【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、グアガム濃度を特定の範囲に合わせることで、離水防止に対する画期的な効果を奏する調味料を見出して本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の課題を解決するための手段は、下記のとおりである。
【0008】
第一に、グアガム(別名:グァーガム、グァーフラワー、グァルガム)0.02〜1重量%を含む、食品からの離水防止効果に優れた液状調味料である。
第二に、キサンタンガム(別名:キサンタン多糖類、ザンサンガム)0.1〜1重量%を含む、上記第一に記載の液状調味料である。
第三に、粘度が10Pa・s以上かつ250Pa・s以下である、上記第一または第二に記載の液状調味料である。
第四に、タマリンドシードガム(別名:タマリンドガム、タマリンド種子多糖類)、タラガム、ローカストビーンガム(別名:カロブビーンガム)の中から選ばれた1種以上を含む、上記第一から第三の何れか一つに記載の液状調味料である。
第五に、調味料がドレッシングまたはソースであることを特徴とする、上記第一から第四の何れか一つに記載の液状調味料である。
第六に、上記第一から第五の何れか一つに記載の液状調味料を使用した食品である。
第七に、上記第一から第五の何れか一つに記載の液状調味料を使用したサラダである。
【0009】
本発明を以下に詳細に説明する。尚、以下の説明において「部」は「重量部」を意味する。
本発明の液状調味料には液状および半固形状の調味料が含まれる。当然のことながら、乳化液状の調味料も本発明の対象となる。液状または半固形状であって流動性を有する調味料であれば、如何なる調味料であっても本発明の対象と成り得るが、コールスロードレッシング、サウザンアイランドドレッシング、シーザーサラダドレッシング、サラダクリーミードレッシング、イタリアンドレッシング、フレンチドレッシング、ロシアンドレッシング、タルタルソース、サルサソース、オーロラソース、フルーツソースなどのドレッシング・ソース類は特に本発明に適している。
【0010】
また、調味料には予めキサンタンガム等のガム類が含まれていても構わない。通常、ドレッシングにはキサンタンガム0.1〜0.3%を含む場合が多いが、調味料に使用するグアガム、キサンタンガム、タラガム、タマリンドシードガム、ローカストビーンガムの添加量によって粘度調整することで本発明を成し遂げることができる。
【0011】
本発明の対象となる食品は、液状または半固形状調味料によって調味加工が可能な食品全般であるが、特に野菜や果物といった離水が問題になる食品に対して効果を発揮する。また、生野菜は勿論のこと、短時間湯通しした野菜や沸騰水浴中で加熱した温野菜、およびそれらの野菜等を使用した所謂サラダに対しても十分な効果を発揮することができる。
【0012】
本発明におけるサラダとは、食用の植物を主体とした食品群を指し、例えば、コールスローサラダ、シーザーサラダ、グリーンサラダ、マカロニサラダ、ポテトサラダ、フルーツサラダ、海藻サラダ、ツナサラダ、春雨サラダ、玉子サラダ、ベーコンエッグサラダなどを挙げることができる。
【0013】
本発明における測定法Aとは、日本農林規格に準拠した方法であり、試料200gを測定容器(UMサンプル瓶(ガラス製)、アズワン株式会社製、容量:200mL、口内径×胴径×高さ(mm):φ47×φ62×109)に充填し、恒温槽中25℃±0.2℃、12時間以上保持し、BH型粘度計(ローター:No.6、回転数:4rpm)で計測し、計測開始後2分の値を測定値とする方法である。
【0014】
本発明における離水は、内容量60mL(開口部内径62φ)のカップにコールスローサラダ40gを入れ、カップ開口部をフィルムで封じた後に10℃における経日的な離水状態を観察・評価した。離水の評価ではカップ底部に貯まった水位を測定して離水状態の指標とした。本発明における離水量は3日後で0.5cm以下、好ましくは0.2cm以下、更に好ましくは0.1cm未満であることが好ましい。
【0015】
本発明では、ドレッシング等の調味料100部にグアガム0.02〜1部、好ましくは 0.02〜0.7部、場合によっては1部以下のキサンタンガムを含み、 野菜等の食品と混和させることで食味に対する影響が少なく離水防止効果に優れたコールスローサラダ等の調味食品を調製できる。このときの調味料の粘度は10〜250Pa・s、好ましくは 10〜150Pa・sが望ましく、特に250Pa・sを超える場合には混和時の作業性が著しく悪化するとともに、ネトツキが増大して食味が顕著に低下する。また、グアガムおよびキサンタンガムに加えてタマリンドシードガム、タラガム、ローカストビーンガムの中から選ばれた1種以上のガム類を添加することで、食味低下に繋がるネトツキを改善すると同時に保水力が増強されることによる離水防止効果の向上を図ることができる。但し、ローカストビーンガムは増粘効果が高く粘度を必要以上に上げることやゲルを形成し易いことから、好ましくはタマリンドシードガムおよび/またはタラガムの使用が推奨される。
また、特開昭61−185161号公報では、キサンタンガムを1.1%含むドレッシングを用いることでサラダからの離水を24時間防止できることが開示されているが、本発明の範囲である0.02〜1.0%という低濃度域においてグアガムが2−3日間に渡ってサラダからの離水を防止できることは全く予期せぬことであった。さらに、キサンタンガムを1.1%含むドレッシングを用いたサラダが喫食に耐え得ることから、キサンタンガムよりも曳糸性の低いグアガムが1.0%を超えた濃度域において著しいネトツキを発現して食味を極端に劣化させることも予想外のことであった。
本発明は、ドレッシング等の調味料に所定濃度のガム類を別々または同時に分散・溶解することで成し遂げることができるが、予めガム類を混合した離水防止製剤を調整して、その製剤を調味料に適量分散・溶解することでも成し遂げることができる。離水防止製剤には添加量を調節するための増量剤としてデキストリンを使用することができる。デキストリンには離水防止効果ないが、澱粉とは異なってネトツキを増大させることがないので、離水防止製剤を設計するときの増量剤として最も有効な素材である。
【0016】
本発明における離水防止やネトツキに関する詳細なメカニズムは明らかではないが、キサンタンガムは、強い曳糸性(糸を曳く性質)を示すことから、濃度を高めるほどネトツキが強くなると推察される。
グアガムは、キサンタンガムと併用すると相乗的に粘度が増加することやキサンタンガムほどではないが曳糸性を示すことが知られている。したがって、グアガムが持つ曳糸性の観点から、グアガムを離水防止目的に使用することはキサンタンガムと同様に十分な離水防止効果がある範囲ではネトツキによる食味劣化が起こるという考えに至ることは容易であり、これまでは特定の濃度範囲でキサンタンガムとは異なってネトツキがなく十分な離水防止効果を発揮するとは想像し得なかった。ましてや共に曳糸性を有するばかりでなく相乗的に粘度が増加するグアガムとキサンタンガムの併用は食味低下の一要因であるネトツキを増大させる以外の何物でもないと考えることが極普通である。しかし、本発明者によって単純なガム類の効果検証に止まらず添加量の調整や組み合わせによる相加・相乗効果を鋭意検討した結果、意外にもグアガムの添加量を規定して有効な粘度範囲を設定することによって食味に対する影響が少なく十分な離水防止効果を奏することが見出された。また、更に意外なことには、グアガムとキサンタンガムの併用においても通常増大すると考えられるネトツキが問題にならず長期保存における食味劣化の原因である食品からの離水防止を実現することができた。
【0017】
更に、本発明では、タラガムおよび/またはタマリンドシードガムを添加することで、食味に対する影響が低減されて離水防止効果が向上する。タマリンドシードガムについては均一な流動性を有することから流体の中でネトツキを低減する方向に働いていると推察される。また、タラガムはキサンタンガムと相互作用することが離水防止効果の向上およびネトツキの低減に役立っていると考えられ、ローカストビーンガムもタラガムと同様に使用することができる。