特許第6012215号(P6012215)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6012215-積層体 図000006
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6012215
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】積層体
(51)【国際特許分類】
   B32B 7/02 20060101AFI20161011BHJP
   B32B 27/30 20060101ALI20161011BHJP
   E04F 15/18 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   B32B7/02 105
   B32B27/30 101
   E04F15/18 D
   E04F15/18 Z
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-65970(P2012-65970)
(22)【出願日】2012年3月22日
(65)【公開番号】特開2013-193430(P2013-193430A)
(43)【公開日】2013年9月30日
【審査請求日】2015年3月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】510114125
【氏名又は名称】株式会社エフコンサルタント
(72)【発明者】
【氏名】天野 良太郎
【審査官】 斎藤 克也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−316245(JP,A)
【文献】 特開2004−060350(JP,A)
【文献】 実用新案登録第2515059(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00 − 43/00
E04F 15/00 − 15/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄熱層を有する積層体であって、
蓄熱層及び保護層が積層され、
該蓄熱層が、有機潜熱蓄熱材を有機多孔体に担持・保持した有機潜熱蓄熱層であり、
該保護層が、炭化断熱層を形成できるものであることを特徴とする積層体。
【請求項2】
蓄熱層を有する積層体であって、
蓄熱層、ガスバリヤ層及び保護層が積層され、
該蓄熱層が、有機潜熱蓄熱材を有機多孔体に担持・保持した有機潜熱蓄熱層であり、
該保護層が、炭化断熱層を形成できるものであることを特徴とする積層体。
【請求項3】
前記有機多孔体が、ヒドロキシル基を含有する化合物、イソシアネート基を含有する化合物からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層体。
【請求項4】
前記保護層が、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩素化アルキレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化アルキレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂から選ばれる1種以上のハロゲン樹脂層であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層体。
【請求項5】
前記保護層が、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂から選ばれる1種以上の塩素樹脂層であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層体。
【請求項6】
ガスバリヤ層が、ポリエチレン樹脂層、ポリプロピレン樹脂層、ポリエチレン‐ポリプロピレン共重合樹脂層から選ばれる1種以上のポリアルキレン樹脂層であることを特徴とする請求項2に記載の積層体。
【請求項7】
前記保護層が、結合材と、無機質粒子及び/または発泡剤を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層体。
【請求項8】
前記結合材と前記無機質粒子の混合比率は、結合材の固形分100重量部に対し、無機質粒子30重量部以上500重量部以下であることを特徴とする請求項7に記載の積層体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、住宅における床暖房に適用できる積層体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の住宅環境に対する高まりを背景に、電熱線や温水管等を床に設置した床暖房システムを備えた住宅が増加している。
床暖房システムでは、例えば、電熱線などで発熱した熱が床下へ逃げるのを防止するため、断熱材等を設置し、熱を床下へ逃さず、熱効率を向上させている。この場合、断熱材は、ある程度の厚みを付けることにより、熱効率をより向上させることができる。
【0003】
このような床暖房システムにおいて、近年、蓄熱材を含有した蓄熱体(蓄熱シート)を導入する方法が検討されている。(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3等)
蓄熱材を含有した蓄熱体を導入した場合、発熱した熱を蓄熱体に蓄えることができるため、床下等への放熱を抑え、熱効率を向上させることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−343864号公報
【特許文献2】特開2003−294323号公報
【特許文献3】特開2003−021349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような電熱線などを利用した床暖房システムには、通常、温度の過剰な上昇に対して、温度制御システム等の安全防止策が備え付けられている。
しかし、温度制御システム等がなんらかの原因で故障した場合、温度の過剰な上昇によって、蓄熱体が変質するという問題が発生するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討をした結果、蓄熱層に、保護層を積層することにより、過剰な温度上昇等に対して蓄熱層の変質を防止し、効率よく耐熱効果を発揮することを見出し、本発明を完成した。
【0007】
即ち、本発明は、以下の特徴を含むものである。
1.蓄熱層を有する積層体であって、
蓄熱層及び保護層が積層され、
該蓄熱層が、有機潜熱蓄熱材を有機多孔体に担持・保持した有機潜熱蓄熱層であり、
該保護層が、炭化断熱層を形成できるものであることを特徴とする積層体。
2.蓄熱層を有する積層体であって、
蓄熱層、ガスバリヤ層及び保護層が積層され、
該蓄熱層が、有機潜熱蓄熱材を有機多孔体に担持・保持した有機潜熱蓄熱層であり、
該保護層が、炭化断熱層を形成できるものであることを特徴とする積層体。
3.前記有機多孔体が、ヒドロキシル基を含有する化合物、イソシアネート基を含有する化合物からなることを特徴とする1.または2.に記載の積層体。
4.前記保護層が、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩素化アルキレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化アルキレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂から選ばれる1種以上のハロゲン樹脂層であることを特徴とする1.または2.に記載の積層体。
5.前記保護層が、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂から選ばれる1種以上の塩素樹脂層であることを特徴とする1.または2.に記載の積層体。
6.ガスバリヤ層が、ポリエチレン樹脂層、ポリプロピレン樹脂層、ポリエチレン‐ポリプロピレン共重合樹脂層から選ばれる1種以上のポリアルキレン樹脂層であることを特徴とする2.に記載の積層体。
7.前記保護層が、結合材と、無機質粒子及び/または発泡剤を含むことを特徴とする1.または2.に記載の積層体。
8.前記結合材と前記無機質粒子の混合比率は、結合材の固形分100重量部に対し、無機質粒子30重量部以上500重量部以下であることを特徴とする7.に記載の積層体。
【発明の効果】
【0008】
本発明の積層体は、優れた蓄熱性を有するとともに、過剰な温度上昇等に対して蓄熱層の変質を防止し、効率よく耐熱効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の積層体の一例を示す断面図である。
図2】本発明の積層体の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0010】
1:保護層
2:蓄熱層
3:ガスバリヤ層
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0012】
本発明の積層体は、蓄熱層及び保護層が積層されたものであり、優れた蓄熱性を有するとともに、過剰な温度上昇等に対して蓄熱層の変質を防止し、効率よく耐熱効果を発揮することができるものである。
蓄熱材を含む蓄熱層は、過剰な温度上昇等に対して、蓄熱層から蓄熱材が漏れだしたり、蓄熱材が揮発する場合があり、蓄熱層の性能が損なわれたり、蓄熱層が変形するおそれがある。本発明では、このような蓄熱層の変質を防止し、優れた蓄熱性能を維持することができる。
【0013】
<蓄熱層>
本発明の蓄熱層は、顕熱蓄熱材、潜熱蓄熱材等の蓄熱材を含むものであれば特に限定されないが、特に、物質の相変化による潜熱を利用した潜熱蓄熱材を含む潜熱蓄熱層が好ましい。潜熱蓄熱材は、物質が固体から液体に相変化する時に熱を蓄え(蓄熱)、液体から固体に相変化する時に熱を放出(放熱)するという性質を利用し、蓄熱・放熱させるものである。本発明では、潜熱蓄熱材のなかでも特に、有機潜熱蓄熱材を含有する有機潜熱蓄熱層が好ましい。
【0014】
有機潜熱蓄熱材は、沸点が高く揮発しにくいため、有機潜熱蓄熱層成形時における体積変化(肉痩せ)がほとんど無く、また長期に亘り蓄熱性能が持続するため、好ましい。さらに、有機潜熱蓄熱材を用いた場合、用途に応じた相変化温度の設定が容易であり、例えば相変化温度の異なる2種以上の有機潜熱蓄熱材を混合することで、容易に相変化温度の設定が可能となる。
【0015】
有機潜熱蓄熱材としては、例えば、脂肪族炭化水素、長鎖アルコール、長鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸エステル、脂肪酸トリグリセリド、ポリエーテル化合物等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
【0016】
脂肪族炭化水素としては、例えば、炭素数8以上36以下の脂肪族炭化水素を用いることができ、具体的には、n−テトラデカン(融点8℃)、ペンタデカン(融点10℃)、n−ヘキサデカン(融点17℃)、n−ヘプタデカン(融点22℃)、n−オクタデカン(融点28℃)、n−ノナデカン(融点32℃)、イコサン(融点36℃)、ドコサン(融点44℃)、およびこれらの混合物で構成されるn−パラフィンやパラフィンワックス等が挙げられる。
【0017】
長鎖アルコールとしては、例えば、炭素数8以上36以下の長鎖アルコールを用いることができ、具体的には、カプリルアルコール(融点7℃)、ラウリルアルコール(融点24℃)、ミリスチルアルコール(融点38℃)、ステアリルアルコール(融点58℃)等が挙げられる。
【0018】
長鎖脂肪酸としては、例えば、炭素数8以上36以下の長鎖脂肪酸を用いることができ、具体的には、オクタン酸(融点17℃)、デカン酸(融点32℃)、ドデカン酸(融点44℃)、テトラデカン酸(融点50℃)、オクタデカン酸(融点70℃)、ヘキサデカン酸(融点63℃)等の脂肪酸等が挙げられる。
【0019】
長鎖脂肪酸エステルとしては、例えば、炭素数8以上36以下の長鎖脂肪酸エステルを用いることができ、具体的には、ラウリン酸メチル(融点5℃)、ミリスチン酸メチル(融点19℃)、パルミチン酸メチル(融点30℃)、ステアリン酸メチル(融点38℃)、ステアリン酸ブチル(融点25℃)、アラキジン酸メチル(融点45℃)等が挙げられる。
【0020】
脂肪酸トリグリセリドとしては、例えば、ヤシ油、パーム核油等の植物油や、その精製加工品である中鎖脂肪酸トリグリセリド、長鎖脂肪酸トリグリセリド等が挙げられる。
【0021】
ポリエーテル化合物としては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールジアクリレート、エチルエチレングリコール等が挙げられる。
【0022】
本発明では有機潜熱蓄熱材として、特に、実用温度領域である25℃〜50℃に相変化温度(融点)を有する脂肪族炭化水素、長鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸エステルが、潜熱量が高く、化学的安定に優れ、好ましい。
【0023】
さらに有機潜熱蓄熱材としては、炭素数8以上36以下の脂肪族炭化水素、炭素数8以上36以下の長鎖アルコール、炭素数8以上36以下の長鎖脂肪酸、炭素数8以上36以下の長鎖脂肪酸エステルから選ばれる1種以上を使用することが好ましく、さらには、炭素数8以上36以下の脂肪族炭化水素及び/または炭素数8以上36以下の長鎖脂肪酸エステルを使用することが好ましい。中でも、炭素数15以上22以下の脂肪族炭化水素及び/または炭素数15以上22以下の長鎖脂肪酸エステルを使用することが好ましく、このような有機潜熱蓄熱材は、潜熱量が高く、実用温度領域に相変化温度(融点)を有するため、様々な用途に使用しやすい。
【0024】
本発明では、融点の異なる2種以上の有機潜熱蓄熱材を用いることにより、適用温度領域の広い蓄熱層を得ることができる。
【0025】
また、2種以上の有機潜熱蓄熱材を混合して使用する場合は、相溶化剤を用いることが好ましい。相溶化剤を用いることにより、有機潜熱蓄熱材どうしの相溶性を向上させることができる。
相溶化剤としては、例えば、脂肪酸トリグリセリド、親水親油バランス(HLB)が1以上10未満(好ましくは1以上5以下)の非イオン性界面活性剤等が挙げられ、これらの1種または2種以上を混合し用いることができる。
【0026】
相溶化剤と有機潜熱蓄熱材の混合比は、通常有機潜熱蓄熱材100重量部に対し、相溶化剤0.1重量部から20重量部(好ましくは0.5重量部から10重量部)程度とすればよい。
【0027】
さらに蓄熱層には、粘土鉱物を混合して用いることができる。
粘土鉱物は、過剰な温度上昇等に対して蓄熱層の変質を防止する効果がある。
【0028】
粘土鉱物としては、本発明では、特に、有機処理された層状の粘土鉱物(以下、「有機処理層状粘土鉱物」ともいう。)を用いることが好ましい。
蓄熱材と有機処理層状粘土鉱物を混合することにより、有機処理層状粘土鉱物の層間に蓄熱材が入り込み、蓄熱材が有機処理層状粘土鉱物の層間に保持されやすい構造となる。特に蓄熱材として、有機潜熱蓄熱材を使用した場合、有機潜熱蓄熱材が有機処理層状粘土鉱物の層間に、より保持されやすい構造となる。
【0029】
このような有機処理層状粘土鉱物と蓄熱材を混合することにより、結果として、蓄熱層内に蓄熱材がより安定して担持され、保持し続け、蓄熱層の変質を防ぐことができる。
【0030】
有機処理層状粘土鉱物としては、例えば、スメクタイト、バーミキュライト、カオリナイト、アロフェン、雲母、タルク、ハロイサイト、セピオライト等が挙げられる。また、膨潤性フッ素雲母、膨潤性合成マイカ等も利用できる。
【0031】
有機処理としては、例えば、層状粘土鉱物の層間に存在する陽イオンを長鎖アルキルアンモニウムイオン等でイオン交換(インターカレート)すること等が挙げられる。
本発明では、特に、スメクタイト、バーミキュライトが有機処理されやすい点から、好適に用いられる。さらに、スメクタイトの中でも、特に、モンモリロナイトが好適に用いられ、本発明では、特に、有機処理されたモンモリロナイトを好適に用いることができる。
【0032】
具体的に、有機処理されたモンモリロナイトとしては、
ホージュン社製のエスベン、エスベン C、エスベン E、エスベン W、エスベン P、エスベン WX、エスベン NX、エスベン NZ、エスベン N-400、オルガナイト、オルガナイトーD、オルガナイトーT(商品名)
ズードケミー触媒社製のTIXOGEL MP、TIXOGEL VP、TIXOGEL VP、TIXOGEL MP、TIXOGEL EZ 100、MP 100、TIXOGEL UN、TIXOGEL DS、TIXOGEL VP−A、TIXOGEL VZ、TIXOGEL PE、TIXOGEL MP 250、TIXOGEL MPZ(商品名)
エレメンティスジャパン社製のBENTONE 34、38、52、500、1000、128、27、SD−1、SD−3(商品名)
等が挙げられる。
【0033】
有機処理層状粘土鉱物と蓄熱材の混合比は、通常蓄熱材100重量部に対し、0.5重量部から50重量部(好ましくは1重量部から30重量部、より好ましくは3重量部から15重量部)程度とすればよい。
【0034】
本発明では、このような蓄熱材をカプセル化したものを何らかの方法で固定化した蓄熱層(1)、または、蓄熱材を多孔体に担持・保持した蓄熱層(2)、蓄熱材をそのままフィルムに封入した蓄熱層(3)等を用いることができる。
【0035】
(1)蓄熱材をカプセル化したものを使用する方法としては、常法により作成した蓄熱性カプセルを、何らかの方法で固定して用いればよい。例えば、蓄熱性カプセルをそのままフィルムに封入した蓄熱層、蓄熱性カプセルと結合剤を混練したスラリーを成形した蓄熱層、各種材料に浸漬法、減圧・加圧注入法等により蓄熱性カプセルを含浸させた蓄熱層、あるいはこれらを組み合わせた蓄熱層等が挙げられる。
【0036】
(2)蓄熱材を多孔体に担持・保持したものとして、多孔体の形状は、蓄熱材が担持・保持できれば、特に限定されず、例えば、粒子凝集型多孔体、スポンジ型多孔体、3次元網目構造型多孔体等の形状を有するもの等が挙げられる。本発明では、特に、蓄熱材がより担持・保持されやすい点から、3次元網目構造型多孔体が好ましい。
【0037】
また多孔体としては、無機多孔体、有機多孔体等特に限定されず用いることができるが、有機潜熱蓄熱材を用いた場合、有機潜熱蓄熱材がより担持・保持しやすい点から有機多孔体が好適に用いられる。さらに、有機多孔体は有機潜熱蓄熱材の相変化(特に、液体から固体への変化)による体積収縮に起因する蓄熱層の変質も防ぐことができる。
【0038】
このような有機多孔体を形成する樹脂成分としては、例えば、アクリル樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル・酢酸ビニル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂、アクリル・シリコン樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、エチレン・酢酸ビニル・ベオバ樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、AS樹脂等の溶剤可溶型、NAD型、水可溶型、水分散型、無溶剤型等、または、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム等の合成ゴム等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
【0039】
さらに本発明では、上記樹脂成分のうち、1液タイプ、2液タイプのいずれも使用することができるが、2液タイプのほうが好ましい。例えば、反応性官能基を含有する化合物と該反応性官能基と反応可能な反応性官能基を含有する化合物からなる2液タイプが好適に用いられる。
【0040】
このような、反応性官能基の組み合わせとしては、ヒドロキシル基とイソシアネート基、ヒドロキシル基とカルボキシル基、ヒドロキシル基とイミド基、ヒドロキシル基とアルデヒド基、エポキシ基とアミノ基、エポキシ基とカルボキシル基、カルボキシル基とカルボジイミド基、カルボキシル基とオキサゾリン基、カルボニル基とヒドラジド基、カルボキシル基とアジリジン基等が挙げられる。
【0041】
さらに、反応性官能基の組み合わせとしては、特に、ヒドロキシル基を含有する化合物とイソシアネート基を含有する化合物、エポキシ基を含有する化合物とアミノ基を含有する化合物等の組み合わせが好ましく、特にヒドロキシル基を含有する化合物とイソシアネート基を含有する化合物の組み合わせが好ましい。このような、組み合わせでは、温和な条件下で架橋反応が進行しやすく、また、架橋密度等の調節も容易であるため好ましい。
【0042】
ヒドロキシル基を含有する化合物とイソシアネート基を含有する化合物を用いて、蓄熱材を有機多孔体に担持・保持する方法としては、例えば、
(i)蓄熱材、ヒドロキシル基を含有する化合物、及びイソシアネート基を含有する化合物を均一に混合し、ヒドロキシル基を含有する化合物とイソシアネート基を含有する化合物を反応させる方法、
(ii)蓄熱材と、親水親油バランス(HLB値)が10以上の非イオン性界面活性剤、ヒドロキシル基を含有する化合物、及びイソシアネート基を含有する化合物を混合し、蓄熱材をコロイド状に分散させ、ヒドロキシル基を含有する化合物とイソシアネート基を含有する化合物を反応させる方法、等が挙げられる。
【0043】
(i)の方法では、具体的に、蓄熱材、ヒドロキシル基を含有する化合物、イソシアネート基を含有する化合物を均一に混合し、相溶状態にする。次いで、ヒドロキシル基を含有する化合物とイソシアネート基を含有する化合物を反応させることにより、蓄熱材が有機多孔体に担持された蓄熱層を得るものである。
この過程では、相溶状態から非相溶状態の変化に伴うミクロ相分離が起こり、ヒドロキシル基を含有する化合物とイソシアネート基を含有する化合物からなる緻密に入り組んだ3次元網目構造型多孔体が形成されるものと思われる。この3次元網目構造型多孔体に蓄熱材が担持された状態となり、蓄熱層が形成される。
特に、蓄熱材として有機潜熱蓄熱材を用いた場合、ヒドロキシル基を含有する化合物、イソシアネート基を含有する化合物と混合した際に相溶状態になりやすく、より緻密に入り組んだ3次元網目構造型多孔体に有機潜熱蓄熱材が担持された有機潜熱蓄熱層を形成することができる。
【0044】
また、(ii)の方法では、具体的に、蓄熱材と、親水親油バランス(HLB値)が10以上の非イオン性界面活性剤、ヒドロキシル基を含有する化合物とイソシアネート基を含有する化合物を混合し、ヒドロキシル基を含有する化合物とイソシアネート基を含有する化合物中に蓄熱材をコロイド状に分散させる。次いで、ヒドロキシル基を含有する化合物とイソシアネート基を含有する化合物を反応させることにより、蓄熱材が多孔体に担持された蓄熱層を得るものである。
【0045】
このような方法では、親水親油バランス(HLB値)が10以上の非イオン性界面活性剤により、ヒドロキシル基を含有する化合物及び/またはイソシアネート基を含有する化合物中に、蓄熱材が微細なコロイド状に分散した状態をつくりだすことができる。このような状態でヒドロキシル基を含有する化合物とイソシアネート基を含有する化合物を反応させることにより、ヒドロキシル基を含有する化合物とイソシアネート基を含有する化合物からなる多孔体中に蓄熱材が微細に分散した蓄熱層を製造することができる。
特に、蓄熱材として有機潜熱蓄熱材を用いた場合、微細なコロイド状に分散しやすく、より緻密に入り組んだ3次元網目構造型多孔体に有機潜熱蓄熱材が微細に分散した状態で担持された有機潜熱蓄熱層を形成することができる。
【0046】
また(ii)の方法としては、例えば、有機潜熱蓄熱材、親水親油バランス(HLB値)が10以上の非イオン性界面活性剤、ヒドロキシル基を含有する化合物及びイソシアネート基を含有する化合物を混合し、ヒドロキシル基を含有する化合物とイソシアネート基を含有する化合物を反応させる方法、または、有機潜熱蓄熱材、親水親油バランス(HLB値)が10以上の非イオン性界面活性剤、ヒドロキシル基を含有する化合物(またはイソシアネート基を含有する化合物)を混合し、イソシアネート基を含有する化合物(またはヒドロキシル基を含有する化合物)を添加することにより反応させる方法等が挙げられる。
【0047】
親水親油バランス(HLB値)が10以上の非イオン性界面活性剤は、親水親油バランス(HLB値)が10以上(好ましくは10超20以下、さらに好ましくは11以上19以下、より好ましくは12以上18以下、最も好ましくは13以上17以下)の非イオン性界面活性剤であり、このような範囲であれば、特に有機潜熱蓄熱材を、コロイド状に分散し易いため好ましい。
【0048】
親水親油バランス(HLB値)が10以上の非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、
テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等のポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、
ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン等が挙げられる。
【0049】
(i)、(ii)の方法において、有機潜熱蓄熱材を用いた有機潜熱蓄熱層の製造では、上述した相溶化剤を混合し製造することが好ましい。相溶化剤は、有機潜熱蓄熱材同士の相溶性のみならず、有機潜熱蓄熱材と樹脂成分(ヒドロキシル基を含有する化合物、イソシアネート基を含有する化合物等)との相溶性も向上させることができるため、より緻密な3次元網目構造型多孔体が形成され、多孔体から有機潜熱蓄熱材が洩れることを、よりいっそう防ぐことができる。
【0050】
また、ヒドロキシル基を含有する化合物とイソシアネート基を含有する化合物の反応では、反応促進剤を用いて硬化反応を迅速に進めることもできる。
反応促進剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、テトラメチルブタンジアミン、ジメチルアミノエタノール、ダイマージアミン、ダイマー酸ポリアミドアミン等のアミン類;
ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、錫オクテート等の錫カルボン酸塩類;
ナフテン酸鉄、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸鉄、オクチル酸コバルト、オクチル酸マンガン、オクチル酸亜鉛等の金属カルボン酸塩類;
ジブチルチンチオカルボキシレート、ジオクチルチンチオカルボキシレート、トリブチルメチルアンモニウムアセテート、トリオクチルメチルアンモニウムアセテート等のカルボキシレート類;
アルミニウムトリスアセチルアセテート等のアルミニウム化合物;
等が挙げられ、1種または2種以上を用いることができる。
【0051】
反応促進剤は、ヒドロキシル基を含有する化合物の固形分100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の比率で混合する。
【0052】
またヒドロキシル基を含有する化合物とイソシアネート基を含有する化合物の混合比率は、特に限定されず、適宜設定すればよいが、NCO/OH比率が、0.1〜1.8、好ましくは0.2〜1.7、さらに好ましくは0.3〜1.6、より好ましくは0.5〜1.5であることによって、より優れた3次元網目構造型多孔体を得ることができる。
【0053】
このような製造方法により得られる有機潜熱蓄熱層は、有機潜熱蓄熱材の含有率を大きくすることができ優れた蓄熱性を示し、かつ、高い有機潜熱蓄熱材含有率を有しているにもかかわらず経時的に有機潜熱蓄熱材が漏れることがない。さらに有機潜熱蓄熱層を切断したとしても、切断面から有機潜熱蓄熱材が漏れ出すこともなく加工性に優れ、また、釘打ち等による有機潜熱蓄熱材の漏れないため、取り付け施工性に優れている。
さらに、有機潜熱蓄熱材が、緻密に入り組んだ3次元網目構造型多孔体に担持されているため、有機潜熱蓄熱材の固液変化に伴う体積変化による有機潜熱蓄熱層自体の形状変化を軽減することもできる。
【0054】
また、(i)、(ii)の方法において、上記成分の他に、顔料、骨材、可塑剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、消泡剤、発泡剤、レベリング剤、顔料分散剤、沈降防止剤、たれ防止剤、脱水剤、艶消し剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定剤、粘性調整剤、熱伝導性物質等の添加剤を混合してもよい。
【0055】
このようにして得られる上記(2)の蓄熱層中の蓄熱材含有率は、好ましくは40重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上、最も好ましくは65重量%以上である。
【0056】
(3)有機潜熱蓄熱材をそのままフィルムに封入する方法では、例えば、各種フィルムを用いて、有機潜熱蓄熱材を封入すればよい。
【0057】
フィルムとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニリデン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等の有機材料等から選ばれる1種または2種以上、
アルミニウム、金、銀、銅、鉄、クロム、亜鉛、マグネシウム、チタン、ニッケル、ビスマス、スズ、コバルトから選ばれる一種以上の金属、または、これら金属の酸化物、塩化物、硫化物、炭酸塩、珪酸塩、燐酸塩、硝酸塩、硫酸塩およびこれらの複合物から選ばれる一種以上、
等を主成分とするフィルムを用いることができる。
【0058】
これらのうち、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート等の有機材料、アルミニウム、金、銀、銅、鉄、クロム、亜鉛、マグネシウム、チタン、ニッケル、ビスマス、スズ、コバルトから選ばれる1種以上の金属、または、これら金属の酸化物、塩化物、硫化物、炭酸塩、珪酸塩、燐酸塩、硝酸塩、硫酸塩およびこれらの複合物から選ばれる1種以上を含むフィルムを使用することが好ましい。
【0059】
本発明の蓄熱層の厚さは、特に限定されないが、通常1mm〜20mm、さらには2mm〜15mm程度が好ましい。
【0060】
<保護層>
保護層は、高温時に炭化断熱層を形成できるもので、温度の過剰な上昇等による蓄熱層の変質を防止するものである。
このような保護層は、温度の過剰な上昇に対し、炭化して断熱層を形成するものであれば特に限定されない。
【0061】
このような保護層の結合材としては、温度の過剰な上昇に対し炭化しやすいハロゲン樹脂を含むハロゲン樹脂層であることが好ましい。特に、保護層の樹脂全量に対しハロゲン樹脂を50重量%以上(さらには80重量%以上、さらには100重量%)含むハロゲン樹脂層であることが好ましい。
【0062】
ハロゲン樹脂としては、例えば、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩素化アルキレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化アルキレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂等が挙げられ、これらのうち1種以上が使用できる。
特に本発明では、ハロゲン樹脂として、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂から選ばれる1種以上の塩素樹脂が好ましい。本発明の保護層は、このような塩素樹脂を保護層の樹脂全量に対し50重量%以上(さらには80重量%以上、さらには100重量%)含む塩素樹脂層であることが好ましい。
また保護層で用いる結合材としては、ハロゲン樹脂の他に、アクリル樹脂、エチレン樹脂、ポリエステル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂から選ばれる1種以上を使用することができる。
【0063】
さらに保護層には、結合材の他に、無機質粒子及び/または発泡剤を含むことが好ましい。
【0064】
保護層に無機質粒子を含むことによって、より効率よく耐熱効果を発揮することができる。
無機質粒子としては、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、鉄、クロム、亜鉛、マグネシウム、チタン、ニッケル、ビスマス、スズ、コバルトから選ばれる1種以上の金属、または、これら金属の酸化物、塩化物、硫化物、炭酸塩、珪酸塩、燐酸塩、硝酸塩、硫酸塩およびこれらの複合物から選ばれる1種以上を挙げることができる。
【0065】
結合材と無機質粒子の混合比率は、特に限定されないが、結合材の固形分100重量部に対し、無機質粒子30重量部以上500重量部以下、さらには50重量部以上300重量部以下であることが好ましい。
【0066】
保護層に発泡剤を含むことによって、温度の過剰な上昇に対し、発泡して断熱領域を形成し、効率よく耐熱効果を発揮することができる。
発泡剤としては、例えば、熱膨張性黒鉛、ポリリン酸塩、メラミン及びその誘導体、ジシアンジアミド及びその誘導体、アゾビステトラゾーム及びその誘導体、アゾジカーボンアミド、尿素、チオ尿素等が挙げられる。
【0067】
保護層には、上記成分以外に、可塑剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤等の添加剤を含むことができる。
また、保護層の厚さは、特に限定されないが、通常0.1mm〜10mm、さらには0.3mm〜5mm程度が好ましい。
【0068】
<積層体>
本願の積層体は、上記蓄熱層と保護層が積層されたものであり、その積層方法は特に限定されない。
例えば、予め製造された蓄熱層と保護層を、接着剤、接着テープ等を用いて積層する方法、予め製造された保護層に、蓄熱層を形成する成分を流し込み、乾燥固化させる方法、また予め製造された蓄熱層に、保護層を形成する成分を流し込み、乾燥固化させる方法等が挙げられる。
【0069】
また、本発明では、蓄熱層と保護層の間に、ガスバリヤ層が積層されたものが好ましい。
ガスバリヤ層を積層することにより、過剰な温度上昇時による蓄熱層の変質を防止する効果を高めることができる。
ガスバリヤ層としては、例えば、ポリアルキレン樹脂層が好適に用いられる。
特に、ポリアルキレン樹脂層としては、炭素数が8未満のポリアルキレン樹脂から形成されるポリアルキレン樹脂層が好ましく、さらには、炭素数2のポリエチレン樹脂層、炭素数3のポリプロピレン樹脂層、ポリエチレン‐ポリプロピレン共重合樹脂層から選ばれる1種以上、中でもポリプロピレン樹脂層を好適に用いることができる。
ガスバリヤ層の厚みは、10μm以上500μm以下、さらには20μm以上300μm以下、さらには30μm以上200μm以下であることが好ましい。
【0070】
ガスバリヤ層を積層する場合は、例えば、予め製造された蓄熱層とガスバリヤ層と保護層を、接着剤、接着テープ等を用いて積層する方法、予め製造された保護層とガスバリヤ層の積層体のガスバリヤ層側に、蓄熱層を形成する成分を流し込み、乾燥固化させる方法、また予め製造された蓄熱層とガスバリヤ層の積層体のガスバリヤ層側に、保護層を形成する成分を流し込み、乾燥固化させる方法等が挙げられる。
【0071】
得られた積層体は、特に、住宅における床暖房用として好適に用いられる。
床暖房用として、電気式床暖房用を用いる場合は、基材(コンクリート、モルタル等)や既存のフローリングの上に、本発明の積層体、面状発熱層、床材層を順に積層して用いる方法が挙げられる。また温水式床暖房用を用いる場合は、基材(温水管が埋め込まれた基材等)の上に、本発明の積層体、床材層を順に積層して用いる方法が挙げられる。
この場合、本発明積層体のうち、蓄熱層側を基材や既存のフローリング側に、保護層側を面状発熱層(床材層)側になるように積層すればよく、また、積層体の下側には、断熱層を積層することもできる。さらに、必要に応じ、金属層や樹脂フィルム、あるいは金属蒸着フィルム等を積層することもできる。
なお、積層には、公知の接着剤や接着テープや、釘、ピン、ネジ等を用いればよい。
【0072】
面状発熱層としては、特に限定されず、公知の面状発熱体を使用することができる。
面状発熱体としては、例えば、ニクロム線を蛇行させて絶縁体表面に配置したもの、電気抵抗発熱体と電極を積層したもの、PTC面状発熱体等が挙げられる。
【0073】
床材層としては、樹脂タイル及び樹脂シート、一枚板、フローリング材、合板、パーティクルボード、コルクタイル等の木質材料、繊維質材料、磁器タイル等のセラミックス材料、大理石、御影石、テラゾー等の石材料、モルタル等のコンクリート材料、ゴムやリノリウム等の天然樹脂タイル及び天然樹脂シート等を使用することができる。また畳、カーペット、じゅうたん等も床材層として使用することができる。本発明では、特に、耐熱性を有するものが、より好ましい。床材層の厚さは、通常1〜20mm、好ましくは2〜15mm程度であればよい。
【0074】
断熱層としては、例えば、ポリスチレン発泡体、ポリウレタン発泡体、アクリル樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体、ポリエチレン樹脂発泡体、発泡ゴム、グラスウール、ロックウール、発泡セラミック等、あるいはこれらの複合体等が挙げられる。また、市販の断熱層を使用してもよい。
【0075】
金属層としては、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、鉄、クロム、亜鉛、マグネシウム、チタン、ニッケル、ビスマス、スズ、コバルトから選ばれる一種以上の金属、または、これら金属の酸化物、塩化物、硫化物、炭酸塩、珪酸塩、燐酸塩、硝酸塩、硫酸塩およびこれらの複合物から選ばれる一種以上の金属を含む金属層が挙げられる。
樹脂フィルムとしては、例えば、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニリデン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のフィルム等が挙げられる。
金属蒸着フィルムとしては、上記樹脂フィルムに、上記金属が蒸着されたフィルム等が挙げられる。
【0076】
本発明の積層体は、特に、住宅における床暖房用として用いられる好適に用いられ、熱を蓄え熱効率を向上させるとともに、過剰な温度上昇等に対して、効率よく耐熱効果を発揮することができる。
【実施例】
【0077】
(実験例1〜6、19)
表1に示す原料を用い、表2に示す配合量にて、潜熱蓄熱材、ヒドロキシル基含有化合物、イソシアネート基含有化合物等を温度50℃で均一に混合し、反応促進剤を加え、十分攪拌した。攪拌後、表3に示す保護層を敷いた300×180×5mmの型枠中に流し込み、50℃で180分硬化させ、脱型して、試験体を得た。なおNCO/OH比率は1.0であった。
【0078】
(実験例7〜18、20〜21)
表1に示す原料を用い、表2に示す配合量にて、潜熱蓄熱材、ヒドロキシル基含有化合物、イソシアネート基含有化合物等を温度50℃で均一に混合し、反応促進剤を加え、十分攪拌した。攪拌後、表3に示すガスバリヤ層を敷いた300×180×5mmの型枠中に流し込み、50℃で180分硬化させ、脱型して、蓄熱層とガスバリヤ層の積層体を得た。なおNCO/OH比率は1.0であった。
次に表4に示す組み合わせにて、蓄熱層とガスバリヤ層の積層体のガスバリヤ層側と表3に示す保護層を接着テープにて貼り合わせ、試験体を得た。
なお実験例21は、保護層の替わりに不織布を用いた。
【0079】
<変形性試験>
試験体の保護層から距離10cmの位置から、プロパンガスバーナーの炎で1分間加熱し、蓄熱層の状態(変形性)を目視にて評価した。評価は、異常なしを「10」、著しく変形したものを「1」とする10段階評価で行った。結果は表4に示す。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】
【表3】
【0083】
【表4】
図1
図2