(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1記載の避難誘導システムに於いて、前記複数の閃光装置を前記通路の天井面または壁面上部の見通せる位置に所定間隔で配置したことを特徴とする避難誘導システム。
請求項1記載の避難誘導システムに於いて、前記複数の閃光装置の一部を、前記通路に設置している火災感知器を着脱自在に装着する感知器ベースに設けたことを特徴とする避難誘導システム。
請求項15記載の避難誘導方法に於いて、前記複数の閃光装置の一部を、前記通路に設置している火災感知器を着脱自在に装着する感知器ベースに設けたことを特徴とする避難誘導方法。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は本発明による避難誘導システムの概略構成を示した説明図である。
図1において、本発明による避難誘導システムが設置された建物の一階の管理人室などには例えば制御
装置10が設置され、制御
装置10から各階の系統毎に伝送回線12−1〜12−nが引き出され、伝送回線12−1〜12−nの各々に、閃光装置16が接続されている。閃光装置16はフラッシュランプとして知られた閃光灯を設けている。
【0035】
伝送回線12−1〜12−nで決まる系統毎に設けたm台の閃光装置16には固有のアドレスA1〜Amが予め割当てられており、一系統当りの最大アドレス数は例えば127としている。
【0036】
また本発明の避難誘導システムが設置された建物の一階の管理人室などには火災報知設備の火災受信機14が設置され、火災受信機14からは各階に図示しない伝送回線が引き出されて複数の火災感知器、例えばアドレスが割当てられたアナログ火災感知器が接続され、火災を監視しており、火災受信機14で火災が断定されると火災断定信号を制御装置10に移報出力し、また火災断定後に更に火災が拡大した場合、または火災が復旧した場合などにも、対応する信号が制御装置14に移報出力される。
【0037】
図2は、
図1の制御装置の概略構成を閃光装置と共に示したブロック図である。これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる。また各機能のそれぞれの任意の一部または全部は、ソフトウェア(プログラム)によって実行されるものであっても、ハードウェアによって実行されるものであっても良い。
【0038】
図2において、制御装置10にはプロセッサ20、伝送部22−1〜22−n、操作部24、表示部26、移報部28及びメモリ30が設けられている。
【0039】
伝送部22−1〜22−nから引き出された伝送回線
12−1〜
12−nには装置ベース18を介して閃光装置16が接続され、所定のプロトコルに従って信号を送受信している。
【0040】
プロセッサ20にはプログラムの実行により実現される機能として、避難誘導制御部32の機能を設けている。避難誘導制御部32は、
図1に示した火災受信機14からの火災断定を示す移報信号の受信を検知した場合、当該移報信号に含まれる火災発生場所を示す情報に基づき、メモリ30に予め記憶された建物の避難誘導経路情報から火災発生場所に対する安全な避難誘導経路とその方向を決定し、当該決定した避難誘導経路に沿って配列している複数の閃光装置16を避難誘導方向に向けて順番に閃光駆動する制御を繰り返して避難誘導方向を表示させる。
【0041】
避難誘導制御部32による避難誘導経路とその方向の決定は、火災発生場所を起点に設定し、起点から非常口へ向う方向の避難誘導経路を決定し、決定した避難誘導経路に沿って配置している閃光装置16のアドレスを取得し、基点から非常口に向けてアドレスを順番に並べた閃光制御アドレスリストを生成し、この閃光制御アドレスリストから順次読出して設定したアドレスをもつ閃光制御信号を閃光装置16に送信する制御を繰り返し、閃光装置16を避難誘導方向に向けて順番に閃光駆動することで、避難誘導方向を表示する。
【0042】
例えば
図1のアドレスA4及びA5の閃光装置16の間で発生した火災Fを検知した場合、ここを避難誘導経路の基点として、非常口がアドレスA1とAmの閃光装置16付近にあって、その避難誘導経路に沿ってアドレス順に並べられている場合には、1つはアドレスA4〜A1の順番に閃光装置16を閃光駆動して避難誘導経路D1と避難誘導方向を認識できるように表示し、もう1つはアドレスA6〜Amの順番に閃光装置16を閃光駆動して別の避難誘導経路D2と避難誘導方向を認識できるように表示する。勿論、避難誘導経路に並べたアドレス番号が、必ずしも閃光装置のアドレス番号の昇順や降順にならないことがあるので、火災を判断した感知器の位置毎に避難誘導経路に相当する閃光装置16のアドレス番号の順番を予め制御装置10に記憶しておく。
【0043】
また避難誘導制御部32は、火災発生階となる1階の直上階となる2階について、2階に設置した複数の閃光装置16を、メモリ30に予め記憶した所定の避難誘導経路の避難誘導方向に向けて順番に閃光駆動する制御を繰り返して避難誘導方向を表示させる。直上階の避難誘導については、火災発生場所を回避する必要がないことから、最適な避難誘導経路とその方向を予め定め、これに従って閃光装置16の閃光制御を行う。
【0044】
また避難誘導制御部32は、火災を断定して閃光装置16の閃光制御による避難誘導経路の表示を行っている状態で、火災受信機14から火災の拡大を示す移報信号の受信を検知した場合、火災の拡大に対応して改めて安全な避難誘導経路とその方向を決定し、当該決定した避難誘導経路とその方向を表示するように、閃光装置16を新たに決定した避難誘導経路に沿って配置した閃光装置16を避難誘導方向に向けて順番に閃光駆動する制御を繰り返して避難誘導経路とその方向を表示させる。
【0045】
また避難誘導制御部32は、火災受信機14からの火災断定を示す移報信号の受信を検知した場合、火災発生場所に対する安全な避難誘導経路とその方向に加え、更に火災発生場所に向う危険な避難誘導禁止経路を決定し、避難誘導禁止経路に沿って配置した複数の閃光装置16については一斉に閃光駆動するか又はランダムに閃光駆動する制御を繰り返して通行禁止(
進入禁止)を表示させても良い。
【0046】
また避難誘導制御部32は、閃光装置16に異なる2色の閃光灯を設けていた場合、例えば赤色閃光灯と青色閃光灯を設けていた場合、火災発生場所に対する安全な避難誘導経路とその方向及び火災発生場所に向う危険な避難誘導禁止経路を決定し、避難誘導経路に配置した複数の閃光装置16は青色閃光灯を避難誘導方向に向けて順番に閃光駆動する制御を繰り返して避難誘導経路とその方向を表示させ、一方、避難誘導禁止経路に沿って配置した複数の閃光装置16は赤色閃光灯を一斉に閃光駆動するか又はランダムに閃光駆動する制御を繰り返して通行禁止(
進入禁止)を表示させる。
【0047】
また避難誘導制御部32は、火災受信機14からの移報信号または制御
装置10の操作部24による操作に基づき避難誘導完了の断定を検知した場合、非常口などの所定の
進入口から火災発生場所に向う消防隊または救助隊の誘導経路とその方向を決定し、当該決定した誘導経路に沿って設置した複数の閃光装置16を誘導方向に向けて順次閃光駆動する制御を繰り返して誘導経路とその方向を表示させる。
【0048】
図3は
図2の閃光装置の実施形態を示した回路ブロック図である。これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる。また各機能のそれぞれの任意の一部または全部は、ソフトウェア(プログラム)によって実行されるものであっても、ハードウェアによって実行されるものであっても良い。
【0049】
図3において、閃光装置16は、天井面に設置した装置ベース18に対し嵌合端子35a,35bにより着脱自在に装着され、装置ベース18の端子45a,45bに接続した制御
装置10からの伝送回線12に接続している。
【0050】
閃光装置16には、プロセッサを用いた閃光制御部34、伝送部36、整流・ノイズ吸収部38、定電圧回路部40、閃光駆動部42及び閃光灯として機能するフラッシュランプ44が設けられている。
【0051】
伝送部36は
図2に示した制御
装置10との間で所定の通信プロトコルに従って信号を送受信する。整流・ノイズ吸収部38は、例えばダイオードブリッジ、ツェナーダイオード、コンデンサなどにより伝送回線12との接続を無極性化し、さらにノイズを抑える。
【0052】
フラッシュランプ44としては例えば白色LEDが使用され、装置カバーのトップなどの外部から見え易い位置に配置している。閃光駆動部42は、閃光制御部34から閃光駆動信号を受けた場合に、予め定めた短い所定時間、
フラッシュランプ44を概ね最大発光量となるようにパルス駆動する。
【0053】
閃光制御部34は、伝送部36を介して制御装置10からの自己のアドレスを指定した閃光制御信号の受信を判別した場合に、閃光駆動部42に閃光駆動信号を出力して
フラッシュランプ44をパルス駆動して閃光を出力させる。
【0054】
図4は
図2の閃光装置の他の実施形態を示した回路ブロック図であり、本実施形態にあっては、2色閃光灯として機能する青色フラッシュランプ44aと赤色フラッシュランプ44bを設け、閃光制御部34からの選択駆動信号に基づき閃光駆動部42aにより青色フラッシュランプ44aまたは赤色フラッシュランプ44bを選択的に閃光駆動するようしたことを特徴とする。それ以外の構成及び機能は
図3の実施形態と同様となる。
【0055】
このような2色閃光灯を設けた閃光装置16にあっては、制御装置10から避難誘導経路とその方向を表示するための閃光制御信号を受信した場合は青色フラッシュランプ44aを閃光駆動し、一方、避難誘導禁止経路に対応した通行禁止表示のための閃光制御信号を受信した場合は赤色フラッシュランプ44bを閃光駆動することになる。
【0056】
図5は本発明における閃光装置の配置例を示したフロア平面図である。
図5は本発明の避難誘導システムが設置されたビルの10階フロアを示しており、フロアの略中央には6基のエレベータ50が設置され、格子状に配置された通路に沿って間仕切りされた部屋が配置され、建物のコーナとなる4箇所に例えば非常階段などの非常口48a〜48dを配置している。フロア内に配置された通路の例えば天井面には、丸印で示すように閃光装置16が所定間隔で配置されている。
【0057】
図6は通路における閃光装置の配置の一例を示した説明図であり、通路
51の天井面に沿って閃光装置16を所定間隔で一直線となるように配置している。このように配列された複数の閃光装置16は通路を通る人から見て通路の奥行き方向に向けて見通すことができる。
【0058】
火災が発生した場合には、制御
装置10からの閃光制御信号により天井面に配列している複数の閃光装置16が避難誘導方向に向けて順番に閃光駆動する表示動作が繰り返され、この誘導指示に従って通路を進むことで、安全に非常口に向うことができる。なお、閃光装置16は通路51に沿った壁面の高所に設置してもよいし、火災による煙に対し視認性を確保するため通路51の床面や壁面底部に配置しても良い。
【0059】
図7は
図5の10階フロアで火災Fが発生した場合の閃光装置による避難誘導経路とその方向の表示と通行禁止経路の表示を示したフロア平面図である。
【0060】
10階フロアで発生した火災Fは火災報知設備の火災感知器の発報に基づき火災受信機14で受信されて火災が断定された場合、火災受信機14からの火災断定と火災発生場所を示す移報信号に基づき制御装置10は火災Fの発生場所を起点に、安全に非常口48a〜48dに向うための避難誘導経路とその方向を決定し、この避難誘導経路に沿って配置した閃光装置16の避難誘導方向へ向う順に並べたアドレスリストを生成し、アドレスリストの配列順にアドレス指定した閃光制御信号を伝送回線に送信し、図示の矢印で示す避難誘導表示52となるように複数の閃光装置16を避難誘導方向に向けて順番に繰り返し閃光駆動する制御を繰り返す。
【0061】
具体的には、
図7の避難誘導経路を示す矢印を1つのグループとし、グループ毎に、
図5のように配置している閃光装置16のアドレスを取得し、取得したアドレスを避難誘導方向に向けて並べるソートを行ってグループアドレスリストを生成し、更にグループアドレスリストを所定の順番に並べて1つの避難誘導アドレスリストを生成する。
【0062】
また制御
装置10は火災Fの発生場所に向う危険な避難誘導禁止経路を決定しており、例えば火災Fの発生場所に面した通路を避難誘導禁止経路に決定し、そこに配置してる閃光装置16については、一斉に閃光駆動するかランダムに閃光駆動し、破線で示す通行禁止表示(
進入禁止表示)54を行う。この通行禁止表示54により、避難誘導表示52に従って非常口48a〜48dに向う避難者が誤って火災Fの発生場所を通って避難するような危険な行動を回避させることができる。
【0063】
この通行禁止表示
54を行う場合、避難誘導禁止経路に配置している閃光装置16のアドレスを取得して通行禁止アドレスリストを生成し、通行禁止アドレスリストに基づき対応する複数の閃光装置16の一斉閃光またはランダム閃光を行う。一斉閃光は、複数の閃光装置16に、順次閃光を認識できない程度の短時間でアドレスを順番に指定した閃光制御信号を送信することで、実質的に一斉閃光とする。ランダム閃光はアドレスリスト形成の際にアドレスをランダムに配置し、リスト順にアドレスを順番に指定した閃光制御信号を送信することで、ランダム閃光とすれば良い。
【0064】
制御装置10による避難誘導表示52及び通行禁止表示54は、避難誘導アドレスリストと通行禁止アドレスリストを1つのアドレスリストとして、リストの先頭から順番にアドレスを読出し、このアドレスを指定した閃光制御信号を順番に送信して順次閃光することで表示する。このため制御
装置10から閃光制御信号を送信した場合、フロアに配置している閃光装置のうち、アドレス指定した1台の閃光装置のみが閃光駆動されていることになるが、人の眼の残像効果により短い間隔で順番に避難誘導経路に沿って配置している複数の閃光装置を閃光駆動することで、避難誘導方向に移動していく光の変化として認識できる。
【0065】
また、複数の閃光装置16を順番に閃光駆動する閃光制御信号の送信間隔を短くすることで、火災Fの発生場所に近い避難誘導表示52の閃光移動速度を速くして避難を急がせ、非常口48a〜48bに近づくにつれて閃光制御信号の送信間隔を長くすることで、避難誘導表示52の閃光速度を落すことで安心感を与えるようにしても良い。
【0066】
図8は10階で火災が発生した場合の直上階となる11階における避難誘導表示を示したフロア平面図である。直上階となる11階フロアについては、火災発生場所を避けて避難する必要がないことから、避難誘導経路とその方向を予め定めて避難誘導アドレスリストを準備しており、これに基づき避難誘導表示52となるように通路に配列された閃光装置16を避難方向に向けて順番に繰り返し閃光駆動する。
【0067】
図9は避難誘導完了を断定した場合の消防隊誘導表示を示したフロア平面図である。
図7に示した閃光装置16による避難誘導表示52に従って10階フロアからの避難完了が断定できた場合、制御装置10は所定の進入口、例えば非常口48a〜48dから火災Fの発生場所に向う例えば消防隊誘導経路とその方向を決定し、これに基づき消防隊誘導アドレスリストを生成し、当該アドレスリストに従ってアドレス指定した閃光制御信号の送信により、消防隊誘導経路に沿って配列された複数の閃光装置16を順番に繰り返し閃光駆動して破線矢印で示す消防隊誘導方向表示56を行う。
【0068】
この消防隊誘導方向表示56により例えば非常口48a〜48dから火災発生フロアに突入した消防隊は、停電や煙により視界が充分に聞かない状況であっても通路天井面に配列されている閃光装置16が順番に繰り返し閃光駆動されることで、火災発生場所へ向う経路とその方向を認識し、速やかに火災発生場所に到達して消火活動などを行うことができる。
【0069】
また火災発生フロアに避難できずに人が取り残された状況では、救助を必要とする人がいる部屋などに向う救助隊誘導方向(救助隊誘導経路)を決定し、これに基づき救助誘導アドレスリストを生成し、当該アドレスリストに従ってアドレス指定した閃光制御信号の送信により、救助隊誘導経路に沿って配置している複数の閃光装置16を誘導方向に向けて順番に繰り返し閃光駆動することで救助隊誘導方向表示を行い、非常口から突入した救助隊を目的とする場所に確実に案内する支援ができ、迅速な救助活動が期待できる。
【0070】
図10は
図2の制御盤による避難誘導制御を示したフローチャートである。
図10において、制御盤10の電源を投入して監視が開始されると、ステップS1で初期化、自己診断、各種設定情報の読み込み等を実行する。ステップS1で初期化異状があった場合には表示部
26でその旨を報知して、動作を途中停止するか或いは再度ステップS1の処理を行うようにしているが、図示を省略している。
【0071】
続いてステップS2に進み、火災受信機14からの移報信号の受信に基づく火災断定の有無を検知しており、火災断定を検知するとステップS3に進み、火災発生場所を回避するような安全な避難誘導経路とその方向を決定すると共に、火災発生場所に向う危険な避難誘導禁止経路とその方向を決定し、それぞれに対応したアドレスリストを生成する。
【0072】
続いてステップS4に進み、火災発生階につき、避難誘導経路に対応したアドレスリストに基づく閃光制御信号の送信により、
図7に示したように、非常口48a〜48dに向けて配列している複数の閃光装置16を順番に繰り返し閃光駆動して避難誘導表示52を行うと共に、避難誘導禁止経路に対応したアドレスリストに基づく閃光制御信号の送信により、火災Fの発生場所に向う通路に配列している複数の閃光装置16を一斉またはランダムに閃光駆動して通行禁止表示54を行う。
【0073】
続いてステップS5に進み、メモリ30に記憶している直上階につき定めた所定の避難誘導経路とその方向に対応したアドリスリストに基づき、順番にアドレスを指定した閃光制御信号を火災発生階の閃光装置16へ順番に繰り返し送信し、これにより直上階の閃光装置16が避難誘導方向に向って順番に閃光駆動され、避難誘導方向が表示される。
【0074】
続いてステップS6で火災受信機14からの移報信号に基づく火災の拡大の有無を判別している。ステップS6で火災拡大を判別した場合には、ステップS3に戻り、拡大した火災発報の判別結果に基づき改めて安全な避難誘導経路とその方向及び避難誘導禁止経路を決定してアドレスリストを生成し、ステップS4で新たに決定した避難誘導経路及び避難誘導禁止経路に対応したアドレスリストに従ってアドレス指定した閃光制御信号を閃光装置16へ順番に繰り返し送信し、避難誘導表示及び通行禁止表示を行う。
【0075】
続いてステップS7に進み、避難誘導完了の断定を検知するとステップS8に進んで所定の進入口から火災場所に向う消防隊の誘導経路とその方向を決定してアドレスリストを生成し、このアドリスリストに基づき、順番にアドレスを指定した閃光制御信号を火災発生階の閃光装置16へ順番に繰り返し送信し、これにより閃光装置16が消防隊誘導経路に配置している複数の閃光装置16が誘導方向に向って順番に閃光駆動され、例えば
図9に示したような消防隊誘導方向表示56が行われる。なお、消防隊が火災フロアに入る消防活動を行わない場合は、ステップS8〜S9はスキップする。
【0076】
ステップS10で火災復旧を判別した場合はステップS11で閃光装置16の閃光制御を停止し、再びステップS2に戻る。
【0077】
図11は
火災受信機からの伝送回線に閃光装置付きの火災感知器と閃光装置を混在して接続した本発明による他の実施形態を示した説明図である。
【0078】
図11において、火災報知設備が設置された建物の一階の管理人室などには例えばR型の火災受信機14が設置され、
火災受信機14から各階の系統毎に伝送回線15−1〜15−nが引き出され、伝送回線15−1〜15−nの各々に、感知器ベース62を介してアナログ火災感知器60が設けられており、本実施形態にあっては、アナログ火災感知器60に閃光灯として機能するフラッシュランプを設けている。感知器ベース62は監視区域の天井等に設置されて、アナログ火災感知器60を嵌合させることで、アナログ火災感知器を監視区域に設置する装置である。
【0079】
また火災受信機14には本発明による避難誘導システムにおける制御装置10aの機能が組み込まれており、これに対応して伝送回線15−1〜15−nに複数の閃光装置16を接続している。
【0080】
火災受信機14から引き出された伝送回線15−1〜15−nには例えば
図5に示した建物のフロアの通路や部屋の天井面に設置される火災感知器が接続されるが、火災感知器の設置間隔は比較的大きいため、火災感知器に設けた閃光灯だけでは通路での避難誘導方向の表示は行いづらいことから、火災感知器の間に閃光装置16を配置し、避難誘導方向の表示が適切にできるようにする。
【0081】
伝送回線15−1〜15−nで決まる系統毎に設けたm台の閃光装置16とアナログ火災感知器60には固有のアドレスA1〜Amが予め割当てられており、一系統当りの最大アドレス数は例えば127としている。
【0082】
図12は、
図11の火災受信機の概略構成を閃光装置及びフラッシュランプ付きのアナログ火災感知器と共に示したブロック図である。これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる。また各機能のそれぞれの任意の一部または全部は、ソフトウェア(プログラム)によって実行されるものであっても、ハードウェアによって実行されるものであっても良い。
【0083】
図12において、火災受信機14にはプロセッサ66、伝送部68−1〜68−n、操作部70、
表示部72、音響警報部74、地区表示部76、移報出力部78及びメモリ80が設けられている。
【0084】
伝送部68−1〜68−nには閃光装置16及び感知器ベース62を介してアナログ火災感知器60が接続され、所定の通信プロトコルに従って信号を送受信している。
【0085】
プロセッサ66にはプログラムの実行により実現される機能として、受信制御部82と避難誘導制御部84の機能を設けており、避難誘導制御部84が
図11の火災受信機14に組み込んだ避難誘導システムの制御
装置10aとして機能する。
【0086】
受信制御部82は、伝送回線15−1〜15−nで決まる系統毎に、所定の周期のデータ検知タイミングで一括AD変換コマンド信号を送信する。これを受けてアナログ火災感知器60は煙や熱のアナログ検知信号をAD変換して煙または温度の検知データとして保持する。続いて受信制御部82は、アナログ火災感知器60のみのアドレスを順次指定したポーリングコマンド信号により、アナログ火災感知器60に保持している検知データを収集し、収集した検知データを予め設定した火災閾値と比較し、火災閾値を超えた場合に火災発報と判断し、表示部72に火災警報表示を行うと共に、音響警報部74から音響火災警報を出力させ、更に地区表示部76に火災発生地区を表示させる。
【0087】
避難誘導制御部84は、アナログ火災感知器
60から収集した検知データに基づいて受信制御部82で火災発報を断定した場合、メモリ80に予め記憶された建物の避難誘導経路情報に基づき火災発生場所に対する安全な避難誘導経路とその方向を決定して避難誘導アドレスリストを生成し、当該アドレスリストに基づき避難誘導方向に向けて複数のアナログ火災感知器
60に設けたフラッシュランプ64及び閃光装置16に設けたフラッシュランプを順番に閃光駆動する制御を繰り返して避難誘導表示を行わせる。
【0088】
ここで、
受信制御部82による火災断定は、アナログ火災感知器60の検知データから1回目の火災発報を検知した場合(第1報目の検知)、その両側に隣接配置した2台のアナログ火災感知器
60の検知データを集中的に収集して2回目の火災発報の有無を監視し、いずれか一方のアナログ火災感知器
60の検知データから2回目の火災発報を検知した場合(第2報目の検知)に火災を断定する。なお、受信制御部
82は火災断定に対応して火災発報の第2報目の報知を行う。
【0089】
避難誘導制御部84が
受信制御部82による火災断定を検知した場合の避難誘導方向の決定は、火災発生場所を起点に非常口へ向う方向の避難誘導経路を決定し、決定した避難誘導経路に沿って配置しているアナログ火災感知器60及び閃光装置16のアドレスを取得して避難誘導経路の基点から非常口に向けてアドレスを順番に並べた避難誘導アドレスリストを生成し、この避難誘導アドレスリストから順次読出して指定したアドレスをもつ閃光制御信号をアナログ火災感知器60及び閃光装置16に送信する制御を繰り返し、アナログ火災感知器60に設けたフラッシュランプ64及び閃光装置16のフラッシュランプが避難誘導方向に向って順番に閃光することで、避難誘導表示を行う。
【0090】
また避難誘導制御部84は、直上階に設置した複数のアナログ火災感知器60及び閃光装置16を、メモリ80に予め記憶した所定の避難誘導経路とその方向に基づき生成した避難誘導アドレスリストを取得し、この避難誘導アドレスリストから順次読出して指定したアドレスをもつ閃光制御信号をアナログ火災感知器60及び閃光装置16に送信する制御を繰り返して避難誘導表示を行わせる。
【0091】
また避難誘導制御部84は、火災を断定して閃光制御による避難誘導表示を行っている状態で、アナログ火災感知器60からの検知データを収集して火災の拡大を監視しており、別のアナログ火災感知器60の検知データから火災発報を検知した場合に火災の拡大を判別し、火災の拡大に対応して改めて安全な避難誘導経路とその方向を決定して避難誘導アドレスリストを生成し、この避難誘導アドレスリストから順次読出して指定したアドレスをもつ閃光制御信号をアナログ火災感知器60及び閃光装置16に送信する制御を繰り返して避難誘導表示を行わせる。
【0092】
また避難誘導制御部
84は、火災断定を検知した場合、火災発生場所に対する安全な避難誘導経路とその方向に加え、更に火災発生場所に向う危険な避難誘導禁止経路を決定し、避難誘導禁止経路に沿って配置した複数の複数のアナログ火災感知器60と閃光装置16の通行禁止アドレスリストを生成し、この通行禁止アドレスリストに基づいてアドレス指定した閃光制御信号の送信により、一斉に閃光駆動するか又はランダムに閃光駆動する制御を繰り返して通行禁止表示を行わせる。
【0093】
また避難誘導制御部84は、アナログ火災感知器60及び閃光装置16に異なる2色の閃光灯を設けていた場合、例えば赤色閃光灯と青色閃光灯を設けていた場合、火災発生場所に対する安全な避難誘導経路とその方向と火災発生場所に向う危険な避難誘導禁止経路を決定し、それぞれに対応して生成したアドレスリストに基づき、避難誘導方向となる通路に配置した複数の閃光装置16は青色閃光灯を順番に閃光駆動する制御を繰り返して避難誘導表示を行わせ、また避難誘導禁止経路に配置した複数の閃光装置16は赤色閃光灯を一斉に閃光駆動するか又はランダムに閃光駆動する制御を繰り返して通行禁止表示を行わせる。
【0094】
また避難誘導制御部
84は、操作部
70による操作に基づき避難誘導完了の断定を検知した場合、非常口などの所定の
進入口から火災発生場所に向う消防隊または救助隊の誘導経路とその方向を決定して消防隊誘導アドレスリストを生成し、この消防隊誘導アドレスリストに基づいてアドレス指定した閃光制御信号の送信により当該決定した誘導方向となる通路に設置した複数の閃光装置16を誘導方向に向けて順次閃光駆動する制御を繰り返して消防隊誘導方向表示を行わせる。
【0095】
図13は
図12の閃光装置を備えたアナログ火災感知器の実施形態を示した回路ブロック図である。これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる。また各機能のそれぞれの任意の一部または全部は、ソフトウェア(プログラム)によって実行されるものであっても、ハードウェアによって実行されるものであっても良い。
【0096】
図13において、アナログ火災感知器60は、天井面に設置した感知器ベース62に対し嵌合端子85a,85bにより着脱自在に装着され、感知器ベース62の端子95a,95bに接続した
火災受信機14からの伝送回線15に接続している。
【0097】
アナログ火災感知器60には、プロセッサ86、検知部88、伝送部90、整流・ノイズ吸収部92、定電圧回路部94、閃光駆動部96及び閃光灯となるフラッシュランプ64が設けられている。
【0098】
プロセッサ86にはプログラムの実行により実現される機能として、感知器制御部98と閃光制御部100の機能が設けられている。
【0099】
ここで、プロセッサ86の感知器制御部98、検知部88、伝送部90、整流・ノイズ吸収部92及び定電圧回路部94によって感知器を構成し、一方、プロセッサ86の閃光制御部100、伝送部90、閃光駆動部96及びフラッシュランプ64によって閃光装置を構成している。
【0100】
検知部88は火災による煙または温度を検出してアナログ検出信号を出力する。煙検出の場合には例えば散乱光式検煙機構が設けられ、温度検知の場合はサーミスタなどの温度検知素子が設けられる。
【0101】
伝送部90は
図12に示した火災受信機14との間で所定の通信プロトコルに従って信号を送受信する。整流・ノイズ吸収部92は、例えばダイオードブリッジ、ツェナーダイオード、コンデンサなどにより伝送回線15との接続を無極性化し、さらにノイズを抑える。
【0102】
感知器制御部98は、伝送部90を介して火災受信機14から自己アドレスを指定した一括AD変換コマンド信号の受信を判別した場合に、検知部88からの検知アナログ信号をAD変換により読み込んで検知データとして内部のメモリに保持し、続いて
火災受信機14から自己アドレスを指定した火災データ要求信号であるポーリングコマンド信号の受信を判別した場合に、内部のメモリに保持している検知データを伝送部90から
火災受信機14へ応答送信する。
【0103】
フラッシュランプ64としては例えば白色LEDが使用され、感知器カバーのトップなどの外部から見え易い位置に露出配置している。閃光駆動部96は、プロセッサ86から閃光駆動信号を受けた場合に、予め定めた短い所定時間、フラッシュランプ64を概ね最大発光量となるようにパルス駆動する。
【0104】
閃光制御部100は、伝送部90を介して火災受信機14からの自己の感知器アドレスを指定した閃光制御信号の受信を判別した場合に、閃光駆動部96に閃光駆動信号を出力してフラッシュランプ64をパルス駆動して閃光を出力させる。
【0105】
図14は
図12の火災受信機における避難誘導制御を含む受信機処理を示したフローチャートである。
図14において、火災受信機14の電源を投入して監視が開始されると、ステップS21で初期化、自己診断、各種設定情報の読み込み等を実行する。ステップS21で初期化異状があった場合には表示部72でその旨を報知して、動作を途中停止するか或いは再度ステップS21の処理を行うようにしているが、図示を省略している。
【0106】
続いてステップS22に進み、所定周期で繰り返すデータ検知タイミングに到達したか否か判別し、データ検知タイミングへの到達を判別するとステップS23に進み、アナログ火災感知器60に対し一括AD変換コマンド信号を送信し、煙や温度などのアナログ信号をAD変換により読み込んで検知データを保持させる。
【0107】
続いてステップS24で感知器アドレスのみを順次指定したポーリングコマンド信号を送信し、指定アドレスに対応したアナログ火災感知器60からの応答で検知データを収集する。続いて収集した検知データにつき予め設定した火災閾値と比較して火災発報の有無を判断する。
【0108】
火災でない場合はステップS26に進み、最終感知器アドレスAmの指定によるポーリング終了の有無を判別し、ポーリング終了でない場合はステップS24で次の感知器アドレスを指定したポーリングによる検知データの収集を繰り返す。ステップS26でポーリング終了が判別された場合はステップS22に戻り、次のデータ検知タイミングの到達を待つ。
【0109】
ステップS25で第1報目の火災発報が判別された場合はステップS27に進んで火災警報を出力する。火災警報は、表示部72の火災代表灯を点灯すると共に、音響警報部74により火災警報音を出力し、更に地区表示部76に火災発生地区を表示する。
【0110】
続いてステップS28で隣接するアナログ火災感知器60の検知データを収集する。ここで隣接するアナログ火災感知器とは、ステップS25で第1報目の火災発報が判別されたアナログ火災感知器のアドレスAiに対し、一つ前のアドレスAi−1と1つあとのアドレスAi+1を設定したアナログ火災感知器を意味する。勿論、火災感知器の配置順にアドレスを設定していることが前提となる。そうでない場合は、メモリなどに配置順となる感知器アドレスを格納した感知器アドレスリストを記憶し、このリストを参照して隣接する感知器アドレスを取得すれば良い。
【0111】
また隣接するアナログ感知器の検知データの収集は、ステップS22〜S24と同様に、一括AD変換コマンド信号を送信した後に隣接する感知器アドレスを指定したポーリングコマンド信号を送信して行うが、一括AD変換コマンド信号の送信周期は、ステップS22〜S23の場合よりも短くすることが、火災の状況を適確に把握するために望ましい。
【0112】
続いてステップS29で隣接するアナログ火災感知器60の検知データと火災閾値との比較により第2報目の火災発報となったか否か判別しており、第2報目の火災発報を判別するとステップS30で火災を断定する。この火災断定に伴い表示部72に第2報目の火災発報を表示する。
【0113】
続いて火災断定に基づきステップS31でメモリ
80に記憶している避難誘導経路情報から火災発生場所を起点とした非常口などに向う避難誘導経路とその方向を決定し、ステップS32で決定した避難誘導経路に沿って配置しているアナログ火災感知器60及び閃光装置16のアドレスリストを生成し、このアドレスリストに基づき感知器アドレス及び閃光装置アドレスを順番に指定した閃光制御信号を火災発生階のアナログ火災感知器60及び閃光装置16へ繰り返し送信し、これによりアナログ火災感知器60に設けたフラッシュランプ64及び閃光装置16に設けたフラッシュランプが避難誘導方向に向って順番に繰り返し閃光駆動され、避難誘導表示が行われる。
【0114】
なお、ステップS31では避難誘導経路とその方向と共に避難誘導禁止経路を決定し、避難誘導禁止経路に対応したアドレスのアナログ火災感知器60及び閃光装置16のフラッシュランプを一斉またはランダムに閃光駆動して通行禁止表示を行うような指定も良い。
【0115】
続いてステップS33に進み、メモリ80に記憶している直上階につき定めた所定の避難誘導経路とその方向に対応した感知器及び閃光装置のアドレスリストを読出し、このアドレスリストの順番に感知器アドレス及び閃光装置アドレスを指定した閃光制御信号を火災発生階のアナログ火災感知器60及び閃光装置16へ繰り返し送信し、これにより直上階のアナログ火災感知器60及び閃光装置16に設けたフラッシュランプを避難誘導方向に向って順番に閃光駆動し、避難誘導表示を行わせる。
【0116】
続いてステップS34で火災の拡大の有無を判別している。この火災拡大の判別も、ステップS22〜S24と同様に、感知器アドレスを順次指定したポーリング信号を送信して検知データを収集し、検知データを火災レベルの閾値と比較して新たな火災発報を判別した場合に火災拡大を判別する。
【0117】
ステップS34で火災拡大を判別した場合には、ステップS31に戻り、拡大した火災発報の判別結果に基づき改めて安全な避難誘導経路とその方向を決定して対応するアドレスリストを生成し、ステップS32で新たに生成したアドレスリストに従った順番に感知器アドレス及び閃光装置アドレスを指定した閃光制御信号を火災発生階のアナログ火災感知器60及び閃光装置16へ繰り返し送信し、避難誘導表示を行わせる。
【0118】
ステップS35で火災復旧を判別した場合はステップS36で火災警報解除、閃光制御による避難誘導表示解除などの復旧処理を行い、再びステップS22に戻る。
【0119】
尚、ステップS34とS35の間に避難誘導完了の断定を判別した場合、所定の
進入口から火災発生場所に消防隊を誘導する消防隊誘導方向表示や救助を求めている場所に救助隊を誘導する救助隊誘導方向表示を必要に応じて行うようにしても良い。
【0120】
図15は、感知器ベースにフラッシュランプとその駆動部を設けた本発明における閃光装置の他の実施形態を示した回路ブロック図である。
【0121】
図15は閃光装置を感知器ベースに設けた実施形態を示した回路ブロック図である。
図15において、
火災受信機14からの伝送回線15にアナログ火災感知器60を接続する感知器ベース62には、閃光装置として、プロセッサなどによる閃光制御部102、伝送部104、整流・ノイズ吸収部106、定電圧回路部108、閃光駆動部110及び閃光灯となるフラッシュランプ112が設けられている。フラッシュランプ
112は、感知器ベース62の側面周囲に1又は複数設けて各方向から確認できる様にしてもよいし、感知器ベースから外部に伸びる指示部材の先端に取り付けられる構成としても良い。
【0122】
閃光駆動部
110及びフラッシュランプ112は、端子95a,95bからの信号ライン間に接続されており、この信号ラインは嵌合端子85a,85bにより着脱自在に装着したアナログ火災感知器60を接続している。
【0123】
感知器ベース62に設けた閃光装置の機能は、
図13のアナログ火災感知器60に閃光装置を設けた場合と同様になる。また閃光装置に対しては固有のアドレスが割当てられるが、アナログ火災感知器60と同じアドレスを割当てても良い。
【0124】
このように感知器ベース62に閃光装置を設けることで、アナログ火災感知器60は閃光装置の無い検知機能のみの従来品が使用できて変更が不要となり、既設の火災報知設備であっても、既設の感知器ベースを
図15の感知器ベース62に交換することで、感知器ベース62に設けたフラッシュランプ112による避難誘導方向の表示を簡単に行うことができる。
【0125】
なお、上記の実施形態にあっては、閃光装置、火災感知器または感知器ベースにフラッシュランプを1つ設けているが、フラッシュランプを複数設けて視認性を高めるようにしても良い。
【0126】
また、複数の閃光装置、火災感知器または感知器ベースに設けたフラッシュランプを順番に閃光駆動して避難誘導方向を表示する場合、伝送回線に対する制御
装置や火災受信機の電源容量を、フラッシュランプの閃光駆動に対応した容量とする必要があるが、閃光駆動回路に容量の大きなコンデンサや二次電池などを設けて定常状態で充電しておき、閃光駆動による電源供給の一部をコンデンサまたは二次電池から行うことで、制御
装置や火災受信機の電源容量の大幅な増加を伴うことなく、フラッシュランプの閃光駆動による避難誘導ができる。フラッシュランプの閃光駆動のための電源は、フラッシュランプ毎に別途外部電源を供給することにより駆動するようにしてもよい。
【0127】
また上記の実施形態は、
火災受信機からの伝送回線にアナログ火災感知器を接続した場合を例にとっているが、監視エリアが広い場合やアナログ火災感知器の数が多い場合には、
火災受信機に対し伝送回線を介して1または複数の中継器を設置し、中継器から引き出された1又は複数の伝送回線に、例えばフラッシュランプを設けたアナログ火災感知器を感知器ベースを介して接続するようにしても良い。
【0128】
また、上記の実施形態は受信機からのアドレス指定なアナログ火災感知器を備えた火災報知設備を例にとっているが、
火災受信機からのアドレス指定により火災発報を検知可能なオン、オフ火災感知器を設けた火災報知設備についても同様に適用することができる。
【0129】
また、フラッシュランプの駆動は、制御装置や火災受信機からの閃光制御信号の反復送信による駆動制御に限らず、制御装置や火災受信機が各閃光装置や火災感知器に時間の異なる閃光開始タイミング(時間)を送信して記憶させ、閃光装置や感知器は
火災受信機側からの閃光開始同期コマンドを受信したときに、先に記憶した閃光開始時間をカウントした後に閃光駆動することで、フラッシュランプが非常口方向に順次点灯するようにすることもできる。これにより、
火災受信機から各火災感知器への送信する信号の回数を低減することができる。
【0130】
また、上記の実施形態においては、二報目の火災感知器の火災判定で火災と断定して閃光装置による避難誘導制御を行うようにしているが、これに限らず、一報目の火災感知器の火災判定時から避難誘導を行うようにしても良いし、同一の火災感知器から火災判定する閾値よりもさらに高い状態(例えば煙濃度が火災判定閾値よりもさらに濃い状態)の閾値を超えた場合に避難誘導をおこなうようにしてもよい。
【0131】
また、上記の実施形態においては制御装置(
火災受信機)と閃光装置(火災感知器)が信号線により接続されているが、これに限らずに無線により信号伝送する形態であっても本発明を適用できる。
【0132】
閃光駆動のタイミングは一つの閃光装置や感知器を順番に閃光制御するだけでなく、複数個の閃光装置や感知器を1グループとしてグループ単位で順次に閃光制御するようにしてもよい。
【0133】
また、本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。