(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記相関制御部は、前記表示物の前記表示面における位置と、前記表示物に応じた前記画像深度と、前記物体の前記表示面における位置と、前記物体に応じた前記物体深度と、に基づいてユーザに与える刺激を制御する請求項1乃至6のいずれか一に記載の電子機器。
【発明を実施するための形態】
【0016】
初めに、
図1を用いて一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、この概要の記載はなんらの限定を意図するものではない。
【0017】
上述のように、3次元画像に応じて、ユーザの感覚を刺激する電子機器を特許文献1及び2に開示された技術では実現することができない。それは、ユーザが3次元画像を視認する際の奥行き方向の位置と、3次元画像に触れようとするユーザの指先との位置関係を規定する(決定する)ことができないことに起因する。
【0018】
そこで、一例として
図1に示す電子機器100を提供する。電子機器100は、表示部101と、位置検出部102と、感覚刺激部103と、制御部104と、を備える。表示部101は、3次元画像を表示する表示面を含む。位置検出部102は、表示面に対する物体の位置を、物体深度として検出する。感覚刺激部103は、ユーザの感覚を刺激する。制御部104は、3次元画像から得られる少なくとも一部の表示物の立体視における位置を示す画像深度と物体深度とに基づいて、感覚刺激部を制御する。
【0019】
電子機器100は、ユーザが視認する3次元画像の位置を画像深度として規定し、ユーザの指先等に代表される物体の位置を物体深度として規定する。電子機器100は、感覚刺激部103及び制御部104により、画像深度及び物体深度に応じて、電子機器100を操作するユーザの感覚(例えば、触覚)を刺激する。その結果、3次元画像の表示位置と指先等の物体の位置とに応じて、3次元で表現される仮想的な物体に触れているという感覚をユーザに提示することができる。特に、携帯電子機器等の表示面の面積が限られるような、3次元画像として表示される物の位置をユーザが即座に把握することが困難な場合であっても、ユーザの触覚等に与えられる刺激により、その位置を実感することができる。
【0020】
以下に具体的な実施の形態について、図面を参照してさらに詳しく説明する。
【0021】
[第1の実施形態]
第1の実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。
【0022】
図2は、本実施形態に係る電子機器1の内部構成の一例を示す図である。なお、本実施形態に係る電子機器1は携帯電話として以降の説明を行うが、電子機器1を携帯電話に限定する趣旨ではない。例えば、携帯電話、スマートフォン、ゲーム機、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC、PDA(Personal Data Assistants;携帯情報端末)等の電子機器であってもよい。
【0023】
電子機器1は、表示部10と、物体深度検出部20と、感覚刺激部30と、記憶部40と、制御部50と、を含んで構成される。なお、
図2には、簡単のため、本実施形態に係る電子機器1に関係するモジュールを主に記載する。
【0024】
表示部10は、3次元画像の表示が可能であり、液晶パネル等の表示デバイスを含んで構成されている。表示部10は、制御部50が生成する3次元画像に対応した画像信号を受け付け、受け付けた画像信号に基づき、3次元画像をユーザに提供する。なお、3次元画像の再生方法は、どのような方法であってもよい。例えば、ユーザが液晶シャッタからなる眼鏡を着用して3次元画像を視認する方法であってもよいし、眼鏡を使用せず裸眼で3次元画像を視認する方法であってもよい。また、表示部10が表示する3次元画像には、静止画及び動画が含まれる。
【0025】
なお、表示部10は各種の画像を表示する。表示部10が表示する画像は、3次元表示に対応した画像も存在すれば、3次元表示に対応していない画像も存在する。3次元表示に対応した画像を表示する際に、当該3次元画像を視覚するユーザは、表示部10の表示面の法線方向において、表示面の位置とは異なる位置に画像が表示されているものとして認識する。本実施形態においては、3次元画像に接したユーザが、当該画像を知覚する位置を、当該画像の表示位置とする。
【0026】
物体深度検出部20は、表示部10の表示面に対して直交する方向(法線方向)に存在する導体の位置を検出する。物体深度検出部20が、上述の位置検出部102に相当する。物体深度検出部20には、例えば、投射型静電容量検出センサが含まれている。物体深度検出部20は、電極(後述する電極300)に導体(例えば、指先等の人体の一部)が近づいた場合、電極と導体との距離に応じて変化する静電容量の変化から表示面と導体との距離を算出する。
【0027】
物体深度検出部20は、赤外線センサ等の距離センサにより表示部10の表示面からの物体(導体)の位置を検出してもよい。あるいは、電子機器1がカメラ機能を備える場合には、導体を撮影した画像に対して画像処理を施すことにより、表示面と導体の位置関係を推定してもよい。
【0028】
なお、物体深度検出部20は、表示部10の表示面と導体との位置関係の検出を主な機能とするため、電子機器1には、別途、タッチパネル等を含んで構成される操作部(図示せず)が必要である。その際、操作部に含まれるタッチパネルは、液晶パネル等の表示部10とタッチセンサ等が組み合わせたものだけではなく、一体として製造されるものであってもよい。即ち、タッチパネルの検出形式や構成等はどのような形式及び構成であってもよい。
【0029】
感覚刺激部30は、電子機器1の筐体を把持しているユーザの手に、振動又は圧力を加えることで、ユーザの触覚を刺激する。感覚刺激部30は、例えば、圧電素子(MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスを含む)や振動モータ等の電子機器1を把持する手に振動を与えるデバイスや、バネなどを用いて圧力を手に与えるデバイスを含んで構成される。以降の説明は、感覚刺激部30には圧電素子が含まれるものとして説明する。ただし、感覚刺激部30に含まれるデバイスを圧電素子に限定する趣旨ではない。
【0030】
感覚刺激部30は、制御部50から信号Sを受け付け、信号Sに基づいて圧電素子を制御する。なお、感覚刺激部30によるユーザの感覚を刺激する方法は、触覚に限定されるものではない。音声等を用いて、聴覚を刺激するものであってもよい。
【0031】
記憶部40は、電子機器1の動作に必要な情報や、ユーザに提供する3次元画像等を記憶する。
【0032】
制御部50は、電子機器1の全体を制御すると共に、
図2に示す各部の制御を行う。なお、ユーザは、電子機器1を把持する手とは異なる指を用いて、電子機器1を操作するものとして以降の説明を行う。
【0033】
次に、物体深度及び画像深度の詳細について説明する。
【0034】
図3及び
図4は、物体深度及び画像深度を説明するための図である。
図3及び
図4を用いて、
図4に示す画像Aを例に取り物体深度及び画像深度について説明する。
【0035】
物体深度検出部20は、
図3に示すように、表示部10の表示面に設けた電極300から表示面の法線方向に距離L0離れた位置に、導体の位置を検出する際の基準となる基準面を仮想的に設定する。なお、この基準面からの法線方向の導体の位置を物体深度とし、上述の基準面を物体深度基準面とする。
【0036】
図3では、導体である指先301(入力デバイス)は、物体深度基準面から距離L1離れた位置に存在する。物体深度検出部20は、電極300と導体である指先301との距離に応じて変化する静電容量の変化から距離L1+L0を算出する。その後、物体深度検出部20は、距離L1+L0から距離L0を減算することにより、指先301の物体深度を検出する。即ち、物体深度検出部20は、距離L1を指先301の物体深度とする。なお、物体深度検出部20が物体深度基準面の位置である距離L0をL0=0と設定すれば、表示部10の表示面と物体深度基準面の位置は実質的に一致することになる。
【0038】
画像深度とは、基準面からどの程度、表示物が飛び出しているようにユーザに認識されているかを示す指標である。
【0039】
電子機器1は、3次元表示を行いたい画像を予め記憶部40に格納しておく。また、電子機器1の設計者は、3次元画像のコンテンツを作成する際、画像ごとに画像深度を付与しておく。その際、
図4に示すように、表示部10の表示面からの飛び出し量を規定するために、表示面に平行、かつ、表示面より法線方向にM0離れて見える面を基準面として仮想的に設定する。この基準面から法線方向における画像の表示位置(ユーザによる視認位置)を画像深度とし、上述の基準面を画像深度基準面とする。
図4では、表示部10が表示する画像Aが表示されているとユーザが感じる位置(飛び出し量)は、画像深度基準面より距離M1離れているとする。従って、画像Aの画像深度は距離M1であるといえる。以上の説明から明らかなとおり、画像深度基準面から画像Aが離れるほど画像深度M1は大きくなる。
【0040】
より具体的な画像深度の付与は以下のとおりである。画像深度基準面を基準とし、この基準面と同じ面に3次元画像が表示されているとユーザに認識させたいのであれば、当該画像の画像深度を0に設定する。また、画像深度の最大値は、物体深度検出部20が導体を検出可能な範囲により定まる。例えば、物体深度検出部20の導体位置検出能力が、距離L3であれば、距離L3の位置に画像を飛び出して表示させたい場合に、画像深度を最大値に設定する。距離L3は、物体深度検出部20に使用するデバイスの仕様から導き出すことが可能であり、電子機器1の設計者が予め把握可能な値である。画像深度の最小値については、画像深度基準面からどの程度奥行きを持って3次元画像を表示させたいかにより定まる。
【0041】
このように、電子機器1の設計者は、3次元画像をどのようにユーザに認識させたいかにより、3次元画像の画像深度を決定し、3次元画像ごとに付与する。画像深度が付与された3次元画像は、記憶部40に格納される。
【0043】
図2に示す制御部50には、画像深度抽出部201と、深度判別部202と、相関制御部203と、が含まれている。
【0044】
制御部50は、表示部10に表示する3次元画像を生成し、表示部10に画像信号を供給する。
【0045】
画像深度抽出部201は、記憶部40から3次元画像を読み出し、3次元画像に付与されている画像深度M1を抽出する。
【0046】
深度判別部202は、画像深度M1と物体深度検出部20から得られる物体深度L1を比較し、ユーザの操作を分類する。より具体的には、深度判別部202は、画像深度M1と物体深度L1との比較結果から、ユーザの操作を以下の3通りに仕分ける。画像Aに対し、表示部10に対向する側から指先301が表示面に向けて近づく場合、指先301が画像Aへ接触しているとユーザが感じる場合(指先301が疑似的に画像Aと接触している場合)、指先301が画像Aを貫通して表示面に近づく場合、の3通りである。
【0047】
ここで、画像Aに対して、表示部10に対向する側から指先301が表示面に近づく場合をケースAとする。指先301が画像Aへ接触しているとユーザが感じる場合をケースBとする。指先301が画像Aを貫通して表示面に近づく場合をケースCとする。
【0048】
各ケースにおける画像深度M1と物体深度L1との関係は、以下のようになる。
・ケースAにおいては、画像深度M1−物体深度L1>0である。
・ケースBにおいては、画像深度M1=物体深度L1である。
・ケースCにおいては、画像深度M1−物体深度L1<0である。
【0049】
相関制御部203は、深度判別部202の判定結果に応じて、感覚刺激部30に送信する信号Sを変更する。例えば、相関制御部203から感覚刺激部30に送信する信号Sが所定のDC成分(直流成分)を持つ正弦波の場合に、相関制御部203は、この正弦波の周波数及び振幅を変更する。
【0050】
相関制御部203における信号Sの変更の一例を下記に示す。
【0051】
ケースAの場合には、相関制御部203は、画像深度M1−物体深度L1の絶対値が小さくなる(画像深度M1と物体深度L1の差分が0に近づく)ことに伴い、信号Sの振幅を大きくする。但し、その場合の信号Sの周波数は固定する。
【0052】
ケースBの場合には、相関制御部203は、信号Sの振幅を最大値に設定する。
【0053】
ケースCの場合には、相関制御部203は、画像深度M1−物体深度L1の絶対値が大きくなるに伴い、信号Sの振幅を最大値に固定したまま、その周波数を変更する。
【0054】
相関制御部203が出力する信号Sを受け付けた感覚刺激部30は、ケースAの場合、画像深度M1−物体深度L1の絶対値が小さくなるにつれて圧電素子の振動振幅を大きくし、ケースBにおいて圧電素子の振動振幅を最大とする。ケースCの場合には、圧電素子の振動振幅を最大に固定したまま、振動周波数を変更する。
【0055】
次に、本実施形態に係る電子機器1の動作について説明する。
【0056】
図5は、電子機器1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0057】
ステップS01において、制御部50は、3次元画像(例えば、画像A)を表示部10に表示させているかを判断する。画像Aが表示されていない場合(ステップS01、No分岐)には、制御部50は、画像Aが表示されるまでステップS01の処理を繰り返す。3次元画像が表示された場合(ステップS01、Yes分岐)には、画像深度抽出部201が、画像深度M1を、表示している3次元画像から抽出する(ステップS02)。
【0058】
ステップS03において、物体深度検出部20は、物体深度検出部20が持つ検出可能範囲内に指先301が存在するかを検知する。なお、物体深度検出部20が持つ検出可能範囲は、電極300の構造(厚さ、材質、電極に並列接続されるコンデンサの容量等)により定まる範囲である。また、指先301が検出領域内にない場合(ステップS03、No分岐)には、相関制御部203に信号Sが送信されることはなく、処理を終了する。
【0059】
指先301が検出領域内にある場合(ステップS03、Yes分岐)には、物体深度検出部20は、指先301の物体深度L1を検出する(ステップS04)。即ち、物体深度検出部20は、物体深度基準面から指先301までの物体深度L1を検出する。なお、指先301が表示面に近づき検出領域に入った際に、物体深度L1は最大となり、指先301が表示面に近づくにつれ、物体深度L1は減少する。
【0060】
ステップS05において、深度判別部202は、画像深度M1と物体深度L1を比較し、比較結果に応じて、その後の処理を分岐する。深度判別部202は、画像深度M1と物体深度L1の大小関係に応じて、これらの位置関係がケースA〜Cのいずれに該当するか判断し、その後に行う処理を変更する。より具体的には、深度判別部202は、画像深度M1と物体深度L1の差分を計算し、その結果を「正」、「0」、「負」の場合に分類し、その後に行う処理を決定する。
【0061】
相関制御部203は、それぞれの場合において、感覚刺激部30に送信する信号Sの振幅又は周波数を変更する。具体的には、深度判別部202の判定結果が「正」の場合(画像深度M1−物体深度L1>0の場合;ケースA)は、相関制御部203は、物体深度L1が最大の時に信号Sの振幅が最も小さくなるように設定する。相関制御部203は、画像深度M1−物体深度L1の絶対値が小さくなると共に、信号Sの振幅を大きくする(ステップS06)。なお、その際、信号Sの周波数は固定とする。
【0062】
深度判別部202の判定結果が「0」の場合(画像深度M1−物体深度L1=0の場合;ケースB)は、相関制御部203は、信号Sの振幅を最大値に設定する(ステップS07)。なお、画像深度M1−物体深度L1=0となる場合とは、画像深度M1と物体深度L1とが、実質的に一致する場合を意味する。
【0063】
深度判別部202の判定結果が「負」の場合(画像深度M1−物体深度L1<0の場合;ケースC)は、相関制御部203は、画像深度M1−物体深度L1の絶対値が小さくなるに伴い、信号Sの周波数を低下させる。なお、その際信号Sの振幅は最大値を維持する。それぞれのケースにおける信号Sは、感覚刺激部30に出力される。
【0064】
ステップS09〜S11において、感覚刺激部30は、信号Sに基づき内部の圧電素子を制御する。
【0065】
具体的には、ステップS09において、感覚刺激部30は、物体深度L1が最大値となる場合に振動が最も小さく、画像深度M1−物体深度L1の絶対値が小さくなるに伴い、振動量が増加するように圧電素子を制御する。つまり、物体深度L1が最大値の場合の振動は、電子機器1を把持しているユーザの手が感じることのできる最小の振動量である。なお、振動周波数は固定である。
【0066】
ステップS10において、感覚刺激部30は、振動量が最も大きくなるように圧電素子を制御する。
【0067】
ステップS11において、感覚刺激部30は、画像深度M1−物体深度L1の絶対値が大きくなるに伴い、振動周波数が低下するように圧電素子を制御する。なお、この場合の振動振幅は固定である。
【0068】
ステップS09〜S11が終了した後、制御部50は、既に表示した3次元画像とは異なる3次元画像の有無を確認する(ステップS12)。
【0069】
次の3次元画像が存在すれば(ステップS12、Yes分岐)、制御部50は、ステップS01に戻り処理を継続する。一方、制御部50は、次の3次元画像が存在しなければ(ステップS12、No分岐)、
図5に示す処理を終了する。
【0070】
なお、物体深度基準面及び画像深度基準面を、表示部10の表示面上(電極300の面上)に設定した場合(距離L0=0、距離M0=0の場合)には、指先301が物体深度基準面を超えて、表示面に近づくことはない。そのため、指先301の物体深度L1が0の場合は、画像Aの飛び出し量(即ち、画像Aの画像深度M1)が定まれば、ユーザの触覚に与える振動量及び周波数が定まる。
【0071】
以上、電子機器1を把持する手とは異なる手の指先を、電子機器1の表示部10に近づける場合を例に取り説明を行った。しかし、電子機器1を把持する手の指先を表示部10に近づける場合であっても同じ効果を得ることができるのは当然である。また、電子機器1に近づける導体の一例として指先301を用いて説明したが、これは導体を指先に限定する趣旨ではない。指先ではなく、電極300に静電容量の変化をもたらすものであればよい。例えば、ペン先が導体のスタイラスペンのようなものであってもよい。さらには、物体深度検出部20が距離センサ等を含む場合には、表示面に近づく物体は導体でなくてもよい。即ち、電子機器1が検出する物体は導体に限定されない。
【0072】
画像深度M1と物体深度L1の差分が「正」、「0」、「負」の場合における圧電素子の振動振幅、振動周波数の組み合わせは上記の内容に限定されない。例えば、画像深度M1−物体深度L1>0の場合(ケースA)、圧電素子の振動振幅を0とし、画像深度M1−物体深度L1=0の場合(ケースB)に、圧電素子を所定の振動振幅、振動周波数で振動させてもよい。さらに、画像深度M1−物体深度L1<0の場合(ケースC)に、ケースBと同じ振動振幅を維持し、かつ、画像深度M1−物体深度L1の絶対値が増加に伴い振動周波数を低下させてもよい。あるいは、画像深度M1−物体深度L1=0の場合(ケースB)に限り、圧電素子を所定の振動振幅、振動周波数で振動させてもよい。さらには、ケースA及びケースBにおいて振動振幅を一定とし、振動周波数を変化させ、ケースCにおいて振動周波数を一定とし、振動振幅を変化させてもよい。このように、画像深度M1−物体深度L1が「正」、「0」、「負」の場合における圧電素子の振動振幅、振動周波数の組み合わせは種々の形態が考えられる。
【0073】
さらにまた、電子機器1では、ユーザの触覚を刺激するための手段として圧電素子を用いて、ユーザに画像Aの存在を認識させているが、他の手段を用いることができる。例えば、電子機器1がスピーカを備えていれば、音声を用いてユーザの聴覚を刺激し、画像Aの存在を認識させることもできる。
【0074】
以上のように、本実施形態に係る電子機器1は、3次元画像から得られる少なくとも一部の表示物の立体視における位置を示す画像深度と、表示部10に含まれる表示面に近づく物体深度とに基づいて、感覚刺激部30がユーザに与える刺激を制御する。即ち、電子機器1は、感覚刺激部30を使用して、画像Aを指先で接触している感覚をユーザの手に与えることができる。また、電子機器1では、ユーザの指先と、3次元画像との相対的な深度に応じて、電子機器1を把持する手の触覚を刺激することができる。その結果、ユーザが視認している画像が確かにその位置(深度)にあると直感的に確認することができる。ユーザは、画像の位置を直感的に感じ取ることができるので、表示画面を注視しなくとも、手に受ける振動によりその画像の存在を認識することができる。
【0075】
[第2の実施形態]
続いて、第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0076】
本実施形態に係る電子機器2は、第1の実施形態に係る電子機器1とその内部構造に相違点は存在しないので、
図2に相当する説明を省略する。電子機器1と電子機器2の相違点は、物体深度検出部20に含まれる電極の構造である。電子機器2の物体深度検出部20に含まれる電極310は複数に分割されている。電極310を複数に分割することで、指先301の表示面における座標位置も検出可能とする。なお、物体深度検出部20が複数に分割された電極310を含む場合には、物体深度検出部20はユーザの操作を受け付けるタッチパネル(操作部)としても機能する。
【0077】
第1の実施形態においては、画像Aが表示部10の全面均一に飛び出す場合について説明した。本実施形態では、3次元画像に凹凸が存在する場合について説明する。
【0078】
図6及び
図7は、第2の実施形態による物体深度及び画像深度を説明するための図である。
【0079】
電子機器2では、
図7に示す3次元画像である画像Bのように、凹凸がある画像を取り扱う。なお、
図7に示す画像Bは、領域410が領域420よりも突出している画像である。電子機器2は、指先301と、画像B内の領域410及び領域420の相対的な面内位置を導出する点が、電子機器1とは相違する。
【0080】
図6及び
図7に示すように、電極310は面内で複数に分割されており、分割された複数の電極部の静電容量の変化に基づき、物体深度検出部20は、指先301の物体深度L1を検出する。さらに、
図6に示す物体深度基準面に、X1軸及びY1軸を規定し、この2軸で形成される座標軸上における各電極部の座標位置を予め定めることで、静電容量の変化した電極部の位置から指先301の面内位置を算出することができる。
【0081】
一方、
図7に示す画像深度基準面にX2軸及びY2軸を規定し、この2軸で形成される座標軸上における画像Bの領域410及び領域420の位置は、予め把握可能な情報である。画像Bは、電子機器2の設計段階で用意される画像であって、電子機器2の設計者が用意する画像であるためである。X1Y1座標軸の基準点400とX2Y2座標軸の基準点401との位置を一致させることで、指先301と画像B内の領域410及び領域420の相対的な面内位置を算出することができる。
【0082】
このように、電極310を複数に分割することで、画像Bに含まれる領域の画像深度が異なる場合であっても、領域ごとに異なる画像深度に応じて電子機器2を把持する手に刺激を与えることができる。なお、電極310は表示部10上に複数に分割した複数の電極部により構成される場合について説明したが、
図3及び
図4に示す電極300に加えて、表示部10に表示画面内の位置を検出することができるタッチセンサを設けてもよい。その場合、位置検出用のタッチセンサとして、静電容量型又は抵抗膜型等を使用可能であり、位置検出用のタッチセンサと物体深度検出部20を構成する電極300を積層する。
【0083】
[変形例]
上述のように、電子機器2が表示する画像は、厚みのない平面に限られるものではない。例えば、立方体、球対又は円筒形状の立体物を表示することが想定される。このような立体物等を表示している場合には、ユーザが指先301を表示部10の表示面に近づけた場合に最初に触れる面と、当該立体物を突き抜けて触れる面と、2つ仮想的な面を想定することができる。即ち、ユーザの指先と、仮想的に表示されている立体物との関係は、以下のように変化する。
【0084】
始めに、ユーザの指先301が立体物に近づき、その後、指先301がユーザから見た場合の手前側の面に接触する。さらに、指先301を表示部10に近づけていくと、指先301は立体物の内部に入る。その後、指先301は立体物を貫通し、手前側の面と相対する面に達し、立体物を突き抜ける。
【0085】
このような場合に、ユーザの感覚を刺激する手段が1つであると、上記のような状態の変化をユーザに報知するのは困難であると考えられる。感覚刺激部30に含まれる圧電素子では、振動の大きさと周波数といった2種類のパラメータが変更可能なためである。しかし、電子機器1又は2が、複数の圧電素子を備える場合には、複数の圧電素子を使用して、立体物を通過する際の状態変化をユーザに報知することも可能である。
【0086】
例えば、電子機器2が、2つの圧電素子を備えるものとする。さらに、この2つの圧電素子は、電子機器2の筐体を上下方向と左右方向の両方向に振動させるように配置されているものとする。このような構成を持つ電子機器2において、相関制御部203は、物体深度及び画像深度に基づいて、以下のような制御することができる。
【0087】
初めに、ユーザの指先301が表示部10の表示面に近づくにつれて、左右方向に振動させる圧電素子の振動振幅を増加させる。指先301が、手前側の面に接触した際に、相関制御部203は、左右方向の振動量を最大に設定する。さらに、立体物の内部を進む場合には、相関制御部203は、上下方向に振動させる圧電素子の振動振幅を増加させる。指先301が、手前側の面と相対する面に達した際に、相関制御部203は、上下方向の振動量を最大に設定する。手前側の面と相対する面を突き抜けた場合には、相関制御部203は、2つの圧電素子の振動周波数を低下させる。
【0088】
あるいは、2つの圧電素子を備えていれば、以下のような制御をすることもできる。例えば、球体や立方体等の表示している物体の内部に刺激変位点を設定する。刺激変位点には、例えば、物体の中心点とすることができる。物体の中心点は、表示しようとする物体の幾何的な中心点とすることができる。即ち、立体物等の左右の表示範囲の最も右の点と左の点との中点を通る垂直面と、上下の表示範囲の最も上の面と下の面との中点を通る水平面と、仮想的な奥行き方向の最も手前の点と奥の点の中点をとおる表示部に平行な面との交点を中心点に設定することができる。ただし、刺激変位点は幾何的な中心点に限定する趣旨ではなく、表示しようとする立体物ごとに定められる値であってもよい。
【0089】
相関制御部203は、このような刺激変位点の上下方向及び左右方向で、指先301が移動する場合には、刺激変位点において圧電素子の振幅を最大に設定する。相関制御部203は、上下方向及び左右方向の指先301の移動に合わせて、2つの圧電素子の振幅を制御する。例えば、相関制御部203は、指先301が刺激変位点から離れるに従い振動振幅を小さくし、立体物の内部から指先301が遊離した段階で振動を停止する。
【0090】
さらに、表示部10に向かって(又は、表示部10が遠ざかって)指先301が移動する場合には、刺激変位点において2つの圧電素子の振動周波数を最大に設定し、刺激変位点から離れるに従って振動周波数を低下させる。
【0091】
このように、2つの圧電素子を備える場合には、2つの圧電素子により実現する振動量とその周波数により、指先301が立体物のどの位置にあるのか報知することができる。
【0092】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0093】
[付記1]
上記第1の視点に係る電子機器のとおりである。
[付記2]
前記位置検出部は、前記表示面の法線方向に位置する物体の位置を、前記物体深度として検出する付記1の電子機器。
[付記3]
前記画像深度は、前記3次元画像に予め付与され、所定の基準面から画像が飛び出して視認される、又は、奥まってユーザに視認される距離を示す値であり、
前記制御部は、前記3次元画像から前記画像深度を抽出する画像深度抽出部を含む付記1又は2の電子機器。
[付記4]
前記制御部は、
前記画像深度と前記物体深度を比較する深度判別部と、
前記深度判別部における比較結果に基づき、前記感覚刺激部がユーザの感覚に与える刺激を制御する相関制御部と、
を含む付記1乃至3のいずれか一に記載の電子機器。
[付記5]
前記感覚刺激部は、振動振幅と振動周波数の少なくとも一方が可変な圧電素子を含み、
前記相関制御部は、前記比較結果に基づき、前記圧電素子の振動振幅と振動周波数の少なくともいずれかを変化させる付記4の電子機器。
[付記6]
前記相関制御部は、前記画像深度と前記物体深度が一致した際に、前記振動振幅と前記振動周波数の少なくともいずれかを最大値に設定する付記5の電子機器。
[付記7]
前記相関制御部は、前記画像深度と前記物体深度が一致した際に、前記圧電素子を振動させる付記5の電子機器。
[付記8]
前記相関制御部は、前記表示物の前記表示面における位置と、前記表示物に応じた前記画像深度と、前記物体の前記表示面における位置と、前記物体に応じた前記物体深度と、に基づいてユーザに与える刺激を制御する付記1乃至7のいずれか一に記載の電子機器。
[付記9]
前記相関制御部は、前記3次元画像から得られる表示物を立体視した立体物の内部に規定された刺激変位点に応じて、前記感覚刺激部からユーザに与える刺激を変更する付記4乃至8のいずれか一に記載の電子機器。
[付記10]
上記第2の視点に係る電子機器の制御方法のとおりである。
[付記11]
前記位置検出工程は、前記表示面の法線方向に位置する物体の位置を、前記物体深度として検出する付記10の電子機器の制御方法。
[付記12]
前記画像深度は、前記3次元画像に予め付与され、所定の基準面から画像が飛び出して視認される、又は、奥まってユーザに視認される距離を示す値であり、
前記3次元画像から前記画像深度を抽出する画像深度抽出工程を含む付記10又は11の電子機器の制御方法。
[付記13]
前記画像深度と前記物体深度を比較する深度判別工程と、
前記深度判別工程による比較結果に基づき、前記感覚刺激部がユーザの感覚に与える刺激を制御する相関制御工程と、
を含む付記10乃至12のいずれか一に記載の電子機器の制御方法。
[付記14]
前記感覚刺激部は、振動振幅と振動周波数の少なくとも一方が可変な圧電素子を含み、
前記相関制御工程は、前記比較結果に基づき、前記圧電素子の振動振幅と振動周波数の少なくともいずれかを変化させる付記13の電子機器の制御方法。
[付記15]
前記相関制御工程は、前記画像深度と前記物体深度が一致した際に、前記振動振幅と前記振動周波数の少なくともいずれかを最大値に設定する付記14の電子機器の制御方法。
[付記16]
前記相関制御工程は、前記画像深度と前記物体深度が一致した際に、前記圧電素子を振動させる付記14の電子機器の制御方法。
[付記17]
前記相関制御工程は、前記表示物の前記表示面における位置と、前記表示物に応じた前記画像深度と、前記物体の前記表示面における位置と、前記物体に応じた前記物体深度と、に基づいてユーザに与える刺激を制御する付記10乃至16のいずれか一に記載の電子機器の制御方法。
[付記18]
前記相関制御工程は、前記3次元画像から得られる表示物を立体視した立体物の内部に規定された刺激変位点に応じて、前記感覚刺激部からユーザに与える刺激を変更する付記13乃至17のいずれか一に記載の電子機器の制御方法。
[付記19]
上記第3の視点に係るプログラムのとおりである。
[付記20]
前記位置検出処理は、前記表示面の法線方向に位置する物体の位置を、前記物体深度として検出する付記19のプログラム。
[付記21]
前記画像深度は、前記3次元画像に予め付与され、所定の基準面から画像が飛び出して視認される、又は、奥まってユーザに視認される距離を示す値であり、
前記3次元画像から前記画像深度を抽出する画像深度抽出処理を実行する付記19又は20のプログラム。
[付記22]
前記画像深度と前記物体深度を比較する深度判別処理と、
前記深度判別処理による比較結果に基づき、前記感覚刺激部がユーザの感覚に与える刺激を制御する相関制御処理と、
を実行する付記19乃至21のいずれか一に記載のプログラム。
[付記23]
前記感覚刺激部は、振動振幅と振動周波数の少なくとも一方が可変な圧電素子を含み、
前記相関制御処理は、前記比較結果に基づき、前記圧電素子の振動振幅と振動周波数の少なくともいずれか変化させる付記22のプログラム。
[付記24]
前記相関制御処理は、前記画像深度と前記物体深度が一致した際に、前記振動振幅と前記振動周波数の少なくともいずれかを最大値に設定する付記23のプログラム。
[付記25]
前記相関制御処理は、前記画像深度と前記物体深度が一致した際に、前記圧電素子を振動させる付記23のプログラム。
[付記26]
前記相関制御処理は、前記表示物の前記表示面における位置と、前記表示物に応じた前記画像深度と、前記物体の前記表示面における位置と、前記物体に応じた前記物体深度と、に基づいてユーザに与える刺激を制御する付記19乃至25のいずれか一に記載のプログラム。
[付記27]
前記相関制御処理は、前記3次元画像から得られる表示物を立体視した立体物の内部に規定された刺激変位点に応じて、前記感覚刺激部からユーザに与える刺激を変更する付記19乃至26のいずれか一に記載のプログラム。
[付記28]
立体視に用いる立体画像を表示する表示手段と、
前記表示手段に対する指示手段の位置を検出する位置検出手段と、
物理的な振動を用いて報知する報知手段と、
前記立体画像に含まれる少なくとも一部の表示物の立体視における位置と前記指示手段の位置との位置関係を基に、前記報知手段を用いた報知を制御する制御手段と、
を含む処理装置。
[付記29]
表示画面に3次元画像を表示可能な携帯端末であって、
入力デバイスが前記表示画面に対し近接することにより入力操作を受け付けて、前記表示画面の法線方向の入力位置を取得する入力受付部と、
前記表示画面に表示する3次元画像の前記表示画面上に対する相対位置奥行き位置を求める画像表示位置深度算出部と、
前記表示画面の法線方向における入力位置と前記3次元画像の表示位置との相関に応じて振動または力を出力する提示部と、
を備える携帯端末。
[付記30]
更に、前記表示画面に対する法線方向の入力位置と前記3次元画像の奥行き位置との相対的な位置を比較する判別部を備える付記29の携帯端末。
[付記31]
前記表示画面に対する法線方向の入力位置と前記3次元画像の奥行き位置との相対的な位置に応じて、提示部の振動振幅または振動周波数の何れか一方を変える付記29又は30の携帯端末。
[付記32]
前記表示画面に対する法線方向の入力位置と前記3次元画像の奥行き位置とが一致した場合、提示部の振動振幅または振動周波数の何れか一方が最大となる付記31の携帯端末。
[付記33]
前記表示画面に対する法線方向の入力位置と前記3次元画像の奥行き位置とが一致した場合、提示部が振動する付記29の携帯端末。
[付記34]
前記表示画面の面内位置と前記3次元画像の面内位置との相対的な位置に応じて、提示部の振動振幅または振動周波数の何れか一方を変える付記29乃至33のいずれか一に記載の携帯端末。
【0094】
なお、引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし、選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。