(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6012062
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】熱可塑性材料からの容器作成方法
(51)【国際特許分類】
B29C 49/20 20060101AFI20161011BHJP
B29C 49/18 20060101ALI20161011BHJP
B29C 49/04 20060101ALI20161011BHJP
B29C 51/12 20060101ALI20161011BHJP
B29C 51/10 20060101ALI20161011BHJP
B29C 51/02 20060101ALI20161011BHJP
B29C 33/12 20060101ALI20161011BHJP
B29C 49/48 20060101ALI20161011BHJP
B29C 51/30 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
B29C49/20
B29C49/18
B29C49/04
B29C51/12
B29C51/10
B29C51/02
B29C33/12
B29C49/48
B29C51/30
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-508127(P2016-508127)
(86)(22)【出願日】2014年4月15日
(65)【公表番号】特表2016-515482(P2016-515482A)
(43)【公表日】2016年5月30日
(86)【国際出願番号】EP2014057575
(87)【国際公開番号】WO2014170302
(87)【国際公開日】20141023
【審査請求日】2015年12月4日
(31)【優先権主張番号】102013006594.1
(32)【優先日】2013年4月17日
(33)【優先権主張国】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510169365
【氏名又は名称】コーテックス テクストロン ジーエムビーエイチ アンド シーオー ケージー
(74)【代理人】
【識別番号】100110434
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 勝
(72)【発明者】
【氏名】ドゥカイ デルヴィシュ
【審査官】
田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】
特表2013−513495(JP,A)
【文献】
特表2012−531324(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 49/20
B29C 33/12
B29C 49/04
B29C 49/18
B29C 49/48
B29C 51/02
B29C 51/10
B29C 51/12
B29C 51/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性材料からその壁を貫通する接続要素を有する容器を作成する方法であって、
少なくとも1つの、板状、殻状、若しくは管状の熱可塑性材料からなるプリフォームを用意し、
少なくとも1つのプリフォームを、少なくとも1つの金型凹部を定めるキャビティを有する多部品金型に導入し、
前記金型内で差圧を用いてプリフォームを成形して最終形状とし殻状の中間生成体を与え、
前記殻状の中間生成体同士を互いに融着して、前記殻状の中間生成体同士を合わせて閉じた中空体を生成し、
さらに前記プリフォームの開口部を形成するために、マンドレルを用いて未だ温かい可塑状態のプリフォームを金型側から貫通させ、
前記マンドレルによって予め形成された前記開口部に金型凹部側から接続要素を挿入し、
前記接続要素を前記プリフォームに接続させる工程を有し、さらに
前記マンドレルによって形成される開口部は、前記接続要素の挿入の前若しくは挿入の間に寸法決めされ、
その寸法決めは前記金型側から前記開口部に挿入される少なくとも1つの寸法取りスリーブにより実行されることを特徴とする熱可塑性材料からの容器作成方法。
【請求項2】
請求項1記載の容器作成方法であって、前記接続要素は、前記開口部内に配された寸法取りスリーブの中に接続スタブにより挿入され、前記開口部内に配された前記スリーブは前記開口部から引き抜かれ、この工程の間若しくは引き続いて、前記接続要素は、当該接続要素の上に設けられたカラーによって前記プリフォームに融着されることを特徴とする熱可塑性材料からの容器作成方法。
【請求項3】
請求項2に記載の容器作成方法であって、前記接続要素は、当該容器内に配設される通気装置に金型凹部側から接続されることを特徴とする熱可塑性材料からの容器作成方法。
【請求項4】
請求項3記載の容器作成方法であって、前記通気装置の容量の圧力均等化は前記接続要素を介して前記金型凹部の圧力時に行われることを特徴とする熱可塑性材料からの容器作成方法。
【請求項5】
請求項4記載の容器作成方法であって、前記圧力均等化は前記マンドレルによりなされることを特徴とする熱可塑性材料からの容器作成方法。
【請求項6】
請求項5記載の容器作成方法であって、前記寸法取りスリーブが前記プリフォームの前記開口部内にあるときに、前記圧力均等化が行われることを特徴とする熱可塑性材料からの容器作成方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の容器作成方法であって、前記金型内のキャビティ内に配設され、前記金型側に配される少なくとも1つのマンドレルと、これと同軸で前記マンドレルに対して調整される前記寸法取りスリーブとが使用されることを特徴とする熱可塑性材料からの容器作成方法。
【請求項8】
請求項7記載の容器作成方法であって、前記マンドレルは、媒体を流すことができ、前記金型凹部に圧力を与える圧力媒体源に接続された少なくとも1つの開口部を有する中空針として設計されてなること特徴とする熱可塑性材料からの容器作成方法。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の容器作成方法であって、前記未だ温かい可塑状態のプリフォームを金型側から貫通することと、前記接続要素の金型凹部側からの挿入することは、前記殻状の中間生成体を合わせて閉じた中空体を形成する前に前記接続要素を接続することで行われる熱可塑性材料からの容器作成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は熱可塑性材料からの容器作成方法であって、次の工程を有する。それは、 少なくとも1つの、板状、殻状、若しくは管状の熱可塑性材料からなるプリフォームを用意し、少なくとも1つのプリフォームを、少なくとも1つの成形凹部となるキャビティを有する多部材金型に導入し、前記金型内で差圧を用いてプリフォームを成形して最終形状とし殻状の中間生成体を得る工程である。
【0002】
本発明に従う、この種の方法は、例えば押出ブロー成形法として実行できるものである。また、代わりに、前記成形方法は、深絞り法としても実行できる。
【0003】
本発明に従う、可塑化した熱可塑性材料の板状若しくは殻状のプリフォームは、例えば巻き取り状、殻状、若しくは管状のプリフォームを押出することで得られるものであり、管状のプリフォームは、好ましくは一方の側で少なくとも長さ方向に分断され、次いで、金型内で未だ温かい可塑状態のプリフォームに内部付属品が組み合わせできるように、金型内に導入される。容器が完成した後では、これらの部品は容器内に配設され、明確に或いは材料上、容器の壁に接続される。
【0004】
1つ若しくは複数のプリフォームは、初めに金型内の金型のキャビティに対して配置され、成形されて金型のキャビティ内で最終形状が与えられて殻状の中間生成体を作成する。更なる工程では、例えば金型の部材を閉じることで互いに融着された殻状の中間生成体により、その中間生成体は一緒に組み合わされて、閉じた中空体を形成する。
【0005】
本発明に従う方法は、好ましくは自動車の移動タンク、例えば、燃料タンクを作成したり、洗浄液タンクを作成したり、液体添加物用のタンクを作成したりする方法とされる。
【0006】
本方法は、第1に、プリフォームの可塑化した熱可塑性材料の押出の熱を用いて容器の仕上げ形状を得る。しかしながら、本発明の範囲内で、金型に導入される前若しくはその間に再可塑化されるところの、板状若しくは殻状の半仕上げ製品を使用することを想定しても良い。
【0007】
本発明に従う差圧の使用は、金型により形成された少なくとも一時的に閉じられる金型凹部がガス圧の影響下にあること及び/又は金型のキャビティが排気されていることを意味するようにととられるべきである。
【0008】
本発明に従う前記方法は、その壁を貫通する少なくとも1つの接続要素を有する、熱可塑性材料からの容器の作成に特に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この種の方法は、例えばドイツ特許公開 第10 2007 024 667号からも知られている。この方法は、押出ブロー成形により、熱可塑性樹脂からの容器を作成するものであって、多部品金型内での形状仕上げの間に、該容器はその壁を貫通する少なくとも1つの接続要素が設けられ、該容器の壁は未だ可塑化した状態で、少なくとも部分的な領域で容器の壁に接続要素が材料的に結合するように容器の壁が貫通され、前記接続要素は貫通先端部を有し、容器壁の貫通時に、前記接続要素は、金型内に配され且つ前記接続要素とは遠い側の容器壁の側に配設される打ち抜き型に挿入される。この方法では、前記接続要素は容器壁を介して或いは金型凹部側のプリフォームを介して押圧される。この接続要素は、第1に完成した容器の内側に配設される、内部付属品、特に通気装置等がホースにより外部に接続できるようにするものである。容器の作成の間でのプリフォームの壁の貫通は、次なる容器壁への円形の切断や穴開けを回避できるという利点をもたらす。特に熱可塑性材料で作られる燃料タンクは、炭化水素のバリア層を伴う多層共押出物から形成される。炭化水素の拡散を防止するバリア層のバリア効果がそれらの領域で犠牲となるので、容器壁への開口部の作成によるバリア層への後のダメージは、基本的には望ましくない。
【0010】
熱可塑性材料から燃料タンクを作成する方法や、ホース等の接続要素を有するこの種の燃料タンクは、例えば欧州特許公開 第1 211 196号から知られている。この欧州特許公開 第1 211 196号は、タンク壁に埋め込まれた炭化水素バリア層を有する熱可塑性材料からなる2つのシェルの燃料タンクであって、2つのシェルは、結合されてタンクを形成し、熱形成により得られるものについて説明する。炭化水素の高い透過耐性を維持しながら接続要素の簡単な取り付けを確保するため、少なくとも1つの外側部品と1つの内側部品からなる、2部品の接続要素や2部品の付属品が欧州特許公開 第1 211 196号で配されており、外側部品のタンクの外壁に融着され、タンクの壁をずらしたり或いは挟持することで内側部品は少なくとも部分的に外側部品を貫通する。この構造は、部品間でタンク壁が閉じられて位置が変えられ、その結果、位置が変えられた材料が通路のシール材とされるという利点を有する。しかしながら、欧州特許公開 第1 211 196号に説明さえた方法での材料の変位は、部品を介して流動を阻止する内側部品と外側部品の間の部材を、その製造の後でタンクの適宜なトリミングにより、取り除く必要がものとし、これは比較的に複雑な工程となってしまう。
【0011】
一方、ドイツ特許公開 第10 2007 042 667号から知られる方法では、接続部品若しくは接続部品上に実装された切断スリーブによってプリフォームの壁に穴あけされた材料部が接続部品の開口を遮断してしまうという不都合を有するものとされる。少なくとも、接続部を作成した後でプリフォームを打ち抜いた部材の余白を除去する必要がある。さらに、比較的に大きな孔開けユニットを金型内に配する必要がある。金型内で安定してプリフォームを貫通するためには、比較的に高圧と比較的に速い送り速度で孔開け装置を稼働させる必要があるが、これは比較的に高価となる。
【0012】
さらに、金型内に配される打ち抜きダイに対し孔開けユニットの構造については、比較的に狭い許容窓が維持されるべきである。
【0013】
請求項1の前段部分(preamble)に従う方法は、例えばドイツ特許 第30 42 962号(C2)に開示されている。部品を成形品に接続する方法は例えば米国特許公開 2011/0140314号(A1)に開示されている。
【0014】
そこで、本発明の基調となる目的は、その壁を貫通する接続要素を有する熱可塑性材料からの容器を作成するために最初に説明される方法を提供することであり、その方法は前述の不都合を有していない。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記目的は、請求項1の特徴に従う方法によって成し遂げられるものである。本発明に従う方法の更なる有益な実施形態は、従属した請求項により保護されるものである。
【0016】
本発明は、金型側、即ちキャビテイの壁面に向かうプリフォームの側の未だ温かい可塑性のプリフォームに開口部が形成され、接続要素が金型凹部側から即ち内側若しくは金型のキャビティから反対側のプリフォーム側から挿入されるという効果を有するところに要約される。接続要素は、この開口部に導入され、その接続要素はこの工程の間に積極的及び/又は材料的に容器の次なる内壁に接続される。
【0017】
一方で、本発明による方法では、金型の内側の大きな孔開け装置が不要とされ、他方では開口部と接続要素の間で互いに許容値を大きくできる構造が得られる。前記マンドレルで作成される開口部は、わずかに大きなサイズであり、マンドレルによって形成される開口部へ内側からの接続要素の挿入によって開口部の封止がなされる。この工程では、接続要素を結合させ、マンドレルにより作成される開口部の信頼できる封止が確実になされるように、プリフォームの未だ温かい可塑性の材料が位置ずれされる。
【0018】
もし芯部材若しくは中央フレームを有する3つの部品の金型を用いて本方法が実施される場合、接続要素を操作するためには芯部材上若しくは中央フレームの中には比較的に小さな空間が必要とされるに過ぎない。
【0019】
本発明の方法では、接続要素が、開口部への挿入の前に、例えば赤外線加熱装置、融着ミラー、或いは加熱プレートなどによって予熱されて好ましくは用意される。
【0020】
本発明の方法の特に好適な実施形態では、マンドレルにより形成される開口部は接続要素の挿入の前もしくは挿入の間に寸法付けされる。
【0021】
寸法付けは、例えば金型側から少なくとも1つの寸法取りスリーブを開口部に挿入することによって行われる。この寸法取りスリーブによって、当該開口部は僅かに大きなサイズで正確な方法で拡げられる。この種のオーバーサイズは十分の2,3ミリメーターのオーダーである。
【0022】
接続要素は、便宜上、接続スタブにより、開口部内に配設した寸法取りスリーブ中に挿入され、寸法取りスリーブが開口部から引き出される。この工程の間若しくはその後、接続要素はその接続要素の上に配されるカラーによってプリフォームに融着される。
【0023】
寸法取りスリーブは、好ましくは融着工程が実行された後に限りキャビティ内に引き出される。前記接続要素の融着の間、接続スタブ内の通路は前記プリフォームで塞がれることになる。
【0024】
一例によれば、接続要素は、融着カラーを伴う2部品の構成とすることができ、該融着カラーは融着性の点でプリフォームと相溶性とされ、接続部材の他の部品はプリフォームに融着できない材料から構成される。例えば、融着カラーはポリエチレンからなり、これはプリフォームがポリエチレン(HDPE:高密度ポリエチレン)を主体とする多層壁構造を有する場合に特に利点を有する。接続要素自体は、例えばポリアミドのニップルとして設計され得るものである。代替的には、接続要素はプリフォームの材料に融着できる熱可塑性材料から形成することも可能である。
【0025】
本発明の便宜的で有益な変形例においては、容器内に配設された通気装置に金型凹部側で接続要素が接続されるものである。
【0026】
本発明に従う方法では、初めに金型のキャビティに単数若しくは複数のプリフォームを用意し、内部付属品の支持部を有する芯部材若しくは中央フレームに対して、できれば金型を閉じながらプリフォームに直前に形成された開口部に接続要素を挿入し、金型凹部側のプリフォーム壁に少なくとも1つの内部付属品を結合させる。この後、金型が再度開かれ、芯部材又は内部付属品若しくは中央フレームのための支持フレームはキャビティを有する金型部品の間から取り除かれ、プリフォームを閉じた容器に結合するために金型が閉じられる。本方法のこの段階では、金型凹部は例えば5乃至7バール(bar)のオーダーの気体圧力に置かれる。
【0027】
金型凹部のこのような加圧間のこのような圧力ピークから容器内に配される体積分を保護するため、本発明においては、金型の加圧時に接続要素を介して装着される通気装置の体積の圧力均衡化が行われる。
【0028】
例えば、このような圧力均衡化はマンドレルによって行われる。
【0029】
この圧力均衡化は便宜的には、寸法取りスリーブがプリフォームの開口部内にある時に実施される。この寸法取りスリーブは、プリフォームの開口部の或る閉塞を確実なものとし、例えばマンドレルは金型の吹き出し圧力ラインに接続される。
【0030】
他の本発明の方法の有益な変形例では、金型側に配される少なくとも一つのマンドレルの使用により優れたものとなり、そのマンドレルは金型のキャビティ内に配設され、寸法取りスリーブと同軸とされ、寸法取りスリーブはマンドレルに対して相対的に位置が調整される。
【0031】
一例として、マンドレルは少なくとも1つの開口部を有する中空針として設計でき、その開口部からは媒体が流れ、媒体が金型の圧力を与える圧力媒体源に接続され得る。
【0032】
さらに本発明は、本発明に従う方法を実施するための穿孔装置を有し、該穿孔装置は少なくとも1つのマンドレルを有し、該マンドレルは、そこから媒体が流れる中空針として設計でき、且つ寸法取りスリーブとは同軸され、該寸法取りスリーブは中空針を塞ぎ、中空針と寸法取りスリーブは互いに移動できるように配設され、それぞれ送り装置を有し、前記中空の針は圧力媒体源に接続される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本発明は図面に示す説明的な実施形態によって以下に説明される。その図面は次の通り。
【
図1】プリフォームに孔をあける前の、金型に挿入されたプリフォームと本発明に従う穿孔装置を有する当該金型の部分の概略図である。
【
図2】プリフォームに孔をあける間における
図1に対応した図である。
【
図3】開口部の寸法出しをする間における
図1に対応した図である。
【
図4】マンドレルを引っ込めたところの
図1に対応した図である。
【
図5】開口部内への接続要素の挿入を描いた、
図1に対応した図である。
【
図6】プリフォームに接続要素を融着した後の前述の図対応した図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図において、金型1と穿孔装置2のサイズ比は比例して示していない。その図示は方法を説明する限りのものであり、充分に簡素化されているものである。
【0035】
金型1の壁2の部分だけを
図1では示す。完全な金型と、その存在するところでの、押出機と、少なくとも1つの押出ヘッドと、取り出し装置等を有してなる1つ若しくは関連する押出装置は、簡素化のために図示されていない。
【0036】
金型1は例えばブロー成形型として設計されており、少なくとも2つの外側型と1つの中央型を有し、このブロー成形型の個々の部品は型締めプレート上に従来の方法で搭載されており、型締めプレートは型締めフレーム内で可動できるように構成されている。外側型は互いに離間したり近接したりでブロー成形型の開閉動作を行う。中央型はその開閉動作に対して横方向に可動とされる。中央型は例えば空圧で調整可能な若しくは可動な部品保持部を有し、該部品保持部によって内部付属品が作成されるべき容器内で位置決めされる。本発明に従う容器は、便宜的には、高密度ポリエチレン系の熱可塑性材料から多層に押し出された樹脂製容器として設計されるものである。
【0037】
下記に説明される、説明的な実施形態を参照するところの方法は、少なくとも1つの押出ヘッドから巻き取り状のプリフォーム3を排出させ、そのプリフォーム3は前記金型の外側型と中央型の間の長さに切断される。
【0038】
最初の方法での工程では、外側型が中央型若しくは型区分部に対して閉じられており、前記プリフォーム3は金型1の部分的なキャビティに引かれ若しくは押され、前記キャビティはガス圧の付与及び/又は外部からの真空により外側型によって形成される。数多くの部分的なキャビティ4がここで述べられるが、図面では1つの部分的なキャビティ4について1つの金型1の側部だけが図示される。
【0039】
部分的なキャビティ4内では、初めの成形の後で該部分的なキャビティ4によって定められた金型1の外郭に当初プリフォーム3は適合する。更なる製法工程では、金型凹部側で、即ち部分的なキャビティ4から遠いプリフォーム3の側で、内部付属品がプリフォーム3に結合される。この結合は、例えば融着及び/又は"その位置での"リベット打ちにより完成される。この方法によれば、例えば通気ライン、少なくとも1つの気泡部、及び連通する通気ラインを有する内部通気装置を具備する容器が導入される。
【0040】
以下に説明されるところの接続要素5によって、弁と少なくとも1つの気泡部を有する通気ライン構造は、後続の容器壁を介した接続、すなわち接続要素5(例えば
図5参照)の形式を伴う。この目的において、接続要素5はプリフォーム3に前に形成された開口部6に挿入される。
【0041】
この目的において、最初に
図1が参照され、この
図1は挿入されたプリフォーム3と共に金型1の壁2の一部を示す。この状態では、プリフォーム3は溶融温度であり、温かく可塑化した状態である。穿孔されるべきプリフォーム3の点において、金型1の壁2に設けられるのは孔7であり、その背後で本発明に従う穿孔装置8が金型側に配される。
【0042】
穿孔装置8は、中空針として設計されたマンドレル9と、該マンドレル9と同心で同軸に配された寸法取りスリーブ10とを有する。マンドレル9と寸法取りスリーブ10は、第1、第2の送り装置11、12と共に配され、それらによってマンドレル9と寸法取りスリーブ10は共に互いに相対的に可動なように配設される。これら送り装置11、12は例えば空圧シリンダーと対応する作動機構を有することができる。代替例としては、それらは例えば電子装置、すなわちステッピングモーターの形式として設計することもできる。送り装置11、12は同様に油圧で駆動されるものであっても良い。
【0043】
マンドレル9と寸法取りスリーブ10は、金型1の壁2の孔7を介して部分的なキャビティ4内に移動可能である。
【0044】
本発明の方法においては、少なくとも1つのプリフォーム3の場合には、金型1内の部分的なキャビティ4内にプリフォーム3を予め形成し或いは配置することに続いて、接続要素5を収納するように穿孔装置8によって開口部6を形成することが行われる。この工程において、マンドレル9は最初に部分的なキャビティ4の内部に孔7を介して駆動若しくは押し込まれ、プリフォーム3を貫通する。マンドレル9は、針先端部13を有した中空針として設計され、該針先端部13は複数の媒体通路、即ち孔の形式のものを有する。
【0045】
マンドレル9の駆動工程は、
図2に示される。これはプリフォーム3から材料を打ち出すものではなく、プリフォーム3を貫通するのみである。これは特に、いくらかの環境下で完成した容器内をさまよってしまう、プリフォーム3から分離した材料片がなくなるという利点となる。
【0046】
マンドレル9への駆動の後、送り装置12によって寸法取りスリーブ10もそうして形成される開口部6内に押圧され、その中で、寸法取りスリーブ10はマンドレル9よりも大きな径を有し、取り囲んで外側に傾斜した縁部15を具備する先端端部を有する。寸法取りスリーブ10は、定められた外径(
図3参照)を有する開口部6を形成するため、プリフォーム3の材料を変形させる。
【0047】
プリフォーム3に開口部6のサイズを決した後、寸法取りスリーブ10に相対してマンドレル9は引き戻され、寸法取りスリーブ10はプリフォーム3の開口部6内に残る(
図4参照)。
【0048】
接続要素5は次いで図示しない部品保持部によって接続スタブ16を介してプリフォーム3の開口部6に挿入され、該部品保持部は金型凹部側即ちプリフォーム3の金型1の壁2とは遠い側に向いたプリフォーム3の側に配設される(
図5参照)。
【0049】
接続要素5はニップルの形式で"二部品"として設計されており、該接続要素5は 樅の木状の外郭17を金型凹部側に有し、反対側には、その後の容器から突出する接続スタブ16を有している。図中、接続スタブ16はぎざぎざの無いスタブとして形成されているが樅の木状の外郭を有していても良い。接続要素5の接続スタブ16と樅の木状の外郭17は、貫通する流れを可能とする管状のポリアミドの主要部として設計される。接続要素5は更に周回するカラー18を有し、該カラー18は融着フランジ部19を有する。融着フランジ部19は好ましくは融着が可能なようにプリフォーム3の高密度ポリエチレン(HDPE)と相性の良い高密度ポリエチレンからなる。
【0050】
金型凹部側では、通気弁構造の通気ラインは接続要素5の樅の木状の外郭17に実装される。先に通気ラインを嵌合させることで、融着フランジ部19が金型凹部側でプリフォーム3に接触するまで接続要素5はプリフォーム3の開口部6に押し込まれる。この工程では、接続要素5は、融着フランジ部19の領域で、未だ溶融している温度のプリフォーム3に融着される。
【0051】
寸法取りスリーブ10が未だプリフォーム3の開口部6にある間(
図5の接続要素5の挿入の後で
図6の穿孔装置8の引っ込みの前)、中央型は外側型の間から取り除かれ、約4から7バールのブロー圧を与えることで作成される容器のブロー成形を仕上げるために、外側型は互いに閉じられる。この目的において、1つ若しくは複数のブロー用マンドレルがプリフォーム3内に駆動される。これらのブロー用マンドレルは図示していない。
【0052】
ブロー用マンドレルは気体状の圧力媒体、例えば空気を従来の方法で供給させる。そこを介して媒体を流すことができる中空針として設計されたマンドレル9は、圧力媒体ラインにより、ブロー圧を与え、圧力媒体の幾らかはマンドレル9を介して接続要素5に導入され、そこに接続された通気装置に導入され、それによって通気装置との圧力均衡化を成立させるように連通し、ブロー圧の最終の付与が通気装置の容積や部分的な容積の圧縮とならない。
【0053】
最終のブローの後、
図6に示すように、穿孔装置は容器から或いはプリフォーム3から金型1内へは完全に退却する。
【符号の説明】
【0054】
1 金型
2 金型の壁
3 プリフォーム
4 部分的なキャビティ
5 接続要素
6 開口部
7 孔
8 穿孔装置
9 マンドレル
10 寸法取りスリーブ
11 送り装置
12 送り装置
13 針先端部
14 媒体通路
15 縁部
16 接続スタブ
17 樅の木状の外郭
18 カラー
19 融着フランジ部