(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記検索手段は、前記特定された通信網を介して発信が可能か否かの判断を、前記網識別子と前記固有識別子とに基づいて行うことを特徴とする請求項6に記載の通信装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。以下の説明では、電話番号(外線及び内線)を相手識別子として用い、音声通話を実現する通信装置及び通信システムについて説明する。しかしながら、本発明は電話番号以外の固有識別子を相手識別子として用いる場合や、テキストや画像を送受信する場合にも適用可能である。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る通信装置10の概略構成を示すブロック図である。図示の通信装置10は、通信部11、制御部12、入力操作部13、記憶部14及び表示部15を有している。
【0016】
通信部11は、互いに異なる複数の無線通信網に接続するための1つ以上の無線ユニット(図示せず)を有している。例えば、通信部11は、公衆無線電話網に接続するための第1の無線ユニットと、1つ以上の構内交換網に接続するための第2の無線ユニットとを有している。このように2つの無線ユニットを有している通信部11を有する通信装置10は、デュアルモード携帯端末と呼ばれることがある。同一アーキテクチャを採用する複数の構内交換網に無線接続するには1つの無線ユニットを備えればよいので、接続可能な無線通信網の数と、無線ユニットの数とは必ずしも一致しない。通信部11は、一つ以上の無線ユニットのうちのいずれか一つを使用し、複数の無線通信網のうちの一つを介して通信相手との通信を実現する。
【0017】
通信実現のため、通信部11は、各無線通信網を構成するアクセスポイント(基地局)から周期的に送信される制御信号を受信する。制御信号には、各無線通信網を識別するための網識別子が含まれている。制御信号を受信すると、通信部11は、必要に応じて位置登録処理等の所定の処理を実行する。例えば、通信装置10の電源がオンされて最初に制御信号を受けた時や、通信装置10が位置登録エリアを移動した場合に、通信部11は位置登録処理を行う。また、通信部11は、制御信号の受信レベルに基づいて、通信装置10の現在位置が無線通信網の圏内か否かの判断を行う。さらに通信部11は、制御信号の受信レベルや優先度に基づいて、複数の通信網のうちの一つを通信に使用すべき通信網として特定する。優先度は、例えば、公衆無線電話網よりも構内交換網の方を高く設定することができる。このように、通信部11は複数の通信網のうちの一つを通信に使用すべき通信網として特定する通信手段として機能する。
【0018】
制御部12は、記憶部14又は図示しない他の記憶部に格納された制御プログラムを実行し、通信装置10の全体の動作を制御する。特に、本実施の形態では、制御部12は、通信履歴情報管理部を含み、後述するように通信履歴情報の記録、検索及び表示を制御する。
【0019】
入力操作部13は、通信装置10に対するユーザからの指示を受け付ける。ユーザからの指示には、発信指示、着信応答指示及び各種情報表示指示が含まれる。入力操作部13は、複数の入力キーやそれに代わるタッチパネル等であってよい。
【0020】
記憶部14は、少なくとも通信履歴情報(発信履歴情報及び着信履歴情報)を含む各種情報を記憶する。また、記憶部14は、制御部12によって実行される各種プログラムを記憶してもよい。
【0021】
表示部15は、制御部12による制御の下、自動的にまたは入力操作部13からの指示に応じて各種情報を表示する。
【0022】
以上のように構成された通信装置10において、制御部12は、通信部11によって実施される通信(通話)が終了する度に通信履歴データを生成し、生成した通信履歴データを通信履歴情報として記憶部14に記憶させる。記憶部14に記憶させる通信履歴データは、少なくとも通信相手に固有の固有識別子(ここでは、外線又は内線電話番号)と、通信に使用した無線通信網を示す網識別子とを含む。また、通信履歴データは、通信日時、通信時間及び相手名等に関する情報を含んでもよい。このように、記憶部14は、通信部11による通信の履歴データを通信履歴情報として記憶する記憶手段として機能する。
【0023】
また、入力操作部13から通信履歴情報を表示させる指示入力があると、制御部12は、通信部11に対して、複数の通信網のうちの一つを通信に使用すべき通信網として特定するよう依頼する。通信部11は、その時点において通信に使用すべき無線通信網を特定し、特定した無線通信網を示す網識別子を制御部12へ通知する。なお、通信使用すべき無線通信網は、通信装置10の現在位置に基づいて定まる(依存する)。このように、入力操作部13は、通信履歴情報の表示指示を受ける入力手段として機能し、また、通信部11は複数の通信網のうちの一つを通信に使用すべき通信網として特定する通信手段として機能する。なお、通信部11は、通信履歴情報を表示させる指示入力がなくても使用すべき通信網として特定することがある。
【0024】
制御部12は、通信部11から取得した網識別子を検索キーとして記憶部14を検索し、検索キーに一致する網識別子を含む通信履歴データを読み出す。これに加え、制御部12は、外線電話番号を含む通信履歴データを読み出してもよい。外線電話番号を含む通信履歴データを読み出すか否かは任意に設定できる。外線電話番号を含む通信履歴データを読み出すか否かの設定情報は、記憶部14に記憶させておくことができる。制御部12は、通信部11から網識別子を取得した際に、記憶部14に記憶されている設定情報を確認し、外線電話番号を含む通信履歴データを読み出すか、又は読み出さない。
【0025】
以上のようにして、通信履歴データを選択的に読み出した制御部12は、読み出した通信履歴データを検索結果として表示部15に表示させる。このように、制御部12は、通信履歴情報の表示指示を受けると、記憶部14に記憶されている通信履歴情報の中から通信部11によって特定された通信網に関連する通信履歴データを検索し、検索結果を表示部15に表示させる履歴情報管理手段として機能する。
【0026】
表示部15に表示された通信履歴データは、夫々発信可能な電話番号を含んでいる。つまり、通信装置10は、現在位置において発信可能な電話番号を含む通信履歴データを選択的にその表示部15に表示する。そして、通信装置10は、現在位置において発信不可能な電話番号を含む通信履歴データを表示しない。
【0027】
以上の結果、通信装置10のユーザは、通信履歴情報を利用して発信する際に、表示された通信履歴データに含まれる電話番号宛の発信が可能か否かを判断する必要がない。また、ユーザは、表示された通信履歴データに含まれる電話番号宛の発信が可能か否かの判断をすることなく発信操作を行った後、発信不能に気付き、発信操作をやり直すということがない。こうして、本実施の形態に係る通信装置10は、通信履歴情報を利用して発信する際のユーザの労力を軽減し、その利便性を向上させることができる。
【0028】
次に、
図2及び
図3を参照して、通信装置10の制御部12についてさらに説明する。
【0029】
図2は、制御部12における内部構成の一部を示すブロック図である。
図2においては、本願発明の説明に必要な部分を示し、その他の部分は省略されている。
【0030】
制御部12の履歴情報管理部20は、通信履歴データを記憶部14に書き込む(記憶させる)とともに、記憶部14を検索して書き込まれた通信履歴データを選択的に読み出す動作を行う。履歴情報管理部20は、上記動作を実現するために、記録部21、網特定部22及び検索部23を有している。なお、制御部12を構成する各部は、制御部12において制御プログラムを実行することによって実現され得るが、ハードウエアとして実現されてもよい。
【0031】
記録部21は、通信部11で行われる通信に基づいて通信履歴データを生成し、生成した通信履歴データを記憶部14に書き込む。通信履歴データには、上述したように、相手識別子である電話番号(外線又は内線)と、通信に使用した無線通信網を示す網識別子が含まれる。
【0032】
網特定部22は、通信部11に対して通信に使用すべき無線通信網を特定するよう依頼し、通信部11から使用すべき無線通信網を示す網識別子を取得する。また、網特定部22は、特定した無線通信網を示す網識別子を検索部23に通知する。
【0033】
検索部23は、網特定部22から通知された網識別子を検索キーとして記憶部14を検索し、検索キーに一致する網識別子を含む通信履歴データを読み出す。また、検索部23は、読み出した通信履歴データを検索結果として表示部15へ送信する。
【0034】
図3は、
図2に示す制御部12により実現される履歴情報表示方法を説明するためのフローチャートである。ここでは、通信装置10が公衆無線電話網と2以上の構内交換網に接続可能である場合について説明する。また、各構内交換網は外線電話番号宛の発信を許容しているものとする。
【0035】
制御部12の履歴情報管理部20は、通信履歴情報の表示指示を受けると(ステップS301)、網特定部22を通じて通信部11に使用すべき無線通信網を特定させる(ステップS302)。網特定部22は、通信部11から通知される網識別子を検索部23に引き渡す。
【0036】
検索部23は、受け取った網識別子が公衆無線電話網を示している場合(ステップS303でYES)、記憶部14を検索して外線電話番号を含む通信履歴データを読み出す(ステップS304)。
【0037】
一方、受け取った網識別子が構内交換網を示している場合(ステップS303でNO)、検索部23は、構内交換網のサービスエリア(構内交換機)を特定する(ステップS305)。そして、特定したサービスエリアに対応する網識別子を検索キーとして記憶部14を検索し、検索キーに一致する網識別子を含む通信履歴データを読み出すとともに、外線電話番号を含む通信履歴データを読み出す(ステップS306)。
【0038】
その後、検索部23は、読み出した通信履歴データを表示部15に表示させる。以上の結果、表示部15は、その時点において発信に利用することができる電話番号を含む通信履歴データを表示する。
【0039】
次に、
図4を参照して、
図2に示す制御部12により実現される履歴情報表示方法の他の例について説明する。
図3のフローチャートでは、各構内交換網は外線への発信を許容しているものとしたが、ここでは構内交換網毎に外線への発信を許容し又は制限している場合について説明する。ここで、
図3と同一のステップには同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
【0040】
検索部23は、ステップS305においてサービスエリアを特定すると特定したサービスエリアにおいて外線への発信が許容されているか判断する(ステップS401)。外線への発信が許容されている場合(ステップS401でYES)、ステップS306に進む。
【0041】
一方、外線への発信が許容されていない場合(ステップS401でNO)、検索部23は、特定したサービスエリアに対応する網識別子を検索キーとして記憶部14を検索し、検索キーに一致する網識別子を含む通信履歴データを読み出す(ステップS402)。
【0042】
なお、各構内交換網は、原則として外線電話番号への発信を制限している場合であっても、特定の外線電話番号に対しての発信を許容する場合がある。この場合、ステップS402において読み出される通信履歴データには、内線電話番号を含むものだけではなく、特定の外線電話番号を含むものも含まれる。
【0043】
次に、
図5乃至
図8を参照して、本発明の第2の実施の形態について詳細に説明する。
【0044】
図5は、本実施の形態に係る通信システムの概略構成図である。図示の通信システムは、互いに異なる無線通信網を構成する2つの構内交換機(PBX:Private Branch Exchanger)51、52を有している。
【0045】
構内交換機51は、事業所A内をカバーするサービスエリアを提供する。また、構内交換機52は、工場C内をカバーするサービスエリアを提供する。これらサービスエリアを提供するため、構内交換機51,52には、それぞれ少なくとも一つのアクセスポイント(基地局)53,54が接続されている。また、構内交換機51,52には、それぞれ一つ以上の内線電話機が有線接続されてもよい。
【0046】
構内交換機51、52は、ともに公衆電話網55に接続されている。公衆電話網55は、公衆無線電話網(携帯電話網又はPHS(Personal Handyphone System)網)56に接続されている。公衆無線電話網56は、複数(図では一つ)のアクセスポイント(基地局)57を有している。
【0047】
図示の通信システムは、第1の実施の形態で説明した通信装置10の使用を許容する。通信装置10の通信部11は、アクセスポイント53,54及び57のいずれにもアクセス可能である。構内交換機51,52は、同一のアーキテクチャ及び同一の通信方式を採用しているので、通信部11は、一つの無線ユニットでアクセスポイント53及び54のいずれにもアクセスできる。ただし、構内交換機51,52のそれぞれに対して予め内線端末として登録する必要がある。また、アクセスポイント57へのアクセスには、構内交換網用の無線ユニットとは別の無線ユニットを用いる。
【0048】
通信装置10の通信部11は、現在位置に応じてアクセスポイント53,54及び57のいずれか一つを特定する。具体的には、アクセスポイント53,54及び57から送信される制御信号を受信し、受信レベルが所定値以上の信号を送信したアクセスポイントの中から優先度の高いものを特定する。そして、特定したアクセスポイントを含む無線通信網を、通信に使用すべき通信網として特定する。通常、構内交換網は公衆無線電話網よりも高い優先度を持つ。この場合、通信装置10は、事業所A内に位置しているとき、構内交換機51が構成する無線通信網を通信に使用すべき通信網として特定する。また、通信装置10は、工場C内に位置しているとき、構内交換機52が構成する無線通信網を通信に使用すべき通信網として特定する。
【0049】
以下、本実施の形態に係る通信システムにおける通信装置10の動作について説明する。
【0050】
通信装置10は、事業所Aの構内交換機51および工場Cの構内交換機52に内線端末として予め登録されている。これにより、通信装置10は、構内交換機51,52の内線端末として発着信することが可能である。また、通信装置10は、公衆無線電話事業者との契約により公衆無線電話網56を使っての発着信が可能である。その結果、通信装置10は、事業所Aでは構内交換機51配下の内線端末として、工場Cでは構内交換機52の配下の内線端末として動作する。また、通信装置10は、事業所A及び工場C以外の場所であって、公衆無線電話網に接続可能な場所では一般の携帯電話機として動作する。なお、構内交換機51,52は、通信装置10からの外線発信を全て許容しているものとする。
【0051】
発信時、通信装置10は、記憶部14に着信者側の電話番号を記憶する。このとき、通信装置10は、その発信呼が構内交換機51経由なのか、公衆無線電話網56経由なのか、構内交換機52経由なのかの情報(網識別子)も合わせて記憶する。
【0052】
また、着信時、通信装置10は、記憶部14に発信者側の電話番号を記憶する。このとき、通信装置10は、その着信呼が構内交換機51経由なのか、公衆無線電話網56経由なのか、構内交換機52経由なのかの情報(網識別子)も合わせて記憶する。
【0053】
図6は、記憶部14に記憶された通信履歴情報の一例を示す図である。図示の通信履歴情報は6件の通信履歴データを含む。各通信履歴データは、通信日時、発信/着信の別、通信相手の電話番号及び通信に使用した無線通信網を示す網識別子を含む。
【0054】
通信装置10が事業所A内に位置しているとき、通信履歴情報の表示指示が入力されると、通信装置10は、
図7に示すような通信履歴情報を表示部15に表示する。
図6と
図7を比較すると、通信装置10は、No.2の通信履歴データを表示していない。これは、No.2の通信履歴データに含まれる電話番号が構内交換機52の配下の内線番号であるため、構内交換機51の配下にいる状態では発信できないからである。換言すると、この状態で表示部15に表示されている電話番号は全て発信可能な電話番号である。なお、
図7ではNo.2の通信履歴データを空欄としたが、空欄を詰めて表示するようにしてもよい(
図8,9においても同様)。
【0055】
発信可能な電話番号を含む通信履歴データを表示部15に表示させるため、通信装置10は、その時点において通信に使用すべき無線通信網を特定する。通信装置10が事業所A内に位置しているとき、通信に使用すべき無線通信網は、構内交換機51が構成する無線通信網である。通信装置10は、構内交換機51が構成する無線通信網の網識別子“PBX−A”を検索キーとして記憶部14を検索し、No.5及び6の通信履歴データを読み出す。さらに、通信装置10は、構内交換機51がすべての外線発信を許容していることを確認し、外線電話番号を含むNo.1,3及び4の通信履歴データを読み出す。なお、外線か否かの判断は、電話番号の桁数に基づいて行うことができる。
【0056】
こうして、通信装置10は、通信履歴データに含まれる網識別子、電話番号(の桁数)及び現在位置(通信に使用すべき無線通信網の網識別子)に基づいて、現在位置から発信することできる有効な電話番号を含む発着信履歴データを表示する。そして、その位置において発信不可能な電話番号を含む通信履歴データの表示は回避される。
【0057】
図8は、通信装置10が事業所A及び工場C以外の場所に位置し、公衆無線電話網56と接続可能な場所に位置する場合に通信履歴情報を表示させた結果の一例である。この場合、通信装置10は、その表示部15に、外線電話番号を含むNo.1,3,4及び6の通信履歴データを表示する。なお、No.2の通信履歴データは構内交換機52の配下の内線番号を含み、No.5の通信履歴データは構内交換機51の配下の内線電話番号を含む。通信装置10は、このとき、これらの内線電話番号へ発信できない状態にある。発信に使用できない電話番号を含むこれらNo.2及び5の通信履歴データは表示されない。
【0058】
この場合においても、網識別子“公衆”を検索キーとして検索した後、外線電話番号を含む通信履歴データを読み出すようにしてもよい。しかし、この場合は、網識別子“公衆”を検索キーとする検索を省略しても同じ結果が得られる。
【0059】
図9図は、通信装置10が工場C内に位置する場合に通信履歴情報を表示させた結果の一例である。この場合、通信装置10は、その表示部15に、外線電話番号を含むNo.1,2,3,4及び6の通信履歴データを表示させる。No.5の通信履歴データは、このとき通信装置10から発信することができない内線電話番号を含むものである。発信に使用できない電話番号を含むこのNo.5の通信履歴データは表示されない。
【0060】
このように本実施の形態に係る通信システムでは、現在位置(通信に使用すべき無線通信網)に基づいて、通信履歴に含まれる電話番号が有効(現在位置から発信できる)か否かを通信装置10が判断し、有効な電話番号を含む通信履歴データを表示させることができる。つまり、発信に利用できない無効な電話番号を含む通信履歴データを非表示とすることができる。これにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0061】
なお、上記実施の形態では、網識別子を検索キーとする検索の後、外線電話番号を含む通信履歴データをも読み出す例について説明した。しかしながら、外線電話番号を含む通信履歴データの読み出しを行わず、網識別子を検索キーとする検索を行った結果だけを表示させるようにしてもよい。この場合、
図10に示すように、通信装置10は、事業所A内に位置しているとき、No.5及び6の通信履歴データを表示する。また、通信装置10は、事業所A及び工場C外に位置しているとき、No.3及び4の通信履歴データを表示する。さらに、通信装置10は、工場C内に位置しているとき、No.1及び2の通信履歴データを表示する。
【0062】
このように構成することで、構内交換機51,52が(全ての、或いは特定の外線電話番号を除いて)外線電話番号への発信を制限している場合においても、発信可能な電話番号を含む通信履歴データを表示させ、その位置において発信不可能な電話番号を含む通信履歴データの表示を回避することができる。また、この構成によれば、通信装置10が悪意の第三者に渡った場合に、一度に入手できる通信履歴情報の範囲を制限し、全ての通信履歴情報の入手を困難にするという効果もある。
【0063】
なお、このような構成においても通信装置10が公衆無線電話網56を通信に使用すべき通信網として特定している場合には、外線電話番号を含む通信履歴データを表示させるようにしてもよい。
【0064】
以上、本発明についていくつかの実施の形態に即して説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく種々の変更変形が可能である。
【0065】
例えば、上記実施の形態では、通信履歴情報の表示指示を受けてから、通信に使用すべき通信網を特定するようにした。しかしながら、常時(又は周期的に)通信に使用すべき通信網を特定するようにしておき、通信履歴情報の表示指示を受けたとき、直ちに通信履歴データの検索を行うようにしてもよい。
【0066】
また、上記実施の形態では、通信履歴情報として送信履歴情報と着信履歴情報を区別せずに扱う例について説明した。しかしながら、送信履歴情報と着信履歴情報とを区別し、これらを別々に表示するようにしてもよい。
【0067】
さらに、上記実施の形態では、複数の無線通信網として一つの公衆無線電話網と二つの構内交換網を例示した。しかしながら、これに限らず、複数の無線通信網は相互に区別される2以上の無線通信網であってよい。この場合、複数の無線通信網は、複数の構内交換網であってよい。
【0068】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0069】
(付記1)複数の通信網に無線接続可能で、前記複数の通信網のうちの一つを通信に使用すべき通信網として特定する通信手段と、前記通信手段による通信の履歴データを通信履歴情報として記憶する記憶手段と、表示手段と、前記記憶手段に記憶されている前記通信履歴情報の中から前記通信手段によって特定された通信網に関連する履歴データを検索し、検索結果を前記表示手段に表示させる履歴情報管理手段と、を有していることを特徴とする通信装置。
【0070】
(付記2)前記通信履歴情報の表示指示を受ける入力手段をさらに有し、前記履歴データを検索は、前記入力手段からの表示指示に応答して行われることを特徴とする付記1に記載の通信装置。
【0071】
(付記3)前記通信手段は、現在位置に基づいて前記通信に使用すべき通信網を特定することを特徴とする付記1又は2に記載の通信装置。
【0072】
(付記4)前記履歴データは、前記通信手段による通信に使用された通信網を識別する網識別子を含み、前記履歴情報管理手段は、前記履歴データを生成して前記記憶手段に記憶させる記録手段と、前記網識別子を前記特定された通信網に関連する履歴データの検索に利用する検索手段とを有している、ことを特徴とする付記1,2又は3に記載の通信装置。
【0073】
(付記5)前記履歴データは、通信相手を識別する固有識別子を含み、前記検索手段は、前記通信手段によって特定された通信網を介して発信が可能な固有識別子を含む履歴データを、前記通信手段によって特定された通信網に関連する履歴データとして検索することを特徴とする付記4に記載の通信装置。
【0074】
(付記6)前記検索手段は、前記特定された通信網を介して発信が可能か否かの判断を、前記網識別子に基づいて行うことを特徴とする付記5に記載の通信装置。
【0075】
(付記7)前記検索手段は、前記特定された通信網を介して発信が可能か否かの判断を、前記網識別子と前記固有識別子とに基づいて行うことを特徴とする付記6に記載の通信装置。
【0076】
(付記8)前記検索手段は、前記特定された通信網を介して発信が可能か否かの判断を、前記網識別子に基づいて行うことを特徴とする付記4に記載の通信装置。
【0077】
(付記9)前記複数の通信網は、公衆無線電話網と少なくとも一つの構内交換網を含むことを特徴とする付記1乃至8のいずれか一つに記載の通信装置。
【0078】
(付記10)付記1乃至8のいずれか一つに記載の通信装置と、前記複数の通信網に含まれる一つ以上の構内交換網をそれぞれ構成する一つ以上の構内交換機と、を有することを特徴とする通信システム。
【0079】
(付記11)前記複数の通信網のうちの一つが公衆無線電話網であることを特徴とする付記10に記載の通信システム。
【0080】
(付記12)無線接続可能な複数の通信網のうちの一つを通信に使用すべき通信網として特定し、記憶部に記憶された通信履歴情報の中から、特定された前記通信網に関連する履歴データを検索し、検索結果を表示部に表示させる、ことを特徴とする通信履歴表示方法。
【0081】
(付記13)通信履歴情報の表示指示を受けて、前記履歴データを検索することを特徴とする通信履歴表示方法。
【0082】
(付記14)無線接続可能な複数の通信網のうちの一つを通信に使用すべき通信網として特定するステップと、記憶部に記憶された通信履歴情報の中から、特定された前記通信網に関連する履歴データを検索するステップと、検索結果を表示部に表示させるステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【0083】
(付記15)通信履歴情報の表示指示を受けるステップをさらに前記コンピュータに実行させ、前記表示指示を受けたとき前記検索するステップを前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記14に記載のプログラム。