの官能基を有し、そして6〜30個の炭素原子を有する置換もしくは非置換アリール基、場合によって少なくとも1つのヘテロ原子により中断され、場合によって少なくとも1つの官能基を有し、そして合計5〜18個の炭素原子および/またはヘテロ原子を有する置換もしくは非置換ヘテロアリール基である
Kは、非荷電単座または二座リガンドである
Lは、モノアニオン性またはジアニオン性リガンドであり、好ましくはモノアニオン性リガンドであり、これは単座または二座でありうる
m1は、0、1または2であり、ここで、m1が2である場合、Kリガンドは同一または異なっていてもよい
oは0、1または2であり、ここで、oが2である場合、Lリガンドは同一または異なっていてもよい。
【0084】
式IXの化合物は、好ましくは式:
【化62】
【0085】
【化63】
【0086】
【化64】
【0087】
【化65】
【0088】
【化66】
【0089】
【化67】
【0090】
【化68】
の化合物である。
【0091】
ホモレプティック金属−カルベン錯体は、面または稜異性体の形態で存在していてよく、面異性体が好ましい。
【0092】
ヘテロレプティック金属−カルベン錯体の場合、4つの異なる異性体が存在していてよく、擬似面異性体が好ましい。
【0093】
さらなる好適な金属錯体は、市販の金属錯体トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)、イリジウム(III)トリス(2−(4−トリル)ピリジナート−N,C
2’)、ビス(2−フェニルピリジン)(アセチルアセトナート)イリジウム(III)、イリジウム(III)トリス(1−フェニルイソキノリン)、イリジウム(III)ビス(2,2’−ベンゾチエニル)ピリジナート−N,C
3’)(アセチルアセトネート)、トリス(2−フェニルキノリン)イリジウム(III)、イリジウム(III)ビス(2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジナート−N,C
2)ピコリネート、イリジウム(III)ビス(1−フェニルイソキノリン)(アセチルアセトネート)、ビス(2−フェニルキノリン)(アセチルアセトナート)イリジウム(III)、イリジウム(III)ビス(ジ−ベンゾ[f,h]キノキサリン)(アセチルアセトネート)、イリジウム(III)ビス(2−メチルジ−ベンゾ[f,h]キノキサリン)(アセチルアセトネート)およびトリス(3−メチル−1−フェニル−4−トリメチルアセチル−5−ピラゾリノ)テルビウム(III)、ビス[1−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)イソキノリン](アセチル−アセトナート)イリジウム(III)、ビス(2−フェニルベンゾチアゾラート)(アセチルアセトナート)イリジウム(III)、ビス(2−(9,9−ジヘキシルフルオレニル)−1−ピリジン)(アセチルアセトナート)イリジウム(III)、ビス(2−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル−ピリジン)(アセチルアセトナート)イリジウム(III)である。
【0094】
加えて、以下の市販の材料が好適である:トリス(ジベンゾイルアセトナート)モノ(フェナンスロリン)ユーロピウム(III)、トリス(ジベンゾイルメタン)−モノ(フェナンスロリン)ユーロピウム(III)、トリス(ジベンゾイルメタン)モノ(5−アミノフェナンスロリン)−ユーロピウム(III)、トリス(ジ−2−ナフトイルメタン)モノ(フェナンスロリン)ユーロピウム(III)、トリス(4−ブロモベンゾイルメタン)モノ(フェナンスロリン)ユーロピウム(III)、トリス(ジ(ビフェニル)メタン)−モノ(フェナンスロリン)ユーロピウム(III)、トリス(ジベンゾイルメタン)モノ(4,7−ジフェニル−フェナンスロリン)ユーロピウム(III)、トリス(ジベンゾイルメタン)モノ(4,7−ジ−メチル−フェナンスロリン)ユーロピウム(III)、トリス(ジベンゾイルメタン)モノ(4,7−ジメチルフェナンスロリンジスルホン酸)ユーロピウム(III)二ナトリウム塩、トリス[ジ(4−(2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ)−ベンゾイルメタン)]モノ(フェナンスロリン)ユーロピウム(III)およびトリス[ジ[4−(2−(2−エトキシ−エトキシ)エトキシ)ベンゾイルメタン)]モノ(5−アミノフェナンスロリン)ユーロピウム(III)、オスミウム(II)ビス(3−(トリフルオロメチル)−5−(4−tert−ブチルピリジル)−1,2,4−トリアゾラート)ジフェニルメチルホスフィン、オスミウム(II)ビス(3−(トリフルオロメチル)−5−(2−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール)ジメチルフェニルホスフィン、オスミウム(II)ビス(3−(トリフルオロメチル)−5−(4−tert−ブチルピリジル)−1,2,4−トリアゾラート)ジメチルフェニルホスフィン、オスミウム(II)ビス(3−(トリフルオロメチル)−5−(2−ピリジル)−ピラゾラート)ジメチルフェニルホスフィン、トリス[4,4’−ジ−tert−ブチル(2,2’)−ビピリジン]ルテニウム(III)、オスミウム(II)ビス(2−(9,9−ジブチルフルオレニル)−1−イソキノリン(アセチルアセトネート)。
【0095】
好適な三重項エミッターは、例えば、カルベン錯体である。本発明の一実施形態において、式Xの化合物を発光層においてマトリックス材料として、三重項エミッターとしてのカルベン錯体とともに使用する。
【0096】
【化69】
(式中、
Xは、NR、S、OまたはPRである;
Rは、アリール、ヘテロアリール、アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである;
A
1は、−NR
6R
7、−P(O)R
8R
9、−PR
10R
11、−S(O)
2R
12、−S(O)R
13、−SR
14、または−OR
15である;
R
1、R
2およびR
3は互いに独立して、アリール、ヘテロアリール、アルキル、シクロアルキル、またはヘテロ−シクロアルキルであり、ここで、R
1、R
2、またはR
3基の少なくとも1つはアリール、またはヘテロアリールである;
R
4およびR
5は互いに独立して、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、A基、またはドナー、もしくはアクセプター特性を有する基である;
n2およびm2は互いに独立して、0、1、2、または3である;
R
6、R
7は、窒素原子と一緒になって、3〜10個の環原子を有する環状残基を形成し、これは置換されていなくてよい、またはアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびドナー、またはアクセプター特性を有する基から選択される1以上の基で置換されていてよい;および/または3〜10個の環原子を有する1以上のさらなる環状残基で環化することができ、ここで、環状残基は、置換されていない、またはアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびドナー、もしくはアクセプター特性を有する基から選択される1以上の置換基で置換されていてよい;そして
R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13、R
14およびR
15は互いに独立して、アリール、ヘテロアリール、アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである)。例えば、
【化70】
【0097】
【化71】
【0098】
【化72】
【0099】
【化73】
(式中、XはSまたはOであり、R’はHまたはH
3である)、
【化74】
【0100】
【化75】
【0101】
【化76】
などの式Xの化合物はWO2010/079051で記載されている。
【0102】
加えて、例えば、US2009066226、EP1885818B1、EP1970976、EP1998388、EP2034538、US2007/0224446A1、WO2009/069442A1、WO2010/090077A1およびJP2006/321750Aに記載されているジベンゾフランはマトリックス材料として好適である。
【0103】
好ましいマトリックス材料の例を以下に示す:
【化77】
【0104】
【化78】
【0105】
【化79】
【0106】
前述の化合物において、Tは、O、またはSであり、好ましくはOである。Tが分子中に2回以上出現する場合、全てのT基は同じ意味を有する。
【0107】
好適なカルベン錯体は当業者に公知であり、例えば、WO2005/019373A2、WO2006/056418A2、WO2005/113704、WO2007/115970、WO2007/115981およびWO2008/000727に記載されている。
【0108】
発光層は、エミッター材料に加えてさらなる成分を含んでいてよい。例えば、エミッター材料の発光色を変えるために、蛍光染料が発光層中に存在してもよい。加えて(好ましい実施形態では)、マトリックス材料を使用することができる。このマトリックス材料は、ポリマー、例えばポリ(N−ビニルカルバゾール)またはポリシランであってよい。しかしながら、マトリックス材料は小分子、例えば、4,4’−N,N’−ジカルバゾールビフェニル(CDP=CBP)または第3芳香族アミン、例えばTCTAであってよい。本発明の好ましい実施形態では、式Xの少なくとも1つの化合物をマトリックス材料として使用する。
【0109】
好ましい実施形態において、発光層は、2〜40質量%、好ましくは5〜35質量%の少なくとも1つの前述のエミッター材料および60〜98質量%、好ましくは65〜95質量%の少なくとも1つの前述のマトリックス材料(一実施形態では、少なくとも1つの式Xの化合物)から形成され、ここで、エミッター材料およびマトリックス材料の合計は100質量%になる。
【0110】
好ましい実施形態において、発光層は、式X
例えば
【化80】
の化合物、および2つのカルベン錯体、好ましくは式
【化81】
のカルベン錯体を含む。前記実施形態において、発光層は、2〜40質量%、好ましくは5〜35質量%の
【化82】
および60〜98質量%、好ましくは65〜95質量%の式Xの化合物および
【化83】
から形成され、ここで、カルベン錯体および式Xの化合物の合計は100質量%になる。
【0111】
さらなる実施形態において、式Xの化合物は、正孔/励起子ブロッカー材料として、好ましくは三重項エミッターとしてのカルベン錯体と一緒に使用される。式Xの化合物は、マトリックス材料として、またはマトリックス材料として、かつ正孔/励起子ブロッカー材料として、三重項エミッターとしてのカルベン錯体と一緒に使用することができる。
【0112】
OLEDでマトリックス材料および/または正孔/励起子ブロッカー材料としての式Xの化合物と一緒に使用するために好適な金属錯体も、したがって、例えば、WO2005/019373A2、WO2006/056418A2、WO2005/113704、WO2007/115970、WO2007/115981およびWO2008/000727に記載される様なカルベン錯体である。記載されたWO出願の開示について明確に言及され、これらの開示内容は本出願に援用される。
【0113】
OLEDで典型的に使用される正孔ブロッカー材料は、式Xの化合物、2,6−ビス(N−カルバゾリル)ピリジン(mCPy)、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナンスロリン(バトクプロイン、(BCP))、ビス(2−メチル−8−キノリナート)−4−フェニルフェニラート)アルミニウム(III)(BAIq)、フェノチアジンS,S−ジオキシド誘導体および1,3,5−トリス(N−フェニル−2−ベンジルイミダゾリル)ベンゼン)(TPBI)であり、TPBIは電子伝導材料としても好適である。さらなる好適な正孔ブロッカーおよび/または電子輸送材料は、2,2’,2''−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1−H−ベンズイミダゾール)、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、8−ヒドロキシキノリノラートリチウム、4−(ナフタレン−1−イル)−3,5−ジフェニル−4H−1,2,4−トリアゾール、1,3−ビス[2−(2,2’−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン、4,7−ジフェニル−1,10−フェナンスロリン、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−tert−ブチルフェニル−1,2,4−トリアゾール、6,6’−ビス[5−(ビフェニル−4−イル)−1,3,4−オキサ−ジアゾ−2−イル]−2,2’−ビピリジル、2−フェニル−9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン、2,7−ビス[2−(2,2’−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]−9,9−ジメチルフルオレン、1,3−ビス[2−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン、2−(ナフタレン−2−イル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナンスロリン、トリス−(2,4,6−トリメチル−3−(ピリジン−3−イル)フェニル)ボラン、2,9−ビス(ナフタレン−2−イル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナンスロリン、1−メチル−2−(4−(ナフタレン−2−イル)フェニル)−1H−イミダゾ[4,5−f][1,10]−フェナンスロリンである。さらなる実施形態において、WO2006/100298で開示されているように、カルボニル基を含む基を介して結合した芳香族またはヘテロ芳香族環を含む化合物、例えばWO2009003919(PCT/EP2008/058207)およびWO2009003898(PCT/EP2008/058106)で特定されるようなジシリル−カルバゾール、ジシリルベンゾフラン、ジシリルベンゾチオフェン、ジシリルベンゾホスホール、ジシリルベンゾチオフェンSオキシドおよびジシリルベンゾチオフェンS,S−ジオキシドからなる群から選択されるジシリル化合物ならびにWO2008/034758で開示されるようなジシリル化合物を、正孔/励起子のブロッキング層(4)としてまたは発光層(3)においてマトリックス材料として使用することが可能である。
【0114】
加えて(一実施形態において)、カルベン錯体を正孔輸送材料として使用することが可能であり、少なくとも1つの正孔輸送材料のバンドギャップは、一般的に、使用されるエミッター材料のバンドギャップよりも大きい。本出願の文脈で、「バンドギャップ」は、三重項エネルギーを意味すると理解される。好適なカルベン錯体は、例えば、WO2005/019373A2、WO2006/056418A2、WO2005/113704、WO2007/115970、WO2007/115981およびWO2008/000727に記載される様なカルベン錯体である。好適なカルベン錯体の一例は、式:
【化84】
を有するfac−イリジウム−トリス(1,3−ジフェニルベンズイミダゾリン−2−イリデン−C,C
2I)(Ir(dpbic)
3)であり、これは例えばWO2005/019373に開示されている。好ましくは、正孔輸送層は、酸化モリブデン(MoO
x)、特にMoO
3、または酸化レニウム(ReO
x)、特にReO
3をドープしたIr(dpbic)
3を含む。ドーパントは、ドーパントおよびカルベン錯体の量に基づいて、0.1質量%から、好ましくは1質量%から8質量%まで、さらに好ましくは3質量%から5質量%までの量で含まれる。
【0115】
好ましい実施形態において、本発明は、層(1)アノード、(2)正孔輸送層、(3)発光層、(4)正孔/励起子のブロッキング層、(5)電子輸送層および(6)カソード、ならびに、適切な場合、さらなる層を含む本発明のOLEDに関し、ここで、電子輸送層は式I、またはIIの化合物を含む。
【0116】
本発明のOLEDの電子輸送層(5)は式I、またはIIの化合物を含む。層(5)は、好ましくは電子の移動度を改善する。
【0117】
正孔輸送材料および電子輸送材料として上述した材料のうち、いくつかは複数の機能を満たすことができ、例えば、電子輸送材料の一部は、低HOMOを有する場合、同時に正孔ブロッキング材料である。これらは、例えば、正孔/励起子のブロッキング層(4)で使用することができる。
【0118】
使用する材料の輸送特性を改善するため、まず層をさらに厚くするために(ピンホール/短絡の回避)、次にデバイスの動作電圧を最小限に抑えるために、電荷輸送層を電気的にドープすることもできる。例えば、正孔輸送材料を、電子アクセプターでドープすることができる;例えば、フタロシアニンまたはアリールアミン、例えばTPDまたはTDTAは、テトラフルオロテトラシアンキノジメタン(F4−TCNQ)またはMoO
3もしくはWO
3でドープすることができる。電子輸送材料は、例えばアルカリ金属でドープすることができ、例えばAlq
3はリチウムでドープすることができる。加えて、電子輸送物質を、Cs
2CO
3、または8−ヒドロキシキノラート−リチウム(Liq)などの塩でドープすることができる。電子ドーピングは当業者に公知であり、例えば、W. Gao, A. Kahn, J. Appl. Phys., Vol. 94, No. 1, 1 July 2003(p−doped organic layers); A. G. Werner, F. Li, K. Harada, M. Pfeiffer, T. Fritz, K. Leo. Appl. Phys. Lett., Vol. 82, No. 25, 23 June 2003 and Pfeiffer et al.,Organic Electronics 2003, 4, 89 − 103に開示されている。カルベン錯体に加えて、例えば、Ir(dpbic)
3などの正孔輸送層は、MoO
3またはWO
3でドープすることができる。
【0119】
カソード(6)は電子または負電荷キャリアを導入する機能を果たす電極である。カソードの好適な材料は、元素の周期律表(旧IUPAC版)のIa族のアルカリ金属、例えば、Li、Cs、IIa族のアルカリ土類金属、例えばカルシウム、バリウムまたはマグネシウム、ランタニドおよびアクチニドを含むIIb族の金属、例えばサマリウムからなる群から選択される。加えて、アルミニウムまたはインジウムなどの金属、および記載される全ての金属の組み合わせを使用することも可能である。加えて、動作電圧を低下させるために、アルカリ金属を含む有機金属化合物、または例えば、LiF、CsF、またはKFなどのアルカリ金属フッ化物を、有機層とカソードとの間に施用することができる。
【0120】
本発明によるOLEDは、当業者に公知であるさらなる層をさらに含んでいてよい。例えば、正電荷の輸送を促進する、および/または層相互のバンドギャップを適合させる層を、層(2)と発光層(3)との間に施用することができる。別法として、このさらなる層は、保護層として機能しうる。同様に、負電荷の輸送を促進するため、および/または層相互間のバンドギャップを適合させるために、さらなる層が発光層(3)と層(4)との間に存在しうる。別法として、この層は保護層として機能しうる。
【0121】
好ましい実施形態において、層(1)〜(6)に加えて、本発明のOLEDは、少なくとも1つの後述する以下の層を含む:
・アノード(1)と正孔輸送層(2)との間の正孔注入層;
・正孔輸送層(2)と発光層(3)との間の電子のブロッキング層;
・電子輸送層(5)とカソード(6)との間の電子注入層。
【0122】
正孔注入層用の材料は、銅フタロシアニン、4,4’,4''−トリス(N−3−メチルフェニル−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、4,4’,4''−トリス(N−(2−ナフチル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(2T−NATA)、4,4’,4''−トリス(N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(1T−NATA)、4,4’,4''−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(NATA)、酸化チタンフタロシアニン、2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(F4−TCNQ)、ピラジノ[2,3−f][1,10]フェナンスロリン−2,3−ジカルボニトリル(PPDN)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メトキシフェニル)ベンジジン(MeO−TPD)、2,7−ビス[N,N−ビス(4−メトキシ−フェニル)アミノ]−9,9−スピロビフルオレン(MeO−Spiro−TPD)、2,2’−ビス[N,N−ビス(4−メトキシ−フェニル)アミノ]−9,9−スピロビフルオレン(2,2’−MeO−Spiro−TPD)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ−[4−(N,N−ジトリルアミノ)フェニル]ベンジジン(NTNPB)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ−[4−(N,N−ジフェニル−アミノ)フェニル]ベンジジン(NPNPB)、N,N’−ジ(ナフタレン−2−イル)−N,N’−ジフェニルベンゼン−1,4−ジアミン(α−NPP)から選択することができる。原則として、正孔注入層は式Xの少なくとも1つの化合物を正孔注入材料として含んでいてよい。
【0123】
電子注入層の材料として、例えばCsF、KF、またはリチウムキノレート(Liq)を選択することができる。CsFはKF、またはLiqよりも好ましい。
【0124】
当業者は、(例えば電気化学的研究に基づいて)どのように好適な材料を選択しなければならないかわかっている。個々の層の好適な材料は当業者に公知であり、例えば、WO00/70655に開示されている。
【0125】
加えて、電荷キャリア輸送の効率性を上げるために、本発明のOLEDで使用される層のいくつかは表面処理されていてよい。記載された層のそれぞれの材料の選択は、好ましくは、高い効率性および寿命を有するOLEDを得ることによって決定される。
【0126】
本発明のOLEDは、当業者に公知の方法によって製造することができる。一般的に、本発明のOLEDは、個々の層を好適な基体上に連続的に蒸着することによって製造される。好適な基体は、例えば、ガラス、無機セミトランスポート、典型的にはITO、もしくはIZO、またはポリマーフィルムである。蒸着のために、慣例的技術、例えば熱蒸発、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)などを使用することができる。別の方法で、OLEDの有機層は、当業者に公知のコーティング技術を用いて、好適な溶媒中溶液または分散液から施用することができる。
【0127】
一般的に、異なる層は以下の厚さを有する:アノード(1)50〜500nm、好ましくは100〜200nm;正孔伝導層(2)5〜100nm、好ましくは20〜80nm、発光層(3)1〜100nm、好ましくは10〜80nm、正孔/励起子のブロッキング層(4)2〜100nm、好ましくは5〜50nm、電子伝導層(5)5〜100nm、好ましくは20〜80nm、カソード(6)20〜1000nm、好ましくは30〜500nm。カソード、ひいてはOLEDの発光スペクトルに関連する本発明のOLED中の正孔および電子の再結合領域の相対的な位置は、他の因子のなかでも、各層の相対的厚さによって影響を受けうる。このことは、電子輸送層の厚さが好ましくは再結合領域の位置がダイオードの光共振器特性、ひいてはエミッターの発光波長と適合するように選択されなければならないことを意味する。OLED中の個々の層の厚さの比は、使用される材料に依存する。使用される任意のさらなる層の厚さは、当業者に公知である。電子伝導層および/または正孔伝導層は電気的にドープされる場合に特定される層厚さよりも厚くてよい。
【0128】
本出願の電子輸送層の使用により、高効率性および低動作電圧を有するOLEDが得られる。しばしば、本出願の電子輸送層の使用によって得られるOLEDは、長い寿命をさらに有する。OLEDの効率性は、OLEDの他の層を最適化することによってさらに改善することができる。動作電圧を減少させる、または量子効率を増す成形された基体および新規正孔輸送材料は本発明のOLEDで同様に使用可能である。さらに、異なる層のエネルギーレベルを調節するため、およびエレクトロルミネッセンスを促進するために、OLED中にさらなる層が存在してもよい。
【0129】
OLEDは少なくとも1つの第2発光層をさらに含んでいてよい。OLEDの全体的な発光は、少なくとも2つの発光層の発光から構成されていてよく、白色光も含んでよい。
【0130】
OLEDは、エレクトロルミネッセンスが有用であるあらゆる装置で用いることができる。好適なデバイスは、好ましくは、据付型および移動型視覚的表示装置ならびに照明装置から選択される。据付型視覚的表示装置は、例えば、コンピュータの視覚的表示装置、テレビ、プリンター、台所用品および広告用パネルの視覚的表示装置、イルミネーションおよびインフォメーションパネルである。移動型視覚的表示装置は、例えば、携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラ、MP3プレーヤー、バスや列車の車両および行き先表示の視覚的表示装置である。本発明のOLEDを使用することができるさらなるデバイスは、例えば、キーボード;衣料品;家具;壁紙である。
【0131】
加えて、本出願の電子輸送層は、逆の構造を有するOLEDで使用することができる。逆のOLEDの構造およびそれで典型的に使用される材料は当業者に公知である。加えて、本発明は、本発明の有機電子デバイス、または本発明の有機層、特に電子輸送層を含む、据付型視覚的表示装置、例えばコンピュータの視覚的表示装置、テレビ、プリンター、台所用品および広告用パネルの視覚的表示装置、イルミネーション、インフォメーションパネル、および移動型視覚的表示装置、例えば携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラ、MP3プレーヤー、バスや列車の車両および行き先表示の視覚的表示装置;照明装置;キーボード;衣料品;家具;壁紙からなる群から選択される装置に関する。
【0132】
以下の実施例は例示目的のためだけに収録され、特許請求の範囲を制限しない。特に記載しない限り、全ての部およびパーセンテージは質量基準である。
【0133】
実施例および比較実施例
実施例1
【化85】
【0134】
a)50mlのエタノール中5.45g(34.8ミリモル)のベンズアミジン塩酸塩水和物および4.10g(73.1ミリモル)の炭酸カリウムを90℃、乾燥空気下で撹拌する。20mlの熱エトキシ−エタノール中20.0g(69.7ミリモル)の(E)−1−(3−ブロモフェニル)−3−フェニル−プロプ−2−エン−1−オンをゆっくりと添加する。24時間後、反応混合物を25℃まで冷却し、生成物をろ過し、エタノール、水、そして再度エタノールで洗浄し、さらに精製することなくステップb)で使用する(収量7.84g(58%))。
【0135】
【化86】
【0136】
b)5.20g(13.4ミリモル)の4−(3−ブロモフェニル)−2,6−ジフェニル−ピリミジン、8.18g(32.2ミリモル)の4,4,5,5−テトラメチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3,2−ジオキサボロランおよび7.91g(80.6ミリモル)の酢酸カリウムをアルゴンで脱気する。60mlのDMFを添加し、混合物をアルゴンで脱気する。120mg(0.16ミリモル)のPdCl
2(dppf)(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)二塩酸塩)を添加する。反応混合物を60℃で26時間撹拌し、氷上に注ぎ、生成物をろ過する。
【0137】
【化87】
【0138】
c)5.55g(12.8ミリモル)の実施例1aの生成物、4.50g(11.6ミリモル)の4−(3−ブロモフェニル)−2,6−ジフェニル−ピリミジンおよび14.1g(58.1ミリモル)の三塩基性リン酸カリウム一水和物をアルゴンで脱気する。40mlのジオキサン、100mlのトルエンおよび25mlの水を添加する。混合物をアルゴンで脱気する。286mg(0.697ミリモル)の2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(SPhos)および261mg(0.116ミリモル)の酢酸パラジウム(II)を添加する。反応混合物を24時間100℃で撹拌する。40mlの1%シアン化ナトリウム溶液を添加し、反応混合物を1時間還流させる。生成物(化合物A−1)をろ過し、水およびエタノールで洗浄する。
【0139】
【0140】
実施例2
【化88】
【0141】
a)2−(3−ブロモフェニル)−4,6−ジフェニル−ピリミジンはWO05085387A1に記載のように合成される。
【0142】
【化89】
【0143】
b)6.00g(15.5ミリモル)の2−(3−ブロモフェニル)−4,6−ジフェニル−ピリミジン、9.44g(37.2ミリモル)の4,4,5,5−テトラメチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン、7.60g(77.5ミリモル)の酢酸カリウムをアルゴンで脱気する
。60mlのDMFおよびPdCl
2(dppf)(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)二塩酸塩)を添加する。反応混合物を60℃で28時間撹拌し、次いで氷上に注ぐ。水相をジエチルエーテルで抽出する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去する。生成物を精製することなくステップc)で使用する。
【0144】
【化90】
【0145】
c)3.50g(8.06ミリモル)の実施例2bの生成物、2.31g(8.06ミリモル)の4−(3−ブロモフェニル)−2,6−ジフェニル−ピリミジンおよび9.77g(40.3ミリモル)の三塩基性リン酸カリウム一水和物をアルゴンで脱気する。30mlのジオキサン、
70mlのトルエン、20mlの水を添加する。199mg(0.483ミリモル)の2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(SPhos)および18mg(0.081ミリモル)の酢酸パラジウム(II)を添加する。反応混合物を24時間100℃で撹拌する。40mlの1%シアン化ナトリウム溶液を添加し、反応混合物を1時間還流させる。生成
物をろ過し、水およびエタノールで洗浄する。トルエン/酢酸エチル19/1を用いたシリカゲル上カラムクロマトグラフィーの結果、化合物B−1を得る(収率:8%)。MS(APCI(pos):m/z(%):615(M
+1、100%)。
【0146】
【0147】
適用例1
アノードとして使用するITO基体を、LCD製造用の市販の洗剤(Deconex(登録商標)20NS、および25ORGAN−ACID(登録商標)中和剤)でまず洗浄し、次いで超音波浴中のアセトン/イソプロパノール混合物中で洗浄する。任意の可能な有機残留物を除去するために、基体をオゾンオーブン中で連続オゾン流にさらに25分間暴露する。この処理はITOの正孔注入特性も改善する。次いでPlexcore(登録商標)OC AJ20−1000(Plextronics Inc.から市販)をスピンコーティングし、乾燥して、正孔注入層(約40nm)を形成する。
【0148】
その後、後述する有機材料を蒸着によって清浄な基体に約0.5〜5nm/分の速度で、約10
7〜10
9mbarにて施用する。正孔輸送および励起子ブロッカーとして、Ir(dpbic)
3(製造については、出願WO2005/019373のIr錯体(7)を参照のこと)を、厚さ20nmの基体に施用し、この場合、まず10nmにMoO
x(約10%)をドープして伝導率を改善する。
【0149】
【化91】
【0150】
その後、30質量%の化合物
【化92】
10質量%の化合物
【化93】
および60質量%の化合物
【化94】
の混合物(PCT/EP2009/067120に記載)を蒸着によって20nmの厚さで施用する。
【0151】
次に、化合物A−1を電子輸送層として蒸着によって30nmの厚さで施用し、厚さ2nmのフッ化セシウム層(電子注入層)そして最後に厚さ100nmのAl電極も同様にする。
【0152】
全ての作成済みの部品を不活性窒素雰囲気中、ガラス蓋で密封する。
【0153】
比較適用例1
【化95】
を化合物A−1の代わりに使用する以外は、適用例1と同様のOLEDの製造および構築
【0154】
OLEDを特性化するために、エレクトロルミネッセンススペクトルを種々の電流および電圧で記録する。加えて、電流電圧特性を、放出される光出力と組み合わせて測定する。光出力は、光度計を用いた校正によって測光パラメータに変換することができる。寿命を測定するために、OLEDを一定電流密度で作動させ、光出力の減少を記録する。寿命とは、初期輝度の半分に減少するまでに経過した時間として定義される。
【0155】
【表1】
1)外部量子効率(EQE)は、物質またはデバイスから漏れた生成光子の数/それを通って流れる電子の数である。
2)比較適用例の測定されたデータを100とし、適用例のデータを比較適用例に準拠して特定する。
【0156】
化合物A−1が電子輸送材料として使用される適用例1のデバイスは、化合物V−1が電子輸送材料として使用される比較適用例1のデバイス
よりも、良好な外部量子効率および良好な寿命を示す。