(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上方に位置して現像剤を貯蔵する現像剤貯蔵部と、静電潜像を形成する像担持体と、当該像担持体に当接して前記静電潜像に現像剤を移す現像剤担持体と、前記現像剤貯蔵部の下方でかつ前記像担持体の上方に位置して前記現像剤貯蔵部からの前記現像剤を収容する現像剤収容部とを備えた画像形成ユニットにおいて、
前記現像剤収容部の上部に前記現像剤貯蔵部と連通して設けられ当該現像剤貯蔵部からの現像剤を前記現像剤収容部内へ補給する補給口と、前記現像剤収容部内の前記補給口の下部に回転可能に設置されており、前記現像剤収容部内の現像剤の量に応じて回転が変化する現像剤量検出部材と、当該現像剤量検出部材に複数設置される突起とを備え、
それぞれの前記突起は、前記現像剤量検出部材の回転軸の軸方向と略垂直な方向に延在する平板部と、前記平板部の一部を折り曲げることにより前記平板部から突出する突出部を備え、前記突出部は、前記回転軸から前記平板部が延在する方向に対し、前記補給口側に第1の方向で傾斜された折り曲げ部で折り曲げられ、前記平板部に対し前記折り曲げ部から前記補給口側に傾斜して突出しており、
前記各突起が、前記補給口から補給された前記現像剤を、前記現像剤量検出部材の長手方向端部側へ搬送し、
前記突起は前記現像剤量検出部材の重量の中心を偏芯させ、回転方向で前記現像剤量検出部材の回転の上位点を突起が通過した後、前記現像剤量検出部材は自重で回転する
ことを特徴とする画像形成ユニット。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施形態に係る画像形成ユニット及び画像形成装置について説明する。なおここでは、画像形成ユニットを組み込んだ画像形成装置について説明する。
【0010】
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は本実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
図1に示す画像形成装置は、カラー印刷が可能な画像形成装置であるため、4つの画像形成ユニットを備えている。具体的には、画像形成装置は、K(ブラック)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の4色の画像形成ユニット1K、1Y、1M、1Cを有している。各画像形成ユニット1K、1Y、1M、1Cの、後述する感光ドラム22(
図2参照)の上部には、ある一定の隙間を置いて露光ヘッド2が設置されている。
【0011】
各画像形成ユニット1K、1Y、1M、1Cの下部には、トレイ3が設けられている。このトレイ3には媒体4が貯蔵されている。媒体4は、給紙ローラ5や搬送ローラ6等で形成された搬送路を搬送される。この媒体4の搬送路には、画像形成ユニット1K、1Y、1M、1C、画像形成ユニット1K、1Y、1M、1Cで形成された画像を媒体4に転写するための転写ベルト7、媒体4に転写された画像を定着するための定着器8、装置外部に媒体4を排出するための排出ローラ9、10、排出された媒体4を保持するためのスタッカーカバー11が設置されている。
【0012】
また、各画像形成ユニット1K、1Y、1M、1Cの上方には、現像剤を貯蔵しておく現像剤貯蔵部としてのトナー貯蔵容器12が設けられている。これらのトナー貯蔵容器12には、それぞれの画像形成ユニット1K、1Y、1M、1Cに対応した4色のトナーK、Y、M、Cがそれぞれ貯蔵されている。
【0013】
各画像形成ユニット1K、1Y、1M、1C及び各トナー貯蔵容器12は、すべて構成が同一であるため、以下では、これらのうちの1つについてのみ説明する。具体的には、K(ブラック)の画像形成ユニット1K及びそれに設けられたトナー貯蔵容器12について説明する。
【0014】
図2は画像形成ユニット1Kを示す断面図である。
図2中の画像形成ユニット1Kのトナー貯蔵容器12には、現像剤としてのトナー13を撹拌するための撹拌部材14を有している。撹拌部材14の下部には、現像剤の補給口としてのトナー補給口15が設けられている。このトナー補給口15には、回転シャッタ部材15aが設けられている。画像形成ユニット1K内には現像剤収容部Sが設けられている。この現像剤収容部Sは、前記トナー貯蔵容器12の下方で、かつ像担持体としての感光ドラム22の上方に位置する空間である。現像剤収容部Sは、トナー貯蔵容器12からのトナー13を収容する。トナー貯蔵容器12内のトナー13は、回転シャッタ部材15aにより、画像形成ユニット1Kの現像剤収容部Sに補給される。トナー補給口15は、トナー貯蔵容器12からのトナー13を現像剤収容部S内へ補給するための開口である。トナー補給口15は、現像剤収容部Sの長手方向中央部の上部に、トナー貯蔵容器12と連通して設けられている。
【0015】
画像形成ユニット1Kの内部には、現像剤量検出部材としてのトナー量検出部材16と、撹拌部材17、18と、トナー供給ローラ19と、現像剤担持体としての現像ローラ20とを有している。
【0016】
各撹拌部材17、18は、トナー13を撹拌するための部材である。撹拌部材17、18は、画像形成ユニット1Kの現像剤収容部S内にその長手方向に平行に配設されている。各撹拌部材17、18は、回転可能に設けられている。各撹拌部材17、18がそれぞれ回転することで、トナー13が撹拌されるようになっている。
【0017】
トナー供給ローラ19は、現像ローラ20にトナー13を供給するためのローラである。現像ローラ20は、感光ドラム22の静電潜像に移すトナー13を、表面に薄く保持するためのローラである。現像ローラ20は、感光ドラム22に当接して静電潜像に現像剤を移す。現像ローラ20には、現像ブレード21が当接して設置されている。この現像ブレード21は、トナー供給ローラ19により現像ローラ20に供給されたトナー13を薄層化するための部材である。感光ドラム22は、静電潜像を形成するためのローラである。帯電ローラ23は、感光ドラム22の表面を帯電するためのローラである。クリーニングブレード24は、感光ドラム22の表面に付着したトナー13を掻きとるための部材である。廃トナー搬送部材25は、クリーニングブレード24で掻きとられた、感光ドラム22の表面のトナー13を外部に排出するための装置である。
【0018】
感光ドラム22は現像ローラ20に当接して設置されている。帯電ローラ23とクリーニングブレード24は、感光ドラム22に当接して設置されている。また、廃トナー搬送部材25は、クリーニングブレード24に面して設置されている。
【0019】
次に、前記トナー量検出部材16に関して説明する。
【0020】
トナー量検出部材16は、現像剤収容部S内のトナー量に応じて変化する回転を基にトナー量を検出する装置である。トナー量検出部材16は、
図2に示すように、トナー補給口15の下部に設置されている。トナー量検出部材16は、画像形成ユニット1Kの長手方向に、かつ回転可能に設置されている。
【0021】
トナー量検出部材16は、その回転軸から径方向の一方に突出する平面を有するパドル状に形成されている。これにより、トナー量検出部材16は、その重心が回転軸から前記パドル側へ偏芯して構成されている。即ち、トナー量検出部材16は、その重心が最下点に移動するように回転しようとする慣性モーメントを生じさせる部材である。この慣性モーメントは、トナー量検出部材16が回転して、その重心が最上点に移動され、それを過ぎると、重心の自重によってその重心が最下点に移動するように回転しようとするモーメントである。
【0022】
トナー量検出部材16は、
図3のように主に、シャフト部16aと、板状部16bとを備えている。
【0023】
シャフト部16aは、トナー量検出部材16の回転軸となる部材である。このシャフト部16aが画像形成ユニット1Kの現像剤収容部S内に回転可能に設けられている。シャフト部16aの一端部には、後述する駆動ギア31(
図8参照)が設けられている。シャフト部16aの他端部には、後述するセンサ30の反射板29(
図8参照)が設けられている。
【0024】
板状部16bは、トナー13に直接接触すると共に、トナー量に応じて回転を停止する位置を変える部材である。この板状部16bは、かしめ部16b1と、パドル部16b2とから構成されている。かしめ部16b1は、シャフト部16aと板状部16bとを一体的に結合するための部材である。かしめ部16b1は、シャフト部16aの溝16a1にかしめられて結合されている。パドル部16b2は、トナー13の攪拌、前記重心の偏芯及び前記突起27、28の支持のための部材である。パドル部16b2は、平面を有する板状部材で構成されている。具体的には、パドル部16b2は、トナー量検出部材16の回転軸方向に沿ってかつ径方向に突出して設けられた平板で構成されている。この板状のパドル部16b2がシャフト部16aを中心に回転することで、トナー13を攪拌するようになっている。
【0025】
さらに、パドル部16b2は、トナー量検出部材16の重心を偏芯させるための部材である。駆動源によってパドル部16b2がシャフト部16aを中心に回転されて、重心のあるパドル部16b2が最上点を過ぎて回転されると、トナー量検出部材16は、前記慣性モーメント(パドル部16b2の自重(重心の自重))によってパドル部16b2が最下点に移動するように、駆動源と無関係に回転するようになっている。また、パドル部16b2は、この自重による回転でトナー13に接すると共に、トナー量に応じて回転を停止する位置を変えるようになっている。パドル部16b2は、具体的には、トナー量が少ないと最下点に近い位置で、トナー量が多いと最下点から遠い位置で、回転を停止するようになっている。
【0026】
突起27、28は、トナー13をトナー量検出部材16の中央部から長手方向両側へ押し広げる機能を備えている。1つ1つの突起27、28は、トナー量検出部材16の回転に伴ってトナーを掻くための部材である。そして複数の突起27、28が連係することで、トナー補給口15から補給されたトナー13を、トナー量検出部材16の長手方向両側へ押し広げるようになっている。各突起27、28は、トナー量検出部材16のパドル部16b2に、並列にかつ等間隔に複数設置されている。突起27、28は、画像形成ユニット1Kの長手方向中央付近に補給されるトナー13を、スクリューのようにして前記長手方向両側へ搬送して押し広げる。このため、突起27は画像形成ユニット1Kの長手方向中央から一方に、突起28は画像形成ユニット1Kの長手方向中央から他方に、それぞれ配置されている。これにより、トナー13を画像形成ユニット1Kの長手方向中央から両側へ押し広げるようになっている。突起27、28は、
図4に示すように、折り曲げたフィルム部材で構成されている。この突起27、28は、トナー量検出部材16の回転方向に対して後方の面となる、板状部16bの平面161に接着されている。
【0027】
また、突起27、28の端部は、
図5に示すように、折り曲げられることで、平面161に対して突出して形成されている。この突出の角度はθ=60°に設定されている。さらに、
図6に示すように、突起27、28は、回転軸16a2から回転軸径方向と平面161の径方向端部から補給口15の方向に向かう角度αで傾斜している。この角度αは0°<α<90°に設定されている。これにより、各突起27、28は、角度θ、αで折り曲げられたフィルム部材が、スクリューの羽根と同じ機能をはたして、トナー13をトナー量検出部材16の中央部から長手方向両側へ押しやるようになっている。そして、すべての突起27、28が連係して、トナー13をトナー量検出部材16の中央部から長手方向両側へ押し広げるようになっている。さらに、突起27、28は、トナー量検出部材16の回転方向後方の面となる板状部16bの平面161に接着されることで、トナー量検出部材16のトナー量検出機能に支障を来さないようになっている。
【0028】
トナー量検出部材16の周囲には、
図2、
図7、
図10に示すように、このトナー量検出部材16を覆う囲い部材26が設置されている。囲い部材26は、トナー量検出部材16の回転外径から一定の距離の隙間を有している。囲い部材26は、トナー量検出部材16が最上点から最下点へ回転する回転軌跡のうち下側の90°以上の円弧(
図10参照)を覆う形状を有している。さらに、囲い部材26は、最下点を下側から覆うように形成されている。これにより、トナー補給口15から補給されたトナー13を一時保持するようになっている。さらに、囲い部材26の内側面と、回転するトナー量検出部材16との間隔は狭く設定されている。これにより、囲い部材26は、突起27、28と相まって、スクリューコンベアのトラフと同様に機能する。さらに、囲い部材26は、最下点を下側から覆うように形成することで、攪拌部材17、18による攪拌の影響を防止している。
【0029】
また、トナー量検出部材16の一端部には、
図8に示すように、トナー量検出部材16には、駆動部である駆動ギア31が設置される。この駆動ギア31は、駆動源である駆動モータ(図示せず)からの駆動力を受けて駆動する。駆動ギア31は、係止用突起311を有し、この駆動ギア31の回転をトナー量検出部材16に伝達する。このように駆動ギア31が回転することでトナー量検出部材16が回転するようになっている。具体的には、この係止用突起311は、トナー量検出部材16のパドル部16b2の一方の面(
図8中の右側面)に接触してトナー量検出部材16を回転させるようになっている。即ち、
図9(a)のように、係止用突起311が、最下点に位置するトナー量検出部材16のパドル部16b2の一方の面に接触してトナー量検出部材16を回転させて、
図9(b)のように、最上点まで回転させると、トナー量検出部材16は、そのパドル部16b2が係止用突起311から離れて、
図9(c)のように、自重により最上点まで回転するようになっている。
【0030】
また、トナー量検出部材16の他端部には、
図7、
図8に示すように、反射板29が設置されている。この反射板29は、センサ30のための反射板である。センサ30は、この反射板29に検査光を照射してその反射光を受光するためのセンサである。センサ30は、トナー量検出部材16と共に回転する反射板29の回転軌跡のうち最下点に位置する反射板29に対向する位置に設置されている。センサ30は発光部301と受光部302を有する。センサ30は、発光部301から照射された検査光が、最下点に位置する反射板29で反射して受光部302に入射することで、トナー残量が減っていることを検出するようになっている。即ち、トナー13が減少して、トナー量検出部材16のパドル部16b2がトナー13に遮られることなく最下点まで回転したことで、受光部302が反射光を検出して、センサ30が、トナー残量の減少を検出するようになっている。
【0031】
画像形成装置内には、
図1に示すように、全体を制御する制御部Cが設けられている。制御部Cは、画像形成ユニット1K、1Y、1M、1C、給紙ローラ5等に接続されて、これらを制御する。
【0032】
以上のように構成された画像形成装置は、次のように動作する。
【0033】
図1において、制御部Cからの印字命令を受けると、媒体4は、給紙ローラ5によって一枚ずつ分離される。分離された媒体4は、搬送ローラ6によって転写ベルト7まで搬送される。また、各画像形成ユニット1K、1Y、1M、1Cでは、後述の現像工程によって現像され、転写ベルト7上に搬送された媒体4にトナー13が転写される。トナー13が転写された媒体4は、定着器8を通ることによりトナー13が定着された後、排出ローラ9、10によってスタッカーカバー11に排出されて、保持される。
【0034】
ここで、画像形成ユニット1K、1Y、1M、1Cの現像工程について
図2を基に説明する。なお、それぞれの画像形成ユニット1K、1Y、1M、1Cは、構成が同一であるため、ここではK(ブラック)の画像形成ユニット1Kについてのみ説明する。制御部Cからの印字命令を受けると、図示されない駆動源により供給ローラ19が矢印19Rの方向へ回転される。これにより、矢印20Rの方向へ回転する現像ローラ20にトナー13が供給される。このとき、攪拌部材17、18もそれぞれ矢印17R、18Rの方向へ回転してトナー13を撹拌する。現像ローラ20に供給されたトナー13は、現像ブレード21によって薄層状に形成され、帯電される。
【0035】
一方、矢印22Rの方向へ回転する感光ドラム22は、帯電ローラ23によって表面が帯電される。次いで、露光ヘッド2によって露光され、感光ドラム22上に静電潜像が形成される。この静電潜像に現像ローラ20上のトナー13が移動することによって、露光部が現像される。次いで、像が媒体4へ転写される。感光ドラム22上に残留したトナー13は、クリーニングブレード24によって掻きとられる。掻きとられたトナー13は、廃トナー搬送部材25によって外部へ搬送されて、排出される。
【0036】
次に、トナー量検出部材16及びトナー補給の動作を説明する。
【0037】
図9(a)のように、最下点に位置するトナー量検出部材16のパドル部16b2は、駆動ギア31の係止用突起311によって、最下点から最上点まで押し上げられるように回転させられる。なお、駆動ギア31の係止用突起311は、トナー量検出部材16と同一の矢印16R方向へ回転周期Tで回転している。これにより、パドル部16b2は、
図9(b)のように、T/2経過後に最上点に達する。そして、パドル部16b2は、最上点を過ぎると、重心が偏芯しているため、
図9(c)のように、自重で最下点まで回転しながら落下する。
【0038】
図10(a)のように、画像形成ユニット1K内のトナー13が少なく(トナーロウ)、トナー上面34aの位置が低下した状態では、トナー量検出部材16はトナー13の圧力をほとんど受けることがない。そのため、トナー量検出部材16のパドル部16b2は、最下点まで自重で落下し、係止用突起311より早く最下点に到達する。これにより、トナー量検出部材16のパドル部16b2が最下点に位置すると共に、反射板29も最下点に位置する。センサ30は、反射板29の回転軌跡のうち最下点に設置されているため、センサ30の発光部301から発せられた検査光は、反射板29によって反射される。受光部302は、反射光を受光し、センサ30はトナー量検出部材16の位置を検出する。制御部Cは、トナー量検出部材16の最下点での滞在時間を取得する。そして、
図11に示すように、滞在時間T1が、予め設定しておいた設定時間Tlowより長いとき、制御部Cは、トナーロウと判断する。
【0039】
トナーロウと判断すると、制御部Cはトナー補給命令を出す。これにより、図示されない駆動部によって回転シャッタ部材15aが回転される。これにより、トナー13が、トナー貯蔵容器12から落下して、画像形成ユニット1Kへ補給される。このとき、トナー13は、画像形成ユニット1Kの長手方向中央付近に補給される。そして、一方の突起27は、
図12に示すように、回転することで、スクリューコンベアの羽根のように、トナー量検出部材16の軸方向へトナー13を押す力27Fが発生する。そのため、トナー補給口15から補給されたトナー13は、突起27aによって押しのけられてトナー量検出部材16の矢印32の方向へと搬送され、隣に設置されている突起27bへと到達する。突起27bも同様に、トナー13を矢印32の方向へ搬送する。この動作を繰り返すことで、補給されたトナー13は補給口15から遠ざかる方向に搬送されるため、補給口15下方付近にトナー13が溜まることがない。
【0040】
このとき、囲い部材26は、回転する突起27、28の下側を覆って、トナー13を保持する。これにより、囲い部材26が撹拌部材17、18の影響を抑えて、突起27、28によるトナー13のスムーズな搬送を可能にしている。
【0041】
同様に、突起28の回転によって、突起27の押す力Fと逆向きの力が発生し、トナー13を矢印33の方向へ搬送する。また、
図4、10のように、突起27、28は、トナー量検出部材16の回転方向に対して後方の面161に設置されているため、自重落下時には常に突起27、28のない平滑面162からトナー上面34a、34bに接触する。このため、突起27、28は、トナー量の検出に影響することはない。
【0042】
補給されたトナー13が囲い部材26上に多く堆積すると、トナー量検出部材16はトナー13の圧力を受けるようになる。これにより、トナー量検出部材16は、自重落下をすることなく、駆動ギア31の係止用突起311と同期して回転するようになる。
【0043】
このため、補給開始からの最下点の滞在時間T2は堆積するトナー量の増加と共に短くなり、
図11のように設定時間Tlowより短くなったとき、トナーフル(
図10(b)のトナー上面34bの上昇)を検知する。また、トナーフル検知後、制御部Cが回転シャッタ部材15aの停止命令を出して、補給動作を停止させる。
【0044】
補給停止の直後は、
図13(a)のように、補給口15付近にトナー13が盛り上がって不均一な分布になる。しかし、トナー13は突起27、28によって撹拌・搬送されるため、均一化されるまでの時間Ta経過後には、
図13(b)のように、トナー13は均一な分布となる。
【0045】
なお、
図14のように、回転シャッタ部材15aとカバー35の間には、微小な隙間ΔL1、ΔL2を設定している。このため、回転シャッタ部材15aは回転することができる。さらに、微小な隙間ΔL1、ΔL2のために、トナー13が隙間に入り込んでも隙間内で溜まるため、トナー貯蔵容器12内のトナー13は隙間を介して、落下することなく保持される。
【0046】
以上のように、トナー量検出部材16に突起27、28を設けたので、トナー13の劣化等によって流動性が低下した場合においても、突起27、28によってトナー13の撹拌・搬送を行うことができる。この結果、トナー13を均一な分布にすることができる。これにより、トナー補給口15付近にトナー13が溜まることはなくなり、トナー量検出精度の低下を防いで、良好に保つことができる。
【0047】
また、トナー量の不足やトナー分布の偏りがなくなるため、画像品位の低下を防いで、良好に保つことができる。
【0048】
さらに、トナー13の撹拌・搬送と、トナー量検出を一つの部材(トナー量検出部材16)で行うことができるため、部品点数を削減することができる。これにより、コスト低減を図ることができる。
【0049】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態の画像形成装置の全体構成は、上述した第1実施形態の画像形成装置とほぼ同様であるため、同一部材には同一符号を付してその説明を省略する。
図15は本実施形態に係るトナー量検出部材16を示す斜視図である。
【0050】
本実施形態のトナー量検出部材16は、突起27、28の設置間隔を変えている。具体的には、第1実施形態の突起27、28は、すべて等間隔に設置したが、本実施形態の突起27、28は、間隔が徐々に広がるように設置した。具体的には、トナー補給口15から遠ざかるに従って設置間隔Lを大きくした。
図15において、トナー補給口15に近いL1よりも、トナー補給口15に遠いL2、さらに遠いL3を、下記のように徐々に大きくした。
【0051】
L1<L2<L3
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0052】
このように構成された画像形成装置は、次のように作用する。なお、全体的な作用は上述した第1実施形態と同様であるため、ここでは突起27、28の作用を中心に説明する。
【0053】
第1実施形態と同様に、トナー量検出部材16と突起27、28が回転することで、トナー量検出部材16の軸方向へトナー13が搬送される。このとき、トナー補給口15付近では突起27、28の設置間隔が小さいため、トナー13は速やかに次の突起27、28まで到達できる。これにより、搬送できるトナー量が多い。
【0054】
一方で、トナー補給口15から遠い位置では、突起27、28の間隔が大きくなる。このため、突起27、28が存在しない箇所が広くなり、トナー13を軸方向へ搬送しづらくなる。そのため、補給口15から遠ざかるに従って、搬送できるトナー量が少なくなる。
【0055】
なお、その他の動作は、第1実施形態と同様である。
【0056】
第1実施形態においては、
図16(a)のように、補給直後の不均一な分布は、均一化されるまでの時間Taの経過により、
図16(b)のように、均一な分布となる。このとき、長らく補給が行われない場合(低濃度の印字が継続して行われてトナー13があまり消費されない場合など)には、撹拌時間Tbの経過で、
図16(c)のように、画像形成ユニット1Kの両端にトナー13が集まって分布が不均一となる。このときの画像形成ユニット1K内のトナー13の分布差は、中央部と端部のトナー上面の高さの差であるh1とする。
【0057】
一方で、本実施形態のように、突起27、28の設置間隔を調整することで、補給直後の
図17(a)から均一化されるまでの時間Ta’経過後の均一な分布である
図17(b)は、均一化された後からの撹拌時間Tb経過後において、
図17(c)のように、不均一な分布となる。このときのトナー13の分布差をh2とする。
【0058】
第1、第2の実施形態共に、Tb経過後ではトナー13の分布は印刷画像に支障を来さない程度に不均一となるが、突起27、28の間隔が異なることによって搬送できるトナー量が異なるため、画像形成ユニット1K内の高さ分布差はh1>h2となる。よって、均一な分布から撹拌が行われた場合、第2実施形態では、均一な分布に近い状態を保つことができる。よって、トナー量検出精度の低下をより効率的に防いで、良好に保つことができる。また、トナー量の不足やトナー分布の偏りによる画像品位の低下をより効率的に防いで、良好に保つことができる。
【0059】
なお、本発明は、画像形成ユニットに関するものであるが、この画像形成ユニットは、種々の画像形成装置に適用することができる。例えば、複写機、LEDプリンタ、レーザービームプリンタ、ファクシミリ、MFP等に用いられる画像形成装置への適用が可能である。
【0060】
また、前記第2実施形態では、突起27、28の設置間隔Lを、トナー補給口15から遠ざかるに従って徐々に大きくしたが、この設置間隔Lをさらに正確に設定してもよい。具体的には、トナー13は流動性を有し、劣化しものでもある程度の流動性を有するため、それに合わせて突起27、28の設置間隔Lを調整してもよい。即ち、劣化したトナー13の流動性により中央側へ流れるトナー量と、第2実施形態のトナー量検出部材16により長手方向両側へ搬送されるトナー量とが均衡するように、突起27、28の設置間隔Lを調整してもよい。劣化したトナー13の流動性により中央側へ流れるトナー量は、トナー13の劣化の程度等の種々の条件によって異なるため、具体的にはこれらの条件に応じて、実験的に前記トナーの流動性を特定する。そして、このトナーの流動性と均衡するように、突起27、28の設置間隔Lを調整する。これにより、前記分布差h2を0に近い状態まで解消することができる。また、突起27、28の設置間隔Lの調整に変えて、又はこの調整と共に突起27、28の角度θ、αを調整してもよい。
【0061】
前記各実施形態では、トナー補給口15が現像剤収容部Sの長手方向中央部に設けられて、トナー量検出部材16の突起27、28により、トナー13が長手方向中央部から両側へ押し広げられる構成にしたが、他の構成でもよい。具体的には、トナー補給口15が、現像剤収容部Sの長手方向中央部ではなく、僅かに左右へずれていたり、右か左に大きくずれていたりしてもよい。この場合は、トナー補給口15の直下から左右に突起27と突起28とが配置されることになる。トナー補給口15が右か左の端部に設けられる場合は、突起27のみ又は突起28のみが設けられることになる。これらの場合も、前記各実施形態同様の作用、効果を奏することができる。
【0062】
また、前記実施形態では、カラー印刷に対応して画像形成ユニットが4つ設けられたが、白黒印刷の場合は画像形成ユニットが1つだけ設けられる。この場合も本願発明を適用することができる。
【0063】
さらに、本発明は上述した各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化可能である。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、上述した各実施形態及び変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を結合又は削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。