特許第6012082号(P6012082)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6012082
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】排気弁を備えた治療処置用の氷のう
(51)【国際特許分類】
   A61F 7/10 20060101AFI20161011BHJP
【FI】
   A61F7/10 330
   A61F7/10 330P
【請求項の数】10
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2013-523338(P2013-523338)
(86)(22)【出願日】2011年8月4日
(65)【公表番号】特表2013-532575(P2013-532575A)
(43)【公表日】2013年8月19日
(86)【国際出願番号】US2011046612
(87)【国際公開番号】WO2012019018
(87)【国際公開日】20120209
【審査請求日】2014年7月31日
(31)【優先権主張番号】61/424,044
(32)【優先日】2010年12月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/416,278
(32)【優先日】2010年11月22日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/987,989
(32)【優先日】2011年1月10日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/371,145
(32)【優先日】2010年8月5日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513025185
【氏名又は名称】ハイパー アイス,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】HYPER ICE,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】マートン,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】カッツ,アンソニー
【審査官】 金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2007/0292054(US,A1)
【文献】 実公昭06−006100(JP,Y1)
【文献】 実開昭60−004454(JP,U)
【文献】 特開昭63−311954(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3164234(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
氷のう(100)において:
ある体積の氷を受け入れる内部空洞を有する可撓性容器(110)であって、冷却対象の身体の部分に接して配置される少なくとも1つの面(112)を有する可撓性容器(110)と、
前記内部空洞へのアクセスを可能にする前記可撓性容器(110)の開口部(116)と、
前記開口部(116)に近接する前記可撓性容器の係合装置(120)であって、第1嵌合係合システム(136)を有する係合装置(120)と、
内面と外面とを有する取外し可能なキャップ(140)であって、前記取り外し可能なキャップ(140)を前記係合装置(120)の第1嵌合係合システム(136)と封止係合させるように固定して前記氷のう(100)を封止すべく、前記第1嵌合係合システム(136)と係合可能な第2嵌合係合システム(144)を有し、前記取外し可能なキャップ(140)の第2嵌合係合システム(144)が前記係合装置(120)の第1嵌合係合システム(136)と封止係合して保持されている間に前記氷のう(100)から空気を放出する排気システム(164、180)を備えている取外し可能なキャップ(140)と、
を具備しており、
前記排気システム(164、180)が、
前記取り外し可能なキャップ(140)を通して前記取り外し可能なキャップ(140)の外面(160)と内面(162)との間に形成された穴(164)と、
前記取り外し可能なキャップ(140)の前記穴(164)に対して配置されたプラグ(180)であって、
前記取り外し可能なキャップ(140)の前記内面(162)に配置された下方封止部(186、188)であって、前記穴(164)を閉塞し、かつ前記穴(164)を通る空気の放出を妨げる停止位置を有する下方封止部(186、188)と、
前記取り外し可能なキャップ(140)の前記外面(160)に配置された上部(182)と、
前記上部(182)と前記下方封止部(186)との間の弾性部(190)であって、前記取り外し可能なキャップ(140)の前記内面(162)に対して前記下方封止部(186、188)を固定するように寸法が決められている弾性部(190)と、
を備えるプラグ(180)と、
前記プラグ(180)に設置されており前記プラグの弾性部(190)内に前記下方封止部(186、188)の方へ延在する解放機構(210)であって、当該解放機構(210)が、前記プラグ(180)の前記上部(182)においてアクセス可能な上側アクチュエータ(212)と、前記プラグ(180)内に延在する拡張下部(214)とを有しており前記上側アクチュエータ(212)に加えられた圧力に対して反応して、前記拡張下部(214)を前記プラグ(180)の前記下方封止部(186、188)に押しつけて前記取り外し可能なキャップ(140)の前記内面(162)から離れる方向に変位状態まで移動させ、空気が前記穴(164)を通過することができるようにし、前記プラグ(180)の前記弾性部(190)が、前記解放機構(210)の上側アクチュエータ(212)に加えられていた前記圧力が除去されると前記プラグ(180)の前記下方封止部(186、188)を前記停止状態に戻す、解放機構(210)と、
を具備することを特徴とする氷のう(100)。
【請求項2】
請求項1に記載の氷のう(100)において、前記可撓性容器(110)が、厚さがおよそ0.015インチである医療用ラテックスを含むことを特徴とする氷のう(100)。
【請求項3】
請求項2に記載の氷のう(100)において、前記医療用ラテックスが、アレルギー反応を引き起こすタンパク質を除去するように濾過され、抗菌溶液と混合されることを特徴とする氷のう(100)。
【請求項4】
請求項1に記載の氷のう(100)において、前記可撓性容器(110)が、冷却対象である身体部分に接して配置可能である、前記開口部(116)の反対側に配置された底部(112)を有し、前記底部(112)が略矩形面を有していることを特徴とする氷のう(100)。
【請求項5】
請求項1に記載の氷のう(100)において、前記略矩形面が正方形であることを特徴とする氷のう(100)。
【請求項6】
請求項1に記載の氷のう(100)がさらに、中心本体(352)を有する弾性材料の単一シート(350)を備える圧迫ラップ(300、312、500、600、700、800)であって、前記中心本体(352)からストラップ(360、362、370、372)が延在しており、前記中心本体(352)が前記氷のう(100)の首(116)を受け入れる孔(354)を有し、前記ストラップ(360、362、370、372)が、前記身体部分に圧力を加えるべく、かつ前記身体部分から前記氷のう(100)内の氷に熱を伝達すべく、前記身体部分に前記氷のう(100)を固定すべく前記身体部分に対して配置可能であり、前記排気システム(164、180)により、前記圧迫ラップ(300)または前記取り外し可能なキャップ(140)を妨げることなく前記氷のう(100)から空気を除去することができ、前記放出された空気の体積を補償すべく収縮し、それにより連続的な前記身体部分に対する圧力および前記身体部分との熱的接触を維持する圧迫ラップ(300)を具備することを特徴とする氷のう(100)。
【請求項7】
請求項6に記載の氷のう(100)において、前記圧迫ラップ(300)が、前記中心本体(352)の第1側部から第1方向に延在する少なくとも第1ストラップ(360)と、前記中心本体の第2側部から第2方向に延在する少なくとも第2ストラップ(362)とを備えることを特徴とする氷のう(100)。
【請求項8】
請求項6に記載の氷のう(100)において、前記圧迫ラップ(300)が、前記中心本体(352)の上部を人の腰に固定する少なくとも第1ストラップ(360)を備え、かつ前記中心本体(352)の下部を前記人の脚に固定する少なくとも第2ストラップ(370)を備え、前記中心本体(352)が、それにより、前記人の臀部の上に配置されて、前記人の前記臀部に接触して配置される前記氷のう(100)に圧力を加えることを特徴とする氷のう(100)。
【請求項9】
請求項6に記載の氷のう(100)において、前記圧迫ラップ(500、600)が、人の肩であって前記人の首の一方に近接する肩に前記中心本体(520)の上部を固定する少なくとも第1ストラップ(560)を備え、かつ前記中心本体の下部を前記人の腕に固定する少なくとも第2ストラップ(550)を備え、前記中心本体(520)が、それにより、前記人の前記肩の上に配置されて、前記人の前記肩に接触して配置される前記氷のう(100)に圧力を加えることを特徴とする氷のう(100)。
【請求項10】
人の身体の選択した領域を冷却すると同時に加圧する方法において、当該方法が:
氷のう(100)を氷で充填するステップであって、前記氷のうは本体部(110)と首部(116)とを有し、さらに前記氷のう(100)の前記本体部(110)に氷を挿入しかつ前記氷のう(100)の前記本体部(110)から水を除去するための取外し可能なキャップ(140)を前記首部(116)に有し、
前記取外し可能なキャップは、
外面(160)および内面(162)と、
前記取り外し可能なキャップ(140)を通して前記外面(160)と前記内面(162)との間に形成された穴(164)と、
前記取り外し可能なキャップ(140)を取り外すことなく、前記氷のう(100)の前記本体部(110)から空気を放出することができるように、前記穴(164)に配置された排気システム(180)とを具え、
前記排気システム(180、210)は、
前記穴(160)に配置されたプラグ(180)であって、前記取り外し可能なキャップ(140)の前記内面(162)に近接して、前記穴(164)を閉塞する封止部(186、188)を有するプラグ(180)と、
前記取り外し可能なキャップ(140)の前記外面(160)に近接し、上側アクチュエータ(212)と前記プラグ(180)内に延在する拡張下部(214)とを有する解放機構(210)と、
を具えている、ステップと、
圧迫ラップ(300、312、500、600、700、800)の開口部を通して前記氷のう(100)の前記首部(116)を配置するステップと、
前記氷のう(100)の前記本体部(110)が前記圧迫ラップ(300、312、500、600、700、800)と前記人の身体の選択した領域の間にあり、前記氷のう(100)の前記首部(116)および前記取り外し可能なキャップ(140)が前記人の身体の選択した領域から離れる方向に前記圧迫ラップ(300、312、500、600、700、800)から延在する状態で、前記圧迫ラップ(300、312、500、600、700、800)を前記人の身体の選択した領域に固定するステップと、
前記氷のう(100)の前記本体部(110)内部の氷が溶け、前記本体部(110)内に封入された空気を放出するときに、前記本体部(110)内部に氷および水を保持して、前記圧迫ラップ(300、312、500、600、700、800)が前記人の身体の選択した領域を加圧し続けることができるようにしながら、前記拡張下部(214)が前記プラグ(180)の封止部(186、188)を前記取り外し可能なキャップ(140)の前記内面(162)から離れる方向に押しつけて変位状態に移動させて前記穴(164)を開放し、それにより、前記本体部(110)から空気を放出するように、前記解放機構(210)の上側アクチュエータ(212)に選択的に圧力を加えるステップと、
を具備することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療処置のために身体の一部にあてがって身体から熱を除去する氷のうの分野にある。
【背景技術】
【0002】
氷のう(寒冷療法装置と呼ばれる)は、一般に、身体の一部にあてがわれて、痛みかつ炎症を起こしている筋肉および他の組織に対する治療処置の一部として身体から熱を除去する。特に、安静、冷却、圧迫および挙上の組合せが、軟組織損傷に対してもっとも広く使用されている治療法である。理想的には、治療される身体部分に対して、氷のうが、広い面積にわたって確実に接触するように固定して保持され、それにより、熱が身体部分から氷のう内の氷まで伝達される。確実な接触を可能にするとともに、治療プロセスを強化するように身体部分に圧力を加えるためにも、氷のうと組み合わせて圧迫ラップが使用されることが多い。
【0003】
本出願人らは、従来の氷のう内の氷が融解する際、氷内に閉じ込められている空気が、氷のうの空洞内に放出され、圧迫ラップが、単に、最初に氷のうを充填していた非圧縮性の氷および水を介するのではなく、氷のう内の圧縮性空気を介して圧力を加えているため、そうした空気が圧迫の有効性を低減することを見出した。従来の氷のうは、氷のう内の空気の一部を放出するために充填キャップを部分的に緩めることにより部分的に開放することができるが、この手続きは、氷のう内の水の一部を放出するというリスクなしに達成することが困難であることが分かっている。さらに、治療されている人は、氷のうが肩または他の届きにくい身体部分に配置されている場合、ねじ込まれた充填キャップを緩めることができない場合がある。したがって、本出願人らは、従来の氷のうが十分ではなく、したがって、治療されている身体部分への冷気の浸透深さを増大させるために、治療処置のために圧迫ラップとともに使用される改良された氷のうが必要とされていると判断した。
【発明の概要】
【0004】
本発明による実施形態の一態様は、身体部分に圧迫および冷却を同時に施すシステムである。氷のうが、氷を挿入し水を除去するための取外し可能キャップを有している。キャップの排気弁により、キャップを取り除くことも緩めることもなく、氷のうからの空気の放出が可能となる。圧迫ラップが、中心本体を有する弾性材料の単一シートであり、中心本体からストラップが延在している。中心本体の孔が、身体部分の上に配置される氷のうの首を受け入れる。シートの単一本体およびストラップが、氷のうを介して圧力を加える。融解する氷から氷のう内に放出される空気は、圧迫ラップもキャップも妨げることなく排気弁を介して除去される。圧迫ラップは、放出された空気の体積を補償するように収縮し、それにより連続的な身体部分に対する圧力および身体部分との熱的接触を維持する。
【0005】
本発明による実施形態の別の態様は、首部を介してアクセス可能な空洞を有する可撓性バッグを備えた、圧迫ラップと組み合わせて使用される、治療処置用の氷のうである。好ましくは、可撓性バッグは、ラテックス、シリコーンまたは他の好適な材料を含む。好ましくは、可撓性バッグは、医療用(低アレルギー性)ラテックスおよび抗菌溶液の混合物を含む。好ましくは、可撓性バッグは、氷のうが施される身体の部分から氷のう内の氷への迅速な伝熱を可能にするのに十分薄い。例示する実施形態では、可撓性バッグは、略円形首部まで先細りになっている略矩形(たとえば、一実施形態では正方形)の主ボックス型本体部を有している。可撓性バッグの首部は、取外し可能キャップを受け入れる円形のねじコネクタに固定されている。ねじコネクタは、氷を、キャップが外されたコネクタの開口部から容易に挿入することができるのに十分な直径を有している。たとえば、一実施形態では、コネクタを通る可撓性バッグの首内への開口部は、従来の飲用グラスの直径(たとえば、およそ2.75インチ)に略対応する直径を有している。したがって、たとえば、可撓性バッグを、冷蔵庫上のまたはその中の従来の製氷機または他の氷供給源から充填することができる。氷のうが充填されると、取外し可能キャップがコネクタと固定係合するようにねじ込まれて氷のうを封止し、氷がバッグ内で融解する際に氷のうからの水が漏れるのを防止する。
【0006】
従来の氷のうのキャップとは異なり、本明細書に開示する氷のうの取外し可能キャップは、その外面に空気弁が配置されている。空気弁は、空気弁の弾性により、かつ氷のうによるあらゆる圧力により、閉鎖位置に保持される。空気弁は、氷のうが最初に氷で充填される時と融解する氷から追加の空気が放出される時との両方において、氷のうから空気が放出され得るのに十分に開放するように、使用者によって容易に押される。空気弁は、水をほとんど放出することなく、空気を放出するために、非常にわずかな量のみ開放するように構成されている。氷のう内の空気を放出した後、氷のうの首は、圧迫ラップの開口部を通して配置され、その後、治療対象の身体部分に、氷のうの主本体部がその身体部分に接し、使用者によってキャップがアクセス可能であるように、首部が圧迫ラップの開口部を通って延在するように配置される。そして、圧迫ラップは、身体部分に接している氷のうに圧力を加えるように締め付けられ、氷のう内のあらゆる追加の空気が空気弁を用いて放出される。治療が続き、氷のう内の氷から空気が放出されると、治療されている人または別の人は、圧迫ラップが氷のう内の氷に対して直接圧力を加え、それにより治療されている身体部分に対する圧力を維持することができるように、空気が氷のうから漏れるのを可能にするように空気弁に静かに触れるだけでよい。
【0007】
空気弁は、取外し可能キャップに形成された孔に嵌合する圧縮性プラグを備えている。圧縮性プラグは、内側フランジおよび外側フランジを有している。キャップの孔内に配置されると、圧縮性プラグの内側フランジは、キャップの内面と静的に係合し、氷のうからの空気および水の放出を阻止する。空気弁は、圧縮性プラグ内に閉鎖端を有する止り穴に嵌合する排気ボタンをさらに備えている。排気ボタンは、圧縮性プラグの内側フランジをキャップの内面から離れる方向に移動させ、それにより内側フランジとキャップとの間に、氷のう内の空気が氷のうから漏れるのを可能にする開口部を提供するように、止り穴の閉鎖端に対して移動可能である。氷のうが、圧迫ラップからのまたは使用者が加える圧力からの圧力下にある時、氷のう内の空気は、氷のうから空気弁を通るように流され、それにより、氷のうの内部は大部分水および氷である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の態様による実施形態を、添付図面に関連して後述する。
【0009】
図1図1は、本発明の実施形態による氷のうの斜視図を示す。
図2図2は、図1の氷のうの斜視図を示し、氷のうに氷を追加するかまたは氷のうから水を除去することができるように、キャップが取り除かれている。
図3図3は、図1の切断線3−3に沿って取り出された図1の氷のうの立断面図を示す。
図4図4は、図3の氷のうの首、コネクタおよびキャップの拡大立面図を示す。
図5図5は、図1の氷のうの組立分解斜視図を示す。
図6図6は、図4の排気ボタンの拡大斜視図を示す。
図7図7は、図4の排気弁の拡大斜視図を示す。
図8図8は、弁の上部の真下のリブ構造を示すために回転した図7の排気弁の斜視図を示す。
図9図9は、キャップの外(上)面から延在している排気弁および排気ボタンを示す、図4のキャップの頂部の拡大斜視図を示す。
図10図10は、キャップの内(底)面を通る排気弁の広がりを示す、図4のキャップの底部の拡大斜視図を示す。
図11図11は、図5の切断線11−11に沿って取り出された図5のキャップの立断面図を示す。
図12図12は、図1図11の氷のうを人の臀部(hip)に固定する圧迫ラップの平面図を示す。
図13図13は、図1図11の氷のうを人の膝に固定する圧迫ラップの平面図を示す。
図14図14は、図1図11の氷のうを人の左肩に固定する圧迫ラップの平面図を示す。
図15図15は、図1図11の氷のうを人の右肩に固定する圧迫ラップの平面図を示す。
図16図16は、図1図11の第1氷のうを人の左肩の正面に固定し、図1図11の第2の氷のうを人の左肩の背面に固定する圧迫ラップの平面図を示す。
図16図16は、図1図11の第1氷のうを人の左肩の正面に固定し、図1図11の第2の氷のうを人の左肩の背面に固定する圧迫ラップの平面図を示す。
図17A図17Aは、図16の圧迫ラップを用いて人の左肩に2つの氷のうをあてがうことを示し、正面図を示す。
図17B図17Bは、図16の圧迫ラップを用いて人の左肩に2つの氷のうをあてがうことを示し、背面図を示す。
図18図18は、図1図11の第1氷のうを人の右肩の正面に固定し、図1図11の第2氷のうを人の右肩の背面に固定する圧迫ラップの平面図を示す。
図19図1図5の外側カラーリングの代替実施形態の斜視図を示し、外側カラーリングは、図12図16の圧迫ラップによって氷のうをさらに固定するためにフランジを備えている。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書では、例示的な実施形態に関連して氷のうシステムおよび圧迫ラップシステムを開示している。実施形態は、締結システムの例示のために開示されており、添付の特許請求の範囲に規定されているものを除き限定するものではない。
【0011】
図1図11は、本発明の例示的な実施形態による氷のう100を示す。氷のうは、下部のボックス状の主本体部110を備えている。図示する実施形態では、本体部は、略正方形の底部112を有し、それは、略四面ピラミッド型の上部114に移行している。上部は、円柱状首部116まで移行して(内側に先細りになって)いる。底部が正方形状であることにより、冷却および圧迫療法で治療されている人の身体部分に対してより広い表面積を配置することができる。氷のうは、好ましくはラテックスまたは他の好適な可撓性防水材料を含む。一実施形態では、氷のうは、医療用シリコーン等のシリコーンを含む。特に好ましい実施形態では、氷のうは、医療用(低アレルギー性)ラテックスおよび抗菌溶液の混合物を含む。たとえば、一実施形態では、ラテックス材料は、アレルギー反応を引き起こす可能性がある抗原(タンパク質)を除去するように濾過することによって処理される。細菌、カビ、真菌および他の微生物の成長を抑制するように混合物に抗菌溶液が付与され、それにより衛生的な氷のうが提供される。例示する実施形態では、ラテックス(または他の好適な材料)は、厚さが、高い温度伝達率を提供するために十分薄いように選択される。たとえば、例示する実施形態では、材料は厚さが0.015インチ(15ミル)である。したがって、氷のうがあてがわれる身体の部分からの熱は、氷のう内の氷に迅速に伝達され、市場のより厚い氷のう材料より有効に身体の部分を冷却する。
【0012】
氷のう100の主本体部110の円柱状首部116は、雌ねじコネクタ120で終端している。図3および図4の断面図ならびに図5の組立分解図により詳細に示すように、コネクタは外側カラーリング122および内側受入リング124を備えている。外側カラーリングは、氷のうの首の外側の周囲に配置され、内側受入リングは、氷のうの首の内側に配置されている。図4に示すように、外側カラーリングおよび内側受入リングは、押し合わされて、2つのリングが雌コネクタを形成するように2つのリング間で氷のうの首の上部126を固定する。外側カラーリングの内面130および内側受入リングの外面132は嵌合する隆起を有し、それにより、コネクタを、氷のうの首の上部から容易に取り除くことができ、かつ氷のうの首とコネクタとの間に確実な水密シールが形成される。
【0013】
雌ねじコネクタ120の内側受入リング124は、雌ねじ136が形成されている内側円柱状穴134を有している。外側カラーリングは、容易に把持することができる隆起外面138を有している。
【0014】
雌ねじコネクタ120はキャップ140を受け入れる。キャップは、上部把持部142および下部係合部144を備えている。下部係合部は、円柱状であり、外面148に雄ねじ146が形成されている。雄ねじは、内側受入リング124の雌ねじ132と係合して、キャップが雌ねじコネクタに固定可能であるようにする。キャップの上部把持部および外側カラーリングの隆起外面134により、使用者は、キャップを内側受入リングに固定係合させることができる。キャップの外周のフランジ150もまた、内側受入リングの最上面152と堅固に係合する。ねじの係合およびフランジの最上面との係合により、キャップと内側受入リングとの間に防水シールが形成される。したがって、氷が融解する時に氷のう内に発生するいかなる水も、氷のうから漏出するのが防止される。
【0015】
図9および図10により詳細に示すように、キャップ140の上部把持部142は、上(外)面160および下(内)面162を有している。上部把持部には、上面に対して略中心である孔164(図5)が開けられている。図11の断面図により詳細に示すように、孔は複数の直径を有している。上面に近接する孔の第1部166は、相対的に大きい直径(たとえば0.48インチ)を有し、およそ0.115インチの深さまで延在している。孔は、下面に近接する孔の第2部168がおよそ0.25インチの相対的に小さい直径を有するように、第1部の下方で内側に先細りになっている。
【0016】
キャップ140の上部把持部142の孔164は、図7および図8の拡大図に示す排気弁180を受け入れる。排気弁の略ディスク状の上部182は、直径が、図9に示すように、排気弁の上部の外周と孔の上部の内周との間に隙間184があって、孔の第1(上)部内に嵌合するような寸法である。図8に示すように、排気弁の上部の下面には、X字型パターンを形成する複数のリブ184がある。リブの間の間隙により、排気弁の上部の真下に排気弁の上部の周囲の隙間までの流体連通路が提供される。
【0017】
排気弁180は、略円錐形状の下部186をさらに備えており、それは、下部が上方基部188を有するように反転されている。下部の上方基部は、孔164の第2(下)部168より大きいように寸法が決められている。排気弁の中間部190が、上部と下部の基部との間に延在している。図7および図8に示すように、中間部は、好ましくは、バー192の間にX字型を形成するすみ肉を備えた略X字型断面を有している。
【0018】
排気弁180の円錐状下部186は、キャップ140の上部把持部142の孔164の第2部168に押し通される。排気弁の下部の拡張長さは、手動器具または自動器具によって把持可能であり、それにより、下部の上方基部186が孔を完全に通過するのに十分、下部を孔内に引っ張ることができる。排気弁の弾性材料により、上方基部は、孔を通過するのに十分に縮む。上方基部は、孔を通して引っ張られると、排気弁を孔から取り除くことができないように拡張する。好ましい実施形態では、排気弁の中間部190の長さは、孔の第1部166の底部から上部把持部の下面162までの距離より小さいように選択される。したがって、排気弁の中間部は、排気弁が孔に挿入される時に引き伸ばされる。排気弁が挿入された後、中間部は、元の長さまで収縮し、下部の上方基部を上部把持部の下面に押し付ける。したがって、中間部は、下部の基部をキャップの下面に接して保持する付勢ばねとして機能する。したがって、下部の基部は、分離を防ぐとともに、図10に示すように孔の第2部を封止するフランジとして機能する。上述したように、中間部は、略X字型断面を有している。X字型断面により、取付プロセス中に引き伸ばさなければならない材料が低減するとともに、後述するように排気弁を操作するために必要な圧力が低減する。取付後、排気弁の下部194(図7)は、図8に示すように円錐形状の上部を切るように除去される。
【0019】
図7により詳細に示すように、排気弁180のディスク状上部182は、略凸状上面200を有している。上面は、深さがおよそ0.125インチである円形凹部202を有している。止り中心穴204が、凹部の底部からおよそ0.325インチの深さまで下方に延在している。
【0020】
排気弁180は、排気ボタン210を受け入れ、排気ボタン210は、円形凹部202内に嵌合するような寸法であるディスク状上部212を有し、かつ止り中心穴204内に嵌合するような寸法である拡張円柱状下部214を有している。特に、排気ボタンの円柱状下部は、ディスク状部分のおよそ0.37インチ下方に延在し、内側に(およそ1度)先細りになっている。排気ボタンの下部には、一対の直径方向に対向するかえし(barb)216がある。キャップ140内に排気弁を取り付けた後、図4の断面図に示すように、排気ボタンが、排気弁の円形凹部および中心穴に挿入される。2つのかえしが、取付後の排気ボタンの分離を妨げるかまたは防止する。
【0021】
図4に示すように、排気ボタン210の上部212は、排気弁180の凹部202の底部からずれている。排気ボタンが押されると、排気ボタンの上部は凹部内を下方に移動するが、拡張下部214の下端218が、排気弁の止り中心穴204の底部を押す。排気弁の中間部190の断面が低減しているため、中間部は、排気弁の円錐状下部186の最上部188がキャップ140の下(内)面162から離れる方向に移動することができるように伸長するばねとして機能し、それにより、氷のう100から空気が放出されるのを可能にする小さい間隙(図示せず)を開放する。中間部のX字型断面の要素の間の間隔により、空気が孔164の中を流れることができ、リブ184の間の間隔により、空気が下部182の下方を上部の周囲の隙間まで流れ、それにより孔の上部から流れ出ることができる。排気弁とキャップの下面との間に形成された間隙は、氷のうからほとんどまたはまったく水が放出されないように十分小さい。さらに、氷のうの意図された使用では、水は、間隙を通って放出されるように排気弁の近くに行かない。排気弁の弾性材料では、氷のうから空気を放出するために十分な間隙を形成するために排気ボタンの最上部に対して必要な圧力がわずかである。排気ボタンの最上部から圧力が放出されると、排気弁の中間部は、円錐状底部の最上部をキャップの内面に押し付けて再び孔を封止するように、再びばねとして機能する。
【0022】
図1図11に示す氷のう100は、有利には、図12図18に示す改良された圧迫ラップとともに使用される。特に、図12は、氷のうを人の臀部に固定する圧迫ラップ300を示す。図13は、氷のうを人の膝に固定する圧迫ラップ310を示す。図14図18は、肩圧迫ラップの実施形態を示す。
【0023】
図12の臀部圧迫ラップ300は、市販のL−フォームネオプレン(ポリクロロプレン(polychlorphene)(CR)フォーム)かまたは同様の特性の材料の連続シート350を含む。シートは、強固であり、軟質であり、弾性(伸縮性)がある。シートは、厚さがおよそ2ミリメートルである。シートは、幅W1および高さH2の略矩形中心本体部352を含むパターンを有するような形状である。本明細書において、圧迫ラップが図12に示すように向けられる場合、「幅」は水平方向寸法を指し、「高さ」は垂直方向寸法を指す。
【0024】
孔354が、およそ中心において中心本体部352を通して形成される。例示する実施形態では、孔は直径がおよそ1.75インチである。
【0025】
4つの固定ストラップが中心本体部352から延在している。第1ストラップ360は、中心本体部の上部から左側に延在し、第2ストラップ362は、中心本体部の上部から右側に延在している。第1ストラップおよび第2ストラップの各々は、それぞれの幅W2およびそれぞれの高さH2を有している。第1ストラップおよび第2ストラップの上縁は、第1ストラップの左端から第2ストラップの右端までのシート350の全幅がW3であり、W3がW1+(2×W2)に等しいように、中心本体部の上縁に位置合せされる。
【0026】
第1ストラップ360の露出面は、左端に近接して配置されたフックアンドループ締結システムのループ(毛羽立ち)部の略矩形切片364を有している。ループ部の矩形切片は、第1ストラップ360に、糊付けにより、縫合により、または別の好適な方法により固定されている。第2ストラップ362の反対側(露出していない側)は、右端に近接するフックアンドループ締結システムのフック部の略矩形切片366(隠れ線で示す)を有している。フック部の矩形切片は、第2ストラップ362に、好適な方法によって固定されている。例示する実施形態では、後述するように、第1ストラップのループ部の矩形切片は、第2ストラップのフック部の矩形切片より幅が広く、それにより係合を調整することができる。例示的な好適なフックアンドループ締結システムは、Velcro USA Inc.から入手可能なVELCRO(登録商標)商標締結システムであるが、他の製造業者のフックアンドループ締結システムを使用することも可能である。
【0027】
第3ストラップ370は、中心本体部352の底部から左側に延在し、第4ストラップ372は、中心本体部の底部から右側に延在している。第3ストラップおよび第4ストラップの各々は、それぞれの幅W4およびそれぞれの高さH3を有している。第3ストラップおよび第4ストラップの下縁は、第3ストラップの左端から第4ストラップの右端までのシート350の全幅がW5であり、W5がW1+(2×W4)に等しいように、中心本体部の上縁と位置合せされる。
【0028】
第3ストラップ370の露出面は、左端に近接して配置されたフックアンドループ締結システムのループ部の略矩形切片374を有している。ループ部の矩形切片は、第3ストラップ370に、糊付けにより、縫合により、または別の好適な方法により固定されている。第4ストラップ372の反対側(露出していない側)は、右端に近接して配置されたフックアンドループ締結システムのフック部の略矩形切片376(隠れ線で示す)を有している。フック部の矩形切片は、第4ストラップ372に、好適な方法によって固定されている。例示する実施形態では、後述するように、第3ストラップのループ部の矩形切片は、第4ストラップのフック部の矩形切片より幅が広く、それにより係合を調整することができる。
【0029】
第1ストラップ360および第2ストラップ362の下縁は、第3ストラップ370および第4ストラップ372の上縁から、それぞれ、高さH4の間隔を空けて配置されている。したがって、主本体部の全高さH1は、高さH2、H3およびH4の合計に実質的に等しい。
【0030】
臀部圧迫ラップ310の寸法を、臀部圧迫ラップが意図されている人のサイズの範囲に従って変更することができる。たとえば、例示的一実施形態では、幅および高さは以下のおよその寸法を有している。すなわち、W1≒13インチ、W2≒13.5インチ、W3≒40インチ、W4≒8インチ、W5≒29インチ、H1≒15インチ、H2≒4インチ、H3≒4インチおよびH4≒7インチである。
【0031】
図12に示すように、臀部圧迫ラップ300の4つのストラップは、中心本体部352に対して略垂直である。好ましくは、中心本体部の第1ストラップ360および第2ストラップ362の下縁との垂直交差部分と、第3ストラップ370および第4ストラップ372の上縁との垂直交差部分とは、すみ肉390を形成するように丸みが付けられている。すみ肉は、後述するように、ストラップおよび中心本体部が引き伸ばされた時にシート350が裂けることを抑制するように機能する。好ましくは、4つのストラップの外側頂点もまた丸みが付けられている。
【0032】
好ましくは、臀部圧迫ラップのシート350のストラップ360、362、370、372および中心本体部352の外側境界を形成する外縁と、孔354を画定するシートの内縁とが、複数の供給元から市販されている、弾性ウェビング(図示せず)により縁をトリミングすることによって補強される。弾性ウェビングは、同様に市販されている弾性糸を用いて従来の方法で縁に近接するシートに縫い付けられる。
【0033】
例示する実施形態では、中心本体部352には、任意選択的な識別ラベル392が形成されている。
【0034】
人の臀部に配置される氷のう100に圧力を提供するために使用される場合、氷のうの首部116は、中心本体部352の孔354に押し通される。シート350が弾性であることにより、孔が伸長して首部のわずかにより広い直径を収容し、その中に首部を確実に保持することができる。氷のうに氷を充填した後、キャップ140がねじコネクタ120に固定される。排気ボタン210が最初に押下され、氷のうに圧力が加えられて、キャップが開放されていた間にバッグに入ったいかなる空気の実質的な部分も除去される。そして、氷のうの略正方形ボタン部112が人の臀部に接して配置される。第1ストラップ360および第2ストラップ362が、人の腰(waist)の周囲に広げられ、第1ストラップのループ切片364が第2ストラップのフック切片366の真下に配置される。第1ストラップおよび第2ストラップの長さは、好ましくは、両ストラップが腰の周囲に広がるように引き伸ばされるように選択される。第1ストラップおよび第2ストラップの位置を調整した後、フック切片がループ切片に係合して、2つのストラップが人の腰に固定される。
【0035】
第1ストラップ360および第2ストラップ362を人の腰に固定した後、中心本体部350が人の臀部の外側に沿って位置するように下方に引き伸ばされる。第3ストラップ370および第4ストラップ372は、臀部の下方の人の脚の周囲で引き伸ばされ、第3ストラップのループ切片374は第4ストラップのフック切片376の真下に配置される。第3ストラップおよび第4ストラップの位置を調整した後、フック切片がループ切片に係合して、2つのストラップが人の脚に固定される。
【0036】
臀部圧迫ラップ300が氷のう100に圧力を加える。氷のう内の氷が融解し、氷のう内の氷および水の総体積が低減すると、圧迫ラップの弾性によって圧迫ラップが、人の臀部に対して氷のうを押し付け続ける。氷が融解して閉じ込められている空気を氷のう内に放出すると、空気が、臀部に対して加えられる力を低減するように緩衝効果を提供することができる。氷のう内の空気は、露出したキャップ140の排気ボタン210を押下することによって容易に除去される。空気が氷のうから放出されると、圧迫ラップの弾性によって臀部に対する圧力が維持され、それにより、氷が、氷のうの壁を通して臀部と熱的に接触し続ける。
【0037】
図13の膝圧迫ラップ312は、臀部圧迫ラップ310と同様に機能し、上述したようなL−フォームネオプレンまたは同様の材料のシート400を含む。ネオプレンシートの形状は、人の膝に対して構成されている。特に、シートの中心本体部402は、幅W11および高さH11を有している。中心本体部のおよそ中心に、孔404が形成されている。膝圧迫ラップの孔は、臀部圧迫ラップの孔の直径と同様の直径を有し、およそ1.75インチである。
【0038】
膝圧迫ラップ312の中心本体部402から略垂直に3つのストラップが延在している。第1ストラップ410は、中心本体部の上部に近接して中心本体部の左側部から左側に延在しており、幅W12を有している。第2ストラップ412が、中心本体部の底部に近接して中心本体部の左側部から左側に延在しており、幅W13を有している。第3ストラップ414は、中心本体部の右側部から右側に延在し、中心本体部の右側部に対して略中心に位置している。第3ストラップは幅W14を有している。膝圧迫ラップは、全幅W15を有しており、それは、中心本体部の幅W11、第1ストラップの幅W12および第3ストラップの幅W14の合計である。例示する実施形態では、第2ストラップの幅W13は、第1ストラップの幅W12より短い。
【0039】
膝圧迫ラップ312の例示する実施形態では、3つのストラップは先細りになっている。第1ストラップ410は、中心本体部402の左側部との交差部分において高さH12を有し、左端における高さH13まで先細りになっている。第2ストラップ412は、中心本体部の左側部との交差部分において高さH14を有し、左端における高さH15まで先細りになっている。第3ストラップ414は、中心本体部の右側部との交差部分において高さH16を有し、高さH17まで先細りになっている。第1ストラップおよび第2ストラップは、中心本体部の左側部において高さH18の間隔が開けられている。第1ストラップおよび第2ストラップのそれぞれの左端は、垂直方向に高さH19の間隔が開けられている。しかしながら、2つのストラップの左端は位置合せされていないことに留意されたい。
【0040】
膝圧迫ラップ312の寸法を、膝圧迫ラップが意図されている人のサイズの範囲に従って変更することができる。たとえば、例示的一実施形態では、幅および高さは以下のおよその寸法を有している。すなわち、W11≒8.5インチ、W12≒9.5インチ、W13≒8.25インチ、W14≒7インチ、W15≒25インチ、H11≒8.5インチ、H12≒2.75インチ、H13≒2インチ、H14≒2.75インチ、H15≒2インチ、H16≒2.75インチ、H17≒2.25インチ、H18≒3インチおよびH19≒3.75インチである。
【0041】
例示する実施形態では、第1ストラップ410の下縁と中心本体部402の左側部との交差部分、第2ストラップ412の上縁の中心本体部の左側部との交差部分、および第3ストラップ414の上縁および下縁の中心本体部の右側部との交差部分は、すみ肉420によって丸みが付けられている。さらに、第1ストラップの上縁の中心本体部の上部との交差部分、および第2ストラップの下縁の中心本体部の底部との交差部分は、すみ肉422によって湾曲している。上述したように、すみ肉は、後述するようにストラップおよび中心本体部が引き伸ばされた時にシート400が裂けることを抑制するように機能する。好ましくは、3つのストラップの外側頂点ならびに中心本体部の右上頂点および左下頂点もまた、丸みが付けられている。好ましい実施形態では、中心本体部およびストラップを画定するシート400の外縁と孔404を画定するシートの内縁とは、上述したように補強されている。
【0042】
膝圧迫ラップ312の第1ストラップ410の反対側の(隠れた)面は、左端に近接して配置されたフックアンドループ締結システムのフック部の略矩形切片430を有している。矩形フック切片は、第1ストラップ410に、糊付けにより、縫合により、または別の好適な方法によって固定されている。膝圧迫ラップの第2ストラップ412の反対側の面は、左端に近接して配置されたフックアンドループ締結システムのフック部の略矩形切片432を有している。矩形フック切片は、第2ストラップ412に、好適な方法によって固定されている。膝圧迫ラップの第3ストラップ414の反対側の面は、右端に近接して配置されたフックアンドループ締結システムのフック部の略矩形切片434を有している。矩形フック切片は、第3ストラップ414に、好適な方法によって固定されている。
【0043】
中心本体部の露出側は、中心本体部の左側部に近接して配置されたフックアンドループ締結システムのループ部の3つの略矩形切片を有している。上部ループ切片440は、第1ストラップ410のフック切片440と略位置合せされている。下部ループ切片442は、第2ストラップ412のフック切片432と略位置合せされている。中間ループ切片444は、第3ストラップ414のフック切片434に略位置合せされている。
【0044】
第2ストラップ362の露出側には、フック部の略矩形切片366(隠れ線で示す)があり、フックアンドループ締結システムがそこに好適な方法で固定されている。例示する実施形態では、ループ部の矩形切片は、後述するように、フック部の矩形切片より幅が広く、それによって係合を調整することができる。
【0045】
膝圧迫ラップ312は、臀部圧迫ラップ310と同様に機能する。氷のう100に氷を充填し、氷のうの首部116を孔404に挿入した後、キャップ140が取り付けられ、排気ボタン210が押下されて氷のう内の空気が放出される。氷のうの底部112は、人の膝に接して配置される。第3ストラップ414は、人の膝の後方に引き伸ばされ、第3ストラップの端部に近接するフック切片434は、中心本体部402の中間ループ切片444と係合する。第1ストラップ410は、膝の上方で人の脚の周囲において引き伸ばされ、第1ストラップの端部に近接するフック切片430は、中心本体部の上部ループ切片440と係合する。第2ストラップ412は、人の膝の下方で人の脚の周囲において引き伸ばされ、第2ストラップの端部に近接するフック切片432は、中心本体部の下部ループ切片442と係合する。
【0046】
上述したように固定されると、膝圧迫ラップ312の第1ストラップ410、第2ストラップ412および第3ストラップ414により、人の膝を快適に曲げることができる。特に、第1ストラップおよび第2ストラップは、下腿の曲げによって第2ストラップが第1ストラップからさらに離れる方向に移動すると、2つのストラップの間の材料が伸長してさらなる距離に対応するように、十分離れて配置されている。同時に、別個に固定されている第3ストラップは、孔404が膝の上の正しい位置にあるように中心本体部402の中心を保持する。
【0047】
膝圧迫ラップ312は、氷のう100の底部112を人の膝に押し付けるように圧力を加える。氷のう内の氷が融解すると、排気ボタン210が押下されて最初に氷内に閉じ込められていた空気が放出され、それにより氷のう内の氷に対して圧力が維持される。
【0048】
膝圧迫ラップとして説明したが、圧迫ラップ312を、他の身体部分に対して圧迫および熱除去を提供するように適合することができる。たとえば、人の肘、手首、足首、足または他の身体部分に対して圧迫ラップを提供するように必要に応じて、膝圧迫ラップの寸法を容易に低減し、比率を調整することができる。より小さい関節および他の身体部分に対して、そのより小さい身体部分に対して圧力および熱除去を集中させるために、氷のう100のサイズを低減することも可能である。
【0049】
図14は、図1図11の単一の氷のう100を人の左肩にあてがう肩圧迫ラップ500の実施形態を示す。図15に、右肩用の対応する実施形態600を示す。
【0050】
以下の説明で用いる水平および垂直は、図14の実施形態の横置きの向きを基準とする。
【0051】
図14の肩圧迫ラップ500は、図14に示すパターンで形成されたL−フォームネオプレンまたは他の好適な材料の単一の一体型シート510を含む。好ましくは、肩圧迫ラップは、より広い表面積にわたってより高い強度を提供するように厚さがおよそ5ミリメートルである材料を含む。
【0052】
シート510は、中心本体部520を有し、それは、圧迫ラップを人の首に近接して人の肩に快適に配置することができるように、かつ材料が裂かれることなく圧迫ラップを引き伸ばすことができるように、複数の湾曲があるように概して形成されている。例示する実施形態では、さまざまな湾曲およびすみ肉がなければ、中心本体部は、右縁522、左縁524、上縁526および下縁528を画定する一組の仮想線によって略輪郭が描かれるように、略矩形形状を有している。中心本体部は、略右縁と左縁との間に画定される長さL31を有し、略上縁と下縁との間に画定される幅W31を有している。仮想輪郭線は、単に説明を目的とするものであり、圧迫ラップの中心本体部の実際の境界を表すものではない。後述する中心本体部およびストラップは、連続シートから形成されており、それにより、中心本体部がストラップに移行する場所を除き、明確な境界は存在しない。
【0053】
中心本体部520には、その中心本体部の中心領域内に位置する孔530がある。孔は、上述したように氷のうの首部116を受け入れる。後述するように人に固定される時、氷のうは、人の左肩の略上部に配置される。図示する実施形態では、孔は直径がおよそ1.75インチである。中心本体部の物理的な上縁532は、圧迫ラップの本来は直線状の縁が人の首に対してあてがわれないように、圧迫ラップ500が人の左肩に固定される時に人の首の周囲に隙間が提供されるように、(擬似上縁526に対して)平滑な湾曲した窪み534を有している。
【0054】
第1ストラップ540が、中心本体部520の右縁522の上部から上方にかつ右側に、水平面に対しておよそ21度の角度A31で延在している。第1ストラップは、長さL32および幅W32を有している。フックアンドループ締結システムのループ部の第1略矩形切片542が、第1ストラップの長さの方向に略位置合せされて第1ストラップに配置されている。ループ部の矩形切片の一部は、図示するように中心本体部の上に延在することができる。他の実施形態に関して上述したように、矩形切片は、好適な方法によって第1ストラップおよび中心本体部に固定されている。
【0055】
第2ストラップ550が、中心本体部520の左縁524の下部から左側に延在している。第2ストラップは、第2ストラップの下縁が中心本体部の下縁528と略位置合せされて、略水平である。例示する実施形態では、第2ストラップは長さL33および幅W33を有している。フックアンドループ締結システムのフック部(隠れ線で示す)の第1略矩形切片552が、第2ストラップの左端に近い第2ストラップの反対側の(隠れた)側に、第2ストラップの長さの方向に略位置合せされて配置されている。矩形フック部切片は、第2ストラップに、上述したように好適な方法によって固定されている。
【0056】
第3ストラップ560が、中心本体部520の左縁524の上部から上方にかつ左に、水平面に対しておよそ8度の角度A32で延在している。第3ストラップは、長さL34および幅W34を有している。第3ストラップの下縁は、中心本体部との鋭利な交差部分をもたらさないように、大きい湾曲したすみ肉部分562を介して中心本体部に移行している。フックアンドループ締結システムのフック部(隠れ線で示す)の第2略矩形切片564は、第3ストラップの左端の近くの第3ストラップの反対側の(隠れた)側に、第3ストラップの長さの方向に略位置合せされて配置されている。第2矩形フック切片は、第3ストラップに、上述したように好適な方法によって固定されている。
【0057】
フックアンドループ締結システムのフープ部の第2略矩形切片570は、中心本体部520の孔530と中心本体部の下縁528との間に配置されている。図示する実施形態では、第2ループ部切片は、長い方の側部が中心本体部の下縁に略平行であるように向けられる。
【0058】
図示するように、左肩圧迫ラップ500は、引き伸ばす前は、全幅W35および全長L35を有している。
【0059】
左肩圧迫ラップ500の寸法を、肩圧迫ラップが意図されている人のサイズの幅に従って変更することができる。たとえば、例示的一実施形態では、幅および高さは、肩圧迫ラップを引き延ばす前は以下のおよその寸法を有している。すなわち、W31≒15インチ、W32≒5.3インチ、W33≒3.4インチ、W34≒4.7インチ、W35≒17.4インチ、L31≒12インチ、L32≒4.1インチ、L33≒9.1インチ、L34≒24インチおよびL35≒42インチである。ネオプレンシート510の弾性を鑑みると、上述した寸法を変更することができる。さらに、ストラップおよび中心本体部の相対的な長さおよび幅は、例示的な寸法とは異なる比率を有することができる。
【0060】
図19の左肩圧迫ラップ500が、図1図11の氷のう100とともに使用されて、人の左肩に圧力を加えるとともにそこから熱を抽出する。氷のう100を充填し閉鎖した後、氷のうのキャップ140および首部116は、圧迫ラップの孔530内に押し通される。そして、第1ストラップ540の端部が人の左肩の背面に掛けられるように、かつ第2ストラップ550の端部が人の左肩の正面に掛けられるように、本体部520が人の左肩の略上部にあって、氷のうは人の左肩の上部に配置される。第2ストラップは、第2ストラップの端部の第1フック部切片552が本体部の第2ループ部切片570に係合するように配置されるように、人の左の脇の下の真下を通過するように引き伸ばされる。そして、第3ストラップ560は、人の胸を横切って、人の右脇をまわって、人の上背を横切って戻るように、第3ストラップの自由端の第2フック切片564が第1ストラップの第1ループ部切片542と係合するように配置されるまで、伸ばされ引っ張られる。中心本体部および3つのストラップがネオプレンの単一の一体型シートを含むため、肩圧迫ラップ全体が、各フック部切片がそれぞれのループ部切片と係合することができるように伸長することが理解されるべきである。ストラップに近接する中心本体部の湾曲およびすみ肉により、鋭利な角があるように形成されている場合に裂かれる可能性がなく、中心本体部が伸長することができる。好ましくは、中心本体部およびストラップを画定するシート510の外縁と、孔を画定するシートの内縁とは、有利には上述したように補強されている。
【0061】
圧迫ラップ500を、ストラップの再調整を必要とすることなく長期間肩に装着することができる。特に、氷のう100内の氷が融解する際、氷から放出される閉じ込められた空気が氷のうに入り、氷のうに対して加えられる圧力を拡散させる緩衝材として作用するある体積の空気が生成される。使用者は、氷のうによって加えられる圧力が低いと感じた場合、上述したように、単に排気ボタン210を押下する。排気ボタンは、人の肩の上部において容易にアクセス可能である。圧迫ラップの引き伸ばされたストラップ540、550、560および中心本体部520の張力により、圧迫ラップが収縮して氷のうから空気を押出し、それにより空気によってもたらされる緩衝効果が除去される。使用者は、この場合もまた、氷のうに対して、したがって使用者の肩に対して直接加えられる圧力から利益を得る。
【0062】
図15は、図14の左肩圧迫ラップ500の鏡像である、右肩圧迫ラップ600を示す。右肩圧迫ラップは、上述したもの同様に構成され、左肩圧迫ラップと同様に機能する。したがって、上述した説明は、左および右の言及を除き図15に当てはまる。
【0063】
図16は、図1図11の氷のう100のうちの2つを人の左肩にあてがう肩圧迫ラップ700の実施形態を示す。図18に、右肩用の対応する実施形態800を示す。人の肩の上部に氷のうを配置する、図14の単一氷のう肩圧迫ラップ500とは異なり、図16および図17の肩圧迫ラップは、肩の前方部分にわたって第1氷のうを配置し、肩の後方部分にわたって第2氷のうを配置する。単一圧迫ラップによって2つの氷のうに加えられる圧力は、2つの氷のうの間に肩を押し込むことによって、肩に加えられる圧力を増大させ、肩から氷のうへの熱の伝達を確実にする。
【0064】
以下の説明において水平および垂直は、図16の実施形態の横置きの向きを基準とする。
【0065】
図16の肩圧迫ラップ700は、図16に示すパターンで形成されたL−フォームネオプレンまたは他の好適な材料の単一の一体型シート710を含む。好ましくは、肩圧迫ラップは、より広い表面積にわたってより大きい力を提供するように厚さがおよそ5ミリメートルである材料を含む。
【0066】
シート710は、中心本体部720を有し、それは、圧迫ラップを人の首に近接して人の肩に快適に配置することができるように、かつ材料が裂かれることなく圧迫ラップを引き伸ばすことができるように、複数の湾曲があるように略形成されている。例示する実施形態では、さまざまな湾曲およびすみ肉がなければ、中心本体部は、仮想輪郭線722によって示すように六面多角形の概略形状を有している。上述したように、仮想輪郭線は、単に説明を目的とするものであり、圧迫ラップの実際の境界を表すものではない。材料を引き伸ばす前、中心本体部は、図16の左端における幅W41と長さL41とを有している。
【0067】
中心本体部720の上縁730には、人の首に近接した上縁の配置に適応するように窪み732が形成されている。中心本体部には、第1孔734および第2孔736をさらにあり、それらの各々は、例示する実施形態では直径がおよそ1.75インチである。第1孔は、基準線738の左側に配置され、第2孔は、基準線の右側に配置されている。基準線は、およそ窪みの中間点から延在し、単に説明の目的で示されている。圧迫ラップ700が、窪みを人の首に近接して配置して、人の左肩の上に配置されると、基準線は、第1孔が人の胸の上方の人の肩の正面に配置され、第2孔が人の上背における人の肩の背面に配置されて、人の肩の上部に略位置合せされる。図16に示すように平坦に位置する場合、第1孔および第2孔はおよそ9インチの間隔を空けて配置されている。
【0068】
中心本体部の右縁の上部は、第1ストラップ740に移行している。第1ストラップは、水平面に対しておよそ25度の角度A41で上方にかつ右側に略向けられている。例示する実施形態では、第1ストラップは、幅W42および長さL42(仮想輪郭線の境界から測定)を有している。フックアンドループ締結システムのループ部の略矩形切片742が、第1ストラップの長さの方向に略位置合せされて第1のストラップに配置されている。ループ部の矩形切片は、図示するように中心本体部上に延在している。矩形切片は、他の実施形態に関して上述したように、好適な方法によって第1の短いストラップと中心本体部とに固定されている。
【0069】
中心本体部720の下縁の右部は、第2のストラップ750に移行している。第2ストラップは、垂直面に対しておよそ15度の角度A42で、下方にかつ右側に略向けられている。例示する実施形態では、第2ストラップは、幅W43および長さL43(仮想輪郭線の境界から測定)を有している。フックアンドループ締結システムのフック部(隠れ線で示す)の略矩形切片752は、第2ストラップの長さの方向に略位置合せされて第2ストラップの反対側の(隠れた)面に配置されている。矩形フック切片は、第2ストラップに、上述したように好適な方法によって固定されている。
【0070】
中心本体部の左縁の上部は、第3ストラップ760に移行している。第3ストラップは、水平面に対しておよそ7度の角度A43で、上方にかつ左側に略向けられている。例示する実施形態では、第3ストラップは、幅W44および長さL44(仮想輪郭線の境界から測定)を有している。フックアンドループ締結システムのフック部(隠れ線で示す)の略矩形切片762は、第3ストラップの長さの方向に略位置合せされて第3ストラップの反対側の(隠れた)面に配置されている。矩形フック切片は、第3ストラップに、上述したように好適な方法によって固定されている。
【0071】
中心本体部720の左下角部780が、大きい湾曲として形成されている。フックアンドループ締結システムのループ部の略矩形切片782が、左下角部に配置され、角部を形成する湾曲のおよそ中間的から延在している半径に沿って、水平面に対しておよそ45度で向けられている。矩形切片は、中心本体部に、上述したように好適な方法によって固定されている。
【0072】
図示するように、引き伸ばす前、肩圧迫ラップ700は、全幅W45および全長L45を有している。
【0073】
肩圧迫ラップ700の寸法を、肩圧迫ラップが意図されている人のサイズの範囲に従って変更することができる。たとえば、例示的一実施形態では、幅および高さは、以下のおよその寸法を有している。すなわち、W41≒16インチ、W42≒5インチ、W43≒5インチ、W44≒5インチ、W45≒29インチ、L41≒30.25インチ、L42≒2.5インチ、L43≒11.75インチ、L44≒23.5インチおよびL45≒56.75インチである。ネオプレンシート710の弾性に鑑みると、上述した寸法を変更することができる。さらに、ストラップおよび中心本体部の相対的な長さおよび幅は、例示的な寸法と異なる比率を有することができる。
【0074】
図17Aおよび図17Bに示すように、図16の肩圧迫ラップ700は、第1氷のう100Aおよび第2氷のう100Bを氷で充填し、第1氷のうのそれぞれの首210を中心本体部720の第1孔734を通して配置し、第2氷のうのそれぞれの首を中心本体部の第2孔736を通るように配置することによって使用される。各氷のう内の氷の体積を、使用者が望むように調整することができる。第1氷のうは、人の胸の上方の人の左肩の正面に配置され、第2氷のうは、人の上背の上の人の左肩の後方に配置される。上述したように、窪み732は、人の首に沿って配置される。圧迫ラップは、基準線738が人の肩の上部に略沿うように、人の左肩に掛けられる。
【0075】
2つの氷のう100を、人の肩の正面および後方の選択された位置に保持している間、第2ストラップ750は、人の左の脇の下の真下で引っ張られ、第2ストラップの自由端のフック切片752が、中心本体部720の左下角部780においてループ切片782と係合するように配置されるまで、引き伸ばされる。そして、第3ストラップ760は、人の胸を横切って、人の右脇をまわって、人の上背を横切って戻るように、第3ストラップの自由端のフック切片762が第1ストラップ740のループ切片742と係合するように配置されるまで、引き伸ばされかつ引っ張られる。中心本体部および3つのストラップがネオプレンの単一の一体型シートを備えているため、肩ラップ全体が、各フック切片がそれぞれのループ切片と係合することができるように伸長することが理解されるべきである。ストラップに近接する中心本体部の大きい湾曲により、中心本体部に鋭利な角があるように形成されていた場合に裂ける可能性がなく、中心本体部を引き伸ばすことができる。シート710の外縁および孔734、736の周囲のシートの縁は、有利には、上述したように補強されている。
【0076】
図17Aおよび図17Bに示すように2つの氷のう100A、100Bが配置されると、氷のうの底部は、上下逆のV字型を形成し、「V」の頂点は、肩の上部の鎖骨および肩峰鎖骨(AC)関節の周囲の領域に配置される。
【0077】
圧迫ラップ700を、ストラップの再調整を必要とすることなく長期間肩の上に装着することができる。特に、氷が氷のう100内で融解する際、氷から放出される閉じ込められた空気が、氷のうに入り、氷のうに対して加えられる圧力を拡散する緩衝材として作用するそれぞれの体積の空気をもたらす。使用者は、2つの氷のうの間に加えられた圧力が低いと感じた場合、単に、上述したように、各氷のうの排気ボタン210を押下する。排気ボタンは、人の肩の上部の近くで容易にアクセス可能である。圧迫ラップの引き伸ばされたストラップおよび中心本体の張力により、圧迫ラップは収縮して氷のうから空気を押し出し、それにより、空気によってもたらされる緩衝効果を除去する。使用者は、この場合もまた、氷のうに対して直接、したがって使用者の肩に対して加えられる圧力から利益を得る。
【0078】
図18は、図16の左肩圧迫ラップ700の鏡像である、右肩圧迫ラップ800を示す。右肩圧迫ラップは、上述した方法と同様に構成され、左肩圧迫ラップと同様に機能する。したがって、上述した説明は、左および右の言及以外は図18に当てはまる。
【0079】
図19は、図1図5の外側カラーリング122に対応する、外側カラーリングが上部910を有する、さらなる実施形態による外側カラーリング900を示す。図19の外側カラーリングは、フランジ930を支持する拡張した円柱状下部920をさらに有している。図示するように、フランジは、直径が、円柱状下部より実質的に大きく、氷のう100のキャップ140の上部把持部142より大きい。図11図20の圧迫ラップのそれぞれの孔は、キャップの上部把持部および氷のう100の外側リングを収容するように伸長し、その後、氷のうの首部116の周囲に滑り嵌合するように収縮するように意図されているが、孔を包囲する圧迫ラップの部分の弾性は、常に、孔を、氷のうの首部を確実に保持するのに十分小さい直径まで収縮させるのに十分であるとは限らない。他の場合では、孔の弾性は、大きすぎる場合があり、孔を包囲する材料が、氷のうの可撓性首部に大きすぎる圧力を加えることになる場合がある。拡張した円柱状下部は、氷のうの首部の閉鎖を防ぐ堅固な障壁を提供する。氷のうのキャップの上部把持部が孔に挿入された後に、孔が十分小さい直径まで収縮しない場合であっても、フランジは、圧迫ラップの孔を通過する可能性がはるかに低い大きい表面積を提供する。
【0080】
本発明の範囲から逸脱することなく上記構成においてさまざまな変更を行うことができるため、上記説明に含まれるかまたは添付図面に示されるもののすべてが、限定する意味ではなく例示するものとして解釈されるべきであることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図18
図19