(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記受電部は、電磁界共鳴による非接触電力電送により前記送電用コイルから前記受電用コイルに受電した電力で前記2次電池を充電することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の回転機械のテレメータ計測システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、センサ及びテレメータ送信機が電力を必要とするため、センサ及びテレメータ送信機に電力を供給する1次電池を備えるが、1次電池は消耗するため交換が必要であり、連続計測時間は制限されてしまう。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するものであり、動翼を有する回転機械において、動翼の状態を検出する連続計測時間を延ばすことのできる回転機械のテレメータ計測システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、回転機械のテレメータ計測システムは、静止部材に回転自在に支持され、かつロータディスク及び前記ロータディスクに取り付けられる動翼を含む回転体に備えられて、前記動翼の状態を検出するセンサと、前記回転体に備えられて、前記センサの検出信号を無線情報として送信する送信部と、前記回転体に備えられて、前記センサ及び前記送信部に電力を供給する2次電池と、前記回転体に備えられて、前記2次電池を充電する電力を供給する充電手段と、前記静止部材に備えられて、前記無線情報を受信する受信部と、を含むことを特徴とする。
【0008】
この回転機械のテレメータ計測システムは、2次電池が消耗しても、充電手段が2次電池を充電することで、センサ及び送信部に電力を供給する。このため、回転機械のテレメータ計測システムは、動翼の状態を検出する連続計測時間を延ばすことができる。
【0009】
本発明において、前記充電手段は、前記静止部材に送電用コイルを備える送電部と、前記回転体に受電用コイルを備える受電部とを含み、前記受電部は、非接触電力電送により前記送電用コイルから前記受電用コイルに受電した電力で前記2次電池を充電することが好ましい。
【0010】
回転機械の動翼は、駆動時に回転しているので、センサ及び送信部は、回転体に取り付けられている。上述した充電手段は、非接触電力伝送により、静止部材側の電力を伝送して2次電池を充電することができる。このため、回転体に電力を伝送するワイヤリングのための機構を設けることも不用となり、回転体の信頼性を高めることができる。センサ及び送信部は、受電用コイルに受電した電力を常時給電されるようにすれば、2次電池の電力と併用することで、電源の安定性を確保することができる。
【0011】
本発明において、前記送電用コイル及び前記受電用コイルの配置位置は、前記回転体の回転軸から同じ距離であることが好ましい。
【0012】
同じ距離を有する送電用コイル及び受電用コイルを取り付ける回転機械が増やすことにより、送電用コイル及び受電用コイルの品種を低減できることからテレメータ計測システムの都度設計が不用となり、コストを抑制することができる。
【0013】
本発明において、前記送電用コイル及び前記受電用コイルは、前記回転体の回転周方向に分割され、複数の導体が巻回されていることが好ましい。
【0014】
この構造により、送電用コイル及び受電用コイルは、ロータディスクの周方向に沿って延びるように巻回できるので、コイルを相対的に大きくし、送電用コイル及び受電用コイルが互いに非接触の状態で電力の伝送距離を伸ばすことができる。
【0015】
本発明において、前記受電部は、電磁界共鳴による非接触電力電送により前記送電用コイルから前記受電用コイルに受電した電力で前記2次電池を充電することが好ましい。
【0016】
これにより、送電用コイル及び受電用コイルが互いに非接触の状態で電力の伝送距離を伸ばすことができる。
【0017】
本発明において、前記充電手段は、光を発光する発光素子を前記静止部材に備える送電部と、前記光を受け電力を発生するフォトダイオードを前記回転体に備える受電部とを含み、前記受電部は、前記フォトダイオードが発生する電力で前記2次電池を充電することが好ましい。
【0018】
回転機械の動翼は、駆動時に回転しているので、センサ及び送信部は、回転体に取り付けられている。上述した充電手段は、光を介して静止部材側の電力を伝送して2次電池を充電することができる。このため、回転体に電力を伝送するワイヤリングのための機構を設けることも不用となり、回転体の信頼性を高めることができる。センサ及び送信部は、フォトダイオードが発電した電力を常時給電されるようにすれば、2次電池の電力と併用することで、電源の安定性を確保できる。
【0019】
本発明において、前記充電手段は、前記回転体の熱を受け電力を発生する熱電変換素子を前記回転体に備える受電部を含み、前記受電部は、前記熱電変換素子が発生する電力で前記2次電池を充電することが好ましい。
【0020】
回転機械の動翼は、駆動時に回転しているので、センサ及び送信部は、回転体に取り付けられている。静止側からの給電を受けずに、充電手段は、熱電変換素子が回転体の周囲の熱を受け発電し、熱電変換素子が発生する電力で2次電池を充電する。このため、回転体に電力を伝送するワイヤリングのための機構を設けることも不用となり、回転体の信頼性を高めることができる。センサ及び送信部は、熱電変換素子が発電した電力を常時給電されるようにすれば、2次電池の電力と併用することで、電源の安定性を確保できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、動翼を有する回転機械において、動翼の状態を検出する連続計測時間を延ばすことのできる回転機械のテレメータ計測システムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0024】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る蒸気タービンを表す概略構成図である。実施形態1では、回転機械として、蒸気タービンを例に挙げて説明する。
【0025】
実施形態1の蒸気タービン10において、
図1に示すように、静止部材であるケーシング11は、中空形状をなし、回転体としてのロータ12が複数の軸受13により回転自在に支持されている。このロータ12は、ケーシング11の内部において、外周部にロータディスク14を介して動翼15が固定されている。この場合、動翼15は、ロータ12における軸方向に所定間隔で複数段にわたって設けられている。また、ケーシング11は、この複数段の動翼15の間に位置して、複数段の静翼16が固定されている。そして、ケーシング11は、この動翼15及び静翼16が配設される通路に蒸気通路17が形成されており、蒸気供給口18と蒸気排出口19が設けられ、蒸気通路17に連通している。
【0026】
従って、蒸気がこの蒸気供給口18から蒸気通路17に供給されると、この蒸気が複数の動翼15と静翼16を通過することで、各動翼15を介してロータ12が駆動回転し、このロータ12に連結された図示しない発電機を駆動する一方、動翼15を駆動した蒸気は、排気ディフューザ(図示略)で静圧に変換されてから蒸気排出口19から大気に放出される。
【0027】
図2は、実施形態1のテレメータ計測システムを説明する説明図である。
図3は、
図2の部分拡大図である。
図4は、実施形態1に係るテレメータ計測システムの構成を示すブロック図である。上述した蒸気タービン10のような回転機械において、動翼15に発生する振動応力を計測する場合には、動翼15に歪みゲージ等の動翼の状態を検出するセンサ40を貼り付け、テレメータ計測システム1を用いて、ロータ12側におけるセンサ40の信号を無線情報として静止部材16A側の制御部8に伝達し、例えば、動翼15に発生する振動応力を計測している。
図2に示すように、静止部材16Aは、動翼15を備えるロータ12の近傍に、ロータ12と非接触で位置して、上述したケーシング11の一部として位置している。
【0028】
図2、
図3及び
図4に示すように、テレメータ計測システム1は、センサ40と、送信部2と、送信アンテナ3と、2次電池4と、充電手段5と、受信部6と、受信アンテナ7と、制御部8と、を含む。センサ40は、動翼15に貼り付けられた歪みゲージであり、配線isは、センサ40が検出した動翼15の振動応力に応じた検出信号を送信部2に伝達する。センサ40は、動翼15に貼り付けられた熱電対であってもよい。
【0029】
送信部2は、センサ40の検出信号を無線情報iwとする。そして、送信部2は、受信部6に送信アンテナ3を介して無線情報iwを送信するテレメータ発信機である。受信部6は、受信アンテナ7を介して受信するテレメータ受信機であり、無線情報iwを制御部8に送出する。上述したセンサ40及び送信部2には、2次電池4の電力が電力線Pwを介して供給されている。
【0030】
制御部8は、CPU(Central Processing Unit)を中心とするマイクロプロセッサと、このCPUの他に、処理プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)と、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、記憶手段となる記憶装置とを含む。制御部8は、無線情報iwに含まれるセンサ40の検出信号を抽出し、記憶手段に記憶する。制御部8は、表示手段8Aを備えることが好ましく、表示手段8Aがセンサ40の検出信号を表示する。
【0031】
実施形態1に係る充電手段5は、
図2に示す静止部材16Aに送電用コイルL1を備える送電部52と、ロータ12に受電用コイルL2を備える受電部51と、電源53とを含む。送電部52は、上述した制御部8に制御されている。
図4に示すように、送電用コイルL1及び受電用コイルL2は、電磁誘導により非接触で電力を伝送する非接触電力伝送手段54を構成する。
【0032】
図5は、送電用コイルまたは受電用コイルの概略構成図である。
図2及び
図3に示すように、送電用コイルL1及び受電用コイルL2は、ロータディスク14の側面及び、静止部材16Aにそれぞれ配置され、送電用コイルL1及び受電用コイルL2が対向して配置されている。
【0033】
送電用コイルL1及び受電用コイルL2の配置位置は、
図3に示すように、ロータディスク14の回転軸Zrから同じ距離r1であり、
図4に示すように、回転軸Zrと平行な方向からみて、周方向に延び、回転軸Zrを囲むように配置されている。距離r1は、多様な回転機械のロータディスク14の径に対応可能な半径位置を選択することがより好ましい。このため、同じ距離r1を有する送電用コイルL1及び受電用コイルL2を取り付ける回転機械が増やすことにより、送電用コイルL1及び受電用コイルL2の品種を低減できることから、テレメータ計測システム1の都度設計が不用となり、コストを抑制することができる。
【0034】
図3に示すように、送信部2及び2次電池4は、バランスホール14aの内部に配置されていることが好ましい。バランスホール14aは、上述した距離r1と異なる半径の距離r2にあるロータディスク14の凹部である。バランスホール14aは、ロータ12の回転振動を抑制する錘を配置可能な凹部であるが、この凹部に送信部2及び2次電池4を配置することで、送信部2及び2次電池4がロータディスク14の端部に突出することを抑制することができる。そして、送信部2及び2次電池4がバランスホール14aの内部に配置されている場合、ロータ12の回転により送信部2及び2次電池4が故障する可能性を抑制することができる。
【0035】
図5に示すように、送電用コイルL1及び受電用コイルL2は、ロータディスク14の周方向に分割され、複数の導体57が磁性体のコア56に巻回されている。送電用コイルL1及び受電用コイルL2は、例えば、コイル半体55Aと、コイル半体55Bとが、回転軸Zrを囲むように配置されている。このため、送電用コイルL1及び受電用コイルL2は、ロータ12の回転軸Zrの周囲に設置が容易である。送電用コイルL1及び受電用コイルL2は、ロータディスク14の周方向に沿って延びるように巻回できるので、コイルを相対的に大きくし、電力の伝送距離を伸ばすことができる。
【0036】
図4に示すように、制御部8の制御指令に基づいて、送電部52が、電源53の電力を送電線PAより受け、送電用コイルL1に電流を流す。送電用コイルL1の周囲に磁界が生じ、受電用コイルL2を貫く磁束に変化を与える電磁誘導が生じ、受電用コイルL2に電流が流れる。このように、非接触電力伝送手段54は、送電用コイルL1から受ける起電力により受電用コイルL2が受電する。受電部51は、充電回路を備えており、受電用コイルL2が受電した電力を配線Pcに送り2次電池4を充電する。
【0037】
回転機械である蒸気タービン10の動翼15は、駆動時に回転しているので、センサ40及び送信部2は、ロータ12に取り付けられている。上述した充電手段5は、非接触電力伝送により、静止部材16Aの電力を伝送して2次電池4を充電することができる。このため、ロータ12に電力を伝送するワイヤリングのための機構を設けることも不用となり、ロータ12の信頼性を高めることができる。センサ40及び送信部2は、受電用コイルL2に受電した電力を常時給電されるようにすれば、2次電池4の電力と併用することで、電源の安定性を確保することができる。
【0038】
以上説明したように、実施形態1に係るテレメータ計測システム1は、センサ40と、送信部2と、2次電池4と、充電手段5と、受信部6と、を含む。センサ40は、動翼15の状態を検出する。送信部2は、センサ40の検出信号を無線情報iwとして送信する。2次電池4は、センサ40及び送信部2に電力を供給する。充電手段5は、2次電池4を充電する電力を供給する。受信部6は、静止部材16Aに備えられ、無線情報iwを受信する。この回転機械のテレメータ計測システム1は、2次電池4が消耗しても、充電手段5が2次電池を充電することで、センサ40及び送信部2に電力を供給する。このため、回転機械のテレメータ計測システム1は、動翼15の状態を検出する連続計測時間を延ばすことができる。
【0039】
(変形例)
図6は、実施形態1の変形例に係るテレメータ計測システムの構成を示すブロック図である。上述した実施形態1と同じ構成要素には同一の符号を付して、重複する説明は省略する。実施形態1の変形例に係るテレメータ計測システム1Aは、非接触電力伝送手段54Aが電磁界共鳴による非接触電力電送を行う。
【0040】
実施形態1の変形例に係る充電手段5は、
図2に示す静止部材16Aに送電用コイルL1A及びコンデンサC1を備える送電部52と、ロータ12に受電用コイルL2A及びコンデンサC2を備える受電部51と、電源53とを含む。
図6に示すように、送電用コイルL1A、コンデンサC1、受電用コイルL2A及びコンデンサC2は、磁気共鳴により非接触で電力を伝送する非接触電力伝送手段54Aを構成する。
【0041】
制御部8の制御指令に基づいて、送電部52が、電源53の電力を送電線PAより受け、送電用コイルL1A及びコンデンサC1が周囲の磁場を振動させる。送電用コイルL1A及びC1の周囲の磁場の振動と共振周波数が同じ受電用コイルL2A及びコンデンサC2は、共鳴し受電用コイルL2Aに電流が流れる。このように、非接触電力伝送手段54は、送電用コイルL1A及びコンデンサC1を含む共振回路と、受電用コイルL2A及びコンデンサC2を含む共振回路との共振周波数が同じであるため、電磁界共鳴により、受電用コイルL2Aが受電する。受電部51は、受電用コイルL2Aが受電した電力を配線Pcに送り2次電池4を充電する。
【0042】
受電部51は、電磁界共鳴による非接触電力電送により送電用コイルL1Aから受電用コイルにL2Aに受電した電力で2次電池4を充電する。これにより、送電用コイルL1A及び受電用コイルL2Aが互いに非接触の状態で電力の伝送距離を伸ばすことができる。例えば、実施形態1の変形例に係る充電手段5は、実施形態1に係る充電手段5に比較して、伝送距離を長くすることができる。
【0043】
(実施形態2)
図7は、実施形態2に係るテレメータ計測システムを説明する説明図である。
図8は、実施形態2に係るテレメータ計測システムの構成を示すブロック図である。上述した実施形態1と同じ構成要素には同一の符号を付して、重複する説明は省略する。実施形態2に係るテレメータ計測システム1Bは、受電部51が光によりフォトダイオード51aが発生する電力で2次電池4を充電する。
【0044】
実施形態2に係る充電手段5は、
図7に示す静止部材16Aに光を発光する発光素子52aを備える送電部52と、ロータ12に光を受け電力を発生するフォトダイオード51aを備える受電部51と、電源53とを含む。送電部52は、上述した制御部8に制御されている。発光素子52aは、例えば発光ダイオードである。
【0045】
図7に示すように、発光素子52a及びフォトダイオード51aは、ロータディスク14の外周面及び、静止部材16Aにそれぞれ配置され、発光素子52a及びフォトダイオード51aが対向して配置されている。発光素子52a及びフォトダイオード51aは、ロータディスク14の側面及び、静止部材16Aにそれぞれ配置され、発光素子52a及びフォトダイオード51aが対向して配置されていてもよい。
【0046】
図8に示すように、制御部8の制御指令に基づいて、送電部52が、電源53の電力を送電線PAより受け、発光素子52aに電流を流す。発光素子52aの周囲に光が生じ、この光を受光したフォトダイオード51aには、電流が流れる。このように、実施形態2に係るテレメータ計測システム1Bは、発光素子52aが発光する光によりフォトダイオード51a発電し、受電部51が受電する。受電部51は、フォトダイオード51aが発電した電力を配線Pcに送り2次電池4を充電する。
【0047】
実施形態2に係る充電手段5は、光を発光する発光素子52aを静止部材16Aに備える送電部52と、発光素子52aの光を受け電力を発生するフォトダイオード51aをロータ12に備える受電部51とを含み、受電部51は、フォトダイオード51aが発生する電力で2次電池4を充電する。
【0048】
実施形態2に係る充電手段5は、光を介して静止部材16A側の電力を伝送して2次電池4を充電することができる。このため、ロータ12に電力を伝送するワイヤリングのための機構を設けることも不用となり、ロータ12の信頼性を高めることができる。センサ40及び送信部2は、フォトダイオード51aが発電した電力を常時給電されるようにすれば、2次電池4の電力と併用することで、電源の安定性を確保できる。
【0049】
(実施形態3)
図9は、実施形態3に係るテレメータ計測システムを説明する説明図である。
図10は、実施形態3に係るテレメータ計測システムの構成を示すブロック図である。
図11は、実施形態3の熱電変換素子の構成を示す構成図である。上述した実施形態1と同じ構成要素には同一の符号を付して、重複する説明は省略する。実施形態3に係るテレメータ計測システム1Cは、熱電変換素子51bが発生する電力で2次電池4を充電する。
【0050】
図9及び
図10に示すように、実施形態3に係る充電手段5は、ロータ12周囲の熱を受け電力を発生する熱電変換素子51bを備える受電部51をロータ12に含む。この構造により、ロータ12の外部の電源53の電力が不用となる。
【0051】
図11に示すように、熱電変換素子51bは、熱伝導率の小さいn型半導体であるn型熱電変換部91と、p型半導体であるp型熱電変換部92とを備える。このn型熱電変換部91及びp型熱電変換部92は、熱電変換材料から構成される。並置されたn型熱電変換部91とp型熱電変換部92の上端面には、2つの熱電変換部91、92に共通な電極93が接続される。一方、n型熱電変換部91とp型熱電変換部92との下端面には、それぞれ独立した電極94a、94bが接続される。
【0052】
図9に示す動翼15を駆動した蒸気の熱は、熱電変換素子51bの電極93を加熱する。
図11に示す熱電変換素子51bは、電極93が加熱される場合、電極93と電極94a、94bとの間で、熱励起されたキャリアによってp型熱電変換部92がn型熱電変換部91よりも高電位になる。電極94a、94b間に負荷となる受電部51が接続されていると、p型熱電変換部92からn型熱電変換部91側へ電流が流れる。
【0053】
実施形態3に係る充電手段5は、ロータ12の熱を受け電力を発生する熱電変換素子51bをロータ12に備える受電部51を含み、受電部51は、熱電変換素子51bが発生する電力で2次電池4を充電する。
【0054】
図10に示すように、実施形態3に係るテレメータ計測システム1Cは、熱電変換素子51bがロータ12の周囲の熱を受け発電し、受電部51が受電する。受電部51は、熱電変換素子51bが発電した電力を配線Pcに送り2次電池4を充電する。実施形態3に係るテレメータ計測システム1Cは、蒸気タービン10の排熱を利用して、2次電池4を充電するため、エネルギー効率を高めることができる。このため、ロータ12に電力を伝送するワイヤリングのための機構を設けることも不用となり、ロータ12の信頼性を高めることができる。センサ40及び送信部2は、熱電変換素子51bが発電した電力を常時給電されるようにすれば、2次電池4の電力と併用することで、電源の安定性を確保できる。
【0055】
また、上述した各実施形態では、テレメータ計測システム1、1A、1B、1Cを蒸気タービン10に適用して説明したが、ロータディスク及び前記ロータディスクに取り付けられる動翼を含む回転体を備えた、ガスタービン、圧縮機、ガスタービン及び蒸気タービンを組み合わせた複合発電システムなどの回転機械にも適用することができる。