特許第6012043号(P6012043)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6012043
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】旋回フレームおよび作業機械
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/08 20060101AFI20161011BHJP
【FI】
   E02F9/08 Z
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-93234(P2013-93234)
(22)【出願日】2013年4月26日
(65)【公開番号】特開2014-214510(P2014-214510A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2015年11月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】505236469
【氏名又は名称】キャタピラー エス エー アール エル
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】中村 剛之
【審査官】 須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−050002(JP,A)
【文献】 特開平10−037243(JP,A)
【文献】 特開2000−103369(JP,A)
【文献】 特許第5181017(JP,B2)
【文献】 特開2006−037358(JP,A)
【文献】 特開2010−095133(JP,A)
【文献】 特開平07−150589(JP,A)
【文献】 特開2002−285577(JP,A)
【文献】 実開平06−087454(JP,U)
【文献】 特開2007−046374(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2008−0093582(KR,A)
【文献】 中国実用新案第201817838(CN,U)
【文献】 韓国登録実用新案第20−0168768(KR,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/08
E02F 9/10
B62D 17/00−25/08
B62D 25/14−29/04
B62D 31/00−39/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持部から水平方向を長手方向とするように、かつ支持部から長手方向に離間するほど高さが低くなるように変化するセンタフレームと、
このセンタフレームの側面部に溶接されて搭載物の荷重を支持する複数の梁とを備えた旋回フレームにおいて、
センタフレームの長手方向全長の中央より後方に溶接された梁は、
センタフレームの側面部に近接する先端部分の上部を切り欠いて形成された切欠溝部を有するとともに、先端部分の下部をセンタフレームの側面部の高さ方向中央部より下側の領域に上下方向の溶接部により溶接された1対の梁側板部と、
これらの梁側板部の上部間に一体に設けられた梁上板部と、
この梁上板部から各切欠溝部に沿ってセンタフレームの側面部に至るまで1対の梁側板部間に溶接されるとともにセンタフレームの側面部の高さ方向中間部に水平方向の溶接部により先端が溶接された切欠用接続板部と
を具備したことを特徴とする旋回フレーム。
【請求項2】
1対の梁側板部と切欠用接続板部との間であってセンタフレームの側面部に溶接される溶接部に隣接する位置で、1対の梁側板部と切欠用接続板部とをそれぞれ切り欠いて形成された1対の切欠穴
を具備したことを特徴とする請求項1記載の旋回フレーム。
【請求項3】
下部走行体と、
この下部走行体に旋回可能に設けられた上部旋回体と、
この上部旋回体に設けられた作業装置とを具備し、
上部旋回体は、請求項1または2に記載の旋回フレームを備え、
作業装置は、旋回フレームのセンタフレームに取り付けられた
ことを特徴とする作業機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接構造に特徴を有する旋回フレームおよびこの旋回フレームを備えた作業機械に関する。
【背景技術】
【0002】
図6および図7に示されるように、油圧ショベルなどの旋回フレーム1は、センタフレーム2の側面部にスカート梁3が溶接部4により固定されているが、センタフレーム2の上部には車両の振動時に高い応力が発生する。このためセンタフレーム2の高さの低くなる車両後方側では、センタフレーム2の高応力発生部5とスカート梁3の溶接部4とが近くなり、この溶接部4が応力の影響を受けやすくなり、溶接部4の強度、耐久性に懸念が生じる。このため、溶接における補強材、溶接止端部の処理などの追加が必要となる。
【0003】
一方、センタフレームと、運転室支持用の張出しビームとの間に隙間を設け、センタフレームと張出しビームとを直接溶接をしないことで応力の影響を防ぐようにした旋回フレームが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−037243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この隙間構造を、センタフレーム2にスカート梁3を接続する箇所に適用すると、センタフレーム2とスカート梁3とが直接繋がらないため、スカート梁3上に搭載された燃料タンクや作動油タンクなどのスカート梁3にかかる荷重をセンタフレーム2に伝達することができず、スカート梁3の強度上不利となる問題が生じる。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、センタフレームに梁が溶接された部分に対するセンタフレームからの応力の影響を軽減でき、かつ、梁の荷重支持強度を確保できる溶接構造の旋回フレームおよびこの旋回フレームを備えた作業機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載された発明は、支持部から水平方向を長手方向とするように、かつ支持部から長手方向に離間するほど高さが低くなるように変化するセンタフレームと、このセンタフレームの側面部に溶接されて搭載物の荷重を支持する複数の梁とを備えた旋回フレームにおいて、センタフレームの長手方向全長の中央より後方に溶接された梁は、センタフレームの側面部に近接する先端部分の上部を切り欠いて形成された切欠溝部を有するとともに、先端部分の下部をセンタフレームの側面部の高さ方向中央部より下側の領域に上下方向の溶接部により溶接された1対の梁側板部と、これらの梁側板部の上部間に一体に設けられた梁上板部と、この梁上板部から各切欠溝部に沿ってセンタフレームの側面部に至るまで1対の梁側板部間に溶接されるとともにセンタフレームの側面部の高さ方向中間部に水平方向の溶接部により先端が溶接された切欠用接続板部とを具備した旋回フレームである。
【0008】
請求項2に記載された発明は、請求項1記載の旋回フレームにおいて、1対の梁側板部と切欠用接続板部との間であってセンタフレームの側面部に溶接される溶接部に隣接する位置で、1対の梁側板部と切欠用接続板部とをそれぞれ切り欠いて形成された1対の切欠穴を具備したものである。
【0009】
請求項3に記載された発明は、下部走行体と、この下部走行体に旋回可能に設けられた上部旋回体と、この上部旋回体に設けられた作業装置とを具備し、上部旋回体は、請求項1または2に記載の旋回フレームを備え、作業装置は、旋回フレームのセンタフレームに取り付けられた作業機械である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、支持部から長手方向に離間するほど高さが低くなるように変化するセンタフレームの側面部に梁を溶接する場合、センタフレームの長手方向全長の中央より後方に溶接された梁の上部の溶接部は、従来のままではセンタフレームの上部に近接し、センタフレームの上部に発生する応力の影響を受け易いが、センタフレームの側面部に近接する1対の梁側板部の先端部分の上部を切り欠いて1対の切欠溝部を形成するとともに、1対の梁側板部の上部間に一体に設けられた梁上板部から各切欠溝部に沿ってセンタフレームの側面部に至るまで1対の梁側板部間に切欠用接続板部を溶接して、この切欠用接続板部の先端をセンタフレームの側面部の高さ方向中間部に水平方向の溶接部により溶接したことによって、上記後方に溶接された梁の高さを溶接部近傍で低くする構造としたので、センタフレームの上部と梁の溶接部との間に応力を減少させる距離を確保することができ、センタフレームの上部から梁の溶接部への応力の影響を軽減でき、かつ、低くした箇所でセンタフレームと梁とを溶接することにより、梁にかかる荷重を溶接部を経てセンタフレームに伝達することができ、搭載物の荷重を支持する梁の荷重支持強度も確保できる。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、センタフレームの側面部に溶接される1対の梁側板部と切欠用接続板部の各溶接部に作用する応力を、各溶接部に隣接する位置で切欠き形成された1対の切欠穴によって分散させることができ、溶接部の破断につながる応力集中を緩和させることができる。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、下部走行体に旋回可能の上部旋回体に設けられた作業装置からセンタフレームを経て、このセンタフレームの長手方向全長の中央より後方に溶接された梁の溶接部に作用する応力の影響を、梁の切欠溝部と切欠用接続板部とによって軽減できるとともに、搭載物の荷重を支持する梁の荷重支持強度も確保できる強固なフレーム構造を有する作業機械を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る旋回フレームの一実施の形態を示す溶接部付近の斜視図である。
図2】同上旋回フレームの溶接部付近の断面図である。
図3】同上旋回フレームを有する作業機械の側面図である。
図4】同上旋回フレームの斜視図である。
図5】同上旋回フレームの溶接部付近の応力分布図である。
図6】従来の旋回フレームの溶接部付近の断面図である。
図7】従来の旋回フレームの溶接部付近の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を、図1乃至図5に示された一実施の形態に基いて詳細に説明する。
【0015】
図3に示されるように、作業機械としての油圧ショベル11は、履帯式の下部走行体12と、この下部走行体12に旋回軸受部13を介して旋回可能に設けられた上部旋回体14と、この上部旋回体14に設けられた作業装置15とを具備している。上部旋回体14の前側にはキャブ16が搭載され、後側にはエンジンなどの機械室17やカウンタウエイト18が搭載されている。
【0016】
上部旋回体14は、図4に示される旋回フレーム21を備え、この旋回フレーム21は、旋回軸受部13により旋回自在に支持される支持部22から水平方向を長手方向とするようにセンタフレーム23が設けられている。このセンタフレーム23は、1対のセンタフレーム23A,23Bを有し、これらのセンタフレーム23A,23Bは、旋回中心となる支持部22の近傍に位置する後述のブームフートピン取付穴31を設けた箇所が最も高く形成され、この支持部22または支持部22の近傍から長手方向に離間するほど、すなわち機体後方へいくほど高さが低くなるように変化する形状である。機体後方にエンジンを搭載するため、このようなセンタフレーム形状にせざるをえない。
【0017】
これらのセンタフレーム23A,23Bは、図2に示されるように1対の側面部24aと、これらの側面部24aの上部間に溶接された上面部24bと、下部に溶接された底板部24cとにより、それぞれ箱形断面に形成されている。
【0018】
図4に示されるように、一方のセンタフレーム23Aの側面部には、燃料タンクや作動油タンクなどの搭載物の荷重を支持する複数の梁としてのスカート梁25,26が溶接されている。
【0019】
旋回フレーム21は、さらにキャブ16を支持するキャブ搭載部27、エンジンを支持するエンジン搭載部28、カウンタウエイト18を取り付けるカウンタウエイト取付部29、およびスカート梁25,26などの先端に設けられた周囲のスカート部30などを備えている。
【0020】
作業装置15は、センタフレーム23において支持部22の近傍に位置するブームフートピン取付穴31およびブームシリンダ取付穴32に、図3に示されるブーム33およびこのブーム33を回動するブームシリンダ34が軸支され、ブーム33の先端にスティック35がスティックシリンダ36により回動されるように軸支され、このスティック35の先端にバケット37がバケットシリンダ38により回動されるように軸支されている。
【0021】
図4に示されるように、センタフレーム23Aの長手方向全長の中央より後方に溶接されたスカート梁26は、センタフレーム23Aの側面に溶接される箇所で2段梁形状に形成されている。
【0022】
すなわち、図1および図2に示されるようにセンタフレーム23Aの側面部24aにおける高さ方向中央部より下側の領域に、上下方向の溶接部41により1対の梁側板部42が溶接されている。これらの梁側板部42は、センタフレーム23Aの側面部24aに近接する先端部分の上部をそれぞれL形に切り欠いて1対の切欠溝部43が形成されている。
【0023】
1対の梁側板部42の上部間には、梁上板部44が溶接されて一体に設けられ、この梁上板部44から各切欠溝部43に沿って側面部24aに至るまでL形に形成された切欠用接続板部45が、梁上板部44と同様に連続的に1対の梁側板部42間に溶接され、この切欠用接続板部45の先端が、側面部24aの高さ方向中間部に対し水平方向の溶接部46により溶接されている。また、底板部24cと梁側板部42との間は、溶接部47により溶接されている。
【0024】
なお、1対の梁側板部42と、梁上板部44と、切欠用接続板部45は、例えばコ字形断面の1つの鋼材を切り込み加工し、折り曲げ加工し、不要部を切断し、溶接するなどして一体に形成してもよい。さらには、切欠溝部43および切欠用接続板部45は、必ずしもL形でなくてもよく、例えば円弧状に切り欠いたり曲げ加工してもよい。
【0025】
図1および図2に示されるように、1対の梁側板部42と切欠用接続板部45との間であって、センタフレーム23Aの側面部24aに溶接される上下方向および水平方向の溶接部41,46に隣接する位置で、1対の梁側板部42と切欠用接続板部45とをそれぞれ半円状に切り欠いて形成された1対の切欠穴48が設けられている。
【0026】
次に、図示された実施の形態の作用効果を、図5に示された機体上下方向の振動時にセンタフレーム23Aに発生する応力の分布を示す応力分布図を参照しながら説明する。
【0027】
図5に示される応力分布図は、黒色に近いほど高い応力を示し、箱形断面のセンタフレーム23Aの上面部24b、底板部24cおよび上面部24bに沿った側面部24aの上部領域に高い応力が、旋回中心となる支持部22から離れた位置に搭載されているエンジンやカウンタウエイト18などの荷重により発生している。一方、側面部24aの中間の高さに沿った領域には、高い応力が発生していない。
【0028】
そこで、この側面部24aの中間の高さに沿った領域にスカート梁26の溶接部46が位置するように、上記のような1対の切欠溝部43を設け、これらの切欠溝部43に沿って側面部24aに至るまで切欠用接続板部45を設け、この切欠用接続板部45の先端を側面部24aの高さ方向中間部に溶接すると、その溶接部46は、センタフレーム23Aに発生した応力の影響を受け難い。
【0029】
このように、センタフレーム23Aにおける上面部24bの高さと梁上面の高さとが近くなる機体後方側のスカート梁26においても、スカート梁26の溶接部46に対するセンタフレーム23Aからの応力の影響を避けるため、スカート梁26の高さを溶接部近傍で低くする2段梁構造とすることで、センタフレーム23Aの上面部24bとスカート梁26の溶接部46との間に、応力を減少させる距離を確保する。そして、高応力部分を避けて溶接するため、補強材、溶接止端部の処理などの追加が不要になる。
【0030】
かつ、応力の影響を低くした箇所でセンタフレーム23Aとスカート梁26とを溶接接合することにより、スカート梁26にかかるタンク類などの荷重をセンタフレーム23Aに伝達することができ、スカート梁26の荷重支持強度を確保できる。
【0031】
要するに、スカート梁26の溶接部分での高さを低くし、高応力部分を避けながらセンタフレーム23Aに溶接しつつ、スカート梁26に作用する荷重は、センタフレーム23Aに流すことができる。
【0032】
スカート梁26のセンタフレーム23Aに溶接される部分の高さは、従来の梁高さ(すなわち梁全高)の50%程度が、スカート梁26の荷重をセンタフレーム23Aに伝達するために必要となるが、機種などが異なると、スカート梁26に掛かる荷重や、センタフレーム23Aとの位置関係が変化するので、スカート梁26のセンタフレーム23Aに溶接される部分で必要とされる高さも、変化させてもよい。
【0033】
以上のように、支持部22または支持部22の近傍から長手方向に離間するほど高さが低くなるように変化するセンタフレーム23の側面部24aにスカート梁25,26を溶接する場合、センタフレーム23の長手方向全長の中央より後方に溶接されたスカート梁26の上部の溶接部は、従来のままではセンタフレーム23の上部に近接し、センタフレーム23の上部に発生する応力の影響を受け易いが、センタフレーム23の側面部24aに近接する1対の梁側板部42の先端部分の上部を切り欠いて1対の切欠溝部43を形成するとともに、1対の梁側板部42の上部間に一体に設けられた梁上板部44から各切欠溝部43に沿って側面部24aに至るまで1対の梁側板部42間に切欠用接続板部45を溶接して、この切欠用接続板部45の先端をセンタフレーム23の側面部24aの高さ方向中間部に水平方向の溶接部46により溶接したことによって、上記後方に溶接されたスカート梁26の高さを溶接部近傍で低くする構造とした。
【0034】
この構造により、センタフレーム23の上部とスカート梁26の溶接部46との間に応力を減少させる距離を確保することができ、センタフレーム23の上部からスカート梁26の溶接部46への応力の影響を軽減でき、かつ、低くした箇所でセンタフレーム23とスカート梁26とを溶接することにより、スカート梁26にかかる荷重を溶接部41,46,47を経てセンタフレーム23に伝達することができ、搭載物の荷重を支持するスカート梁26の荷重支持強度も確保できる。
【0035】
また、センタフレーム23の側面部24aに溶接される1対の梁側板部42と切欠用接続板部45の各溶接部41,46に作用する応力を、各溶接部41,46に隣接する位置で切欠き形成された1対の切欠穴48によって分散させることができ、溶接部41,46の破断につながる応力集中を緩和させることができる。
【0036】
さらに、下部走行体12に旋回可能の上部旋回体14に設けられた作業装置15からセンタフレーム23を経て、このセンタフレーム23の長手方向全長の中央より後方に溶接されたスカート梁26の溶接部41,46に作用する応力の影響を、スカート梁26の切欠溝部43と切欠用接続板部45とによって軽減できるとともに、搭載物の荷重を支持するスカート梁26の荷重支持強度も確保できる強固なフレーム構造を有する作業機械を提供できる。
【0037】
なお、上記実施の形態では、一方のセンタフレーム23Aにスカート梁26を溶接する構造について説明したが、他方のセンタフレーム23Bに他の梁を溶接する構造についても、本発明を同様に適用してもよい。
【0038】
さらに、本発明の旋回フレーム21は、油圧ショベルに限定されるものではなく、例えば自走型または固定設置型のクレーンなどにも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、油圧ショベル、クレーンなどの旋回フレームおよび作業機械の製造などに関わる事業者にとって利用可能性がある。
【符号の説明】
【0040】
11 作業機械としての油圧ショベル
12 下部走行体
14 上部旋回体
15 作業装置
21 旋回フレーム
22 支持部
23 センタフレーム
24a 側面部
26 梁としてのスカート梁
41 溶接部
42 梁側板部
43 切欠溝部
44 梁上板部
45 切欠用接続板部
46 溶接部
48 切欠穴
図1
図2
図3
図4
図6
図7
図5