(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6012175
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】医用イメージング又は監視システムにおける無線通信
(51)【国際特許分類】
H04W 36/06 20090101AFI20161011BHJP
H04W 48/14 20090101ALI20161011BHJP
【FI】
H04W36/06
H04W48/14
【請求項の数】5
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-284839(P2011-284839)
(22)【出願日】2011年12月27日
(65)【公開番号】特開2012-147428(P2012-147428A)
(43)【公開日】2012年8月2日
【審査請求日】2014年12月17日
(31)【優先権主張番号】12/986,943
(32)【優先日】2011年1月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・ツェンシェ・リュウ
(72)【発明者】
【氏名】ケネス・クンプ
(72)【発明者】
【氏名】ジリーシャ・ラオ
(72)【発明者】
【氏名】チュアンデ・リュウ
(72)【発明者】
【氏名】クレイグ・デニス
【審査官】
倉本 敦史
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−94394(JP,A)
【文献】
特開2010−103665(JP,A)
【文献】
特表2010−537699(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0262709(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホスト及びクライアントが接続されたシステムにおいて無線通信チャンネルを変更するための方法であって、
接続を介してデータを送受信するステップと、
前記クライアントが前記接続のリンク品質を監視するステップと、
前記クライアントが前記接続のリンク品質が所定の閾値以下に低下したと決定したとき、前記クライアントは前記接続を介してチャンネル切換え要求を前記ホストに送るステップと、
前記クライアントが前記ホストに対する接続を切断するステップと、
前記ホストが前記チャンネル切換え要求を受け取ったとき又は切断された接続を検出したとき、前記ホストは、新しいチャンネルを選択して、前記新しいチャンネルで標識を送信するステップと、
前記クライアントが複数のチャンネルを走査し、前記新しいチャンネルにおける前記ホストの標識を突き止めるステップと、
前記クライアントは、前記ホストの標識を突き止めたとき、前記新しいチャンネルで前記ホストに接続するステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記リンク品質が、信号対ノイズ比、信号強度、データ検証を失敗したパッケージの数、及び脱落したパッケージの数の内の1つ以上を監視する前記クライアントによって決定される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
チャンネル切換え要求が、前記新しいチャンネルへ変更する前に交換すべき同期化パッケージの数を表している、請求項1又は2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
同期化パッケージを交換するステップが、
残っている同期化パッケージの数のカウントが所定値に到達するまで、前記ホストが前記クライアントから前記同期化パッケージを受け取るステップを有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の方法を実行するシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本書に開示する内容は、システム内のホスト装置とクライアント装置との間でデータを交換するために無線通信を使用する医用イメージング及び患者監視システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在の無線医用イメージングの分野では、X線イメージング・システムが、典型的には、イメージング・サブシステム・ベース・ステーションと検出器とを含んでいる。イメージング・サブシステムは、固定型又は移動型ベース・ステーションをホストとすることができ、また1つ以上の取外し可能な又は無線の検出器をクライアントとして用いることができる。同様に、無線患者監視システムが、患者監視ベース・ステーションをホストとして含み、該ホストはクライアントとしての1つ以上の無線センサと通信することができる。ワイファイ(Wi−Fi:「Wi−Fi」は商標)及び超広帯域(UWB)を含む殆どの無線通信基準では、該基準のための全許容周波数範囲が、各々がそれぞれのチャンネル番号で表される様々なチャンネルに分割される。各チャンネルは他のチャンネルとは比較的独立に動作し、これにより、通信中に互いに干渉しないように基準内の特定のチャンネルを使用するように装置を構成することを可能にする。全周波数範囲及び該範囲内の個別のチャンネルの両方は、特定の地理的区域中の地方自治体によって規制し且つ許可し又は不許可にすることができる。
【0003】
多くの通信方法のように、無線データ接続は、環境の電磁干渉の結果として潜在的にノイズの多いチャンネルの影響を受け易い。環境のノイズは、電気設備の多数の部品及び複数の無線通信装置が互いに接近して動作する病院施設で特に問題になる虞がある。この問題をさらに悪化させるものとして、無線医用システムについてのデータ・スループット要件が時々かなり大きくなり且つ融通性の無いことがある。
【0004】
ホストとクライアントとの間の無線接続の品質がチャンネルのノイズに起因して劣化し始めるので、データ・パッケージ内のデータ・ビットが、データ信号に対するノイズの影響に起因して受信時に誤って解釈されることがある。このような誤りは様々なデータ検査及び検証方式により検出することができるが、このような誤りを検出すると、誤りのあるデータ・パッケージ全体を要求して、再送信することになり、これにより、間接費が追加される結果としてシステムのデータ・スループットが低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7807977号
【発明の概要】
【0006】
一実施形態によれば、ホスト及びクライアントが接続されたシステムにおいて無線通信チャンネルを変更するための方法が提供される。本方法では、接続のリンク品質 (link quality) がホスト又はクライアントによって連続的に監視される。もし前記接続が所定の閾値以下のリンク品質を持っているが元の状態に留まっている場合、チャンネル切換え要求が送られ、同期化パッケージが現在のチャンネルを介してホストとクライアントとの間で交換され、システムのチャンネルが新しいチャンネルへ変更され、そしてシステムが該新しいチャンネルを介して通信を再開する。
【0007】
別の実施形態によれば、イメージング・ホスト装置が提供される。本装置は、幾つかの機能の中でとりわけ、X線源と、X線源からの放射線の放出を制御するように構成された回路と、1つ以上の無線通信インターフェースとを含む。無線インターフェースは、検出器クライアントとデータを交換し、また検出器クライアントに対する接続のリンク品質を連続的に監視して、該接続が元の状態のままであるかどうか決定するように構成されている回路を含む。前記接続のリンク品質が所定の閾値以下であるが前記接続が未だ元の状態のままである場合、チャンネル切換え要求がクライアントへ送られ、同期化パッケージが現在のチャンネルを介してホストとクライアントとの間で交換され、システムのチャンネルが新しいチャンネルへ変更され、そしてシステムが該新しいチャンネルを介して通信を再開する。
【0008】
また別の実施形態によれば、携帯型クライアント装置が提供される。本装置は、幾つかの機能の中でとりわけ、1つ以上の無線通信インターフェースを含む。これらの無線インターフェースは、ベース・ステーションのホストとデータを交換し、ホストに対する無線接続についてのリンク品質を連続的に監視し、そして該接続が元の状態のままであるかどうか決定するように動作し得る回路を含む。前記接続が所定の閾値以下のリンク品質を持っているが前記接続が未だ元の状態のままであると前記回路が決定した場合、チャンネル切換え要求がホストへ送られ、次いで前記接続が切断される。前記回路はまた、チャンネル切換え要求をホストから受け取った場合、現在のチャンネルを介してホストと多数の同期化パッケージを交換し、次いで新しいチャンネルを介してシステム通信を再開させるように動作し得る。
【0009】
本発明のこれらの及び他の特徴、面及び利点は、添付の図面を参照して以下の詳しい説明を読めばより良く理解されよう。図面では、全体を通じて同様な参照符号は同様な部品を表す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の様々な面に従った無線X線システムの斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の様々な面に従った無線X線システムの簡略側面図である。
【
図3】
図3は、本発明の様々な面に従った、患者に使用されている無線患者センサ及び無線患者監視ベース・ステーションの簡略側面図である。
【
図4】
図4は、本発明の様々な面に従った、ホストによりリンクの品質を監視する一実施形態の流れ図である。
【
図5】
図5は、
図4に例示された実施形態についてのクライアント及びホストの動作の時間線図である。
【
図6】
図6は、本発明の様々な面に従った、クライアントによりリンクの品質を監視する一実施形態の流れ図である。
【
図7】
図7は、本発明の様々な面に従った、
図6に例示された実施形態についてのクライアント及びホストの動作の時間線図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は無線医用イメージング及び患者監視システムを対象とする。無線通信システムはノイズの大きいチャンネルの通信問題の影響を受け易いので、特定の無線通信チャンネルのリンク品質は、該チャンネルでの継続したシステム通信が実行不可能になる程に貧弱になることがある。本発明によれば、無線システムのクライアント装置及びホスト装置の一方又は両方が現在の無線接続のリンク品質を監視して、それが許容範囲の外側にあるかどうか決定する。該接続のリンク品質が所定の閾値を超えている場合、又は該接続が切断された場合、本システムは通信を異なるチャンネルへ移動させる。
【0012】
大まかに
図1について説明すると、全体的に参照数字10で表した無線X線システムが示されている。この例示の実施形態では、無線X線システム10は、原画像データを取得し且つ該画像データを表示のために処理するように設計される。
図1に例示された実施形態では、無線X線システム10は、当該X線ベース・ステーション12の動作範囲内に配置された複数のディジタルX線検出器16と通信するのに適したX線ベース・ステーション12を含む。X線システム10は、それらのディジタルX線検出器16の動作を協調させるように構成される。X線ベース・ステーション12は移動型イメージング・システム又は固定型イメージング・システムとすることができる。X線ベース・ステーション12はX線源18を持っていて、ディジタルX線検出器16と共に、X線イメージングを遂行するように動作し得る。X線ベース・ステーション12は複数のX線検出器16を認識し且つそれらと通信することができる。
【0013】
図示の実施形態では、複数の検出器16はベース・ユニット20と通信する。ベース・ユニット20は電子回路22を収容しており、該電子回路22は、無線により検出器16を検出し且つ検出器16と通信し、検出器から画像データを取得し、更に該データを処理して所望の画像を形成する。また、電子回路22はX線源18に電力を供給し且つ制御する。ベース・ユニット20はまた、ユーザーが無線X線システム10を動作させ且つ表示装置26で様々なシステム活動を監視することができるようにするオペレータ・ワークステーション24を持つ。一実施形態では、無線により検出器16を検出し且つ検出器16と通信するために、電子回路22と検出器16の全ては1つ以上の無線通信インターフェースを持つ。このような一実施形態では、ベース・ユニット20及び検出器16内の全ての無線インターフェースには、特定の地理的地域に対して認可された許容無線通信チャンネル(すなわち、周波数)のリストが設けられる。
【0014】
図2に例示された無線X線システム10の実施形態では、患者40をX線源18と検出器16との間に位置決めすることができる。患者40はX線源18の真下にテーブル42上に載せられる。システム10はまた、患者40の真下に位置決めされた検出器16を含む。イメージング・シーケンス中、検出器16は、患者を通り抜けたX線を受けて、イメージング・データを処理のためにベース・ユニット20へ無線により伝送する。
【0015】
他の実施形態では、他の種類のシステムを、本発明に従って無線により通信するように構成することができる。例えば、
図3について説明すると、全体的に参照数字50で表した無線患者監視システムが示されている。例示された実施形態では、無線患者監視システム50は、無線患者センサ56を使用してテーブル42上の患者40の物理的属性を監視し且つこのデータを処理及び表示のために患者監視ベース・ステーション58へ伝送するように動作し得る。それに対応して、無線患者センサ56は、患者の体温、血圧、心拍数などを検出するように動作し得る。無線患者監視ベース・ステーション58は、患者データを処理し、いずれかの患者属性が許容レベルを超えているかどうか判定し、適切な警報を鳴らし、且つ処理された患者データを画面上に表示するように動作し得る回路を含む。無線通信のため、患者監視ベース・ステーション58及びセンサ56は本書で述べるような1つ以上の無線通信インターフェースを持つ。このような一実施形態では、無線インターフェースには、特定の地理的地域に対して認可された許容無線通信チャンネルのリストが設けられる。
【0016】
一実施態様では、無線X線システム10又は患者監視システム50の動作中、それぞれの実施形態について、ベース・ステーション12及び58は無線ホスト装置として作用し、また検出器16及びセンサ56は無線クライアント装置として作用する。各々の実施形態では、ホスト及びクライアントは、或る特定のチャンネルを介して互いと無線通信する。しかしながら、該チャンネルは余りにノイズが大きくなって、その現在のチャンネルで通信を続けることが出来なくなることがあり、その結果、システムは新しいチャンネルへ変更して、データ交換を再開することが必要になる。現在のチャンネルが通信を続けられないほどノイズが大きくなったかどうか決定するため、1つ以上の特定のリンク品質メトリクスを実時間で監視して、それらが所定の閾値以下に低下したときを決定することができる。このようなメトリクスには、限定するものではないが、信号対ノイズ比、信号強度、データ検証を失敗したパッケージの絶対数又は相対数(例えば、百分率)、及び脱落したパッケージの絶対数又は相対数(例えば、百分率)を挙げることができる。1つ以上のメトリクスはシステム内のホスト及びクライアント装置のいずれか又は両方によって監視することができる。特定の閾値の所定の値は、データ・スループットと特定の活動のための遅延要件及び制限とに基づいて決定することができる。
【0017】
図4は、ホスト−クライアント・システムのためのチャンネル変更方法の一実施形態を例示する。本方法では、ホストが接続のリンク品質を監視する責任を持つ(ブロック70)。システムのリンク品質が所定の閾値以下に低下したとき(ブロック72)、ホストは新しいチャンネルを選択し(ブロック74)、次いでチャンネル切換え要求をクライアントへ送る(ブロック76)。図示の実施態様では、チャンネル切換え要求は、少なくとも、選択されたチャンネルと、交換すべき同期化パッケージの数を表す数値とを含む。交換すべき同期化パッケージが残っている間(ブロック78)、同期化パッケージが、ホストから、残っている同期化の数を指定するクライアントへ送られる(ブロック80)一方、クライアントが、同じ数値を持つ同期化パッケージによりホストへ返答する。残りの同期化パッケージのこのカウントは、実効的にカウントダウンとして作用し、従って、いったんホスト及びクライアントのそれぞれがカウントダウンの終わりを知らせる最後の同期化パッケージを送ると、両方の装置は新しいチャンネルへ切り換えて通信を再開する(ブロック82)。チャンネルを切り換えた後、ホストは新しいチャンネルで接続のリンク品質を監視する(ブロック70)。
【0018】
図5は、
図4によって例示された実施形態についての時間線
図90を示す。時間線
図90では、時間100につれて現在のチャンネル96又は新しいチャンネル98のいずれかを介してホスト92とクライアント94との間で送られる通信パッケージがある。現在の接続のリンク品質を監視しているホスト92によって、リンク品質が所定の閾値以下に低下したと決定したとき、該ホスト92は新しいチャンネル98を選択し、次いでチャンネル切換え要求102をクライアントへ送る。一実施形態では、チャンネル切換え要求102は、選択されるチャンネル番号と、交換すべき同期化パッケージの数を表す数値とを指定する。クライアント94は、要求102の受領を確認するためにチャンネル切換え応答104で適切に応答する。図示の実施態様では、ホストは、残っている同期化パッケージの数値を持つ一連の同期化パッケージ106をクライアントへ送り、各同期化パッケージの間にクライアントの応答108を待つ。ホスト92からの各同期化パッケージ106を受け取った後、クライアント94は、受け取ったものと同じ数値を持つ同期化パッケージ108をホスト92へ送り返す。一実施形態では、最後のカウントダウン値(例えば、0)を持つ同期化パッケージがホスト92及びクライアント94によって送られたときは、両方の装置は新しいチャンネル98へ変更して、新しいチャンネル98で正常なシステム通信114を再開する。
【0019】
一般的に
図6について説明すると、ホスト及びクライアント装置の間のチャンネル変更方法の別の実施形態が例示されている。この実施形態では、クライアントが無線接続のリンク品質を監視する責任を持つ(ブロック120)。現在の接続のリンク品質が所定の閾値以下に低下したとクライアントが決定したとき(ブロック122)、クライアントはチャンネル切換え要求をホストへ送り(ブロック124)、ホストに対する接続を切断し、そして複数のチャンネルを連続的に走査してホストの標識を探す(ブロック126)。ホストは、チャンネル切換え要求を受け取ったとき又は切断された接続を検出したとき(ブロック128)、新しいチャンネルを選択して、この新しいチャンネルで標識を送信する(ブロック130)。クライアントは、新しいチャンネルでホストの標識を突き止めたとき、新しいチャンネルでホストに接続する(ブロック132)。接続後、クライアントは、新しいチャンネルを介した新しい接続のリンク品質を監視することを再開する(ブロック120)。
【0020】
図7は、
図6によって例示されたものと同様な実施形態についての時間線
図140を示す。この実施形態では、ホスト92及びクライアント94のいずれか又は両方が、現在のチャンネル142を介した現在の接続のリンク品質を時間100につれて監視する責任を持つ。リンク品質を監視する責任を持つ装置は、現在の接続についてリンク品質が所定の閾値以下に低下したと決定したとき、チャンネル切換え要求146を他の装置へ送り、次いで接続を切断して、システム通信の一時的な欠落148を生じさせることができる。一実施形態では、クライアント94からのチャンネル切換え要求146又は接続の切断148を検出したホスト92が、新しいチャンネル144を選択して、新しいチャンネルで標識150を送信し始める。接続の切断148を行った又は接続の切断148を検出したクライアント94が、連続的に複数のチャンネルを走査して(152)、ホスト92の標識150を探し始める。クライアント94が新しいチャンネル144でホスト92の標識150を突き止めたとき、ホスト92とクライアント94は新しいチャンネル144で再接続して、正常なシステム通信154を再開する。
【0021】
上記の代わりに、別の実施形態では、ホスト92とクライアント94のいずれも、接続が失われるとき(148)より前にはチャンネル切換え要求146を他の装置へ送らない。このような実施形態では、接続の切断148を検出したホスト92が、新しいチャンネル144を選択して、新しいチャンネルで標識150の送信を開始する。接続の切断148を検出したクライアント94が、連続的に複数のチャンネルを走査(152)して、ホスト92の標識150を探し始める。クライアント94が新しいチャンネル144でホスト92の標識150を突き止めたとき、ホスト92とクライアント94は新しいチャンネル144で再接続して、正常なシステム通信154を再開する。
【0022】
本発明の技術的効果には、無線接続のリンク品質を効果的に監視して、リンク品質が所定の閾値以下であるか又は接続が切断されている場合にシステム通信を異なる無線チャンネルへ移す無線医用システムの能力が挙げられる。更に、本発明によれば、無線医用システムにおいてデータのスループット及び通信の信頼性を増大させることができる。
【0023】
本明細書は、最良の実施形態を含めて、本発明を開示するために、また当業者が任意の装置又はシステムを作成し使用し、任意の採用した方法を遂行すること含めて、本発明を実施することができるようにするために、幾つかの例を使用した。本発明の特許可能な範囲は「特許請求の範囲」の記載に定めており、また当業者に考えられる他の例を含み得る。このような他の例は、それらが特許請求の範囲の文字通りの記載から実質的に差異のない構造的要素を持つ場合、或いはそれらが「特許請求の範囲」の文字通りの記載から実質的に差異のない等価な構造的要素を含む場合、特許請求の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0024】
10 無線X線システム
12 X線ベース・ステーション
16 ディジタルX線検出器
18 X線源
20 ベース・ユニット
22 電子回路
24 オペレータ・ワークステーション
26 表示装置
40 患者
42 テーブル
50 無線患者監視システム
56 無線患者センサ
58 患者監視ベース・ステーション
90 時間線図
92 ホスト
94 クライアント
96 現在のチャンネル
98 新しいチャンネル
106 同期化パッケージ
108 クライアント応答
114 正常なシステム通信の再開
140 時間線図
142 現在のチャンネル
146 チャンネル切換え要求
148 システム通信の一時的な欠落
144 新しいチャンネル
154 正常なシステム通信の再開