(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第2の算出部は、ブリッジ部からカットオフ装置に向かう方向においてブリッジ部より下流側の所定位置を通過する片面段ボール、または、ダブルフェーサの下流側の所定位置を通過する両面段ボールの段山の数を検出する請求項2に記載のコルゲートマシン。
スプライサを通して供給される原紙から片面段ボールを生産するシングルフェーサと両面段ボールを生産するダブルフェーサとの間に設けられ、片面段ボールが滞留するブリッジ部と、オーダについて設定された所定シート長に従って、ダブルフェーサから供給された両面段ボールを段ボールシートに切断するカットオフ装置と、カットオフ装置の切断タイミングに合わせてカットパルスを周期的に発生するパルス発生部と、を備えるコルゲートマシンにおいて、
ブリッジ部に入る片面段ボールの段山、および、ブリッジ部から出る片面段ボールの段山をそれぞれ検出し、ブリッジ部に滞留する片面段ボールの段山の数を算出する第1の算出部と、
パルス発生部により連続して発生される複数のカットパルスの発生周期の間にブリッジ部より下流側において搬送される片面段ボールまたは両面段ボールの段山の数を検出し、1つの発生周期当たりの平均段山数を算出する第2の算出部と、
第1の算出部により算出された段山の数を、第2の算出部により算出された平均段山数で除算することにより、ブリッジ部に滞留する片面段ボールの滞留量を、実際に切断される長さの両面段ボールシートの枚数に換算して算出する第3の算出部と、を備える生産管理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
オーダ毎に設定される所定シート枚数の段ボールシートを生産するために、スプライサを介して供給する必要があるライナまたは中芯の供給長さは、滞留長演算部により算出される片面段ボールの滞留長、および、ライナまたは中芯の供給路の長さなどを基に、決定される。コルゲートマシンの生産管理装置は、滞留長演算部により算出される片面段ボールの滞留長を認識することにより、オーダチェンジのタイミングを決定する。特許文献1に記載の算出手段は、ブリッジ部に滞留する片面段ボールの滞留長を算出する精度を向上させることができ、オーダチェンジの際に紙継ぎ部分で生ずるシート不良部分を減少させることができる。
【0005】
しかし、特許文献1に記載の算出手段は、両面段ボールが搬送される距離を計測車により検出する構成であることから、熱膨張およびスリップにより計測誤差が必ず生ずる。また、カットオフ装置が切断する両面段ボールの実際のシート長さは、カットオフ装置の作動部分の慣性などに起因して、各オーダについて設定される所定シート長さと厳密には必ずしも一致せず、許容範囲内における切断誤差がしばしば生ずる。このため、特許文献1に記載の算出手段は計測誤差および切断誤差の影響を受けることから、ブリッジ部に滞留する片面段ボールの滞留長の算出精度を向上させるのに、限界があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、計測車などによる計測誤差およびカットオフ装置の切断誤差に影響されることなく、カットオフ装置の切断タイミングに合わせて発生するカットパルスの1つの発生周期当たりの平均段山数を基に、ブリッジ部に滞留する片面段ボールの滞留量を、実際に切断される長さの両面段ボールシートの枚数に換算して正確に算出することができるコルゲートマシンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(第1の発明態様およびその具体的態様)
上記目的を達成するために、請求項1に記載の第1の発明態様のコルゲートマシンは、スプライサを通して供給される原紙から片面段ボールを生産するシングルフェーサと、両面段ボールを生産するダブルフェーサと、シングルフェーサとダブルフェーサとの間に設けられ、片面段ボールが滞留するブリッジ部と、オーダについて設定された所定シート長に従って、ダブルフェーサから供給された両面段ボールを段ボールシートに切断するカットオフ装置と、カットオフ装置の切断タイミングに合わせてカットパルスを周期的に発生するパルス発生部と、ブリッジ部に入る片面段ボールの段山、および、ブリッジ部から出る片面段ボールの段山をそれぞれ検出し、ブリッジ部に滞留する片面段ボールの段山の数を算出する第1の算出部と、パルス発生部により連続して発生される複数のカットパルスの発生周期の間にブリッジ部より下流側において搬送される片面段ボールまたは両面段ボールの段山の数を検出し、1つの発生周期当たりの平均段山数を算出する第2の算出部と、第1の算出部により算出された段山の数を、第2の算出部により算出された平均段山数で除算することにより、ブリッジ部に滞留する片面段ボールの滞留量を、実際に切断される長さの両面段ボールシートの枚数に換算して算出する第3の算出部と、を備える。
【0008】
第1の発明態様では、第1の算出部は、少なくともブリッジ部の入口からブリッジ部の出口までの間に滞留する片面段ボールの段山の数を算出する構成であれば、いかなる構成でもよい。たとえば、第1の算出部は、シングルフェーサの出口より下流側であってブリッジ部の入口より上流側の特定位置から、ブリッジ部の入口までの間に滞留する片面段ボールを、滞留する片面段ボールとして含む構成でも、ブリッジ部の出口からダブルフェーサの入口より上流側の特定位置までの間に滞留する片面段ボールを、滞留する片面段ボールとして含む構成でもよい。
【0009】
第1の発明態様では、各カットパルスの発生周期の間に搬送される片面段ボールまたは両面段ボールの段山の数は変動するが、この変動する段山の数の平均的な数を算出する構成であれば、第2の算出部による平均段山数の算出方法は限定されない。
【0010】
請求項2に記載の具体的態様では、カットオフ装置が、両面段ボールを切断するために回転可能なナイフシリンダを含み、パルス発生部が、ナイフシリンダの所定回転位相において、カットパルスを発生する。
【0011】
本具体的態様では、ナイフシリンダが両面段ボールを実際に切断するタイミングを把握することができる構成であれば、パルス発生部はいかなる構成でもよい。たとえば、カットオフ装置が、ヘリカルナイフを備える構成であれば、パルス発生部は、ヘリカルナイフの噛合いが開始される回転位相から、その噛合いが終了する回転位相までの間、カットパルスを発生する構成でもよい。
【0012】
請求項3に記載の具体的態様では、第2の算出部が、ブリッジ部からカットオフ装置に向かう方向においてブリッジ部より下流側の所定位置を通過する片面段ボール、または、ダブルフェーサより下流側の所定位置を通過する両面段ボールの段山の数を検出する。
【0013】
本具体的態様では、所定位置は、ブリッジ部の出口より下流側に位置するのであれば、ブリッジ部の出口とダブルフェーサの入口との間に位置しても、ダブルフェーサの出口とカットオフ装置との間に位置してもよい。
【0014】
請求項4に記載の具体的態様では、第2の算出部が、パルス発生部により連続して発生される所定数Nのカットパルスについて、各カットパルスの発生周期の間に搬送される片面段ボールまたは両面段ボールの段山の数をカットパルスの発生周期毎に計数し、所定数N個の個別計数値を算出する個別計数部と、個別計数部によりそれぞれ算出された個別計数値の平均値を算出する平均算出部と、を含む。
【0015】
請求項5に記載の具体的態様では、平均算出部が、個別計数部により算出された所定数N個の個別計数値を、所定数Nのカットパルスにそれぞれ対応付けて記憶する記憶部と、パルス発生部により新たなカットパルスが発生される毎に、所定数Nのカットパルスの中で最先に発生されたカットパルスに対応付けされた個別計数値を、新たなカットパルスに対応付けされた個別計数値に更新して記憶部に記憶させる記憶更新部と、を含む。
【0016】
請求項6に記載の具体的態様では、第2の算出部が、パルス発生部により所定数Nのカットパルスが連続して発生される間に搬送される片面段ボールまたは両面段ボールの段山の総数を計数し、総計数値を算出する総計数部と、総計数部により算出された総計数値を所定数Nで除算し、平均値を算出する除算部と、を含む。
【0017】
請求項5または請求項6に記載の具体的態様では、所定数Nは、平均値を算出するのに充分な値であれば、2以上のいかなる整数でもよい。
【0018】
(第2の発明態様)
上記目的を達成するために、請求項7に記載の第2の発明態様の生産管理装置は、スプライサを通して供給される原紙から片面段ボールを生産するシングルフェーサと両面段ボールを生産するダブルフェーサとの間に設けられ、片面段ボールが滞留するブリッジ部と、オーダについて設定された所定シート長に従って、ダブルフェーサから供給された両面段ボールを段ボールシートに切断するカットオフ装置と、カットオフ装置の切断タイミングに合わせてカットパルスを周期的に発生するパルス発生部と、を備えるコルゲートマシンにおいて、ブリッジ部に入る片面段ボールの段山、および、ブリッジ部から出る片面段ボールの段山をそれぞれ検出し、ブリッジ部に滞留する片面段ボールの段山の数を算出する第1の算出部と、パルス発生部により連続して発生される複数のカットパルスの発生周期の間にブリッジ部より下流側において搬送される片面段ボールまたは両面段ボールの段山の数を検出し、1つの発生周期当たりの平均段山数を算出する第2の算出部と、第1の算出部により算出された段山の数を、第2の算出部により算出された平均段山数で除算することにより、ブリッジ部に滞留する片面段ボールの滞留量を、実際に切断される長さの両面段ボールシートの枚数に換算して算出する第3の算出部と、を備える。
【0019】
第2の発明態様でも、第1の発明態様と同様に、発明の各構成要素は、種々の態様で具体化することができる。
【発明の効果】
【0020】
(第1および第2の発明態様の効果)
各発明態様では、第2の算出部が、パルス発生部により連続して発生される複数のカットパルスの発生周期の間にブリッジ部より下流側において搬送される片面段ボールまたは両面段ボールの段山の数を検出し、1つの発生周期当たりの平均段山数を算出する。第3の算出部が、第1の算出部により算出された段山の数を、第2の算出部により算出された平均段山数で除算することにより、ブリッジ部に滞留する片面段ボールの滞留量を、実際に切断される長さの両面段ボールシートの枚数に換算して算出する。この結果、計測車などによる計測誤差およびカットオフ装置の切断誤差に影響されることなく、ブリッジ部に滞留する片面段ボールの滞留量を、実際に切断される長さの両面段ボールシートの枚数に換算して正確に算出することができる
【0021】
また、各発明態様では、1つのカットパルスの発生周期当たりの平均段山数の算出に当たって、第2の算出部は、連続して発生される複数のカットパルスの発生周期の間にブリッジ部より下流側において搬送される片面段ボールまたは両面段ボールの段山の数を検出する。この結果、第2の算出部は、カットパルスの発生周期の開始時点または終了時点の前後に搬送される段山を、連続する前後いずれかのカットパルスの発生周期の間に検出することができる。これにより、段山の数の検出誤差を低減することができ、平均段山数を精度よく算出することができる。
【0022】
(具体的態様の効果)
請求項2に記載の具体的態様では、カットオフ装置が、両面段ボールを切断するために回転可能なナイフシリンダを含み、パルス発生部が、ナイフシリンダの所定回転位相において、カットパルスを発生する。この結果、ナイフシリンダの回転による実際の切断動作に合わせてカットパルスを発生することから、切断誤差の影響を受けることなく、ブリッジ部に滞留する片面段ボールの滞留量を、実際に切断される長さの両面段ボールシートの枚数に換算して正確に算出することができる。
【0023】
請求項3に記載の具体的態様では、第2の算出部が、ブリッジ部からカットオフ装置に向かう方向においてブリッジ部より下流側の所定位置を通過する片面段ボール、または、ダブルフェーサより下流側の所定位置を通過する両面段ボールの段山の数を検出する。この結果、ブリッジ部において乾燥した後の片面段ボールの段山、またはダブルフェーサの下流側で伸縮が収まった両面段ボールの段山の数を検出することから、カットオフ装置により実際に切断される1枚の両面段ボールシートの段山の数と同等の数を正確に算出することができる。
【0024】
請求項4に記載の具体的態様では、個別計数部が、パルス発生部により連続して発生される所定数Nのカットパルスについて、各カットパルスの発生周期の間に搬送される片面段ボールまたは両面段ボールの段山の数をカットパルスの発生周期毎に計数し、所定数N個の個別計数値を算出する。平均算出部が、個別計数部によりそれぞれ算出された個別計数値の平均値を算出する。この結果、各カットパルスの発生周期の間に搬送される片面段ボールまたは両面段ボールの段山の数の変動に影響されることなく、平均算出部により算出された個別計数値の平均値を基に、ブリッジ部に滞留する片面段ボールの滞留量を、実際に切断される長さの両面段ボールシートの枚数に換算して一層正確に算出することができる。
【0025】
請求項5に記載の具体的態様では、記憶部が、個別計数部により算出された所定数N個の個別計数値を、所定数Nのカットパルスにそれぞれ対応付けて記憶する。記憶更新部が、パルス発生部により新たなカットパルスが発生される毎に、所定数Nのカットパルスの中で最先に発生されたカットパルスに対応付けされた個別計数値を、新たなカットパルスに対応付けされた個別計数値に更新して記憶部に記憶させる。この結果、新たなカットパルスが発生される毎に、記憶部に記憶される個別計数値を更新することから、現在搬送されている片面段ボールまたは両面段ボールについて個別計数値の平均値を基に、ブリッジ部に滞留する片面段ボールの滞留量を、実際に切断される長さの両面段ボールシートの枚数に換算して一層正確に算出することができる。
【0026】
請求項6に記載の具体的態様では、総計数部が、パルス発生部により所定数Nのカットパルスが連続して発生される間に搬送される片面段ボールまたは両面段ボールの段山の総数を計数し、総計数値を算出する。除算部が、総計数部により算出された総計数値を所定数Nで除算し、平均値を算出する。この結果、各カットパルスの発生周期の間に搬送される片面段ボールまたは両面段ボールの段山の数の変動に影響されることなく、除算部により算出された平均値を基に、ブリッジ部に滞留する片面段ボールの滞留量を、実際に切断される長さの両面段ボールシートの枚数に換算して一層正確に算出することができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[第1の実施形態]
本発明を両面段ボールシート生産用のコルゲートマシンに適用した第1の実施形態について、添付図面を参照して以下に説明する。なお、図面において矢印で示す方向に従って、上下方向、左右方向および前後方向が定められる。
【0029】
《機械的構成》
図1は、本実施形態のコルゲートマシン1の外観全体を示す。コルゲートマシン1は、原紙から連続する段ボールを生産する生産エンド3と、連続する段ボールに対して切断などの加工を施して段ボールシートを生産する加工エンド5とからなる。生産エンド3は、多数の生産装置のラインから構成され、たとえば、本実施形態では、ミルロールスタンド110と、シングルフェーサ120と、ブリッジ部130と、グルーマシン140と、ダブルフェーサ150とから構成される。加工エンド5は、多数の加工装置のラインから構成され、たとえば、本実施形態では、スリッタスコアラ160と、カットオフ装置170と、除去装置180と、スタッカ装置190とから構成される。
【0030】
〈生産エンドの構成〉
図2は、生産エンド3の詳細な構成を示す。ミルロールスタンド110(110a〜110c)は、前後方向両側にそれぞれ原紙がロール状に巻かれた紙ロール11(11a〜11c)が装着されるように構成される。ミルロールスタンド110の上部には、紙継ぎを行なうスプライサ13(13a〜13c)が備えられる。一方の紙ロール11から給紙される場合に、他方の紙ロール11が装着され、紙継ぎ準備がなされる。一方の紙ロール11の原紙から他方の紙ロールの原紙に交換する場合、一方の紙ロール11の原紙は、スプライサ13によって他方の紙ロール11の原紙に貼り付けられた状態で、スプライサ13が備えるナイフによって切断される。この結果、一方の紙ロール11の原紙は、スプライサ13によって他方の紙ロール11の原紙に紙継ぎされる。そして、他方の紙ロール11から原紙が供給される間に一方の紙ロール11が装着され紙継ぎ準備がなされる。このようにして、原紙は順次紙継ぎされミルロールスタンド110から下流側へ向けて連続的に繰り出されることになる。紙ロール11の原紙が紙継ぎされる場合には、スプライサ13のスプライスヘッド部において、紙継ぎ部分に薄膜のアルミニウムのテープが貼り付けられる。スプライサ13の構成は、特開2009−18935号公報などにより公知であるので、その詳細な説明は省略する。
【0031】
ミルロールスタンド110は、裏ライナ用ミルロールスタンド110a、中芯用ミルロールスタンド110bおよび表ライナ用ミルロールスタンド110cから構成される。裏ライナ用ミルロールスタンド110aは、シングルフェーサ120に対して、裏ライナ15が巻かれた裏ライナロール11aから裏ライナ15を供給する。中芯用ミルロールスタンド110bは、シングルフェーサ120に対して、段繰り加工される中芯17が巻かれた中芯ロール11bから中芯17を供給する。表ライナ用ミルロールスタンド110cは、ダブルフェーサ150に対して、表ライナ19が巻かれた表ライナロール11cから表ライナ19を供給する。
【0032】
シングルフェーサ120は、上段ロール21と、下段ロール23と、糊付装置25とから構成される。上段ロール21および下段ロール23の周面には、軸線方向に延在する凹部と凸部とが交互に形成される。上段ロール21および下段ロール23は、それぞれの凹部と凸部とが相互に噛合うように設置され、両者の噛合い部で中芯用ミルロールスタンド110bから両者の間に供給される中芯17を段繰りして波状に加工するように構成される。
【0033】
糊付装置25は、上段ロール21の周面における上段ロール21と下段ロール23との噛合い部の回転方向下流側に設置され、中芯17の頂部に糊を付ける機能を有する。裏ライナ用ミルロールスタンド110aから供給される裏ライナ15は、上段ロール21の周面に沿って運ばれ波加工された中芯17と貼り合わされ、これにより片面段ボール27が形成される。片面段ボール27は、裏ライナ15の片面に幅方向に延在する段山が搬送方向に並設された形状を有する。
【0034】
シングルフェーサ120の搬送方向下流側の斜め上方には、テイクアップコンベア29が設置される。テイクアップコンベア29は、一対の無端ベルトで構成され、シングルフェーサ120において形成された片面段ボール27を挟持してブリッジ部130に搬送する機能を有する。ブリッジ部130は、シングルフェーサ120とダブルフェーサ150以降の加工装置との速度差を吸収するために片面段ボール27を一時的に滞留させる。ブリッジ部130は、ダブルフェーサ150により引っ張られる片面段ボール27の搬送にブレーキをかけるためにブレーキスタンド31を備える。2段ヒータ33が、ブレーキスタンド31の下流に配設され、ヒータ33Aおよびヒータ33Bを備える。両ヒータ33A、33Bは、片面段ボール27および表ライナ19をそれぞれ加熱するように構成される。2段ヒータ33は、片面段ボール27と表ライナ19とがグルーマシン140およびダブルフェーサ150により接着される前に接着のために必要な熱量を紙に与える働きを有する。
【0035】
グルーマシン140は、ブリッジ部130とダフルフェーサ150との間に配設されており、片面段ボール29の段山の頂部に糊を付ける糊付装置35を備える。グルーマシン140は、糊付けされた片面段ボール27および表ライナ19をダブルフェーサ150の入口に供給するように構成される。
【0036】
ダブルフェーサ150は、片面段ボール27と表ライナ19とを貼り合わせて両面段ボール37を形成する。ダブルフェーサ150は、複数の熱板39と、複数のウェイトロール41と、上部ベルト43と、下部ベルト45とから構成される。上部ベルト43および下部ベルト45は、両面段ボール37を上下から挟持して搬送する。上部ベルト43および下部ベルト45は、両面段ボール37を一定の速度で搬送するために駆動モータ47により駆動される。
【0037】
〈加工エンドの構成〉
図3は、加工エンド5の詳細な構成を示す。スリッタスコアラ160は、幅広の両面段ボール37を搬送方向に切断するために搬送方向と直交する幅方向に配列された多数のスリッタと、搬送方向に延在する罫線を加工するために幅方向に配列された多数のスコアラとを備える。各オーダに従う所定幅に両面段ボール37を切断するために多数のスリッタの中の複数のスリッタが選択的に作動され、幅方向において位置決め制御されるように構成される。また、各オーダに従う幅方向の間隔で罫線を加工するために多数のスコアラの中の複数のスコアラが選択的に作動され、幅方向において位置決め制御されるように構成される。また、各スコアラは、各オーダ通りの深さの罫線を加工するために上下方向においても位置決め制御されるように構成される。
【0038】
スリッタスコアラ160の各スコアラは、両面段ボール37を挟んで対向配置される上罫線ロール49と下罫線ロール51との組からなる。上罫線ロール49および下罫線ロール51は、それぞれ幅方向および上下方向に移動可能に構成される。上罫線ロール49の円周面には、周方向に連続した凸部が形成される。下罫線ロール51の円周面には、周方向に連続した凹部が形成される。
【0039】
スリッタスコアラ160の各スリッタは、上罫線ロール49および下罫線ロール51の下流側に、両面段ボール37を挟んで対向配置される上スリッタナイフ53と下スリッタナイフ55との組からなる。上スリッタナイフ53および下スリッタナイフ55は、それぞれ幅方向および上下方向に移動可能に構成される。
【0040】
カットオフ装置170は、スリッタスコアラ160によって搬送方向に切断された両面段ボール37を幅方向に切断し、板状の両面段ボールシート57を形成する。カットオフ装置170は、各オーダに従う所定シート長に両面段ボール37を切断するために回転が制御される上ナイフシリンダ59と下ナイフシリンダ61とを備える。上ナイフシリンダ59および下ナイフシリンダ61は、両面段ボール37を挟んで対向配置され、相互に反対方向に回転されるように構成される。上ナイフシリンダ59の周面には幅方向に延設されたナイフが備えられ、下ナイフシリンダ61の周面には幅方向に延設されたナイフが備えられる。上ナイフシリンダ59および下ナイフシリンダ61が回転して両ナイフが噛合うことにより両面段ボール37は幅方向に切断されるように構成される。
【0041】
カットオフ装置170の下流側には、搬送路切換部材63を備えた除去装置180が設けられる。搬送路切換部材63は、不良段ボールシートを下方に案内するように構成される。搬送路切換部材63の下方には、不良段ボールシートを収納する収納箱65が設置される。スタッカ装置190は、搬送コンベア67により搬送される両面段ボールシート57を積み上げ、製品として機外に排出する。
【0042】
〈各種の検出器の構成〉
本実施形態では、ブリッジ部130に滞留する片面段ボール27の滞留量を算出するために、多数の検出器が配置される。
図2および
図3を参照して、各検出器の配置および構成について説明する。
【0043】
(テープ検出器)
上流側テープ検出器DA1が、シングルフェーサ120より下流側であって、テイクアップコンベア29の入口側の所定位置に配置される。下流側テープ検出器DA2が、ダブルフェーサ150の上流側であって、2段ヒータ33のヒータ33Aの出口側の所定位置に配置される。上流側テープ検出器DA1は、片面段ボール27の紙継ぎ部分に貼り付けられたアルミニウムのテープの通過を検出して、テープ検出信号を発生する。下流側テープ検出器DA2も、紙継ぎ部分に貼り付けられたアルミニウムのテープの通過を検出して、テープ検出信号を発生する。本実施形態では、両テープ検出器DA1、DA2は、アルミニウムのテープに向けて光を照射し、その反射光を検出する光学検出器から構成される。
【0044】
(段山検出器)
上流側段山検出器DB1は、下段ロール23に連結されたエンコーダを備え、上段ロール21および下段ロール23により1つの段山が形成される角度だけエンコーダが回転する度に、段山検出信号を発生する。下流側段山検出器DB2は、ダブルフェーサ150の入口側の所定位置に配置され、2段ヒータ33のヒータ33Aから搬出される片面段ボール27の1つの段山を検出する度に、段山検出信号を発生する。本実施形態では、下流側段山検出器DB2は、反射型光センサから構成される。両段山検出器DB1、DB2の基本的な構成は、特開平7−47622号公報などにより公知であるので、その詳細な説明は省略する。
【0045】
(カット検出器)
カットオフ装置170の上ナイフシリンダ59および下ナイフシリンダ61が両面段ボール37を実際に切断するタイミングを検出するために、カット検出器DCTは、下ナイフシリンダ61に連結されたエンコーダを備える。上ナイフシリンダ59および下ナイフシリンダ61が噛み合う所定の回転角度位相にエンコーダが達する度に、カット検出器DCTはカットパルスを発生する。
【0046】
《電気的構成》
本実施形態のコルゲートマシン1の電気的構成について、添付図面を参照して以下に説明する。
図4は、本実施形態のコルゲートマシン1の電気的構成を示すブロック図である。
図4に示すように、コルゲートマシン1において両面段ボール37の生産および加工を全般的に管理するために、公知のコンピュータから構成される管理制御装置200が設けられる。
【0047】
管理制御装置200は、コルゲートマシン1で実行されるべき多数のオーダの全てのオーダに関する生産計画を入力され、その内部に記憶する。管理制御装置200は、記憶した生産計画に基づいて、生産エンド3に配列された各生産装置と加工エンド5に配列された各加工装置との運転指令計画を作成する。生産計画は、各オーダに関する両面段ボールシート57のサイズ、生産数量、オーダ通りの段ボールシート57を生産するためのスリッタおよびスコアラの加工位置などを表す一連のデータからなる。
【0048】
管理制御装置200は、作成した運転指令計画に従って、スプライサ13を含むミルロールスタンド110、シングルフェーサ120、ブリッジ部130、グルーマシン140、ダブルフェーサ150などからなる生産装置群155の運転を制御するために、生産ライン制御装置210に各生産装置の運転指令を供給するように構成される。生産ライン制御装置210は、運転指令に従って、各生産装置を駆動する駆動機構220の動作を制御するように構成される。駆動機構220は、スプライサ13を駆動する駆動機構、上段ロール21および下段ロール23を駆動する駆動機構、テイクアップコンベア29を駆動する駆動機構、ブレーキスタンド31を駆動する駆動機構、2段ヒータ33を加熱する加熱機構、熱板39を加熱する加熱機構、上部ベルト43および下部ベルト45を駆動する駆動モータ47などを含むもので、その構成は公知である。
【0049】
管理制御装置200は、作成した運転指令計画に従って、スリッタスコアラ160、カットオフ装置170、除去装置180、スタッカ装置190などからなる加工装置群195の運転を制御するために、加工ライン制御装置230に各加工装置の運転指令を供給するように構成される。加工ライン制御装置230は、運転指令に従って、各生産装置を駆動する駆動機構240の動作を制御するように構成される。駆動機構240は、スリッタスコアラ160の各スコアラを構成する上罫線ロール49および下罫線ロール51と、各スリッタを構成する上スリッタナイフ53および下スリッタナイフ55とをそれぞれ回転させる駆動モータ、両罫線ロール49、51の組の幅方向および上下方向の加工位置の位置決めを行うサーボモータ、両スリッタナイフ53、55の上下動および幅方向の加工位置の位置決めを行うサーボモータ、カットオフ装置170の上ナイフシリンダ59および下ナイフシリンダ61の組を回転させる駆動モータ、除去装置180を駆動する駆動機構、スタッカ装置190を駆動する駆動機構などを含むもので、その構成は公知である。
【0050】
管理制御装置200は、プログラムメモリ250と作業メモリ260とにそれぞれ接続される。プログラムメモリ250は、管理制御装置200の主制御ルーチン、
図5に示す滞留段山数算出ルーチン、
図6に示す平均段山数算出ルーチン、
図7に示す紙継ぎ制御ルーチンなどのプログラムを固定記憶すると共に、各種の設定値を固定記憶する。
【0051】
作業メモリ260は、管理制御装置200による演算処理結果を一時記憶する。具体的には、作業メモリ260は、滞留段山数算出ルーチンの実行時に使用される初期滞留段山カウンタKのカウンタ値、および滞留段山カウンタCKのカウンタ値などを記憶する。また、作業メモリ260は、平均段山数算出ルーチンの実行時に使用される所定数NのレジスタR(1)〜R(N)を有するとともに、平均段山数算出ルーチンの実行時に使用されるカットカウンタPのカウンタ値、および段山カウンタSDのカウンタ値などを記憶する。さらに、作業メモリ260は、オーダが実行されている間にカットオフ装置170により切断された両面段ボールシート57のシート枚数をカウントするために、カット検出器DCTから発生されるカットパルスをカウントするシート枚数カウンタのカウント値である切断済シート枚数SC1を記憶する。
【0052】
プログラムメモリ250が記憶する各種の設定値として、裏ライナ上流側経路長LA1、下流側経路長LA2、中芯上流側経路長LB1、波状中芯上流側経路長LB2および表ライナ経路長LCが設定される。裏ライナ上流側経路長LA1は、スプライサ13aが備えるナイフの配置位置から上流側テープ検出器DA1の配置位置までの間に定められた裏ライナ15および片面段ボール27の搬送経路の長さである。下流側経路長LA2は、下流側テープ検出器DA2の配置位置からカットオフ装置170の両ナイフシリンダ59、61の配置位置までの間に定められた片面段ボール27および両面段ボール37の搬送経路の長さである。中芯上流側経路長LB1は、スプライサ13bが備えるナイフの配置位置から、上段ロール21および下段ロール23が噛み合う位置までの間に定められた中芯17の搬送経路の長さである。波状中芯上流側経路長LB2は、上段ロール21および下段ロール23が噛み合う位置から、上流側テープ検出器DA1の配置位置までの間に定められた波状中芯17および片面段ボール27の搬送経路の長さである。表ライナ経路長LCは、スプライサ13cが備えるナイフの配置位置からカットオフ装置170の両ナイフシリンダ59、61の配置位置までの間に定められた表ライナ19および両面段ボール37の搬送経路の長さである。これらの経路長LA1、LA2、LB1、LB2、LCは、コルゲートマシン1の機械的構成から定められる。
【0053】
管理制御装置200は、操作パネル270に接続される。操作パネル270は、ロット開始ボタン271を含む。ロット開始ボタン271は、1つのロットを開始されるためにユーザが操作可能なボタンである。本実施形態では、ロットとは、両面段ボールシート57を生産する裏ライナ、中芯、および表ライナの原紙の種類、およびフルートの種類が同じである生産計画である。
【0054】
管理制御装置200は、両テープ検出器DA1、DA2、両段山検出器DB1、DB2、および、カット検出器DCTにそれぞれ接続される。
【0055】
《第1の実施形態の動作および作用》
本実施形態のコルゲートマシン1の動作および作用について、図面を参照して以下に説明する。通常、1つのロットは、複数のオーダを含む。ここで、複数のオーダは、原紙の種類およびフルートの種類が同じであるが、両面段ボールシート57のシート長またはシート幅などのサイズ仕様が異なる一連の生産計画である。しかし、本実施形態では、説明を簡単にするために、1つのオーダのみからなる1つのロットを実行する場合に、本実施形態の動作および作用について以下に説明する。なお、
図5〜
図7に示す各ステップは、管理制御装置200が行う処理を示す。
【0056】
コルゲートマシン1に電源が投入されると、主制御ルーチンが開始され、管理制御装置200による制御処理が開始される。ユーザが、操作パネル270のロット開始ボタン271を操作すると、管理制御装置200は、ロットを実行するための運転指令計画に従って、生産ライン制御装置210および加工ライン制御装置230に運転指令を供給して、生産装置群155および加工装置群195を動作させる。ロット開始ボタン271が操作されると、
図5〜
図7に示すルーチンの実行がそれぞれ開始される。
【0057】
〈滞留段山数算出処理〉
図5に示す滞留段山数算出処理について説明する。先ず、初期滞留段山カウンタKが「0」に設定される(S1)。初期滞留段山カウンタKは、アルミニウムのテープが貼り付けられた紙継ぎ部分がブリッジ部130を通過した初期の段階において、ブリッジ部130に滞留する片面段ボール27の段山数をカウントする。
【0058】
滞留段山カウンタCKが「0」に設定される(S2)。滞留段山カウンタCKは、紙継ぎ部分がブリッジ部130を通過した初期の段階以降において、ブリッジ部130に滞留する片面段ボール27の段山数をカウントする。
【0059】
上流側テープ検出器DA1がアルミニウムのテープの通過を検出したか否かが判断される(S3)。テープの通過を検出しないとき(S3:NO)、S3の判断が繰り返される。テープの通過を検出したとき(S3:YES)、処理がS4の処理に進められる。
【0060】
上流側段山検出器DB1が1つの段山が形成されたことを示す段山検出信号を発生したか否かが判断される(S4)。段山検出信号が発生したとき(S4:YES)、処理がS5の処理に進められる。段山検出信号が発生しないとき(S4:NO)、処理がS6の処理に進められる。
【0061】
初期滞留段山カウンタKが「1」だけインクリメントされる(S5)。すなわち、初期滞留段山カウンタKは1つの段山検出信号をカウントして、そのカウント値は「1」だけ増加する。
【0062】
下流側テープ検出器DA2がアルミニウムのテープの通過を検出したか否かが判断される(S6)。テープの通過を検出しないとき(S6:NO)、処理がS4の判断に戻される。テープの通過を検出したとき(S6:YES)、処理がS7の処理に進められる。
【0063】
初期滞留段山カウンタKのカウント値が滞留段山カウンタCKに設定される(S7)。すなわち、テープが上流側テープ検出器DA1を通過してから下流側テープ検出器DA2を通過するまでの間に、初期滞留段山カウンタKがカウントした段山の数であるカウント値が滞留段山カウンタCKに設定される。
【0064】
上流側段山検出器DB1が1つの段山が形成されたことを示す段山検出信号を発生したか否かが判断される(S8)。段山検出信号が発生したとき(S8:YES)、処理がS9の処理に進められる。段山検出信号が発生しないとき(S8:NO)、処理がS10の処理に進められる。
【0065】
滞留段山カウンタCKが「1」だけインクリメントされる(S9)。すなわち、滞留段山カウンタCKは1つの段山検出信号をカウントして、そのカウント値は「1」だけ増加する。
【0066】
下流側段山検出器DB2が1つの段山が通過したことを示す段山検出信号を発生したか否かが判断される(S10)。段山検出信号が発生したとき(S10:YES)、処理がS11の処理に進められる。段山検出信号が発生しないとき(S10:NO)、処理がS12の処理に進められる。
【0067】
滞留段山カウンタCKが「1」だけデクリメントされる(S11)。すなわち、滞留段山カウンタCKは1つの段山検出信号をカウントして、そのカウント値は「1」だけ減少する。
【0068】
紙継ぎ指令が発生したか否かが判断される(S12)。紙継ぎ指令が発生しないとき(S12:NO)、処理がS8の処理に戻される。紙継ぎ指令が発生したとき(S12:YES)、滞留山数算出処理が終了する。紙継ぎ指令は、
図7に示すS52の処理により発生される。紙継ぎ指令が発生されると、1つのロットが終了する。
【0069】
〈平均段山数算出処理〉
図6に示す平均段山数算出処理について説明する。先ず、所定数NのレジスタR(1)〜R(N)がクリアされて「0」に設定される(S20)。各レジスタは、カット検出器DCTから発生されるカットパルスの1つの発生周期の間に、下流側段山検出器DB2から発生される段山検出信号の数、すなわち段山数を記憶する。本実施形態では、所定数Nは、平均段山数を算出するためにサンプリングされるカットパルスの数であり、「100」に予め定められる。
【0070】
カットカウンタPが「1」に設定される(S21)。カットカウンタPは、カット検出器DCTから発生されるカットパルスをカウントする。カットカウンタPのカウント値「1」〜「N」は、レジスタR(1)〜R(N)にそれぞれ対応付けられる。
【0071】
リング段山合計値Sが「0」に設定される(S22)。すなわち、作業メモリ260に記憶されるリング段山合計値Sがクリアされる。リング段山合計値Sは、レジスタR(1)〜R(N)が記憶する段山数を合計した値である。
【0072】
初回算出フラグFがセット状態を示す「1」に設定される(S23)。初回算出フラグFは、レジスタR(1)〜R(N)がクリアされてから全てのレジスタに段山数が記憶されるまでの初回の算出状態を示すセット状態「1」であるのか、2回目以降の算出状態を示すリセット状態「0」であるのかを識別するためのフラグであり、作業メモリ260に記憶される。
【0073】
カットパルスが発生されたか否かが判断される(S24)。カットパルスが発生されないとき(S24:NO)、S24の判断が繰り返される。カットパルスが発生されたとき(S24:YES)、処理がS25の処理に進められる。
【0074】
段山カウンタSDが「0」に設定される(S25)。段山カウンタSDは、カットパルスの1つの発生周期の間に、下流側段山検出器DB2から発生される段山検出信号をカウントする。
【0075】
下流側段山検出器DB2が1つの段山が通過したことを示す段山検出信号を発生したか否かが判断される(S26)。段山検出信号が発生したとき(S26:YES)、処理がS27の処理に進められる。段山検出信号が発生しないとき(S26:NO)、処理がS28の処理に進められる。
【0076】
段山カウンタSDが「1」だけインクリメントされる(S27)。すなわち、段山カウンタSDは1つの段山検出信号をカウントして、そのカウント値は「1」だけ増加する。
【0077】
カットパルスが発生されたか否かが判断される(S28)。カットパルスが発生されないとき(S28:NO)、処理がS26に戻される。カットパルスが発生されたとき(S28:YES)、処理がS29の処理に進められる。
【0078】
レジスタR(P)が記憶する段山数をリング段山合計値Sから減算して、その減算結果がリング段山合計値Sとして記憶される。また、リング段山合計値Sに段山カウンタSDのカウント値を加算して、その加算結果がリング段山合計値Sとして記憶される。さらに、段山カウンタSDのカウント値がレジスタR(P)に記憶される(S29)。
【0079】
カットカウンタPが「1」だけインクリメントされる(S30)。すなわち、カットカウンタPは1つのカットパルスをカウントして、そのカウント値は「1」だけ増加する。
【0080】
カットカウンタPのカウント値が所定数Nより大きいか否かが判断される(S31)。カウント値が所定数Nより大きいとき(S31:YES)、処理がS32の処理に進められる。カウント値が所定数N以下であるとき(S31:NO)、処理がS33の処理に進められる。
【0081】
カットカウンタPが「1」に設定される。また、初回算出フラグFがリセット状態を示す「0」に設定される(S32)。
【0082】
初回算出フラグFが「1」であるか否かが判断される(S33)。初回算出フラグFが「1」でないとき(S33:NO)、処理がS34の処理に進められる。初回算出フラグFが「1」であるとき(S33:YES)、処理がS35の処理に進められる。
【0083】
平均段山数DAが、リング段山合計値Sを所定数Nで除算することにより、算出される(S34)。平均段山数DAは、作業メモリ260に一時記憶される。本実施形態では、平均段山数DAは、小数点以下の数値、たとえば、少数点以下3桁の数値で表される。
【0084】
紙継ぎ指令が発生したか否かが判断される(S35)。紙継ぎ指令が発生しないとき(S35:NO)、処理がS25の処理に戻される。紙継ぎ指令が発生したとき(S35:YES)、平均段山数算出処理が終了する。紙継ぎ指令は、
図7に示すS52の処理により発生される。紙継ぎ指令が発生されると、1つのロットが終了する。
【0085】
〈紙継ぎ制御処理〉
図7に示す紙継ぎ制御処理について説明する。裏ライナ15の原紙、および中芯17の原紙の紙継ぎ動作は、ブリッジ部130における片面段ボール27の滞留量に関係して実行されることから、先ず、裏ライナ15の原紙の紙継ぎ動作について詳細に説明する。なお、管理制御装置200は、実行されるロットの生産計画に従って、両面段ボールシート57の所定シート枚数SS、および搬送方向のシート長LSなどの仕様を、加工ライン制御装置230に指令する。
【0086】
(裏ライナの原紙の紙継ぎ動作)
上流側シート枚数SN1が算出される(S40)。詳細には、上流側シート枚数SN1が、プログラムメモリ250に固定記憶された裏ライナ上流側経路長LA1を搬送方向のシート長LSで除算することにより、算出される。本実施形態では、平均段山数DAは、小数点以下の数値、たとえば、少数点以下3桁の数値で表されることから、上流側シート枚数SN1も、小数点以下の数値、たとえば、少数点以下3桁の数値で表される。
【0087】
下流側シート枚数SN2が算出される(S41)。詳細には、下流側シート枚数SN2が、プログラムメモリ250に固定記憶された下流側経路長LA2を搬送方向のシート長LSで除算することにより、算出される。本実施形態では、平均段山数DAは、小数点以下の数値、たとえば、少数点以下3桁の数値で表されることから、下流側シート枚数SN2も、小数点以下の数値、たとえば、少数点以下3桁の数値で表される。
【0088】
切断済シート枚数SC1が取得される(S42)。管理制御装置200は、ロット開始ボタン271が操作されたときにカウント動作を開始するシート枚数カウンタを備える。シート枚数カウンタは、カット検出器DCTからのカットパルスをカウントし、ロットが終了したときにクリアされる。切断済シート枚数SC1は、シート枚数カウンタのカウント値を読み取ることにより、取得される。
【0089】
切断済シート枚数SC1が所定数Nより大きいか否かが判断される(S44)。所定数Nは、平均段山数を算出するためにサンプリングされるカットパルスの数であり、本実施形態では、「100」に予め定められる。S44においては、ロット開始ボタン271が操作されてから、切断済シート枚数SC1が100枚を越え、
図6に示す平均段山数算出処理においてレジスタR(1)〜R(N)の全てに段山数が記憶されるまでの初回の算出状態に達したのか否かが判断される。切断済シート枚数SC1が所定数N以下のとき(S43:NO)、処理がS42の処理に戻される。切断済シート枚数SC1が所定数Nより大きいとき(S43:YES)、処理がS44の処理に進められる。
【0090】
滞留段山数DCKが、滞留段山カウンタCKのカウント値を読み取ることにより、取得される(S44)。滞留段山カウンタCKは、
図5に示す滞留段山数算出処理に従って、ロットが実行されている間、カウント動作を継続している。
【0091】
平均段山数DAが、作業メモリ260から読み出すことにより、取得される(S45)。平均段山数DAは、
図6に示す平均段山数算出処理に従って、ロットが実行されている間、逐次算出され、最新の平均段山数DAに更新されて作業メモリ260に記憶される。
【0092】
滞留シート枚数SN3が、滞留段山数DCKを平均段山数DAで除算することにより、算出される(S46)。本実施形態では、平均段山数DAは、小数点以下の数値、たとえば、少数点以下3桁の数値で表されることから、滞留シート枚数SN3も、小数点以下の数値、たとえば、少数点以下3桁の数値で表される。
【0093】
切断済シート枚数SC1が、シート枚数カウンタのカウント値を読み取ることにより、取得される(S47)。
【0094】
未切断シート枚数SC2が算出される(S48)。未切断シート枚数SC2は、上流側シート枚数SN1と、下流側シート枚数SN2と、滞留シート枚数SN3とを合計することにより、算出される。本実施形態では、未切断シート枚数SC2は、小数点以下の数値、たとえば、少数点以下3桁の数値で表される。
【0095】
生産必要シート枚数SC3が算出される(S49)。生産必要シート枚数SC3は、実行されるロットの所定シート枚数SSから、切断済シート枚数SC1と、未切断シート枚数SC2とを引き算することにより、算出される。本実施形態では、生産必要シート枚数SC3は、小数点以下の数値、たとえば、少数点以下3桁の数値で表される。
【0096】
生産必要シート枚数SC3が数値「1」より大きいか否かが判断される(S50)。生産必要シート枚数SC3が数値「1」より大きいとき(S50:YES)、処理がS44の処理に戻され、S44〜S49の処理が繰り返される。生産必要シート枚数SC3が数値「1」以下であるとき(S50:NO)、処理がS51の処理に進められる。
【0097】
裏ライナ15の原紙の送り量が算出される(S51)。裏ライナ15の原紙の送り量は、数値「1」以下になった生産必要シート枚数SC3に、実行されるロットのシート長LSを掛け算し、その掛け算の結果に余裕長を加えることにより、算出される。余裕長は、現在実行されているロットに使用された裏ライナ15の旧原紙と、次に実行されるロットに使用される裏ライナ15の新原紙とを継ぎ合せるのに必要な長さである。
【0098】
紙継ぎ指令が発生されて生産ライン制御装置210に供給される(S52)。紙継ぎ指令の発生により、紙継ぎ制御処理が終了する。生産ライン制御装置210は、紙継ぎ指令に従って、S51により算出された送り量だけ裏ライナ15の旧原紙が繰り出されるようにスプライサ13aを制御する。
【0099】
(中芯の原紙の紙継ぎ動作)
表ライナの原紙の紙継ぎ動作について説明する。中芯の原紙の紙継ぎ動作は、
図7に示すS40およびS51の処理について、前述した裏ライナの原紙の紙継ぎ動作と相違するのみである。
【0100】
中芯17について、上流側シート枚数SN1が算出される(S40)。詳細には、中芯上流側経路長LB1に相当する長さの中芯17から生産される片面段ボール27の換算長さが、実行されるロットのフルートの種類に応じた段山の高さ、および段山のピッチに基いて算出される。上流側シート枚数SN1は、この換算長さと、波状中芯上流側経路長LB2とを合計した合計値を、ロットの所定シート長LSで除算することにより、算出される。
【0101】
中芯17について、
図7に示すS41〜S50の処理が実行される。S50の処理の後に、中芯17の原紙の送り量が算出される(S51)。S51の処理において、先ず、生産必要シート枚数SC3に、実行されるロットのシート長LSを掛け算する。この掛け算の結果から、実行されるロットのフルートの種類に応じた段山の高さ、および段山のピッチに基いて、波状に成形されていない状態の中芯の換算長さが算出される。中芯17の原紙の送り量は、中芯の換算長さに余裕長を加えることにより、算出される。余裕長は、現在実行されているロットに使用された中芯17の旧原紙と、次に実行されるロットに使用される中芯17の新原紙とを継ぎ合せるのに必要な長さである。
【0102】
S51の処理の後に、S52の処理が実行され、中芯17について、紙継ぎ指令が発生されて生産ライン制御装置210に供給される。生産ライン制御装置210は、紙継ぎ指令に従って、S51により算出された送り量だけ中芯15の旧原紙が繰り出されるようにスプライサ13bを制御する。
【0103】
(表ライナの原紙の紙継ぎ動作)
表ライナ19の紙継ぎ動作は、ブリッジ部130における片面段ボール27の滞留量に関係しないことから、
図7に示す紙継ぎ制御処理とは異なる処理に従って、実行される。具体的には、先ず、未切断シート枚数SC2に相当する未切断シート枚数が、表ライナ経路長LCをロットのシート長LSで除算することにより、算出される。次に、生産必要シート枚数SC3が、ロットの所定シート枚数SSから、切断済シート枚数SC1と、算出された未切断シート枚数とを引き算することにより、算出される。
【0104】
生産必要シート枚数SC3が、
図7に示すS50の判断と同様に、数値「1」より大きいか否かが判断される。生産必要シート枚数SC3が数値「1」より大きいとき、生産必要シート枚数SC3の算出処理が繰り返される。生産必要シート枚数SC3が数値「1」以下であるとき、
図7に示すS51およびS52の処理と同様に、表ライナ19の原紙の送り量が算出され、表ライナ19の原紙の紙継ぎ指令が発生される。これにより、生産ライン制御装置210は、紙継ぎ指令に従って、算出された送り量だけ表ライナ19の旧原紙が繰り出されるようにスプライサ13cを制御する。
【0105】
〈具体例〉
裏ライナ15の原紙の紙継ぎ動作について、具体例を挙げて説明する。実行されるロットについて、所定シート枚数SSは、2000枚、所定シート長LSは、120cm、フルートの種類は、30cm当たり35個の段山を有するAフルートとする。裏ライナ上流側経路長LA1は、2705cm、下流側経路長LA2は、2810cmとする。
【0106】
上流側テープ検出器DA1の配置位置から下流側テープ検出器DA2までの間の搬送経路に滞留する片面段ボール27の滞留長は、裏ライナ上流側経路長LA1または下流側経路長LA2より極めて長く、通常、10000cm程度になる。上流側テープ検出器DA1の配置位置から下流側テープ検出器DA2までの間の搬送経路に滞留する片面段ボール27の段山の数、すなわち滞留段山カウンタCKのカウント値である滞留段山数DCKは、この長い滞留長を基に、14012個と仮定する。また、
図6に示すS34の処理により算出された平均段山数DAは、小数点以下3桁で表し、140.010個とする。
【0107】
上記の通りの条件において、上流側シート枚数SN1は、小数点以下3桁で表し、2705/120=22.541枚となる。下流側シート枚数SN2は、小数点以下3桁で表し、2810/120=23.416枚となる。滞留シート枚数SN3は、14012/140.010=100.078枚となる。未切断シート枚数SC2は、シート枚数SN1〜SN3の合計値であるので、146.035枚となる。
【0108】
ここで、カットオフ装置170により既に切断された両面段ボールシート57の枚数である切断済シート枚数SC1は、1853枚とする。この場合、生産必要シート枚数SC3は、(2000−1853−146.035)=0.965枚となる。
図7に示すS51の処理により算出される裏ライナ15の原紙送り量は、(0.965×120)cmに、余裕長を加えた数値となる。通常、余裕長は、30cm程度に設定される。
【0109】
《第1の実施形態の効果》
本実施形態では、ブリッジ部130に滞留する片面段ボール27の滞留量、すなわち上流側テープ検出器DA1の配置位置から下流側テープ検出器DA2の配置位置までの間の搬送経路に滞留する片面段ボール27の滞留量が、
図7に示すS46の処理により、滞留シート枚数SN3に換算される。この結果、前ロットの最後のシートの実際の切断位置を切断予想位置と一致させることができ、シート不良部分を低減させることができる。このシート不良部分の低減効果について、
図8の(A)〜(D)を参照して説明する。
【0110】
図8に示す矢印FDは、両面段ボール37が搬送される方向を示す。
図8の(A)は、従来のコルゲートマシンにおいて、前ロットの最後のシートであるm枚目シートの実際の切断位置PCTが、m枚目シートの切断予測位置PS1より、最大誤差分ERだけ上流側に外れた状態を示す。反対に、
図8の(B)は、従来のコルゲートマシンにおいて、前ロットの最後のシートであるm枚目シートの実際の切断位置PCTが、m枚目シートの切断予測位置PS2より、最大誤差分ERだけ下流側に外れた状態を示す。この最大誤差分ERは、切断誤差、計測誤差などに起因して生ずる。余裕長LEのシートが、m枚目シートの後端に連続して設けられ、後ロットの1枚目シートが余裕長LEのシートの後端に連続する。アルミニウムのテープTPが、余裕長LEのシートに貼り付けられ、前ロットの原紙と後ロットの原紙とが紙継ぎされる。
図8の(A)に示すように、m枚目シートが、余裕長LEのシートの一部を含んで切断されることを避ける必要がある。このため、
図8の(C)に示すように、従来のコルゲートマシンにおいては、m枚目シートの切断予測位置PSより上流側に、最大誤差分ERおよび余裕長LEの合計長さのシート部分を設けて生産計画を作成する必要がある。
【0111】
これに対し、本実施形態では、
図8の(D)に示すように、m枚目シートの実際の切断位置PCTが、切断予測位置とほとんど一致することから、切断予測位置の上流側に最大誤差分ERのシート部分を設ける必要がない。従って、最大誤差分ERだけ、シート不良部分を低減させることができる。通常、多数のロット換えが毎日実行されることから、最大誤差分ERにロット換えの回数を乗算したシート長が、シート不良部分となることを防ぐことができる。
【0112】
本実施形態では、カット検出器DCTが、両ナイフシリンダ59、61により両面段ボール37を実際に切断するタイミングで、カットパルスを発生する構成である。この結果、カットオフ装置170の切断動作を制御する制御信号を基にカットパルスを生成する構成に比べ、カットオフ装置170の作動部分の慣性などに起因する切断誤差が、滞留シート枚数SN3の精度に影響を与えることを防ぐことができる。
【0113】
本実施形態では、下流側段山検出器DB2が、ブリッジ部130の出口とダブルフェーサ150の入口との間の搬送経路に配置され、片面段ボール27の段山を検出する。この結果、両面段ボール37の段山を検出する構成に比べ、表ライナの存在が検出精度に影響することがなく、片面段ボール27の段山を精度良く検出することができる。
【0114】
本実施形態では、
図6に示す平均段山数算出処理におけるS29の処理により、レジスタR(1)〜R(N)のうちで、最先に段山数を記憶したレジスタR(P)の内容が、段山カウンタSDがカウントした最新の段山数に更新される。この結果、下流側段山検出器DB2により検出される段山の現在の状況に応じた平均段山数DAを算出することができる。
【0115】
本実施形態では、裏ライナについて、上流側シート枚数SN1が、裏ライナ上流側経路長LA1をシート長LSで除算することにより、算出され、下流側シート枚数SN2が、下流側経路長LA2をシート長LSで除算することにより、算出される。この結果、片面段ボールが裏ライナ上流側経路長LA1だけ実際に搬送される間に片面段ボールの段山の数を測定して上流側シート枚数を算出し、両面段ボールが下流側経路長LA2だけ実際に搬送される間に両面段ボールの段山の数を測定して下流側シート枚数を算出する構成に比べ、上流側シート枚数および下流側シート枚数を簡易に算出することができる。
【0116】
[第2の実施形態]
本発明を両面段ボールシート生産用のコルゲートマシンに適用した第2の実施形態について、添付図面を参照して以下に説明する。第2の実施形態は、平均段山数算出ルーチンについて第1の実施形態と相違するので、この相違する平均段山数算出ルーチンについてのみ説明する。第2の実施形態において、第1の実施形態と同じ構成部分については同じ記号または番号を付して説明する。
【0117】
《電気的構成》
第2の実施形態の電気的構成は、プログラムメモリ250および作業メモリ260の記憶内容について第1の実施形態と異なるのみで、他の電気的構成については同じである。プログラムメモリ250は、
図6に示す平均段山数算出ルーチンに代えて、
図9に示す平均段山数ルーチンを固定記憶する。作業メモリ260は、
図6に示す段山カウンタSDに代えて、合計段山カウンタSTのカウンタ値を記憶し、
図6に示すレジスタR(1)〜R(N)を有しない。
【0118】
《第2の実施形態の動作および作用》
〈平均段山数算出処理〉
図9に示す平均段山数算出処理について説明する。平均段山数算出処理は、ユーザがロット開始ボタン271を操作したときに開始される。
図9に示す各処理は、管理制御装置200が実行する処理である。
【0119】
先ず、合計段山カウンタSTが「0」に設定される(S60)。合計段山カウンタSTは、ロット開始ボタン271が操作された後に、カットパルスがカット検出器DCTから最初に発生されてから、所定数Nのカットパルスが発生されるまでの間に、下流側段山検出器DB2から発生される段山検出信号をカウントする。本実施形態では、所定数Nは、「100」に予め定められる。
【0120】
カットカウンタPが「1」に設定される(S61)。カットカウンタPは、ロット開始ボタン271が操作された後に、カット検出器DCTから発生されるカットパルスをカウントする。
【0121】
カットパルスが発生されたか否かが判断される(S62)。カットパルスが発生されないとき(S62:NO)、S62の判断が繰り返される。カットパルスが発生されたとき(S62:YES)、処理がS63の処理に進められる。
【0122】
下流側段山検出器DB2が1つの段山が通過したことを示す段山検出信号を発生したか否かが判断される(S63)。段山検出信号が発生したとき(S63:YES)、処理がS64の処理に進められる。段山検出信号が発生しないとき(S63:NO)、S63の判断が繰り返される。
【0123】
段山カウンタSDが「1」だけインクリメントされる(S64)。すなわち、段山カウンタSDは1つの段山検出信号をカウントして、そのカウント値は「1」だけ増加する。
【0124】
カットパルスが発生されたか否かが判断される(S65)。カットパルスが発生されないとき(S65:NO)、処理がS63の処理に戻される。カットパルスが発生されたとき(S65:YES)、処理がS66の処理に進められる。
【0125】
カットカウンタPが「1」だけインクリメントされる(S66)。すなわち、カットカウンタPは1つのカットパルスをカウントして、そのカウント値は「1」だけ増加する。
【0126】
カットカウンタPのカウント値が所定数Nより大きいか否かが判断される(S67)。カウント値が所定数Nより大きいとき(S67:YES)、処理がS68の処理に進められる。カウント値が所定数N以下であるとき(S68:NO)、処理がS63の処理に戻される。
【0127】
平均段山数DAが、合計段山カウンタSTのカウント値Sを所定数Nで除算することにより、算出される(S68)。平均段山数DAは、作業メモリ260に一時記憶される。本実施形態では、平均段山数DAは、小数点以下の数値、たとえば、少数点以下3桁の数値で表される。
【0128】
《第2の実施形態の効果》
本実施形態では、
図9に示す平均段山数算出処理が、合計段山カウンタSTのカウント値を所定数Nで除算することにより、平均段山数DAを算出する。この結果、第1の実施形態において
図6に示す平均段山数算出処理が所定数NのレジスタR(1)〜R(N)を必要とし、そのレジスタの記憶内容を逐次更新する構成と比べ、平均段山数DAを簡単な処理により算出することができる。
【0129】
[本発明と実施形態との構成の対応関係]
コルゲートマシン1、スプライサ13a〜13c、シングルフェーサ120、ダブルフェーサ150、ブリッジ部130、およびカットオフ装置170は、本発明のコルゲートマシン、スプライサ、シングルフェーサ、ダブルフェーサ、ブリッジ部、およびカットオフ装置の一例である。カット検出器DCTが、本発明のパルス発生部の一例である。上流側テープ検出器DA1、下流側テープ検出器DA2、上流側段山検出器DB1、下流側段山検出器DB2、および
図5に示す滞留段山数算出処理を実行する管理制御装置200の組み合わせが、本発明の第1の算出部の一例である。
図6に示す平均段山数算出処理、または、
図9に示す平均段山数算出処理を実行する管理制御装置200が、本発明の第2の算出部の一例である。
図7に示す紙継ぎ制御処理におけるS46の処理を実行する管理制御装置200が、本発明の第3の算出部の一例である。両ナイフシリンダ59、61が、本発明のカットオフ装置のナイフシリンダの一例である。所定数NのレジスタR(1)〜R(N)、段山カウンタSD、S27の処理を実行する管理制御装置200の組み合わせが、本発明の個別計数部の一例である。
図6に示す平均段山数算出処理におけるS29の処理およびS34の処理を実行する管理制御装置200が、本発明の平均算出部の一例である。所定数NのレジスタR(1)〜R(N)が、本発明の記憶部の一例である。
図6に示す平均段山数算出処理におけるS29の処理を実行する管理制御装置200が、本発明の記憶更新部の一例である。合計段山カウンタST、および
図9に示す平均段山数算出処理におけるS64の処理を実行する管理制御装置200の組み合わせが、本発明の総計数部の一例である。
図9に示す平均段山数算出処理におけるS68の処理を実行する管理制御装置200が、本発明の除算部の一例である。プログラムメモリ250、作業メモリ260、および管理制御装置200の組み合わせが、本発明の生産管理装置の一例である。
【0130】
[変形例]
本発明の実施形態について以上説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において当業者であれば種々の変形を加えることができる。
【0131】
(1)両実施形態では、1つのオーダからなる1つのロットを実行する場合に、ブリッジ部130に滞留する片面段ボール27の滞留段山数DCKと、平均段山数DAとから、滞留シート枚数SN3を算出する構成について説明したが、連続する複数のオーダからなる1つのロットを実行する場合にも、同様に、滞留シート枚数SN3を算出することができる。ただし、この変形例では、第2の実施形態において、
図9に示す平均段山数算出処理は、1つのロットを構成する複数のオーダのうちの少なくとも最後のオーダが開始されるときに、実行される必要がある。また、実行されるロットの所定シート枚数SSは、複数のオーダについて各オーダの所定シート枚数を合計したシート枚数である。切断済シート枚数SC1は、複数のオーダについて各オーダで切断されたシート枚数を合計したシート枚数である。
【0132】
(2)両実施形態では、裏ライナの紙継ぎ制御処理において、上流側シート枚数SN1が、裏ライナ上流側経路長LA1をシート長LSで除算することにより、算出され、下流側シート枚数SN2が、下流側経路長LA2をシート長LSで除算することにより、算出される構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、上流側シート枚数SN1が、裏ライナ上流側経路長LA1と、フルートの種類に応じて定められる単位長さ当たりの段山数とを乗算することにより算出された段山数を、平均段山数DAで除算することにより、算出され、下流側シート枚数SN2が、下流側経路長LA2と、フルートの種類に応じて定められる単位長さ当たりの段山数とを乗算することにより算出された段山数を、平均段山数DAで除算することにより、算出される構成でもよい。また、上流側シート枚数SN1が、裏ライナが裏ライナ上流側経路長LA1だけ搬送される間に下流側段山検出器DB2が検出した段山の数を、平均段山数DAで除算することにより、算出され、下流側シート枚数SN2が、片面段ボールまたは両面段ボールが下流側経路長LA2だけ搬送される間に下流側段山検出器DB2が検出した段山の数を、平均段山数DAで除算することにより、算出される構成でもよい。
【0133】
(3)両実施形態では、所定数Nが、「100」に予め定められたが、2以上の整数であれば、いかなる数値でもよい。たとえば、所定数Nが、オーダについて設定される所定シート長に対する、スプライサからカットオフ装置までの間に存在する原紙、片面段ボールおよび両面段ボールの合計した長さとして予め定められた標準長さの割合と、その標準長さを測定するための許容誤差に対する段山のピッチの割合とに基いて予め定められた値以下の値であって、2以上の整数に設定されてもよい。この変形例では、所定数Nと所定シート長とを乗算した長さを測定するときの最大誤差を段山のピッチに定めた場合、その乗算した長さに対する段山のピッチの割合が、標準長さに対する許容誤差の割合以内になるように、所定数Nが設定される。所定数Nを大きい値にすればするほど、平均段山数の算出時間が長くなることから、このように許容誤差を基に所定数Nの最大値を定めることにより、平均段山数の算出時間が長くなることを防ぐことができる。
【0134】
(4)両実施形態では、下流側段山検出器DB2が、ダブルフェーサ150の入口側の所定位置に配置され、2段ヒータ33のヒータ33Aから搬出される片面段ボール27の1つの段山を検出する構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、下流側段山検出器が、ダブルフェーサの出口からカットオフ装置の入口までの間の所定位置に配置され、カットオフ装置に向かって搬送される両面段ボールの段山の数を検出する構成でもよい。この変形例では、下流側段山検出器として超音波を利用したセンサが考えられる。
【0135】
(5)両実施形態では、カット検出器DCTが、カットオフ装置170の両ナイフシリンダ59、61が噛み合う所定の回転角度位置にエンコーダが達する度に、カットパルスを発生する構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、カット検出器は、カットオフ装置の両ナイフシリンダがスパイラル状のナイフを備える場合、両ナイフシリンダが噛み合いを開始してから、その噛み合いを終了するまでの回転角度範囲内における所定の回転角度位置にエンコーダが達する度に、カットパルスを発生する構成でもよい。また、カットパルスの発生手段が、カット検出器DCTに代えて、エンコーダおよびカウンタから構成されてもよい。この変形例では、エンコーダが、一方のナイフシリンダの回転に伴い連続する多数の回転パルスを発生し、カウンタが、その回転パルスをカウントし、ナイフシリンダの1回転の間にカウント値が所定値に達する度に、カットパルスを発生する構成でもよい。
【0136】
(6)第1の実施形態では、
図6に示す平均段山数算出処理が、ロット開始ボタン271が操作されたときに開始され、ロットが終了するまで継続して実行される構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、切断済シート枚数SC1が所定値に達したときに、平均段山数算出処理の実行が開始される構成でもよい。
【0137】
(7)第2の実施形態では、
図9に示す平均段山数算出処理が、ロット開始ボタン271が操作されたときに開始され、平均段山数DAが1回だけ算出される構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、ロットが実行されている間に、平均段山数算出処理が複数回実行され、複数回の平均段山数算出処理において算出された複数の平均段山数の平均値を、平均段山数DAとして算出する構成でもよい。また、切断済シート枚数SC1が所定値に達したときに、平均段山数算出処理が実行される構成でもよい。